JP5198360B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料(ベーパ)を吸着するキャニスタと、燃料タンク内から蒸発燃料をキャニスタへ導くベーパ通路と、キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を燃料タンク内へ回収する回収通路と、燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を利用して負圧を発生させる負圧発生手段と、燃料ポンプから吐出される余剰燃料を燃料タンク内へリリーフするプレッシャレギュレータとを備え、負圧発生手段による負圧によって、キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を回収通路を通して燃料タンク内に回収する蒸発燃料処理装置に関する。
この種の蒸発燃料処理装置として、下記特許文献1がある。特許文献1の蒸発燃料処理装置では、負圧発生手段が、プレッシャレギュレータを介して燃料ポンプと連通している。自動車の運転時に燃料ポンプが駆動すると、当該燃料ポンプから吐出される余剰燃料は、プレッシャレギュレータを介して燃料タンク内へリリーフされる。このとき、プレッシャレギュレータからリリーフされる燃料を負圧発生手段に導入することで、負圧を発生させている。ここでの負圧発生手段は回収通路の途中に設けられており、回収通路の先端開口、すなわちキャニスタから回収される蒸発燃料の排出口は、燃料タンク内に貯留されている燃料中に液没している。なお、回収通路やベーパ通路上には、連通状態と遮断状態とを切り替え可能な開閉手段などは特に設けられておらず、燃料ポンプが駆動して余剰燃料がリリーフされる限り、常に蒸発燃料の回収が行われる構成となっている。
特開2002−235608号公報
特許文献1では、負圧発生手段がプレッシャレギュレータを介して間接的に燃料ポンプと連通しているので、負圧の程度はプレッシャレギュレータでリリーフされた余剰燃料の吐出量に依存する。これでは、キャニスタの状態に関係なく負圧の程度が変動し、蒸発燃料の回収能力が不安定となる。例えば、一定のポンプ吐出量でエンジンにおける燃料要求量(消費量)が多いとリリーフ量は少なくなるので、負圧の程度は低く蒸発燃料の回収能力は低下する。一方、エンジンにおける燃料要求量(消費量)が少ないとリリーフ量は多くなるので、負圧の程度は高く蒸発燃料の回収能力が高くなる。
この問題を解決するには、負圧発生手段を、プレッシャレギュレータとは別に燃料ポンプと直接連通させることが考えられる。しかし、特許文献1のような構成において単に負圧発生手段と燃料ポンプとを直接連通したとしても、新たな問題が生じる。具体的には、負圧発生手段と燃料ポンプとを直接連通させた場合、燃料ポンプからの燃料吐出量が一定とすると、図11に示すように、負圧発生手段への燃料導入量も一定となり、負圧の程度が安定する。なお、エンジンにおける燃料要求量=エンジンへの燃料供給量である。しかしこの場合、エンジンへ燃料を供給できる最大量(エンジンへの限界燃料供給量)は、負圧発生手段への燃料導入量分だけ減少することになる。この場合でも、(エンジンにおける燃料要求量+負圧発生手段への燃料導入量)が燃料ポンプの限界吐出量より少なければ、特に問題は無い。しかし、例えばアクセル全開時などにおいて、図11の斜線部分のように(エンジンにおける燃料要求量+負圧発生手段への燃料導入量)が燃料ポンプの限界吐出量を超え、エンジンへの燃料供給量が不足する場合が生じる。
また、特許文献1では、燃料ポンプが駆動して余剰燃料がリリーフされる限り、キャニスタ内の蒸発燃料吸着量が少ない場合なども含めて、常に蒸発燃料の回収が行われる構成となっているので無駄が生じる。また、キャニスタから回収される蒸発燃料の排出口が燃料中に液没しているので、燃料ポンプを停止すると、キャニスタ内が負圧となっていることで燃料が回収通路内を逆流するおそれがある。逆流した燃料がキャニスタまで至ると、キャニスタにおける蒸発燃料の吸着能力が著しく低下してしまう。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、負圧発生手段への燃料導入量や蒸発燃料の回収タイミングを制御可能であり、また、燃料タンク内の燃料がキャニスタ側へ逆流することがない、蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
