JP5157529B2 - 極低温液化推進薬充填装置及び極低温液化推進薬充填方法 - Google Patents

極低温液化推進薬充填装置及び極低温液化推進薬充填方法 Download PDF

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Description

本発明は、極低温液化推進薬充填装置及び極低温液化推進薬充填方法に関する。
従来から、固体燃料と液体酸化剤を搭載したロケットの運用が行われている。このロケットは、固定燃料の自己燃焼により発生する分解ガス(燃料成分過剰ガス)を燃料噴射器から主燃焼室内に噴射する一方、同分解ガスの圧力で液体酸化剤を加圧して同噴射器から主燃焼室内に噴射する。そして、固体燃料の分解ガスと液体酸化剤とを主燃焼室で混合燃焼させることにより発生した高温・高圧の燃焼ガスをノズルから噴出させることで推進力を得ている(例えば、特許文献1参照)。
最近では、固体燃料の代わりに液化天然ガス(LNG:liquefied natural gas)が使用されている。このような、液体推進薬を使用する飛翔体では、打ち上げ直前に機体内の機体タンクに液体推進薬を充填する必要がある。このような充填装置として、例えば、図6に示す充填装置100がある。
この充填装置100は、極低温液化推進薬が貯留される貯留槽101と、貯留槽101から機体タンク102に極低温液化推進薬を供給する供給部103と、気化した極低温液化推進薬を廃棄する排気部104と、充填後に供給部103の一部に残留した極低温液化推進薬を除去するための排出部105と、を備えている。そして、機体タンク102内には、液位検知のための液位センサ106が配されている。
供給部103の予冷時及び機体タンク102の極低温液化推進薬充填時には、極低温液化推進薬が、貯留槽101から供給部103を介して機体タンク102に流れていく。この過程で一部気化した極低温液化推進薬は排気部104から廃棄され、余剰分は排出部105に排出されて回収される。
特開平8−270506号公報
しかしながら、上記従来の極低温液化推進薬充填装置は、液位センサ106による液位検知を行っているので、充填・液位維持するとき、液位センサ106の計測点近傍で充填/停止が繰り返される。そのため、流量停止状態時にガイザリング現象発生(温度上昇による突沸現象)の可能性が高まり、推進薬の状態が不安定になり、飛翔体の打ち上げ延期等の影響がでる可能性がある。そして、これを抑えるため充填流量を所定の範囲内に抑える必要があり、充填時間がかかる。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、極低温液化推進薬の充填の際の充填時間を短縮することができ、機体タンクに入熱するエネルギーを低減することができる極低温液化推進薬充填装置及び極低温液化推進薬充填方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
第1の発明は、機体タンクを有する飛翔体における前記機体タンクに極低温液化推進薬を充填する充填装置であって、前記極低温液化推進薬が貯留される貯留槽と、該貯留槽から前記機体タンクに前記極低温液化推進薬を供給する供給部と、前記機体タンクと連通されて充填途中に気化した前記極低温液化推進薬を再度液化して前記機体タンクに戻す冷却部と、を備えていることを特徴とする。
この発明は、極低温液化推進薬による供給部等の予冷時及び機体タンクへの充填時に、極低温液化推進薬の一部が気化しても冷却部によって再度液化するので、機体タンクが中間液位のときにも機体タンク内の分圧上昇を好適に抑えて充填速度を上げることができる。また、極低温液化推進薬の流量停止状態をなめらかに実現でき、推進薬が不安定となることを防ぐことができる。
また、本発明に係る極低温液化推進薬充填装置は、前記極低温液化推進薬充填装置であって、前記冷却部が、液化窒素流通部を備えていることを特徴とする。
この発明は、少なくとも液化窒素よりも沸点の高い極低温液化推進薬を好適に液化することができる。
また、本発明に係る極低温液化推進薬充填装置は、前記極低温液化推進薬充填装置であって、前記冷却部内における前記極低温液化推進薬の圧力が前記機体タンク内の目標圧力となるように、前記液化窒素流通部における液化窒素の流量を制御する制御部を備えていることを特徴とする。
この発明は、極低温液化推進薬の流量停止状態をなめらかに実現することができ、推進薬が不安定となることを防ぐことができる。
