JP5177103B2 - Led用ヒートシンク - Google Patents

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Description

本発明は、LEDの発光によって発生する熱を放熱するヒートシンクに関するものである。
LED(発光ダイオード)の高輝度化技術の進歩にともない、車両用前照灯の光源としてLEDが用いられるようになっている。LEDは低電力、低発熱かつ長寿命とされているものの、高出力が要求される車両用前照灯等の光源としてLEDを用いる場合には、LEDの発光にともなう発熱量も大きくなる。このため、LEDを熱から守るべく放熱のための工夫が必要となる。LEDが高温にさらされると、熱によるLED素子の劣化、発光効率の低下を招くため、放熱の必要性は、従来車両用前照灯として用いられている白熱球(ハロゲン灯を含む)あるいはキセノン等の放電灯より高い。特許文献1においては、LEDにヒートシンクを取り付けることによって、放熱効果を高めている。
図5に特許文献1に記載の車両用前照灯を示す。光源装置80は、光源となるLED81と、LED81から照射される光を前方(図5において、紙面左方向)に反射するリフレクタ83と、リフレクタ83で反射された光を配光するレンズ84と、リフレクタ83の後方に固定されたヒートシンク82とを備えている。
ヒートシンク82は、上面及び下面のそれぞれにLED81、81が搭載される平板状の伝熱部82aと、複数の放熱フィンを備える放熱部82bとからなり、熱伝導性の高い金属により一体成形されている。伝熱部82aのLED81の基板と接触する面は、研磨仕上げにより平滑化されており、LED81と伝熱部82aとの密着性を高めることにより良好な熱伝導性が確保できるようになっている。
ところで、図5に示した光源装置80においては、LED81の基板、基板固定ネジ及び給電ハーネスを避けた位置にリフレクタ83を配置する必要があるため、LED81とリフレクタ83との間に大きな離隔を確保する必要があり、リフレクタ83の大型化、レンズ84の大型化、及び光効率の低下が課題となっていた。
上記課題を解決するために、発明者は、図6に示す光源装置90を実用化している。この光源装置90のヒートシンク92は、上面に凸部92cを備える平板状の伝熱部92aと、複数の放熱フィンを備える放熱部92bとからなる。一方、LEDユニット91は、LED基板91aと、内周面の上方にLED基板91aが取り付けられたLEDホルダ91bとからなり、LED基板91aの下面と、LEDホルダ91bの内周面とによって凹部91cが形成されている。そして、LEDユニット91の凹部91cと伝熱部92aの凸部92cとを係合させることによって、ヒートシンク92にLEDユニット91が搭載されている。
このようにLED基板91aを凸部92cで嵩上げすることによって、LED基板91aとリフレクタ93との間の離隔を小さくすることが可能となり、リフレクタ93の小型化、及び光効率の向上が図れる。
特開2008−277237号公報
図6に示した光源装置90のヒートシンク92は、アルミニウムのダイカストにより成形されているため、鋳造後の冷却により熱歪みが発生する。この熱歪みは、断面の厚さが大きく変化している部分や、冷却時に表面と内部との温度差が発生しやすい部分ほど顕著に現れやすい。したがって、肉厚が厚い凸部92cの上面には熱歪みによるヒケや鋳巣が発生しやすく、凸部92cの上面を平滑化するための研磨作業に手間がかかるという問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、上面にLED基板搭載用の凸部を備える平板状の伝熱部と、複数の放熱フィンを備える放熱部とからなると共に、金属鋳造により成形されるヒートシンクにおいて、LED基板が搭載される凸部の上面を平滑化するための研磨仕上げが不要となるLED用ヒートシンクを提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。なお、以下の説明において、構成部材の延在方向を明確にすることを目的として「水平」及び「鉛直」という単語を用いているが、「水平」という単語には、厳密な水平だけではなく略水平も含まれている。同様に「鉛直」という単語には、厳密な鉛直だけではなく略鉛直も含まれている。
