JP5237651B2 - 開き戸のソフトクローズ機構 - Google Patents

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Description

本発明は、開き戸の扉枠に対する扉の閉じ時の速度を低下させてソフトクローズを実現するソフトクローズ機構に関するものである。
従来から、扉の上端面にガイドレールを取り付け、扉枠に緩衝機能を有する引き込み機構部を設け、引き込み機構部に回動連結部材の基端部を連結し、回動連結部材の先端部に設けた走行ローラーを上記ガイドレールに往復走行自在に挿入し、引き込み機構部により走行ローラーをガイドレールに沿って扉の閉止方向に向かって引き込むようにしたソフトクローズする機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら上記特許文献1に見られる従来例においては、ガイドレールを扉の上端面に設置するにあたって、その位置精度や姿勢精度を高めることはきわめて難しいものであった。その理由として、開き戸や引き込み機構部の部品寸法のバラツキや、部品組立によるバラツキ、施工・建付けのバラツキ、温度環境等による扉や扉枠の反り、温度環境による部品の膨張・収縮、部品の経年劣化が挙げられる。特に扉と扉枠との位置関係や扉と引き込み機構部との位置関係等が経年的に変化することがあり、さらに扉により仕切られる両側の空間は、温度、湿度に差が大きい場合が多く、木製の扉等では、それらの環境により表面材が伸縮するが、環境の差により表裏面材の伸縮が異なり、反りに至ることが多々ある。そのために従来では、走行ローラーをガイドレールに単純に挿入しただけでは、前述した部品の位置関係の変化や反り等によって、ある開き角度から急に重くなったり、ガタツキが発生するなど、扉の開閉性能が不安定になるという課題があった。そのうえ走行ローラーに対するガイドレールの位置精度及び姿勢精度を高めるためには施工の手間及びコストが大きくなるという課題もあった。
特開2005−336983号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、施工の手間及びコストを大幅に削減できるものでありながら、走行ローラーに対するガイドレールの位置精度及び姿勢精度を高く維持でき、長期に亘って安定した扉開閉操作を実現できる開き戸のソフトクローズ機構を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために本発明は、扉2の上端面に扉2の長さ方向に沿ってガイドレール5を設置し、扉枠3に対して基端部6aが回動自在に支持された回動連結部材6の先端部6bに上記ガイドレール5に往復走行自在に挿入される走行ローラー6cを設けると共に、走行ローラー6cをガイドレール5に沿って扉2の閉止方向Fに向か引き込むための緩衝機能8を有する引き込み機構部7を備えた開き戸のソフトクローズ機構であって、上記扉2の長さ方向をX軸、厚み方向をY軸、高さ方向をZ軸とするとき、上記走行ローラー6cに対するガイドレール5の、X軸方向の位置ずれ及びX軸回りの姿勢ずれを吸収する軸受け部材12と、Y軸方向の位置ずれを吸収するY軸付勢用ばね13と、Z軸方向の位置ずれを吸収するZ軸付勢用ばね14と、を備えた可変手段10が設けられていることを特徴としている。
このような構成とすることで、可変手段10によって走行ローラー6cに対するガイドレール5の相対位置がX軸、Y軸、Z軸、X軸回りの各方向に変位可能となるので、たとえ部品寸法や部品組立、施工・建付けのバラツキや、経年劣化等が生じた場合であっても、ガイドレール5に多自由度をもたせることによって走行ローラー6cに対するガイドレール5の位置精度及び姿勢精度を高めることが可能となる。
本発明の開き戸のソフトクローズ機構は、可変手段によって走行ローラーに対するガイドレールの相対位置に多自由度をもたせることにより、施工の手間及びコストを大幅に削減できるものでありながら、走行ローラーに対するガイドレールの高い位置精度及び姿勢精度が得られるようになり、結果、長期に亘って安定した扉開閉操作を実現できる効果が得られる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本発明の開き戸1に用いられるソフトクローズ機構4は、扉枠3に対する扉2の閉じ時の速度を低下させてソフトクローズを実現するものであり、扉2に設置される長尺のガイドレール5と、扉2と扉枠3とを常時連結する回動連結部材6と、扉枠3に設置される緩衝機能8を有する引き込み機構部7とを備えると共に、後述するガイドレール5の多自由度を得るための可変手段10を備えている。