本発明の蒸発燃料処理装置は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記燃料タンク内から蒸発燃料を前記キャニスタへ導くベーパ通路と、前記キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を前記燃料タンク内へ回収する回収通路と、前記燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を利用して負圧を発生させる負圧発生手段と、前記燃料ポンプから吐出される余剰燃料を前記燃料タンク内へリリーフするプレッシャレギュレータとを備え、前記負圧発生手段による負圧によって、前記キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を前記回収通路を通して前記燃料タンク内に回収する。そのうえで、前記負圧発生手段は、燃料導入通路を介して前記プレッシャレギュレータとは別に前記燃料ポンプと直接連通されており、前記燃料導入通路上には、前記燃料ポンプから前記負圧発生手段への燃料導入量を制御する燃料導入量制御手段が設けられていることを特徴とする。負圧発生手段は、特許文献1と同様の構成によって回収通路の途中に設けることもできるし、回収通路の先端に設けることもできる。
前記キャニスタと前記負圧発生手段との間の前記回収通路上には、該回収通路の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段を設けることが好ましい。
前記キャニスタから回収される蒸発燃料の排出口は、前記燃料タンク内の気層中(燃料液面より上方)に設定したり、前記燃料タンク内に貯留されている燃料中に液没するように設定したりできるが、前記キャニスタから回収される蒸発燃料の排出口が、前記燃料タンク内に貯留されている燃料中に液没している場合は、前記回収通路上に、前記燃料タンク内に貯留されている燃料が前記回収通路内を逆流して、キャニスタに至ることを防止する逆流防止手段を設けることが好ましい。
負圧発生手段が回収通路の先端に設けられている場合は、当該負圧発生手段の吐出口が、回収される蒸発燃料の排出口となる。この場合、負圧発生手段自体が燃料中に液没していることで、蒸発燃料の排出口が燃料中に液没することになる。一方、負圧発生手段が回収通路の途中に設けられている場合は、当該回収通路の先端開口が、回収される蒸発燃料の排出口となる。この場合、負圧発生手段の設置位置は気層中でも燃料中でも構わないが、少なくとも回収通路の先端開口が燃料中に液没していることになる。なお、負圧発生手段が回収通路の途中に設けられている場合、逆流防止手段の設置位置は負圧発生手段の上流に設置する。
また、前記燃料タンクの外部には、前記燃料導入量制御手段と前記負圧発生手段との間の通路と連通し、前記燃料ポンプから前記負圧発生手段へ導入される燃料の一部を一時的に貯留することで膨張可能なサブタンクを設けておくことも好ましい。また、前記燃料導入量制御手段は、前記負圧発生手段と一体的にユニット化することも好ましい。
本発明によれば、負圧発生手段が燃料ポンプと直接連通されているので、プレッシャレギュレータからの燃料リリーフ量に関係なく負圧を安定して生じさせることができる。そのうえで、燃料導入通路上に燃料導入量制御手段を設けているので、燃料ポンプから負圧発生手段への燃料導入量を、種々の状況に応じて適切に制御することができる。特に、(エンジンにおける燃料要求量+負圧発生手段への燃料導入量)が燃料ポンプの限界吐出量を超えて、エンジンへの燃料供給量が不足することを確実に防止回避できる。
回収通路上に開閉手段を設けていれば、燃料ポンプの駆動に伴う負圧発生手段の作動に関わらず、蒸発燃料の回収タイミングを制御することができる。また、キャニスタから回収される蒸発燃料の排出口が燃料中にある場合において、回収通路上に逆流防止手段を設けていれば、燃料ポンプの停止後に燃料タンク内の燃料が回収通路内を逆流してキャニスタに至ることを確実に防止できる。なお、回収された蒸発燃料の排出口が気層中にある場合は、液化回収された蒸発燃料が排出口から排出されると、気層中において僅かにでも再蒸発する可能性があるが、回収された蒸発燃料の排出口が燃料中にあれば、このようなおそれもない。