(1)本発明のLED用ヒートシンクは、金属鋳造により成形されるLED用ヒートシンクであって、水平板部と、該水平板部の表面から突出する凸部と、を備える伝熱部と、前記伝熱部と伝熱可能に設けられる板状の放熱基部と、該放熱基部の一面から突出する複数の放熱フィンと、を備える放熱部と、からなり、前記凸部は、LED基板を内蔵するLEDユニットの裏面に形成された凹部と係合する係合突起であり、前記水平板部に形成された開口部の口縁に沿って起立する外周壁と、該外周壁の突出側の端部を塞ぐと共に、表面に前記LED基板が搭載される水平壁と、を備える箱型を呈することを特徴とする。
前述のとおり、伝熱部の水平板部の表面から突出する凸部が中実である場合には、凸部の断面の厚さが厚く、また、凸部の冷却時に表面と内部との温度差が発生しやすいことから、ヒートシンク鋳造後の冷却により凸部に熱歪みが発生し、凸部の表面には熱歪みによるヒケや鋳巣が発生しやすい。
本発明の構成によると、伝熱部の水平板部の表面から突出する凸部が中空の箱形を呈している。すなわち、凸部の裏面は、突出方向に向かって凹設されている。したがって、凸部を形成している外周壁及び水平壁の肉厚が薄いことにより、外周壁及び水平壁の冷却時に表面と内部との温度差が発生しにくく、ヒートシンク鋳造後の冷却による凸部の熱歪みが発生しにくい。これにより、LED基板が搭載される凸部の表面(水平壁の表面)の平滑性が確保できるため、凸部の表面を平滑化するための研磨仕上げが不要となり、ヒートシンクの生産効率を向上させることができる。
(2)本発明のLED用ヒートシンクにおいて、好ましくは、前記凸部の前記外周壁と前記水平壁とが同一又は略同一の肉厚よりなることを特徴とする。
このような構成によると、凸部の外周壁と水平壁とが同一又は略同一の肉厚よりなるため、外周壁から水平壁へ向かって断面の厚さが大きく変化することはない。このように、単に部材断面の肉厚を薄くするだけではなく、部材断面の肉厚の変化をより少なくすることによって、部材の局部への熱歪みの集中がより緩和されるため、ヒートシンク鋳造後の冷却による凸部の熱歪みがより発生しにくくなる。これにより、LED基板が搭載される凸部の表面(水平壁の表面)の平滑性が確保できるため、凸部の表面を平滑化するための研磨仕上げが不要となり、ヒートシンクの生産効率を向上させることができる。
(3)本発明のLED用ヒートシンクにおいて、好ましくは、前記放熱部は、前記伝熱部の水平方向の一端側に、前記放熱基部の面方向が上下方向を向くように配置され、前記水平板部の裏面には、該裏面から突出すると共に、該裏面と前記放熱部とを繋ぐ金属製の伝熱壁を備え、前記伝熱壁は、前記開口部の前記口縁の熱を前記放熱部の上下方向に分散して伝達するために、該口縁から該放熱部に向かって該伝熱壁の突出長が徐々に長くなっていることを特徴とする。
LED基板の熱は凸部の外周壁を経由して、水平板部の開口部の口縁に伝わる。さらに、この熱が水平板部を経由して放熱基部に伝わる。ところが、この伝熱経路においては、水平板部に対して、放熱基部の面方向が上下方向を向くように配置されているため、水平板部の開口部の口縁から放熱部の上下端に至る伝熱経路が長く、熱伝導効率が悪い。
ここで、本発明の構成においては、水平板部の裏面に、水平板部の開口部の口縁から放熱部に向かって突出長が徐々に長くなっている伝熱壁を備えている。これにより、伝熱壁によって口縁の熱を放熱部の上下方向に分散して伝達すると共に、口縁から放熱部の下端に至る伝熱経路が短くなるため、熱伝導効率が良好となる。
また、本発明の凸部は中空の箱形を呈するため、凸部が中実である場合と比較すると、凸部の熱容量が減少しているが、口縁付近に伝熱壁が配置されることによって、凸部の熱容量の減少を補うことができる。
(4)本発明のLED用ヒートシンクにおいて、好ましくは、前記放熱基部の面から遠ざかる方向に直列に並んだ複数個の前記伝熱部を備え、複数個の各前記伝熱部は、各該伝熱部の各前記水平板部の裏面同士が対向しかつ離間するように配置さると共に、各該伝熱部の水平方向の端部同士が金属製の鉛直板部により伝熱可能に連結されており、各前記水平板部の裏面には、該裏面から突出すると共に、該裏面と前記鉛直板部とを繋ぐ金属製の中間伝熱壁を備え、前記中間伝熱壁は、前記開口部の前記口縁の熱を前記鉛直板部の上下方向に分散して伝達するために、該口縁から該鉛直板部に向かって該中間伝熱壁の突出長が徐々に長くなっていることを特徴とする。