先ず、引き込み機構部7を図6〜図9を参照して説明する。
扉2の上端面には、図6に示すように、長尺のガイドレール5が設置されている。このガイドレール5は、上方に開放された断面U字形状をしており、後述するケーシングに収納された状態で、扉2の上端面の戸尻側端部5aから中央部側に亘って凹設された凹条溝9内に埋設されている。
上記扉2と扉枠3とは、回動連結部材6を介して常時連結されている。回動連結部材6は、平面視で四角形状をしており、図8及び図9に示すように、扉枠3の上側枠部の下面の戸尻側(蝶番30側)寄りの位置に回動連結部材6の基端部6aが回転軸6eによって回転自在に支持されている。回動連結部材6の先端部6bの前方C寄りには走行ローラー6cが突設され、この走行ローラー6cが上記扉2のガイドレール5内に往復走行自在に挿入されている。回動連結部材6は、扉2の開閉に伴って回転軸6eを中心にして扉枠3の前後方向B,Cに回動するようになっており、このとき走行ローラー6cは、ガイドレール5の扉全開位置に対応する戸尻側端部5aから扉全閉位置に対応する戸先側端部5bとの間で往復運動できるようになっている。さらに回動連結部材6の先端部6bの後方B寄りには、キャッチ部材20のキャッチ面20aに着脱可能に嵌合されるトリガー軸6dが突設されている。
上記扉枠3には、緩衝機能8を有する引き込み機構部7が設置されている。本例では上側枠部の下面(以下、扉枠面3aという)の戸尻側(蝶番30側)寄りに引き込み機構部7が設置されている。引き込み機構部7は、扉2を閉止方向Fに向かって引き込むためのものであり、ガイドプレート15、キャッチ部材20、V字型の回動アーム21、スプリング22、緩衝機能8であるダンパー23等で構成されている。
ガイドプレート15は、扉枠面3aの中央部側に取り付けられ、扉枠3の前後方向B,Cに向かって第1のガイド溝16と第2のガイド溝18とが互いに並行して形成されている。第1のガイド溝16の前端部は第2のガイド溝18の前端部よりも前方Cに突出していると共に、その突出部分はL字状に屈曲したロック溝17となっている。
上記ガイドプレート15の第1のガイド溝16に沿って、キャッチ部材20がスライド走行自在に挿入されている。キャッチ部材20の先端には、コ字形に開口したキャッチ面20aが形成されており、このキャッチ面20aに前記回動連結部材6の先端部6b側から突設されたトリガー軸6dが係入可能とされる。キャッチ部材20の中央側には、ガイドプレート15の第1のガイド溝16に沿ってスライド自在な前後一対のガイド軸20b、20cが突設されていると共に、前側ガイド軸20bだけが上記ロック溝17に進入可能とされる。さらにキャッチ部材20の後端側から連結軸20dが突設され、この連結軸20dはガイドプレート15の第2のガイド溝18を貫通して、回動アーム21の一片21bに連結されている。
上記回動アーム21は平面視V字型に屈曲形成されており、ガイドプレート15の一側方の扉枠面3aに回転自在に支持されている。ここで、「ガイドプレート15の一側方」とは、ガイドプレート15から見て扉枠3の蝶番30側の方向を指すものとする。本例では、回動アーム21の一片21bに形成した長孔内に上記キャッチ部材20の連結軸20dがスライド自在に嵌合しており、これによりキャッチ部材20の往復直線運動が回動アーム21の回転運動に変換されるようになっている。
ここで、上記回動アーム21は、スプリング22によって中央屈曲部を支点にして後方Bに向かって常に付勢されている。本例では、スプリング22の一端が回動アーム21の他片21dに連結され、他端がガイドプレート15の一側方の扉枠面3aに支承されており、回動アーム21の他片21dを常に引っ張る方向に付勢している。つまり、スプリング22によって、回動アーム21は扉全開位置に対応する前方回転位置P2(図8)から扉全閉位置に対応する後方回転位置P1(図9)に向かって常時付勢されている。
さらに、上記回動アーム21の他片21dには、上記キャッチ部材20の引き込み速度を低下させる緩衝機能8であるダンパー23が連結されている。ダンパー23によりキャッチ部材20の引き込み動作に抵抗が付与されるようになっている。
上記引き込み機構部の動作を説明する。
