JP5176252B2 - 石灰を含有する水配合コーティング組成物の改良 - Google Patents
石灰を含有する水配合コーティング組成物の改良 Download PDFInfo
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Description
なかでも、特許文献5に記載された方法は、漆喰やドロマイトプラスターを始め、石灰系仕上げ塗材や石灰系塗料などの、石灰を含むコーティング組成物から形成される皮膜のひび割れを防止する効果に優れているとともに、石灰のチクソトロピックな流動特性を低減する方法として有用である。
I.非水硬化性の水配合コーティング組成物
(I-1)(a)石灰、(b)水、並びに(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、を含むことを特徴とするコーティング組成物。
(I-2)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(I-1)に記載するコーティング組成物。
(I-3)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−3以下の疎水性インデックスを有するものである、(I-1)に記載するコーティング組成物。
(I-4)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性または塩基性のアミノ酸である、(I-1)乃至(I-3)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-5)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性のアミノ酸である、(I-1)乃至(I-3)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-6)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(I-1)または(I-2)に記載するコーティング組成物。
(I-7)さらに(d)キレート化合物を含むことを特徴とする、(I-1)乃至(I-6)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-8)キレート化合物が、分子量1000以下の有機系キレート化合物または無機系キレート化合物である、(I-7)に記載するコーティング組成物。
(I-9)有機系キレート化合物が、カルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、燐酸系キレート化合物、スルホン酸系キレート化合物および還元性有機酸系キレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、(I-8)に記載するコーティング組成物。(I-10)キレート化合物が、分子量600以下のキレート化合物である(I-7)乃至(I-9)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-11)さらに(e)ケイ素化合物を含むことを特徴とする(I-7)乃至(I-10)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-12)ケイ素化合物が、ゼオライト、シリカ、珪藻土、フライアッシュ、セピオライト、ケイ酸ナトリウム、およびメタケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種である(I-11)に記載するコーティング組成物。
(I-13)さらに(f)結合材を含むことを特徴とする(I-1)乃至(I-12)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-14)さらに(g)白色顔料を含むことを特徴とする(I-1)乃至(I-13)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-15)さらに(h)骨材を含むことを特徴とする(I-1)乃至(I-14)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-16)コーティング組成物が塗料、塗材、シーラー、プライマー、または接着材である(I-1)乃至(I-14)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-17)工業用塗装機による塗装に用いられるコーティング組成物である、(I-1)乃至(I-16)のいずれかに記載するコーティング組成物。
(I-18)工業用塗装機がスプレー、フローコーター、ロールコーター、またはバキュームコーター、好ましくはフローコーターである、(I-17)に記載するコーティング組成物。
(II-1)上記(I-1)乃至(I-18)のいずれかに記載するコーティング組成物を容器内に収納してなるコーティング組成物包装体。
(II-2)容器が可撓性容器である(II-1)に記載するコーティング組成物包装体。
(III-1)(a)石灰を含む皮膜成分と、(c) 極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種とを、(b)水とともに混合して液状またはペースト状に調製する工程を有する、塗装機専用コーティング組成物の製造方法。
(III-2)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(II-1)に記載する製造方法。
(III-3)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−3以下の疎水性インデックスを有するものである、(II-1)に記載する製造方法。
(III-4)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性または塩基性のアミノ酸である、(III-1)乃至(III-3)のいずれかに記載する製造方法。
(III-5)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性のアミノ酸である、(III-1)乃至(III-3)のいずれかに記載する製造方法。
