JP5199660B2 - 受信装置 - Google Patents

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本発明は、無線通信装置を構成する受信装置に関し、特に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を適用した無線通信システムの受信装置に関する。
例えば下記非特許文献1などで言及されているように、OFDMは、直交する複数の周波数のキャリアを多重して伝送する技術であり、割り当てられた周波数帯域を効率的に利用できることから、近年、多くの通信分野で利用されている技術である。
反射などによりマルチパスが存在する伝送環境下では、受信端には異なる遅延を持った複数の反射波(遅延波)が到来することになるが、OFDMではシンボルデータの後尾の一部をコピーしてシンボルの先頭部分に付加して送信することにより、遅延波によるシンボル間の干渉を排除している。この付加された繰り返しの部分はサイクリック・プレフィックス(Cyclic Prefix、以下、CPと記載する)と呼ばれている。
図8はOFDMにおけるデータの変復調単位であるシンボルを示す図である。図8に示したように、OFDMでは、本来の伝送すべきシンボルデータ101の後尾の部分をCP102として先頭部分に付加することによりシンボルを生成する。図8において、「TS」は本来の伝送すべきシンボルデータの時間長であり、「T」はCP部分も含めた時間長である。
また、図9は図8に示したシンボルが複数の反射波を伴って受信側に到達したときの様子の一例を示した図である。図9において、110は直接到来した受信波、111および112は、それぞれ時間τ1、τ2の遅延をもって到来した受信波(遅延波#1,#2)である。受信端では、これらの受信波110、111および112が合成された信号を受信することになる。図9に示すように、遅延波がある場合でも区間113の部分を切り取ってFFT(Fast Fourier Transform)を実行することにより、前シンボルの成分が入り込まない当該シンボルだけの成分を対象としたFFTが実行され、シンボル間の干渉を排除することができる。
このように、OFDMを使った通信システムでは、遅延波の遅延時間がCPに相当する時間範囲内に収まっている場合には、シンボル間の干渉を排除することができる。なお、CPによるシンボル間の干渉抑圧技術は、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)などでも使用されている。
伊丹 誠「OFDM変調の基礎とシステム実現のための諸技術」電子情報通信学会誌 Vol.85 No.12 pp.925-931 2002年12月
受信側において受信データから切り出したFFT入力データは、本来首尾が連続した波形となることが期待される。しかし、送受信器間の周波数偏差、位相雑音が大きい場合には、FFT入力データの首尾で不連続性が生じ、この時間領域の不連続性は周波数領域でのスペクトルの拡がりをもたらす。そして、スペクトルの拡がりは他のチャネルへの干渉成分となり、結果として受信性能の低下を引き起こす、という問題があった。
特にOFDMでは、周波数利用効率を高めているためキャリア間隔が狭く、送受信器間の周波数偏差やジッタによる干渉成分の影響を受けやすい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、OFDMを適用した通信システムにおいて、周波数偏差がある場合などに発生するチャネル間の干渉を低減し、受信性能が低下するのを防止する受信装置を得ることを目的とする。
また、実現容易な回路にて、受信性能の低下を防止する受信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報系列が互いに直交関係にある複数の搬送波を利用して多重化されたシンボルに対してFFTを実行することにより、情報系列を復元する受信装置であって、特定シンボルに含まれる受信データ列の中から、FFTサンプル数にN(Nは整数)を加えた数の連続した受信データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により得られたデータ列に対して窓関数によるフィルタリングを実行するフィルタリング手段と、前記フィルタリング処理後のデータ列の先頭からN番目までのデータ列を、当該フィルタリング処理後のデータ列の最後方のデータ列を含む末尾に加算し、前記FFTサンプル数と同数のFFT対象データ列を生成する加算手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、各シンボルに含まれるデータ列の中からFFTサンプル数を超える数のデータを切り取り、窓関数との乗算を行った後、切り取ったデータ列の先頭部分を最後尾部分に加算することによりFFTサンプル数と同数のデータ列を生成し、この生成したデータ列に対してFFTを実行するようにしたので、送信機(対向する送信側の通信装置)との間の周波数偏差やジッタなどに起因する、FFT入力データの首尾に生じる不連続性を緩和し、不連続性によって生じるチャネル間干渉により誤り率特性が劣化するのを防止できる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成例を示す図であり、この受信装置は、OFDMを適用した通信システムの通信装置を構成する。