扉2が所定開閉角度(例えば約10度)よりも開いているときは、図8のように回動連結部材6のトリガー軸6dが引き込み機構部7から離脱可能となり、このとき、キャッチ部材20の前側ガイド軸20bがガイドプレート15のロック溝17に進入しており、これによりスプリング22に抗してキャッチ部材20は前方スライド位置でロックされている。またこのロック状態では、キャッチ部材20のキャッチ面20aは回動連結部材6のトリガー軸6dを受け入れ可能な前向き姿勢で保持されている。
開いた扉2を閉じると、回動連結部材6がその回転軸6eを中心に回動して、走行ローラー6cがガイドレール5の戸尻側端部5aから戸先側端部5bに向かって移動する。そして、扉2を所定開閉角度(約10度)まで閉じると、図8のように回動連結部材6のトリガー軸6dがキャッチ部材20のキャッチ面20aに衝突することで、キャッチ部材20の前側ガイド軸20bがロック溝17から第1のガイド溝16に移動することで、キャッチ部材20のロックが解除されると同時にキャッチ部材20が回転して回動連結部材6のトリガー軸6dとキャッチ部材20とが互いに係合した状態となり、この係合状態では図9に示すように、スプリング22によって引っ張られているV字型の回動アーム21によって、回動連結部材6とキャッチ部材20とが一体となって第1のガイド溝16の後方Bに引き込まれていく。またこの引き込み時にダンパー23のピストンロッドが縮むことによって、回動連結部材6及びキャッチ部材20の引き込み速度が制動されて、扉2はゆっくりと静かに閉止される(図7)。
閉じた扉2を開くと、図9→図8のように、回動連結部材6の走行ローラー6cが扉2のガイドレール5の戸先側端部5bから戸尻側端部5aに向かって移動すると共に、キャッチ部材20が第1のガイド溝16に沿って前方Cに引っ張られて、キャッチ部材20の前側ガイド軸20bが第1のガイド溝16からロック溝17に係入してロックされると共に、回動連結部材6のトリガー軸6dがキャッチ面20aから離脱することによって、扉2はソフトクローズしない開閉フリーな状態、つまり、次の閉じ動作のソフトクローズを待機する状態となる。
図1〜図5は本発明の一実施形態を示している。本発明では、上記走行ローラー6cに対するガイドレール5の相対位置に多自由度をもたせるための可変手段10を備えている。
図1〜図3に示すように、扉2の長さ方向をX軸、厚み方向をY軸、高さ方向をZ軸としたとき、可変手段10によって走行ローラー6cに対するガイドレール5の相対位置がX軸、Y軸、Z軸、X軸回りの各方向にそれぞれ変位可能となっている。
先ず、長尺のガイドレール5を収納するケーシング11は、扉2の凹条溝9内に埋設されていると共に、ガイドレール5よりもひと回り大きい、上方に開放された長尺の箱形状に形成されている。ケーシング11内面とガイドレール5外面との間に隙間を設けることでガイドレール5はケーシング11内部で前後左右方向(X軸方向、Y軸方向)にそれぞれ変位自在とされている。
図1に示すように、ガイドレール5のX軸方向の両端部には、それぞれ、Y軸方向に細長く延びた凹溝部12aが凹設されており、各凹溝部12a内にケーシング11のX軸方向の両端壁からそれぞれ突設したピン12bがスライド自在に挿入されている。各凹溝部12aはピン12bをX軸、Y軸の各方向に移動自在に軸支すると共にX軸回りに回動自在に軸支するものであり、この凹溝部12aとピン12bとで、ガイドレール5をX軸、Y軸、X軸回りの各方向にそれぞれ変位可能に支持する軸受け部材12が構成されている。
さらに、上記ガイドレール5のY軸方向の両側には、それぞれ、Y軸付勢用ばね13が配置されている。本例のY軸付勢用ばね13は、ガイドレール5のX軸方向の一端側に配置される前後一対の板ばね13aと、ガイドレール5のX軸方向の他端側に配置される前後一対の板ばね13aとで構成されている。Y軸付勢用ばね13として機能する各板ばね13aは同じ構造をしており、板ばね13aの矩形状の基端部13bがケーシング11の内壁に沿って設けたばね受け部13cに嵌め込まれて保持されており、板ばね13aのアーム形状をした先端部13dがガイドレール5の外側面5c(図5(c))に弾接可能に配置されている。これにより、Y軸方向に移動自在となっているガイドレール5が、Y軸方向の両側から板ばね13aによってセンタリング位置に向かって弾性的に挟持されていると共にY軸方向に向かって変位可能となっている。ここで言う「センタリング位置」とは、設計上設定された軌道の位置のことである。