このような構成によると、複数個の伝熱部が鉛直板部により伝熱可能に連結されて伝熱部の集合体となっており、各伝熱部の各水平板部の裏面に、各水平板部の各開口部の口縁から鉛直板部に向かって突出長が徐々に長くなっている中間伝熱壁を備えている。中間伝熱壁によって各水平板部の各開口部の口縁同士を繋ぐ伝熱経路を短くすることができる。これにより、複数個のLED基板から各伝熱部の各凸部に伝えられた熱を、短い伝熱経路で放熱部に伝熱することが可能となり、熱伝導効率が良好となる。
また、本発明の凸部は中空の箱形を呈するため、凸部が中実である場合と比較すると、凸部の熱容量が減少しているが、口縁付近に中間伝熱壁が配置されることによって、凸部の熱容量の減少を補うことができる。
本発明によれば、上面にLED基板搭載用の凸部を備える平板状の伝熱部と、複数の放熱フィンを備える放熱部とからなると共に、金属鋳造により成形されるヒートシンクにおいて、LED基板が搭載される凸部の上面を平滑化するための研磨仕上げが不要となるLED用ヒートシンクを提供することができる。
第1実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図である。 第2実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図である。 第3実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の構造を説明する斜視図であって、(a)は光源装置が搭載された車両、(b)は光源装置の外観を示している。 第3実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図である。 従来のLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図である。 従来の他のLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図である。
以下、本発明のLED用ヒートシンクの実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
本実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図を図1に示す。図1に示すように、光源装置1は、光源となるLED素子2bが搭載されたLEDユニット2と、LEDユニット2を冷却するヒートシンク3と、LED素子2bから照射される光を前方(図1において、紙面左方向)に反射するリフレクタ11と、リフレクタ11で反射された光を配光する図示しないレンズとを備えている。ヒートシンク3が本発明のLED用ヒートシンクである。
LEDユニット2は、LED基板2aと、LED素子2bと、LED素子カバー2cと、LEDホルダ2dとを備えている。
LED基板2aは、平面視にて略四角形の板状を呈し、基材として設けられた導電性を有しない非導電層上の中央に、金や銅等の金属材料によって形成された図示しない一対の導電パターンが形成されて成る。LED基板2aの非導電層としては、例えば、セラミック基板(窒化アルミニウム基板、アルミナ基板、ムライト基板、ガラスセラミック基板等)、ガラスエポキシ基板等の種々の基板を用いることができる。
LED素子2bとしては、例えば、蛍光体を均一の膜状に塗布した発光ダイオードが用いられている。LED素子2bは、その下面がLED基板2aに形成された一対の導電パターンに跨った状態でLED基板2a上面の中央に接合されている。
LED素子カバー2cは、外面が略半球状に形成され、LED基板2aの上面にLED素子2bを覆うようにして接合されている。LED素子カバー2cは、LED素子2bの光を遮らない透明な樹脂材料よりなる。LED素子カバー2cがLED基板2aに接合されることにより、LED素子2bがLED素子カバー2c内における中空の密閉領域に配置されている。
LEDホルダ2dは、直方体状の外観を呈し、内側にLED基板2aよりも寸法がやや大きい略四角形の上下に貫通した箱抜き部2fが形成されている。この箱抜き部2fの内周面の上方には、LED基板2aの上面と当接する押さえ爪部2gが形成されている。LEDホルダ2dは、給電ハーネスと接続される図示しない接続端子、及び接続端子からLED基板2a側へ延びる図示しない配線部等の金属部分を除いて、例えば、ガラス含有PBT等の樹脂材料により形成されている。
