JP5202143B2 - アウターロータ型車両用発電機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両に搭載されて、自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達されて発電を行う発電機に関する。
自動車などの車両には、電装部品などへの電力供給のために発電機が搭載されている。この発電機は、自動車エンジンなどの駆動源から伝達された動力から電磁誘導により発電を行う。このような発電機は、例えば、荷室内を冷却して荷物を冷蔵又は冷凍保管可能な冷蔵車又は冷凍車などに搭載されている。
車両における車室空間の拡大に伴ってエンジン室が省スペース化されたり、燃費向上のために車重が軽量化されたりすることを目的として、車両に搭載される発電機にも小型化・軽量化の要請がある。一般に、発電機を小型化・軽量化すると、つまり容積当たりの出力を高めると、コイルなどの発熱が助長されるという問題が生じる。これに対し、発電機にファンを設けて送風し、コイルなどの発熱部品を空冷する手法がある。
例えば、特許文献1,2には、車両用交流発電機において、回転子に冷却フィンを設けてコイルなどの発熱部品を空冷する構成が開示されている。
特開2004−147486号公報 特開平6−46547号公報
しかし、特許文献1,2において開示されるようなインナーロータ型の発電機において、回転子となるロータにマグネット(永久磁石)を固定すると、ロータの回転によりマグネットに遠心力が生じて飛散するおそれがある。、また、回転子に電磁石を用いる手法が採用されると、電磁石に磁力を発生させるために励磁電流が必要となる。
また、自動車などのエンジン室には、メンテナンスなどにおいて手や腕、工具などが差し入れられるので、エンジン室に配置されてロータが高速回転する発電機には、カバーとなるフレームが設けられることが通常である。発電機の内部部品をカバー(フレーム)で完全に覆うと、内部部品を冷却するための空気を取り込むことができないので、特許文献1,2において開示されるように、通風口となる貫通孔が、カバーとなるフレームに多数形成される。しかし、自動車などの車両においては雨水や地面から跳ね上げられた水がエンジン室に進入し得るので、これらの水が、カバー(フレーム)の貫通孔を通じて発電機の内部へ進入し、内部部品を腐食させるおそれがある。この問題は、凍結防止剤や洗浄液などを含む水が発電機に進入すると更に顕著である。
発電機をアウターロータ型とすれば、つまり、コイルが巻装されるステータコア(固定子)の外側においてマグネットが固定されたロータヨーク(回転子)が回転される構成とすれば、ロータヨークの内側にマグネットを固定できるので、ロータヨークの回転によるマグネットの飛散を防止し得る。しかしながら、ロータヨークにおいてマグネットが配置されている箇所には、径方向へ貫通する通風口を設けることができない。仮に、ロータヨークにおいてマグネットが配置されている箇所以外に径方向へ貫通する通風口を設けたとしても、ロータヨークが高速で回転されるので、その通風口を通じてロータヨークの内側へ外気を導入することが難しい。また、ロータヨークに多数の貫通孔を設けるとロータヨークの剛性が低くなり、ロータヨークの寸法精度が悪くなる。その結果、ロータヨークにガタツキや軸ブレが生じ、ひいては発電機の騒音が大きくなったり、故障原因となったりするおそれがある。また、前述されたように、発電機のカバーなどに多数の貫通孔を設けることは、内部部品の腐食を惹起するという観点から好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、カバーなどに多数の貫通孔を設けることなく、内部部品を効果的に冷却することができ、かつ、高回転に耐え得るアウターロータ型車両用発電機を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係るアウターロータ型車両用発電機は、筒形状の芯部を有し、当該芯部における軸線方向の第1端側に軸受け部が設けられ、かつ第2端側において当該芯部の内空が外側へ開口された支持本体と、上記支持本体の芯部の周囲に設けられたステータコアと、上記ステータコアに巻装されたコイルと、上記支持本体の軸受け部に回転自在に支持されており、上記第1端側にプーリが設けられ、かつ当該プーリ側から第2端側へ向かって延びて開口する筒形状のヨーク部の内側に、上記ステータコアと磁気ギャップを介して対向されるマグネットが設けられたロータヨークと、を具備する。上記支持本体には、第1端側において上記芯部を径方向へ貫通する通風口が設けられており、上記ロータヨーク第2端側において軸方向に開口し、且つ上記ヨーク部の内側における第1端側に、ヨーク部と共に回転して第2端側の開口へ向かって送風するフィンが設けられている。
