JP5158430B2 - エポキシ化合物及びエポキシ硬化物 - Google Patents

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本発明は、耐熱性、耐黄変性等の優れた硬化物性を与え、且つ毒性の少ない新規なエポキシ化合物、及び、該エポキシ化合物を硬化して得られるエポキシ硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、接着性、電気絶縁性、耐熱性等に優れていることから、電気・電子材料、印刷回路、成形材料、光学材料積層板、塗料、接着剤、各種複合材料、土木建築材料等の様々な分野で使用されている。
汎用のエポキシ樹脂であるビスフェノールAジグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂は、耐熱性に若干劣ることと、主骨格がベンゼン環を有する為に耐候性に劣り、特に光劣化が激しいといった問題があった。耐熱性エポキシ樹脂としてはフェノールノボラックエポキシ樹脂やクレゾールノボラックエポキシ樹脂があるが、これらはビスフェノールAジグリシジルエーテル型の樹脂と同様に、構造中にフェニルエーテル結合を有し、その主骨格がベンゼン環を有する為に、やはり耐候性に問題がある。
一方、イソシアヌル環を主骨格とする構造を持つエポキシ化合物、例えばトリグリシジルイソシアヌレートを硬化して得られる樹脂は、更に分子中に剛直なイソシアヌル骨格を有する事からガラス転移温度(Tg)が高く、そのために熱変形する温度が高くなり、エポキシ樹脂硬化物とした場合に高い耐熱性を有する。しかも、主骨格がイソシアヌル環であるために結合エネルギーが大きく、紫外線吸収の割合が低いので耐候性が良い。
しかしながら結晶性が高い為、液状酸無水物と共に液状コンパウンド化した際に、トリグリシジルイソシアヌレートの結晶析出という問題があった。
前記問題を解決する手段として、特許文献1には、トリ(カルボキシアルキル)イソシアヌレートトリグリシジルエステルを使用する例が記載されている。トリグリシジルイソシアヌレートの様に室温で結晶化せず、加熱時に低粘度である為に作業性に優れる。
しかしながら特許文献1に記載の化合物は、反応性基がグリシジルエーテルであるため、カチオン硬化性に若干劣る傾向があった。またグリシジルエーテル基は、変異原性がやや高いといった報告もある。
特開平08−081461号公報
本発明が解決しようとする課題は、カチオン硬化性に優れ、耐熱性、耐黄変性等の優れた硬化物性を与える新規なエポキシ化合物を提供することにある。
本発明者らは、イソシアヌル環に脂環エポキシ基を有するエポキシ化合物が、液状であり、カチオン硬化性に優れ、該エポキシ化合物を硬化させて得られた硬化物は耐熱性、耐候性等の優れた硬化物性を与えることを見出し、課題を解決した。
即ち本発明は、一般式(1)で表されるエポキシ化合物を提供する。
Figure 0005158430
(式(1)において、Rは−H、又はまたは式(2)
Figure 0005158430
(2)
で表される基を表し、Rは−CH−または−CO−を表し、Rは炭素原子数2〜6のアルキレン鎖を表す。)
また本発明は、前記記載のエポキシ化合物を硬化して得られるエポキシ硬化物を提供する。
本発明により、液状であり、カチオン硬化性に優れるポキシ化合物が得られ、該エポキシ化合物を硬化させて得られた硬化物は耐熱性、耐候性等の優れた硬化物性を与える。
また、グリシジルエーテル基を有さないため、変異原性が低く、安全に使用することができる。
(一般式(1)で表される化合物)
前記一般式(1)で表される化合物において、各々のRは両方とも−Hでも構わないし、どちらか一方のRが−Hでありもう一方が式(2)で表される基でも構わないし、両方のRが式(2)で表される基でも構わない。1分子中の脂環式エポキシ基が2つ以上であるとカチオン硬化性により優れる。また、各々のRは−CH−または−CO−を表す。
また、各々のRは各々独立して、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等の炭素原子数2〜6のアルキレン基を表す。中でも、原料が安価なことから、エチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例を、式(3)〜式(6)に示す。
Figure 0005158430
式(3)
Figure 0005158430
式(4)
Figure 0005158430
式(5)
Figure 0005158430
式(6)
本発明の前記一般式(1)で表される化合物は、公知の製法により得ることが可能である。例えば前記式(3)および式(5)で表される化合物のような、Rが−CH−である化合物は、3−シクロヘキセン−1−メタノールとトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートをいわゆるウィリアムソン合成によりエーテル化し、生じたオレフィン体をエポキシ化することで得られる。
オレフィンのエポキシ化は通常行われる手法を用いることができる。例えば、過酢酸、メタクロロ過安息香酸などの過酸を用いた方法や、タングステン酸ナトリウムを触媒とした過酸化水素を用いた方法を適用することが可能である。
また、前記式(4)および式(6)で表される化合物のような、Rが−CO−である化合物は、は、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートに3−シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルエステルをエステル交換により付加し、生じたオレフィン体をエポキシ化することで得られる。
また、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートに1,3−ブタジエンをディールス・アルダー反応で付加し、生じたオレフィン体をエポキシ化することでも得られる。
オレフィンのエポキシ化は通常行われる手法を用いることができる。例えば、過酢酸、メタクロロ過安息香酸などの過酸を用いた方法や、タングステン酸ナトリウムを触媒とした過酸化水素を用いた方法を適用することが可能である。