(III-6)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(III-1)または(III-2)に記載する製造方法。
(III-7)さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、(III-1)乃至(III-6)のいずれかに記載する製造方法。
(III-8)キレート化合物が、分子量1000以下の有機系キレート化合物または無機系キレート化合物である、(III-7)に記載する製造方法。
(III-9)有機系キレート化合物が、カルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、燐酸系キレート化合物、スルホン酸系キレート化合物および還元性有機酸系キレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、(III-8)に記載する製造方法。(III-10)キレート化合物が、分子量600以下のキレート化合物である(III-7)乃至(III-9)のいずれかに記載する製造方法。
(III-11)さらに(e)ケイ素化合物を配合することを特徴とする(III-7)乃至(III-10)のいずれかに記載する製造方法。
(III-12)ケイ素化合物が、ゼオライト、シリカ、珪藻土、フライアッシュ、セピオライト、ケイ酸ナトリウム、およびメタケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種である(III-11)に記載する製造方法。
(III-13)さらに(f)結合材を配合することを特徴とする(III-1)乃至(III-12)のいずれかに記載する製造方法。
(III-14)さらに(g)白色顔料を配合することを特徴とする(III-1)乃至(III-13)のいずれかに記載する製造方法。
(III-15)さらに(h)骨材を配合することを特徴とする(III-1)乃至(III-14)のいずれかに記載する製造方法。
(III-16)コーティング組成物が、塗料、塗材、シーラー、プライマー、または接着材である(III-1)乃至(III-15)のいずれかに記載する製造方法。
(III-17)工業用塗装機がスプレー、フローコーター、ロールコーター、またはバキュームコーター、好ましくはフローコーターである、(III-1)乃至(III-16)のいずれかに記載する製造方法。
(IV-1)基材表面に、(I-1)乃至(I-18)のいずれかに記載するコーティング組成物から形成される被覆層を有するボードまたはシート。
(IV-2)基材表面に、(I-1)乃至(I-18)のいずれかに記載するコーティング組成物から形成される被覆層を有し、当該被覆層の表面に保護シートが積層されてなることを特徴とする、(IV-1)記載のボードまたはシート。
(IV-3)基材表面に、(1)(I-1)乃至(I-18)のいずれかに記載するコーティング組成物を塗布する工程を有する、(IV-1)に記載するボードまたはシートの製造方法。
(IV-4)基材表面に、(1)(I-1)乃至(I-18)のいずれかに記載するコーティング組成物を塗布する工程、および(2)当該組成物から形成された被覆層の表面に保護シートを積層する工程を有する、(IV-2)に記載するボードまたはシートの製造方法。
(V-1)(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の流動性向上方法。
(V-2)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(V-1)に記載する流動性向上方法。
(V-3)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−3以下の疎水性インデックスを有するものである、(V-1)に記載する流動性向上方法。
(V-4)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性または塩基性のアミノ酸である、(V-1)乃至(V-3)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(V-5)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性のアミノ酸である、(V-1)乃至(V-3)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(V-6)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(V-1)または(V-2)に記載する流動性向上方法。
(V-7)さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、(V-1)乃至(V-6)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(V-8)キレート化合物が、分子量1000以下の有機系キレート化合物または無機系キレート化合物である、(V-7)に記載する流動性向上方法。
(V-9)有機系キレート化合物が、カルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、燐酸系キレート化合物、スルホン酸系キレート化合物および還元性有機酸系キレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、(V-7)に記載する流動性向上方法。(V-10)キレート化合物が、分子量600以下のキレート化合物である(V-7)乃至(V-9)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(V-11)さらに(g)白色顔料を配合することを特徴とする(V-1)乃至(V-10)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(V-12)コーティング組成物が、さらに(f)結合材、(h)骨材、および(e)ケイ素化合物からなる群から選択される少なくとも一種を含むものである、(V-1)乃至(V-11)のいずれかに記載する流動性向上方法。
