JP5222673B2 - 金属材料の表面処理法 - Google Patents

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本発明は、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、フッ化不動態膜を形成することにより、この金属材料をフッ素系の腐食性の雰囲気中にて用いても、耐食性を示し、その金属材料の表面にフッ化物が形成されるのを防止することができるバリアー膜を兼ねる被膜を形成する金属材料の表面処理法に関するものである。
従来、液晶ディスプレイの製造過程や半導体製造プロセスに用いられるプラズマCVD装置などにおいて、アルミニウム合金が非常に多く用いられてきた。
プラズマCVD装置は、その表面が強力な腐食性の塩素ガス、フッ化水素ガス、あるいは、フッ素ラジカルなどに晒される。そこで、このような装置に用いられるアルミニウム合金は、耐食性を向上し、長寿命化を図るために、その表面にアルマイト処理により、アルマイト被膜が形成されていた。
プラズマCVD装置は、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などの薄膜を半導体装置に成膜するための装置として広く用いられているが、その反応室の壁には、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜が徐々に堆積する。
その反応室の壁に堆積した膜が剥離して、半導体装置の表面に再付着すると、半導体装置の製造歩留まりや品質に影響するため、反応室の壁から堆積膜を除去(クリーニング)する必要がある。一般的に、プラズマCVD装置の反応室の壁をクリーニングする方法としては、プラズマCVD装置にクリーニング装置を接続し、活性化したクリーニング用ガス(フッ素ラジカル)を反応室に導入して、反応室の壁の堆積膜をエッチングする方法が用いられている。
しかしながら、アルミニウム合金の表面に形成されたアルマイト被膜は、長期間の使用により、上記のクリーニング工程におけるフッ素ラジカルによってエッチングされ、消失するという問題があった。
また、上記の装置の構成部材によっては、強度を確保するためなどの都合上、合金を用いざるを得ないことがある。装置の主要部の材料は、アルマイト処理を施したアルミニウム合金で十分であるが、強度を確保するためには、装置には部分的に、アルミニウム合金以外のステンレス鋼などの鉄を主成分とする金属材料を用いる必要がある。
アルミニウム合金はアルマイト処理により腐食性雰囲気中においてもある程度の使用が可能であるが、ステンレス鋼などについては、耐食性を付与する処理方法がなかった。
そのため、例えば、ステンレス鋼をプラズマCVD装置に用いると、上記のクリーニング工程によってステンレス鋼がフッ素系のガスによりフッ化されてフッ化物が生じ、その表面にはフッ化物が粉を吹いたような状態で存在し、結果的にステンレス鋼がぼろぼろとなり、パーティクルの発生源となって、半導体製造プロセスにおいて深刻な障害となる。このようなステンレス鋼の表面におけるフッ化現象は、上記の装置の構成部材の中でも、高温になる部分において顕著に現れる。
本発明等は、アルミニウム合金表面に対するアルマイト処理よりもさらに優れた耐食性表面処理として、マグネシウムを含むA5052やA6061などのアルミニウム合金に対して、合金中のマグネシウムを表面に拡散させるとともに、そのマグネシウムをフッ化させることにより、アルミニウム合金の表面に、腐食性ガスに対する耐食性に優れたフッ化不動態膜を形成する表面処理方法を考案した(例えば、特許文献1参照)。
特願2006−271115号公報
しかしながら、特許文献1の表面処理方法は、処理可能な物質がマグネシウムを含む合金のみに限られていた。
また、フッ素系の腐食性ガスに対する耐食性を改善にするためには、上記の装置の主要部の材料として、インコネル鋼やハステロイ鋼を用いる方法も考えられる。しかし、これは上述のような金属材料のフッ化現象が発生するのを引き延ばすことに過ぎず、長期的に見れば、インコネル鋼やハステロイ鋼にも同様のフッ化現象が発生するため、結果的にこのフッ化現象を抑制することはできない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、フッ素系の腐食性ガスに対する十分な耐食性を有する被膜を設けることができる金属材料の表面処理法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、マグネシウム源とフッ化炭素系化合物を含む分散液を、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、その金属材料の表面に膜厚が数μmのフッ化マグネシウム不動態膜を形成でき、このフッ化マグネシウム不動態膜が形成された少なくとも鉄を含む金属材料は、腐食性ガス雰囲気に対する耐食性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の金属材料の表面処理法は、マグネシウム源をフッ化炭素系化合物分散液に分散させ、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、前記分散液を塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、前記金属材料の表面に、フッ化不動態膜を形成することを特徴とする。