また、本発明の前記一般式(1)で表される化合物で、Rがプロピレン基であるものはトリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートを使用することにより得ることができる。またRがブチレン基であるものは、トリス(ヒドロキシブチル)イソシアヌレートを使用することにより得ることができる。またRがペンチレン基であるものは、トリス(ヒドロキシペンチル)イソシアヌレートを使用することにより得ることができる。またRがヘキシレン基であるものは、トリス(ヒドロキシヘキシル)イソシアヌレートを使用することで得ることができる。これらのトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートは、水素化ナトリウムや水酸化リチウムを用いてシアヌル酸とハロアルキルオールを付加し、得ることができる。
本発明の一般式(1)で示されるエポキシ化合物は硬化、即ち重合することによって耐熱性や耐候性に優れたエポキシ樹脂硬化物とする事ができる。
例えば、熱により硬化させる場合は、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン、メチルナジック酸無水物、メチルハイミック酸無水物、ヘキサハイドロフタル酸無水物、テトラハイドロフタル酸無水物等の酸無水物、又はポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三弗化ホウ素とアミンの錯体、ジシアンジアミド等の硬化剤を使用し、一般式(1)で示されるエポキシ化合物を単独で硬化させてもよいし、他のエポキシ基を有する化合物あるいは樹脂、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル型樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂等を併用し硬化させる事により本発明のエポキシ樹脂硬化物とする事もできる。
また、熱カチオン重合開始剤を使用し、カチオン重合により硬化させることもできる。この場合は、SbF 、SbF 、AsF 、PF などを陰イオン成分とする窒素、イオウ、リンまたはヨードのオニウム塩等の開始剤を使用し、一般式(1)で示されるエポキシ化合物を単独で硬化させてもよいし、他のカチオン重合性化合物を併用し硬化させることができる。カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニル化合物等が挙げられる。エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル縮合物、ノボラック樹脂やクレゾール樹脂のエピクロルヒドリン変性物などが挙げられる。また、オキセタン化合物としては、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル等が挙げられる。また、ビニル化合物としては、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、プロピレンカーボネートプロペニルエーテル、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン等が挙げられる。
また、光により硬化させる場合は、光カチオン重合開始剤を使用して反応させることが可能である。この場合は、カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、チオキサントニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄カチオン、及びチアンスレニウムであって、アニオン部分が、BF 、PF 、SbF 、[BX(但し、Xは、フェニル基の有する水素原子の2個以上が、フッ素原子またはトリフルオロメチル基によって置換された官能基を示す。)で構成される、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、チオキサントニウム塩、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄塩、等を単独で使用または2種以上を併用することができる。前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート等を使用することができる。また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。また、前記チオキサントニウム塩としては、S−ビフェニル 2−イソプロピル チオキサントニウム ヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。また、前記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えば、CPI−100P、CPI−101A(以上、サンアプロ(株)製)、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6990、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172(以上、旭電化工業(株)製)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−145、サンエイドSI−150、サンエイドSI−160、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社製)、オムニキャット432、オムニキャット440、オムニキャット445、オムニキャット550、オムニキャット650、オムニキャットBL−550(アイジーエム レジン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ロードシル フォトイニシエーター2074(RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア・ジャパン(株)製)等が市販されている。
