本発明は、非水系二次電池に関し、特に、蓄電システム用非水系二次電池に関するものである。
近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用及び地球環境問題の観点から、深夜電力貯蔵及び太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車の為の蓄電システム等が注目を集めている。例えば、特許文献1には、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージェネレーション、燃料電池、蓄電池等を組み合わせたトータルシステムが提案されている。この様な蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が小さい携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい中大型の電池が必要とされる。この為、上記の蓄電システムでは、複数の二次電池を直列に積層し、組電池として用いるのが常である。
最近では、原油価格上昇に伴いガソリン価格が高騰する中、低燃費であり、環境に優しい車としてハイブリッド車の開発が加速されているが、ハイブリッド車用高出力型蓄電池においても、安全且つ高出力、高エネルギー密度を有する中大型蓄電池が望まれている。
携帯機器用小型二次電池の分野では、小型及び高容量のニーズに応えるべく、新型電池としてニッケル水素電池、リチウム二次電池の開発が進展し、200Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特にリチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度の可能性を有すること、及び安全性、サイクル特性等の信頼性が金属リチウムを負極に用いたリチウム二次電池に比べて優れることから、その市場を飛躍的に延ばしてきた。
一方、蓄電システム用及びハイブリッド車用中大型電池の分野においても、上記背景に基づき高エネルギー密度電池の候補として、中大型リチウムイオン電池の開発が進められている。
しかし、これら中大型リチウムイオン電池は、高エネルギー密度が得られるものの、円筒型、角型等の電池形状が一般的であった為、電池内部に熱が蓄積されやすく信頼性、特に安全性に問題が残されていた。
上記問題を解決する目的で、特許文献2には、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。該電池は独特の電池形状(扁平形状)により、実用化の障壁となる上記蓄熱に起因する信頼性、安全性の問題点を解決する事を提案している。
しかし、上記扁平形状の電池においては、特許文献3及び4等に記載されている様に、電池扁平面上に電池容器と絶縁された正極端子、負極端子が設置され、電池内部で正極集電体と負極集電体に電気的に接続されている。具体的には、図1に示す様に、上蓋1には、アルミニウム製の正極端子3及び銅製の負極端子4(頭部6mmφ、先端M3のねじ部)を取り付けている。正極端子3及び負極端子4は、テフロン(登録商標)製ガスケットにより上蓋1と絶縁され、電極積層体の正極集電体に正極端子3のねじ部を挿通するとともに、負極集電体に負極端子4のねじ部を挿通し、それぞれ、アルミニウム製及び銅製のナットを締結し、電気的に接続されている(図2参照)。
更に、特許文献5には、端子部の信頼性を高める為、電池容器の所定位置に固定される正極端子及び負極端子の少なくとも一方を2個以上設け、これら2個以上の電極端子の同極性同士を連結部材により連結し、電池外部からの回転応力に対し電池内部が回転し破壊することを防止できる構造を有する端子構造が開示されている。特許文献2〜5に記載される扁平形状の電池は、実用化の障壁となる上記蓄熱に起因する信頼性、安全性の問題点を解決するものの、集電に必要なスペースが大きくなることよりエネルギー密度を上げにくいという課題があった。
又、中大型リチウムイオン電池の実用化の妨げとなっているのが、電池のコストであり、端子構造の簡略化、製造の容易性等によるコストの低減も解決すべき課題である。信頼性、安全性の問題点を解決する上記厚さ12mm未満の扁平形状を有する電池の場合においても、各部品を薄型に仕上げる必要があり、端子構成部品点数の多さ、及びその加工性からより高い生産性と一層のコストダウンが望まれていた。
更に、上記端子構造の場合、薄型電池において端子は扁平形状の広平面側に作製する必要があり、複数の薄型電池からモジュールを組立てる際に、隣同士の電池との隙間を必要以上にとらなければならない場合がある。その結果、モジュールとしての体積エネルギー密度が、低くなるという問題もあった。
最近、電池容器に、アルミ箔(厚さ0.02mm〜0.05mm程度)と樹脂との積層体を用いるアルミラミネート材が小型リチウムイオン電池を始めとして中大型電池にも採用されてきている。しかし、アルミラミネート材は機械的強度が弱い為、製造時或いは使用時の落下やハンドリングにおいて、へこみ、穴、曲がり等が発生することにより電池が損傷を受けやすい。特に車用途等でモジュールを組み立てる場合には、電池容器自身或いはモジュールを補強する必要が有り、結果としてエネルギー密度が下がってしまうという問題が残っていた。又、放熱性を向上させる為に、単電池間の隙間をあけるには、強度面からスペーサー等の補助構造が必要であり、薄型電池の特徴である放熱性(安全性)をモジュール構造で実現する為には課題が多かった。ここまで述べてきた様に、従来技術においては、中大型電池において信頼性、安全性に優れ、且つ簡便な集電構造を持ち、電池単体での強度を有する蓄電池は開発されていない。
