JP5219128B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部に複数のブロックを備え、ブロック内にサイプを配置した例えばトラック・バス用スタッドレスタイヤ等の空気入りタイヤに関する。
トレッド部にスパイク等を備えたスパイクタイヤの使用が規制された結果、それらを設けずに氷雪上性能を向上させた空気入りタイヤ(いわゆるスタッドレスタイヤ)が普及している。このようなタイヤのトレッドパターンとしては、トレッド部をタイヤ周方向に延びる複数本の主溝と複数本のラグ溝等によりブロックに区画し、各ブロックに各種のサイプを形成したブロックパターンが広く採用されている。このブロックパターンは、トレッド部に複数のブロックやサイプを形成してエッジ成分(エッジ量)を増加させ、エッジ効果を高める等して、氷雪路面におけるトラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能を向上させている。
ところで、空気入りタイヤ、例えばトラックやバス用等の重荷重用スタッドレスタイヤは、車両の積載量に応じて使用条件が大きく変動し、積載量が多いときには、接地面積が増加して氷雪上性能が高くなり、逆に、積載量が少ないときには、接地面積が減少して氷雪上性能が低下する傾向がある。そこで、このような空気入りタイヤでは、トレッド部のブロックやサイプの数を増加させて、特に積載量が少ないときの氷雪上性能を確保するのが一般的である(特許文献1参照)。
図3は、このような従来の空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示している。
この空気入りタイヤ100は、図示のように、ジグザグ状に屈曲しつつタイヤ周方向(図では上下方向)に延びる4本の主溝110、111と、それらにより区画された5列の陸部120、121、122と、を備えている。
この空気入りタイヤ100では、これら各陸部120、121、122内に、タイヤ幅方向(図では左右方向)に傾斜等して延びる複数本のラグ溝112をタイヤ周方向に所定間隔で配置し、それらを複数のブロック120B、121B、122Bに区画している。また、各ブロック120B、121B、122B内に、両端がブロック内部で終端するサイプ115を、ジグザグ状に屈曲しつつ略タイヤ幅方向に延びるように複数本(ここでは4本)ずつ配置している。更に、この空気入りタイヤ100では、各ブロック120B、121B、122Bを略同一又は類似形状に形成し、それらの配置位置の位相を、互いにタイヤ周方向にずらせて、タイヤ踏面に略均等に配置している。
この空気入りタイヤ100では、これら主溝110、111やラグ溝112の配置間隔を比較的短くする等して、トレッド部のブロック数やエッジ成分を増加させている。併せて、各ブロック120B、121B、122B内に多数のサイプ115を配置し、これにより、氷雪路面等で発揮されるエッジ効果を高めて氷雪上性能を向上させている。
ところが、この空気入りタイヤ100のように、ブロック数を増加させて各ブロック120B、121B、122Bを小さくし、或いは、サイプ115の数を増加させると、各ブロックの剛性が低下して摩耗が生じ易くなる傾向がある。従って、この従来の空気入りタイヤ100では、耐摩耗性能が低下する恐れがあり、氷雪上性能と耐摩耗性能とを両立させるのは難しい。一方、これに対処すべく、主溝110、111やラグ溝112を狭く(細く)してブロック120B、121B、122Bを大きくすれば、接地面内の接地面積が増加し、ブロックの剛性も高くなって耐摩耗性能等を向上させることができる。しかしながら、この場合には、各溝110、111、112の雪等を排出する効果が低下して、充分な氷雪上性能が得られなくなる恐れがある。
また、従来、トレッド部に形成した複数のブロックに、タイヤ幅方向に直線状に延びて、両端が両側の主溝等に開口する2本の幅方向サイプを形成する等して、耐摩耗性能を維持しながら氷雪上性能を向上させた空気入りタイヤも知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、この従来の空気入りタイヤでは、氷雪上での走行において、車両前後方向に効果を発揮するエッジ成分の量がなお充分でなく、耐摩耗性能を確保しつつ、氷雪上性能のさらなる向上を図る必要がある。
