図1は、センサ保持器10に保持されたハイブリッドプローブユニット12を用いて、生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20内の血流速度およびその血管20の直径を測定しFMD(血流依存性血管拡張反応)の評価(検査)を行う血管機能検査装置22の全体的な構成を表した図である。
ハイブリッドプローブユニット12は、血管20に関連する生体情報すなわち血管パラメータを検出するためのセンサとして機能するものであって、互いに平行な2列の第1短軸用超音波アレイ探触子Aおよび第2短軸用超音波アレイ探触子Bとそれらの長手方向中央部を連結する長軸用超音波アレイ探触子Cとを一平面上すなわち平坦な探触面27に有して成るH型の超音波プローブ24と、その超音波プローブ24を位置決めするための多軸駆動装置(位置決め装置)26とを備えている。それら第1短軸用超音波アレイ探触子A、第2短軸用超音波アレイ探触子B、および長軸用超音波アレイ探触子Cは、たとえば圧電セラミックスから構成された多数個の超音波振動子(超音波発振子)a1〜anが直線的に配列されることにより長手状にそれぞれ構成されている。なお、第1短軸用超音波アレイ探触子Aは本発明の直交方向超音波アレイ探触子に対応し、長軸用超音波アレイ探触子Cは本発明の長手方向超音波アレイ探触子に対応する。
図2は、本実施例で用いられるx0y0z0軸直交座標軸を説明するためのものであり、第1短軸用超音波アレイ探触子Aの長手方向と平行でその第1短軸用超音波アレイ探触子Aの直下に位置し血管20又はその付近を通る方向をz0軸とし、長軸用超音波アレイ探触子Cの長手方向と平行でz0軸と直交する方向をx0軸とし、第1短軸用超音波アレイ探触子Aの長手方向と長軸用超音波アレイ探触子Cの長手方向との交点を通り且つ前記x0軸方向およびz0軸方向に直交する方向をy0軸とする。超音波プローブ24は、多軸駆動装置26によりz0軸方向に並進、および、y0軸およびz0軸まわりに回動させられるようになっている。
図3に示すように、たとえば上腕動脈である血管20は、内膜L1、中膜L2、外膜L3から成る3層構造を備えている。超音波の反射は音響インピーダンスの異なる部分で発生することから、実際は血管内腔の血液と内膜L1の境界面、および中膜L2と外膜L3との境界面が白く表示され、組織が白黒の班で表示される。画像中においては、血液と内膜L1との境界面は表示され難いけれども、その距離を血管径として計測し、その変化率すなわち内腔径の拡張率Rを用いることが望まれる。
図1に戻って、血管機能検査装置22は、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理するCPUを有する所謂マイクロコンピュータから構成された電子制御装置28と、モニタ画面表示装置(画像表示装置)30と、超音波駆動制御回路32と、3軸駆動モータ制御回路34とを備えている。上記電子制御装置28によって超音波駆動制御回路32から駆動信号が供給されてハイブリッドプローブユニット12の超音波プローブ24の第1短軸用超音波アレイ探触子A、第2短軸用超音波アレイ探触子B、および長軸用超音波アレイ探触子Cから超音波が放射され、その第1短軸用超音波アレイ探触子Aおよび第2短軸用超音波アレイ探触子Bおよび長軸用超音波アレイ探触子Cにより検知された超音波反射信号を受けてその超音波反射信号の処理が行われることによって、皮膚18下の超音波画像が発生させられモニタ画面表示装置30に表示される。
ここで、モニタ画面表示装置30は、第1短軸用超音波アレイ探触子Aによる超音波画像と、第2短軸用超音波アレイ探触子Bによる超音波画像と、長軸用超音波アレイ探触子Cによる超音波画像とを、それぞれ所定の画像表示領域に表示する。さらには、それらの画像表示領域は、皮膚18からの深さ寸法を示す共通の縦軸を備えたものである。
また、モニタ画面表示装置30は、FMDの評価に際しては、その内膜の径の変化率すなわち内腔径の拡張率Rを時系列的に表示する。
また、上記FMDの評価、血流速度SPD(血流速度分布DS)の測定および血管20の超音波画像が生成されるに際して、超音波プローブ24は、血管20に対して所定の計測位置となるよう電子制御装置28によって3軸駆動モータ制御回路34から駆動信号を供給された多軸駆動装置26が駆動することにより位置決めさせられる。上記所定の計測位置とは、上記第1短軸用超音波アレイ探触子Aおよび第2短軸用超音波アレイ探触子Bが血管20に対して直交する位置、且つ、長軸用超音波アレイ探触子Cが血管20に対して平行となる位置である。更に、長軸用超音波アレイ探触子Cによる血管20の縦断面画像に血管20の直径が現れる位置である。
センサ保持器10は、三次元空間内の所望の位置すなわち上記所定の計測位置において生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20を変形させない程度に軽く接触させる状態でハイブリッドプローブユニット12を所望の姿勢で保持する。上記ハイブリッドプローブユニット12の超音波プローブ24の端面と皮膚18との間には、通常、超音波の減衰、境界面における反射や散乱を抑制して超音波画像を明瞭とするためのよく知られたゼリー等のカップリング剤が介在させられる。このゼリーは、たとえば寒天等の高い割合で水を含むゲル状の吸水性高分子であって、空気よりは固有インピーダンス(=音速×密度)が十分に高く大きく超音波送受信信号の減衰を抑制するものである。また、そのゼリーに換えて、水を樹脂製袋内に閉じ込めた水袋、オリーブ油、グリセリン等が用いられ得る。
上記センサ保持器10は、たとえば磁気的吸着力により机、台座等に固定されるマグネット台36と、前記ハイブリッドプローブユニット12が固定されるユニット固定具38と、マグネット台36およびユニット固定具38に一端が固定され且つ球状に形成された先端部42を備えた連結部材44、45と、それら連結部材44、45を介して、マグネット台36とユニット固定具38とを相対移動可能に連結し支持する自在アーム40とを備えている。上記自在アーム40は、相互に回動可能に連結された2つのリンク46、47と、そのリンク46、47の一端にて前記各先端部42に所定の抵抗が付勢されつつその先端部42に対して回曲可能に嵌め入れられた勘合穴48をそれぞれ有する回曲関節部50、51と、各リンク46、47の他端にてその他端を相互に相対回動可能に連結し且つその連結箇所を貫設するねじ穴に螺合されたおねじ付き固定ノブ52が締め付けられることで得られる締着力により相対回動不能にされる回動関節部54とを、有する。
多軸駆動装置26は、z0軸回動アクチュエータにより超音波プローブ24のz0軸まわりの回動位置を位置決めするためにユニット固定具38に固定されるz0軸回動(ヨーイング)機構と、z0軸回動アクチュエータによって超音波プローブ24のz0軸方向の並進位置を位置決めするためのz0軸並進機構と、y0軸アクチュエータにより超音波プローブ24のy0軸まわりの回動位置を位置決めするためのy0軸回動機構とから構成されている。
図1において、超音波駆動制御回路32は、電子制御装置28からの指令に従って、たとえば前記第1短軸用超音波アレイ探触子Aを構成する一列に配列された多数個の超音波振動子a1乃至anのうち、その端の超音波振動子a1ら、一定数の超音波振動子群たとえば15個のa1乃至a15毎に所定の位相差を付与しつつ10MHz程度の周波数で同時駆動するビームフォーミング駆動することにより超音波振動子の配列方向において収束性の超音波ビームを血管20に向かって順次放射させ、超音波振動子を1個ずつずらしながらその超音波ビームをスキャン(走査)させたときの放射毎の反射波を受信して電子制御装置28へ入力させる。
電子制御装置28は、上記反射波に基づいて画像を合成し、皮膚18下における血管20の横断面画像(短軸画像)、あるいは縦断面画像(長軸画像)を生成させて、モニタ画面表示装置(画像表示装置)30にそれぞれ表示させる。また、電子制御装置28は、その画像から、血管20の径或いは内皮70の直径である内皮径(内腔径)d1などを算出し或いは測定する。また、血管内皮機能を評価するために、虚血反応性充血後のFMD(血流依存性血管拡張反応)を表す血管内腔径の拡張率(変化率)R(%)[=100×(d1−da)/da](但し、daは安静時の血管内腔径)を算出する。
図4は、阻血(駆血)開放後の血管内腔径d1の変化を例示したタイムチャートである。図4では、t1時点が阻血開放時を表しており、t2時点から血管内腔径d1が拡張し始め、t3時点で血管内腔径d1がその最大値dMAXに達していることが示されている。従って、電子制御装置28が算出する血管内腔径の拡張率Rは、t3時点で最大になる。
FMD評価のための前記阻血は、図1に示すように、電子制御装置28が備えるカフ圧制御部56(カフ圧制御手段56)が空気ポンプ58からの元圧を圧力制御弁60で制御して上腕16に巻回されたカフ62に供給し、そのカフ62の圧力(カフ圧)を生体14の最高血圧を超える所定の阻血カフ圧にまで昇圧することにより行われる。このとき、上記カフ圧制御部56は上記カフ圧を検出するための圧力センサ64からの信号でそのカフ圧を検出する。そして、図4においては、例えば、カフ圧制御部56は、阻血開放前の所定時間すなわちt1時点前の所定時間にわたって上記カフ圧を上記阻血カフ圧で維持し、阻血開放時(t1時点)に上記カフ圧を直ちに大気圧にまで減圧する。
図1の前記電子制御装置28は、上述の機能に加えて、長軸用超音波アレイ探触子Cから生体内の血管に向けて放射された超音波により非侵襲的に血管20内の血流速度SPDを測定する。例えば、電子制御装置28は、FMDの評価において血管内腔径d1の測定と並行して、その血管内腔径d1と同じ測定部位にて上記血管20内の血流速度SPDを測定する。そして、その測定した血流速度SPDから血液ずり応力SSを算出する。例えば、電子制御装置28は、第1短軸用超音波アレイ探触子Aと長軸用超音波アレイ探触子Cとを極めて短いサイクルで交互に作動させることにより、血管内腔径d1(血管内腔径の拡張率R)の測定と血流速度SPDの測定とを並行して行うことができる。また別の例として、電子制御装置28は、第1短軸用超音波アレイ探触子Aは用いずに、長軸用超音波アレイ探触子Cに血流速度SPDを測定するための作動と血管内腔径d1を測定するための作動とを極めて短いサイクルで交互に行わせることにより、血流速度SPDの測定と上記血管内腔径d1の測定とを並行して行うことができる。