本発明に係るアウターロータ型車両用発電機は、自動車などの車両に搭載されて、自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達されて電磁誘導により発電を行うものである。この電磁誘導は、固定子としてステータコアに巻装されたコイルと、回転子としてステータコアの外側で回転するロータヨークに設けられたマグネットとを主要構成として行われる。
ステータコアは支持本体の芯部の周囲を取り巻くように配置されている。支持本体の芯部は筒形状をなしている。この筒形状の内空が延びる方向が軸線方向であり、この軸線方向を中心としてロータヨークが回転する。芯部における軸線方向の第1端側には軸受け部が設けられており、この軸受け部にロータヨークが軸支されて、芯部の軸線方向を中心として回転する。軸受け部にロータヨークが軸支された状態において、ヨーク部の内側に設けられたマグネットがステータコアと磁気ギャップを隔てて対向される。
ロータヨークの第1端側にはプーリが設けられており、このプーリへ自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達される。プーリが回転すると、ヨーク部に設けられたマグネットが回転して電磁誘導によりコイルに電力が生じる。
支持本体の芯部は、第2端側において内空が開口している。この開口を通じて、芯部の内空に外気が進入し得る。また、芯部には、第1端側において径方向に貫通する通風口が設けられている。したがって、第2端側において芯部の開口から内空へ進入した外気は、第1端側において通風口を通じて芯部の外側へ流出し得る。
ロータヨークには、ヨーク部の内側における第1端側にフィンが設けられている。このフィンは、ヨーク部と共に回転して第1端側から第2端側へ向かって送風する。この送風によって、ヨーク部の内側における第1端側の気圧が下がると、前述された芯部の通風口からヨーク部の内側へ外気が吸い込まれる。これにより、外気が、第2端側における芯部の開口から芯部の内空及び通風口を通じてヨーク部の第1端側へ流れ、さらにフィンに送風されて、ステータコアのティースの間やマグネットとの磁気ギャップを第1端側から第2端側へ流れる。そして、ヨーク部の先端である第2端側から外部へ排出される。このような外気の流れによって、アウターロータ型車両用発電機の内部部品が冷却される。
(2) 上記通風口が、上記軸受け部と上記ステータコアとの間に配置されていることが好適である。
これにより、通風口からヨーク部の内側へ導かれた外気をステータコアに直接に送風させることができるので、冷却効率が向上される。
(3) 上記フィンとして、上記ヨーク部の内側において各々が径方向へ延出された複数のものであって、軸線を中心として放射状に配置されたものがあげられる。
(4) 上記支持本体に、上記ロータヨークを径方向外側から覆うカバーが設けられてもよい。
これにより、高速回転するロータヨークに人や工具が接触することを防止できる。
(5) 上記ステータコアは、所定のティース部毎に分割されて円環形状に配列された分割コアを備えるものであってもよい。上記各分割コアは、上記コイルが巻回されるティース部と他の分割コアと連結されるコアヨーク部とをそれぞれ有する同一形状の複数の鋼板が積層されて一体に嵌合されたものであって、当該コアヨーク部において隣り合うコアヨーク部と隣接する隣接面に、相互に係合する係合凹部又は係合凸部のいずれか一方が形成されている。上記係合凹部及び係合凸部は、上記隣接面から上記円環形状の配列における周方向へ凹凸して、当該隣接面に沿った開口部又は基部より奥部側又は先端部側が幅広のあり形状であって隙間嵌めとなる寸法である。円環形状に配列されて隙間嵌めされた分割コアの中空に上記支持本体の芯部が圧入される。
ステータコアが分割コアとされて、各分割コアが円環形状に連結される前にコイルが巻回されることにより、各分割コアのティース部周りに巻線作業のための空間が確保されるので、ティース部にコイルが密に巻回される。