図1に示した受信装置1は、送信側から送信された信号を受信するアンテナ11と、使用通信帯域外の周波数成分を除去するためのバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)部12と、BPF部12から出力されたRF信号をベースバンド信号に周波数変換するためのミキサ13と、ミキサ13がRF信号をベースバンド信号に変換する際の周波数を決定する局部発振器であるLO(Local Oscillator)部14と、ベースバンドに変換された受信信号の不要周波数成分を除去するローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)部15と、入力されたアナログ信号をデジタル信号へ変換するAD変換(ADC:Analog Digital Converter)部16と、ADC部16にてAD変換されたデジタル信号データに対してシンボルの境界を検出し、シンボル境界のタイミングを示す制御信号を出力する同期制御部17と、同期制御部17から入力された制御信号に基づいて、各シンボルデータから、FFTの実行対象とする部分の切り出しを行い、さらに、切り出したデータに対して後述する窓関数によるフィルタリング処理を行う切り出し制御部18と、切り出し制御部18から出力されたデータに対して一部データの加算処理を行い、シンボル毎にFFT実行対象部分に含まれるデータ数分のデータを出力する波形整形部19と、波形整形部19から出力された時間領域のデータを周波数領域のデータへと変換するFFT(Fast Fourier Transform)部20と、FFT部20から出力された周波数領域のデータに対して規定の変調方式に従って復調を行う復調部21と、を備えている。
なお、切り出し制御部18がデータ取得手段としての機能およびフィルタリング手段としての機能を有し、波形整形部19が加算手段としての機能を有している。
また、上記シンボルとは、データの伝送に必要な最小の時間に対応する単位であり、送受信器では伝送するデータがシンボル毎に切り替わり、シンボル単位で変復調処理が行われる。
つづいて、本発明の主要部分を構成する切り出し制御部18および波形整形部19を中心に受信装置1の動作を説明する。
送信側の通信装置(送信機)から送信された信号は、アンテナ11を介してBPF部12へ入力され、BPF部12にて使用帯域外の周波数成分が除去された後、ミキサ13によりベースバンド信号へ変換され、さらに、LPF部15により不要な周波数成分が除去される。そして、LPF部15から出力されたアナログ信号はADC部16にてデジタルへ変換された後同期制御部17および切り出し制御部18へ入力される。
同期制御部17は、入力信号に含まれるパイロットシンボルなどを利用して、入力されたデジタル信号データのシンボル境界を検出し、シンボル境界のタイミングを示す制御信号を切り出し制御部18に対して出力する。
切り出し制御部18は、同期制御部17から受け取った信号(受信信号のシンボル境界のタイミング示す制御信号)に基づいて、ADC部16からの入力データに対して窓関数によるフィルタリングを行うタイミングを制御し、入力データと窓関数との乗算を行う。例えば、図2に示すように窓関数の終端とシンボル境界とが等しくなるタイミングで、入力データと次式(1)に示した窓関数との乗算を行う。
Figure 0005199660
すなわち、ADC部16から出力された信号のシンボル毎のデータ系列xi(i=0〜NT−1)に対して、i=Ng〜NT−1を抜き出し、上式(1)をtsのサンプリング間隔でサンプリングした窓関数の離散系列wj(j=0〜NW−1)との間で次式(2)に示した演算を行い、フィルタリング後の系列yj(j=0〜NW−1)を得る。
Figure 0005199660
但し、NTは各シンボルにおける入力データのサンプル数であり、サンプリング間隔をtsとするとT=NT・tSの関係が成り立つものとする。また、NWは、NW・tS=a+TSの関係を満たすものとし、Ngは、Ng+NW=NTの関係を満たすものとする。