一方小型電池において、厚さ20〜30μmのステンレス箔の缶体内面に電極を塗布し、缶体を外部端子とする22.3mm×29.3mm×厚さ約0.3mm(電池体積約0.2cm3)の小型薄型電池が開示されている(特許文献6)。この構造を中大型電池に適用する場合、塗工面積すなわち缶体の面積を大きくする必要があり、実用上この構造を適用することは困難である。
又、特許文献7には、金属板が浅絞り加工により形成され、且つその開口端の周縁部一部にリード体取り出し口を有したフランジ部が設けられている電池容器に、シート状の正極及び負極がセパレータを介して積層され巻回された巻回電極体を収容する90mm×50mm×厚さ2.8mm(電池体積約13.9cm
3)の小型電池が開示されている。該巻回電極体における正極及び負極の巻回端部と接続されたリード体を、接着性樹脂を介して、リード体取り出し口より電池缶外部へ取り出される複雑な構造の端子構造である。又、該リード体は細く、抵抗は大きくなり発熱が高くなる為、大電流を取り出すことが出来ない。仮に大電流を取り出せる様に、端子を太くする場合、封止信頼性が低下することから、この構造を中大型電池に適用することも課題が多い。
特開平6−86463号公報
国際公開第99/60652号パンフレット
特開2000−251941号公報
特開2000−251940号公報
特開2001−216953号公報
特開平9−134711号公報
特開2004−6226号公報
上記の背景技術から明らかな様に、家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車の為の蓄電システム等における蓄電デバイスにおいて、エネルギー密度が高く、信頼性、安全性に優れ、且つ簡便な集電構造、電池単体での強度を有する蓄電池が希求されている。本発明の目的は、簡便且つ製造容易な端子構造を有し、且つ高エネルギー密度化、大電流負荷が可能で、安全性、信頼性に優れた中大型非水系二次電池を提供することにある。
本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に留意しつつ、研究を進めた結果、2層以上の電極が積層された電極積層体における正極或いは負極のいずれか一方を金属製の上蓋へ電気的に接続し、もう一方の極を金属製の底容器へ電気的に接続し、上蓋と底容器を周囲部分で絶縁性樹脂を介して重ね合わせ接合されている扁平形状の非水系二次電池を見出し、本発明に至った。
本発明の非水系二次電池は、正極、負極及びセパレータからなり、少なくとも正極或いは負極が2枚以上積層された電極積層体を電池容器内に収容した扁平形状である非水系二次電池において、前記非水系二次電池は、体積が20cm3以上であり、電池容器が、前記電池容器の厚さが、0.05mm以上0.3mm以下の金属板のみより構成される上蓋及び底容器からなり、電極積層体における正極或いは負極のいずれか一方の集電体の一部を重ねて溶接により上蓋の内部へ電気的に接続され、もう一方の極の集電体の一部を重ねて溶接により底容器の内部へ電気的に接続され、前記もう一方の極の集電体の一部が折り曲げられて溶接されており、上蓋と底容器は周囲部分で絶縁性樹脂を介して重ね合わせ接合されており、前記絶縁性樹脂が、熱可塑性樹脂1種か少なくとも1種は熱可塑性樹脂である複数種の積層体であり、前記上蓋及び/又は底容器に注液用の穴を設けており、その穴を熱可塑性樹脂フィルム或いは熱可塑性樹脂―金属箔積層フィルムを用いて、40000PA以下の減圧下で封口してあることを特徴としている。この構造により、エネルギー密度が高く、簡便な集電構造を有する非水系二次電池が得られる。又、金属製容器に、電極が集電体或いは集電部材を介し直接接続される為、集電部等で発熱する熱が直接電池外部へ伝導され放熱性を高めることができる。
次に、本発明の非水系二次電池は、前記電極積層体における正極或いは負極の複数箇所が上蓋或いは底容器へ電気的に接続されていることを特徴とする。この構造により、電極から外部端子(本発明では金属容器が兼ねる)における抵抗を小さくすることも可能であり、中大型電池において大電流負荷が必要な場合でも、容易に集電部の抵抗を下げることができる。
さらに、本発明の非水系二次電池は、前記上蓋及び/又は底容器の周囲部の一部が側面方向にはみ出し、このはみ出した部分が、正極端子及び/又は負極端子として外部接続することを特徴とする。
上記の構成によれば、簡便且つ製造容易な端子構造を有し、且つ、高エネルギー密度化、大電流負荷が可能な、安全性、信頼性に優れた中大型非水系二次電池を得ることができる。
本発明の非水系二次電池は、正極、負極、セパレータからなる2層以上の電極が積層された電極積層体を電池容器内に収容した扁平形状である非水系二次電池において、電池容器が、金属板のみ或いは金属板と樹脂との積層体より構成される上蓋及び底容器からなり、電極積層体における正極或いは負極のいずれか一方が上蓋へ電気的に接続され、もう一方の極が底容器へ電気的に接続され、上蓋と底容器は周囲部分で絶縁性樹脂を介して重ね合わせ接合されている。この簡便な端子構造により、(1)電池容器内の部品占有部分が小さく、電極の充填率が向上しエネルギー密度を高めることができ、(2)中大型電池に必要な大電流負荷にも対応可能である、(3)薄型構造、金属容器採用による放熱性が向上(安全性、信頼性向上)するという効果を奏する。又、部品点数も少なく製造容易である為、電池のコストダウンが可能である。更には、金属容器を用いることにより、強度的に優れており、複数の薄型電池からモジュールを組み立てる際に、電池強度に由来する余分な補強等も必要ない。しかも、金属容器が外部端子を兼ねることから、モジュール内での電池間の隙間を必要最低限に抑えることができ、モジュールの体積エネルギー密度を高くすることも可能となる。