また、係合凹部及び係合凸部とが隙間嵌めとされることにより、積層鋼板からなる分割コアにおいて、係合凹部と係合凸部とを軸線方向に相対移動させながら係合させる作業が容易となる。そして、円環形状に組み付けられたステータコアの中空部分に、支持本体の芯部が圧入されると、隙間嵌めによりガタが生じていた係合凹部と係合凸部との係合状態が密嵌状態となり、所望の外径のステータコアが形成される。芯部の圧入より各分割コアに径方向外側への力が付加されるが、係合凹部と係合凸部との係合により、分割コアが径方向外側へ拡がることがなく円環形状を維持する。
なお、本発明において「隙間嵌め」とは、係合凹部と係合凸部とが係合状態において隙間がプラスとなる(ガタが生じる)寸法に形成されていることをいい、係合凹部と係合凸部との隙間がマイナスとなる「締まり嵌め」の反対概念である。
本発明に係るアウターロータ型車両用発電機によれば、支持本体の芯部において、第2端側の開口を通じて芯部の内空に外気を進入させ、第1端側において通風口を通じて芯部の外側へ流出させ、通風口から流出した外気がフィンに送風されて、ヨーク部の内側においてステータコアのティースの間やマグネットとの磁気ギャップを第1端側から第2端側へ流れ、ヨーク部の先端である第2端側から外部へ排出されるので、カバーなどに多数の貫通孔を設けることなく、内部部品を効果的に冷却することができる。これにより、水の進入による内部部品の腐食を抑制することができる。
また、ロータヨークに径方向の貫通孔を設ける必要がないので、ロータヨークの寸法精度を高めることが容易となり、ロータヨークにガタツキや軸ブレなどが生じることを抑制でき、支持本体の軸受け部によってロータヨークをいわゆる片持ちで軸支することが可能となる。
また、アウターロータ型を採用しているので、永久磁石であるマグネットを用いて、電磁石において必要とされる励磁電流を不要とできる。また、ロータヨークの内側にマグネットが設けられているので、ロータヨークの回転によるマグネットが飛散することがなく、高回転に耐え得るアウターロータ型車両用発電機が実現される。
以下、本発明の好ましい実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態は、本発明に係るアウターロータ型車両用発電機の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[図面の説明]
図1は、本発明の実施形態にかかるアウターロータ型車両用発電機10の外観構成を示す正面図である。図2は、アウターロータ型車両用発電機10の内部構成を示す縦断面図である。図3は、支持本体11の縦断面図である。図4は、ロータヨーク14の縦断面図である。図5は、図1におけるV−V切断線における断面図である。図6は、分割コア41の外観斜視図である。図7は、分割コア41の上面図である。図8は、アウターロータ型車両用発電機10の冷却作用を説明するための縦断面図である。
[アウターロータ型車両用発電機10]
図1及び図2に示されるように、アウターロータ型車両用発電機10(以下「発電機10」とも称される。)は、支持本体11と、ステータコア12と、コイル13と、ロータヨーク14と、カバー15とを主要構成とする。発電機10は、自動車などの車両に搭載されて、自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達されて電磁誘導により発電を行う。この電磁誘導は、固定子としてステータコア12に巻装されたコイル13と、回転子としてステータコア12の外側で回転するロータヨーク14に設けられたマグネット63とを主要構成として行われる。
[支持本体11]
図2及び図3に示されるように、支持本体11は、概ね円筒形状の芯部21と、側壁部22とに大別される。側壁部22は、芯部21の第2端24から芯部21の軸線101に対して直交する方向へ拡がる概ね矩形の壁である。この側壁部22は、後述されるカバー15と共に発電機10の筐体の一部をなす。側壁部22の周縁は、第1端23側へ向かって突出する係合部25が設けられている。この係合部25にカバー15が係合されて一体の筐体とされる。また、側壁部22における第1端23側には、軸線101から放射線状に延びる複数の補強リブ26が形成されている。
芯部21は、概ね円筒形状をなしており、その外径によって径大部28と径小部29とに大別される。円筒形状の芯部21の中心が軸線101であり、この軸線101を中心として後述されるロータヨーク14が回転される。径大部28は後述されるステータコア12が圧入される部分であり、ステータコア12の中空部の内径に対応された外径である。径小部29は、2個のアンギュラー軸受30が設けられる部分であり、本発明における軸受け部に相当する。
