JP5214364B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ラミネートフィルムを外装ケースとするリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年のエレクトロニクス分野の急速な進展により、電子機器の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これら電子機器に使用される再充電可能な高エネルギー密度二次電池の要求が強まっている。従来これらの電子機器に搭載される二次電池としては、鉛蓄電池、ニカド電池、ニッケル−水素電池等が挙げられるが、近年、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料、リチウム合金などを活物質として用いた負極と、リチウム含有複合酸化物などを活物質として用いた正極と組み合わせたリチウムイオン二次電池が研究、開発され、実用化されている。この種の電池は電池電圧が高く、上記従来の電池に比し、重量及び体積辺りのエネルギー密度が大きく、今後、最も期待される二次電池である。
最近では、リチウムイオン二次電池はその構造の工夫によりエネルギー密度のみならず、出力特性的にも優れることが判り、電動工具等のパワーツールにも好適な電池として実用化され始めている。他方、この種の電池のエネルギー密度を向上させる技術として、一対の絶縁性樹脂フィルムにアルミニウム等の金属箔を積層して一体化してなる、軽量且つ薄膜のラミネートフィルムを外装ケースに用いるシート状電池が検討されている。そして、この電池は、携帯機器用電池、ハイブリット自動車用電池や電動アシスト自転車用電池として研究され、一部実用化されている。
このシート状電池の外装ケースに用いるラミネートフィルムとしては、一般的に外側から保護層、金属箔層、接着層、熱融着性樹脂層を順に積層した構成が採られている。保護層には、絶縁性を有し機械的強度に優れた延伸ポリエステル樹脂またはナイロン樹脂が用いられている。また、金属箔層は外部からの水蒸気の浸入を防止するための層で、軟質のアルミニウム箔などが用いられている。また、接着層は金属箔層と熱融着性樹脂層を接着するために用いられるものである。また、熱融着製樹脂層は、発電要素を収納して外装ケースを封止して包装体を形成するためのもので、一般的にポリオレフィン系樹脂が用いられる。
このラミネートフィルムとしては、少なくとも外側から、基材層、接着層、アルミニウム箔層、熱接着性樹脂層が順に積層されてなる積層フィルムが、該熱接着性樹脂層同士が対向するように重ね合わせ、その端縁部を袋状にヒートシールして形成され、リチウムポリマー電池などの電池用容器として用いられるもの(特許文献1)が提案されている。
また、単層または多層の基材フィルムに、アルミニウム箔、接着層、シーラント層が順次積層された積層体において、少なくともアルミニウム箔の接着層側の面がベーマイト処理されたものをリチウムイオン電池用外装材として用いるもの(特許文献2)が提案されている。
特開2001−176466号公報 特開2002−110111号公報
この種のシート状電池はエネルギー密度のみならず寿命向上も望まれており、充放電特性面から電解質塩に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を用いられることが多い。しかしながら、電解液の電解質塩に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を使用したものは、使用に伴い負極上にフッ化リチウム(LiF)が堆積し負極を不活性化していく課題がある。すなわち、この電池は対水分安定性や熱安定性が低く、例えば電池内に少量混入した水分や、60℃程度の弱高温でも電解質アニオンが分解し電池内にフッ化水素(HF)やそれに近い酸が精製し、それが電池内に存在するLiイオンと結合してフッ化リチウム(LiF)を生成し、充放電反応を阻害する不働態被膜を負極表面に堆積する。この現象がこの種の電池の性能劣化の大きな原因である。
この電池運用の初期に精製したフッ化水素(HF)等を生成後、すみやかに固定することはこの種の電池の長寿命化には重要なことである。が、上記文献1や上記文献2に記載の発明の外装ケースでは、この問題に対処することができなかった。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、正極と負極とをセパレータを介して積層してなる電極群を、電解質塩に少なくとも六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む非水電解液と共にラミネートフィルムからなる外装ケースに収納してなるリチウムイオン二次電池において、使用に伴い生成するフッ化水素(HF)をすみやかに固定することができるラミネートフィルムを提供し、もって長寿命を有するリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者はシート状電池の外装ケースとして用いられるラミネートフィルムの構成について詳細に検討した結果、外装ケース内で発電要素と接する最内層を、ポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層とすることで、当該電池の寿命を大きく伸ばすことができることを見出した。