燃料ポンプから負圧発生手段へ導入される燃料の一部を一時的に貯留可能なサブタンクが設けられていれば、当該サブタンクへ燃料が貯留されることで、燃料タンク中の燃料貯留量が減ることになる。これにより、燃料タンク内の気層空間が増加することで、キャニスタから蒸発燃料を回収する際の燃料タンクの内圧上昇を抑制することができる。このとき、サブタンクは燃料貯留により膨張可能なので、不使用時にはサブタンクがコンパクトであり、装置の大型化を避けることができる。また、サブタンクが燃料タンクの外部に設けられていることで、的確に燃料タンクの内圧上昇を抑制することができる。また、燃料導入量制御手段が負圧発生手段と一体的にユニット化されていることによっても、装置の大型化を避けることができる。
実施例1に係る蒸発燃料処理装置の模式図である。 アスピレータの縦断面図である。 アスピレータへの燃料導入量を制御するパターンの一例を示すグラフである。 実施例2に係る蒸発燃料処理装置の模式図である。 実施例3に係る蒸発燃料処理装置の模式図である。 実施例4に係る蒸発燃料処理装置の模式図である。 アスピレータの変形例1を示す模式図である。 アスピレータの変形例2を示す模式図である。 アスピレータの変形例3を示す模式図である。 変形例に係るアスピレータの縦断面図である。 従来技術の問題点を説明するグラフである。
以下、本発明の代表的な複数の実施例について説明するが、これに限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。特に、本発明の蒸発燃料処理装置は、必須の構成要素であるキャニスタ、ベーパ通路、回収通路、負圧発生手段、及びプレッシャレギュレータを備え、負圧発生手段による負圧によって蒸発燃料を回収する構成である限り、その他種々の構成要素を設けることができる。本発明の蒸発燃料処理装置は、自動車の燃料タンクに好適に適用される。
(実施例1)
蒸発燃料処理装置は、図1に示すように、燃料タンク1内で発生した蒸発燃料(ベーパ)を吸着するキャニスタ10と、燃料タンク1内の蒸発燃料をキャニスタ10へ導くベーパ通路2と、キャニスタ10内に吸着されている蒸発燃料を燃料タンク1内へ回収する回収通路3と、燃料ポンプ11から吐出される燃料の一部を利用して負圧を発生させるアスピレータ12とを備える。アスピレータ12が、本発明の負圧発生手段に相当する。
燃料タンク1は、内部に燃料Fを貯留する密閉タンクである。燃料ポンプ11は燃料タンク1内において液没状に設置され、燃料タンク1内から燃料供給通路4を通して図外のエンジンへ燃料Fを圧送する。また、燃料ポンプ11には、エンジンにおける燃料要求量を超えて当該燃料ポンプ11から吐出される余剰燃料を、燃料タンク1内へリリーフするプレッシャレギュレータ13が連通されている。なお、燃料タンク1には、当該燃料タンク1の内圧を検知する圧力センサPが取り付けられている。圧力センサPによる検知信号は、図示していないエンジン・コントロール・ユニット(ECU)に入力される。
キャニスタ10は密閉容器であり、その内部には、蒸発燃料を吸着・脱離可能な活性炭等からなる吸着材Cが充填されている。キャニスタ10内へ導入された蒸発燃料は吸着材Cへ吸着されるが、空気成分は透過する。また、キャニスタ10には、先端側が大気に開放された大気通路5が連結されている。大気通路5上には、大気通路弁20が取付けられている。大気通路弁20は、ECUによって開閉制御される電磁弁である。
アスピレータ12は回収通路3上の先端に設けられ、キャニスタ10内に吸着されている蒸発燃料を回収する際に、回収通路3を介してキャニスタ10内を負圧を作用させるために、負圧を発生させるものである。アスピレータ12には、燃料供給通路4から分岐状に連結された燃料導入通路6が連通されており、燃料ポンプ11から吐出される燃料Fの一部が、燃料導入通路6を通してアスピレータ12へ導入される。すなわち、アスピレータ12は、燃料導入通路6を介してプレッシャレギュレータ13とは別に燃料ポンプ11と直接連通されている。アスピレータ12は、図2に示すように、ベンチュリ部41とノズル部45とから構成されている。ベンチュリ部41は、絞り42と、絞り42の燃料流動方向上流側に設けられたテーパ状の入口縮径部位43と、絞り42の燃料流動方向下流側に設けられたテーパ状の出口拡開部位44とを備えており、入口縮径部位43、絞り42、出口拡開部位44が同軸に形成されている。ベンチュリ部41の入口縮径部位43の上流端部に、回収通路3が連結される吸引ポート41pが形成されている。一方、ノズル部45は、ベンチュリ部41の入口縮径部位43の内側に同軸に収納されたノズル本体46を備えており、当該ノズル本体46の噴射口46pがベンチュリ部41の絞り42の近傍に位置決めされている。また、ノズル本体46の基端部(噴射口46pと反対側)には、燃料導入通路6が連結される燃料導入ポート47が形成されている。
