JP5215500B2 - マルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置 - Google Patents
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Description
又、被測定ガス中のNOX濃度とアンモニア濃度を同時に測定する技術として、被測定ガスをNH3強酸化触媒に接触させてアンモニアをNOXに変換して全NOX濃度を測定する工程と、被測定ガスをNH3弱酸化触媒に接触させてアンモニアの一部をNOXに変換してNOX濃度を測定する工程とを有し、これらの工程の2つの検出値からNOX濃度とアンモニア濃度を演算する技術が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、1つのセンサ内にNOX極、参照極、選択極、アンモニア極を設けて複数セル(multicell)を構成し、ガス導入により生じたNOX極と参照極の間の起電力に応じて(NOXの存在状態に応じて)、アンモニア濃度算出方法を変更することで、正確なアンモニア濃度を計測するアンモニアセンサが提案されている(特許文献2参照)。具体的には、NOXの存在状態に応じ、アンモニア極−参照極間の起電力と、NOX極−アンモニア極間の起電力とのいずれかを検出に用いる。
また、特許文献2記載の技術は、アンモニアを検知する電極を切り替えて測定を行うものであるが、測定環境が変動すると、当初設定した検知電極の切り替え条件(切り替えタイミングや、基準出力ポイントの設定等)を変更する必要があり、アンモニアの正確な測定がかえって困難になる可能性がある。さらに、検知電極の切り替えという複雑な制御が必要である。
従って本発明は、1つのガスセンサでNOX濃度とアンモニア濃度を測定可能なマルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置の提供を目的とする。
このような構成とすると、被測定ガスのアンモニアセンサ部への拡散を遅らせることができ、NOXセンサ部の外表面に位置するアンモニアセンサ部への被測定ガスの拡散速度と、センサ内部にNOX測定室を有するNOXセンサ部への被測定ガスの拡散速度とが同等となり、各センサ部で検出の応答性の差が少なくなるので、測定精度が向上する。
特に、被測定ガス中のNOX濃度やアンモニア濃度が急変するような環境(過渡的環境)においても、各センサ部の応答性が異なることに起因する検出タイミングのズレを少なくし、測定精度が低下することを抑制することができる。
このような構成とすると、被測定ガスのアンモニアセンサ部への拡散を遅らせることができ、NOXセンサ部の外表面に位置するアンモニアセンサ部への被測定ガスの拡散速度と、センサ内部にNOX測定室を有するNOXセンサ部への被測定ガスの拡散速度とが同等となり、各センサ部で検出の応答性の差が少なくなるので、測定精度が向上する。
特に、被測定ガス中のNOX濃度やアンモニア濃度が急変するような環境(過渡的環境)においても、各センサ部の応答性が異なることに起因する検出タイミングのズレを少なくし、測定精度が低下することを抑制することができる。
また、前記アンモニアセンサ部は、固体電解質層と、該固体電解質層の両面又は片面に積層された前記一対の電極とを含み、前記一対の電極間の起電力変化によって被測定ガス中のアンモニア濃度を検出してもよい。
このような構成とすると、アンモニアとNOXが共に存在する被測定ガスから、アンモニア濃度とNOX濃度とを精度よく測定することができる。
<参考形態>
図1は、本発明の参考形態に係るマルチガスセンサ200Aの長手方向に沿う断面図を示す。マルチガスセンサ200Aは、アンモニア濃度及びNOx濃度を検出するマルチガスセンサ素子部100Aを組み付けたアッセンブリである。アンモニアセンサ200Aは、軸線方向に延びる板状のマルチガスセンサ素子部100Aと、排気管に固定されるためのねじ部139が外表面に形成された筒状の主体金具138と、マルチガスセンサ素子部100Aの径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ106と、軸線方向に貫通するコンタクト挿通孔168の内壁面がマルチガスセンサ素子部100Aの後端部の周囲を取り囲む状態で配置される絶縁コンタクト部材166と、マルチガスセンサ素子部100Aと絶縁コンタクト部166との間に配置される複数個(図1では2つのみ図示)の接続端子110とを備えている。