LEDホルダ2dの箱抜き部2fの下方からLED基板2aを挿入し、LED基板2aの上面が押さえ爪部2gと当接した位置で、LEDホルダ2dに備わる図示しない支持爪によりLED基板2aを下方から支持して固定する。このようにして、LED基板2aを内蔵するLEDユニット2が組み上がる。この状態において、LED基板2aの下面と、LEDホルダ2dの内周面とによって凹部2eが形成されている。
ヒートシンク3は、上部にLEDユニット2が搭載される伝熱部6と、伝熱部6と伝熱可能に連結される放熱部9と、伝熱部6の下面と放熱部9とを繋ぐ複数枚の伝熱壁10とを備えている。ヒートシンク3は、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属により鋳造により一体成形されており、特に、アルミニウムのダイカストにより成形することが好ましい。
伝熱部6は、平面視にて略四角形の板状を呈すると共に、水平方向又は略水平方向に配置される水平板部4と、水平板部4の上面から突出すると共に、上部にLEDユニット2が搭載される凸部5とを備えている。
凸部5は、LEDユニット2の裏面に形成された凹部2eと係合する係合突起であり、水平板部4に形成された開口部4aの口縁に沿って起立する外周壁5aと、外周壁5aの上端部を塞ぐと共に、上面にLED基板2aが搭載される水平壁5bとを備える箱型を呈している。すなわち、凸部5の裏面は、上方に向かって凹設されている。なお、外周壁5a、水平壁5b及び水平板部4の肉厚は、同一又は略同一の肉厚となっている。
放熱部9は、伝熱部6と一体に設けられると共に、側面視にて略円形の板状を呈する放熱基部7と、放熱基部7の一面から突出する複数の放熱フィン8とを備えている。放熱部9は、放熱基部7の面方向が上下方向を向き、かつ放熱フィン8の長手面方向が上下方向を向くように配置されており、伝熱部6の水平板部4の水平方向の一端側と、放熱基部7の上下方向の中央部とが連結されている。
伝熱壁10は、側面視にて三角形の板状を呈し、水平板部4の下面から下方に突出すると共に、水平板部4の下面と放熱基部7の水平板部4側の面とを繋ぐ部材である。本実施形態においては、伝熱壁10の側面形状は直角二等辺三角形であり、直交する二辺のうちの一辺は、水平板部4の下面と連結しており、他の一辺は、放熱基部7の水平板部4側の面と連結している。また、水平板部4の下面と連結されている鋭角な頂角は、水平板部4に形成された開口部4aの口縁付近に位置している。すなわち、伝熱壁10の突出長は、開口部4aの口縁から放熱部9に向かって徐々に長くなっている。
リフレクタ11は、LEDユニット2の上方に配置される略ドーム状の部材であり、樹脂材料により形成され、光の反射面である内面にはアルミ蒸着によるメッキ処理が施されている。リフレクタ11の光の反射面を前後方向(図1において、紙面左右方向)に切断すると、その断面形状は略1/4放物線形状を呈している。この放物線形状の焦点の位置にLED素子2bが配置されていることによって、LED素子2bから照射される光は、リフレクタ11の反射面で反射して、前方の図示しないレンズに向かって照射される。
ヒートシンク3の凸部5へのLEDユニット2の組み付けは、まず、凸部5の上面に熱伝導フィラー入りのシリコングリスを塗布する。そして、凸部5とLEDユニット2の凹部2eとが係合するように凸部5の上方からLEDユニット2を被せた後、図示しない固定治具によってLEDユニット2が外れないように固定する。この状態において、凸部5の水平壁5bとLED基板2aとはシリコングリスを介して十分に密着しており、LED基板2aの発光により発生した熱は、凸部5に効率良く伝熱する。なお、シリコングリスの代わりに、凸部5の上面に厚さ0.5〜1mmのシリコン又は樹脂製の熱伝導シートを貼り付けることもできる。
このような本実施形態の構成によると、伝熱部6の水平板部4の上面から突出する凸部5が中空の箱形を呈している。したがって、凸部5を形成している外周壁5a及び水平壁5bの肉厚が薄いことにより、外周壁5a及び水平壁5bの冷却時に表面と内部との温度差が発生しにくく、ヒートシンク3鋳造後の冷却による凸部5の熱歪みが発生しにくい。