燃料ポンプ11から吐出されて燃料供給通路4をエンジンに向けて圧送される燃料Fの一部は、燃料導入通路6を通して燃料導入ポート47からアスピレータ12内へ導入される。すると、導入された燃料Fがノズル本体46の噴射口46pから噴射され、ベンチュリ部41の絞り42及び出口拡開部位44の中央部を軸方向に高速で流動する。これにより、ベンチュリ部41の絞り42の周辺において負圧が発生し、吸引ポート41pに連結された回収通路3やこれの上流に連結されたキャニスタ10にも負圧が作用する。この負圧によって、キャニスタ10内に吸着されている蒸発燃料が脱離(パージ)されることになる。キャニスタ10から脱離回収される蒸発燃料は、ノズル本体46から噴射される燃料Fと共に、吐出口12aから排出される。すなわち、本実施例1では、アスピレータ12の吐出口12aが、回収された蒸発燃料の排出口となる。
図1に戻って、アスピレータ12は燃料タンク1内の気層中(燃料Fの液面より上方)に設けられ、その吐出口12aは下向きに配されている。また、燃料導入通路6上には、燃料ポンプ11からアスピレータ12へ導入される燃料Fの燃料導入量を制御する燃料導入量制御手段として、燃料導入弁21が設けられている。燃料導入弁21は、ECUによって開閉制御される電磁弁で構成されている。また、ベーパ通路2上には、燃料タンク1の内圧を制御する圧力制御弁22が設けられている。圧力制御弁22は、正圧弁と負圧弁とを備える双方向チェック弁である。圧力制御弁22は常時閉弁しており、燃料タンク1の内圧が所定値以上になると正圧弁が開放され、燃料タンク1の内圧が所定値以下になったときに負圧弁が開放される構成となっている。圧力制御弁22の設定圧力は、燃料タンク1の破損防止の観点によって設定され、例えば±5kPa程度とすればよい。この場合、燃料タンク1の内圧は、+5kPa〜−5kPa程度で保持されるよう制御される。また、回収通路3上には、当該回収通路3の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段として、回収通路弁23が設けられている。回収通路弁23はECUによって開閉制御される電磁弁で構成されている。
次に、上記構成からなる蒸発燃料処理装置による処理機構について説明する。大気通路5上の大気通路弁20は、通常時(オフ時)は開弁しており、ECU制御による通電(オン)により閉弁する。一方、回収通路3上の回収通路弁23は、通常時(オフ時)は閉弁しており、ECU制御による通電(オン)により開弁する。駐車時や給油時など燃料ポンプ11が駆動していない状態において、蒸発燃料の発生や給油に伴い燃料タンク1の内圧が圧力制御弁22の設定圧力以上となると、当該圧力制御弁22の正圧弁が開き、燃料タンク1内の気体(空気及び蒸発燃料)がベーパ通路2を通してキャニスタ10内に流入する。すると、キャニスタ10内の吸着材Cによって蒸発燃料が選択的に吸着保持される。残余の空気は吸着材Cを透過し、キャニスタ10から大気通路5を通して大気中に放散され、燃料タンク1の圧力開放がなされる。これにより、燃料タンク1の大幅な内圧上昇が抑制され、燃料タンク1の保護が図られる。燃料タンク1の内圧が圧力制御弁22の設定圧力の範囲内にあるときは、当該圧力制御弁22が閉じられているため、燃料タンク1は密閉状態となる。一方、温度低下などによって燃料タンク1の内圧が圧力制御弁22の設定圧力以下になると、当該圧力制御弁22の負圧弁が開いて、外気が大気通路5、キャニスタ10、ベーパ通路2をこれの順で介して燃料タンク1内に流入する。これにより、燃料タンク1の大幅な内圧低下が抑制され、燃料タンク1の保護が図られる。
走行時など燃料ポンプ11の駆動中は、基本的には大気通路弁20が閉弁制御されると共に、回収通路弁23が開弁制御される。このとき、燃料ポンプ11が駆動されていることで、当該燃料ポンプ11から吐出された燃料Fの一部は、燃料供給通路4から分岐した燃料導入通路6を通してアスピレータ12に供給される。これにより、アスピレータ12によって負圧が発生し、キャニスタ10内に吸着されている蒸発燃料が吸引脱離されて回収通路3を通して回収され、アスピレータ12の吐出口12aから燃料タンク1内へ排出される。この状態において、燃料回収や蒸発燃料の発生により燃料タンク1の内圧が圧力制御弁22の設定圧力以上となると、駐車時等と同様に燃料タンク1内の蒸発燃料等がベーパ通路2を通してキャニスタ10内に流入する。このように、蒸発燃料の通常回収時には、基本的に大気通路5上の大気通路弁20が閉弁されているため、燃料タンク1内に外気が流入することがなく、燃料タンク1内の大幅な圧力上昇が抑えられる。