特開2006−131148号公報 特開2007−186121号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、空気入りタイヤの耐摩耗性能を確保しつつ、氷雪上でのトラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能を向上させることである。
本発明は、トレッド部に、タイヤ赤道面を挟んで配置されたタイヤ周方向に延びる2本の中央側主溝と、該2本の中央側主溝により区画されたタイヤ赤道面上の中央陸部と、を備えた空気入りタイヤであって、前記中央陸部は、前記各中央側主溝のそれぞれに一端が開口し他端が該中央陸部内で終端するタイヤ周方向に離間して配置された第1及び第2のラグ溝と、該第1及び第2のラグ溝同士を連結するサイプとが、タイヤ周方向に複数組み配置されて複数の大ブロックに区画され、該大ブロックが前記中央陸部のみに設けられており、1回以上屈曲しつつタイヤ周方向に延びる周方向サイプにより一対の小ブロックに分割されるとともに、該小ブロック内に、前記周方向サイプと前記中央側主溝とに開口する少なくとも1本の幅方向サイプと、該幅方向サイプと前記各ラグ溝との間に各々少なくとも1本配置され、1回以上屈曲しつつタイヤ幅方向に延びる両端が該小ブロック内で終端するクローズドサイプと、を有することを特徴とする。
ここで、本発明において、各溝やサイプの延びる方向に関して、タイヤ周方向という場合には、タイヤ周方向に平行な場合に加えて、同方向に対して所定の角度で傾斜や湾曲、又は屈曲して延びる等、タイヤ周方向の要素を含んで延びることをいう。同様に、タイヤ幅方向という場合には、タイヤ幅方向に平行な場合に加えて、同方向に対して所定の角度で傾斜や湾曲、又は屈曲して延びる等、タイヤ幅方向の要素を含んで延びることをいう。
本発明によれば、空気入りタイヤの耐摩耗性能を確保しつつ、氷雪上でのトラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えばトラックやバス等の重荷重用や乗用車用等のスタッドレスタイヤであり、一対のタイヤビード部に配置されたビードコアや、その間に渡ってトロイダル状に延びる少なくとも一層のカーカス層、トレッド部のカーカス層の外周側に配置されたベルト層、及び所定のトレッドパターンが形成されたトレッドゴムを備える等、周知のタイヤ構造を有する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示している。
この空気入りタイヤ1は、図示のように、トレッド部2に、タイヤ周方向(図では上下方向)に延びる少なくとも4本の主溝10、11を備え、それらにより区画してタイヤ周方向に延在する5つ(5列)の陸部20、21、22を配置している。また、この空気入りタイヤ1は、陸部20、21、22内に配置された主溝10、11と交差する方向、例えばタイヤ幅方向(図では左右方向)に略直線状に、又は傾斜や湾曲、屈曲等して延びる複数本のラグ溝30、31、32、33、34を備えている。空気入りタイヤ1は、これら複数本のラグ溝30、31、32、33、34等により分断して、各陸部20、21、22を、タイヤ周方向に配列された複数のブロック20B、21B、22Bに区画している。
主溝10、11は、タイヤ赤道面CLを挟んで配置された2本の中央側主溝10と、そのタイヤ幅方向外側のトレッド端(タイヤ幅方向外側端)側にそれぞれ配置された2本の外側主溝11からなり、各々タイヤ赤道面CLを挟んで所定の略対称なタイヤ幅方向位置に配置されている。また、これら主溝10、11は、所定のピッチで僅かに屈曲しつつタイヤ周方向に略直線状に延びるストレート溝であり、その溝幅やタイヤ半径方向の深さが略同一又は同程度に形成されている。
陸部20、21、22は、2本の中央側主溝10により区画され、それらの間のタイヤ赤道面CL上に位置する中央陸部20と、中央側主溝10と外側主溝11との間に区画(配置)された、それらの間の中間領域に位置する2つの中間陸部21と、外側主溝11とトレッド端との間に区画されたタイヤ幅方向最外側(ショルダ部側)に位置する2つのショルダ陸部22と、からなる。これら各陸部20、21、22のタイヤ幅方向の幅は、それらを区画する主溝10、11等の配置に対応して、中央陸部20が最も広く、ショルダ陸部22、中間陸部21の順に狭くなっている。