本発明の金属材料の表面処理法は、マグネシウム源をフッ化炭素系化合物分散液に分散させ、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、前記分散液を塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、前記金属材料の表面に、フッ化不動態膜を形成するので、一般的なフッ化物膜の形成法に用いられるフッ素系のガスを用いることなく、少なくとも鉄を含む金属材料の表面にフッ化不働態膜を形成することができる。また、本発明の金属材料の表面処理法では、フッ化炭素系化合物が分散された分散液に、マグネシウム源としてのマグネシウム化合物を分散させた後、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に塗布して、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱され、反応が行われるので、フッ化炭素系化合物中の炭素は酸化した後、離脱して、フッ化不働態膜中には残留しない。したがって、得られたフッ化不動態膜は、マグネシウムおよびフッ素を含む金属化合物となり、耐食性に優れる膜となる。
本発明の金属材料の表面処理法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態では、金属材料として、ステンレス鋼を例示して、このステンレス鋼の表面処理法について説明する。
液晶フラットパネルディスプレイの制御回路に用いられる材料の成膜法としては、プラズマCVD法が挙げられる。プラズマCVD法によるa−Si膜の成膜プロセスにおいては、一定のプロセスを重ねる毎に、プラズマCVD装置のヒーター周辺や反応ガス導入用のシャワープレートに析出したケイ素(Si)を取り除く必要がある。そこで、三フッ化窒素(NF)ガスを用いて、高周波(RF)またはマイクロ波によって分解励起されたフッ素ラジカルにより、ヒーター周辺やシャワープレートの周辺に析出したケイ素の膜をエッチングして取り除いていた。
プラズマCVD装置では、ヒーターやシャワープレートなどの周辺機器はアルミニウム合金を主材料として構成されている。このアルミニウム合金からなる材料は、フッ素ラジカルに対する耐食性を向上するために、その表面にアルマイト処理を施し、アルマイト被膜で覆うのが一般的である。
しかしながら、上記の装置において、高強度を必要とする部位には、材料の機械的特性からアルミニウム合金からなる材料は十分な強度を示さないため、ステンレス鋼のように機械的強度を有する材料を使用する必要がある。ところが、ステンレス鋼は、アルミニウム合金と同様にフッ素ラジカルに対する耐性が、合金成分のフッ化物により損なわれてしまう。このような金属材料のフッ化現象を防ぐために、ステンレス鋼の代わりにインコネル鋼や高価なハステロイ鋼が用いられることがある。しかし、これは上述のような金属材料のフッ化現象が発生するのを引き延ばすことに過ぎず、やがてこれらの材料の表面はフッ化により破壊される。このようなステンレス鋼の表面におけるフッ化現象は、上記の装置の構成部材の中でも、高温になる部分において顕著に現れる。
このステンレス鋼の表面におけるフッ化現象を利用して、その表面をフッ素系の腐食性ガスに対する耐食性を有するフッ化マグネシウム不動態膜で被覆することにより、ステンレス鋼の表面をフッ素ラジカルなどに対して不動態化することができる。
本発明の金属材料の表面処理法は、上記の問題を解決するために、以下の方法にて、ステンレス鋼の表面に、耐食性のフッ化マグネシウムからなる被膜を形成できる方法であって、本実施形態ではプラズマCVD装置で用いられるステンレス鋼の表面へのフッ化マグネシウムの被覆法として、以下に示すような方法を用いる。
「金属材料の表面処理法」
本発明の金属材料の表面処理法は、マグネシウム源をフッ化炭素系化合物分散液に分散させ、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、この分散液を塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、厚み1μm以上のフッ化不動態膜を形成する方法である。
本発明の金属材料の表面処理法では、フッ化炭素系化合物が分散された分散液を調製し(分散液Aを調製する工程)、次いで、調製された分散液にマグネシウム源を添加し、充分に攪拌、混合した(分散液Bを調製する工程)後、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、マグネシウム源およびフッ化炭素系化合物が分散された分散液を塗布した(分散液を塗布する工程)後、少なくとも鉄を含む金属材料を大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱する(金属材料を加熱する工程)ことにより、少なくとも鉄を含む金属材料の表面にフッ化不動態膜を形成する。
本発明の金属材料の表面処理法では、表面の処理の対象となる、少なくとも鉄を含む金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、インコネル鋼、ハステロイ鋼などが挙げられる。
フッ化炭素化合物が分散された分散液を調製する工程では、各種溶媒に、フッ化炭素系化合物を添加して、攪拌することなどにより、フッ化炭素系化合物が均一に分散された分散液を調製する。