径大部28には、第1段差部31が設けられている。この第1段差部31は、第1端23側に対して第2端24側の径が大きくされて構成されている。後述されるステータコア12は、第1端23側から径大部28に圧入されて、第1段差部31と係合される。この第1段差部31と、径大部28と径小部29との境界となる段差において軸線101に沿って螺合されるボルト27とによって、径大部28に圧入されたステータコア12が軸線101方向に対して固定される。
径小部29には、第2段差部32が設けられている。この第2段差部32は、第1端23側に対して第2端24側の径が大きくされて構成されている。各アンギュラー軸受30は、第1端23側から径小部29に挿入されて、第2段差部32と係合される。この第2段差部32と、第1端23側から径小部29に嵌め込まれたリング形状の留め具33とによって、径小部29に挿入された2個のアンギュラー軸受30が、軸線101方向に並列された状態で固定される。
芯部21の内空34は、第1端23側に対して封止されており、第2端24側に対して開口されている。この内空34は、第2端24から第1端23側へ向かって軸線101に沿って延び、径小部29の第2段差32付近が最奥とされて第1端23側に対して封止されている。また、径大部28から径小部29へと外径が小さくなるに対応して、内空34の内径も径大部と径小部とが形成されている。
内空34の最奥付近には、芯部21を径方向に貫通する通風口35が設けられている。この通風口35によって、内空34が芯部21の外側へ開口されている。つまり、第2端24側において芯部21の開口から内空34へ進入した外気は、第1端23側において通風口34,35を通じて芯部21の外側へ流出し得る。なお、各図には2つの通風口35のみが現れているが、通風口35は、軸線101を中心として放射線状に3個以上が配置され得る。
通風口35は、芯部21において、径大部28と径小部29の第2段差32との間に配置されている。図2に示されるように、この配置によって、通風口35は、ステータコア12とアンギュラー軸受30との間に配置される。
内空34の中心には、軸36が設けられている。軸36は、内空34の最奥から第2端24へ向かって軸線101に沿って突出された円柱形状の部材である。軸36と径大部28の内面及び径小部29の内面とは空隙が設けられている。したがって、軸36の周囲に内空34が形成される。各図には現れていないが、軸36から径大部28の内面に渡って補強リブが設けられることにより、芯部21の剛性が高められている。この補強リブは、内空34において、第2端24側の開口から各通風口35までの流路を塞がないように設けられる。
[ステータコア12及びコイル13]
図2及び図5に示されるように、ステータコア12は、支持本体11の芯部21の周囲を取り巻くように配置されている。そして、このステータコア12にコイル13が巻装されている。ステータコア12は、コイル13が巻装された18個の分割コア41が円環形状に連結されてなる。
ステータコア12を構成する18個の各分割コア41は、円環形状に連結される配置が異なる他は同形状のものであり、各分割コア41が連結されて1つの円環形状のステータコア12が構成されている。なお、本実施形態では、分割コア41は、ステータコア12が1個のティース部42毎に分割されたものであるが、分割コア41は必ずしも1個のティース部42毎に分割されたものである必要はなく、例えば、所定個数のティース部42毎にステータコア12が分割されたものであってもよい。
図6及び図7に示されるように、分割コア41は、ティース部42とコアヨーク部43とに大別される。ティース部42には、コイル13が巻回される。コアヨーク部43は、他の分割コア41のコアヨーク部43と連結されて円環形状をなす。各コアヨーク部43は、円環形状のステータコア12の周方向の幅の18分の1となる弧状に形成されている。ティース部42は、コアヨーク部43からステータコア12の径方向外側へ突出しており、絶縁のためのインシュレータ等を介してコイル13が巻回される。このような分割コア41は、平面視において同一形状の複数の鋼板が軸線101方向に積層されて、半抜きされたカシメ部44が上下(軸線101方向)に積層された各鋼板と嵌合されることにより一体とされている。
コイル13の巻回は、各分割コア41が独立した状態、つまり円環形状に連結される前になされる。これにより、各分割コア41のティース部42周りに巻線作業のための空間が確保されるので、ティース部42にコイル13が密に巻回される。コイル13の巻回方法は特に限定されないが、フライヤ式又はノズル式の巻線機を用いて複数の分割コア41に対して1本の銅線を連続して巻回し、その複数の分割コア41をコイル13間の渡り線により連結させて1群のものとすれば、結線作業が簡略化されるので好適である。