また、凸部5の外周壁5aと水平壁5bとが同一又は略同一の肉厚よりなるため、外周壁5aから水平壁5bへ向かって断面の厚さが大きく変化することはない。このように、単に部材断面の肉厚を薄くするだけではなく、部材断面の肉厚の変化をより少なくすることによって、部材の局部への熱歪みの集中がより緩和されるため、ヒートシンク3鋳造後の冷却による凸部5の熱歪みがより発生しにくくなる。
以上により、LED基板2aが搭載される凸部5の上面(水平壁5bの上面)の平滑性が確保できるため、凸部5の上面を平滑化するための研磨仕上げが不要となり、ヒートシンク3の生産効率を向上させることができる。
また、放熱部9は、放熱基部7の面方向が上下方向を向き、かつ放熱フィン8の長手面方向が上下方向を向くように配置されていることから、放熱フィン8が、放熱フィン8周りの空気の対流を阻害することがなく、ヒートシンク3の放熱効果が良好となる。
また、伝熱部6の水平板部4の下面に、水平板部4の開口部4aの口縁から放熱部9に向かって突出長が徐々に長くなっている複数枚の伝熱壁10を備えている。これにより、伝熱壁10によって口縁の熱を放熱部9の上下方向に分散して伝達すると共に、口縁から放熱部9の下端に至る伝熱経路が短くなるため、熱伝導効率が良好となる。
また、水平板部4の開口部4aの口縁付近に伝熱壁10が配置されることによって、凸部5を中空の箱形としたことによる熱容量の減少を補うことができる。
<第2実施形態>
本実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図を図2に示す。図2に示すように、光源装置20は、光源となるLED素子2bが搭載されたLEDユニット2と、LEDユニット2を冷却するヒートシンク23と、LED素子2bから照射される光を前方(図2において、紙面左方向)に反射するリフレクタ11と、リフレクタ11で反射された光を配光する図示しないレンズとを備えている。ヒートシンク23が本発明のLED用ヒートシンクである。なお、第1実施形態の光源装置2と同一構造の部材については、本実施形態においても同一の番号を付すと共に、説明を省略する。
ヒートシンク23は、上部にLEDユニット2が搭載される伝熱部26と、伝熱部26と伝熱可能に設けられる放熱部29と、伝熱部26と放熱部29とを伝熱可能に接続するグラファイトシート26aと、伝熱部26の下面から下方に突出した複数枚の伝熱壁10と、を備えている。
第1実施形態と同様に、ヒートシンク23は、グラファイトシート26aを除いて、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属により鋳造により成形されており、特に、アルミニウムのダイカストにより成形することが好ましい。本実施形態においては、伝熱部26及び伝熱壁10と、放熱部29とはそれぞれ別体として成形されている。
伝熱部26は、平面視にて略四角形の板状を呈すると共に、水平方向に配置される水平板部24と、水平板部24の上面から突出すると共に、上部にLEDユニット2が搭載される凸部25と、鉛直方向に配置される接続用鉛直壁部24bとを備え、第1実施形態で説明した複数枚の伝熱壁10と共に、例えば、アルミニウムのダイカストにより一体成形されている。
凸部25は、第1実施形態における凸部5と同一の形状を呈し、水平板部24に形成された開口部24aの口縁に沿って起立する外周壁25aと、外周壁25aの上端部を塞ぐと共に、上面にLED基板2aが搭載される水平壁25bとを備える箱型を呈している。
接続用鉛直壁部24bは、水平板部24の放熱部29側の端部の下面から下方に突出した部材であり、第1実施形態で説明した複数枚の伝熱壁10が、水平板部24の下面と接続用鉛直壁部24bの水平板部24側の面とを繋いでいる。
放熱部29は、第1実施形態における放熱部9と同一の形状を呈し、側面視にて略円形の板状を呈する放熱基部27と、放熱基部27の一面から突出する複数の放熱フィン28とを備え、例えば、アルミニウムのダイカストにより一体成形されている。放熱部29は、放熱基部27の面方向が上下方向を向き、かつ放熱フィン28の長手面方向が上下方向を向くように配置されている。
伝熱部26の接続用鉛直壁部24bと、放熱基部27の上下方向の中央部とがグラファイトシート26aにより伝熱可能に接続されている。グラファイトシート26aは、黒鉛をシート状に加工したものであり、金・銀・銅などよりも熱伝導率が高く、かつフレキシブルな帯状の材料である。グラファイトシート26aは十分にたるませた状態で配置される。また、グラファイトシート26aの表面には、例えば、ポリイミド樹脂により傷つき防止のためのコーティングが施されている。