すなわち、本発明に係るリチウム二次電池は、請求項1に記載の通り、正極と負極とをセパレータを介して積層してなる電極群を、電解質塩に少なくとも六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む非水電解液と共にラミネートフィルムからなる外装ケースに収納してなるリチウムイオン二次電池において、上記ラミネートフィルムの最内層がポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層であることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の通り、上記ラミネートフィルムは、少なくとも外側から、保護層、金属箔層、接着層、熱融着性樹脂層が順に積層されてなるラミネートフィルムであり、該熱融着性樹脂層の内部にポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の通り、上記ラミネートフィルムは、少なくとも外側から、保護層、金属箔層、接着層、熱融着性樹脂層が順に積層されてなるラミネートフィルムであり、該熱融着性樹脂層がポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層であることを特徴とするものである。
本発明においては、上記したように外装ケースとして用いられるラミネートフィルムの最内層にポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層を有することで、電池内に発生したフッ化水素(HF)等を外装ケースのフィルム付近に集めることができ、負極上へのフッ化リチウム(LiF)の堆積を防止することができる。これは、フィルムの最内層に分散したポリアミドがフッ化水素(HF)と強いインターラクションを持つことによる。ここで、フッ化水素(HF)を捕まえるだけならスカベンジャーを投入しフッ化水素(HF)のFを捕まえる方法があるが、その際、電池内に水素ガスが発生し電池の安全性が低下する。ここで重要なのはフッ化水素(HF)を反応させるのではなく、フッ化水素(HF)を、インターラクションを用いて電池性能に影響が少ない部位に集めることが重要である。
そこで、電池性能に影響が少ない部位としては、フィルム付近が好適である。フッ化リチウム(LiF)の堆積は負極に起こるため、負極近傍にフッ化水素(HF)を集めることは好ましくなく、セパレータについても同様である。また、リチウムイオン二次電池で使用される正極活物質は、アルカリ性環境で安定であり、酸性環境では正極活物質の分解が起こって別の劣化モードが開始するため、好ましくない。よって、フィルム付近が唯一好ましい場所である。
なお、フィルムの最内層であるポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層の材料すべてポリアミド(PA)にすることは好ましくない。というのは、ポリアミド(PA)はこの種の電解液で膨潤するため、最内層をポリアミド(PA)のみとしたフィルムを熱融着した場合、融着強度に問題が出てしまう。したがって、フィルムの最内層はポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層とすることが重要である。そこで、主材となるポリオレフィン樹脂に分散させるポリアミド(PA)の量は、主材の量に対し0.1〜10体積%程度が好ましい。0.1体積%未満であるとその添加効果がなく、10体積%より大きいと、上記したようにフィルム同士を封止する際の熱融着強度に影響が出るためである。
本発明は、正極と負極とをセパレータを介して積層してなる電極群を、電解質塩に少なくとも六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む非水電解液と共にラミネートフィルムからなる外装ケースに収納してなるリチウムイオン二次電池において、上記ラミネートフィルムの最内層を、ポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層としたことにより、その特徴である高いエネルギー密度を損なうことなく、連続的な大放電に適し、安全且つ長寿命のリチウム二次電池を提供することができる。
以下に、本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。
まずは、電池用外装ケースを構成するラミネートフィルムについて詳述する。本発明に係るラミネートフィルムにおいて、最外層は保護層からなる。上記保護層は機械的強度を向上させ、対ピンホール特性及び電池用外装ケースとしての絶縁性を向上させるために用いられるものである。構成としては一層でも良いが、特に対ピンホール特性を向上させるために、保護層にピンホールが形成されていたとしても、上記ピンホールが保護層の表裏に渡り貫通することがないように、二層あるいはそれ以上に積層化して用いても良い。例えば、二層で用いる場合は、延伸ポリエステルと延伸ポリエステルというように同種で同材料を組み合わせて積層しても良く、あるいは延伸ポリエステルとナイロンフィルムといった異種、異材料を組み合わせて積層しても良い。また、好ましい厚さとしては、5〜100μmである。