図5は、血管機能検査装置22(血管機能評価部100)に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5に示すように、電子制御装置28内の血管機能評価部100(図1参照)は、血流速度分布測定部としての血流速度分布測定手段102と、粘度ずり速度関係算出部としての粘度ずり速度関係算出手段104と、血管径測定部としての血管径測定手段110と、血液ずり応力算出部としての血液ずり応力算出手段112と、指標値算出部としての指標値算出手段114とを備えている。また、粘度ずり速度関係算出手段104は、血液粘度分布算出部としての血液粘度分布算出手段106と、血液ずり速度分布算出部としての血液ずり速度分布算出手段108とを備えている。また、血液ずり応力算出手段112は、血流速度測定実施判断部としての血流速度測定実施判断手段116と、第1血流速度測定部としての第1血流速度測定手段118と、第1血液ずり速度算出部としての第1血液ずり速度算出手段120と、第1血液粘度算出部としての第1血液粘度算出手段122と、第1血液ずり応力算出部としての第1血液ずり応力算出手段124と、第2血流速度測定部としての第2血流速度測定手段126と、第2血液ずり速度算出部としての第2血液ずり速度算出手段128と、第2血液粘度算出部としての第2血液粘度算出手段130と、第2血液ずり応力算出部としての第2血液ずり応力算出手段132とを備えている。
血流速度分布測定手段102は、FMD評価における阻血開放前に、超音波によりドプラ効果を利用して非侵襲的に血管20内の血流速度分布DSを予め測定する。具体的には上記阻血開放前の安静時に上記血流速度分布DSを測定する。この安静時に測定された血流速度分布DSを安静時血流速度分布DS
RTという。血流速度分布測定手段102は安静時血流速度分布DS
RTを測定するが、詳細には、超音波プローブ24の長軸用超音波アレイ探触子Cで受信された超音波散乱波(反射波、エコー)を用いて断層像を作成して血管20位置を同定すると同時に、2次元断層面内の2次元速度ベクトル分布を求める。そして、その2次元速度ベクトル分布を安静時血流速度分布DS
RTとする。本実施例では、その求められる速度ベクトル分布は2次元でも3次元でも構わないが、簡潔な処理を行うため、2次元速度ベクトル分布を求めることとする。ある瞬間の血流速度分布DS(安静時血流速度分布DS
RT)を例示すれば、その血流速度分布DSは、図6のイメージ図に示す実線L01のようになる。血流速度分布測定手段102は、時間経過に従って少なくとも1心拍分の安静時血流速度分布DS
RTを連続的に又は間欠的に測定することが望ましい。ここで、上記2次元速度ベクトル分布または3次元速度ベクトル分布は、例えば、ある時間間隔をおいて時間的に連続する超音波断層像または3次元ボリューム像を2枚用いて、血球の移動量を相関法により求め、その移動量を2枚の像の時間間隔で除することにより求めることができる。また、別の例として、血流速度分布測定手段102は、よく知られたカラードプラ法と同様の方法で2次元速度ベクトルの1速度成分である超音波放射方向の速度成分を求め、それに直交するもう一方の速度成分を、予め記憶している下記式(1)で表される流体力学における非圧縮条件を用いて求めて、完全な2次元速度ベクトル分布を求めることもできる。このようにして、血流速度分布測定手段102は、生体14内の血管20に向けて放射された超音波により非侵襲的に血管20内の安静時血流速度分布DS
RTを、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定に先立って予め測定する。確認的に述べるが、血流速度分布測定手段102が安静時血流速度分布DS
RTを測定する際には、それに先立って、超音波プローブ24は血管20に対して前記所定の計測位置となるよう位置決めされている。なお、図7に示すように、下記式(1)の「x」は超音波ビーム軸に直交する方向の位置を表し、「y」は超音波ビーム軸方向(超音波放射方向)の位置を表す。また、「u」はx方向の速度成分を表し、「v」は上記超音波ビーム軸方向の速度成分すなわちy方向の速度成分を表す。
粘度ずり速度関係算出手段104は、前記阻血開放前に、血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係である粘度ずり速度関係VCSRを、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定に先立って予め算出する。その粘度ずり速度関係VCSRは血液ずり速度SRから直ちに血液粘度μを算出できるようにするために予め算出されるので、血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式であってもよいし、血液粘度μと血液ずり速度SRとの対応関係を示す表やグラフであってもよい。粘度ずり速度関係算出手段104は、粘度ずり速度関係VCSRを算出する場合には、先ず、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて血液の粘度分布DV(血液粘度分布DV)と血液のずり速度分布DSR(血液ずり速度分布DSR)とを算出する。具体的には、粘度ずり速度関係算出手段104が備える血液粘度分布算出手段106と血液ずり速度分布算出手段108とが以下のようにして、血液粘度分布DVと血液ずり速度分布DSRとを算出する。
血液粘度分布算出手段106は、下記式(2)及び式(3)で表される予め記憶された2次元のナビエ-ストークス方程式から、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DS
RTに基づいて計測対象の血管20内の血液の粘度分布DVを算出する。この安静時血流速度分布DS
RTに基づいて算出された血液粘度分布DVを安静時血液粘度分布DV
RTという。ある瞬間の血液粘度分布DV(安静時血液粘度分布DV
RT)を例示すれば、血液の持つ非ニュートン特性のために、その血液粘度分布DVは、図8のイメージ図に示す実線L02のようになる。なお、安静時血流速度分布DS
RTが3次元速度ベクトル分布である場合には、ナビエ-ストークス方程式は3次元のものが安静時血液粘度分布DV
RTの算出に用いられる。
ここで、上記式(2)と式(3)のx,y,u,vは前記式(1)のものと同じであり、「t」は時間、「p」は圧力、「ρ」は血液の密度、「ν」は動粘度(「動粘性率」ともいう)を表している。また、動粘度νは、血液の粘度(「粘性率」ともいう)を「μ」とすれば、上記式(4)で算出される。また、動粘度νは、上記式(2)及び上記式(3)からそれらの式に含まれる圧力「p」の項を微分演算により消去して導出された上記式(5)によって得ることができる。その式(5)の「ξ」は渦度で、上記式(6)で算出され、その式(6)から判るように速度ベクトル成分のみから定義される。
血液粘度分布算出手段106は、安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液粘度分布DVRTを算出する際には、血液が非圧縮性であると仮定し、図9に示すように血管20内の空間を仮想的に細分化された複数のサブ領域150に分割し、その1つのサブ領域150内では血液の密度ρおよび血液粘度μが一定であるとして、そのサブ領域150毎に前記ナビエ-ストークス方程式を適用する。そして、サブ領域150毎に算出した血液粘度μを統合することにより、安静時血液粘度分布DVRTを算出する。
血液ずり速度分布算出手段108は、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DS
RTに基づいて計測対象の血管20内の血液のずり速度分布DSRを算出する。具体的には、血液ずり速度分布算出手段108は、安静時血流速度分布DS
RT(2次元速度ベクトル分布)に基づいて2次元のひずみ速度テンソルを求め、2次元速度ベクトルの方向を接線方向とする流線に垂直な方向を血管20の法線方向として近似し、このように近似した血管20の法線方向を基軸として、前記2次元のひずみ速度成分を回転座標変換すること(図7の矢印AR1参照)により得られるせん断成分e
xy0を血液ずり速度SRとして抽出して、血液ずり速度分布DSRを算出する。この安静時血流速度分布DS
RTに基づいて算出された血液ずり速度分布DSRを安静時血液ずり速度分布DSR
RTという。ある瞬間の血液ずり速度分布DSR(安静時血液ずり速度分布DSR
RT)を例示すれば、その血液ずり速度分布DSRは、図10のイメージ図に示す実線L03のようになる。なお、上記せん断成分e
xy0は下記式(7)で表され、下記式(7)は血液ずり速度分布算出手段108に予め記憶されている。また、安静時血流速度分布DS
RTが3次元速度ベクトル分布である場合には、前記ひずみ速度テンソルは3次元のものが安静時血液ずり速度分布DSR
RTの算出に用いられる。また、下記式(7)のx
0,y
0,u
0,v
0は前記式(1)におけるx,y,u,vを回転座標変換したものであり(図7の矢印AR1参照)、図2及び図7に示すように、y
0軸は血管壁の法線方向に一致し、x
0軸は血管20の長手(長軸)方向に一致する。そして、y軸は超音波ビーム軸方向に一致し、x軸は超音波ビーム軸の直交方向に一致する。また、u
0はx
0方向の速度成分を表し、v
0はy
0方向の速度成分を表す。また、前述の図6、図8、および図10は何れもイメージ図であって実際の分布図とは必ずしも一致しない。図10は、その図の座標系において、安静時血流速度分布DS
RTの差分結果である安静時血液ずり速度分布DSR
RTの絶対値に基づき表されている。