このように、放熱部29は、グラファイトシート26aを介して伝熱部26と伝熱可能に設けられている。したがって、熱伝導の観点からは、ヒートシンク23は、一体の構造体であり、ヒートシンク23を構成するどの部材が伝熱用の部材に属し、また、どの部材が放熱用の部材に属するという区別はない。上述の説明においては、便宜上、接続用鉛直壁部24bを伝熱部26の一部材と定義しているが、接続用鉛直壁部24bと、グラファイトシート26aと、放熱部29とを一体と考えて、接続用鉛直壁部24bを放熱部29の一部材と定義することも可能である。
放熱部29を除く光源装置20の各部材は、後方(図2において、紙面右方向)から樹脂製のハウジングHで覆われており、ハウジングH内は防水状態に保たれている。放熱部29は、ハウジングHの後方外側に配置されており、放熱部29の放熱基部27により、ハウジングHの後方に形成された開口が塞がれている。
ヒートシンク23の凸部25へのLEDユニット2の組み付けは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
このような本実施形態の構成によると、ヒートシンク23の放熱部29がハウジングHの外側に配置されおり、放熱部29が外気と接触する状態となっている。したがって、放熱部29周りの暖かい空気が外気に拡散しやすいことにより放熱部29の放熱効果が良好となる。
また、伝熱部26と放熱部29とがフレキシブルなグラファイトシート26aにより接続されているため、例えば、ハウジングH内の伝熱部26を回転させることにより、光の照射方向を調整することが可能となる。その他の作用効果については第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
本実施形態は、本発明のLED用ヒートシンクを、LEDを光源として用いる車両用前照灯のヒートシンクとして具現化した実施形態である。本実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置が搭載された車両の外観を図3(a)に、光源装置の外観を図3(b)に示す。また、本実施形態におけるLED用ヒートシンクを備える光源装置の断面図を図4に示す。
図3(a)に示すように、車両の左右前方には前照灯L、Lが配備されている。前照灯Lは、車両の遠方を照らすハイビームと、車両の周辺を照らすロービームとを備えており、光源装置30は、ロービームとして使用される。
図3(b)及び図4に示すように、光源装置30は、光源となるLED素子2bが搭載された上下二個のLEDユニット2、2と、各LEDユニット2、2を冷却するヒートシンク33と、上方のLED素子2bから照射される光を前方(図4において、紙面左方向)に反射する上部リフレクタ40と、上部リフレクタ40で反射された光を配光するレンズ50と、下方のLED素子2bから照射される光を前方に反射する下部リフレクタ41とを備えている。ヒートシンク33が本発明のLED用ヒートシンクである。なお、第1実施形態の光源装置2と同一構造の部材については、本実施形態においても同一の番号を付すと共に、説明を省略する。
ヒートシンク33は、上部にLEDユニット2が搭載される上部の伝熱部36と、下部にLEDユニット2が搭載される下部の伝熱部36と、これら上下の伝熱部36、36の端部同士を伝熱可能に連結する鉛直板部36aと、上部の伝熱部36と伝熱可能に連結される放熱部39とを備えている。さらに、ヒートシンク33は、上部の伝熱部36の下面と放熱部39とを繋ぐ複数枚の伝熱壁10と、上下の伝熱部36、36の各裏面(上部の伝熱部36では下面、下部の伝熱部36では上面)と鉛直板部36aとを繋ぐ複数枚の中間伝熱壁10aとを備えている。
第1実施形態と同様に、ヒートシンク33は、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属により鋳造により一体成形されており、特に、アルミニウムのダイカストにより成形することが好ましい。