次に、波形整形部19は、切り出し制御部18から出力されたシンボル毎の出力データ系列yj(j=0〜NW−1)に対して、次式(3)に示した演算を実行する。すなわち、図3に示したように、切り出し制御部18からの出力データ系列yjの一部データの加算処理を行い、新たなデータ系列zk(k=0〜Nf−1)を得る。
Figure 0005199660
但し、NaはNa・tS=aの関係を満たすものとし、NfはFFT部20にて実行するFFTのサンプル数で、Nf・tS=TSの関係を満たすものとする。
そして、FFT部20は、シンボル毎に波形整形部19から出力される時間領域のデータ系列zk(k=0〜Nf−1)に対してFFTを実行して周波数領域のデータ系列に変換し、復調部21は、規定の変調方式に従って、波形整形部19から受け取ったデータ系列の復調処理を行う。
このように、本実施の形態では、各シンボルにおける入力データに対してFFTサンプル数NfよりもNaだけ多いデータを切り取り、窓関数との乗算を行った後、先頭のNaサンプルを終端のNaサンプルに加算して得た計Nfサンプルのデータに対してFFTを実行するようにした。これにより、送信機(対向する送信側の通信装置)との間の周波数偏差やジッタなどに起因する、FFT入力データの首尾に生じる不連続性を緩和し、不連続性によって生じるチャネル間干渉により誤り率特性が劣化するのを防止できる。
なお、回路を構成するにあたり、従来の単純にCPの部分を除去して得られたデータ系列に対してFFTを実行する構成と比較して、窓関数による乗算と一部データを加算する回路を追加した構成であるため、回路規模の増加量が抑えられ、容易に実現できる。また、窓関数の乗算後、首尾のデータの加算を行っているが、ノイズについては相関がなく平均化の効果があるため、基本的にノイズ成分を減少させSN比を高める効果も得られる。
また、上述した例では窓関数として一部に余弦関数を使用しているが、シンボルの首尾の部分を加算して1となる条件を満たすものであれば良いため、例えば、図4に示すような窓関数を使用しても同様の効果が得られる。また、必ずしもこの例でのタイミングのように窓関数の終端をシンボル境界に合わせる必要はなく、遅延波における前シンボルのシンボル境界を跨らない範囲で窓関数を掛けるタイミングを手前に設定してもよい。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2の受信装置に関して説明する。上述した実施の形態1では、FFTを実行するデータ系列を生成するにあたって加算処理を実行する区間の長さを固定長とする場合の例について説明したが、本実施の形態では、この区間の長さを可変長とする場合の例について説明する。
シンボル間の干渉成分を抑制するために必要なCP長は、反射などにより遅延が生じた遅延波の、送信機から直接到来した直接波(先行波)に対する遅延量に依存する。例えば、遅延量が小さい場合にはCP長を小さくすることができる。一方、窓関数によるフィルタリング後加算処理を行う、実施の形態1で示した図2におけるaの部分は、長い方が平均化の効果が高くなり干渉成分を抑制する効果が高くなる。また、雑音成分についても平均化による抑圧効果が大きくなりSN比を高める効果がある。そこで、本実施の形態では、受信したフレーム(シンボル)から遅延波の遅延量を算出し、遅延量に応じて図2におけるaの部分の長さを変更する場合の例を示す。
図5は、実施の形態2の受信装置の構成例を示す図である。図5に示した受信装置1aは、実施の形態1で示した受信装置1(図1参照)と比較して、切り出し制御部18および波形整形部19に代えて切り出し整形部18aおよび波形整形部19aを備え、さらに、遅延測定部31が追加された構成をとる。なお、その他の部分については実施の形態1の受信装置1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施の形態の受信装置1aでは、遅延量算出手段としての機能を有する遅延測定部31は、ADC部16からの入力信号およびFFT部20からの入力信号、すなわち、受信したフレームの時間領域データ及び周波数領域データに基づいて、各遅延波の遅延量を算出し、算出した遅延量の中で最大のものを最終的な遅延量として出力する。
切り出し制御部18aは、同期制御部17の出力及び遅延測定部31が算出した遅延量に従ってFFT部20への入力データとするデータの切り出し及び窓関数によるフィルタリング処理を行う。波形整形部19aは、切り出し制御部18aの出力に対して遅延測定部31が算出した遅延量に応じたサンプル数分の加算処理を行い、FFT部20におけるFFT入力サンプル数分のデータを出力する。
ここで、遅延測定部31において算出した遅延波の遅延量をτとし、τに相当するサンプル数をNdとした場合、τ=Nd・tsの関係が成り立つものとする。なお、tsはサンプリング間隔である。