マルチガスセンサ200A、及びガスセンサ制御装置300は図示しない内燃機関(以下、エンジンともいう)を備える車両に搭載され、ガスセンサ制御装置300は車両側制御装置(以下、適宜「ECU」という)400に電気的に接続されている。なお、マルチガスセンサ200Aから伸びるリード線146の端はコネクタに接続され、このコネクタをガスセンサ制御装置300側のコネクタに電気的に接続するようになっている。
ECU400は、ガスセンサ制御装置300で算出された排気ガス中のアンモニア濃度及びNOx濃度のデータを受信し、それに基づいてエンジンの運転状態の制御や触媒に蓄積されたNOxの浄化などの処理を実行する。
第1測定室S1のうち入口と反対端には第2拡散抵抗体8bが配置され、第2拡散抵抗体8bを介して第1測定室S1の右側には、第1測定室S1と連通する第2測定室(本発明の「NOX測定室」に相当)S2が画成されている。第2測定室S2は、第3固体電解質層6aを貫通して第1固体電解質層2aと第2固体電解質層4aとの層間に形成されている。
各絶縁層23a、23b、23c、23d、23eはアルミナを主体とし、第1拡散抵抗体8a及び第2拡散抵抗体8bはアルミナ等の多孔質物質からなる。又、ヒータ21は白金等からなる。
又、外側第1ポンピング電極2cの上面に相当する絶縁層23eはくり抜かれて多孔質体13が充填され、外側第1ポンピング電極2cと外部とを連通させてガス(酸素)の出入を可能としている。
なお、絶縁層23cは、第3固体電解質層6aに接する基準電極6cが内部に配置されるように切り抜かれ、その切り抜き部には多孔質体が充填されて基準酸素室15を形成している。そして、酸素濃度検出セル6にIcp供給回路54を用いて予め微弱な一定値の電流を流すことにより、酸素を第1測定室S1から基準酸素室15内に送り込み、酸素基準とする。
なお、第2ポンピング対電極4cは、第2固体電解質層4a上における絶縁層23cの切り抜き部に配置され、基準電極6cに対向して基準酸素室15に面している。
又、多孔質からなる拡散層44Aが感応部40bを完全に覆うように形成され、詳しくは後述するように、外部から感応部40bに流入する被測定ガスの拡散速度を調整可能になっている。
櫛歯電極40aは、例えば金を主成分とし、それぞれ櫛状の2つの電極が離間して配置されている。また、リード40ax、40ayは、例えば白金を主成分とする材料で構成している。
櫛歯電極40a間に交流を印加することにより、櫛歯電極40a間に埋設された感応部40bのインピーダンス(Z)が変化するので、インピーダンス変化に基づいて排ガス中のアンモニア濃度を検出することができる。
固体酸物質としては、特開2005−114355号公報(例えば段落0066)に記載された固体超強酸物質を用いるのが好ましい。固体酸物質として、例えばWO3/ZrO2、WO3/YSZ、SO4/ZrO2、WO3/TiO2、及びWO3/Al2O3の群から選ばれる1種以上を用いることができる。具体的には、10wt%-WO3/90wt%-YSZの組成であって、YSZがイットリウムを4wt%含むものが例示される。
感応部40bを覆う拡散層44Aとしては、例えばアルミナ、スピネル(MgAl2O4)、シリカアルミナ、及びムライトの群から選ばれる少なくとも1種が例示される。そして、拡散層44Aの厚み、粒径、粒度分布、気孔率、配合比等を適宜調整することで、感応部40b、及び櫛歯電極40aに到達するガス拡散時間が任意に調整可能である。
より具体的には、NOxセンサ部30Aの内側第2ポンピング電極4bの中心部の温度を600℃とし、アンモニアセンサ部40の櫛歯電極40aの中心部の温度を400℃とする。
