JP5241067B2 - アーク不良検出装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は一般的にアーク不良を検出するための装置並びに方法に係わり、更に詳細には迷惑トリップに対して過敏ではないアーク不良検出装置並びに方法に関する。
アーク不良検出装置並びに方法は知られており、これはマイクロ制御器を採用して負荷に架かる電圧を測定し、そして電気的アークが存在するかを決定するために電圧測定値を表すデータを処理している。例えば、従来型アーク不良検出装置は交流負荷電流を検知し、AC信号をフィルタ処理して整流し、整流された信号を積分キャパシタに供給している。従って、従来型アーク不良検出装置はマイクロ制御器を用いて、積分キャパシタに架かる電圧を測定し、その電圧測定値をデジタル・データに変換してアルゴリズムに基づいて後続の処理を行っている。例えば、そのアルゴリズムはライン電圧のそれぞれのサイクルに対応する測定された電圧レベルを解析し、その電圧測定値が電気的アーク不良の特性であるか、または調光負荷、電機製品サーモスタット・スィッチ、ドリル電流遷移(drill current transition)、ランダムなライン電圧スパイク、そして/またはEMIバーストのような迷惑負荷によるものかを判定する。電圧測定値がアーク不良の特性を示す場合、従来型アーク不良検出装置は通常サーキット・ブレーカをトリップさせて、電源ラインを回路から切り離す。従来のアーク不良を検出する装置は、例えば、米国特許第6,532,424号に開示されている。
上記の従来型アーク不良検出装置は、今まで成功裏に使用され電気的アークと迷惑負荷とを識別してきたが、より信頼性の高いアーク不良検出技術に対する必要性が存在する。例えば、一般的に電気的アークの性質は無秩序なので、アーク不良は典型的にライン電圧の半サイクル毎に定まりのない個数のアーク事象を発生させる。これと対照的に迷惑負荷、例えばトライアック制御調光回路、は典型的に半サイクル毎に同一回数のアーク事象を生成するので、多数の半サイクルに渡って周期的にアーク事象を発生させる。しかしながら、従来型アーク不良検出装置はしばしば、周期的および非周期的アーク事象とを信頼性高く識別することが出来ないので、迷惑トリップを引き起こす傾向がある。更に、そのような従来型装置はある種のスタートアップおよびシャットダウン状態と電気的アークの間を識別することが困難なことが頻繁にある。加えて、負荷によっては比較的大きな電圧レベルを有する雑音を含む切替信号を発生させるが、そのような信号は電気的アークを示す必要は無く、従来型アーク不良検出装置ではアーク不良として間違って特性付けられる場合がある。
従って、上記の従来型装置並びに方法の欠点を回避する、改善されたアーク不良検出装置並びに方法が望まれる。
本発明によれば、迷惑トリップに対する感受性が低減されたアーク不良検出用装置並びに方法が提案されている。1つの実施例において、このアーク不良検出装置は電流センサ、入力検知回路、アーク発生検知回路、電源装置、トリップ(遮断)回路、処理装置、および電気機械インタフェースを含む。1つの動作モードとして、電流センサは交流電流(AC)を含む電源入力を監視し、AC電流の高周波成分を入力検知回路に与える。次に、入力検知回路はその入力部でAC信号のフィルタ処理をして整流し、その整流された信号をアーク発生検知回路に供給する。アーク発生検知回路は続いて、予め定められたサンプル期間に渡って積算された電圧レベルと、そのサンプル期間中に発生した可能性のある電気的アークを表す1つまたは複数のデジタル信号を処理装置に提供する。この処理装置は電圧レベルを測定し、測定された電圧およびそこに供給されたデジタル信号に関連する情報を格納し、そして格納されている情報を1つまたは複数のアルゴリズムを用いて処理し、これによりその信号がアーク不良の結果かまたは迷惑負荷によるものか判定するように動作する。それらの信号がアーク不良の結果生じたものである場合は、処理装置は遮断回路を起動して電気機械インタフェースをトリップさせ、これにより負荷への電源出力を中断させる。
今回開示の実施例において、マイクロ制御器はアーク不良と迷惑負荷とを区別するために複数のアルゴリズムを実行し、これは繰り返しまたは連続的に変化する型式の迷惑負荷を原因とする外乱をキャンセルする電圧変動を決定するように動作する、3周期アルゴリズム(Three Cycle Algorithm : TCA)を含む。TCAは次のように表現され、
Figure 0005241067
此処でV[n−1]はライン電圧の第1周期に対応する第1電圧測定値を表し、V[n]はライン電圧の第2周期に対応する第2電圧測定値を表し、そしてV[n+1]はライン電圧の第3周期に対応する第3電圧測定値を表す。先の複数のアルゴリズムは更に、ライン電圧の各半周期の間に生じるアーク発生の数を計測するための第1パルス計数器アルゴリズム、1つまたは複数のアーク発生事象に関するタイミング情報を捕捉するための第2パルス計数器アルゴリズム、および少なくとも1つの実行中電圧測定値合計の中に含まれるアーク発生事象の数を計数するためのアーク事象計数器アルゴリズムを含む。アーク不良と迷惑負荷とを区別するために、1つまたは複数のアルゴリズムを実行することにより、アーク不良検出装置はアーク不良をより高い信頼性で検出可能であり、これにより装置が迷惑トリップを起こす感受性を下げる。
本発明のその他の特性、機能、および特徴は以下の本発明の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の以下の詳細な説明を添付図と共に参照することにより、本発明は更に完全に理解されよう。