本発明者らは、上記目的を達成する為、鋭意研究を行った結果、下記の非水系二次電池を見出すに至り本発明を完成した。以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池について図面を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態の一例である扁平型形状の蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び断面図を示す図であり、図4aは、図3に示す電池の内部に収納される電極積層体を示す断面図である。ここでは電極を積層する場合で説明しているが、電極を巻回する場合(図4b)も含み、この電極積層体構造は特に限定されるものではない。
図3及び図4aに示す様に、本実施形態の非水系二次電池は、上蓋1及び底容器2からなる電池容器と、前記電池容器の中に収納されている複数の正極101a、負極101b、101c、及びセパレータ104からなる電極積層体とを備えている。本発明の扁平型非水系二次電池は、家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車の為の蓄電システム等に用いられる中大型において発明の効果が大きく、この場合エネルギー容量(Wh)或いは出力(W)が必要であり、目的とするエネルギー容量(Wh)或いは出力(W)を得る為には、正極、負極、セパレータからなる2層以上の電極が積層された電極積層体を用いる必要がある。ここで電極積層体とは、少なくとも正極或いは負極を2枚以上積層されたものであり、巻回構造、折り畳み構造なども含む。この電極積層体は、例えば、図4a或いは図4bの構造であり、正極、負極、セパレータの単位構造は、2層以上、好ましくは5層以上積層されている。本実施形態の様な扁平型非水系二次電池の場合、正極101a、負極101b(又は積層体の両外側に配置された負極101c)は、例えば、図4a及び図4bに示す様に、セパレータ104を介して交互に配置されて積層されるが、本発明は、この配置に特に限定されず、積層数等は、必要とされる容量等に応じて種々の変更が可能である。又、図3に示す非水系二次電池の形状は、例えば幅95mm×高さ132mm×厚さ5.4mm(体積68cm3)であり、正極101aにはLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のリチウム複合酸化物、負極101b、101cに炭素材料を用いるリチウム二次電池の場合、例えば、蓄電システム用として用いることができる。
本発明においては、電池容器は、図3に示す様に、扁平状に構成された上蓋1及び底容器2からなる。上蓋1及び底容器2は、周囲部分で絶縁性樹脂を介し密着しうる構造を有している。中大型電池において放熱性を保持することは重要であり、円筒型や正方柱形状に近い直方体に対し、扁平状の構造が望ましく、電池をモジュール化した場合のエネルギー密度を確保する為には扁平状で且つ矩形形状であることが、より望ましい。
正極、負極、セパレータからなる2層以上の電極が積層された電極積層体より大電流を取り出す為に、正極或いは負極のいずれか一方が、上蓋1へ電気的に接続され、もう一方の極が、底容器2へ電気的に接続されていれば良く、その接続法については何ら限定されるものではない。ここで言う電極と電池容器(上蓋1或いは底容器2)への電気的接続とは、例えば電極が塗工された金属箔(集電体)の周囲側未塗工部分の一部を直接電池容器に電気的に接続する場合、電極が塗工された金属箔(集電体)に電気伝導性の集電タブ(集電部材)を電気的に接続する場合等が挙げられるが、その方法、集電体、集電タブ形状については、目的とする電池の用途、要求電流により適宜決定することができる。これまでコイン型、ボタン型電池に代表される小型電池では、電池容器に直接正極、負極を電気的に接続させる方法が用いられてきたが、中大型電池では、電池容器に絶縁して取り付けられた端子部品の電池容器内側に、正極、負極を接続させている方式が一般的である。しかし大電流を取り出す為の端子部品は、絶縁性、密閉性、機械的強度を要求される為、端子自体が複雑な形状加工品である場合が多く、又、その端子を絶縁しつつ密閉性を保持する為の絶縁部品についても、複雑な加工品で且つかしめや締め付けによる固定も必要であった。よって、端子部品は、結果として、高価な部品を用い工程数も多い為、コストが高くなる要因の一つであった。しかし本発明においては、正極及び負極の集電体の一部より、直接或いは集電部材を介して電池容器に電気的に接合させることにより、電池容器自体が外部端子を兼ねることとなり、端子部品を削減することが可能である。