(VI-1)(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の基材に対する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-2)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(VI-1)に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-3)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−3以下の疎水性インデックスを有するものである、(VI-1)に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-4)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性または塩基性のアミノ酸である、(VI-1)乃至(VI-3)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-5)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性のアミノ酸である、(VI-1)乃至(VI-3)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-6)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(VI-1)または(VI-2)に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-7)さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、(VI-1)乃至(VI-6)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-8)キレート化合物が、分子量1000以下の有機系キレート化合物または無機系キレート化合物である、(VI-7)に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-9)有機系キレート化合物が、カルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、燐酸系キレート化合物、スルホン酸系キレート化合物および還元性有機酸系キレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、(VI-8)に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。(VI-10)キレート化合物が、分子量600以下のキレート化合物である(VI-7)乃至(VI-9)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-11)コーティング組成物が、さらに(f)結合材を含むものである、(VI-1)乃至(VI-10)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-12)コーティング組成物が、さらに(e)ケイ素化合物を含むものである、(VI-1)乃至(VI-11)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-13)コーティング組成物が、さらに(g)白色顔料を含むものである、(VI-1)乃至(VI-12)のいずれかに記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
(VI-14)上記(VI-1)乃至(VI-13)のいずれかに記載する方法によって基材に対する付着力が向上され、または付着力が均一安定化されたコーティング組成物から形成された皮膜を有する被覆物。
(VI-15)上記皮膜を有する被覆物がボードまたはシートである、(VI-14)に記載する被覆物。
(VII-1)(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の耐ひび割れ性向上方法。
(VII-2)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(VII-1)に記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-3)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物が、−3以下の疎水性インデックスを有するものである、(VII-1)に記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-4)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性または塩基性のアミノ酸である、(VII-1)乃至(VII-3)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-5)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、酸性のアミノ酸である、(VII-1)乃至(VII-3)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-6)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(VII-1)または(VII-2)に記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-7)さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、(VII-1)乃至(VII-6)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-8)キレート化合物が、分子量1000以下の有機系キレート化合物または無機系キレート化合物である、(VII-7)に記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-9)有機系キレート化合物が、カルボン酸系キレート化合物、ホスホン酸系キレート化合物、燐酸系キレート化合物、スルホン酸系キレート化合物および還元性有機酸系キレート化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、(VII-8)に記載する耐ひび割れ性向上方法。