図1aは本発明に基づく、アーク不良検出装置100の図式的実施例を図示する。図示された実施例において、装置100は電流センサ101、入力検知回路102、アーク発生検知回路104、電源装置106、トリップ(遮断)回路108、処理装置112、および電気機械インタフェース117を含む。動作の図式的モードにおいて、電流センサ101は電源入力を電気機械インタフェース117経由で監視し、電源入力の高周波成分を入力検知回路102へ供給する。次に入力検知回路102はその入力部でAC信号をフィルタ処理して整流し、整流された信号をアーク発生検知回路104へ供給する。アーク発生検知回路104は続いて、電圧レベルと電気的アーク発生の可能性を示すデジタル信号とを処理装置112に供給する。次に、処理装置112は電圧レベルを測定し、その電圧測定値とデジタル信号とを1つまたは複数のアルゴリズムを用いて分析し、それらの信号がアーク不良によるものかまたは迷惑負荷によるものかを判定する。これらの信号がアーク不良の結果の場合、処理装置112は遮断回路108を始動し、これにより電気機械インタフェース117をトリップさせて電源出力を負荷から切り離す。入力検知回路102で検知されたAC信号が電気的アークの結果生じたものかまたは迷惑負荷によるものかを、電気機械インタフェース117をトリップさせる前に判定することにより、処理装置112はアーク不良検出装置100の迷惑トリップに対する感受性を低減させる。
図1bはアーク不良検出装置100の図式的実現例を図示する。図示された実施例において、電流センサ101は変圧器TR1を含み、これは電源入力を監視しており、これは電源出力に負荷ライン位相端末TP9と負荷中立端末TP10およびTP22を介して結合可能な負荷を通って流れる交流電流(AC)iを監視することにより行う。変圧器TR1はAC電流iの高周波成分をその一次コイルL1からその二次コイルL2に磁気的に結合させるように構成されており、これによりAC交流電流Iを入力検知回路102へ供給している。先に開示した実施例において、アーク不良検出装置100は積層プリント回路板(PCB)基板、セラミック基板、または任意のその他の好適な基板、のような基板上に実現されている。更に、変圧器TR1の一次コイルL1は二次コイルL2を取り囲み(図2c−2d参照)、これは基板に垂直な磁気軸を有する。好適な実施例において、変圧器TR1の二次コイルL2は比較的微弱な磁気結合を与える。例えば、弱く結合された変圧器TR1は約20−50μHの相互コンダクタンスを与える。
図1bに示されるように、入力検知回路102はキャパシタC1、抵抗器R1−R2、およびダイオードD1−D6を含む。変圧器TR1の二次コイルL2はキャパシタC1と抵抗器R2の間に接続されている。キャパシタC1はまた抵抗器R1にも接続されており、抵抗器R1−R2は接地されている。キャパシタC1は変圧器二次コイルL2から供給されたAC信号を高周波フィルタ処理し、抵抗器R1−R2は接地基準電位を二次コイルL2に与える。ダイオードD1の陰極はキャパシタC1と抵抗器R1に接続され、ダイオードD2の陰極は二次コイルL2と抵抗器R2に接続され、ダイオードD1−D2の陽極は接地されている。ダイオードD1の陰極はまたダイオードD3−D4の陽極に接続され、ダイオードD2の陰極はまたダイオードD5−D6の陽極に接続されている。ダイオードD4−D5の陰極は接地されており、ダイオードD3とD6の陰極はノード114に接続され、入力検知回路102の出力を提供している。ダイオードD1−D2およびD4−D5は全波整流ブリッジを形成するように構成されており、従ってノード114に供給される出力は全波整流された信号である。好適な実施例において、ダイオードD3およびD6はダイオードD4−D5と整合が取られている。更に、アーク発生検知回路104に含まれているダイオードD3−D6およびキャパシタC2は対数化回路を形成し、これによりノード114に与えられる出力のレベルが入力検知回路102の入力の対数に比例するようにしている。
図示された実施例において、アーク発生検知回路104はキャパシタC2、積分キャパシタC3、抵抗器R3−R7、演算増幅器(OPアンプ)116、およびダイオードD7を含む。図1aに示されるように、キャパシタC2および抵抗器R4はノード114と接地電位との間に接続されている。更に、抵抗器R3はノード114とマイクロ制御器のピン10と間に接続されており、このマイクロ制御器は処理装置112の機能を実行する(図1a参照)。OPアンプ116と抵抗器R5−R6は非反転増幅器105を形成するように構成されている。キャパシタC2はOPアンプ116の非反転入力に接続され、キャパシタC2に架かる電圧はバッファリングされて積分キャパシタC3にダイオードD7および抵抗器R7を経由して供給される。キャパシタC3はマイクロ制御器112のピン9と接地電位との間に接続されている。ダイオードD7はキャパシタC3からの逆流電流を防止するように構成されている。更に、抵抗器R7とキャパシタC3の組み合わせは、低域濾波フィルタを形成し高周波雑音を除去する。
キャパシタC2に架かる電圧は減衰時間約(C2)*(R4)秒でリセットされることに注意されたい。例えば、R4が10kΩに等しく、キャパシタC2が1nfに等しい場合、キャパシタC2の減衰時間は約10μ秒である。アーク発生検知回路104はキャパシタC2に架かる電圧の変化(△VC2)を幅tpwを有するパルスに変換するように構成されており、これは次式で決定される。
Figure 0005241067

此処で“G”はOPアンプ116の利得である。著しいdi/dt事象(「アーク発生事象」)に応答して生成された各々のパルスは、キャパシタC3に架かる電圧の変化を引き起こし(△VC3)、これは次のように表される。
Figure 0005241067
従って、式(2)−(3)は、アーク発生事象の数が増加すると、△VC3が△VC2の対数に従って増加し、これによりアーク不良検出装置100のダイナミック・レンジを増加させることを示している。
マイクロ制御器112は積分キャパシタC3に架かる電圧VC3の測定値をマイクロ制御器のピン9で取るように動作する。例えば、マイクロ制御器112はテキサスインスツルメント社、米国テキサス州、ダラスから販売されているMSP430F1122マイクロ制御器、または任意のその他の好適なマイクロ制御器を含む。1つの実施例において、マイクロ制御器112はキャパシタC3に架かる電圧VC3をライン電圧の各半周期毎に1度、ライン電圧がゼロ交差する付近で測定する。測定された電圧は積分キャパシタC3で累積された電圧の合計値を表し、これは単純な減衰時間でリセットされる。従って、その間に各測定が行われるサンプリング周期はアーク事象が発生した時に開始され、約減衰時間の間継続する期間を有する。