また、本発明に係る極低温液化推進薬充填装置は、前記極低温液化推進薬充填装置であって、前記極低温液化推進薬が、液化天然ガスであることを特徴とする。
この発明は、液化天然ガスの軽質分の蒸発を抑えて性状のばらつきを抑えることができ、不安定燃焼を好適に抑えることができる。
第2の発明は、機体タンクを有する飛翔体における前記機体タンクに極低温液化推進薬を充填する充填方法であって、極低温液化推進薬が貯留された貯留槽から前記極低温液化推進薬を前記機体タンクに供給する供給工程と、充填途中で気化した前記極低温液化推進薬を再度液化する冷却工程と、を備えていることを特徴とする。
この発明は、極低温液化推進薬による供給部等の予冷時及び機体タンクへの充填時に、極低温液化推進薬の一部が気化しても冷却工程によって再度液化するので、機体タンクが中間液位のときにも機体タンク内の分圧上昇を好適に抑えて充填速度を上げることができる。また、極低温液化推進薬の流量停止状態をなめらかに実現でき、推進薬が不安定になることを防ぐことができる。
また、本発明に係る極低温液化推進薬充填方法は、前記極低温液化推進薬充填方法であって、前記冷却工程が、液化窒素を流通させて前記極低温液化推進薬を再液化することを特徴とする。
この発明は、少なくとも液化窒素よりも沸点の高い極低温液化推進薬を好適に液化することができる。
本発明によれば、極低温液化推進薬の充填の際の充填時間を短縮することができ、機体タンクに入熱するエネルギーを低減することができる。
本発明に係る一実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態に係るLNG充填装置(極低温液化推進薬充填装置)1は、図1に示すように、機体タンク2を有する図示しない飛翔体における機体タンク2にLNG(極低温液化推進薬)を充填する充填装置であって、LNGが貯留される貯留槽3と、貯留槽3から機体タンク2にLNGを供給する供給部5と、機体タンク2と連通されて、充填途中に気化したLNGを再度液化して機体タンク2に戻す冷却部6と、冷却部6と連通され、気化したLNGを排気する排気部7と、充填後に供給部5の一部に残留したLNGを除去するための排出部8と、後述する各センサ及び各弁と図示しない手段によって接続されて各センサの計測結果に基づき各種バルブを制御する制御部10と、を備えている。なお、制御部10は、以下の全ての制御弁の制御をそれぞれ後述する方向で行う。
貯留槽3には、貯留槽3内のLNG圧力を検知するLNG貯留センサ11と、LNG圧力を制御するために開度が調節可能な第一開度制御弁12及び第二開度制御弁13と、が配されている。
供給部5は、貯留槽3に連通されたメイン配管15と、機体と接続されるアンビリカルライン16と、メイン配管15を流れるLNGを液化窒素(LN2)で冷却するためのLN2クーラー17と、を備えている。メイン配管15には、LNGの流通を制御する第一開閉弁18と、LNG流量を検知する流量センサ20と、LNG流量を制御する第一流量制御弁21と、開度が調節可能な第三開度制御弁22と、LNG温度を検知する第一温度センサ23及び第二温度センサ25と、メイン配管15とアンビリカルライン16とを接続する第二開閉弁26と、が配されている。
LN2クーラー17は、メイン配管15から分岐されて再びこれと合流する分岐配管27の途中に配されている。この分岐配管27には、第三開度制御弁22と連動する第四開度制御弁28が配されている。第三開度制御弁22及び第四開度制御弁28は、第一温度センサ23による温度計測結果に基づき操作が制御されている。
図示しない機体には、アンビリカルライン16と機体タンク2の底部2aとを接続する機体入口側開閉弁30と、機体タンク2と冷却部6とを接続する機体出口側開閉弁31と、機体入口側開閉弁30の入口側に配された機体側温度センサ32と、機体タンク2の底部2aに配された枯渇センサ33と、機体タンク2の頂部2b近傍に鉛直上方に向かって順に配されてタンク内の液位を検知する99%液位センサ35、100%液位センサ36、及び101%液位センサ37と、機体タンク2の底部2aに配された下部圧力センサ38と、機体タンク2の頂部2bに配された上部圧力センサ40と、が配されている。ここで、枯渇センサ33は3つ、各液位センサ35,36,37は2つずつ配されている。
冷却部6は、気化されたLNGが流入するとともに再液化されて貯留されるLNGタンク41と、LNGタンク41内に配されてLN2が流れる液化窒素流通部42と、を備えている。LNGタンク41は、機体出口側開閉弁31を介して機体タンク2の頂部2bと接続されている。