受信装置1aの切り出し制御部18aは、ADC部16から出力されたシンボル毎のデータ系列xi(i=0〜NT−1)に対して、i=Nd〜NT−1のデータを抜き出し、窓関数の離散系列wj(j=0〜NW2−1)との間で次式(4)に示した演算を行い、フィルタリング後の系列yj(j=0〜NW2−1)を得る。なお、NTは実施の形態1で示した各シンボルにおける入力データのサンプル数である。また、窓関数としては、実施の形態1で示した「シンボルの首尾の部分を加算して1となる条件を満たす窓関数」を使用する。
Figure 0005199660
但し、NW2は、NW2=NT−Ndの関係を満たすものとする。
波形整形部19aは、yjのj=0〜NW2−Nf−1とj=Nf〜NW2−1の区間の加算処理を実行し、得られたzk(k=0〜Nf−1)をFFT部20に対して出力する。これは、加算処理を実行する区間が異なる点を除いて、実施の形態1の波形整形部19が実行する加算処理と同じ処理である。なお、Nfは、実施の形態1で示したFFTのサンプル数である。
このように、本実施の形態では、対向する送信側の通信装置(送信機)から到来した遅延波の遅延量を算出し、遅延量に応じて切り出すデータサンプル数を変更し加算処理を行う区間の長さを変更するようにした。これにより、無駄なく干渉成分を抑圧することができ、特に遅延量が少ない場合にチャネル間の干渉成分の抑圧効果が高くなり、また、SN比の改善効果も高くなる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3の受信装置に関して説明する。上述した実施の形態2では、FFTを実行するデータ系列を生成するにあたって加算処理を実行する区間の長さを遅延波の遅延量に応じて変更する場合の例について説明したが、本実施の形態では、保持している制御情報に従って、加算処理を行う区間の長さを変更する場合の例について説明する。
図6は、実施の形態3の受信装置の構成例を示す図である。図6に示した受信装置1bは、実施の形態1で示した受信装置1(図1参照)と比較して、切り出し制御部18および波形整形部19に代えて切り出し整形部18bおよび波形整形部19bを備え、さらに、加算区間情報保持部41が追加された構成をとる。なお、その他の部分については実施の形態1の受信装置1と同様であるため、その説明は省略する。
情報保持手段としての機能を有する加算区間情報保持部41は、切り出し制御部18bが動作を行うにあたって参照する情報として、切り出すデータ数および窓関数の時間幅を保持し、また、波形整形部19Bが動作を行うにあたって参照する情報として、切り出し制御部18bによるフィルタリング後のデータ系列(切り出し制御部18bからの出力系列)の加算区間を示す情報を保持する。以下、加算区間情報保持部41が保持している情報を総称して加算区間情報と呼ぶ。
本実施の形態の受信装置1bによる信号受信処理では、切り出し制御部18bは、同期制御部17の出力及び加算区間情報保持部41が保持している加算区間情報に従ってFFT部20への入力データとするデータの切り出し及び窓関数によるフィルタリング処理を行う。波形整形部19bは、切り出し制御部18bの出力に対して加算区間情報保持部41が保持している加算区間情報に応じたサンプル数分の加算処理を行い、FFT部20におけるFFT入力サンプル数分のデータを出力する。
なお、加算区間情報は、対向する送信機が無線通信システムの基地局などである場合には報知情報として受信装置に通知されるようにしてもよいし、上位層からの指示により更新されるようにしてもよい。受信装置は、新たな加算区間情報が通知されるまで、保持している加算区間情報に従った処理を実行する。
ここで、加算区間情報保持部41が保持している加算区間情報が示す加算区間に相当するサンプル数をNcとする。
受信装置1bの切り出し制御部18bは、ADC部16から出力されたシンボル毎のデータ系列xi(i=0〜NT−1)に対して、i=NT−Nf−Nc〜NT−1のデータを抜き出し、窓関数の離散系列wj(j=0〜NW3−1)との間で次式(5)に示した演算を行い、フィルタリング後の系列yj(j=0〜NW3−1)を得る。なお、NTは実施の形態1で示した各シンボルにおける入力データのサンプル数であり、Nfは実施の形態1で示したFFTのサンプル数である。また、窓関数としては、実施の形態1で示した「シンボルの首尾の部分を加算して1となる条件を満たす窓関数」を使用する。
Figure 0005199660
但し、NW3は、NW3=Nf+Ncの関係を満たすものとする。
波形整形部19bは、yjのj=0〜NW3−Nf−1とj=Nf〜NW3−1の区間の加算処理を実行し、得られたzk(k=0〜Nf−1)をFFT部20に対して出力する。これは、加算処理を実行する区間が異なる点を除いて、実施の形態1の波形整形部19が実行する加算処理と同じ処理である。なお、Nfは、実施の形態1で示したFFTのサンプル数である。