分割コア41のコアヨーク部43が他の分割コア41のコアヨーク部43と隣接する各隣接面45には、係合凹部46及び係合凸部47がそれぞれ形成されている。各隣接面45は、ステータコア12のコアヨーク部43における周方向102の両端において、ステータコア12の軸線101方向及び径方向103へ延びる平面をなしている。係合凹部46及び係合凸部47は、各隣接面45において軸線101方向に沿って延出されている。
図7に示されるように、係合凹部46及び係合凸部47は、所謂あり形状である。詳細に説明するに、係合凹部46は、コアヨーク部43の隣接面45からステータコア12の周方向102へ凹欠されたものである。係合凹部46が隣接面45に開口する開口部48の径方向103の幅W1に対して、係合凹部46の奥部49の径方向の幅W2が幅広となっており、開口部48から奥部49へは連続的に拡幅されるあり面50が形成されている。
係合凸部47は、コアヨーク部43の隣接面45からステータコア12の周方向102へ突出されたものである。係合凸部47の隣接面45に沿った基部51の径方向103の幅W1に対して、係合凸部47の先端部52の径方向の幅W2が幅広となっており、基部51から先端部52へは連続的に拡幅されるテーパ面53が形成されている。
係合凹部46と係合凸部47とは、互いに対応した凹凸形状であり、係合凹部46及び係合凸部47は、隣接面45における径方向103の略中央に形成されている。係合凹部46及び係合凸部47が、それぞれ隣り合う他の分割コア41の係合凸部47又は係合凹部46と係合されて、18個の分割コア41がステータコア12として円環形状に組み付けられる。
係合凹部46の開口部48の径方向の幅W1と係合凸部47の基部51の径方向の幅W1とは同寸法であり、また、係合凹部46の奥部49の径方向の幅W2と係合凸部47の先端部52の径方向の幅W2とは同寸法である。さらに、係合凹部46のあり面50と係合凸部47のテーパ面53とは同一の傾斜角度となっている。したがって、係合凹部46と係合凸部47とが係合し、この係合状態において、あり面50とテーパ面53とが面接触し、また、コアヨーク部43の隣接面45が、隣り合う他の分割コア41のコアヨーク部43の隣接面45と面接触する。
また、係合凹部46及び係合凸部47との係合はいわゆる隙間嵌めである。詳細に説明するに、係合凹部46の開口部48の径方向の幅W1及び奥部49の径方向の幅W2の公差がプラス側にされており、係合凸部47の基部51の径方向の幅W1及び先端部52の径方向の幅W2の公差がマイナス側にされている。これにより、係合凹部46と係合凸部47との係合に公差によるガタが生じる。このガタによって、積層鋼板からなる分割コア41において、係合凹部46と係合凸部47とを軸線101方向に相対移動させながら係合させる作業が容易となる。
図5に示されるように、係合凹部46と係合凸部47との係合により、隣接する分割コア41は、ステータコア12の周方向102及び径方向103に対して互いのコアヨーク部43が固定される。すなわち、隣接する分割コア41のコアヨーク部43の各隣接面45が、その径方向103の両端を合致させた状態に維持される。
18個の分割コア41が、互いの係合凹部46と係合凸部47とが係合されて組み付けると、コイル13が巻回されたティース部42が外側へ放射線状に突出された円環形状のステータコア12となる。この円環形状は、係合凹部46と係合凸部47との係合により維持されている。
円環形状に組み付けられたステータコア12の中空部分に、支持本体11の芯部21が圧入される。これにより、隙間嵌めによりガタが生じていた係合凹部46と係合凸部47との係合状態が密嵌状態となる。芯部21が圧入されることにより、円環形状に組み付けられた各分割コア41に対して径方向103の外側へ応力が負荷されるが、係合凹部46と係合凸部47との係合により、分割コア41が周方向102に対して離れるようにして径方向103の外側へ拡がることがない。また、係合凹部46及び係合凸部47は、分割コア41の隣接面45の径方向略中央に形成されているので、かかる応力が、各分割コア41の隣接面45に対して平均して負荷される。
[ロータヨーク14]
図2に示されるように、ロータヨーク14は、支持本体11の芯部21の径小部29においてアンギュラー軸受30を介して支持されることにより、軸線101を中心として回転自在に支持されている。図4に示されるように、ロータヨーク14は、プーリ61、ヨーク部62、マグネット63を主要な構成とする。