排気部7は、機体タンク2と接続された排気配管43と、排気配管43に配されて上部圧力センサ40の計測結果に基づいて機体タンク2内の圧力を制御するための第五開度制御弁45及び上部圧力センサ40の計測結果に基づいてLNGタンク41内の圧力を制御するための第六開度制御弁46と、排気配管43と連通されて気化した天然ガスが排気されるフレアスタック47と、を備えている。
排出部8は、第二開閉弁26と接続された第一排出配管48と、アンビリカルライン16と接続された第二排出配管50と、第一排出配管48に配された第三開閉弁51と、第二排出配管50に配された第四開閉弁52と、を備えている。第一排出配管48及び第二排出配管50は、フレアスタック47と連通されている。
制御部10は、冷却部6のLNGタンク41内におけるLNGの圧力が機体タンク2内の目標圧力となるように、液化窒素流通部42におけるLN2の流量を制御する。
次に、本実施形態に係るLNG充填装置1によるLNG充填方法(極低温液化推進薬充填方法)について説明する。
この方法は、図2に示すように、配管内を予め極低温に冷却するための配管予冷工程(ST1)と、比較的低速の充填速度でLNG充填する第一充填工程(ST2)と、比較的高速の充填速度でLNG充填する第二充填工程(ST3)と、を備えている。
配管予冷工程(ST1)は、LNGの貯留槽3からLNGを機体タンク2に供給する供給工程(S01)と、充填途中で気化したLNGを再度液化する冷却工程(S02)と、再度液化されたLNGを機体タンク2へ戻す戻し工程(S03)と、を備えている。
供給工程(S01)では、まず、貯留槽3内の圧力が所定の範囲内となるように、第一開度制御弁12及び第二開度制御弁13を開閉制御する。そして、第五開度制御弁45を全開し、機体出口側開閉弁31、機体入口側開閉弁30、及び第二開閉弁26を順に開く。
そして、第三開度制御弁22は全閉状態のまま、第四開度制御弁28を全開した後、第一開閉弁18を開く。このとき、貯留槽3からLNGがメイン配管15内に流れていく。この際、所定の流量を維持するように第一流量制御弁21を調節する。
ここで、メイン配管15内及び機体タンク2内がLNGの沸点よりも高温なので、LNGの少なくとも一部が気化する。気化したLNGは、機体タンク2から冷却部6へ流れる。このとき、冷却工程(S02)及び戻し工程(S03)が行われる。
冷却工程(S02)では、気化したLNGが液化窒素流通部42と接触することにより熱交換されて再度液化される。再液化したLNGはLNGタンク41内に貯留される。ここで、制御部10によって、LNGタンク41内におけるLNGの圧力が機体タンク2内の目標圧力となるように、液化窒素流通部42におけるLN2の流量が制御されている。
戻し工程(S03)では、再液化されたLNGがLNGタンク41から機体タンク2へ戻される。ただし、上部圧力センサ40が所定値以上の圧力を検出する場合には、再液化しきれないLNGは第五開度制御弁45から排気配管43を流れてフレアスタック47へと排気される。
こうして機体側温度センサ32が所定の温度以下になったところで配管予冷工程(ST1)を終了する。
引き続き、第一充填工程(ST2)に移行する。
この工程は、LNGの貯留槽3からLNGを機体タンク2に供給する供給工程(S11)と、充填途中で気化したLNGを再度液化する冷却工程(S02)と、再度液化されたLNGを機体タンク2へ戻す戻し工程(S03)と、を備えている。
供給工程(S11)では、まず、機体タンク2内圧力が所定圧力となるように、第五開度制御弁45及び第六開度制御弁46の開度を調節する。次に、第一温度センサ23での検出温度が所定の温度以下となるよう、LNGの一部をLN2クーラー17によって冷却して入熱を抑えるために第三開度制御弁22及び第四開度制御弁28の開度を調節する。一方、メイン配管15の流量を所定量とするため、第一流量制御弁21を調節する。
LNGが供給されている間、配管予冷工程(ST1)と同様に、冷却工程(S02)及び戻し工程(S03)を行う。こうして、枯渇センサ33がWETとなったところで第一流量制御弁21を全閉して第一充填工程(ST2)を終了する。
そしてさらに第二充填工程(ST3)に移行する。
この工程は、LNGの貯留槽3からLNGを機体タンク2に供給する供給工程(S21)と、充填途中で気化したLNGを再度液化する冷却工程(S02)と、再度液化されたLNGを機体タンク2へ戻す戻し工程(S03)と、を備えている。