制御回路59は、詳しくは後述する基準電圧比較回路51、Ip1ドライブ回路52、Vs検出回路53、Icp供給回路54、Ip2検出回路55、Vp2印加回路56、ヒータ駆動回路57、アンモニアセンサ部インピーダンス検出回路58を備える。
制御回路59は、NOXセンサ部30Aを制御し、NOXセンサ部30Aに流れる第1ポンピング電流Ip1、第2ポンピング電流Ip2を検出してマイクロコンピュータ60に出力する。
又、制御回路59は、アンモニアセンサ部40を制御し、アンモニアセンサ部40の電極40a間に所定の交流電圧を印加(たとえば2V、400Hz)し、その際に流れる電流値からインピーダンスを検出し、インピーダンスを電圧に変換後、マイクロコンピュータ60に出力する。
又、アンモニアセンサ部40の一対の電極40aがそれぞれアンモニアセンサ部インピーダンス検出回路58に接続されている。
Ip1ドライブ回路52は、内側第1ポンピング電極2b及び外側第1ポンピング電極2cの間に第1ポンピング電流Ip1を供給しつつ、その際の第1ポンピング電流Ip1を検出する。
Vs検出回路53は、検知電極6b及び基準電極6cの間の電圧Vsを検出し、検出結果を基準電圧比較回路51に出力する。
基準電圧比較回路51は、基準電圧(例えば、425mV)とVs検出回路53の出力(電圧Vs)とを比較し、比較結果をIp1ドライブ回路52に出力する。そして、Ip1ドライブ回路52は、電圧Vsが上記基準電圧に等しくなるようにIp1電流の流れる向き及び大きさを制御し、第1測定室S1内の酸素濃度をNOXが分解しない程度の所定値に調整する。
Icp供給回路54は、検知電極6b及び基準電極6cの間に微弱な電流Icpを流し、酸素を第1測定室S1から基準酸素室15内に送り込み、基準電極6cを基準となる所定の酸素濃度に晒させる。
Vp2印加回路56は、内側第2ポンピング電極4b及び第2ポンピング対電極4cの間に、被測定ガス中のNOXガスが酸素とN2ガスに分解する程度の一定電圧Vp2(例えば、450mV)を印加し、NOXを窒素と酸素に分解する。
Ip2検出回路55は、NOXの分解により生じた酸素が第2測定室S2から第2固体電解質体4aを介して第2ポンピング対電極4c側に汲み出される際に、第2ポンピングセル4に流れる第2ポンピング電流Ip2を検出する。
A/Dコンバータ65はこれらの値をデジタル変換し、信号入出力部64を介してCPU61に出力する。
又、ヒータ21によってNOXセンサ部30Aが適温まで加熱されると、それに伴ってNOXセンサ部30A上のアンモニアセンサ部40も所望の温度に昇温される。
このとき、第1測定室S1内の酸素濃度は、酸素濃度検出セル6の電極間電圧(端子間電圧)Vsに対応したものとなるため、この電極間電圧Vsが上記基準電圧になるように、Ip1ドライブ回路52が第1ポンピングセル2に流れる第1ポンピング電流Ip1を制御し、第1測定室S1内の酸素濃度をNOXが分解しない程度に調整する。
まず、マイクロコンピュータ60は、ヒータ回路57を動作させ、ヒータ21によりセンサが活性化温度になったか否かを判定する(ステップS1)。通常、第2ポンピングセル4の第2固体電解質層4aの電気抵抗をモニタすることで、この判定を行う。次に、マイクロコンピュータ60は、上記した一対の電極40a間の電圧に基づき、アンモニア濃度を検出する(ステップS3)。次に、マイクロコンピュータ60は、上記した第2ポンピング電流Ip2に基づき、NOx濃度を検出する(ステップS5)。
なお、マイクロコンピュータ60はステップS7の補正処理(計算処理)を行う点で、請求項の「補正手段」に相当する。
次に、マイクロコンピュータ60は、ステップS7で計算したガス濃度をECU400に出力し(ステップS9)、処理の終了を指示される(ステップS11)まで、ステップS3〜S9を繰り返す。
図7、図8は実施例におけるNOXセンサ部30Aとアンモニアセンサ部40Aの出力を示す。NOXガスのみを導入した600-800秒での出力では、アンモニアセンサ部40Aの出力は0であるが、200-400秒ではアンモニアガスのみを導入したにも関わらず、NOXセンサ部30Aから出力が生じていることがわかる。