この中央陸部20には、複数本の略タイヤ幅方向に延びる第1のラグ溝30及び第2のラグ溝31と、略タイヤ周方向に延びる2種類のサイプ40、41と、略タイヤ幅方向に延びる2種類のサイプ42、43とが、タイヤ周方向に所定のパターンで繰り返し配置されている。
第1及び第2のラグ溝30、31は、一端が両側の各中央側主溝10のそれぞれに開口(図では、第1のラグ溝30が左側、第2のラグ溝31が右側の各中央側主溝10に開口)し、他端が中央陸部20内で終端するよう所定長さに形成され、互いにタイヤ周方向に離間して配置されている。また、複数本の第1のラグ溝30と第2のラグ溝31は、それぞれタイヤ周方向に所定の略同一間隔で配置されるとともに、その配置位置(位相)をタイヤ周方向にずらせて、タイヤ周方向に沿って左右交互に配置されている。更に、第1及び第2のラグ溝30、31は、主溝10、11よりも狭い略同一の溝幅に形成され、それぞれ各中央側主溝10側の開口部からタイヤ幅方向内側に向かって延び、タイヤ赤道面CL上又は、その近傍位置で終端している。
本実施形態では、これら第1及び第2のラグ溝30、31を、タイヤ幅方向に対して互いに同じ方向に、かつタイヤ幅方向から所定角度で傾斜して略直線状に延びるように形成している。また、これら複数の第1及び第2のラグ溝30、31は、タイヤ赤道面CL上の点を中心にして点対称に形成されている。加えて、タイヤ周方向に隣接する第1のラグ溝30と第2のラグ溝31との間の間隔が、各ラグ溝30、31を挟んだ一方側で狭く、他方側で広くなり、それらがタイヤ周方向に沿って交互になるよう、第1及び第2のラグ溝30、31を順次配置している。
この第1のラグ溝30と第2のラグ溝31の各終端部側には、タイヤ周方向に沿って交互に配置されたサイプ40、41がそれぞれ開口している。これらサイプ40、41は、中央陸部20のタイヤ幅方向の略中央位置(タイヤ赤道面CL上)に、かつタイヤ周方向に隣接する第1と第2のラグ溝30、31間のそれぞれに順に配置されている。また、この2種類のサイプ40、41は、ラグ溝30、31間の間隔が狭い一方側に設けられた、主に第1及び第2のラグ溝30、31同士を連結するための連結サイプ40、及びラグ溝30、31間の間隔が広い他方側に設けられた、主に中央陸部20内の各ブロック20Bをタイヤ幅方向に分割するための周方向サイプ41からなる。連結サイプ40は、略タイヤ周方向に直線状に、又は所定の角度で傾斜や湾曲等(ここでは右上方向に傾斜)して延び、各ラグ溝30、31のタイヤ赤道面CL付近の終端部に開口してそれらを連結し、それらと共に全体として中央陸部20をタイヤ幅方向に横断している。一方、周方向サイプ41は、ジグザグ状や波状、又は蛇行等した屈曲形状(ここでは、このような形状を総称して屈曲という)をなし、1回(1曲り)以上屈曲しつつタイヤ周方向に、又は同方向に所定の角度で傾斜等して延び、各ラグ溝30、31のタイヤ赤道面CL付近の終端部に開口している。
本実施形態では、この連結サイプ40及び、それを介して連結された一対の第1及び第2のラグ溝30、31を、タイヤ周方向に所定の間隔で複数組配置し、これらにより中央陸部20をタイヤ周方向に分断して、比較的大きな複数の大ブロック20Bに区画している。また、周方向サイプ41により、大ブロック20Bを、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ周方向にずらせて配置された2つの平面視略矩形状の小ブロック20Sに区画して、各大ブロック20Bを一対の小ブロック20Sに分割している。なお、図1では、1つの大ブロック20Bに斜線でハッチングを付すとともに、分割された一対の小ブロック20Sに、互いに逆方向に傾斜した斜線でハッチングを付している。
図2は、この中央陸部20の1つの大ブロック20Bを含む領域を拡大して示す平面図である。