しかしながら、保護層を多層化し過ぎると、機械的強度は向上するものの放熱特性が低下し、それに伴って電池寿命が短くなってしまう恐れがあるので、2層程度にとどめるのが好ましい。なお、保護層の材料としては、延伸ポリエステル樹脂またはナイロンフィルムが挙げられる。ここで、延伸ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、共重合ポリエステル、ポリカーボネート(PC)が挙げられる。ナイロンフィルムとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10が挙げられる。
次に、保護層の内側には、金属箔層が形成されている。この金属箔層は外部からシート状電池、すなわちリチウムイオン二次電池の内部に水蒸気が侵入することを防止するための層である。材料としては、金属箔層単体での加工性及び耐ピンホール特性を持たせるためにアルミニウムやニッケル等の金属が用いられる。また、好ましい厚さとしては5〜50μmである。
次に、金属箔層の内側には接着層が形成されている。この接着層は、上記金属箔層及び後述する熱融着性樹脂層を接着させるために設けられたものである。材料としては、後述する熱融着性樹脂層に使用される材料から選択される。具体的には、例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、エチレンまたはプロピレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体(EAA、EMAA、PAA、PMAA)、あるいは金属架橋ポリオレフィン樹脂を使用することができる。また、好ましい厚さとしては5〜50μmである。
次に、接着層の内側には、熱融着性樹脂層が形成されている。この熱融着性樹脂層は、内部に発電要素及び電解液を収納してシート状電池とする際にその端部を熱融着して封止するために設けられたものである。また、その内部には発電要素に加えて電解液を収納することから、耐湿性に加えて、耐電解液性も有している必要がある。そのため、材料としては、ポリエチレン(PE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体などのエチレン系共重合体の酸変性物、シラン変性物が用いられる。また、好ましい厚さとしては、5〜50μmである。
次に、熱融着性樹脂層の内側には、ポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層が形成されている。この層は前述したように、電解質塩に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を使用したリチウム二次電池において、使用に伴い生成するフッ化水素(HF)を固定するために設けられたものである。ポリアミド(PA)の材料としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、ポリオレフィンの材料としては、上記熱融着性樹脂層に用いられるポリオレフィンと同じ、ポリエチレン(PE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。好ましい厚さとしては、5〜50μmである。
なお、熱融着性樹脂層の内側に、ポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層を形成したときは、共に該熱融着性を有することから、該熱融着性樹脂層の厚みは従来の熱融着性樹脂層単独の場合より薄くすることが好ましい。
また、ポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層はラミネートフィルムと同じ大きさに形成されているが、少なくとも負極を覆う大きさに形成されていれば良く、具体的には、ラミネートフィルムのヒートシールされる周辺部分を除いて形成されていれば問題ない。
また、熱融着性樹脂層自体を、ポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層としたときは、従来の熱融着性樹脂単独の場合と同じ厚さであると分散させたポリアミド(PA)の分だけ、熱融着性樹脂の量が減って融着強度に影響が出るため、従来の熱融着性樹脂層単独の場合より厚く形成することが好ましい。
このラミネートフィルムを用いたリチウムイオン二次電池の正極活物質には、LiMn等のスピネル構造化合物や、一般的にLiMOで表せられるα−NaFeO構造を有するリチウム含有遷移金属複合酸化物(ここでMはCo、Ni、Al、Mn、Ti、Fe等から選ばれる単独もしくは2種類以上の金属元素)、リチウム含有リン酸系化合物等が利用できる。さらには、電池の製造方法を工夫すればリチウムの挿入可能なMnOやV等の金属酸化物や、TiSやZnS等の金属硫化物、電気化学的酸化還元活性を有するポリアニリンやポリピロール等のπ共役系高分子、分子内に硫黄−硫黄結合の形成−開裂を利用するジスルフィド化合物等を用いることも可能である。
一方負極としては、金属リチウムもしくは各種リチウム合金、SnO等各種金属酸化物、あるいはリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を用いることができる。炭素材料としては天然に産出される黒鉛もしくは有磯原料を2000℃以上の高温で焼成し、グラファイト構造が発達した平坦な電位特性を有する黒鉛系炭素材料、あるいは有機原料を1000℃以下の比較的低温で焼成し、黒鉛系材料よりも大きな充放電容量が期待できるコークス系炭素材料等が用いられる。