又、本発明においては、電極積層体における正極或いは負極の複数箇所が、上蓋或いは底容器へ電気的に接続することも可能である。例えば、図4aに示す様な電極を文字通り積層する場合において、電極が塗工された金属箔(集電体)の周囲側未塗工部分の一部を、直接電池容器に電気的に接続する場合、複数枚の正極或いは負極が、上蓋或いは底容器に接続される。すなわち、正極或いは負極の複数箇所が、上蓋或いは底容器へ電気的に接続されている。又、図4bに示す様な巻回構造の場合、巻回された正極或いは負極の複数箇所に集電体タブを電気的に接続し、この集電タブを電池容器に電気的に接続すること、或いは、巻回体上面、下面に電極が塗工された金属箔(集電体)の周囲側未塗工部分を出し、この集電体を潰し、集電体を電池容器に電気的に接続すること、すなわち正極或いは負極の複数箇所が、上蓋或いは底容器へ電気的に接続することも可能である。この様に本発明において、正極或いは負極の複数箇所が、上蓋或いは底容器へ電気的に接続することにより、電極から外部端子(本発明では金属容器が兼ねる)における抵抗を低下させることを目的とする電池の用途、要求電流に対応し設計することが可能であり、中大型電池において大電流負荷が必要な場合でも、容易に集電部の抵抗を下げることができる。
本発明において、上蓋及び/又は底容器が、前記電極積層体を収容する為凹型に加工することが可能である。例えば、本実施形態では、図5に示す様に、上蓋1及び底容器2の接合を効果的にし、且つ電極積層体を収容する為に、例えば底容器2は凹型に絞り加工され周囲にフランジ部分を有している。薄い金属板で電極積層体を収納するスペースを形成させるには、凹型に絞り加工を施す方式が、安価で寸法精度も高く望ましいが、複数の金属板を溶接等で組み立てて凹型部を持ち周囲にフランジ部を備えることも可能である。
図5に示す様に、本発明において電池容器(上蓋1及び底容器2)が外部端子を兼ねており、電池容器の一部に、電池容器と絶縁させた接続用端子を接着やかしめ等の方法で絶縁部品を介して備える必要性が無い。例えば、金属板のみ或いは金属板と絶縁性樹脂との積層体で形成される上蓋1及び底容器2の周囲部の一部が、側面方向にはみ出しており、そのはみ出した部分を正極端子3及び負極端子4として、外部接続に使用しやすい形状に設計することも可能である。図5に示す様に、例えば、そのはみ出した部分に穴を設けておくことにより、複数の電池から形成される電池モジュールを組み立てる場合、ボルト、ナットで容易に接続できる。又、そのはみ出した部分をタブ状とすることだけで、そのタブを用いて溶接することにより、複数の電池を接続することも可能である。
又、前記のごとく、電極積層体における正極及び負極の集電体の一部が、上蓋1及び底容器2に電気的に接続されている為、電極から上蓋1及び底容器2への集電部におけるジュール熱が、直接電池外部へ伝導され、極めて放熱性が高い電池構造である。
電極積層体における正極或いは負極を、電池容器(上蓋1或いは底容器2)へ電気的に接続される手段としては、超音波溶接、レーザー溶接、抵抗溶接等の溶接或いは導電性接着剤による接合が挙げられる。その中でも、超音波溶接による接合方法が、電池上蓋及び底容器にクラックを発生させる可能性が低く、接着剤等の他の材料を用いる場合より、材料、工程も簡略であり、信頼性が高くコスト的に有利である為、好ましい。
図6に示す様に、前記正極集電体の一部106a或いは負極集電体の一部106bを、上蓋1又は/及び底容器2へ接続する場合、集電体の一部を複数枚重ねて電池容器に溶接することにより、抵抗が低く且つ発熱も低く抑えられ、大電流を取り出すことも可能となり、高出力用途に用いることができる。
図5に示す様に、電池の上蓋1と底容器2は、絶縁性樹脂を介して重ね合わせ接合されている。この絶縁性樹脂7は、特に限定するものではなく、絶縁性を保持しつつ接合することが可能な樹脂(熱などで接着可能な接着性樹脂)であり、オレフィン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系などの樹脂が挙げられるが、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレンに代表される熱融着型で水分透過率の低い接着性樹脂が耐電解液性も高く、好ましい。絶縁性樹脂は、少なくとも1種か複数種の積層体で構成することができる。又、前記絶縁性樹脂が、少なくとも1種は熱可塑性樹脂成形シートを用いることで、製造上の取扱いが容易であり、工程も簡略化できる為、なお好ましい。
図5に示す様に、前記絶縁性樹脂7を介した上蓋1及び底容器2の外周部は、例えば、ヒートシールにより接合できる。この場合、容器の変形による歪みや周辺への熱影響を与える可能性がある為、接合部は加熱しながら、接合部周囲は冷却するヒートシール方式が好ましい。
該絶縁性樹脂7は、上蓋1及び底容器2の一部と密着されている必要がある。例えば、図7、8に示す様に、上蓋1及び底容器2に、絶縁性樹脂7を各々外側にはみ出させヒートシールにより仮接着した後、電極積層体を治具或いは絶縁テープで固定する。次に、正極集電体の一部106aを上蓋1の3a位置に、負極集電体の一部106bを底容器2の4a位置へ電気的に接続する。電極積層体は、上蓋1に密着させた状態で、負極集電体の一部106bを折り曲げて、底容器2を取り付け固定する。
図4a及び図4bに示す正極101aに用いられる正極活物質としては、特に限定されないが、リチウムをドープ及び脱ドープ可能なリチウム系の正極材料が好ましく、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、或いはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を1種以上添加した系等を用いることがでる。中でも、電池のエネルギー密度、コスト、安全性の観点から、リチウム複合マンガン酸化物、リチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いる事が好ましい。