フッ化炭素系化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシ−エチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などが用いられる。
上記のフッ化炭素系化合物を分散させる溶媒としては、アルキルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが用いられる。
このフッ化炭素系化合物が分散された分散液における、フッ化炭素系化合物の含有率は30重量%以上かつ50重量%以下であることが好ましく、30重量%以上かつ40重量%以下であることがより好ましい。
フッ化炭素系化合物の含有率を30重量%以上かつ50重量%以下とした理由は、フッ化炭素系化合物の含有率が30重量%未満では、十分に均一な分散液の塗布量が得られないからであり、一方、フッ化炭素系化合物の含有率が50重量%を超えると、液留まりを起こしやすいからである。
なお、本発明では、このフッ化炭素系化合物が分散された分散液を、純水により希釈して用いてもよい。
マグネシウム源およびフッ化炭素系化合物が分散された分散液を調製する工程では、上記のフッ化炭素化合物が分散された分散液に、マグネシウム源を添加して、攪拌、混合することなどにより、マグネシウム源が均一に分散された分散液を調製する。
マグネシウム源としては、酸化マグネシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、炭酸マグネシウム粉末などが用いられる。マグネシウム源として、酸化マグネシウム粉末を用いる場合、その粒子径はミクロンオーダーであることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
上記のマグネシウム源およびフッ化炭素系化合物が分散された分散液におけるマグネシウム源の含有率は、この分散液に含まれるフッ化炭素系化合物の質量の2.0分の1以上かつ1.3分の以下であることが好ましく、1.5分の1以上かつ1.3分の以下であることがより好ましい。例えば、フッ化炭素系化合物としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用い、マグネシウム源として酸化マグネシウムを用いた場合、上記の分散液における酸化マグネシウムの含有率は、この分散液に含まれるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の質量の1.3分の1とする。
マグネシウム源の含有率を、フッ化炭素系化合物の質量の1.5分の1以上かつ1.3分の1以下とした理由は、マグネシウム源の含有率をこの範囲内とすれば、フッ化マグネシウムの化学量論組成の膜からなるフッ化不動態膜が得られるからである。
マグネシウム源およびフッ化炭素系化合物が分散された分散液を塗布する工程では、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、この分散液を塗布する方法としては、金属材料の表面にこの分散液を噴霧する方法、金属材料の表面に分散液を刷毛などにより塗る方法、この分散液に金属材料を浸漬する方法などが用いられる。
上記のマグネシウム源およびフッ化炭素系化合物が分散された分散液を塗布した金属材料を、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱する工程では、まず、上記の分散液を塗布した金属材料を、室温以上かつ100℃以下にて、0.5時間以上かつ2時間以下乾燥する。
その後、図1に示すような構成の加熱装置を用いて、分散液が塗布された金属材料を加熱する。
この加熱装置10は、加熱炉11と、加熱炉11内に空気もしくは酸素を供給するための流路12と、流路12の途中に設けられた流量計13とから概略構成されている。
この加熱工程では、まず、加熱炉11内に分散液が塗布された金属材料を配置した後、流量計13により流量を調節しながら、流路12を介して、加熱炉11内に空気もしくは酸素を供給し、加熱炉11内を大気雰囲気または酸素雰囲気とする。
次いで、加熱炉11内に配置した金属材料を、大気中もしくは酸素雰囲気中にて、350℃以上かつ500℃以下にて、8時間以上加熱する。加熱時間は、必要とされるフッ化不動態膜の厚み(分散液の塗布量)によって異なるが、概ね24時間以下である。
この加熱により、分散液中に含まれるマグネシウム源のマグネシウムとフッ化炭素系化合物のフッ素が反応して、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、密着性が高く、強固なフッ化マグネシウム不動態膜を形成する。
上記の分散液を塗布した金属材料を、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱する温度を350℃以上かつ500℃以下とした理由は、加熱する温度が350℃未満では、未反応分散液成分の残存や反応後のカーボンが酸化脱離せずに残留するからであり、一方、加熱する温度が500℃を超えると、マグネシウム源のマグネシウムとフッ化炭素系化合物のフッ素が優先的に反応して、フッ化マグネシウム不動態膜を形成しなくなるからである。
なお、本発明の表面処理法では、酸素雰囲気中においても処理を行うため、少なくとも鉄を含む金属材料の種類によって異なる発火点に配慮し、フッ化不働態膜の形成温度を設定する必要がある。