つまり、NOXセンサ部30Aとアンモニアセンサ部40Aとを1つのマルチガスセンサ200Aに設けることにより、測定環境の影響を受けずにNOX濃度とアンモニア濃度を同時に測定することができ、NOX濃度とアンモニア濃度の検出精度が向上する。又、1つのマルチガスセンサ200Aに被測定ガスが接触するため、NOXとアンモニアをほぼ同時に検出でき、両者の検出のタイムラグによる検出精度の低下が抑制される。
さらに、NOXセンサ部30Aとアンモニアセンサ部40Aを別個のセンサとした場合に比べ、本発明においてはセンサのコストダウンやコンパクト化が図られる。
特に、被測定ガス中のNOX濃度やアンモニア濃度が急変するような環境(過渡的環境)では、各センサ部の応答性が異なるために検出タイミングにズレが生じ(アンモニアセンサ部が速く応答し)、測定精度が低下する傾向にある。例えば、各センサ部への被測定ガスの拡散速度が異なると、NOXセンサ部30Aで被測定ガスを検出している間に、アンモニアセンサ部40Aでは新たな被測定ガス(NOXセンサ部で検出中の被測定ガスより時間的に後のガス)を次々に検出してしまい、各センサ部が同一状態の被測定ガスを測定することができなくなる。
そこで、アンモニアセンサ部40Aに拡散層44Aを設け、被測定ガスのアンモニアセンサ部40Aへの拡散を遅らせ、NOXセンサ部30Aへの拡散速度に近くすることで、各センサ部の応答性の差を少なくし、測定精度を向上させることができる。
各センサ部の応答性の差をさらに少なくする点で、NOXセンサ部30Aの検出開始時と、アンモニアセンサ部40Aの検出開始時との何れか早い検出開始時を起点としたとき、NOXセンサ部30Aの検出開始時と、アンモニアセンサ部40Aの検出開始時との時間差が、いずれのセンサ部の90%応答時間に対しても10%以下であると、各センサ部で概ね同等の開始タイミングで検出が可能となり、測定精度がより一層向上する。
なお、アンモニアセンサ部40Aへの被測定ガスの拡散速度を低くして各センサ部の応答性の差を少なくする方法としては、拡散層44Aの空隙を減じたり、拡散層44Aの厚みを厚くして、透気抵抗を高めることが挙げられる。
そして、アンモニアセンサ部の未焼結体が表面に形成されたNOXセンサ部の未焼結体を、全体として所定温度で焼成することにより、マルチガスセンサのセンサ素子部を製造し、これをハウジングに組み付けてマルチガスセンサが得られる。
次に、本発明の実施形態に係るマルチガスセンサ200Bについて、図5を参照して説明する。なお、実施形態において、マルチガスセンサ200Bに接続されるガスセンサ制御装置(コントロ−ラ)の構成、及びガスセンサの制御処理については参考形態と同様であるので、説明を省略する。又、実施形態のマルチガスセンサ200Bにおいて、参考形態に係るマルチガスセンサ200Aと同一部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、実施形態のマルチガスセンサ200Bのうち、マルチガスセンサ素子部100Bの長手方向に沿う断面を表示している。
又、多孔質からなる拡散層44Bが選択反応層42bを完全に覆うように形成され、外部からアンモニアセンサ部42に流入する被測定ガスの拡散速度を調整可能になっている。
電極42a1、42a2は固体電解質層25の短手方向に沿って離間して並び、電極42a1は金を主成分とする材料で構成されて検知電極として作用し、電極42a2は白金を主成分とする材料で構成されて基準電極として作用する。基準電極42a2に比べ、検知電極42a1の方がアンモニアとの反応性が高いため、検知電極42a1と基準電極42a2との間で起電力が生じる。
また、固体電解質層25は例えばZrO2等の酸素イオン伝導性材料で構成され、リード42ax、42ayは、例えば白金を主成分とする材料で構成されている。
なお、選択反応層42bが検知電極42a1のみを覆っていても、上記した効果を発揮することができる。