プーリ61は、ロータヨーク14における第1端71側に設けられている。各図には示されていないが、プーリ61にはベルトが架け渡されて、そのベルトを介して自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達される。このプーリ61への駆動伝達によって、ロータヨーク14が軸線101を中心として回転される。プーリ61の内面側には、アンギュラー軸受30により支持される円周面64が形成されている。この円周面64には、第1端71側に小径となる段差65が形成されており、第2端72側にリング形状の留め具66(図2参照)が嵌め込まれる溝67が形成されている。図2に示されるように、溝67に嵌め込まれた留め具66と段差65とによって、アンギュラー軸受30が円周面64において軸線101方向に対して位置決めされる。なお、第1端71及び第2端72は、ロータヨーク14において軸線101方向の両端である。
ヨーク部62は、プーリ61から第2端72側へ向かって延びる円筒形状のものである。ヨーク部62は、壁部68と筒部69とを主要構成とする。ヨーク部62の外径は、プーリ61の外径より大きい。したがって、プーリ61から径方向外側へ拡がる円環形状の壁部68が設けられ、壁部68の周縁から軸線101方向へ延びる筒部69が設けられている。筒部69の第2端72側は開口されている。この筒部69の内径は、前述されたステータコア12の外径を考慮して、後述されるマグネット63がステータコア12に対して所定の磁気ギャップを隔てられて配置されるように設定されている。筒部69の第1端71側は、壁部68の中心側において開口されているが、図2に示されるように、ロータヨーク14が支持本体11に支持されると、内周面64にアンギュラー軸受30が接触し、そのアンギュラー軸受30の内側には芯部21の径小部29が配置されるので、これら径小部29及びアンギュラー軸受30により封止される。プーリ61とヨーク部62は、磁性材料が用いられて鋳型によって一体に形成されている。なお、プーリ61の径とヨーク部62の径は一例であり、例えば、プーリ61がヨーク部62に対して大径であってもよい。
ヨーク部62の筒部69の内面には、20極のマグネット63が円環形状に配列されて固定されている。マグネット63は、磁石粒子が焼結された永久磁石であり、図5に示されるように、周方向にN極とS極とが交互となって20極の磁極が形成されている。ヨーク部62に固定された各マグネット63は、前述されたステータコア12の外周面と所定の磁気ギャップが隔てられて対向される。
なお、マグネット63は、円筒状に焼結された所謂リングマグネットや各磁極で分割されたもの等、周知の発電機用磁石を用いることができる。また、本実施形態では、20極・18スロットの発電機10が例として説明されているが、本発明においてアウターロータ型車両用発電機の極数及びスロット数は特に限定されるものではない。
ヨーク部62には、ヨーク部62と共に回転して第2端72側へ向かって送風するフィン70が設けられている。このフィン70は、ヨーク部62の内側において各々が軸線101に対して径方向へ延出された複数のものであって、軸線101を中心として放射状に配置されている。各フィン70は、軸線101に対する配置が異なる他は同一形状のものである。なお、各図においては2個のフィン70のみが現れている。
フィン70は、ヨーク部62の第1端71側に設けられた壁部68の内側から軸線101に沿って第2端72側へ延びている。軸線101に対する径方向において、フィン70の内側端は内周面67付近にあり、外側端は筒部69の内周面に到達している。つまり、フィン70は、軸線101に対する径方向へ延びるリブ形状である。フィン70における第2端72へ向かう先端73は、マグネット63から所定の距離を隔てられている。この所定の距離は、図2に示されるように、ステータコア12のコイル13などが占有する空間を考慮して、フィン70がコイル13などと接触しないように設定されている。このフィン70は、プーリ61及びヨーク部62と共に、磁性材料が用いられて鋳型によって一体に形成されている。
[カバー15]