図4a及び図4bに示す負極101b、101cに用いられる負極活物質としては、リチウム系の負極材料であれば、特に限定されず、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料であることが、安全性、サイクル寿命などの信頼性が向上し好ましい。リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、公知のリチウムイオン電池の負極材として使用されている黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物系、ケイ素酸化物系等の金属酸化物等が挙げられ、コスト面からは、例えば、天然黒鉛等の黒鉛系物質の表面に炭素材料が被覆された2重構造を有する黒鉛系材料が望ましい。
本発明の正極活物質及び負極活物質を電極に成形する方法は、所望の非水系二次電池の特性等に応じて公知の手法から適宜選択することができる。例えば、正極活物質(又は負極活物質)とバインダー、必要に応じてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒とを混合してスラリーとし、これを集電体に塗布し、乾燥後、圧縮等して成形される。
バインダーとしては、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン類などが例示される。
正極又は負極を集電体上に形成する場合には、集電体の材質などは材質の耐電圧性を考慮した上で選択すれば特に限定されず、銅箔、ステンレス鋼箔、チタン箔、アルミニウム箔等が例示される。
図4a及び図4bに示すセパレータ104の構成は、特に限定されるものではないが、単層又は104a、104bで示す様に複層のセパレータを用いることができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましく、この場合、サイクル特性が向上する。又、セパレータ104の材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料等が挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じ適宜決定されるが、少なくとも1層の150℃での熱収縮率が、面に沿う方向のいずれにおいても5%以下であることが電池の耐熱性からは好ましい。
本発明の非水系二次電池の電解質としては、公知のリチウム塩を含む非水系電解質を使用することができ、正極材料、負極材料、充電電圧等の使用条件により適宜決定され、より具体的にはLiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、或いはこれら2種以上の混合溶媒等の有機溶媒に溶解したもの等が例示される。又、電解液の濃度は特に限定されるものではないが、一般的に0.5mol/lから2mol/lが実用的であり、この電解液は当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。なお、本明細書で使用する非水系電解質とは、非水系電解液、有機電解液を含む概念を意味するものであり、又、ゲル状又は固体の電解質も含む概念を意味するものである。
上記の様に構成された非水系二次電池は、家庭用分散型蓄電システム、電気自動車、ハイブリッド車等の蓄電システム等に用いることができ、大容量或いは大出力、且つ、高エネルギー密度を有することができる。この場合、好ましくはエネルギー容量が14Wh以上且つエネルギー密度が220Wh/l以上、或いは、10秒率の出力が50W以上、更に好ましくは100W以上、特に好ましくは200W以上、且つエネルギー密度が100Wh/l以上、である。この出力値、エネルギー密度値が小さい場合、蓄電システムに用いるには、容量或いは出力が小さく、充分なシステム容量・出力を得る為に電池の直並列数を増やす必要があること、又、コンパクトな設計が困難となることから、蓄電システム用としては好ましくない。したがって、本発明の電池は、好ましくは、その体積が20cm3以上、更に好ましくは50cm3以上、特に好ましくは100cm3以上である。
本実施形態の非水系二次電池は、扁平形状をしており、具体的な厚さは、電池容量、エネルギー密度に応じて適宜決定されるが、好ましくは20mm未満であり、更に好ましくは15mm未満であり、期待する放熱特性が得られる最大厚さで設計するのが好ましい。又、エネルギー密度の観点から2mm以上、好ましくは4mm以上が望ましい。
本発明において、図3等に示す様に、電池容器を構成する上蓋1、底容器2の材質としては、負極側に用いる場合、ステンレス、銅、ニッケル、鉄或いはそれらを主体とする合金等が主要部材として用いられ、正極側に用いる場合アルミニウム或いはアルミニウムを主体とする合金等を用いる事が電池の重量エネルギー密度、耐食性、コストの観点から望ましい。又、上記金属板と樹脂との積層体を用いることも可能である。
電池容器を構成する上蓋1及び底容器2の厚さは、電池の用途、電池ケースの材質等により適宜決定され、特に限定されるものではないが、好ましくは、その電池表面積の80%以上の部分の厚さ(電池容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)が0.05mm以上である。厚さが0.05mm未満では、電池の製造及び取扱いに必要な強度が得られないという問題があり、この観点から、より好ましくは厚さ0.1mm以上である。又同部分の厚さは、0.3mm以下であることが望ましく、この厚さが0.3mmを超えると、機械的強度は大きくなるが、電池の内容積が減少しエネルギー密度が低下する傾向にある。