この空気入りタイヤ1では、図示のように、左右の小ブロック20S内に、それぞれ少なくとも1本の幅方向サイプ42と、それらを挟んでタイヤ周方向の両側に設けられたクローズドサイプ43とからなる、複数本のサイプ42、43を更に配置している。幅方向サイプ42は、両側の端部が、それぞれ各小ブロック20Sを区画する周方向サイプ41と中央側主溝10とに開口する両側開口サイプであり、略タイヤ幅方向に直線状や傾斜、又は屈曲等して延び、小ブロック20Sを横断してタイヤ周方向に分割している。ここでは、幅方向サイプ42は、各小ブロック20Sのタイヤ周方向の略中央部に各々2本ずつ配置され、それらがタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜して互いに所定間隔を開けて略平行に形成されている。
これに対し、クローズドサイプ43は、1回以上屈曲しつつ全体としてタイヤ幅方向に傾斜等して延び、両端が小ブロック20S内で終端する両端が閉じたサイプであり、幅方向サイプ42と、そのタイヤ周方向両側の各ラグ溝30又は31との間に各々少なくとも1本配置されている。ここでは、クローズドサイプ43は、2本の幅方向サイプ42を挟んで両側に1本ずつ、それぞれ幅方向サイプ42とラグ溝30又は31との間のタイヤ周方向の略中央部に、タイヤ幅方向に対して同じ方向に全体として傾斜して形成されている。この空気入りタイヤ1では、これら中央陸部20内のサイプ42、43を、全てタイヤ幅方向に対して同じ方向(ここではラグ溝30、31とも同じ方向)に傾斜するように形成し、各小ブロック20S内にそれぞれ4本のサイプ42、43を配置している。
一方、この中央陸部20のタイヤ幅方向両外側の中間陸部21(図1参照)には、それぞれ複数本の略タイヤ幅方向に延びるラグ溝32、及び2種類のサイプ44、45が、タイヤ周方向に所定のパターンで繰り返し配置されている。各ラグ溝32は、主溝10、11よりも狭い溝幅に、かつ、タイヤ幅方向に傾斜等して延びるように形成され、両端が、それぞれ中間陸部21を挟む両側の各主溝10、11に開口して、中間陸部21をタイヤ幅方向に横断している。ここでは、ラグ溝32は、左右両側の中間陸部21でタイヤ幅方向に対して互いに同じ方向に所定角度で傾斜するとともに、中央陸部20内のラグ溝30、31とタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜し、かつ、その各タイヤ周方向の配置間隔と略同一の所定間隔でタイヤ周方向に並設されている。
中間陸部21は、この複数本のラグ溝32によりタイヤ周方向に分断されて複数の略同一形状のブロック21Bに区画されている。また、各ブロック21B内には、上記した小ブロック20S(図2参照)と同様に、少なくとも1本の幅方向サイプ44と、それらを挟んでタイヤ周方向の両側に設けられたクローズドサイプ45とからなる、複数本のサイプ44、45が配置されている。幅方向サイプ44は、両側の端部が、それぞれ両側の中央側主溝10と外側主溝11とに開口する両側開口サイプであり、略タイヤ幅方向に直線状や傾斜、又は屈曲等して延び、ブロック21Bを横断してタイヤ周方向に分割している。ここでは、幅方向サイプ44は、各ブロック21Bのタイヤ周方向の略中央部に各々2本ずつ配置され、それらがタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜して互いに所定間隔を開けて略平行に形成され、その両側に一対の小ブロックを区画している。
これに対し、クローズドサイプ45は、1回以上屈曲しつつ全体としてタイヤ幅方向に傾斜等して延び、両端がブロック21B内で終端する両端が閉じたサイプであり、幅方向サイプ44と、そのタイヤ周方向両側のラグ溝32との間に各々少なくとも1本配置されている。ここでは、クローズドサイプ45は、2本の幅方向サイプ44を挟んで両側の小ブロックに1本ずつ、それぞれ幅方向サイプ44とラグ溝32との間のタイヤ周方向の略中央部に、タイヤ幅方向に対して同じ方向に全体として傾斜して形成されている。この空気入りタイヤ1では、これら中間陸部21内のサイプ44、45を、全てタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜するように形成し、各ブロック21B内にそれぞれ4本ずつ配置している。また、両サイプ44、45を共に、中間陸部21内でラグ溝32と略同じ方向に延びるように、かつ、中央陸部20を挟んだ両側で、互いにタイヤ幅方向に対して同じ方向に所定角度で形成している。