これらのカチオン重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、併用して使用することもできる。カチオン重合開始剤の使用量は特に限定はないが、通常は固形分に対して、0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜8質量%である。
重合を熱で行う場合は、熱風、近赤外線など公知の熱源が適用可能である。
また重合を光照射で行う場合は、通常は可視光や紫外線を使用するのが好ましい。特に紫外線が好適である。紫外線源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。
また、各種添加剤、例えばシリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、赤燐、リン酸エステル等のリン系難燃剤、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、第3級ホスフィン、第4級ホスフォニウム塩等の硬化促進剤、或いはゴム粒子等の靱性改質剤を配合する事が出来る。これらの種類、配合量等は特に限定されず、所望とされる物性に従って適宜配合することが可能である。
(実施例1) 式(4)で表される化合物の製造方法
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート5.0g(19.14mmol)を3−シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルエステル40.24g(287mmol)に分散し、エステル交換触媒としてネオスタン−U300(日東化成株式会社製)を0.226g加え、メタノールを減圧除去しながら120℃で6時間過熱攪拌した。反応混合物から過剰の3−シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルエステルを減圧除去し、酢酸エチル100mlに溶解した。100mlの蒸留水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、脱溶剤して黄色透明液体を得た。更にこれをシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=8/2)に通し、着色成分を除去して式(7)で示されるオレフィン体10.41gを得た。収率は92.9%であった。
Figure 0005158430
式(7)
65%メタクロロ過安息香酸を16.32g(61.47mmol)のジクロロメタン160ml溶液を10℃に冷却し、攪拌しながら前記式(7)で示されるオレフィン体10.0g(17.08mmol)をゆっくり添加して3時間攪拌後、6℃で24時間静置した。沈殿物をろ別し、溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液200mlで1回洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで2回洗浄、蒸留水100mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、脱溶剤し、シリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=5/5)に通して、無色透明の粘調液体9.10gを得た。
H NMR、13C NMR、FT−IRスペクトル解析より、この化合物は前記式(4)で表される構造であることを確認した。
収率は84.1%であり、屈折率 25=1.5142、アッベ数=57であった。
H NMRスペクトル値:4.30(t、J=3.6Hz、6H)、4.16(t、J=4.8Hz、6H)、3.22ppm(s、2H)、3.12ppm(s、4H)、2.46−1.26ppm(m、21H)
13C NMRスペクトル値:175.2ppm、174.4ppm、148.8ppm、61.1ppm、61.0ppm、52.1ppm、51.5ppm、51.2ppm、50.5ppm、41.9ppm、37.5ppm、35.6ppm、27.0ppm、26.0ppm、23.6ppm、22.7ppm、20.7ppm
得られた生成物の赤外吸収(IR)の測定を行った結果を下記に示す。
IRスペクトル値:2958cm−1、1735cm−1、1701cm−1、1465cm−1、1398cm−1、1369cm−1、1311cm−1、1259cm−1、1234cm−1、1182cm−1、1058cm−1、1001cm−1、937cm−1、908cm−1、862cm−1、837cm−1、800cm−1、765cm−1、630cm−1、541cm−1、478cm−1
(実施例2) 式(6)で表される化合物の製造方法
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート20.0g(76.56mmol)を3−シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルエステル80.48g(572mmol)に分散し、エステル交換触媒としてネオスタン−U300(日東化成株式会社製)を0.60g加え、メタノールを減圧除去しながら120℃で4時間過熱攪拌した。反応混合物から過剰の3−シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルエステルを減圧除去し、酢酸エチル100mlに溶解した。100mlの蒸留水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、脱溶剤して黄色透明液体を得た。更にこれをシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=7/3の溶剤を使用)に通し、着色成分を除去して式(8)で示されるオレフィン体10.2gを得た。収率は27.9%であった。
Figure 0005158430
式(8)