(VII-10)キレート化合物が、分子量600以下のキレート化合物である(VII-7)乃至(VII-9)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-11)コーティング組成物が、さらに(f)結合材を含むものである、(VII-1)乃至(VII-10)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-12)コーティング組成物が、さらに(e)ケイ素化合物を含むものである、(VII-1)乃至(VII-11)のいずれかに記載する耐ひび割れ性向上方法。
(VII-13)上記(VII-1)乃至(VII-12)のいずれかに記載する方法によって耐ひび割れ性が向上されたコーティング組成物から形成される、耐ひび割れ性の皮膜を有する被覆物。
(VII-14)上記皮膜を有する被覆物がボードまたはシートである、(VII-13)に記載する被覆物。
(VIII-1)(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の流動性を向上するための、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の使用。
(VIII-2)(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の付着力を向上し、また付着力を均一安定化するための、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の使用。
(VIII-3)(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の耐ひび割れ性を向上するための、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の使用。
(VIII-4)(a)石灰および(b)水を含有する工業用塗装機専用コーティング組成物の製造のための、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の使用。
(VIII-5)(a)石灰および(b)水を含有する工業用塗装機専用コーティング組成物の製造のための、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と(d)キレート化合物との使用。
(VIII-6)工業用塗装機が、スプレー、フローコーター、ロールコーター、またはバキュームコーター、好ましくはフローコーターである、(VII-4)または(VII-5)に記載する使用。
(VIII-7)(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物が、さらに(f)結合材を含有するものである、(VIII-1)乃至(VIII-6)のいずれかに記載する使用。
(VIII-8)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、−0.5以下の疎水性インデックスを有するものである、(VIII-1)乃至(VIII-7)のいずれかに記載する使用。
(VIII-9)極性アミノ酸または極性アミノ酸重合物を構成する極性アミノ酸が、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプトファン、およびプロリンからなる群から選択されるいずれか少なくとも1つである、(VIII-1)乃至(VIII-8)のいずれかに記載する使用。
本発明の非水硬化性の水配合コーティング組成物は、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物であって、成分として、上記(a)石灰と (b)水に加えて、(c)極性アミノ酸、極性アミノ酸重合物およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、を含有することを特徴とするものである。
本発明の水配合コーティング組成物に配合される極性アミノ酸類の割合は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に制限されず、水配合コーティング組成物中に含まれる石灰の種類やコーティング組成物の用法(例えば、薄塗りや厚塗りの別など)や塗装方法(吹き付け塗装、コテ塗り塗装、ローラー塗装、刷毛塗りなど)、ならびに使用する塗装機または塗装具の種類の別などに応じて、水配合コーティング組成物100重量%あたり通常0.001〜10重量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上である。これらの極性アミノ酸類は配合量の増加に応じてその効果を増すため、上限は特に制限されないが、経済的観点などから10重量%を限度として、好ましくは8重量%、より好ましくは5重量%の割合を例示することができる。 本発明のコーティング組成物には、上記(a)石灰、(b)水および(c)極性アミノ酸類に加えて、(d)キレート化合物を配合することができる。
本発明の水配合コーティング組成物に配合されるキレート化合物の割合は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に制限されず、そのカルシウムイオン封鎖力(捕捉力)に応じて、またコーティング組成物中に含まれる石灰の種類やコーティング組成物の用法(例えば、薄塗りや厚塗りの別など)や塗装方法(吹き付け塗装、コテ塗り塗装、ローラー塗装、刷毛塗りなど)、ならびに使用する塗装機または塗装具の種類の別などに応じて、水配合コーティング組成物100重量%あたり通常0.01〜5重量%の範囲から適宜選択することができる。制限はされないが、好ましくは0.02〜3重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の割合を例示することができる。