これに代わる実施例において、マイクロ制御器112はキャパシタC3に架かる電圧VC3をライン電圧の各半周期毎に複数回測定する。例えば、マイクロ制御器112は電圧VC3を各半周期に2度、ライン電圧の絶対値で決められた時刻に測定し、キャパシタC3を各測定に続いて0にリセットする。特にマイクロ制御器112は電圧VC3を各半周期の予め定められた2つの領域に対応する時刻に測定する。マイクロ制御器112は続いて、最初に各々の予め定められた領域の開始時点でキャパシタC3を0ボルトにリセットし、次に各領域の終了時点でキャパシタ電圧を測定することによりこれらの測定値を合計する。好適な実施例において、半周期毎の2度の電圧測定はライン電圧がゼロ交差する付近で行われる、例えば、1つの測定はゼロ交差する直前に行われ、もう一方の測定はゼロ交差した直後に行われる。
今回開示している実施例において、マイクロ制御器112のピン9は、マイクロ制御器112内のアナログ/デジタル変換器(ADC)に接続されている。ADCは積分キャパシタC3で取られたアナログ電圧測定値をデジタル・データに変換し、これによりマイクロ制御器112が測定データを内部メモリの中に格納することが可能となる。各測定に続いて、マイクロ制御器112はピン9を接地電位に短絡し、キャパシタC3を次のサンプリング周期に対して電流を積分させるように準備する。加えて、マイクロ制御器112のピン13はOPアンプ116の出力に接続されており、これはパルス計数器信号を直接マイクロ制御器112のピン13に供給する。マイクロ制御器112はパルス計数器信号を監視するために内部計数器を採用して、信号内でのパルスの発生を追尾している。マイクロ制御器112は次に測定された電圧および監視されたパルスに関するデータを格納し、1つまたは複数のアルゴリズムを用いてそのデータを処理し、その電圧/パルスがアーク発生事象により生成されたものかまたは、迷惑負荷によるものかを判定する。
アーク不良検出装置100は更にリセット回路110を含み、これはキャパシタC4、抵抗器R8−R10、ツェナー・ダイオードD8、およびライン相をマイクロ制御器112のピン12に接続させるように動作可能な押しボタンPB1を含む。図示された実施例において、直列接続された抵抗器R9−R10およびピン12と接地電位との間に接続されたR8はライン電圧とライン電流とをマイクロ制御器112に適切なレベルまで低減する。TI MSP430F1122マイクロ制御器は内部保護ダイオードを含むが、ツェナー・ダイオードD8がピン12と接地電位との間に接続されて冗長な電圧制限を与えている。キャパシタC4はピン12と接地電位との間に接続され、高周波雑音を取り除いている。試験を開始するために押しボタンPB1が押されると、マイクロ制御器112は増大するパルス幅を有する検知試験信号をピン10に与える。その結果、マイクロ制御器112はパルス幅の増加に伴い増加電圧をキャパシタC2に抵抗器R3を通して供給し、これにより変化する電圧で模擬された電気的アークを生成する。
図1bに示されるように、遮断回路108はキャパシタC5−C7、抵抗器R11−R12、ダイオードD9、およびシリコン制御整流器(SCR1)を含む。特にキャパシタC7はSCR1の陽極と陰極との間に接続され、キャパシタC6および抵抗器R12はSCR1のゲートと陰極との間に接続され、大きなdv/dt事象でSCR1が不用意に導通することを防止している。キャパシタC5はマイクロ制御器112のピン14と電流制限抵抗器R11との間に直列接続されていて、電源の過度な消費を防止している。電気機械インタフェース117はダイオードD12−D15を含むダイオード・ブリッジ、ソレノイド118、および過度なライン電圧を防止するためにライン中立点とライン位相端末との間に接続された酸化金属バリスタ(MOV1)を含む。ダイオードD9はダイオード・ブリッジD12−D15とSCR1の陽極との間に接続されている。ダイオードD9はキャパシタC7を、マイクロ制御器112のピン8に接続された抵抗器R16−R17およびキャパシタC8を含む電圧監視回路から絶縁している。従って、SCR1が導通となる際、SCR1は増加電流をダイオード・ブリッジD12−D15を通して流し、ほぼライン電圧に等しい電圧レベルはソレノイド118をトリップさせ、電源出力を負荷から切り離す。
図示された実施例において、電源装置106は抵抗器R13−R20、キャパシタC8−C10、およびダイオードD10−D11を含む。直列接続されている抵抗器R13−R15はツェナー・ダイオードD11へ供給される電流量を制限する。図1bに図示されるように、抵抗器R20はダイオードD10とツェナー・ダイオードD11の接合部と、マイクロ制御器112の正電源Vcc(ピン2)との間に接続されている。ダイオードD10はキャパシタC9からの逆流電流を防止し、このキャパシタC9はダイオードD10−D11の接合部と接地電位との間に接続されている。更にマイクロ制御器112のピン2と接地電位との間に接続されているキャパシタC10は電圧Vccをマイクロ制御器112に供給する。直列接続された抵抗器R16−R17は抵抗器R14−R15の接合部と接地電位との間に接続されている。更に、抵抗器R16−R17の接合部と接地電位との間に接続されているキャパシタC8は、基準電圧(VREF)をマイクロ制御器112のピン8に与える。基準電圧VREFはダイオード・ブリッジD12−D15の電圧に比例し、これはライン電圧の絶対値にほぼ等しい。今回開示されている実施例において、マイクロ制御器112はライン電圧をVREFを介して監視し、この監視されたライン電圧に基づいて、キャパシタC3に架かる電圧の測定を実行する時を決定している。これに代わる実施例において、マイクロ制御器112がデジタル・タイマの出力を監視し、そのタイマの出力に基づいて積分キャパシタC3に架かる電圧測定を実施することも可能である。