図1,2,5に示されるように、支持本体11の側壁部22に係合されて、ロータヨーク14を径方向外側から覆うカバー15が設けられている。カバー15は、外側が角柱形状であって内側が円筒形状である。外側の角柱形状は、支持本体11の側壁部22に対応した形状及び寸法に設定されている。内側の円筒形状は、ロータヨーク14の外径より大径であって、ロータヨーク14との間に軸線101方向の間隙が形成される形状及び寸法に設定されている。カバー15の軸線101方向の寸法は、側壁部22に係合されたカバー15が、ロータヨーク14のヨーク部62を覆い、かつプーリ61を覆わない寸法に設定されている。また、図1に示されるように、このカバー15には、支持本体11の側壁部22付近において厚み方向に貫通される貫通孔81が複数設けられている、貫通孔81を通じて、カバー15の内外に水や気体が出入可能である。この貫通孔81は、万が一、カバー15の内側に水などが進入したときに、その水などを排出する目的で設けられるものであるが、必ずしも設けられなくてもよい。
[発電機10における冷却作用]
前述されたように、ベルトを介して自動車エンジンなどの駆動源から駆動伝達されてプーリ61が回転すると、ヨーク部62に設けられたマグネット63も回転する。コイル13周りにマグネット63が回転すると、電磁誘導によりコイル13に電力が生じる。ヨーク部62の回転数は、自動車エンジンの種類やプーリ61の径などにもよるが、概ね1分間当たり数千回転から数万回転である。
ヨーク部62が回転すると、その内側に設けられたフィン70も軸線101周りに回転する。このフィン70の回転によって、図8における各矢印で示されるように、ヨーク部62の内側において第1端71側から第2端72側へ向かって送風される。この送風によって、ヨーク部62の内側における第1端71側の気圧が下がると、芯部21の通風口35からヨーク部62の内側へ外気が吸い込まれる。これにより、外気が、第2端24側における芯部21の開口から芯部21の内空34及び通風口35を通じて、芯部21の径大部28と第2段差31との間からヨーク部62の内側へ流れ込み、さらにフィン70に送風されて、ステータコア12の各分割コア41の間やマグネット63との磁気ギャップを第1端71側から第2端72側へ流れる。そして、その外気がヨーク部62の第2端72を回り込んで、ヨーク部62とカバー15との隙間を第2端72側から第1端71側へ流れて外部へ排出される。なお、ヨーク部62の内側から流れ出た外気がカバー15の貫通孔81から外部へ排出されてもよい。このような外気の流れが連続することにより、ステータコア12が常に外気の流れに曝されて冷却される。
[本実施形態の作用効果]
前述された発電機10によれば、支持本体11の芯部21において、第2端24側の開口を通じて芯部21の内空34に外気を進入させ、第1端23側において通風口35を通じて芯部21の外側へ流出させ、通風口35から流出した外気がフィン70に送風されて、ヨーク部62の内側においてステータコア12のティース部42の間やマグネット63との磁気ギャップをロータヨーク14の第1端71側から第2端72側へ流れ、ヨーク部62の先端である第2端72側から外部へ排出されるので、カバー15などに多数の貫通孔を設けることなく、内部部品を効果的に冷却することができる。これにより、水の進入による内部部品の腐食を抑制することができる。
また、ロータヨーク14に径方向の貫通孔を設ける必要がないので、ロータヨーク14の寸法精度を高めることが容易となり、ロータヨーク14にガタツキや軸ブレなどが生じることを抑制でき、支持本体11の径小部29においてロータヨーク14をいわゆる片持ちで軸支することが可能となる。
また、アウターロータ型を採用しているので、永久磁石であるマグネット63を用いて、電磁石において必要とされる励磁電流を不要とできる。また、ロータヨーク14の内側にマグネット63が設けられているので、ロータヨーク14の回転によるマグネット63が飛散することがなく、高回転に耐え得る発電機10が実現される。
また、通風口35が、径小部29とステータコア14との間に配置されているので、通風口35からヨーク部62の内側へ導かれた外気をステータコア14に直接に送風させることができるので、冷却効率が向上される。
また、支持本体11に、ロータヨーク14を径方向外側から覆うカバー15が設けられているので、高速回転するロータヨーク14に人や工具が接触することを防止できる。さらに、カバー15に通気口としての貫通孔を多数設ける必要がないので、高速回転するロータヨーク14をカバー15によってほぼ完全に覆うことができるので、安全性が向上される。
また、ステータコア12が分割コア41により構成され、各分割コア41が円環形状に連結される前にコイル13が巻回されることにより、各分割コア41のティース部42周りに巻線作業のための空間が確保されるので、ティース部42にコイル13が密に巻回される。