上記本発明の水配合コーティング組成物は、調製後、耐水性容器に充填され、当該容器に収納された状態で提供される。よって、本発明は上記水配合コーティング組成物を容器内に収納してなるコーティング組成物包装体を提供する。
耐水性容器に1規定の水酸化カリウム水溶液を入れ、50℃の恒温器中に6時間放置し、次いで室温に18日間放置した後に、水酸化カリウム水溶液を取り出して、目視で容器内面の溶解や腐蝕の有無を評価する。
上記本発明の水配合コーティング組成物は、ボートやシートの製造に好適に用いることができる。よって、本発明は上記水配合コーティング組成物から形成される被覆層を基材(被塗物)表面に有するボードまたはシートを提供する。
上記で述べるように、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物において、極性アミノ酸類を用いることによって、水中の石灰の分散性が向上するとともに、水配合コーティング組成物そのものの流動性が向上する。このため、本発明は、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物について、流動性を向上する方法を提供する。
上記で述べるように、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物において、極性アミノ酸類を用いることによって、分散性が向上するとともに、粘性が生じて被塗物に対する付着力が増強する。このため、本発明は、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物について、付着力を向上する方法、ならびに被塗物に対する付着力を均一安定化する方法を提供する。
上記で述べるように、石灰を皮膜成分として含む水配合コーティング組成物において、極性アミノ酸類を用いることによって粘性が生じて、塗布後の皮膜にひび割れ抵抗性を付与し、乾燥時のひび割れを有意に防止することができる。このため、本発明は、耐ひび割れ性の石灰含有皮膜を形成するための方法、言い換えれば石灰を含む皮膜のひび割れ抑制方法を提供する。
表1に記載の成分を塗材調合用ミキサーに入れて撹拌することにより固形分を水に分散させて、水配合コーティング組成物(実施例1〜5、比較例1〜2)を調製した。なお、極性アミノ酸として、グルタミン酸ナトリウム(実施例1)、アスパラギン酸ナトリウム(実施例2)、ポリグルタミン酸ナトリウム(実施例3)、ポリリシン(実施例4)を用いた。またキレート化合物としてグルコン酸ナトリウム(実施例5、比較例1)を用いた。
◎:スリットの幅全長にわたって、最後まで流体が途切れることなく流出した(カーテン切れなし)。
○:途中でカーテン切れが認められたが、全体としてはほぼ流体が途切れることなく流出した(カーテン切れややあり)。
△:最初はスリットの全長にわたって流体が流出していたが、途中でカーテン切れし、その状態で最後まで流出した。
×:流出後まもなくカーテン切れし、そのままスリットの一部に偏った状態で流体が流出した。
表2に記載の成分を塗材調合用ミキサーに入れて撹拌することにより固形分を水に分散させて、水配合コーティング組成物(実施例6〜16、比較例1および2)を調製した。なお、極性アミノ酸として、リジン・一水和物(実施例6)、アルギニン・塩酸塩(実施例7)、L−ヒスチジン塩酸塩・一水和物(実施例8)、アスパラギン・一水和物(実施例9)、グルタミン(実施例10)、L−セリン(実施例11)、L−スレオニン(実施例12)、チロシン(実施例13)、L−トリプトファン(実施例14)、およびL(−)−プロリン(実施例15)を用いた。またキレート化合物としてグルコン酸ナトリウム(実施例16、比較例1)を用いた。
極性アミノ酸としてグルタミン酸ナトリウム、キレート化合物としてグルコン酸ナトリウムを用いて、表3に記載する各種の水配合コーティング組成物(実施例17,比較例3および4)を作成した。これを予めシーラーで下地処理しておいた基板(100cm×100cm)に塗布して10日間乾燥させ、形成した塗膜(塗膜厚:0.2mm)について、JIS A6909(建築用仕上げ塗材)に準じた下記の方法に従って、塗膜付着力試験(乾燥付着力、浸水後付着力)を行った。
(1)各コーティング組成物を用いて基板(100cm×100cm)表面に形成された塗膜面の、任意に選択した4箇所(No.1、No.2、No.3、No.4)に、鋼製アタッチメントを速硬化型エポキシ樹脂系接着剤で貼付け、養生する。
(2)接着剤が硬化後、アタッチメント周囲をカッターナイフでカットし、周辺の塗膜と試験箇所を縁切りする。
(3)接着剤試験機をセットし、荷重を加えて破断時の最大荷重を読み、1mm2当たりの付着強さ(N/mm2)に換算する。
(4)破断面を観察して、どの部分で破断したかを評価する。
(1)各水配合コーティング組成物で表面を塗装した基板(100cm×100cm)の塗膜面以外の部分(塗膜面の背面と側面)を防水テープで養生し、塗膜面を下にして水(常温)に10日間浸漬する。
(2)浸水後、50℃で24時間乾燥、常温(20℃)で静置した後、上記乾燥付着力試験の(1)〜(4)を同様に行った。
表5に記載の成分を塗材調合用ミキサーに入れて撹拌することにより固形分を水に分散させて、水配合コーティング組成物(実施例18〜28、比較例5)を調製した。なお、キレート化合物として表4に記載する化合物を用いた。
フィルムバックに収容された実施例18〜28及び比較例5の水配合コーティング組成物について常温(20±5℃)下で保存して、調製から0.5時間、24時間後及び48時間後の軟度(塗材の柔らかさ)を観察し、下記の基準に従って評価した。なお、軟度安定性は、下記評価に示すように、各水配合コーティング組成物について調製直後の軟度を基準として各々評価した。
◎:そのままで極めて良好(調製直後とほぼ同様の柔らかさを有する)
○:若干締まった状態になるが、フィルムバックを数回揉むと簡単に軟らかさが回復する(調製時とほぼ同様の柔らかさに戻る)
△:若干硬く締まった状態になり、調製時と同様の柔らかさに戻すためには、フィルムバックをかなり強い力で複数回揉む必要がある(調製時とほぼ同様の柔らかさに戻る)