ところで、本発明の扁平形状を有する中型電池の場合、電池容器によって電極面を挟持し押圧する力が弱くなることから、内部抵抗が増大し、サイクル寿命が低下して電池性能に影響を与えることがある。これらの問題に対しては、例えば、次に説明する様に電池内を大気圧未満になる様にして封口することが可能である。
本実施形態の非水系二次電池では、図3に示す様に、上蓋1には、電解液の注液口5が開けられており、電解液注液後、注液用の穴を熱可塑性樹脂フィルム或いは熱可塑性樹脂フィルムと金属箔との積層体を用いて、40000PA以下の減圧下で封口する。例えば、アルミニウム−変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を用いて、封口される。この場合、封口フィルム6は、電池内部の内圧が上昇したときに解放する為の安全弁を兼ね備えることができる。封口フィルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧力は、大気圧未満であり、好ましくは40000PA以下、更に好ましくは13000PA以下である。この圧力は、使用するセパレータ、電解液の種類、電池容器の材質及び厚み、電池の形状等を加味して決定されるものである。内圧が大気圧以上の場合、電池厚みが、設計値より大きくなる。あるいは、電池の厚みバラツキが大きくなり、電池の内部抵抗及び容量にバラツキが発生する原因となる為、好ましくない。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載により限定されるものではなく、キャパシタ等にも適用可能である。
(1)まず、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、導電材である高比表面積天然黒鉛(BET法比表面積=250g/m2)及びアセチレンブラックとを乾式混合した。バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、得られた混合物を均一に分散させて、スラリー1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。
正極中の固形分重量比は、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物:高比表面積天然黒鉛:アセチレンブラック:PVDF=92:3:2:3となるよう調製した。
図9−(a)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、109×79mm2である。又、電極の短辺側には、スラリー1が塗布されていない集電体の一部106aが設けられている。
(2)二重構造黒鉛粒子は、天然黒鉛(平均粒径25μm、タップ密度0.86g/cm3)と石油ピッチ(軟化点250℃、トルエン不溶分30%)を混合・焼成して得た。
(3)上記(2)で作製した二重構造黒鉛粒子(黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nmを越える)および導電材である人造黒鉛を乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー2を調製した。次いで、スラリー2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行ない、負極を得た。
負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:人造黒鉛:PVDF=93:2:5となるよう調製した。
図9−(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、110×81mm2である。又、電極の短辺側には、スラリー2が塗布されていない集電体の一部106bが設けられている。
さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の(4)項の電極積層体において外側に配置される(図4中101c)。
(4)図4に示す様に、上記(1)項で得られた正極10枚と上記(2)項で得られた負極11枚(内片面2枚)とを、セパレータ104a (セルロース抄紙:ニッポン高度紙工業 TF4030)とセパレータ104b(ポリエチレン製微孔膜:旭化成工業HIPORE N9420G)とを重ね合わせたセパレータ104を介して交互に積層し、電池容器との絶縁の為に外側の負極101cの更に外側にセパレータ104bを配置し、電極積層体を作製した。尚、セパレータ104は、セパレータ104aが正極側に、セパレータ104bが負極側になる様に配置した。
(5)図5に示す様に、厚さ0.1mmのSUS304製薄板を深さ4.8mmに絞り幅91mm、長さ129mmの底容器2を作製した。底容器2は2mm幅のフランジを備えている。上蓋1は、厚さ0.2mmのMn−Al系合金3003製薄板により幅91mm、長さ129mmで作製した。電池容器及び蓋には、周囲部より外側に幅30mm長さ10mmのはみ出し部分を設け、外部接続用に直径5mmの穴を二個ずつ備えることとした。又、そのはみ出し部分は、底容器と蓋を重ねた際に接触しない様にはみ出させる方向を互い違いとした。次いで、厚さ0.1mm、幅91mm(内寸85mm)、長さ129mm(内寸123mm)の枠状に裁断した絶縁性樹脂7を、図7に示す様に、上蓋1及び底容器2に熱溶着した。