また、この各中間陸部21のタイヤ幅方向両外側のショルダ陸部22には、それぞれ外側主溝11と交差する方向に延びる複数本のラグ溝33、34と、周方向細溝50、及び3種類のサイプ46、47、48が、タイヤ周方向に所定のパターンで繰り返し配置されている。各ラグ溝33、34は、タイヤ幅方向に傾斜等して延び、両端が、それぞれ外側主溝11とトレッド端側とに開口して、ショルダ陸部22をタイヤ幅方向に横断している。この内、一方のラグ溝33は、溝幅が主溝10、11よりも狭いタイヤ幅方向内側部に対し、タイヤ幅方向外側の端部が同方向に向かって広がるように形成され、他方のラグ溝34は、全体が主溝10、11よりも狭い溝幅に形成されている。また、ラグ溝33、34は、他の各ラグ溝30、31、32の配置間隔と略同じ所定間隔でタイヤ周方向に沿って交互に配置され、ショルダ陸部22をタイヤ周方向に分断して複数のブロック22Bに区画している。
この各ブロック22Bは、タイヤ周方向に直線状に延びる周方向細溝50により、タイヤ幅方向の略中央部で分割され、タイヤ幅方向外側及び内側の外側小ブロック22S1と内側小ブロック22S2とに区画される。併せて、外側小ブロック22S1には、それぞれ1つのサイプ46が、一端がラグ溝33の幅広部に開口し、そこからタイヤ周方向に傾斜して延びて折れ曲がり、同方向に略直線状に延びて他端が外側小ブロック22S1内で終端するよう形成されている。
これに対し、内側小ブロック22S2は、それぞれ少なくとも1本の幅方向サイプ47と、それらを挟んでタイヤ周方向の両側に設けられたクローズドサイプ48とが配置される等、上記した小ブロック20S(図2参照)と同様に構成されている。即ち、幅方向サイプ47は、両側の端部が、それぞれ外側主溝11と周方向細溝50とに開口する両側開口サイプであり、略タイヤ幅方向に傾斜等して延び、内側小ブロック22S2を横断してタイヤ周方向に分割している。ここでは、幅方向サイプ47は、各内側小ブロック22S2のタイヤ周方向の略中央部に各々2本ずつ配置され、それらがタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜して略平行に形成され、内側小ブロック22S2を更に区画している。
また、クローズドサイプ48は、1回以上屈曲しつつ全体としてタイヤ幅方向に傾斜等して延び、両端が内側小ブロック22S2内で終端する両端が閉じたサイプであり、幅方向サイプ47と、その両側の各ラグ溝33、34との間に各々少なくとも1本配置されている。ここでは、クローズドサイプ48は、2本の幅方向サイプ47を挟んで両側に1本ずつ、それぞれ幅方向サイプ47とラグ溝33、34との間のタイヤ周方向の略中央部に、タイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜して形成されている。この空気入りタイヤ1では、これら内側小ブロック22S2内のサイプ47、48を、全てタイヤ幅方向に対して同じ方向に傾斜するとともに、ラグ溝33、34と略同じ方向に、かつ中央陸部20のラグ溝30、31等とも、タイヤ幅方向に対して略同じ方向に延びるように形成している。
なお、この空気入りタイヤ1では、以上の各サイプ40〜48のタイヤ半径方向深さを、全て中央側主溝10(及び外側主溝11)のタイヤ半径方向深さの50〜100%の範囲の深さに形成している。また、中央陸部20内の第1のラグ溝30と第2のラグ溝31、中間陸部21内のラグ溝32、及びショルダ陸部22内のラグ溝33、34の位相を、互いにタイヤ周方向に所定の距離だけずらし、それらの各タイヤ周方向の配置位置が、順次タイヤ周方向にずれるように配置している。更に、ここでは、中間陸部21のタイヤ幅方向の最大幅Vが、中央陸部20のタイヤ幅方向の最大幅Wの40〜75%の範囲の幅になるように、各主溝10、11を配置して、各陸部20、21、22を形成している。