拡散層44Bとしては、例えばアルミナ、スピネル(MgAl2O4)、シリカアルミナ、及びムライトの群から選ばれる少なくとも1種が例示される。
この場合、第2測定室S2は、図2における固体電解質層2a、6aの間に画成され、第1測定室S1及び第2測定室S2は拡散律速部8bで区画される。そして、内側第2ポンプ電極4bは固体電解質層6の上面に配置される。又、固体電解質層6の下面は外部に露出し、この露出面に第2ポンプ対電極4cが配置される。
実施例1:上記参考形態に係るマルチガスセンサ200Aを作製した。このマルチガスセンサ200Aは、アンモニアセンサ部40がインピーダンス式(固体酸式)である。アンモニアセンサ部40の感応部40bに含まれる固体酸を10wt%-WO3/90wt%-YSZとし、YSZがイットリウムを4wt%含むものとした。又、感応部40bを覆う拡散層44Aとしてスピネル(MgAl2O4)の多孔質層を形成した。
実施例2:上記実施形態に係るマルチガスセンサ200Bを作製した。このマルチガスセンサ200Bは、アンモニアセンサ部42が起電力式である。アンモニアセンサ部42の一対の電極42aは、それぞれ金を含む検知電極42a1、白金を主成分とする基準電極42a2を用い、選択反応層42bは、BiVO4とした。又、一対の電極42a及び選択反応層42bを覆う拡散層44Bとしてスピネル(MgAl2O4)の多孔質層を形成した。
比較例1:上記参考形態に係るマルチガスセンサ200Aにおいて、アンモニアセンサ部40に拡散層44Aを設けなかった。
比較例2:上記実施形態に係るマルチガスセンサ200Bにおいて、アンモニアセンサ部42に拡散層44Bを設けなかった。
モデルガス発生装置を使用し、センサ特性の評価を行った。モデルガス発生装置のベースガス組成は、O2=10% CO2=5% H2O=5% N2=balとした。そして、モデルガス発生装置のガス流中にセンサを配置した。ガス温度を280℃とした。
NOXセンサ部のヒータ制御温度を600℃とした。この時、アンモニアセンサ部の一対の電極の中心部を測温したところ、実施例1、比較例1は約400℃、実施例2、比較例2は約650℃であった。
上記モデルガス発生装置のガス流中に、実施例1、実施例2のマルチガスセンサを配置し、ガス流中の成分を順に、(i)上記ベースガス、(ii)上記ベースガスに100ppmのNH3を加えたもの、(iii)上記ベースガス、(iv)上記ベースガスに100ppmのNOを加えたもの、 (v)上記ベースガス、(vi)上記ベースガスに100ppmのNH3と100ppmのNOを加えたもの、に切り替えたパターンとし、その時の被測定ガス中のNOx、NH3濃度を測定した。
検知原理上、NOXセンサ部30A、30Bの場合、測定室内に流入したNH3がNOに変化するため、NOx、NH3が共に(両成分の合計濃度として)検出される。一方、アンモニアセンサ部40A、42は、NH3を選択的に検知する。従って、NOxのみを含む600-800秒での出力では、アンモニアセンサ部40A、42の出力は0であるが、200-400秒ではガスがNH3のみを含むにも関わらず、NOXセンサ部30A、30Bから出力が生じていることがわかる。
上記モデルガス発生装置を使用し、上記ベースガスに50ppm のNH3を加えたガス流中に、実施例1及び比較例1のセンサを配置し、各センサ部の応答性(測定時間に対する出力)を評価した。ガス温度を280℃とし、センサの制御温度は特性評価Aと同様とした。
図9、図10は実施例1のセンサの応答性(測定時間に対する出力)を示すグラフであり、図9は全測定時間を表し、図10はアンモニアセンサ部40Aの検知開始時を基点(0秒)とした部分拡大図である。
同様に、図11、図12は比較例1のセンサの応答性(測定時間に対する出力)を示すグラフであり、図11は全測定時間を表し、図12はアンモニアセンサ部40Aの検知開始時を基点とした部分拡大図である。
表2は、それぞれ図10、図12から算出された各センサ部の90%応答時間を示す。