正極集電体としては5〜60μmの厚さのアルミニウム箔が好ましく、この集電体の少なくとも片面に、上記正極活物質と、鱗状グラファイトやカーボンブラック等の導電助剤及びポリフッ化ビニリデン等のバインダーを溶剤でペースト状にしたものを塗工、乾燥して30〜300μmの厚さの正極活物質含有塗膜を形成したものを使用できる。
負極集電体としては5〜60μmの厚さの銅箔が好ましく、この集電体の少なくとも片面に、上記負極活物質と、ポリフッ化ビニリデン等のバインダーを溶剤でペースト状にして塗工、乾燥して30〜300μmの厚さの負極活物質含有塗膜を形成したものを使用できる。
電解液の溶媒としては通常、電解液系リチウムイオン二次電池で使用されている溶媒、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γブチロラクトン(GBL)、スルホラン(SL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)、2−メチル−テトラヒドロフラン(2MeTHF)、各種グライム類等を単独もしく混合系で用いることができるが、LiBETIを2.0まで溶解できる溶媒構成にする必要がある。また、DMC、DME、DEE等は引火点が室温以下であることから、避けることが望ましい。
また、電解液の溶質として使用するリチウム塩は通常、電解液系リチウムイオン二次電池で使用されているリチウム塩、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等の無機リチウム塩、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiOSOCF)、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(パーフルオロエチルスルフォニル)イミドリチウム(LiN(CFSO)等の有機リチウム塩を、電解質ゲルの合成方法に即して、適宜選択して使用できる。
セパレータとしては、ポリオレフィン系の合成樹脂製の不織布や多孔シートが好適である。
次に、実施例により詳細に本発明の効果を示す。
[正極の作製]
正極活物質としてLiCoO粉末91重量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂4.0重量部、導電剤としてグラファイト粉末5.0重量部、分散剤としてN−メチルピロリドンを配合したものを、分散機にて攪拌混合することにより正極活物質合剤の塗工用スラリーを調製した。
次いで、上記の正極活物質合剤の塗工用スラリーを、ダイコータを用いてアルミ箔から成る集電体に両面同時塗工し、オーブンで乾燥して分散剤を除去することにより正極活物質合剤塗膜を形成した。これを所定の密度までプレスし、所定サイズに切断して、所定幅の無地部を有する正極板を得た。
[負極の作製]
人造黒鉛粉末を90重量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン樹脂を10重量部、分散剤としてN−メチルピロリドンを配合したものを、分散機にて攪拌混合させることにより、負極活物質合剤の塗工用スラリーを調製した。
次いで、上記の負極活物質合剤の塗工用スラリーを、ダイコータを用いて銅箔から成る集電体に両面同時塗工し、オーブンで乾燥して分散剤を除去することにより負極活物質合剤塗膜を形成した。これを所定の密度にプレスし、所定サイズに切断して、所定幅の無地部を有する負極板を得た。
[電池の組立]
2枚のポリエチレン製多孔シートから成るセパレータを部分的にヒートシールして、封筒状のセパレータ袋を作製し、これに、上記作製した正極板を、上記無地部を残して挿入して、セパレータ包被正極板を得た。
次に、上記負極板と上記セパレータ包被正極板とを、各極板の無地部が互いに反対方向になるように交互にスタックして、正極板10枚、負極板11枚の電極群を作製した。
次に、このように作製した電極群の正極板無地部に厚さ0.2mm、幅40mmのアルミニウム板からなる正極端子を、負極板無地部に厚さ0.2mm、幅40mmのニッケル板からなる負極端子を、それぞれ所定の条件で超音波溶接法にて取り付けて、電池素子を作製した。
(実施例1)
次に、このように作製した電池素子を、図1に示す構成のラミネートフィルムからなる外装ケース内に収納した。図1中、1は最外層であるポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護層A、2はナイロンからなる保護層Bである。これら保護層の内部にはアルミニウム箔からなる金属箔層3が形成され、その内部には両面粘着性ポリプロピレン(PP)接着剤層4を挟んで、ポリプロピレン(PP)からなる熱融着性樹脂層5が形成されている。そして、最内層には、ポリプロピレン(PP)にナイロン6を5体積%分散させたポリオレフィン樹脂層6が形成されている。具体的には、このラミネートフィルム2枚で、上記ポリオレフィン樹脂層6が電池素子側に来るように挟み込んで、その端縁部において2枚のラミネートフィルムを重ね合わせ、正極端子と負極端子がラミネートフィルムからそれぞれ露出する辺及びもう一辺をヒートシールして熱溶着領域を形成し、残り一辺を開口部としてドライセルを作製した。