血液ずり速度分布算出手段108は、安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液ずり速度分布DSRRTを算出する際には、安静時血液粘度分布DVRTの算出の場合と同様に、図9に示すように血管20内の空間を仮想的に細分化された複数のサブ領域150に分割し、そのサブ領域150毎に前記式(7)を適用し、サブ領域150毎の血液ずり速度SRとしてのせん断成分exy0を算出する。そして、サブ領域150毎に算出した血液ずり速度SR(exy0)を統合することにより、安静時血液ずり速度分布DSRRTを算出する。
このようにして血液粘度分布算出手段106と血液ずり速度分布算出手段108とが安静時血液粘度分布DVRTと安静時血液ずり速度分布DSRRTとを算出すると、粘度ずり速度関係算出手段104は、その安静時血液粘度分布DVRTと安静時血液ずり速度分布DSRRT内の血管20内に予め設定された複数点における抽出された血液粘度μと血液ずり速度SRとに基づいて粘度ずり速度関係VCSRを算出する。具体的には、以下のようにして上記抽出された血液粘度μと血液ずり速度SRとに基づいて粘度ずり速度関係VCSRを算出する。
粘度ずり速度関係算出手段104には、算出された安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRT内から血液粘度μ及び血液ずり速度SRの組合せを複数抽出するため、計測対象の血管20内に予め設定された複数点すなわち複数のサンプリング点が記憶されている。その複数のサンプリング点は、例えば、安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRTが算出される範囲の血管20内で任意に分散して設定されている。そして、粘度ずり速度関係算出手段104は、安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRT内から、その複数のサンプリング点のそれぞれにおいて血液粘度μ及び血液ずり速度SRを抽出する。その抽出された1組の血液粘度μ及び血液ずり速度SRは、上記サンプリング点において血管20内で空間的に相互に一致させて抽出されたものであるが、安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRTが瞬間的なものでは無く時間経過に従った連続的又は間欠的なものである場合には時間的にも相互に一致させて抽出される。
粘度ずり速度関係算出手段104は、上記複数のサンプリング点における血液粘度μと血液ずり速度SRとを抽出後、それらの抽出した血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係を表す或いはその関係と近似する1つの粘度ずり速度関係VCSRを算出する。この粘度ずり速度関係VCSRは、例えば、血液粘度μと血液ずり速度SRとをパラメータとする座標系において上記複数のサンプリング点における血液粘度μと血液ずり速度SRとを示す関係点を相互に結ぶ曲線(粘度ずり速度関係線)として算出され、或いは、その粘度ずり速度関係線を示す血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式(粘度ずり速度関係式)などとして算出される。また、上記複数のサンプリング点における血液粘度μと血液ずり速度SRとを示す関係点(粘度ずり速度関係点)を一の曲線で相互に結べない場合には、上記粘度ずり速度関係VCSRは最小2乗法などを用いた近似計算により算出され、具体的に言えば、上記粘度ずり速度関係線は上記複数のサンプリング点における上記粘度ずり速度関係点の近似点から構成された近似曲線となり、上記粘度ずり速度関係式はその近似曲線(粘度ずり速度関係線)を示す血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式となる。この粘度ずり速度関係VCSRの算出について、図11を例に説明する。
図11は、安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRT内から抽出された血液粘度μ及び血液ずり速度SRの関係を表す前記粘度ずり速度関係線を例示した図である。図11においては、3組の血液粘度μ及び血液ずり速度SRが抽出された例を示しており、比較対象としてヘマトクリット値(正常値)Ht0の正常な血液を有する健常者の血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係が実線L04で示されている。
図11では、例えば、3つのサンプリング点で血液粘度μ及び血液ずり速度SRがそれぞれ抽出されており、第1のサンプリング点PAでは血液粘度μAと血液ずり速度SRAとが抽出され、第2のサンプリング点PBでは血液粘度μBと血液ずり速度SRBとが抽出され、第3のサンプリング点PCでは血液粘度μCと血液ずり速度SRCとが抽出されている。そして、上記血液粘度μA,μB,μCと血液ずり速度SRA,SRB,SRCとを図11に表すと例えば破線L05で示す関係が構成される。図11では、この破線L05が前記複数のサンプリング点における血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係に基づく前記粘度ずり速度関係線であり、すなわち、この破線L05で示す血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係が前記粘度ずり速度関係VCSRである。
図11において、粘度ずり速度関係算出手段104が粘度ずり速度関係VCSRを前記粘度ずり速度関係式として算出する場合には、例えば、粘度ずり速度関係VCSR(破線L05)が下記式(8)で表されるものとして、前記複数のサンプリング点における血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係に基づき下記式(8)における定数「A」および「α」を求めることにより、下記式(8)で表される粘度ずり速度関係VCSRを算出する。
血管径測定手段110は、超音波プローブ24の第1短軸用超音波アレイ探触子Aから生体14内の血管20に向けて放射された超音波により画像を合成し、その画像から非侵襲的に血管内腔径d1を測定する。具体的には、血管径測定手段110は、FMD評価で、阻血開放後の血管20の径変化割合(血管内腔径d1の拡張率R)を測定するために、阻血開放前に安静時の血管内腔径da(安静径da)を予め測定し記録する。また、血管径測定手段110は、FMD評価のために、阻血開放後の予め定められた血管径測定期間TIME1内に血管内腔径d1を測定し、更に、その測定した血管内腔径d1と前記安静径daとから血管20の径変化割合Rを算出し測定する。例えば、血管径測定手段110は、図4に示されるように阻血開放時からその後変化する血管内腔径d1を上記血管径測定期間TIME1にわたって時間経過に従って連続的に測定する。或いは、阻血開放時を基準として血管内腔径d1が略最大になると予測される測定時点を1又は2以上実験的に求めておき、その測定時点で血管内腔径d1を測定してもよい。前記血管径測定期間TIME1は、阻血開放後の血管内腔径d1の最大値dMAXを測定するために阻血開放時を基準として実験的に設定され血管径測定手段110に記憶された血管内腔径d1の測定時間であり、図4に示すように血管内腔径d1がその最大値dMAXに到達する時点(t3時点)を含み且つ阻血開放時(t1時点)から開始する。
本実施例では、前述したように阻血開放前に粘度ずり速度関係VCSRが予め算出されるが、阻血開放後には、その粘度ずり速度関係VCSRが用いられて血流速度SPDの測定に対しリアルタイム処理でその血流速度SPDに基づき血液ずり応力SSが算出される。この点について説明する。
血液ずり応力算出手段112は、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に血管20内の血流速度SPDを測定し、前記粘度ずり速度関係VCSRを用いてその測定した血流速度SPDに基づき血液ずり応力SSを算出する。この血流速度SPDの測定から血液ずり応力SSの算出までの工程は、血管径測定手段110による血管20の径変化割合(血管内腔径d1の拡張率R)の測定と並行して行われる。具体的には、以下のようにして血液ずり応力SSがリアルタイム処理で算出される。
血流速度測定実施判断手段116は、血液ずり応力算出手段112が、血流速度SPDを測定する血流速度測定手段として第1血流速度測定手段118と第2血流速度測定手段126とを備えているので、その何れの血流速度測定手段で血流速度SPDを測定するかを判断するために設けられた判断手段である。血流速度測定実施判断手段116は、予め定められた演算方式切換条件が満たされたか否かを判断する。その演算方式切換条件は、第1血流速度測定手段118と第2血流速度測定手段126との何れで血流速度SPDを測定すべきか判断するために設定された判断条件であって、第2血流速度測定手段126で血流速度SPDが測定された方が第1血流速度測定手段118で測定されるよりもその後の演算負荷が大きくなる可能性が高いことから、阻血開放後の血液ずり応力SSを算出するための演算負荷を予測するために設定された判断条件である。具体的に本実施例では、その演算方式切換条件は、阻血開放時の脈拍数PR(阻血開放時脈拍数PR)が予め定められた脈拍数判定値PR1以上であることとされており、すなわち、その演算方式切換条件が満たされた場合とは、その阻血開放時脈拍数PRが上記脈拍数判定値PR1以上である場合である。つまり、血流速度測定実施判断手段116は、上記阻血開放時脈拍数PRが上記脈拍数判定値PR1以上である場合に上記演算方式切換条件が満たされたと判断する一方で、阻血開放時脈拍数PRが脈拍数判定値PR1未満である場合には上記演算方式切換条件が満たされなかったと判断する。その阻血開放時脈拍数PRは、それが大きいほど阻血開放後の血流速度SPDの変動が大きくその血流速度SPDから血液ずり応力SSが算出されるまでの演算負荷も大きくなると予測されるので、上記演算方式切換条件を構成する指標値として採用されている。従って、上記脈拍数判定値PR1は、予測される阻血開放後の上記演算負荷を判断するための判定値である。上記阻血開放時脈拍数PRは、好適には、阻血開放時から血流速度SPDが測定されるようにするため、脈拍の測定時間や判断時間を考慮して、阻血開放直前である阻血開放時の所定時間前に測定される、例えば、カフ圧制御部56からの前記カフ圧を大気圧にして阻血開放を指令する制御信号が出力される上記所定時間前に測定される。なお、生体14の脈拍数は、例えば脈拍計や心電計などで検出できる。