しかし、外部環境が高温であったり、エンジンや燃料ポンプ11の駆動熱などによって燃料Fが高温となって蒸発燃料が多量に発生した場合、燃料タンク1の内圧も急激に上昇し得る。このような場合は、圧力センサPによる検知圧力が所定値以上となったところで、大気通路弁20が開弁制御されると共に回収通路弁23が閉弁制御され、キャニスタ10を介して燃料タンク1内の空気抜きがされる。これにより、燃料タンク1内の大幅な圧力上昇が抑制される。燃料タンク1の圧力開放により、圧力センサPによる検知圧力が所定値より低くなると、再度大気通路弁20が閉弁制御されると共に回収通路弁23が開弁制御される。このように、回収通路3上に回収通路弁23を設けていることで、燃料ポンプ11の駆動に伴うアスピレータ12の作動に関係なく、アスピレータ12への蒸発燃料供給を制御できるので、燃料タンク1内の圧力状態などに応じた適切な処理を行うことができる。
また、燃料ポンプ11からアスピレータ12への燃料導入量は、燃料導入通路6上に設けられた燃料導入弁21によって制御される。この燃料導入弁21による燃料導入量制御の一例について説明する。燃料導入弁21は、通常時(オフ時)は閉弁状態にあり、ECUによる通電(オン)によって開弁制御される。ベーパ回収条件の成立時は、燃料導入弁21が開弁して、燃料ポンプ11から吐出された燃料は、エンジン、アスピレータ12、及びプレッシャレギュレータ13へそれぞれ供給される。つまり、図3に示すように、燃料ポンプ11から吐出される燃料のポンプ吐出量=アスピレータ12への燃料導入量+エンジンへの燃料供給量(エンジンにおける燃料要求量)+プレッシャレギュレータ13による余剰燃料のリリーフ量となる。そして、燃料導入弁21が全開されていると、燃料ポンプ11から一定量の燃料が吐出されることに伴い、アスピレータ12への燃料導入量も一定となり、エンジンにおける燃料要求量への対応幅(エンジンへの限界燃料供給量)が減少する。一般的な走行状態などであって、(エンジンにおける燃料要求量+アスピレータ12への燃料導入量)が燃料ポンプ11のポンプ吐出量より少なければ、当該範囲内でエンジンへの燃料供給量を増減制御できるので、燃料導入弁21は開弁されている。一方、例えばアクセル全開時などにおいて、図3の仮想線で示すように(エンジンにおける燃料要求量+負圧発生手段への燃料導入量)が燃料ポンプ11の吐出量を超えると、燃料導入弁21が閉弁制御される。これにより、エンジンにおける燃料要求量への対応幅(エンジンへの限界燃料供給量)が増大することで、エンジンへの燃料供給不足を回避できる。その後、(エンジンにおける燃料要求量+アスピレータ12への燃料導入量)が燃料ポンプ11のポンプ吐出量より少なくなれば、再度燃料導入弁21が開弁制御される。なお、図3には、燃料導入量制御の最も単純な一例を例示しているが、燃料導入弁21を単に全開及び全閉するのみならず、燃料導入量をエンジンへの燃料供給量などに応じて適宜増減制御できるよう、燃料導入弁21の開弁量を制御するようにすることも好ましい。
燃料ポンプ11が停止すると、これに伴い燃料導入弁21が閉弁され、燃料供給通路4内の燃圧が維持された状態でアスピレータ12への燃料導入も止まる。同時に、アスピレータ12が気層中において下方に向けて配されていることで、アスピレータ12内の燃料は流れ落ちる。このとき、回収通路3やキャニスタ10内は負圧状態のままであるが、アスピレータ12の吐出口12aが気層中にあることで、燃料タンク1内の燃料Fが回収通路3内を逆流することはない。燃料ポンプ11の停止に伴い、大気通路弁20は再度開弁制御され、回収通路弁23が閉弁制御される。
上記実施例1では、負圧発生手段としてのアスピレータ12を、燃料タンク1内の気層中に設けて、回収燃料が排出されるアスピレータ12の吐出口12aが気層中にあったが、アスピレータ12を燃料F中に液没するように配置することもできる。図4に示す実施例2や図5に示す実施例3は、アスピレータ12を液中へ配置した実施例である。
(実施例2)