次に、このドライセルを所定の条件にて真空乾燥した後、上記開口部から重量混合比3:7のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートに六フッ化リン酸リチウムを1.3mol/lになるように溶解した有機電解液を注入し、セル内を減圧状態にして上記開口部をヒートシールして封口した後、0.1CAの電流で所定の初充電、所定時間保管を行い、その後、0.2CAの電流でセル電圧が2.75Vになるまで放電し、最後に活性化処理を行い、定格容量15Ahのシート状のリチウムイオン二次電池を5個作製した。この電池を実施例1とする。
(実施例2)
また、上記電池素子を、図2に示す構成のラミネートフィルムからなる外装ケース内に収納した。図2中、外側から保護層1及び2、金属箔層3、接着剤層4までは、実施例1の構成と同じである。次の熱融着性樹脂層が最内層となって、ポリプロピレン(PP)にナイロン6を5体積%分散させたポリオレフィン樹脂層6となっている点で実施例1の場合と異なる。これ以外は実施例1と同様にして、定格容量15Ahのシート状のリチウムイオン二次電池を5個作製した。この電池を実施例2とする。
(比較例1)
また、上記電池素子を、図3に示す構成のラミネートフィルムからなる外装ケース内に収納した。図3中、外側から保護層1及び2、金属箔層3、接着剤層4、熱融着性樹脂層5までは、実施例1の構成と同じであり、ポリプロピレン(PP)にナイロン6を5体積%分散させたポリオレフィン樹脂層6がない点で実施例1の場合と異なる。これ以外は実施例1と同様にして、定格容量15Ahのシート状のリチウムイオン二次電池を5個作製した。この電池を比較例1とする。
[確認試験]
上記実施例1及び2と、比較例1に係るラミネートフィルムからなる外装ケースを用いたシート状リチウムイオン二次電池の寿命特性を比較するために、次の条件でサイクル試験を行った。すなわち、各電池を、0.5CAの電流で4.2V電圧規制で2時間の充電後、2CAの電流でセル電圧が2.5Vになるまで放電を行うサイクルを1000サイクル繰り返した。そして、10サイクル目の2CA放電容量に対する、1000サイクル目の2CA容量の比率を放電容量維持率(%)として比較した。その結果(5個の平均値)を表1に示す。
評価の結果、実施例1、2の電池は、ラミネートフィルムの最内層にポリアミド(PA)を分散したポリオレフィン樹脂層を有する本発明に係る実施例1、2の電池は、上記樹脂層がない比較例1の電池と比較して容量維持率が約30〜40%近く優れていることが分かった。これは、リチウムイオン二次電池の負極表面において、充放電反応を阻害する不働態被膜となるフッ化リチウム(LiF)の生成の原因となるフッ化水素(HF)をラミネートフィルムの近傍に固定することができたからであると推察される。
本発明に係る構成のラミネートフィルムを外装ケースに用いたシート状のリチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を損なうことなく連続的な大放電を行うことができ、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源などに用いることができるが、用途は特に限定されない。
本発明の実施例1に係る電池用外装ケースを構成するラミネートフィルムの断面図である。 本発明の実施例2に係る電池用外装ケースを構成するラミネートフィルムの断面図である。 従来の比較例1に係る電池用外装ケースを構成するラミネートフィルムの断面図である。
符号の説明
1 保護層A
2 保護層B
3 金属箔層
4 接着剤層
5 熱融着性樹脂層
6 ポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層

Claims (3)

  1. 正極と負極とをセパレータを介して積層してなる電極群を、電解質塩に少なくとも六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含む非水電解液と共にラミネートフィルムからなる外装ケースに収納してなるリチウムイオン二次電池において、上記ラミネートフィルムの最内層がポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 上記ラミネートフィルムは、少なくとも外側から、保護層、金属箔層、接着層、熱融着性樹脂層が順に積層されてなるラミネートフィルムであり、該熱融着性樹脂層の内部にポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層を形成したことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 上記ラミネートフィルムは、少なくとも外側から、保護層、金属箔層、接着層、熱融着性樹脂層が順に積層されてなるラミネートフィルムであり、該熱融着性樹脂層がポリアミドを分散したポリオレフィン樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
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