伝熱部36は、平面視にて略四角形の板状を呈すると共に、水平方向に配置される水平板部34と、水平板部34の表面から突出すると共に、突出側にLEDユニット2が搭載される凸部35とを備えている。上下の伝熱部36、36は、放熱部39の後述する放熱基部37の面から遠ざかる方向に直列に並んでおり、各伝熱部36、36の各水平板部34、34の裏面同士が対向しかつ離間するように配置されている。凸部35の形状は、第1実施形態における凸部5と同一であるため説明を省略する。
放熱部39は、上部の伝熱部36と一体に設けられると共に、側面視にて略円形の板状を呈する放熱基部37と、放熱基部37の一面から突出する複数の放熱フィン38とを備えている。放熱部39は、放熱基部37の面方向が上下方向を向き、かつ放熱フィン38の長手面方向が上下方向を向くように配置されており、上部の伝熱部36の水平板部34の水平方向の一端側と、放熱基部37の上下方向の中央部とが連結されている。
中間伝熱壁10aは、側面視にて三角形の板状を呈し、上下の伝熱部36、36の各水平板部34、34の各裏面(上部の伝熱部36では下面、下部の伝熱部36では上面)から突出すると共に、水平板部34、34の各裏面と鉛直板部36aの面とを繋ぐ部材である。本実施形態においては、中間伝熱壁10の側面形状は、直角二等辺三角形であり、直交する二辺のうちの一辺は、水平板部34の裏面と連結しており、他の一辺は、鉛直板部36aの面と連結している。また、水平板部34の裏面と連結されている鋭角な頂角は、水平板部34に形成された開口部34aの口縁付近に位置している。すなわち、中間伝熱壁10の突出長は、開口部34aの口縁から鉛直板部36aの面に向かって徐々に長くなっている。
上部リフレクタ40は、上方のLEDユニット2の上方に配置される略ドーム状の部材であり、樹脂材料により形成され、光の反射面である内面にはアルミ蒸着によるメッキ処理が施されている。上部リフレクタ40の光の反射面を前後方向(図4において、紙面左右方向)に切断すると、その断面形状は略1/4楕円形状を呈している。この楕円形状の後方側の第1焦点の位置に上方のLED素子2bが配置されていることによって、LED素子2bから照射される光は、上部リフレクタ40の反射面で反射して、レンズ50に向かって照射される。また、楕円形状の前方側の第2焦点の位置には図示しないシェードが配置されており、このシェードによって、レンズ50から前方に照射される光のカットオフラインが形成される。
レンズ50は、前方が曲面、後方が平面となった平凸レンズであり、レンズ50によって上部リフレクタ40の前方の円筒部40aを塞ぐと共に、レンズ50の前方からリング状の固定枠51を被せることにより固定される。レンズ50の平面側から入射した光は、レンズ50によって平行に近い光に変換され、レンズ50の曲面側から前方に照射されて、車両の前方の周辺を照らす。
下部リフレクタ41は、下方のLEDユニット2の下方に配置される曲面部材であり、樹脂材料により形成され、光の反射面である内面にはアルミ蒸着によるメッキ処理が施されている。下部リフレクタ41の光の反射面を前後方向(図4において、紙面左右方向)に切断すると、その断面形状は略1/4放物線形状を呈している。この放物線形状の焦点の位置に下方のLED素子2bが配置されていることによって、LED素子2bから照射される光は、リフレクタ41の反射面で反射して、レンズを介さずに前方に照射されて、車両の前方の足元付近を照らす。
ヒートシンク33の凸部35へのLEDユニット2の組み付けは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
このような本実施形態の構成によると、上下の伝熱部36、36が鉛直板部36aにより伝熱可能に連結されており、各伝熱部36、36の各水平板部34、34の裏面に、各水平板部34、34の各開口部34a、34aの口縁から鉛直板部36aに向かって突出長が徐々に長くなっている複数枚の中間伝熱壁10aを備えている。中間伝熱壁10aによって各水平板部34、34の各開口部34a、34aの口縁同士を繋ぐ伝熱経路を短くすることができる。これにより、上下二個のLEDユニット2、2から各伝熱部36、36の各凸部35、35に伝えられた熱を、短い伝熱経路で放熱部に伝熱することが可能となり、熱伝導効率が良好となる。
また、各水平板部34、34の開口部34a、34aの口縁付近に中間伝熱壁10aが配置されることによって、凸部35を中空の箱形としたことによる熱容量の減少を補うことができる。その他の作用効果については第1実施形態と同様である。