上述のように、本実施例2では、図4に示すように、アスピレータ12が燃料タンク1内において燃料F中へ液没状態で配されており、回収燃料の排出口となるアスピレータ12の吐出口12aも燃料F中にある。ここでのアスピレータ12は、上向きに配されている。アスピレータ12が液中で作動すると、気層中に配置する場合よりも負圧発生が大きくなる傾向があり、回収燃料の吐出量が増大する。これにより、同じ燃料導入量でも、アスピレータ12を気層中に配置した場合よりも蒸発燃料の回収能力を増大できる。また、アスピレータ12が上向きに配されていることで、燃料ポンプ11が停止しても、アスピレータ12内の燃料Fが流れ落ちることが無いので、燃料ポンプ11を駆動してから負圧が発生するまでのタイムラグが減少し、応答性が向上する。
しかし、アスピレータ12(の吐出口12a)が液中にあると、燃料ポンプ11の停止後に燃料タンク1内の燃料Fが回収通路3内を逆流してしまう。そこで、本実施例2では、回収通路3上に、燃料タンク1内に貯留されている燃料Fが回収通路3内を逆流してキャニスタ10へ至ることを防止する逆流防止手段として、逆止弁25が設けられている。逆止弁25は、一方向チェック弁により構成され、キャニスタ10からアスピレータ12方向への流動は常に許容するが、アスピレータ12からキャニスタ10方向への流動は常に防止する。そのため、逆止弁25は、回収通路3上のできるだけ下流域(アスピレータ12の近傍)に設けることが好ましい。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
(実施例3)
本実施例3も、図5に示すように、回収燃料の排出口となるアスピレータ12の吐出口12aが燃料F中にある。アスピレータ12が上向き配置されている点、及びこれによる作用効果も実施例2と同様である。実施例2と異なる点は、燃料タンク1内に貯留されている燃料Fが回収通路3内を逆流してキャニスタ10へ至ることを防止する逆流防止手段として、回収通路3上に設けられた三方弁26と、当該三方弁26を介して回収通路3に連結されたリリーフ通路7とが設けられている。三方弁26は、キャニスタ10とアスピレータ12との連通状態と、アスピレータ12とリリーフ通路7との連通状態とを適宜切り替え可能となっており、その切り替えタイミングはECUによって制御される。リリーフ通路7の先端は、燃料タンク1内へ通じている。
このような構成の実施例3において、燃料ポンプ11の駆動中は、三方弁26を介してキャニスタ10とアスピレータ12とを連通させている。したがって、燃料ポンプ11が停止されると、燃料タンク1内の燃料Fがアスピレータ12を介して回収通路3内を逆流する。そこで、燃料ポンプ11の停止と同時、あるいは燃料ポンプ11の停止直前に三方弁26が切り替え制御され、アスピレータ12とリリーフ通路7とが連通する。これにより、燃料ポンプ11の停止に伴って回収通路3内を逆流してきた燃料Fは、三方弁26及びリリーフ通路7、並びに回収通路3を介して燃料タンク1内へリリーフされ、キャニスタ10へ燃料Fが流入することが確実に防止される。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
(実施例4)
図6に、本発明の実施例4に係る蒸発燃料処理装置の模式図を示す。本実施例4は実施例1の変形例であり、図6に示すように、燃料タンク1の外部に、燃料導入弁21とアスピレータ12との間において燃料導入通路6と分岐状に連通し、燃料ポンプ11からアスピレータ12へ導入される燃料Fの一部を一時的に貯留可能なサブタンク14が設けられている。サブタンク14の周壁は蛇腹状を呈し、伸縮可能となっている。
サブタンク14は、燃料ポンプ11が駆動していない通常時には、図6の実線で示すように収縮状態にある。そして、燃料ポンプ11が駆動して燃料導入通路6内を燃料Fが流動してくると、その一部がサブタンク14に流入する。すると、図6の仮想線で示すように、サブタンク14が伸長して、一定量の燃料Fが貯留される。これにより、燃料タンク1内における燃料Fの液面が下降し、その分気層空間が増大することで、燃料タンク1の内圧上昇が抑制される。このとき、サブタンク14が燃料タンク1の外部に設置されていることで、燃料タンク1内の気層空間を的確に増大できる。燃料ポンプ11が再度停止されると、サブタンク14内の燃料Fは、アスピレータ12を介して燃料タンク1内へ流出し、サブタンク14は再度基本形態へ収縮する。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。