一方、アンモニアセンサ部に拡散層を設けなかった比較例1の場合、各センサ部の90%応答時間の差rが、いずれのセンサ部の90%応答時間(それぞれ、τの下付きで表示)に対しても20%を超えた。又、比較例1の場合、各センサ部の検出開始時の時間差dが、いずれのセンサ部の90%応答時間(それぞれ、τの下付きで表示)に対しても10%を超えた。つまり、各センサ部の検出タイミングにズレが生じ、NOXセンサ部が速く応答した。
なお、被測定ガス中のNOX、NH3がほぼ同時に検出することができれば、被測定ガス中のNOX排出抑制のための尿素噴射コントロール、SCR触媒劣化、スリップNH3等の検出精度が著しく高くなる。一方、自動車の各種運転制御やセンサ制御は一般的に数百msec程度毎であり、NOX検出とNH3検知の応答時間の誤差が20%を越えると、高精度な制御が困難となる。このようなことから、各センサ部の90%応答時間の差rが、いずれのセンサ部の90%応答時間(それぞれ、τの下付きで表示)に対しても20%を超えると好ましくないとみなした。
2b、2c 第1電極(内側第1ポンピング電極、外側第1ポンピング電極)
2 第1ポンピングセル
4a 第2固体電解質層
4b、4c 第2電極(内側第2ポンピング電極、第2ポンピング対電極)
4 第2ポンピングセル
25 (アンモニアセンサ部の)固体電解質層
30A,30B NOXセンサ部
40、42 アンモニアセンサ部
40a、42a 一対の電極
40b 感応部
42b 選択反応層
44A、44B 拡散層
100A、100B マルチガスセンサ素子部
200A マルチガスセンサ
300 ガスセンサ制御装置
S1 第1測定室
S2 NOX測定室
Ip2 第2ポンピング電流
Claims (5)
- 第1測定室の内部と外部に位置すると共に、第1固体電解質層上に設けられた一対の第1電極を有し、前記第1測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う第1ポンピングセルと、前記第1測定室に連通するNOx測定室の内部と外部に位置すると共に、第2固体電解質層上に設けられた一対の第2電極を有し、前記第1測定室から前記NOx測定室に流入した酸素濃度が調整された被測定ガス中のNOx濃度に応じた第2ポンピング電流が前記一対の第2電極間に流れる第2ポンピングセルとを備えたNOxセンサ部と、
少なくとも一対の電極を有し前記NOxセンサ部の外表面に形成されたアンモニアセンサ部と、
を共に設け、
前記アンモニアセンサ部は、固体電解質層と、該固体電解質層の両面又は片面に積層された前記一対の電極とを含み、前記一対の電極間の起電力変化によって被測定ガス中のアンモニア濃度を検出し、
前記アンモニアセンサ部は、前記NO x センサ部の制御温度と同じ温度となる前記NO x センサ部上の位置に配置されてなる
マルチガスセンサ。 - 前記アンモニアセンサ部には、前記一対の電極を覆う拡散層が形成され、
前記NOxセンサ部の検出開始時と、前記アンモニアセンサ部の検出開始時との何れか早い検出開始時を起点としたとき、
前記NOxセンサ部の90%応答時間と、前記アンモニアセンサ部の90%応答時間との時間差が、いずれのセンサ部の90%応答時間に対しても20%以下である請求項1記載のマルチガスセンサ。 - 前記アンモニアセンサ部には、前記一対の電極を覆う拡散層が形成され、
前記NOxセンサ部の検出開始時と、前記アンモニアセンサ部の検出開始時との何れか早い検出開始時を起点としたとき、
前記NOxセンサ部の前記検出開始時と、前記アンモニアセンサ部の前記検出開始時との時間差が、いずれのセンサ部の90%応答時間に対しても10%以下である請求項1又は2記載のマルチガスセンサ。 - 前記拡散層は、アルミナ、スピネル、シリカアルミナ、及びムライトの群から選ばれる少なくとも1種からなる請求項2又は3記載のマルチガスセンサ。
- 請求項1〜4のいずれか記載のマルチガスセンサに接続され、前記アンモニアセンサ部から出力されたアンモニア濃度に基づき、前記NO x センサ部から出力されたNO x 濃度を補正する補正手段を有するガスセンサ制御装置。
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