供給工程(S21)では、まず、LNGの流量が供給工程(S11)のときよりも大きい所定の流量となるように第一流量制御弁21の開度を調節する。これによって、機体タンク2内にLNGが貯留されていく。
LNGが供給されている間、配管予冷工程(ST1)と同様に、冷却工程(S02)及び戻し工程(S03)を行う。こうして、99%液位センサ35が液面を検知してWETとなったところで第一流量制御弁21を全閉して第二充填工程(ST3)を終了する。
このLNG充填装置1及びLNG充填方法によれば、冷却部6を備えて冷却工程(S02)を行うので、LNGによる供給部5等の予冷時及び機体タンク2への充填時に、LNGの一部が気化しても再度液化することができる。この際、機体タンク2が中間液位のときにも機体タンク2内の分圧上昇を好適に抑えて充填速度を上げることができる。また、LNGの流量停止状態をなめらかに実現でき、推進薬が不安定になることを防ぐことができる。
したがって、LNGの充填の際の充填時間を短縮することができ、機体タンク2に入熱するエネルギーを低減することができる。
特に、冷却部6が液化窒素流通部42を備えているので、LN2よりも沸点の高いLNGを好適に液化することができる。
また、冷却部6内におけるLNGの圧力が機体タンク2内の目標圧力となるように、制御部10が液化窒素流通部42におけるLN2の流量を制御しているので、LNGの流量停止状態をなめらかに実現することができ、推進薬が不安定になることを防ぐことができる。
さらに、LNGの軽質分の蒸発を抑えて性状のばらつきを抑えることができ、不安定燃焼を好適に抑えることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では極低温液化推進薬をLNGとしているが、これに限らず、LOやLHでも構わない。
本発明の一実施形態に係るLNG充填装置を示す系統図である。 本発明の一実施形態に係るLNG充填方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るLNG充填装置による配管予冷時の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るLNG充填装置による充填時の状態を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るLNG充填装置による充填時の状態を示す説明図である。 従来のLNG充填装置を示す系統図である。
符号の説明
1…LNG充填装置(極低温液化推進薬充填装置)
2…機体タンク
3…貯留槽
5…供給部
6…冷却部
7…排気部
10…制御部
42…液化窒素流通部

Claims (3)

  1. 機体タンクを有する飛翔体の打ち上げ前に該飛翔体における前記機体タンクに極低温液化推進薬を充填する充填装置であって、
    前記極低温液化推進薬が貯留される貯留槽と、
    該貯留槽から前記機体タンクに前記極低温液化推進薬を供給する供給部と、
    液化窒素流通部を備え、前記機体タンクと連通されて充填途中に気化した前記極低温液化推進薬を前記液化窒素流通部で再度液化して前記機体タンクに戻す冷却部と、
    前記冷却部内における前記極低温液化推進薬の圧力が前記機体タンク内の目標圧力となるように前記液化窒素流通部における液化窒素の流量を制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする極低温液化推進薬充填装置。
  2. 前記極低温液化推進薬は、液化天然ガスであることを特徴とする請求項記載の極低温液化推進薬充填装置。
  3. 機体タンクを有する飛翔体の打ち上げ前に該飛翔体における前記機体タンクに極低温液化推進薬を充填する充填方法であって、
    極低温液化推進薬が貯留された貯留槽から前記極低温液化推進薬を前記機体タンクに供給する供給工程と、
    充填途中で気化した前記極低温液化推進薬を、液化窒素を流通させる液化窒素流通部で再度液化する冷却工程と、
    を有し、
    前記冷却工程では、前記極低温液化推進薬の圧力が前記機体タンク内の目標圧力となるように前記液化窒素流通部における液化窒素の流量を制御することを特徴とする極低温液化推進薬充填方法。
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