上記のように、マイクロ制御器112は格納された電圧/パルス・データを1つまたは複数のアルゴリズムを用いて処理することにより、アーク事象の発生を判定する。迷惑負荷によるトリップの発生を減少させるために3周期アルゴリズム(TCA)を採用したアーク不良検出装置100の1つの動作方法を、以下に図1bおよび図4を参照して説明する。ステップ402に示されるように、積分キャパシタC3は0ボルトにリセットされ、マイクロ制御器112内の全てのフラグは初期化される。ステップ406−409はサブルーチンを形成し、その中でこの方法はマイクロ制御器112のピン8で監視される基準電圧VREFが予め定められた値samp_hiを超え、次に選択された値sample1以下となるまでルーピングし、これによりライン電圧がゼロ交差する近くのサンプリングまたは測定点を決定する。次にステップ414で示されるように、キャパシタC3に架かる電圧の測定が、マイクロ制御器112のピン9で行われ、その後キャパシタC3が0ボルトにリセットされる。次にステップ416に示されるように、押しボタンPB1が起動されたか否かの判定が行われる。押しボタンPB1が押されると、電気的アーク様の雑音が、ステップ420に示されるようにキャパシタC2の中にマイクロ制御器112のピン10に接続された抵抗器R3を通して注入され、ライン電圧の複数の半周期に渡って十分な雑音が注入され、以下にステップ440で説明するようにTCAで処理されることにより、負荷電流中に電気的アークが検出されたのと同じようにソレノイド118をトリップさせる。
好適な実施例では、電気的アークを維持するための最低電圧、例えば約15ボルトが必要なため、典型的に50ボルトまでのウィンドウが電圧測定用に選択されていて、ライン電流とライン電圧との間の位相差を明らかにしている。ライン電圧ゼロ交差部周りのこのウィンドウは、典型的にこのゼロ交差付近で生成されたりまたは消滅される比較的小さなアークを捕捉する。
次に電圧測定値はデジタル形式に変換され、ステップ434に示されるように、マイクロ制御器112内のスタック上にプッシュされ、測定データの履歴を保持する。今回開示されている実施例において、連続する電圧測定値は複数のワードとしてスタックの中に入力される。次に、ステップ440に示されるようにTCAが実行される。次に周期1のワード(すなわちV[n−1])引く周期2のワード(すなわちV[n])が計算され、その絶対値を取って第1計算値とし、周期3のワード(すなわちV[n+1])引く周期2のワード(すなわちV[n])が計算され、その絶対値を取って第2計算値とし、周期3のワード(すなわちV[n+1])引く周期1のワード(すなわちV[n−1])が計算され、その絶対値を取って第3計算値とされる。次に第1値足す第2値引く第3値が計算され、その絶対値が取られる。ステップ440で実行されたTCAは、従って次のように表現される。
Figure 0005241067
式(4)内の絶対値符号の最も外側の対は厳密には必要でないことが理解されるが、これらが含まれているのはTCA実行中に最小ビット(LSB)誤差を避ける必要を強調するためである。TCAで採用される隣接する全周期1−3は重複していてもしていなくても良いことに注意されたい。3つの周期が重複していない場合、TCAを実行するために6つの半周期が必要とされる。3つの周期が重複している場合、4つの半周期のみがTCAのために必要である。
次にステップ444に示されるように、TCA計算の少なくとも1つの連続的連続和が保持される。TCA計算の各連続和はそれぞれのサンプリング周期の間に発生した電気的アーク発生の総量を表している。サンプリング周期の終了時点で、ステップ446に示されているように、連続和が予め定められた閾値max_limitを超えているか否かの判定が行われる。連続和の値がmax_limitを超えている場合、アーク不良が検出され、ステップ448に示されるようにSCR1が遮断されて電源出力を負荷から切り離す。好適な実施例において、SCR1は3度遮断されライン電圧の短い中断が存在する場合でも確実に遮断されるようにしている。此処に開示されている実施例において、選択された幅を有するパルス、例えば30μ秒がSCR1に供給される。この方法は次にステップ402に戻り、積分キャパシタC3を後続の電圧測定に備えさせる。
上記の図示された実施例を説明したが、その他のこれに代わる実施例または変形も可能である。例えば、アーク不良検出装置100は基板上に実装され、変圧器TR1の一次コイルL1は基板に垂直な磁気軸を有する誘導ピックアップ・コイルを取り囲んでいる。図2aは第1の代替実施例を示し、この中で一次コイルL1は第1のU字型導電性トレース212として実装され、基板202の中に基板と並行に配置されている。この実施例において、誘導ピックアップ・コイルの磁気軸は基板202に並行であり、一次コイルL1を通って流れる電流はピックアップ・コイルの軸に垂直である。図2aに示されるように、第2の導電性トレース214を含む静電遮蔽が第1トレースとピックアップ・コイルの間に配置されている。変圧器TR1は単一表面実装ピックアップ・コイルとして実装されていても良いし、または2つの表面実装ピックアップ・コイルTR2−TR3として実装して一次コイルとピックアップ・コイルとの間の容量性結合を低減するために中央タップを接地するようにしても構わない。此処に開示されている実施例では、二つのピックアップ・コイルTR2−TR3の極性は磁気軸に垂直な軸に関して180度回転してあり独立である。加えて、基板202は一次コイル212とピックアップ・コイル212との間の絶縁材として機能する。
図2aに示されるように、二つの表面実装ピックアップ・コイルTR2−TR3は基板202の片面に配置されており、一次コイル・トレース212は2つのピックアップ・コイルの下側に磁気軸と垂直となるように配置されている。ライン電流に接続されている一次コイルL1のU字型トレース212を1つのライン電流トレースと1つの戻り電流トレースと置き換えることが可能なことは明らかである。この様にして、ラインおよび戻り接続が逆であってもアーク検出機能が提供される。
図2bは第2の代替実施例を図示し、この中で2つの表面実装ピックアップ・コイルTR2−TR3が基板202のそれぞれ反対側に互いにほぼ逆となるように配置されており、一次コイル・トレース212がこれらのピックアップ・コイルの間に配置され、これにより相互インダクタンスを増加させている。例えば、各ピックアップ・コイルは5315TC(フェライト)シリーズRFIDトランスポンダ、米国イリノイ州キャリーのコイルクラフト社(Coilcraft Corporation)で販売されているもの、または他の好適なピックアップ・コイルを含むものが可能である。