(6)図6に示す様に、超音波アンビル上面に、上蓋1の上に上記(4)項で作製した電極積層体を絶縁テープで固定した。その電極積層体の正極集電体より、正極集電体の一部106aを重ね、その集電体の一部の上に0.1mmのアルミニウム板を配置し、更に上に0.05mmの樹脂フィルムを重ねた上方より超音波チップを押し当て溶接した。次いで、超音波アンビル上面に、底容器2に負極集電体より負極集電体の一部106bを重ね、その集電体の一部の下に0.1mmのニッケル板を配置し、最上部に0.05mmの樹脂フィルムを重ねた上方より超音波チップを押し当て溶接した。図8に示す様に、電極積層体を上蓋1に密着させた状態で、負極集電体の一部106bを折り曲げて底容器2を取り付け固定した。
上記工程の後、絶縁性樹脂7を介した上蓋1及び底容器2の外周部は、ヒートシールにより、接合部は加熱しながら、接合部周囲は冷却して接合した。
次いで、図3に示す注液口5(直径6mm)から、電解液(エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比30:70に混合した溶媒に、全溶媒重量の2重量%に相当する量のビニレンカーボネートを加えた後、1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で樹脂テープを用いて注液口5を一旦封口した。
(7)25℃中でこの電池を1Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて1Aの定電流で3Vまで放電した。
(8)次に、電池の仮封口を取り外した後、容器内部が40000PAの減圧下となる様に、直径8mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔−変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終的に封口し、幅91mm×高さ129mm×厚さ5.3mmの扁平形状の電池を得た。
(9)25℃中でこの電池を用いて1Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて1Aの定電流で3Vまで放電し、容量を測定したところ、4.88Ahの容量が得られた。この電池のエネルギーは17.6Whであり、エネルギー密度は283Wh/lであった。
(比較例)
(1)まず、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、導電材である高比表面積天然黒鉛(BET法比表面積=250g/m2)及びアセチレンブラックとを乾式混合した。バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、得られた混合物を均一に分散させて、スラリー1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。
正極中の固形分重量比は、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物:高比表面積天然黒鉛:アセチレンブラック:PVDF=92:3:2:3となるよう調製した。
図10−(a)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101Aの塗布面積(W1×W2)は、177×130mm2である。又、電極の短辺側には、スラリー1が塗布されていない集電部106aが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
(2)二重構造黒鉛粒子は、天然黒鉛(平均粒径25μm、タップ密度0.86g/cm3)と石油ピッチ(軟化点250℃、トルエン不溶分30%)を混合・焼成して得た。
(3)上記(2)で作製した二重構造黒鉛粒子(黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nmを越える)および導電材である人造黒鉛を乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー2を調製した。次いで、スラリー2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行ない、負極を得た。
負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:人造黒鉛:PVDF=93:2:5となるよう調製した。
図10−(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、181.5×133mm2である。又、電極の短辺側には、スラリー2が塗布されていない集電体の一部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
さらに、上記と同様の手法により、片面だけにスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後記電極積層体において外側に配置される(図4中101c)。
(4)図4に示す様に、上記(1)項で得られた正極11枚と上記(2)項で得られた負極12枚(内片面2枚)とを、セパレータ104 (レーヨン抄紙:厚み:30μm)を介して交互に積層し、電極積層体を作製した。