以上説明した本実施形態の空気入りタイヤ1では、中央陸部20を、複数組のラグ溝30、31及び連結サイプ40により、比較的大きな大ブロック20Bに区画したため、そのブロック剛性も比較的高くなり、かつ充分なエッジ成分及びエッジ量(長さ)を確保することができる。また、各大ブロック20Bを、屈曲形状の周方向サイプ41により小ブロック20Sに分割したため、大ブロック20B内のエッジ成分をより増加させることができる。同時に、この周方向サイプ41の形状に起因して、荷重負荷転動時等の力が作用したときに、これを挟む両側の小ブロック20S同士が、屈曲形状のサイプ壁の接触により、互いに変形や倒れ込み等を抑制し合う効果が得られる。この隣接する小ブロック20S同士の相互補完効果により、ブロック剛性の低下を防止することもできる。
加えて、この空気入りタイヤ1では、各小ブロック20S内に、両側が開口した幅方向サイプ42及び、ブロック剛性を低下させ難く、エッジ量も多い屈曲形状のクローズドサイプ43からなる複数本のサイプ42、43を配置している。そのため、従来に比べて、大ブロック20B内のサイプ数や長さ及び、氷雪上での走行において車両前後方向に効果を発揮するエッジ成分を増加させて、エッジ効果を高めながら、ブロック剛性の低下を抑制することもできる。また、ここでは、この小ブロック20Sを、タイヤ赤道面CLを中心に2列配置することで、タイヤ周方向の接地長さが最も長く、氷雪上性能への影響が大きいタイヤ赤道面CLを含むセンター部に、タイヤ幅方向に延びるエッジ成分を集中配置している。その結果、ブロック剛性を維持できることに加えて、氷雪上性能を効果的に高めることができる。
このように、一般的には、エッジ長さを長くするとブロックが小さくなる等してブロック剛性が低下する結果、耐偏摩耗性能を含む耐摩耗性能が低下するのに対し、この空気入りタイヤ1では、それらを回避することができる。即ち、この空気入りタイヤ1では、上記のように、氷雪上性能に影響する中央陸部20内のエッジ成分を増加させても、大ブロック20Bの剛性が低くなるのを抑制でき、摩耗が生じ易くなる不具合を防止して、耐摩耗性能の低下を抑制することができる。従って、本実施形態によれば、空気入りタイヤ1に、充分な耐摩耗性能を確保しつつ、その氷雪上でのトラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能を向上させ、それらを両立させることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、中間陸部21及びショルダ陸部22も同様に、それぞれ複数のブロック21B、22Bに区画して複数本のサイプ44〜48を配置したため、スタッドレスタイヤとしての充分なエッジ量(エッジ効果)を確保することができる。更に、中間陸部21のブロック21Bを、幅方向サイプ44により小ブロックに分割し、かつ、その両側の各小ブロック内に屈曲形状のクローズドサイプ45を少なくとも1本配置したため、ブロック21Bの剛性低下を抑制しつつ、より大きなエッジ効果を得ることができる。
加えて、各ラグ溝30〜34のタイヤ幅方向に対する傾斜方向を、陸部20、21、22毎に、交互に異なる方向に形成したため、異なる方向に対してもエッジ効果が発揮され、氷雪上性能を効果的に向上させることができる。また、この空気入りタイヤ1では、これら各ラグ溝30〜34のそれぞれの位相(タイヤ周方向の配置位置)を、互いにタイヤ周方向にずらせて配置したため、各ブロック20B、21B、22B等も異なるタイヤ周方向位置に配置される。その結果、それらトレッド部2内の各要素が、タイヤ転動時に順次接地してエッジ効果が連続的に絶えず発揮される等して、高い氷雪上性能をコンスタントに得ることもできる。
ここで、中間陸部21のタイヤ幅方向の最大幅Vを、中央陸部20のタイヤ幅方向の最大幅Wの40%よりも狭くした場合には、中間陸部21の幅が狭くなるのに伴い、そのブロック21Bの剛性が低下して、中間陸部21に偏摩耗が発生し易くなる恐れがある。一方、この最大幅Vを最大幅Wの75%よりも広くした場合には、逆に、中央陸部20の幅が狭くなり、そのブロック20Bの剛性が低下して、中央陸部20に偏摩耗が発生し易くなる恐れがある。従って、中間陸部21の最大幅Vは、中央陸部20の最大幅Wの40〜75%の範囲の幅にするのがより望ましく、これにより、両陸部20、21の耐摩耗性能を共に確保できる。