×:かなり硬く締まった状態になり、フィルムバックを揉むと柔らかくなるものの調製時と同様の柔らかさには戻らない。
上記水配合コーティング組成物について、調製直後、保存後24時間目、及び保存後48時間目のものを用いて、試験板(フレキシブル板)に1〜10mm厚で凹凸を付けながらコテ塗り(1回塗り)して1昼夜放置して乾燥させて、皮膜のひび割れ状況を観察した。なお、いずれの水配合コーティング組成物も塗工前にはフィルムバックを十分に揉んで、調製時とほぼ同様の柔らかさに調整してから使用した。なお、耐ひび割れ性は、下記評価に示すように、ひび割れが認められない場合を◎とし、ひび割れの度合いに応じて順次○、△および×とした。
◎:ひび割れが認められない
○:起伏の激しい箇所に若干ひび割れが認められるが、平坦部を含む殆どの箇所でひび割れが認められない
△:平坦部にもひび割れが認められる
×:全体にわたってひび割れが著しく認められる。
極性アミノ酸を配合することによってコーティング組成物に耐ひび割れ性を付与することができた(実施例18〜19)。しかし、極性アミノ酸の配合だけではコーティング組成物のチクソトロピー性が十分に緩和低減できないことから、保存期間が長くなるほど耐ひび割れ付与効果が低下した。これに対して、キレート化合物を併用した水配合コーティング組成物(実施例20〜28)で形成した皮膜は、保存期間に拘わらず有意にひび割れが抑制できた。好ましくは、酒石酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、EDTMP、およびアスコルビン酸ナトリウム、特にグルコン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸ナトリウムを配合した水配合コーティング組成物で形成した皮膜は、保存期間に拘わらず全くひび割れが認められなかった。このことから、極性アミノ酸を用いることによって消石灰を含む皮膜の乾燥初期のひび割れを防止することができること、また極性アミノ酸とキレート化合物を併用することによって、保存の期間にかかわらず当該皮膜の乾燥初期のひび割れを防止することができることがわかった。
表6に記載の成分を塗材調合用ミキサーに入れて撹拌することにより固形分を水に分散させて、水配合コーティング組成物(実施例29〜41、比較例6)を調製した。これらの各水配合コーティング組成物について、下記の方法により、皮膜の耐ひび割れ性を評価した。
上記各水配合コーティング組成物を、1〜10mm厚で凹凸を付けながら試験板(フレキシブル板)に塗布した後、ドライヤーの熱風をかけて強制乾燥した。形成された乾燥皮膜について、ひび割れの有無を目視により観察して、下記の基準に従って評価した。
◎:ひび割れが全く認められない
○:凹凸の起伏の激しい箇所に若干ひび割れが認められるが、平坦部を含む殆どの箇所でひび割れが認められない
△:平坦部にもひび割れが認められる
×:全体にわたってひび割れが著しく認められる。
上記各水配合コーティング組成物を、ビニール製の厚手のシートの上にローラ−を用いて約0.5mm厚で塗布した後、終日かけて自然乾燥させた。斯くして得られた被覆層を有するシートについて、下記の試験を行い、折り曲げによる耐ひび割れ性を、下記の基準に従って評価した。
(2-1) シートを180度に曲げて、開いたときの折り部にひび割れが生じているかを目視で観察する。
(2-2) 割れが生じたシートについては、再度このシートの違う場所を90度曲げて、開いたときにひび割れが生じているかを目視により観察する。
(2-3) ひび割れが生じなかったシートについては、90度曲げて開く操作を繰り返し行い、何回で割れが生じるかを評価する。
◎:180度曲げてもひび割れが全く認められない。
○:180度曲げた場合にはひび割れが認められたが、90度曲げて開く操作を3回行っても、ひび割れが認められない。
△:180度曲げた場合にはひび割れが認められたが、90度曲げて開く操作を1回行ってもひび割れが認められない。
×:90度曲げて開く操作を1回行うとひび割れが発生した。
表7に記載の固形成分を水に分散させて、塗料形態のコーティング組成物(実施例42〜45、比較例7)を調製した。
Claims (10)
- (c)極性アミノ酸およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の流動性向上方法。
- さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、請求項1に記載する流動性向上方法。
- (c)極性アミノ酸およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の基材に対する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
- さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、請求項3に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
- コーティング組成物が、さらに(f)結合材を含むものである、請求項3または4に記載する付着力向上または付着力の均一安定化方法。
- 請求項3乃至5のいずれかに記載する方法によって基材に対する付着力が向上され、または付着力が均一安定化された水配合コーティング組成物から形成された皮膜を有する被覆物。
- (c)極性アミノ酸およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、(a)石灰および(b)水を含有するコーティング組成物の耐ひび割れ性向上方法。
- さらに(d)キレート化合物を配合することを特徴とする、請求項7に記載する耐ひび割れ性向上方法。
- コーティング組成物が、さらに(f)結合材を含むものである、請求項7または8に記載する耐ひび割れ性向上方法。
- 請求項7乃至9のいずれかに記載する方法によって耐ひび割れ性が向上されたコーティング組成物から形成される、耐ひび割れ性の皮膜を有する被覆物。
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