以上、燃料導入弁21とアスピレータ12とを別位置に設けた本発明の代表的な実施例1〜4について説明したが、燃料導入弁21とアスピレータ12とを一体的にユニット化することもできる。これにより、装置の小型化を図ることができる。例えば、燃料導入弁21とアスピレータ12とがユニット化されたアスピレータユニットを、燃料ポンプユニットを収納するリザーバカップ内へ設置することもできる。以下に、アスピレータユニットをリザーバカップ内へ設置した変形例について説明する。
(変形例1)
先ず、先の実施例1のようにアスピレータ12を気層中に設ける場合、図7に示すように、アスピレータユニット17をリザーバカップ50のセットプレート51の下面に設けることができる。この場合も、アスピレータ12は下向きに設置することが好ましい。なお、符号52は、リザーバカップ50とセットプレート51とを上下昇降可能に連結するシャフトである。リザーバカップ50内に収納されている燃料ポンプユニット8は、燃料ポンプ11、燃料ポンプ11の吸入口に設けられたサクションフィルタ55、燃料ポンプ11の吐出口に連接され、燃料ポンプ11を囲むように設けられるフィルタ56、及び余剰燃料をリリーフするプレッシャレギュレータ13などを有する。サクションフィルタ55を介して燃料ポンプ11に吸引された燃料Fは、フィルタ56を介して燃料供給通路4へ圧送される。
アスピレータユニット17は、アスピレータ12の吸引ポート41pと、セットプレート51に上下貫通状に設けられた吸引ポート51pとが連通する状態で設けられており、当該セットプレート51の吸引ポート51pに、回収通路が連結される。アスピレータ12が、燃料導入ポート47に連結された燃料導入通路6を介して燃料タンク1と直接連通している点は、実施例1と同じである。なお、燃料導入弁21とアスピレータ12とのユニット化構造は後述する。
(変形例2)
また、実施例2や実施例3のように、アスピレータ12が液没状態で設置される場合は、図8に示すように、燃料F中へ液没設置することが必要な燃料ポンプユニット8へ、アスピレータユニット17を直接設置することもできる。具体的には、フィルタ56の中途部にアスピレータユニット17を連結すればよい。この場合、アスピレータユニット17は、燃料ポンプユニット8の構成要素と見ることもできる。また、この場合、燃料導入通路6は、不要ないし大幅に短縮できる。この場合も、アスピレータ12は、上向きに設けることが好ましい。その他は、変形例1と同様である。
(変形例3)
また、実施例2や実施例3のように、アスピレータ12が液没状態で設置される場合でも、図9に示すように、アスピレータユニット17をセットプレート51の下面に設けてもよい。但し、この場合は、アスピレータ12を液没させるため、セットプレート51の下面に、サブリザーバカップ53を設けることが必要である。これにより、サブリザーバカップ53内にも燃料Fが貯留され、アスピレータ12を液没させられる。この場合も、アスピレータ12は上向きに設けることが好ましい。その他は、変形例1と同様である。
次に、アスピレータ12と燃料導入弁21とのユニット構造について、図10を参照しながら説明する。なお、変形例1〜3では、それぞれにおける設置態様に基づいて、吸引ポート41pの形状が異なるが、基本構成は同じである。したがって、図10には、上記実施例1〜4において使用したアスピレータを基準として図示している。図10に示すように、燃料導入弁21は、アスピレータ12のノズル部45側端部において、一体的に設けられている。具体的には、ノズル部45には、弁設置ベース48が接合されており、当該弁設置ベース48の中央部に、ノズル本体46を開閉する弁体27が配されている。弁体27はピン状の部材であり、アスピレータ12の軸方向に沿って摺動可能となっている。弁体27と弁設置ベース48との間には圧縮バネ28が配されており、当該圧縮バネ28によって、弁体27は閉弁方向へ常時付勢されている。また、弁設置ベース48の周縁部には、電磁石29が弁体27を囲むように配されている。ECU制御によって電磁石29に通電されると、弁体27が開弁方向へ引き寄せられ、ノズル本体46が開弁される。
(その他の変形例)
以上、代表的な変形例についても説明したが、この他にも、種々の変形が可能である。まず、ベーパ通路2上に設けられる圧力制御弁22は、回収通路弁23と同様に、ECUによって開閉制御される電磁弁としてもよい。この場合、圧力制御弁22は常時閉弁しており、燃料タンク1の内圧が所定値以上となったことが圧力センサPによって検知されたときに開弁制御されるように設定すればよい。