また、係合凹部46及び係合凸部47とが隙間嵌めとされることにより、積層鋼板からなる分割コア41において、係合凹部46と係合凸部47とを軸線101方向に相対移動させながら係合させる作業が容易となる。そして、円環形状に組み付けられたステータコア12の中空部分に、支持本体11の芯部21が圧入されると、隙間嵌めされていた係合凹部46と係合凸部47との係合状態が密嵌状態となり、所望の外径のステータコア12が形成される。芯部21の圧入より各分割コア41に径方向103の外側への力が付加されるが、係合凹部46と係合凸部47との係合により、分割コア41が径方向103の外側へ拡がることがなく円環形状を維持する。これにより、アウターロータ型のステータコア12を簡易な構成として容易に組み付けることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるアウターロータ型車両用発電機10の外観構成を示す正面図である。 図2は、アウターロータ型車両用発電機10の内部構成を示す縦断面図である。 図3は、支持本体11の縦断面図である。 図4は、ロータヨーク14の縦断面図である。 図5は、図1におけるV−V切断線における断面図である。 図6は、分割コア41の外観斜視図である。 図7は、分割コア41の上面図である。 図8は、アウターロータ型車両用発電機10の冷却作用を説明するための縦断面図である。
符号の説明
10・・・アウターロータ型車両用発電機
11・・・支持本体
12・・・ステータコア
13・・・コイル
14・・・ロータヨーク
15・・・カバー
21・・・芯部
23・・・第1端
24・・・第2端
29・・・径小部(軸受け部)
34・・・内空
35・・・通風口
41・・・分割コア
42・・・ティース部
43・・・コアヨーク部
45・・・隣接面
46・・・係合凹部
47・・・係合凸部
48・・・開口部
49・・・奥部
51・・・基部
52・・・先端部
61・・・プーリ
62・・・ヨーク部
63・・・マグネット
70・・・フィン
71・・・第1端
72・・・第2端
101・・・軸線

Claims (5)

  1. 筒形状の芯部を有し、当該芯部における軸線方向の第1端側に軸受け部が設けられ、かつ第2端側において当該芯部の内空が外側へ開口された支持本体と、
    上記支持本体の芯部の周囲に設けられたステータコアと、
    上記ステータコアに巻装されたコイルと、
    上記支持本体の軸受け部に回転自在に支持されており、上記第1端側にプーリが設けられ、かつ当該プーリ側から第2端側へ向かって延びて開口する筒形状のヨーク部の内側に、上記ステータコアと磁気ギャップを介して対向されるマグネットが設けられたロータヨークと、を具備し、
    上記支持本体は、第1端側において上記芯部を径方向へ貫通する通風口が設けられており、
    上記ロータヨークは、第2端側において軸方向に開口し、且つ上記ヨーク部の内側における第1端側に、ヨーク部と共に回転して第2端側の開口へ向かって送風するフィンが設けられたアウターロータ型車両用発電機。
  2. 上記通風口が、上記軸受け部と上記ステータコアとの間に配置された請求項1に記載のアウターロータ型車両用発電機。
  3. 上記フィンは、上記ヨーク部の内側において各々が径方向へ延出された複数のものであって、軸線を中心として放射状に配置されたものである請求項1又は2に記載のアウターロータ型車両用発電機。
  4. 上記支持本体に、上記ロータヨークを径方向外側から覆うカバーが設けられた請求項1から3のいずれかに記載のアウターロータ型車両用発電機。
  5. 上記ステータコアは、所定のティース部毎に分割されて円環形状に配列された分割コアを備え、
    上記各分割コアは、上記コイルが巻回されるティース部と他の分割コアと連結されるコアヨーク部とをそれぞれ有する同一形状の複数の鋼板が積層されて一体に嵌合されたものであって、当該コアヨーク部において隣り合うコアヨーク部と隣接する隣接面に、相互に係合する係合凹部又は係合凸部のいずれか一方が形成されており、
    上記係合凹部及び係合凸部は、上記隣接面から上記円環形状の配列における周方向へ凹凸して、当該隣接面に沿った開口部又は基部より奥部側又は先端部側が幅広のあり形状であって隙間嵌めとなる寸法であり、
    円環形状に配列されて隙間嵌めされた分割コアの中空に上記支持本体の芯部が圧入された請求項1から4のいずれかに記載のアウターロータ型車両用発電機。
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