第1血流速度測定手段118は、血流速度測定実施判断手段116により阻血開放時脈拍数PRが脈拍数判定値PR1以上であると判断された場合には、前記阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血管径測定手段110による血管20の径変化割合Rの測定と並行して非侵襲的に血管20内の平均血流速度SPDAVG(=血流量/血管断面積)を測定する。例えば、第1血流速度測定手段118は、阻血開放時から直ちに時間経過に従って血管径測定期間TIME1が経過するまで、連続的に又は所定の時間間隔毎に平均血流速度SPDAVGを測定する。具体的に、第1血流速度測定手段118は、その平均血流速度SPDAVGを測定する場合、血流速度分布測定手段102と同様の方法で血流速度分布DSを測定し、その血流速度分布DSから平均血流速度SPDAVGを算出して測定する。そして、その平均血流速度SPDAVGを例えば阻血開放時からそれの測定時までの経過時間と共に、記憶装置等に記憶する。例えば、第1血流速度測定手段118は、血流速度分布DS内の血流速度SPDを血管断面積全体にわたって積分しそれを血管断面積で割ることにより平均血流速度SPDAVGを算出してもよいし、或いは、血流速度分布DSにおける血管20内の特定箇所(例えば血管中心)の血流速度SPDに予め実験的に求めておいた補正係数を乗ずることにより平均血流速度SPDAVGを算出してもよい。第1血流速度測定手段118が測定する平均血流速度SPDAVGは、瞬間的な血流速度分布DSから求められる血流速度SPDの平均値(瞬間平均値)でもよいが、演算負荷軽減のため、本実施例では上記血流速度SPDの瞬間平均値を更に1心拍中で平均した1心拍毎の血流速度SPDの平均値である。従って、本実施例の第1血流速度測定手段118は、1心拍毎に平均血流速度SPDAVGの測定結果を出力することになる、換言すれば、1心拍毎に平均血流速度SPDAVGを測定することになる。
第1血液ずり速度算出手段120は、第1血流速度測定手段118に測定された平均血流速度SPD
AVGに基づいて血液ずり速度SRを算出する。第1血液ずり速度算出手段120は、この血液ずり速度SRの算出を、第1血流速度測定手段118による平均血流速度SPD
AVGの測定に対しリアルタイム処理で行う。本実施例で血液ずり速度SRの算出方法に特に限定はないが、計測対象の血管20内の血流速度分布DSは略層流分布になるので、第1血液ずり速度算出手段120は、下記式(9)に示すように、平均血流速度SPD
AVGを血管径(例えば、血管内腔径d
1)で割ったものを血液ずり速度SRとする。上記血液ずり速度SRの算出に用いられる血管内腔径d
1は、その血液ずり速度SRの算出の基になる上記平均血流速度SPD
AVGの測定と時間的に同期して血管径測定手段110により測定されたものである。1心拍中に実際の血管内腔径d
1は変動するが、上記血液ずり速度SRの算出に用いられる血管内腔径d
1としては、それが採用される条件が予め定まっておればよく、例えば、1心拍毎の平均値や最大値などが採用される。
第1血液粘度算出手段122は、粘度ずり速度関係算出手段104により予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSRから、第1血液ずり速度算出手段120により算出された血液ずり速度SRに基づいて血液粘度μを算出する。第1血液粘度算出手段122は、この血液粘度μの算出を、第1血液ずり速度算出手段120が血液ずり速度SRを算出する毎に行う、すなわち、第1血流速度測定手段118による平均血流速度SPDAVGの測定に対しリアルタイム処理で行う。
第1血液ずり応力算出手段124は、第1血液ずり速度算出手段120により算出された血液ずり速度SRと第1血液粘度算出手段122により算出された血液粘度μとに基づいて血液ずり応力SSを算出する。具体的には、第1血液ずり応力算出手段124は、下記式(10)で表されるニュートン粘性法則式を予め記憶しており、そのニュートン粘性法則式から、上記算出された血液ずり速度SRと血液粘度μとに基づいて血液ずり応力SSを算出する。第1血液ずり応力算出手段124は、この血液ずり応力SSの算出を、第1血液ずり速度算出手段120が血液ずり速度SRを算出し第1血液粘度算出手段122が血液粘度μを算出する毎に行う、すなわち、第1血流速度測定手段118による平均血流速度SPD
AVGの測定に対しリアルタイム処理で行う。言い換えれば、第1血液ずり応力算出手段124は、第1血流速度測定手段118が1心拍毎に平均血流速度SPD
AVGの測定結果を出力するので、前記血管径測定期間TIME1内に1心拍毎に血液ずり応力SSを算出する。血液ずり応力SSは1心拍中でも変動する状態量であるところ、このようにして第1血液ずり応力算出手段124により算出された血液ずり応力SSは、1心拍毎の血流速度SPDの平均値として測定された平均血流速度SPD
AVGに基づいて算出されたものであるので、1心拍毎に時間的に平均された1心拍平均ずり応力SS
AVGであると言える。なお、第1血液ずり応力算出手段124は、例えば、このようにして血液ずり応力SSを算出する毎に直ちにその血液ずり応力SSをモニタ画面表示装置30に表示する。
第2血流速度測定手段126は、血流速度測定実施判断手段116により阻血開放時脈拍数PRが脈拍数判定値PR1未満であると判断された場合には、前記阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血管径測定手段110による血管20の径変化割合Rの測定と並行して非侵襲的に血管20内の血流速度分布DSを測定する。そして、その測定した血流速度分布DSを例えば阻血開放時からそれの測定時までの経過時間と共に、記憶装置等に記憶する。この阻血開放後に測定された血流速度分布DSを阻血開放後血流速度分布DS2という。例えば、第2血流速度測定手段126は、阻血開放時から直ちに時間経過に従って血管径測定期間TIME1が経過するまで、連続的に阻血開放後血流速度分布DS2を測定する。具体的に、第2血流速度測定手段126は、その阻血開放後血流速度分布DS2を測定する場合、血流速度分布測定手段102と同様の方法で測定する。
第2血液ずり速度算出手段128は、第2血流速度測定手段126に測定された阻血開放後血流速度分布DS2に基づいて血液ずり速度SRの最大値SR2MAXを算出する。具体的に、第2血液ずり速度算出手段128は、血液ずり速度分布算出手段108と同様の方法で阻血開放後血流速度分布DS2に基づいて血液ずり速度分布DSRを算出した上で、その血液ずり速度分布DSR内の血液ずり速度SRの最大値SR2MAXを抽出してそれを算出する。例えば、血管20の壁際の血液ずり速度SRが最大値になるものと考えられるので、上記血液ずり速度分布DSR内において、予め定められた血管壁際の所定位置の血液ずり速度SRをそれの最大値SR2MAXとして算出してもよい。また、第2血液ずり速度算出手段128は、この血液ずり速度SRの最大値SR2MAXの算出を、第2血流速度測定手段126による阻血開放後血流速度分布DS2の測定に対しリアルタイム処理で行う。
第2血液粘度算出手段130は、粘度ずり速度関係算出手段104により予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSRから、第2血液ずり速度算出手段128により算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXに基づいて血液粘度μを算出する。第2血液粘度算出手段130は、この血液粘度μの算出を、第2血液ずり速度算出手段128による上記血液ずり速度SRの最大値SR2MAXの算出に対しリアルタイム処理で行う。すなわち、第2血液粘度算出手段130は、この血液粘度μの算出を、第2血流速度測定手段126による阻血開放後血流速度分布DS2の測定に対しリアルタイム処理で行うことになる。
第2血液ずり応力算出手段132は、第2血液ずり速度算出手段128により算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXと第2血液粘度算出手段130により算出された血液粘度μとに基づいて前記血管径測定期間TIME1内に血液ずり応力SSを算出する。具体的には、第2血液ずり応力算出手段132は、前記式(10)で表されるニュートン粘性法則式を予め記憶しており、そのニュートン粘性法則式から、上記算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXと血液粘度μとに基づいて血液ずり応力SSを算出する。第2血液ずり応力算出手段132は、この血液ずり応力SSの算出を、第2血液ずり速度算出手段128による上記血液ずり速度SRの最大値SR2MAXの算出および第2血液粘度算出手段130による上記血液粘度μの算出に対しリアルタイム処理で行う。すなわち、第2血液ずり応力算出手段132は、この血液ずり応力SSの算出を、第2血流速度測定手段126による阻血開放後血流速度分布DS2の測定に対しリアルタイム処理で行うことになる。例えば、第2血液ずり応力算出手段132は、第2血流速度測定手段126が連続的に阻血開放後血流速度分布DS2を測定すれば、それに合わせて連続的に血液ずり応力SSを算出する。なお、第2血液ずり応力算出手段132は、例えば、血液ずり応力SSを算出すると直ちにリアルタイムでその血液ずり応力SSをモニタ画面表示装置30に表示する。