入力検知回路102(図1b参照)はマイクロ制御器112が電圧測定をライン電圧の半周期に1度実行可能なように構成されると、先に記述した。図3aは対数合計回路102aを表し、これは入力検知回路102の第1の代替実施例である。入力検知回路102と同様、対数合計回路102aはマイクロ制御器112がキャパシタC3に架かる電圧を半周期に1度ライン電圧がゼロ交差する付近で測定することを可能とする。図3aに示されるように、対数合計回路102aはキャパシタC1、キャパシタC12−C13、抵抗器R23−R26、ダイオードD14−D15、およびトランジスタT1−T4を含む。トランジスタT1−T4とキャパシタC13は対数回路を形成し、キャパシタC13に架かる電圧の変化は次のように表現される。
Figure 0005241067

この中で「|Q|」は変圧器TR1の一次コイルL1を通って流れる、アーク生成電荷に等しく、
Figure 0005241067

この中で「vT」は室温で約26mVに等しい。今回開示している実施例において、各々のアーク発生事象はキャパシタC2に架かる電圧を(C13/C2)*△Vだけ増加させる。更に、キャパシタC13に架かる電圧は約(C13)*(R23)秒の減衰時間でリセットされる。例えば、抵抗器R23−R26の各々1つが10kΩに等しく、またキャパシタC13が10nfに等しい場合、減衰時間は100μ秒である。従って、アーク事象によるキャパシタC1内へ注入された電荷は、アーク事象発生時に始まり減衰時間で終了するキャパシタC13の中へ注入された電荷に等しい。
図3bは対数合計回路102bを表し、これは入力検知回路102(図1b参照)の第2の代替実施例である。図3bに示されるように、対数合計回路102bはキャパシタC1、抵抗器R27−R29、キャパシタC14−C16、トランジスタT5−T6、およびダイオードD16−D19を含む。この代替実施例において、対数合計回路102bは対数回路の中でただ1つの整合されたトランジスタ対T5−T6を採用している。
またアーク発生検知回路104(図1b参照)は演算増幅器116と抵抗器R5−R6を含み、これらが非反転増幅器105を形成すると説明されていた。図3cは比較器回路105aを示しており、これは非反転増幅器105の代わりに採用できるものである。図3cに示されるように、比較器回路105aは比較器120、抵抗器R30−R32、ダイオードD7、およびキャパシタC3を含む。特に、抵抗器R30−R31は分圧器を形成し、これは比較器の反転入力にバイアスを与える。入力検知回路102から比較器120の非反転入力に与えられる信号のレベルが、比較器120の反転入力のレベルを超えると、比較器120はキャパシタC3を抵抗器R32を通して、(R32)*(C3)に比例する速度で充電する。キャパシタC3は比較器120の非反転入力部の信号レベルがVcc*[R31/(R30+R31)]よりも大きい値に留まる限り、キャパシタC3の充電を続ける。従って、負荷電流の大きな変化が比較器回路105aの入力部で検出される度毎に(すなわち、大きなdi/dt事象が発生する度毎に)比較器の出力はその正の値に振り切れ、これによりダイオードD7および抵抗器R7を通してキャパシタC3に充電するためのパルスが生成される。
今回開示の実施例において、マイクロ制御器112は第1パルス計数器アルゴリズムを実行し、比較器回路105a(または、非反転増幅器105)の出力が各半周期の間に高状態に駆動された回数を計数するように動作可能である。電気的アークの性質は一般的に混沌としているので、アーク不良は典型的にまちまちの回数のアーク事象をライン電圧の半周期毎に発生させる。これと対照的に、迷惑負荷は典型的に同じ回数のアーク事象を半周期毎に発生させるので、複数の半周期に渡って周期的にアーク事象を発生させる。この様な情報を用いて正常動作条件下での迷惑トリップを禁止し、アーク不良が検出された時にトリップを行えるようにしている。特に比較器回路105aはパルス計数器信号をマイクロ制御器112のピン13に与え、これはこの信号を第1パルス計数器アルゴリズムの実行中に使用する。比較器回路105aの出力が、パルス計数器信号のレベルで示されるように、各半周期の間に高状態に駆動される度毎に、マイクロ制御器112内部のデジタル計数器が増加更新される。キャパシタC3がマイクロ制御器112でリセットされる際に、計数値がマイクロ制御器112の中に格納され、第1パルス計数器アルゴリズムが実行される。今回開示の実施例において、マイクロ制御器112は第1パルス計数器アルゴリズムを実行して、マイクロ制御器112内に格納された1つまたは複数の測定値データの組内のデータ要素の予め定められた個数の周期性を判定する。例えば、格納された計数器の値が4に等しい場合、第1パルス計数器アルゴリズムを使用して少なくとも1つの測定値データの組内の1−4データ要素の周期性を判定する。
第1パルス計数器アルゴリズムの動作を図5aを参照して以下に説明する。ステップ502に示されるように、パルス計数器アルゴリズムは、同じ第1データ値kを有する測定値データの組の中で予め定められた個数のデータ要素に対して検索を行う。次にステップ504に示されるように、全部の測定値データの組が分析され、ゼロ(0)の値を有するデータ要素が存在するか判定し、第1データ値(k)を有する追加データ要素が存在するか判定し、第1データ値とは異なる第2データ値(j)を有するデータ要素が存在するかを判定する。次にステップ506に示されるようにデータの組が写像される。例えば、データの組の例として値ゼロを有する第1データ要素と、第1の値3を有する第2データ要素と、同じ第1の値3を有する第3データ要素と、そして異なる第2の値2を有する第4データ要素とを含む場合、これらは[0,k,k,j]に写像される。次に、ステップ508に示されるように、写像されたデータの組が複数のアーク事象の周期性を示す複数の予め定められたデータの組の少なくとも1つと整合するか否かの判定が行われる。先に説明したように、迷惑負荷は典型的に周期的なアーク事象を生成する一方で、アーク不良で生成されたアーク事象は典型的に非周期的である。加えて、ある種のスタートアップおよびシャットダウン条件は周期的アーク事象に似ている。図6は周期的アーク事象を示す複数のデータの組の例示的写像を示す。例えば、先に説明した写像例[0,k,k,j]は図6に示されたデータの組のいずれとも整合しない。この事例において、パルス計数器は「アクティブ」と見なされず(N)、トリップ動作が許される。ステップ510に示されるように整合が取られる場合、パルス計数器は「アクティブ」と見なされ(Y)、トリップ動作が禁止され、これにより正常動作条件下での迷惑トリップの発生が低減される。例えば、トリップ動作は、先に説明した3周期アルゴリズム(TCA)で採用されている予め定められた最大閾値max_limitそして/またはその他の定数そして/または係数を増加させることにより禁止できる。TCAで採用されている定数/係数はまた、重大なアーク事象が検出された際にはトリップ動作が可能なように好適に修正可能なことは理解されよう。