(5)図1に示す様に、厚さ0.5mmのSUS304製薄板を深さ5.5mmに絞り、幅148mm、高さ210mmの底容器2を作製し、上蓋1も厚さ0.5mmのSUS304製薄板により幅148mm、高さ210mmで作製した。次いで、上蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。正極および負極端子3、4は、テフロン(登録商標)製ガスケットにより上蓋1と絶縁した。
(6)図2及び図4aに示す様に、上記の工程で作製した電極積層体の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、又各負極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれアルミニウム製および銅製のボルトで接続した後、接続された電極積層体を絶縁テープで固定し、図11に示す様に、周囲の角部Aを、全周に亘りレーザー溶接した。次いで、図1に示す注液口5(直径6mm)から、電解液(エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比30:70に混合した溶媒に、全溶媒重量の2重量%に相当する量のビニレンカーボネートを加えた後、1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。
(7)25℃中でこの電池を3Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて3Aの定電流で2.5Vまで放電した。
(8)次に、電池の仮止め用ボルトを取り外した後、容器内部が40000PAの減圧下となる様に、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔−変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口して、幅148mm×高さ210mm×厚さ6.5mmの扁平形状のノート型電池を得た。
(9)25℃中でこの電池を用いて3Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて3Aの定電流で2.5Vまで放電し、容量を測定したところ、14.4Ahの容量が得られた。この電池のエネルギーは51.4Whであり、エネルギー密度は254Wh/lであった。本比較例を実施例と同様の構造で設計するとエネルギー密度は305Wh/lと20%増加する。
実施例と比較例より、実施例は簡便な端子構造且つ部品点数も少ないのは明らかであり、電池のコストダウンが可能となるとともに、簡便な端子構造により部品占有部分が小さく、電極の充填率が向上し、エネルギー密度を高める事ができる。又、実施例においても比較例と同じく扁平形状且つ金属製容器を用いることから放熱性に優れ、安全性、信頼性についても比較例と同レベルを確保可能である。
更に、比較例における外部端子は扁平形状の広平面側に作製する必要があり、複数の電池からモジュールを組立てる際に、隣同士の電池との隙間を必要以上にとらなければならない場合があり、その結果、モジュールとしての体積エネルギー密度が低くなるという問題もあったが、実施例は上蓋及び底容器の周囲部の一部が、側面方向に金属板のみ或いは金属板と絶縁性樹脂との積層体がはみ出しており、そのはみ出した部分が各々正極端子及び負極端子として外部接続に使用できる形状である。したがって、組電池よりなるモジュールを作製する場合、隣接する電池との間隙を最小化でき、結果としてモジュールとしての体積エネルギー密度を高めることが可能となる。
本発明の非水二次電池は、簡便且つ製造容易な端子構造を有し、高エネルギー密度化、大電流負荷が可能である。又、扁平形状且つ金属製容器を用いることから放熱性に優れ、特に、エネルギー容量、出力、安全性、信頼性、コスト要求の高い中大型非水系二次電池においてその効果が大きい。
従来技術の扁平形状電池における、上蓋と底容器を示す断面図である。
従来技術の扁平形状電池における、正極端子又は負極端子付近を示す断面図である。
本発明の一実施形態である蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図である。
a)図3に示す電池の内部に収納される電極積層体の積層方式における断面図である。 b)図3に示す電池の内部に収納される電極積層体の巻回方式における断面図である。
図3に示す電池の上蓋と底容器、絶縁性樹脂の平面図及び側面から見た断面図である。
正極集電体或いは負極集電体を上蓋又は底容器に接続する溶接工程を示す断面図である。
図6に示す溶接工程の説明図である。
図3に示す電池の正極及び負極が上蓋と底容器に接続された状態を示す断面図である。
図3に示す電極積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
比較例の扁平形状電池における電極積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
比較例の扁平形状電池における平面図及び側面図を示す図である。
符号の説明
1 上蓋
2 底容器
3 正極端子
3a 上蓋へ正極集電体の一部を接続する位置
4 負極端子
4a 底容器へ負極集電体の一部を接続する位置
5 注液口
6 封口フィルム
7 絶縁性樹脂
8 金属板
9 樹脂フィルム
101a 正極(両面)
101b 負極(両面)
101c 負極(片面)
104 セパレータ
104a セパレータ
104b セパレータ
105a 正極集電体
105b 負極集電体
106a 正極集電体の一部
106b 負極集電体の一部