このようにして、本発明の金属材料の表面処理方法によって、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に形成されたフッ化不動態膜は、マグネシウムおよびフッ素を含む金属化合物からなる膜となる。このマグネシウムおよびフッ素を含む金属化合物からなる膜は、フッ素ラジカルが存在し、非常に強い腐食性のある雰囲気においても、強い耐食性を示す。
本発明の金属材料の表面処理方法は、マグネシウム源を分散したフッ化炭素系化合物分散液を用いて、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、大気中もしくは酸素雰囲気中にてフッ化マグネシウム不動態膜を形成するので、一般的なフッ化物膜の形成法に用いられるフッ素系ガスを用いることなく、金属材料の表面にフッ化不動態膜を形成することができる。また、本発明の金属材料の表面処理方法は、マグネシウムを含むアルミニウム合金の表面に、フッ化炭素系化合物が分散された溶液を塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、アルミニウム合金の表面にフッ化不動態膜を形成する表面処理法とは異なり、その数10倍の膜厚のフッ化不動態膜を、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に形成できる。
特に、少なくとも鉄を含む金属材料としてステンレス鋼を用い、その表面にフッ化不動態膜を形成した場合、そのステンレス鋼をフッ素系の腐食性ガスを含む高温の雰囲気に晒しても、そのステンレス鋼はフッ化不動態膜によって腐食しなくなる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例」
金属材料としてステンレス鋼を用意した。
ポリテトラフルオロエチレン(三井・デュポンフロロケミカル社製)を分散してなる分散液に、粒子径が3μm程度の酸化マグネシウム粉末を添加し、十分に攪拌、混合して、ポリテトラフルオロエチレンおよび酸化マグネシウム粉末を分散した分散液を調製した。
次いで、ステンレス鋼の表面に、この分散液を噴霧することにより塗布した後、この合金を大気中にて、500℃にて24時間加熱し、表面処理を行った。
なお、分散液に混合する酸化マグネシウム粉末の比率は、質量割合として、酸化マグネシウムを1とした場合、分散液中のポリテトラフルオロエチレン原料そのものを1.3の割合で混合した。
表面処理を施したステンレス鋼の表面を、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)により、元素番号6番の炭素(C)〜元素番号92番のウラン(U)について定性分析を行った。
結果を図2に示す。また、検出された各元素の重量%とmol%を表1に示す。
Figure 0005222673
図2の結果では、ステンレス鋼には存在しないマグネシウム(Mg)とフッ素(F)が検出されている。
なお、この元素分析において、表面層の分析の深さは数μmであるため、母材であるステンレス鋼の構成元素も同時に検出されている。
また、ポリテトラフルオロエチレンを起源とする残留炭素は検出されなかった。
表面処理を施したステンレス鋼の表面を、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)により一定のライン上おいて元素分析を行った。
この元素分析の条件を、マグネシウム(Mg)、フッ素(F)および母材成分の鉄(Fe)を中心にライン分析幅3mmとした。
結果を図3に示す。
図3の結果から、本発明の金属材料の表面処理法を施したステンレス鋼の表面上にはマグネシウムとフッ素がほぼ一様に、かつ、表面フッ化層を通して母材の鉄とともに検出されることから、ステンレス鋼の構成元素ではないマグネシウムおよびフッ素が鉄の強度に反比例して検出されることが確認された。すなわち、ステンレス鋼の表面が、フッ化マグネシウムに覆われていることが確認された。
本発明の金属材料の表面処理法は、一般的なフッ化物膜の形成法に用いられるフッ素系のガスを用いる方法とは異なり、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、十分な厚みのフッ化不動態膜を形成することができるので、このフッ化不動態膜が設けられた金属材料をプラズマCVD装置の基板加熱ヒーターに用いても、基板との接触においても傷付き難くなる。したがって、本発明の金属材料の表面処理法は、基板加熱ヒート表面処理としても用いることができる。また、プラズマCVD以外の真空装置を構成する真空容器内の部材となるステンレス鋼などの表面処理にも適用できる。
本発明の金属材料の表面処理法の加熱工程において用いられる加熱装置を示す概略構成図である。 実施例で作製したフッ化不働態膜付きのステンレス鋼の表面を電子線プローブマイクロアナライザーにより定性分析を行った結果を示すグラフである。 実施例で作製したフッ化不働態膜付きのステンレス鋼の表面上を電子線プローブマイクロアナライザーにより元素マグネシウム(Mg)、フッ素(F)および母材成分の鉄(Fe)についてライン分析を行った結果を示すグラフである。
符号の説明
10・・・加熱装置、11・・・加熱炉、12・・・流路、13・・・流量計。

Claims (1)

  1. マグネシウム源をフッ化炭素系化合物分散液に分散させ、少なくとも鉄を含む金属材料の表面に、前記分散液を塗布した後、大気中もしくは酸素雰囲気中にて加熱することにより、前記金属材料の表面に、フッ化不動態膜を形成することを特徴とする金属材料の表面処理法。
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