ここで、上記血液ずり応力SSの算出の基礎になる阻血開放後血流速度分布DS2は瞬間的なものであるので、その血液ずり応力SSもその阻血開放後血流速度分布DS2と同様に瞬時値である。そこで、第2血液ずり応力算出手段132は、算出する血液ずり応力SSを1心拍毎に時間的に平均して、その1心拍毎の平均値を1心拍平均ずり応力SSAVGとして算出する。例えば、1心拍の時間内の血液ずり応力SSを描画してそれを時間で積分し、その積分値を上記1心拍の時間で割った値を1心拍平均ずり応力SSAVGとする。第2血液ずり応力算出手段132は、この1心拍平均ずり応力SSAVGの算出を、前記血管径測定期間TIME1内で1心拍毎に、第2血流速度測定手段126による阻血開放後血流速度分布DS2の測定の進行に合わせてリアルタイム処理で行う。そして、第2血液ずり応力算出手段132は、例えば、上記1心拍平均ずり応力SSAVGを算出すると直ちにリアルタイムでその1心拍平均ずり応力SSAVGをモニタ画面表示装置30に表示する。なお、前記第1血液ずり応力算出手段124により算出される1心拍平均ずり応力SSAVGと前記第2血液ずり応力算出手段132により算出される1心拍平均ずり応力SSAVGとを区別して表現する場合には、第1血液ずり応力算出手段124により算出される1心拍平均ずり応力SSAVGをSS1AVGと表し、第2血液ずり応力算出手段132により算出される1心拍平均ずり応力SSAVGをSS2AVGと表すこととする。
指標値算出手段114は、前記血管径測定期間TIME1の経過後、すなわち、阻血開放後の血管径測定手段110による血管内腔径d1の測定終了後に、血管径測定手段110により測定された血管20の径変化割合Rからそれの最大値RMAX(%)[=100×(dMAX−da)/da]を算出する。そして、第1血液ずり応力算出手段124または第2血液ずり応力算出手段132により算出された血液ずり応力SSに関連する値SSX(血液ずり応力関連値SSX)と上記算出した阻血開放後の血管20の径変化割合の最大値RMAX(血管径変化割合最大値RMAX)との比を算出し、それをモニタ画面表示装置30に表示する。その血液ずり応力関連値SSXと前記阻血開放後の血管径変化割合最大値RMAXとの比は何れが分母とされる値でもよいが、例えば、指標値算出手段114は、血液ずり応力関連値SSXを分母としてその比を算出する。また、上記血液ずり応力関連値SSXとしては、例えば、第1血液ずり応力算出手段124または第2血液ずり応力算出手段132により算出された血液ずり応力SSの最大値、阻血開放直後または阻血開放時から所定時間経過後における1心拍平均ずり応力SSAVGまたは所定心拍数での血液ずり応力SSの平均値などが考えられる。
図12は、血管機能検査装置22(電子制御装置28)の制御作動の要部、すなわち、阻血開放前の安静時での測定結果から粘度ずり速度関係VCSRを算出する制御作動を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、阻血開放前の安静時に実行される。
先ず、血流速度分布測定手段102及び血管径測定手段110に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、阻血開放前の安静時に、超音波プローブ24の第1短軸用超音波アレイ探触子Aから生体14内の血管20に向けて放射された超音波により画像が合成され、その画像から非侵襲的に安静径daが測定され記録される。また、阻血開放前の安静時に、超音波プローブ24の長軸用超音波アレイ探触子Cから生体14内の血管20に向けて放射された超音波により安静時血流速度分布DSRTが測定される。なお、血管内腔径d1の測定には図7のy0軸方向に送受信したエコーが用いられ、血流速度SPDの測定には図7のy軸方向に送受信したエコーが用いられる。
血液粘度分布算出手段106に対応するSA2においては、SA1で測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液粘度分布DVRTが算出される。
血液ずり速度分布算出手段108に対応するSA3においては、SA1で測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液ずり速度分布DSRRTが算出される。
粘度ずり速度関係算出手段104に対応するSA4においては、前記粘度ずり速度関係VCSRが、上記安静時血液粘度分布DVRTと安静時血液ずり速度分布DSRRT内の血管20内に予め設定された複数点における抽出された血液粘度μと血液ずり速度SRとに基づいて算出される。上記粘度ずり速度関係VCSRは阻血開放前に算出される。粘度ずり速度関係VCSRは、例えば、前記式(8)のような血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式として算出されるものである。
図13は、血管機能検査装置22(電子制御装置28)の制御作動の要部、すなわち、阻血開放後において、血流速度SPDの測定に対しリアルタイム処理で血液ずり応力SSを算出する制御作動を説明するためのフローチャートである。この図13のフローチャートは、図12のSA4での粘度ずり速度関係VCSRの算出後に実行されるものである。なお、図13のフローチャートは、上記SA4で算出される粘度ずり速度関係VCSRの精度を高く維持するため、図12のSA1での安静時血流速度分布DSRTの測定完了後できるだけ早く開始されることが望ましい。
血流速度測定実施判断手段116に対応するSB1においては、前記阻血開放時脈拍数PRが前記脈拍数判定値PR1以上であるか否かが判断される。上記阻血開放時脈拍数PRは、SB3またはSB5で阻血開放時から血流速度SPDが測定できるようにするため、詳細には、阻血開放直前である阻血開放時の所定時間前に測定され、阻血開放直前にSB1の判断がなされる。このSB1の判断が肯定された場合、すなわち、上記阻血開放時脈拍数PRが上記脈拍数判定値PR1以上である場合には、SB2に移る。一方、このSB1の判断が否定された場合には、SB4に移る。
SB2においては、FMD評価の阻血開放が行われたか否かが判断される。例えば、SB2では、カフ圧制御部56(カフ圧制御手段56)が阻血開放を実行するために前記カフ圧を大気圧にする制御信号を出力した場合に上記阻血開放が行われたと判断される。図4のタイムチャートで言えば、t1時点の前ではSB2の判断は否定されており、t1時点でSB2の判断が肯定判断に切り替わる。このSB2の判断が肯定された場合、すなわち、上記阻血開放が行われた場合に、SB3が実行される。
SB3においては、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定、血管20内の平均血流速度SPDAVGの測定、及び、その平均血流速度SPDAVGに基づくリアルタイム処理での血液ずり応力SSの算出が行われる。具体的に、SB3では、図14のフローチャートで示す制御作動が実行される。
図14は、図13のSB3で実行される制御作動の要部、すなわち、阻血開放後に血管20の径変化割合R及び平均血流速度SPDAVGを測定しその平均血流速度SPDAVGに基づいてリアルタイム処理で血液ずり応力SSを算出する制御作動を説明するためのフローチャートである。そして、図14のフローチャートは、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図14のSC1においては、血管内腔径d1が測定され、更に、その測定された血管内腔径d1と前記安静径daとから血管20の径変化割合Rが算出され測定される。また、上記血管20の径変化割合Rの測定と並行して、血管20内の平均血流速度SPDAVGが測定され記録される。本実施例では、上記平均血流速度SPDAVGは、血管20内の血流速度SPDの瞬間的な平均値を更に1心拍中で平均した1心拍毎の血流速度SPDの平均値である。なお、SC1は、血管径測定手段110及び第1血流速度測定手段118に対応する。
第1血液ずり速度算出手段120に対応するSC2においては、血液ずり速度SRが、上記SC1で測定された平均血流速度SPDAVGに基づいてリアルタイム処理で算出される。
第1血液粘度算出手段122に対応するSC3においては、血液粘度μが、図12のSA4で予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSR(例えば血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式)から、上記SC2で算出された血液ずり速度SRに基づいてリアルタイム処理で算出される。
第1血液ずり応力算出手段124に対応するSC4においては、血液ずり応力SSが、前記式(10)で表されるニュートン粘性法則式から、上記SC2で算出された血液ずり速度SRと上記SC3で算出された血液粘度μとに基づいてリアルタイム処理で算出される。
第1血液ずり応力算出手段124に対応するSC5においては、SC4で算出された血液ずり応力SSが記憶装置等に記録され、算出されれば直ちにモニタ画面表示装置30に表示される。ここで、SC4で算出される血液ずり応力SSは、1心拍毎の血流速度SPDの平均値として測定された平均血流速度SPDAVGに基づいて算出されたものであるので、前記1心拍平均ずり応力SSAVGであると言える。
SC6においては、FMD評価における阻血開放後の血管内腔径d1の測定(径変化割合Rの測定)が終了したか否かが判断される。具体的には、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1が経過すれば血管内腔径d1の測定は終了するので、その血管径測定期間TIME1が経過したか否かが判断される。このSC6の判断が肯定された場合、すなわち、上記血管径測定期間TIME1が経過した場合には、図14のフローチャートは終了する。一方、このSC6の判断が否定された場合には、SC1に戻る。従って、前記SC1からSC5までのステップが、阻血開放後の上記血管径測定期間TIME1が経過するまで繰り返し実行される。
図13に戻り、SB4においては、前述のSB2と同様に、FMD評価の阻血開放が行われたか否かが判断される。このSB4の判断が肯定された場合、すなわち、上記阻血開放が行われた場合に、SB5が実行される。