65%メタクロロ過安息香酸を12.00g(45.2mmol)のジクロロメタン160ml溶液を10℃に冷却し、攪拌しながら前記式(4)で示されるオレフィン体を10.0g(21.0mmol)をゆっくり添加して3時間攪拌後、6℃で24時間静置した。沈殿物をろ別し、溶液を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液200mlで1回洗浄、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで2回洗浄、蒸留水100mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、脱溶剤し、シリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=7/3)に通して、無色透明の粘調液体9.18gを得た。H NMR、13C NMR、FT−IRスペクトル解析より、この化合物は式(6)で表される構造であることを確認した。収率は91.8%であり、屈折率 25=1.5144、アッベ数=53であった。
H NMRスペクトル値:4.33(s、4H)、4.18(dd、J=5.4、4.3Hz、4H)、4.11(t、J=5.4Hz、2H)、3.85(dd、J=9.3, 4.7Hz、2H)、3.22ppm(s、2H)、3.14ppm(s、2H)、2.57−1.26ppm(m、14H)
13C NMRスペクトル値:175.3ppm、174.6ppm、149.27ppm、149.26ppm、148.84ppm、148.80ppm、61.0ppm、59.9ppm、52.1ppm、51.6ppm、51.2ppm、50.7ppm、45.0ppm、41.9ppm、37.4ppm、35.6ppm、27.0ppm、25.09ppm、23.4ppm、22.7ppm、20.6ppm
得られた生成物の赤外吸収(IR)の測定を行った結果を下記に示す。
IRスペクトル値:3545cm−1、2968cm−1、1734cm−1、1699cm−1、1463cm−1、1367cm−1、1313cm−1、1257cm−1、1234cm−1、1170cm−1、1060cm−1、1001cm−1、937cm−1、860cm−1、800cm−1、761cm−1、634cm−1、543cm−1
(実施例3) 式(4)で表される化合物の光硬化
式(4)で表される化合物1部に、カチオン光重合開始剤であるイルガキュア250を0.04部加え、4部の2−メトキシエタノールで希釈した配合物を調整した。スピンコーターでガラス基板に塗布し、100℃のホットプレート上で5分間乾燥した。120W/cmの高圧水銀ランプを所定の露光量照射して、100℃のホットプレートで5分間ポストベークした後、アセトンワイプにより耐溶剤性を評価し、塗膜にワイプ跡が残らない場合、耐溶剤性が発現するとした。
本配合物は120mJ/cmの露光量で耐溶剤性が発現することを確認した。
(実施例4) 式(4)で表される化合物の変異原性試験
式(4)で表される化合物について、Ames試験を行い、サルモネラ菌の変異原性発現濃度を求めた結果、mmo−sat 5mg/plate(+s9)であった。
なお、代表的なエポキシ化合物であるビスフェノールAグリシジルエーテルはmmo−sat 33μg/plate(+s9)、イソシアヌル酸トリグリシジルはmmo−sat 333μg/plate(+s9)と報告されており、本化合物の変異原性は弱いものであった。
(実施例5) 式(4)で表される化合物の熱硬化物
式(4)で表される化合物24.5部に、24.5部のセロキサイド2021P(ダイセルサイテック社製)、51部のエピクロンB650(DIC社製)、5部のヒシコーリンPX−4MP(日本化学工業社製)を加え、熱硬化性配合物を作成した。スピンコーターでガラス基板に塗布し、150℃で2時間加熱して、膜厚10μmの薄膜硬化物を得た。
(樹脂薄膜の屈折率、耐熱性、耐光性の評価)
実施例5で作製した樹脂薄膜の耐熱性は恒温器(いすゞ製作所社製)を用いて150℃で500時間加温したあとに黄色度(YI値)を測定して評価した。耐光性試験はサンテスト器(アトラス社製サンテスター CPS+、キセノンランプ、550W/m)で100時間または500時間光照射したあとに黄色度(YI値)を測定して評価した。黄色度(YI値)は測色色差計(日本電色工業社製ZE2000)でJIS8722に準じて測定した。
この結果、耐熱性試験500時間後、耐光性試験500時間後のYI値は共に1以下であり、耐熱性や耐光性に優れていた。
(参考例1)
実施例3における式(4)で表される化合物の代わりに、トリアジン環を中心骨格に持つ液状グリシジルTEPIC−PAS(日産化学社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして耐溶剤性の発現する露光量を求めた。
本配合物では2000mJ/cmでも耐溶剤性は発現しなかった。
本発明の重合性脂環式化合物及びその重合物は、発光ダイオード、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録媒体用基板、フィルター等の光学部品等の材料、具体的には、半導体素子/集積回路(IC他),個別半導体(ダイオード、トランジスタ、サーミスタなど)として、LED(LEDランプ、チップLED,受光素子、光半導体用レンズなど)、センサー(温度センサー、光センサー、磁気センサー)、受動部品(高周波デバイス、抵抗器、コンデンサなど)、機構部品(コネクター、スイッチ、リレーなど)、自動車部品(回路系、制御系、センサー類、ランプシールなど)、接着剤(光学部品、光学ディスク、ピックアップレンズなど)、光学用フィルムの表面部コーティング剤等として有用である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表されるエポキシ化合物。
    Figure 0005158430


    (式(1)において、R1は−H、又はまたは式(2)
    Figure 0005158430
    (2)
    で表される基を表し、Rは−CH−または−CO−を表し、Rは炭素原子数2〜6のアルキレン鎖を表す。)
  2. 上記一般式(1)において、R が−CO−を表す、請求項1に記載のエポキシ化合物。
  3. 請求項1又は2に記載のエポキシ化合物を硬化して得られるエポキシ硬化物。
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