先に説明したように、第1パルス計数器アルゴリズムは、写像されたデータの組がアーク事象の周期性を示す少なくとも1つの予め定められたデータの組と整合するか否かを判定するステップを含む。これに代わる実施例において、写像されたデータの組がデータ履歴の中の重大でない事象(例えば雑音)を示す1つまたは複数の予め定められたデータの組と整合するか否かの判定が行われる。例えば、その様なデータの組は[0,k,k,j,k,k]に写像し、これは写像内の1つの「j」要素を除いて周期性を示している。その様な整合が生じた際にトリップ動作を禁止することにより、雑音フィルタ処理の度合いが第1パルス計数器アルゴリズムに組み込まれる。
此処に開示している実施例において、第2パルス計数器アルゴリズムがまた実行され、1つまたは複数のアーク事象に関するタイミング情報を捕捉している。この第2パルス計数器アルゴリズムを図5bを参照して以下に説明する。ステップ514に示されるように、マイクロ制御器112内の計数器はアーク事象がサンプリング周期内で発生するために必要な時間量を追跡するために採用されている。例えば、計数器はサンプリング周期の開始からそのサンプリング周期内でアーク事象が発生するまでの時間を測定するために使用される。従って複数の時間値がステップ516に示されるように、複数のサンプリング周期に渡って格納され、アーク事象時間の履歴を与える。次に、この時間履歴がステップ518に示されるように分析され、アーク発生時間の不規則性が判定される。ステップ520に示されるように、アーク事象が各サンプリング周期の間ほぼ同一時間に発生しているか否かの判定が行われる。アークの発生が各サンプリング周期のほぼ同一時間に発生している場合は、そのアーク発生は迷惑負荷によるものと見なされ、ステップ522に示すようにトリップ動作は禁止される。先に説明した3周期アルゴリズムで採用されている定数/係数は、第2パルス計数器アルゴリズムで得られたアーク・タイミング履歴に基づいてトリップ動作を禁止そして/または可能とするように好適に修正できることは理解されよう。
電気的アーク発生信号の非線形性を考慮するために、比較器回路105aはそれぞれの電圧閾値に対応する複数のデジタル出力信号を提供するように修正される。図3dは複数のデジタル出力を提供する比較器回路105bの図示的実施例を示す。図3dに示されるように、比較器回路105bは、比較器121および123、そして抵抗器R33,R35,R37,およびR39を含む。更に、比較器121および123の非反転入力はノード114(図1b参照)に接続され、比較器121および123の出力はマイクロ制御器112の好適なデジタル入力に接続可能である。特に、抵抗器R33,R35,R37,およびR39は分圧器を形成し、これはそれぞれ比較器121および123の反転入力にバイアスをかける。例えば、分圧器は比較器121および123をそれぞれ予め定められた低および高電圧レベルにバイアスする。この代替実施例において、マイクロ制御器112内のデジタル計数器は比較器121が、アーク発生信号のレベルが低電圧閾値を超えたことを示す第1デジタル出力を与えた時に更新を開始する。次に計数器が更新する速度は、アーク発生レベルが高電圧閾値を超えると増加され、これは比較器123から与えられる第2デジタル出力で示される。計数器が更新される速度は、それぞれの比較器121および123から与えられる第1および第2デジタル出力で示されるようにアーク発生レベルが後続の閾値より下になると減じられる。
TCAが次のように表現されると先に説明されている。
Figure 0005241067

(式(4)参照)。しかしながら、式(4)は単一アーク発生事象に対して比較的なめらかな応答を与える。単一アーク事象に対して更にインパルス的特性の応答を得るために、修正されたTCAが次のように表現される。
Figure 0005241067

この中で「TCA_1」は式(4)で表現された通りであり、「knob」は定数、そして「TCA_2」は次のように表現される。
Figure 0005241067

この中でV[n−1]はライン電圧の第1周期に対応する第1電圧測定値を表し、V[n]はライン電圧の第2周期に対応する第2電圧測定値を表し、そしてV[n+1]はライン電圧の第3周期に対応する第3電圧測定値を表す。TCA_2は単一アーク事象に対して更にインパルス応答を与えることに注意されたい。先の式(8)の中でknob定数はインパルス応答の可変量を与えるために調整可能である(例えば、knob定数を1/8またはその他の任意の好適な値に設定できる)。
また、3周期アルゴリズム(TCA)の結果合計に、サンプリング周期に渡って発生した電気的アークの総量を表すTCAの連続的連続和が加算されるように説明されている。各サンプリング周期の終了時点でその連続和が予め定められた最大閾値max_limitと比較され、その閾値を超えた際にSCR1が遮断される。代替実施例において、更に迷惑トリップ動作を避けるために、マイクロ制御器112(図1参照)はその連続和の中に含まれるアーク事象の回数を計数するようにアーク事象計数器アルゴリズムを実行するように動作可能である。