SB5においては、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定、血管20内の阻血開放後血流速度分布DS2の測定、及び、その阻血開放後血流速度分布DS2に基づくリアルタイム処理での血液ずり応力SSの算出が行われる。具体的に、SB5では、図15のフローチャートで示す制御作動が実行される。
図15は、図13のSB5で実行される制御作動の要部、すなわち、阻血開放後に血管20の径変化割合R及び阻血開放後血流速度分布DS2を測定しその阻血開放後血流速度分布DS2に基づいてリアルタイム処理で血液ずり応力SSを算出する制御作動を説明するためのフローチャートである。そして、図15のフローチャートは、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図15のSD1においては、血管内腔径d1の測定(径変化割合Rの測定)が行われる。これは、図14のSC1と同様である。また、上記血管20の径変化割合Rの測定と並行して、血管20内の阻血開放後血流速度分布DS2が測定され記録される。なお、SD1は、血管径測定手段110及び第2血流速度測定手段126に対応する。
第2血液ずり速度算出手段128に対応するSD2においては、血液ずり速度SRの最大値SR2MAXが、上記SD1で測定された阻血開放後血流速度分布DS2に基づいてリアルタイム処理で算出される。具体的には、阻血開放後血流速度分布DS2に基づいて算出された血液ずり速度分布DSR内から、血液ずり速度SRの最大値SR2MAXが算出される。例えば、その血液ずり速度分布DSR内の血液ずり速度SRは、血管20の壁際で最大値になるものと考えられる。
第2血液粘度算出手段130に対応するSD3においては、血液粘度μが、図12のSA4で予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSR(例えば血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式)から、上記SD2で算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXに基づいてリアルタイム処理で算出される。
SD4においては、血液ずり応力SSが、前記式(10)で表されるニュートン粘性法則式から、上記SD2で算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXと上記SD3で算出された血液粘度μとに基づいてリアルタイム処理で算出される。
SD5においては、上記SD4で算出された血液ずり応力SSが1心拍毎に時間的に平均されて、その1心拍毎の平均値が1心拍平均ずり応力SSAVGとして算出される。例えば、上記SD4で算出された血液ずり応力SSが1心拍の時間内で経過時間に従って連続的に描画されてそれが時間で積分され、その積分値を上記1心拍の時間で割った値が上記1心拍平均ずり応力SSAVGとされる。
SD6においては、SD4で算出された血液ずり応力SS及びSD5で算出された1心拍平均ずり応力SSAVGが記憶装置等に記録され、それらが算出されれば直ちにモニタ画面表示装置30に表示される。なお、SD4、SD5、及びSD6は第2血液ずり応力算出手段132に対応する。
SD7においては、図14のSC6と同様に、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1が経過したか否かが判断される。このSD7の判断が肯定された場合、すなわち、上記血管径測定期間TIME1が経過した場合には、図15のフローチャートは終了する。一方、このSD7の判断が否定された場合には、SD1に戻る。従って、前記SD1からSD6までのステップが、阻血開放後の上記血管径測定期間TIME1が経過するまで繰り返し実行される。
図13に戻り、指標値算出手段114に対応するSB6においては、SB3またはSB5での測定結果乃至は算出結果から血管拡張機能に関する指標値が算出される。具体的には、SB3またはSB5で測定された血管20の径変化割合Rからそれの最大値RMAXが算出される。そして、SB3またはSB5での算出結果から導出される前記血液ずり応力関連値SSXと阻血開放後の上記血管20の径変化割合の最大値RMAXとの比が算出され、それがモニタ画面表示装置30に表示される。
本実施例には次のような効果(A1)乃至(A10)がある。(A1)本実施例によれば、(a)血管径測定手段110は、阻血開放後の予め定められた血管径測定期間TIME1内に生体14内の血管20に向けて放射された超音波により非侵襲的にその血管20の径変化割合R(内腔径の拡張率R)を測定し、(b)血流速度分布測定手段102は、阻血開放前に超音波により非侵襲的に血管20内の血流速度分布DS(安静時血流速度分布DSRT)を予め測定し、(c)粘度ずり速度関係算出手段104は、その阻血開放前に、血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係である前記粘度ずり速度関係VCSRを、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定に先立って予め算出し、(d)血液ずり応力算出手段112は、上記阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に血管20の径変化割合Rの測定と並行して血管20内の血流速度を測定し、前記粘度ずり速度関係VCSRを用いてその測定した血流速度SPDに基づき血液ずり応力SSを算出する。従って、検査対象の血管20内を血液が流れている状態を基にして、その血管20及び血液に個別的に合わせた上記粘度ずり速度関係VCSRを算出することが可能である。そのため、この粘度ずり速度関係VCSRが用いられて算出される血液ずり応力SSを精度良く算出することが可能である。また、時空間的に一貫した血液粘度μ及び血液ずり応力SSの評価が可能になる。また、一度、上記粘度ずり速度関係VCSRが算出されれば、その後は、軽い演算負荷で血液ずり応力SSを算出することができる。また、阻血開放後の血管径の拡張はずり応力を刺激として生じる反応であるので、例えば、その刺激量を示す血液ずり応力SSを基準として複数のFMD検査結果を比較評価できる。また、その刺激量を示す血液ずり応力SSでFMD検査結果を補正することも可能となり、血液ずり応力SSが算出されることでFMD検査の繰り返し精度の向上を図ることが可能である。
また、血流速度分布測定手段102は、前記阻血開放前に安静時血流速度分布DSRTを測定し、粘度ずり速度関係算出手段104は、前記阻血開放前に前記粘度ずり速度関係VCSRを算出するので、上記阻血開放時(図4のt1時点)にはその粘度ずり速度関係VCSRが定まっていることになる。従って、阻血開放後に血流速度SPDの測定から血液粘度μが算出されるまでの過程で演算負荷の大きい計算、例えば前記ナビエ-ストークス方程式に沿った計算をする必要が無いので、FMD検査などにおいて、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定と並行して、軽い演算負荷で血液ずり応力SSをリアルタイム処理で算出することが可能になる。また、このように血液ずり応力SSがリアルタイム処理で算出されれば、測定中においても直ちにその血液ずり応力SSが得られ、速やかにFMD検査における指標値を得ることが可能となる。
(A2)また、本実施例によれば、血液ずり応力算出手段112は、第1血流速度測定手段118と第1血液ずり速度算出手段120と第1血液粘度算出手段122と第1血液ずり応力算出手段124とを備えている。そして、(a)第1血流速度測定手段118は、前記阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血管径測定手段110による血管20の径変化割合Rの測定と並行して血管20内の平均血流速度SPDAVGを測定し、(b)第1血液ずり速度算出手段120は、第1血流速度測定手段118に測定された平均血流速度SPDAVGに基づいて血液ずり速度SRを算出し、(c)第1血液粘度算出手段122は、粘度ずり速度関係算出手段104により予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSRから、第1血液ずり速度算出手段120により算出された血液ずり速度SRに基づいて血液粘度μを算出し、(d)第1血液ずり応力算出手段124は、第1血液ずり速度算出手段120により算出された血液ずり速度SRと第1血液粘度算出手段122により算出された血液粘度μとに基づいて血液ずり応力SSを算出する。従って、前記平均血流速度SPDAVGの測定により、その測定から血液粘度μが算出されて血液ずり応力SSが算出されるまでの過程で例えば血液ずり速度分布DSRが算出される必要がないので、演算負荷を軽くすることが可能である。従って、高い演算能力を要求せずに、阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定や平均血流速度SPDAVGの測定と並行して血液ずり応力SSをリアルタイム処理で算出することができる。
(A3)また、本実施例によれば、第1血液ずり速度算出手段120は、前記式(9)に示すように、平均血流速度SPDAVGを血管径(例えば、血管内腔径d1)で割ったものを血液ずり速度SRとするので、その平均血流速度SPDAVGから直ちに血液ずり速度SRを算出することができ、その演算負荷を軽くすることが可能である。その結果として、電子制御装置28は、軽い演算負荷で平均血流速度SPDAVGの測定と並行して血液ずり応力SSをリアルタイム処理で算出することができる。
(A4)また、本実施例によれば、平均血流速度SPDAVGは、1心拍毎の血流速度SPDの平均値であるので、第1血液ずり応力算出手段124は血液ずり応力SSを1心拍毎に算出することとなり、1心拍中に複数回血液ずり応力SSの算出が行われる場合と比較して演算負荷を軽くすることが可能である。