また、上記各実施例ではアスピレータ12への燃料導入量のみを制御したが、これに加えて燃料ポンプ11への電流制御(デマンド制御)を行い、燃料ポンプ11の吐出量もECU制御することが好ましい。これによれば、エンジンへの燃料供給量とアスピレータ12への燃料導入量を満足する最小燃料流量を設定することができ、効率的に省エネが可能となる。
また、大気通路5上のキャニスタ10と大気通路弁20との間にも圧力制御弁を設け、キャニスタ10内を負圧に保持することも可能である。また、キャニスタ10内に、吸着材Cを加熱するヒータ等の加熱手段を設けることもできる。蒸発燃料の回収の際に、加熱手段を駆動して吸着材Cを加熱することで脱離効率が向上し、蒸発燃料の回収効率が向上する。また、蒸発燃料処理装置の適所に、燃料成分と空気成分とを分離可能な分離膜等の分離手段を設け、分離手段によって燃料成分を濃縮回収しながら、希釈ガスを循環させる構成を採用することもできる。また、実施例4のサブタンクを、実施例2や実施例3へ適用することもできる。
1 燃料タンク
2 ベーパ通路
3 回収通路
4 燃料供給通路
5 大気通路
6 燃料導入通路
7 リリーフ通路
10 キャニスタ
11 燃料ポンプ
12 アスピレータ(負圧発生手段)
13 プレッシャレギュレータ
14 サブタンク
20 大気通路弁
21 燃料導入弁(燃料導入量制御手段)
22 圧力制御弁
23 回収通路弁(開閉手段)
25 逆止弁(逆流防止手段)
26 三方弁(逆流防止手段)
41p 吸引ポート
47 燃料導入ポート
F 燃料
P 圧力センサ

Claims (5)

  1. 燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記燃料タンク内から蒸発燃料を前記キャニスタへ導くベーパ通路と、前記キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を前記燃料タンク内へ回収する回収通路と、前記燃料タンク内に設けられた燃料ポンプから吐出される燃料の一部を利用して負圧を発生させる負圧発生手段と、前記燃料ポンプから吐出される余剰燃料を前記燃料タンク内へリリーフするプレッシャレギュレータとを備え、前記負圧発生手段による負圧によって、前記キャニスタ内に吸着されている蒸発燃料を前記回収通路を通して前記燃料タンク内に回収する蒸発燃料処理装置であって、
    前記負圧発生手段は、燃料導入通路を介して前記プレッシャレギュレータとは別に前記燃料ポンプと直接連通され、
    前記燃料導入通路上には、前記燃料ポンプから前記負圧発生手段への燃料導入量を制御する燃料導入量制御手段が設けられており、
    前記燃料導入量制御手段は、(エンジンにおける燃料要求量+負圧発生手段への燃料導入量)が、前記燃料ポンプの限界吐出量を超えないように制御することを特徴とする、蒸発燃料処理装置。

  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記キャニスタと前記負圧発生手段との間の前記回収通路上には、該回収通路の連通状態と遮断状態とを切り替える開閉手段が設けられていることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処置装置であって、
    前記キャニスタから回収される蒸発燃料の排出口が、前記燃料タンク内に貯留されている燃料中に液没しており、
    前記回収通路上には、前記燃料タンク内に貯留されている燃料が前記回収通路内を逆流することを防止する逆流防止手段が設けられていることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料タンクの外部に、前記燃料導入量制御手段と前記負圧発生手段との間の通路と連通し、前記燃料ポンプから前記負圧発生手段へ導入される燃料の一部を一時的に貯留することで膨張可能なサブタンクが設けられていることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記燃料導入量制御手段が、前記負圧発生手段と一体的にユニット化されていることを特徴とする、蒸発燃料処理装置。



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