また、各サイプ40〜48のタイヤ半径方向深さを、主溝10、11のタイヤ半径方向深さの50%よりも浅くした場合には、トレッド部2の摩耗に伴いサイプ40〜48が早期に浅くなり又は消失し、氷雪上性能が低下する恐れがある。併せて、それらが形成されたブロック20B、21B、22Bの変形が必要以上に小さくなり、氷雪路面を走行時にトラクション抜けが発生し易くなる等、氷雪上性能(特にトラクション性能)が低下する恐れがある。これに対し、逆に、100%よりも深くした場合には、各ブロック剛性が低くなり過ぎて接地性が低下等し、トラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能が低下し、又は充分な耐摩耗性能を確保できない恐れがある。従って、各サイプ40〜48は、主溝10、11の深さの50〜100%の範囲の深さに形成するのがより望ましい。
なお、本実施形態では、各主溝10、11を、タイヤ周方向に略直線状に延びるストレート溝に形成したが、これらは、例えば、タイヤ幅方向の振幅をより大きくしてジグザグ状に屈曲させる等、他の態様でタイヤ周方向に延びるように形成してもよい。ただし、主溝10、11をストレート溝に形成した場合には、その排雪性がより高くなり、空気入りタイヤ1の雪上性能を一層向上できるため、主溝10、11は、そのように形成するのがより望ましい。また、この空気入りタイヤ1では、中央陸部20内のサイプ40、41を、タイヤ赤道面CL上に配置したが、タイヤ幅方向にずらせて配置する等、それぞれ他のタイヤ幅方向位置に配置してもよい。更に、中央陸部20の小ブロック20Sには、クローズドサイプ43を、幅方向サイプ42を挟んだ両側に1本ずつ配置する他に、複数本ずつ配置してもよく、幅方向サイプ42の配置位置等によっては、その両側にクローズドサイプ43を異なる本数ずつ配置するようにしてもよい。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したトレッドパターン(図1参照)を備えた実施例の空気入りタイヤ1(以下、実施品という)と、上記した従来のトレッドパターン(図3参照)を備えた従来例(比較例)の空気入りタイヤ100(以下、従来品という)とを試作して、以下の条件で氷雪上性能と耐摩耗性能の比較試験を行った。実施品と従来品は、ともにJATMA YEAR BOOK(2007、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ11R22.5−16PRのトラック及びバス用ラジアルプライタイヤである。
各試験は、実施品及び従来品を、サイズ7.50のリムに装着して空気圧を900kPaにし、それぞれ2−D・4(前輪が2輪の1軸、後輪が駆動複2輪及び複2輪の2軸)の車両に取り付け、正規荷重を負荷した状態で行った。また、氷雪上性能は、新品時における実施品及び従来品の氷上トラクション性能及び氷上ブレーキ性能を試験して評価した。
氷上トラクション性能試験は、テストコース(アイス路面)で、車両を停止状態から発進させて発進加速度を測定し、その測定結果を、従来品を基準に比較・評価した。また、氷上ブレーキ性能試験は、テストコース(アイス路面)で、所定速度で走行する車両をフル制動したときの制動距離を測定して減速度を求め、その結果を、従来品を基準に比較・評価した。一方、耐摩耗性能試験は、テストコース(ドライ路面)を新品の各タイヤで同一条件により走行し、そのときの摩耗ライフ(寿命)を実測して、その結果を、従来品を基準に比較・評価した。
表1に、これら各試験結果を示すが、いずれも従来品の結果を100とした指数で表し、その値が大きいほど結果が良好で性能が高いことを示している。
Figure 0005219128
その結果、表1に示すように、発進加速度指数は、従来品の100に対して、実施品では115と大きくなっており、氷上トラクション性能が大きく向上したことが分かった。また、減速度指数は、従来品の100に対して、実施品では115と大きくなっており、氷上ブレーキ性能が大きく向上したことが分かった。これらに対し、摩耗ライフ指数は、従来品の100に対して実施品では101であり、耐摩耗性能を同程度に維持できることが分かった。