(A5)また、本実施例によれば、第1血液ずり応力算出手段124は、前記血管径測定期間TIME1内に1心拍毎に血液ずり応力SSを算出するので、軽い演算負荷でリアルタイムに上記血液ずり応力SSが算出され、その後、その血液ずり応力SSを用いて速やかにFMD検査における指標値を得ることが可能である。
(A6)また、本実施例によれば、粘度ずり速度関係算出手段104は、それが備える血液粘度分布算出手段106と血液ずり速度分布算出手段108とによって、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DSRTに基づき血液粘度分布DV(安静時血液粘度分布DVRT)と血液ずり速度分布DSR(安静時血液ずり速度分布DSRRT)とを算出し、その安静時血液粘度分布DVRTと安静時血液ずり速度分布DSRRT内の血管20内に予め設定された複数点における抽出された血液粘度μと血液ずり速度SRとに基づいて前記粘度ずり速度関係VCSRを算出する。従って、検査対象の血管20及びその血管20内で流れている血液に個別的に合わせた上記粘度ずり速度関係VCSRを一層正確に算出することが可能である。そのため、この粘度ずり速度関係VCSRが用いられて算出される血液ずり応力SSを精度良く算出することが可能である。
(A7)また、本実施例によれば、血液粘度分布算出手段106は、前記式(2)及び式(3)で表される予め記憶されたナビエ-ストークス方程式から、血流速度分布測定手段102により測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて計測対象の血管20内の安静時血液粘度分布DVRTを算出する。従って、実用的な血管機能検査装置において上記安静時血流速度分布DSRTに基づいて上記安静時血液粘度分布DVRTを算出することができる。
(A8)また、本実施例によれば、(a)第2血流速度測定手段126は、前記阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血管径測定手段110による血管20の径変化割合Rの測定と並行して血管20内の血流速度分布DS(阻血開放後血流速度分布DS2)を測定し、(b)第2血液ずり速度算出手段128は、第2血流速度測定手段126に測定された阻血開放後血流速度分布DS2に基づいて血液ずり速度SRの最大値SR2MAXを算出し、(c)第2血液粘度算出手段130は、粘度ずり速度関係算出手段104により予め阻血開放前に算出されている前記粘度ずり速度関係VCSRから、第2血液ずり速度算出手段128により算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXに基づいて血液粘度μを算出し、(d)第2血液ずり応力算出手段132は、第2血液ずり速度算出手段128により算出された血液ずり速度SRの最大値SR2MAXと第2血液粘度算出手段130により算出された血液粘度μとに基づいて前記血管径測定期間TIME1内に血液ずり応力SSを算出する。そして、血流速度測定実施判断手段116により判断される前記予め定められた演算方式切換条件が満たされた場合には第1血流速度測定手段118が前記平均血流速度SPDAVGを測定する一方で、上記予め定められた演算方式切換条件が満たされなかった場合には第2血流速度測定手段126が前記阻血開放後血流速度分布DS2を測定する。従って、第2血液ずり応力算出手段132により算出される血液ずり応力SSは、第1血液ずり応力算出手段124により算出される場合と比較して高精度であるがその算出までの演算負荷が大きくなるものと考えられるところ、例えば阻血開放後に予測される演算負荷などに応じて、上記予め定められた演算方式切換条件により、血液ずり応力SSがどのように算出されるかを切り換えることが可能である。
(A9)また、本実施例によれば、指標値算出手段114は、前記血管径測定期間TIME1の経過後に、血管径測定手段110により測定された血管20の径変化割合Rからそれの最大値RMAX(血管径変化割合最大値RMAX)を算出し、第1血液ずり応力算出手段124または第2血液ずり応力算出手段132により算出された血液ずり応力SSに関連する値SSXと上記算出した血管径変化割合最大値RMAXとの比を算出する。従って、前記阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定結果を、血液ずり応力SSを基準として評価できる。例えば、血液ずり応力SSを基準として複数のFMD検査結果を比較評価できる。
(A10)また、本実施例によれば、図2に示すように、超音波を血管20に向けて放射する超音波プローブ24は、複数個の超音波発振子が直線的に血管20の長手方向(x0軸方向)に配列された長軸用超音波アレイ探触子Cと、複数個の超音波発振子が直線的に血管20の長手方向とは直交して配列された第1短軸用超音波アレイ探触子A及び第2短軸用超音波アレイ探触子Bとを備えている。そして、長軸用超音波アレイ探触子Cからの超音波により血管20内の血流速度SPDが測定され、第1短軸用超音波アレイ探触子Aからの超音波により血管径が測定される。従って、実用化されている超音波プローブ24を用いて、上記血流速度SPD(例えば平均血流速度SPDAVG、血流速度分布DSなど)の測定と上記血管径の測定とを並行して行うことができる。また、本実施例では、第1短軸用超音波アレイ探触子Aは用いずに、長軸用超音波アレイ探触子Cに血流速度SPDを測定するための作動と血管内腔径d1(血管径)を測定するための作動とを極めて短いサイクルで交互に行わせてもよく、そのようにした場合も同様である。
続いて、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の第1実施例は、FMD評価において、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血液ずり応力SSが、平均血流速度SPDAVGまたは阻血開放後血流速度分布DS2の測定に対してリアルタイム処理で算出されるものであるが、本実施例では、血液ずり応力SSがリアルタイム処理では算出されずに、平均血流速度SPDAVGの測定が全て完了した後にバッチ処理で算出される。以下、第1実施例と共通する点の説明は省略し、主として第1実施例と異なる点について説明する。
図16は、血管機能検査装置22(血管機能評価部100)に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、第1実施例の図5に相当する図である。図16の粘度ずり速度関係算出手段204は、基本的には第1実施例の粘度ずり速度関係算出手段104と同じであるが、その粘度ずり速度関係算出手段104と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後、すなわち、その阻血開放後の血管径測定手段110による血管内腔径d1の測定終了後に前記粘度ずり速度関係VCSRを算出する。血液ずり応力SSがバッチ処理で算出される本実施例では、前記粘度ずり速度関係VCSRは阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定に先立って予め算出されている必要がないからである。
上述のような前記粘度ずり速度関係VCSRの算出時期の違いから、粘度ずり速度関係算出手段204に備えられた血液粘度分布算出手段206は、基本的には第1実施例の血液粘度分布算出手段106と同じであるが、その血液粘度分布算出手段106と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に前記安静時血液粘度分布DVRTを算出する。
また、粘度ずり速度関係算出手段204に備えられた血液ずり速度分布算出手段208は、基本的には第1実施例の血液ずり速度分布算出手段108と同じであるが、その血液ずり速度分布算出手段108と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に前記安静時血液ずり速度分布DSRRTを算出する。
血液ずり応力算出手段212は、基本的には第1実施例の血液ずり応力算出手段112と同じであるが、その血液ずり応力算出手段112と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後にバッチ処理で血液ずり応力SSを算出する。そのため、図16に示すように、血液ずり応力算出手段212は、血液ずり応力算出手段112と同様に第1血流速度測定手段118を備えているものの、第1実施例の第1血液ずり速度算出手段120と第1血液粘度算出手段122と第1血液ずり応力算出手段124とに替えて、第1血液ずり速度算出手段220と第1血液粘度算出手段222と第1血液ずり応力算出手段224とを備えている。また、血液ずり応力算出手段212は、第1実施例の血流速度測定実施判断手段116、第2血流速度測定手段126、第2血液ずり速度算出手段128、第2血液粘度算出手段130、第2血液ずり応力算出手段132、及び、それらに相当するものを備えていない。従って、本実施例では前記演算方式切換条件が満たされたか否かは判断されない、すなわち、前記阻血開放時脈拍数PRが前記脈拍数判定値PR1以上であるか否かは判断されないので、本実施例の第1血流速度測定手段118は、上記阻血開放時脈拍数PRに関わり無く、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1内に、血管径測定手段110による血管20の径変化割合Rの測定と並行して非侵襲的に血管20内の平均血流速度SPDAVGを測定する。
第1血液ずり速度算出手段220は、基本的には第1実施例の第1血液ずり速度算出手段120と同じであるが、その第1血液ずり速度算出手段120と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に、すなわち、阻血開放後の第1血流速度測定手段118による平均血流速度SPDAVGの測定が全て完了した後に、その平均血流速度SPDAVGに基づいてバッチ処理で血液ずり速度SRを算出する。