なお、本発明の収納ボックスは上述した第1〜3の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
例えば、第1〜3実施形態で説明したヒートシンク3、23及び33を、任意の方向に回転することにより、光の照射方向を自由に設定することが可能である。
また、第1〜3実施形態において、ヒートシンク3、23及び33を、可能な限り一体成形しているが、ヒートシンクを構成する部材のうちの幾つかを別体で成形して、ネジ止め等により接合することで一体化を図ることもできる。例えば、第4実施形態で示したヒートシンク33を構成する部材のうちの伝熱壁10及び中間伝熱壁10aを別体で成形して、ネジ止め等により、水平板部34、鉛直板部36a及び放熱基部37に接合することもできる。
また、第1〜3実施形態においては、放熱フィン8、28及び38の長手面方向が上下方向を向くように配置しているが、これに限らず、放熱フィン8、28及び38の長手面方向を様々な方向に向けることができる。例えば、放熱基部7、27及び37を放熱基部7、27及び37の面の中心を軸として90度回転することにより、放熱フィン8、28及び38の長手面方向が水平方向を向くよう配置することができる。
また、例えば、放熱基部7及び37の面方向を水平方向に向けて、水平板部4及び34の端部と、放熱基部7及び37の端部とを連結することにより、放熱フィン8及び38の長手面方向が前後方向を向くよう配置することができる。この場合、伝熱壁10は配置されない。
1,20,30 … 光源装置 2 … LEDユニット
2a … LED基板 2e … 凹部
3,23,33 … ヒートシンク 4,24,34 … 水平板部
4a,24a,34a … 開口部 5,25,35 … 凸部
5a,25a … 外周壁 5b,25b … 水平壁
6,26,36 … 伝熱部 7,27,37 … 放熱基部
8,28,38 … 放熱フィン 9,29,39 … 放熱部
10 … 伝熱壁 10a … 中間伝熱壁
36a … 鉛直板部

Claims (4)

  1. 金属鋳造により成形されるLED用ヒートシンクであって、
    水平板部と、該水平板部の表面から突出する凸部と、を備える伝熱部と、
    前記伝熱部と伝熱可能に設けられる板状の放熱基部と、該放熱基部の一面から突出する複数の放熱フィンと、を備える放熱部と、からなり、
    前記凸部は、LED基板を内蔵するLEDユニットの裏面に形成された凹部と係合する係合突起であり、前記水平板部に形成された開口部の口縁に沿って起立する外周壁と、該外周壁の突出側の端部を塞ぐと共に、表面に前記LED基板が搭載される水平壁と、を備える箱型を呈することを特徴とするLED用ヒートシンク。
  2. 前記凸部の前記外周壁と前記水平壁とが同一又は略同一の肉厚よりなることを特徴とする請求項1に記載のLED用ヒートシンク。
  3. 前記放熱部は、前記伝熱部の水平方向の一端側に、前記放熱基部の面方向が上下方向を向くように配置され、
    前記水平板部の裏面には、該裏面から突出すると共に、該裏面と前記放熱部とを繋ぐ金属製の伝熱壁を備え、
    前記伝熱壁は、前記開口部の前記口縁の熱を前記放熱部の上下方向に分散して伝達するために、該口縁から該放熱部に向かって該伝熱壁の突出長が徐々に長くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED用ヒートシンク。
  4. 前記放熱基部の面から遠ざかる方向に直列に並んだ複数個の前記伝熱部を備え、
    複数個の各前記伝熱部は、各該伝熱部の各前記水平板部の裏面同士が対向しかつ離間するように配置さると共に、各該伝熱部の水平方向の端部同士が金属製の鉛直板部により伝熱可能に連結されており、
    各前記水平板部の裏面には、該裏面から突出すると共に、該裏面と前記鉛直板部とを繋ぐ金属製の中間伝熱壁を備え、
    前記中間伝熱壁は、前記開口部の前記口縁の熱を前記鉛直板部の上下方向に分散して伝達するために、該口縁から該鉛直板部に向かって該中間伝熱壁の突出長が徐々に長くなっていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載のLED用ヒートシンク。
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