アーク事象計数器アルゴリズムを図7を参照して以下に説明する。ステップ702に示されるように、キャパシタC3に架かる電圧が測定される。次に、ステップ704に示されるように測定された電圧値が第1の予め定められた閾値を超えるか否かの判定が行われる。測定された電圧値が第1閾値を超える場合、マイクロ制御器112内の第1事象計数器が、ステップ706に示されるように更新される。次にステップ708に示されるように、測定された電圧値が第2の予め定められた閾値を超えるか否かの、少なくとも1つの第2判定がオプション的に行われる。測定された電圧値が第2閾値を超える場合、マイクロ制御器112内の第2事象計数器が、ステップ710に示されるように更新される。次に、キャパシタC3に架かる電圧の測定が、ステップ712に示されるように、先に説明したTCAの様な少なくとも1つのアルゴリズムにより続行される。好適な実施例において、電圧測定値は次に電圧測定値の第1および第2連続合計値に加算される。例えば、電圧測定値の第1連続合計値は短時間の間に大きな電圧測定値が監視される短いサンプリング周期に対応し、第2連続合計値はより長時間の間に地井さん電圧測定値が監視される長いサンプリング周期に対応する。ステップ714に示されるように、第1連続合計値(連続合計1)が第1の予め定められたトリップ閾値(トリップ閾値1)を超えているか否かの判定が行われる。第1合計値が第1閾値を超えている場合は、ステップ716に示されるように、第1事象計数器(事象計数器1)の出力が第1の予め定められた事象の最小回数(最小事象1)を超えているか否かの判定が行われる。第1事象計数器出力が第1の事象回数を超えている場合、ステップ722に示されるようにトリップ動作が生じ、電源出力を負荷から切り離す。ステップ718に示されるように、第2連続合計値(連続合計2)が第2の予め定められたトリップ閾値(トリップ閾値2)を超えているか否かの判定が行われる。第2合計値が第2閾値を超えている場合、ステップ720に示されるように、第2事象計数器(事象計数器2)の出力が第2の予め定められた事象の最小回数(最小事象2)を超えているか否かの判定が行われる。第2事象計数器出力が第2の事象回数を超えている場合、ステップ722に示されるようにトリップ動作が生じ、電源出力を負荷から切り離す。従って、第1事象計数器出力が第1の予め定められた計数回数を超えるか、または、第2事象計数器出力が第2の予め定められた計数回数を超えると、トリップ動作が生じる。それ以外の場合は、トリップは行われない。
この様にして、例えば雑音を含むスィッチング信号による迷惑トリップが回避される。この様な雑音的信号は比較的大きな電圧測定値の結果となり、これらは電気的アークを示す必要はない。測定された電圧ま連続合計値のレベルを監視し、その連続合計値に含まれるアーク事象の個数を追跡することにより、アーク事象のいくつかの半周期を含む電気的アークが更に信頼性高く検出され、制限された回数のアーク事象のみを含む迷惑負荷がより安全に無視できる。
マイクロ制御器112はライン電圧をVREFを介して監視し、監視されたライン電圧に基づいてキャパシタC3に架かる電圧の測定を実施する時点を決定すると説明されていた。正常動作条件下で、これらの電圧測定の時間間隔は規則的でかつ周期的である。しかしながら、高電流アーク条件の間は、VREF信号は瞬時的なハード短絡によるライン電圧低下によって品質が劣化する。マイクロ制御器112がライン電圧の半周期上の特定の電圧点を探している場合、この様な電圧低下は不注意のまたは早い測定指令を引き起こしかねない。加えて、この型式のアーク事象の間、積分キャパシタC3上の電圧は典型的に比較的高くなる。正常なライン低下(または電力低下)の間、意図された測定点はマイクロ制御器により見つけられるであろうが、異常電圧はキャパシタC3上には存在しない。これと対照的に、高電流アーク条件の間、意図された測定点は見つけられ、比較的高い電圧がキャパシタC3上に検出される。従って、高レベルアーク発生を検出するために、マイクロ制御器112は測定点の間の時間を測定するように動作可能である。早期測定が見出され、比較的大きなキャパシタ電圧Vc3が検出された場合、マイクロ制御器は遮断回路108を起動し、これによりソレノイド118をトリップさせて電源出力を負荷から切り離す。
またマイクロ制御器112(図1参照)が半周期に2度キャパシタC3に架かる電圧の測定を行い、その電圧測定値をデジタル形式にアナログ/デジタル変換器(ADC)を用いて変換し、測定された電圧データを格納し、そして電圧測定が完了した時点でキャパシタC3を放電すると説明されていた。キャパシタC3に架かる電圧は非反転増幅器105から与えられた信号の積分を表すことに注意されたい。これに代わる実施例において、マイクロ制御器112内のデジタル計数器が非反転増幅器105の出力を効果的に積分するための累積器として採用されており、これにより積分キャパシタC3およびADCの必要性を未然に無くしている。
この代替実施例において、比較器回路105aまたは105bが非反転増幅器105の代わりに使用され、比較器回路のデジタル出力が直接マイクロ制御器112に供給されて内部計数器を更新させる。更に、サンプリング周期はライン電圧の1つまたは複数の半周期に対応する間隔を有するように定められる。マイクロ制御器112および比較器回路105aの出力を積分するための内部計数器の動作が図8を参照して以下に説明されている。ステップ802に示されるように、計数器はサンプリング周期の開始時点でリセットされる。次にステップ804に示されるように、比較器回路105aの出力が、電気的アークが存在することを示すアクティブか否かの判定が行われる。比較器回路出力がアクティブの場合、ステップ806に示されるように計数器は始動される。次に、ステップ808に示されるように、比較器回路105aの出力が、電気的アーク発生が終了したことを示す非アクティブとなったかの判定が行われる。電気的アークが終了すると、この方法はステップ812に分岐する。他の場合、ステップ810に示されるように、サンプリング周期の終わりに達したか否かの判定が行われる。サンプリング周期の終了に達した場合、この方法はステップ812に進む。他の場合、この方法はステップ808に戻る。次に、比較器の出力値が、ステップ812に示されように格納される。格納された計数器出力、これは比較器回路105aの出力の積分を表す、は続いて先に説明したアーク検出アルゴリズム内の積分キャパシタC3に架かる電圧測定の代わりに使用される。