第1血液粘度算出手段222は、基本的には第1実施例の第1血液粘度算出手段122と同じであるが、その第1血液粘度算出手段122と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後において粘度ずり速度関係算出手段204が前記粘度ずり速度関係VCSRを算出した後に、第1血液ずり速度算出手段220により算出された血液ずり速度SRに基づいてバッチ処理で血液粘度μを算出する。
第1血液ずり応力算出手段224は、基本的には第1実施例の第1血液ずり応力算出手段124と同じであるが、その第1血液ずり応力算出手段124と異なり、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に、第1血液ずり速度算出手段220により算出された血液ずり速度SRと第1血液粘度算出手段222により算出された血液粘度μとに基づいてバッチ処理で血液ずり応力SSを算出する。
図17は、本実施例の血管機能検査装置22(電子制御装置28)の制御作動の要部、すなわち、FMD評価において阻血開放後の血管20の径変化割合Rの測定と共にバッチ処理で血液ずり応力SSを算出する制御作動を説明するためのフローチャートであって、第1実施例の図12及び図13に相当する図である。
血流速度分布測定手段102及び血管径測定手段110に対応するSE1においては、図12のSA1と同様に、阻血開放前の安静時に、安静径daと安静時血流速度分布DSRTとが測定される。
血管径測定手段110及び第1血流速度測定手段118に対応するSE2においては、図14のSC1と同様に、阻血開放時から前記血管径測定期間TIME1が経過するまで、血管内腔径d1(血管20の径変化割合R)が測定され、平均血流速度SPDAVGが測定される。
血液粘度分布算出手段206に対応するSE3においては、SE1で測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液粘度分布DVRTが算出される。この安静時血液粘度分布DVRTは、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に算出される。
血液ずり速度分布算出手段208に対応するSE4においては、SE1で測定された安静時血流速度分布DSRTに基づいて安静時血液ずり速度分布DSRRTが算出される。この安静時血液ずり速度分布DSRRTは、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に算出される。
粘度ずり速度関係算出手段204に対応するSE5においては、前記粘度ずり速度関係VCSRが、SE3で算出された安静時血液粘度分布DVRTとSE4で算出された安静時血液ずり速度分布DSRRTとに基づいて算出される。SE5は、上記粘度ずり速度関係VCSRが前記血管径測定期間TIME1の経過後に算出される点で図12のSA4と異なるが、それ以外は図12のSA4と同じである。
第1血液ずり速度算出手段220に対応するSE6においては、血液ずり速度SRが、SE2で測定された平均血流速度SPDAVGに基づいて算出される。SE6は、上記血液ずり速度SRが前記血管径測定期間TIME1の経過後にバッチ処理で算出される点で図14のSC2と異なるが、それ以外は図14のSC2と同じである。
第1血液粘度算出手段222に対応するSE7においては、血液粘度μが、SE5で算出された前記粘度ずり速度関係VCSR(例えば血液粘度μと血液ずり速度SRとの関係式)から、SE6で算出された血液ずり速度SRに基づいて算出される。SE7は、上記血液粘度μが前記血管径測定期間TIME1の経過後にバッチ処理で算出される点で図14のSC3と異なるが、それ以外は図14のSC3と同じである。
第1血液ずり応力算出手段224に対応するSE8においては、血液ずり応力SSが、SE6で算出された血液ずり速度SRとSE7で算出された血液粘度μとに基づいて算出される。SE8は、上記血液ずり応力SSが前記血管径測定期間TIME1の経過後にバッチ処理で算出される点で図14のSC4と異なるが、それ以外は図14のSC4と同じである。
第1血液ずり応力算出手段224に対応するSE9においては、SE8で算出された血液ずり応力SS(1心拍平均ずり応力SSAVG)が記憶装置等に記録され、モニタ画面表示装置30に表示される。
指標値算出手段114に対応するSE10は、図13のSB6と同様である。
本実施例によれば、バッチ処理で血液ずり応力SSが算出されるので、血液ずり応力SSがリアルタイム処理で算出されることにより速やかにFMD検査における指標値が得られるという第1実施例の効果を除き、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の本実施例において、血流速度測定実施判断手段116により判断される前記演算方式切換条件が満たされた場合とは阻血開放時脈拍数PRが脈拍数判定値PR1以上である場合とされているが、脈拍数以外の他の測定量で上記演算方式切換条件が定義されていても差し支えない。
また、前述の本実施例において、前記血管径測定期間TIME1は、図4に示すように阻血開放時(t1時点)から開始するが、そうではなく、阻血開放時から一定時間空けてから開始するものであってもよい。但し、血管径測定期間TIME1は、少なくとも血管径測定期間TIME1内に血管内腔径d1がその最大値dMAXに到達する時点を含むように設定される。また、そのように血管径測定期間TIME1が阻血開放時から一定時間空けてから開始するように設定されている場合であっても、血液ずり応力算出手段112は、阻血開放時から直ちに血管20内の血流速度SPDを測定することが望ましい。
また、前述の本実施例において、第1血流速度測定手段118は、血流速度分布DSから平均血流速度SPDAVGを算出して測定するが、超音波ドプラ計測により血流速度分布DSを測定すること無く平均血流速度SPDAVGを測定しても差し支えない。
また、前述の本実施例において、第1血流速度測定手段118が測定する平均血流速度SPDAVGは1心拍毎の血流速度SPDの平均値であると説明されているが、その平均血流速度SPDAVGの測定周期は1心拍以外にも種々考えられ、例えば、上記平均血流速度SPDAVGは、数拍程度の予め定められた心拍数毎の血流速度SPDの平均値とされても差し支えないし、或いは、1心拍よりも短い時間毎の血流速度SPDの平均値とされても差し支えない。また、心拍数以外の他の基準で平均されても差し支えない。
また、前述の本実施例の図13において、SB1、SB4、及びSB5の無いフローチャートも考え得る。そのようにした場合には、図13のフローチャートはSB2から開始し、図15のフローチャートは不要になる。
また、前述の本実施例において、図1の上腕16は、例えば人体の上腕である。
また、前述の本実施例において、血管径測定手段110は、超音波プローブ24の第1短軸用超音波アレイ探触子Aから放射された超音波により画像を合成しその画像から血管内腔径d1を測定するが、長軸用超音波アレイ探触子Cから放射された超音波により画像を合成しその画像から血管内腔径d1を測定しても差し支えない。
また、前述の本実施例において、粘度ずり速度関係算出手段104,204は、前記粘度ずり速度関係VCSRを算出するために、安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRTから前記複数のサンプリング点における血液粘度μ及び血液ずり速度SRを抽出するが、その抽出の基となる安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRTとしては、例えば、1心拍中の特定の時相(時期)のものが採用されるのが望ましい。一例を挙げれば、1心拍中で血流速度SPDが最大又は最小になる時相のもの等である。
或いは、別の例として、粘度ずり速度関係算出手段104,204は、1心拍中の複数の時相において安静時血液粘度分布DVRTおよび安静時血液ずり速度分布DSRRTに基づき前記粘度ずり速度関係VCSRをそれぞれ算出し、その算出した複数の前記粘度ずり速度関係VCSRを平均化したものを、第1血液粘度算出手段122,222及び第2血液粘度算出手段130が血液粘度μを算出するための前記粘度ずり速度関係VCSRとしてもよい。
また、前述の本実施例において、指標値算出手段114は、血液ずり応力関連値SSXと阻血開放後の血管径変化割合最大値RMAXとの比を算出するが、その阻血開放後の血管径変化割合最大値RMAXを他のパラメータに置き換えた指標値(比)を算出しても差し支えない。例えば、上記他のパラメータとしては、(i)その阻血開放後の血管20の径変化量の最大値(単位は例えば「mm」)、(ii)図4のt1時点〜t2時点である阻血開放時から血管20の拡張開始時までの遅延時間、(iii)阻血開放時からの血管20の径変化量、径変化割合、または径変化の時定数と、血流速度SPD、血流量、血液ずり速度SR、または血液ずり応力SSとの何れか一方を入力とし他方を出力としたときの伝達関数などが考えられる。
また、前述の第2実施例において、血流速度分布測定手段102は阻血開放前に安静時血流速度分布DSRTを測定するが、第2実施例では粘度ずり速度関係算出手段204が阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に前記粘度ずり速度関係VCSRを算出するので、血流速度分布測定手段102は、その粘度ずり速度関係算出手段204が上記粘度ずり速度関係VCSRを算出する前であれば、上記血管径測定期間TIME1の経過後に安静時血流速度分布DSRTを測定しても差し支えない。
また、前述の第2実施例において、粘度ずり速度関係算出手段204は、阻血開放後の前記血管径測定期間TIME1の経過後に前記粘度ずり速度関係VCSRを算出するが、その粘度ずり速度関係VCSRを上記阻血開放前に算出しても差し支えない。
また前述した複数の実施例はそれぞれ、例えば優先順位を設けるなどして、相互に組み合わせて実施することができる。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。