このように、本実施の形態では、FFT処理の対象とするデータ系列の生成処理にて加算処理を実行する区間を示す制御情報(加算区間情報)を保持しておき、その情報に従って入力データの切り出し、窓関数によるフィルタリングおよび加算処理を行うようにした。これにより、例えば伝搬路の状況に応じて加算区間を変更するなどの制御を行うことが可能となり、干渉成分の抑圧を効果的に行うことができる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4の受信装置に関して説明する。上述した実施の形態3では、保持している制御情報が示す区間を対象として加算処理を行う場合の例について説明したが、本実施の形態では、窓関数によるフィルタリング及び一部データの加算処理を伴った受信処理とこれらを伴わない受信処理とを切り替え可能な受信装置について説明する。
図7は、実施の形態4の受信装置の構成例を示す図である。図7に示した受信装置1cは、実施の形態1で示した受信装置1(図1参照)と比較して、切り出し制御部18、波形整形部19およびFFT部20に代えて、切り出し整形部18c、波形整形部19cおよびFFT部20cを備え、さらに、バイパス制御部51が追加された構成をとる。なお、その他の部分については実施の形態1の受信装置1と同様であるため、その説明は省略する。
判断手段としての機能を有するバイパス制御部51は、切り出し制御部18cおよび波形整形部19cにおける、窓関数によるフィルタリング処理および一部データの加算処理を行うか否かを指示する。
切り出し制御部18cは、バイパス制御部51からの指示に従い、窓関数によるフィルタリング処理を行わない場合、ADC部16の出力データからFFT部20cにおけるFFTサンプル数分のデータを切り出し、FFT部20cへ出力する。一方、フィルタリング処理を行う場合には、ADC部16の出力データからFFT部20cにおけるFFTサンプル数よりも多いサンプル数のデータを切り出し窓関数によるフィルタリングを行った後、波形整形部19cへ出力する。
波形整形部19cは、バイパス制御部51から波形整形を行うように指示を受けた場合、切り出し制御部18cの出力データに対して一部データの加算処理を行った後FFT部20cへ出力する。なお、切り出し制御部18cから窓関数によるフィルタリング処理が実行されたデータが出力される場合、波形整形を行うようにバイパス制御部51から指示を受ける。
FFT部20cは、バイパス制御部51からの指示に従い、切り出し制御部18cおよび波形整形部19cが、窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行う場合には、波形整形部19cの出力データを選択してFFT処理を実行し、一方、上記処理を行わない場合には、切り出し制御部18cから直接受け取ったデータを選択してFFT処理を実行する。
なお、窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行うか否かに関しては、たとえば、受信フレーム内に制御情報を持たせる構成とすることにより実現する。また、上位層からの指示に従うように構成して実現してもよい。
切り出し制御部18cおよび波形整形部19cにおいて窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行う場合には、実施の形態1の場合と同様に動作する。一方、窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行わない場合、切り出し制御部18cは、ADC部16から受け取った、シンボル毎のAD変換後のデータ系列xi(i=0〜NT−1)に対して、i=NT−Nf〜NT−1のデータを抜き出して得られたデータ系列zk(k=0〜Nf−1)をFFT部20cに対して出力する。
また、本実施の形態では、実施の形態1の受信装置1に対してバイパス制御部51を追加する場合の例について説明したが、実施の形態2の受信装置1a(図5参照)および実施の形態3の受信装置1b(図6参照)に対してバイパス制御部51を追加するようにしてもよい。たとえば実施の形態2の受信装置1aに対してバイパス制御部51を追加する場合、バイパス制御部51は、遅延測定部31により算出された遅延量の中の最大値が所定の値よりも小さく、一部データの加算処理を行っても大きな品質改善が期待できない場合(元々の品質が良い場合)には、窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行わないように、切り出し制御部および波形整形部を制御する。
また、実施の形態3の構成と組み合わせる場合には、加算区間情報を取得するまでは(加算区間情報を保持していない状態では)フィルタリング処理を行わず、加算区間情報を取得した場合、それ以降は取得した加算区間情報に従ってフィルタリング処理を行うように構成することも可能である。