一方、ガイドレール5に挿入される走行ローラー6cには、図4に示すように、走行ローラー6cを下方向(Z軸方向)に向かって付勢するためのZ軸付勢用ばね14が装着されている。本例では図4、図5に示すように、回動連結部材6の先端部6bから下方向に向かってローラー軸31が突設され、このローラー軸31に走行ローラー6cが移動自在に嵌め込まれている。走行ローラー6cはローラー軸31にスライド挿入される小径の筒部32と該筒部32の上端部から外方に突出する大径のフランジ部33とが一体形成されている。ここでは、ローラー軸31のばね支承部31aとフランジ部33との間に、Z軸付勢用ばね14として機能する圧縮コイルばね14aが介在されており、これにより、ローラー軸31の下端部がガイドレール5内部に挿入された状態で、フランジ部33がガイドレール5のY軸方向の両側面5cの上端縁に対し弾接している。Z軸付勢用ばね14は、走行ローラー6cを下方向(Z軸方向)に向かって常に付勢すると共に、走行ローラー6cをZ軸方向に変位可能に保持する働きをする。
しかして、走行ローラー6cをガイドレール5に挿入した構造において、可変手段10によって走行ローラー6cに対するガイドレール5の位置に多自由度をもたせることができる。つまり、部品、部品組立、施工・建付けのバラツキや、温度環境等による扉2や扉枠3の反り、経年劣化等が生じた場合でも、走行ローラー6cに対するガイドレール5のX軸方向の位置ずれ及びX軸回りの姿勢ずれを、それぞれ、ガイドレール5とケーシング11とのX軸方向の両端側に設けた軸受け部材12(凹溝部12a、ピン12b)によって吸収できるようになり、またY軸方向の位置ずれをY軸付勢用ばね13(板ばね13a)により吸収できるようになり、さらにZ軸方向の位置ずれを走行ローラー6cに装着したZ軸付勢用ばね14(圧縮コイルばね14a)によって吸収できるようになる。このように、走行ローラー6cに対するガイドレール5の相対位置がX軸、Y軸、Z軸、X軸回りの各方向に変位可能にすることで、走行ローラー6cに対するガイドレール5の高い位置精度及び姿勢精度が容易に得られることとなり、結果、長期に亘って安定した扉開閉操作を確保できる利点がある。そのうえ走行ローラー6cを単純にガイドレール5に挿入するだけでよいので、施工の手間及びコストを大幅に削減できる利点もある。
なお、本発明の可変手段10を備えたソフトクローズ機構4は、マンションや戸建て住宅などの建物における出入口に開閉自在に設けられる開き戸に限らず、例えばシステムキッチンの開き戸の分野にも広く実施可能である。
本発明の一実施形態に用いる可変手段を備えた扉を戸尻側から見た分解斜視図である。 同上の扉を戸先側から見た図である。 同上のガイドレールとケーシングの分解斜視図である。 同上のガイドレールとケーシングの組み付け状態を説明するY軸方向に沿う断面図である。 同上の回動連結部材と走行ローラーの分解斜視図である。 同上の扉の全開状態を示す平面図である。 同上の扉の全閉状態を示す平面図である。 同上の扉の開放状態における引き込み機構部を説明する斜視図である。 同上の扉の閉止状態における引き込み機構部を説明する斜視図である。
符号の説明
1 開き戸
2 扉
3 扉枠
4 ソフトクローズ機構
5 ガイドレール
6 回動連結部材
6a 基端部
6b 先端部
6c 走行ローラー
7 引き込み機構部
8 緩衝機能
10 可変手段
F 扉の閉止方向
X軸 扉の長さ方向
Y軸 扉の厚み方向
Z軸 扉の高さ方向

Claims (1)

  1. 扉の上端面に扉の長さ方向に沿ってガイドレールを設置し、扉枠に対して基端部が回動自在に支持された回動連結部材の先端部に上記ガイドレールに往復走行自在に挿入される走行ローラーを設けると共に、走行ローラーをガイドレールに沿って扉の閉止方向に向かって引き込むための緩衝機能を有する引き込み機構部を備えた開き戸のソフトクローズ機構であって、上記扉の長さ方向をX軸、厚み方向をY軸、高さ方向をZ軸とするとき、上記走行ローラーに対するガイドレールの、X軸方向の位置ずれ及びX軸回りの姿勢ずれを吸収する軸受け部材と、Y軸方向の位置ずれを吸収するY軸付勢用ばねと、Z軸方向の位置ずれを吸収するZ軸付勢用ばねと、を備えた可変手段が設けられていることを特徴とする開き戸のソフトクローズ機構。
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