以上の結果から、本発明により、空気入りタイヤ1の耐摩耗性能を確保しつつ、氷雪上でのトラクション性能やブレーキ性能等の氷雪上性能を向上できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図である。 中央陸部の1つの大ブロックを含む領域を拡大して示す平面図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を展開して示す平面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、10・・・中央側主溝、11・・・外側主溝、20・・・中央陸部、20B・・・大ブロック、20S・・・小ブロック、21・・・中間陸部、21B・・・ブロック、22・・・ショルダ陸部、22B・・・ブロック、22S1・・・外側小ブロック、22S2・・・内側小ブロック、30・・・ラグ溝、31・・・ラグ溝、32・・・ラグ溝、33・・・ラグ溝、34・・・ラグ溝、40・・・連結サイプ、41・・・周方向サイプ、42・・・幅方向サイプ、43・・・クローズドサイプ、44・・・幅方向サイプ、45・・・クローズドサイプ、46・・・サイプ、47・・・幅方向サイプ、48・・・クローズドサイプ、50・・・周方向細溝、CL・・・タイヤ赤道面。

Claims (6)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道面を挟んで配置されたタイヤ周方向に延びる2本の中央側主溝と、該2本の中央側主溝により区画されたタイヤ赤道面上の中央陸部と、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記中央陸部は、前記各中央側主溝のそれぞれに一端が開口し他端が該中央陸部内で終端するタイヤ周方向に離間して配置された第1及び第2のラグ溝と、該第1及び第2のラグ溝同士を連結するサイプとが、タイヤ周方向に複数組み配置されて複数の大ブロックに区画され、
    該大ブロックが前記中央陸部のみに設けられており、1回以上屈曲しつつタイヤ周方向に延びる周方向サイプにより一対の小ブロックに分割されるとともに、
    該小ブロック内に、前記周方向サイプと前記中央側主溝とに開口する少なくとも1本の幅方向サイプと、該幅方向サイプと前記各ラグ溝との間に各々少なくとも1本配置され、1回以上屈曲しつつタイヤ幅方向に延びる両端が該小ブロック内で終端するクローズドサイプと、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記幅方向サイプと前記各ラグ溝との間に、それぞれ前記クローズドサイプを1本ずつ有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記各中央側主溝のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されたタイヤ周方向に延びる2本の外側主溝と、前記中央側主溝と前記外側主溝との間に区画された2つの中間陸部とを備え、
    該中間陸部がタイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝により複数のブロックに区画され、該ブロック内に、前記中央側主溝と前記外側主溝とに開口する少なくとも1本の幅方向サイプと、該幅方向サイプと両側の前記ラグ溝との間に各々少なくとも1本配置され、1回以上屈曲しつつタイヤ幅方向に延びる両端が該ブロック内で終端するクローズドサイプと、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項3に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記中間陸部のタイヤ幅方向の最大幅が、前記中央陸部のタイヤ幅方向の最大幅の40〜75%の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記各サイプのタイヤ半径方向深さが、前記中央側主溝のタイヤ半径方向深さの50〜100%の範囲にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記各ラグ溝のそれぞれの位相が、互いにタイヤ周方向にずらせて配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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