このように、本実施の形態では、窓関数によるフィルタリング処理及び一部データの加算処理を行うか否かを切り替えることができるように構成した。これにより、例えば、対向する送信機との間で周波数偏差が大きく干渉成分の抑圧が必要なときだけフィルタリング処理を行うようにする、CP長に対して遅延波の遅延量が大きく十分な加算期間が得られない場合にはフィルタリング処理は行わないようにする、など、条件に応じて動作を変更することができ、フィルタリング処理が必要ない場合やフィルタリング処理による十分な受信品質改善が見込めない場合には、消費電力の増加を抑制でき、また、フィルタリングによる処理遅延の増加を防止できる。
以上のように、本発明にかかる受信装置は、無線通信システムを構成する通信装置に有用であり、特に、OFDM方式を適用した無線通信システムにおいて、マルチパスなどが存在する環境下で受信品質が劣化するのを抑えた通信を実現する受信装置に適している。
本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成例を示す図である。 受信シンボルと窓関数の対応関係の一例を示す図である。 波形整形部におけるデータ処理の一例を示す図である。 本発明にかかる受信装置が使用する窓関数の一例を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態2の構成例を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態3の構成例を示す図である。 本発明にかかる受信装置の実施の形態4の構成例を示す図である。 OFDMにおけるデータの変復調単位であるシンボルを示す図である。 マルチパスが存在する伝送環境下で複数の反射波が受信側に到来するタイミングの例を示した図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 受信装置
11 アンテナ
12 バンドパスフィルタ(BPF)部
13 ミキサ
14 局部発振器(LO部)
15 ローパスフィルタ(LPF)部
16 AD変換(ADC)部
17 同期制御部
18、18a、18b、18c 切り出し制御部
19、19a、19b、19c 波形整形部
20、20c FFT部
21 復調部
31 遅延測定部
41 加算区間情報保持部
51 バイパス制御部

Claims (4)

  1. 情報系列が互いに直交関係にある複数の搬送波を利用して多重化されたシンボルに対してFFTを実行することにより、情報系列を復元する受信装置であって、
    直接波に対する反射波の遅延量を算出する遅延量算出手段と、
    前記遅延量をサンプリング間隔で除算した結果を用いて可変値である正の整数Nを決定するとともに、特定シンボルに含まれる受信データ列の中から、FFTサンプル数に前記Nを加えた数の連続した受信データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により得られたデータ列に対して窓関数によるフィルタリングを実行するフィルタリング手段と、
    前記フィルタリング処理後のデータ列の先頭から前記N番目までのデータ列を、当該フィルタリング処理後のデータ列の最後方のデータ列を含む末尾に加算し、前記FFTサンプル数と同数のFFT対象データ列を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記窓関数を、時間幅の先頭からNサンプル区間と最後尾からNサンプル区間の加算結果が「1」となる窓関数とすることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記遅延量算出手段は、各反射波の遅延量の中でその値が最大のものを最終的な遅延量として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  4. さらに、
    FFTサンプル数に前記Nを加えた数の連続した受信データを対象とする受信処理を行うかどうかを判断する判断手段、
    を備え、
    前記データ取得手段は、前記判断手段が「FFTサンプル数に前記Nを加えた数の連続した受信データを対象とする受信処理を行わない」と判断した場合、FFTサンプル数と同数の連続した受信データを取得し、
    前記データ取得手段により得られたデータ列をFFT対象データ列とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の受信装置。
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