パルス計数器アルゴリズム、3周期アルゴリズム(TCA)、およびアーク事象計数器アルゴリズムを含む、アーク検出アルゴリズムを採用したアーク不良検出装置100の動作方法が図1bおよび図9を参照して図示されている。ステップ902に示されるように、積分キャパシタC3は0ボルトにリセットされる。次に、ステップ904に示されるように早期測定指令が検出されたか否かの判定が行われる。例えば、マイクロ制御器112は、電圧測定を実施するその様な早期指令を、VREF信号の劣化がライン電圧の低下により生じた場合に検出する。早期測定指令が検出され、キャパシタC3に架かる過度に大きな電圧が測定されると、ステップ924に示されるようにアーク不良が検出され、ソレノイド118がトリップされて電源出力を負荷か切り離す。それ以外の場合、マイクロ制御器112はVREF信号を監視し、ステップ906に示されるように、サンプリングまたは測定点に達するまで待機する。
測定点に達すると、積分キャパシタC3に架かる電圧が測定され、ステップ908に示されるように、その後キャパシタC3は0ボルトにリセットされる。次に、マイクロ制御器112はアーク発生検知回路104から与えられるパルス計数器信号を監視し、ステップ910に示されるようにそのサンプリング周期の間に発生したパルス計数器の回数を格納する。加えて、マイクロ制御器112は、ステップ912に示されるように、積分キャパシタ電圧測定値を履歴データ格納部(例えばスタック)の中に格納する。格納されたパルス計数情報は次に、ステップ914に示されるように上記のパルス計数器アルゴリズムを用いて分析される。次にステップ916に示されるように、3周期アルゴリズム(TCA)が格納されている電圧測定値データの履歴を用いて実行され、TCAの計算結果が少なくとも1つの連続合計値に加算される。ステップ918に示されるように、マイクロ制御器112内の1つまたは複数の事象計数器が調整され、電圧測定値は上記のアーク事象計数器アルゴリズムを用いて分析される。次にステップ920に示されるように、1つまたは複数の事象計数器が、アーク事象の予め定められた最少回数を超えているか否かの判定が行われる。事象計数器がアーク事象の予め定められた最少回数を超えている場合、ステップ922に示されるようにTCA連続合計値が予め定められたトリップ閾値を超えるか否かの別の判定が行われる。TCA連続合計値が予め定められたトリップ閾値を超えている場合、ステップ924に示されるようにアーク不良が検出され、ソレノイド118がトリップされ電源出力を負荷から切り離す。
上述のアーク不良検出装置100はまた、DCアーク不良検出にも採用出来ることは理解されよう。この場合、電圧測定を実施する時点を判定するためにライン電圧をVREFを介して監視する代わりに、マイクロ制御器112はこれに代わって時間に基づく内部デジタル計数器を採用して、積分キャパシタC3に架かる電圧をサンプリングするための好適な周期を生成する。
更に当業者には、上述のアーク不良検出装置ならびに方法の更なる修正および変更が、此処に開示された本発明の概念から逸脱することなく行えることが理解されよう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲および精神以外で制限されるものではない。
(要約書)
迷惑トリップの感受性を低減したアーク不良を検出するための装置並びに方法である。この装置は電流センサ、入力検知回路、アーク発生検知回路、電源装置、トリップ(遮断)回路、処理装置、および電気機械インタフェースを含む。電流センサはAC電流を含む電源入力を監視し、AC電流の高周波成分を入力検知回路に与える。入力検知回路はAC信号をフィルタ処理し、整流してこの整流された信号をアーク発生検知回路に与える。アーク発生検知回路は予め定められた時間周期に渡って累積された電圧レベルと、そのサンプリング時間の間に発生した可能性のある電気的アークを示すデジタル信号とを処理装置に与える。処理装置は電圧レベルを測定し、測定された電圧とデジタル信号とに関する情報を格納し、格納された情報を1つまたは複数のアルゴリズムを用いて処理し、これによりその信号がアーク不良によるものか迷惑負荷による結果であるか判定する。その信号がアーク不良の結果である場合、処理装置は遮断回路を起動して電気機械インタフェースをトリップさせ、これにより負荷への電源出力を中断させる。
図1aは本発明に基づくアーク不良検出装置のブロック図。 図1bは図1aのアーク不良検出装置を図示する模式図。 図2aは図1aのアーク不良検出装置で採用される変圧器構造を示す図。 図2bは、同じく図1aのアーク不良検出装置で採用される変圧器構造を示す図。 図2cは図2a−2b変圧器構造に含まれる変圧器を示す外観図。 図2dは、同じく図2a−2b変圧器構造に含まれる変圧器を示す外観図。 図3aは図1aのアーク不良検出装置で採用される、アルゴリズム回路の一部を図示する模式図。 図3bは、同じく図1aのアーク不良検出装置で採用される、アルゴリズム回路の一部を図示する模式図。 図3cは図1aのアーク不良検出装置で採用される、比較器回路を図示する模式図。 図3dは、同じく図1aのアーク不良検出装置で採用される、比較器回路を図示する模式図。 図4は図1aのアーク不良検出装置で実行される3周期アルゴリズムを含む動作方法を図示する流れ図。 図5aは図1aのアーク不良検出装置で実行されるパルス計数器アルゴリズムを図示する流れ図。 図5bは、同じく図1aのアーク不良検出装置で実行されるパルス計数器アルゴリズムを図示する流れ図。 図6は図5a−5bのパルス計数器アルゴリズムで採用される、測定値データ・セットの写像を図示する表。 図7は図1aのアーク不良検出装置で実行される、アーク事象計数器アルゴリズムを図示する流れ図。 図8は図1aのアーク不良検出装置で実行される、デジタル計数器を用いた比較器回路の出力を積分する方法を図示する流れ図。 図9は、図1aのアーク不良検出装置で実行される、図5a−5bのパルス計数器アルゴリズム、図4の3周期アルゴリズム、および図7のアーク事象計数器アルゴリズムを含む動作方法を図示する流れ図。
符号の説明
100 アーク不良検出装置
101 電流センサ
102 入力検知回路
102a 対数合計回路
102b 対数合計回路
104 アーク発生検知回路
105 非反転増幅器
105a 比較器回路
105b 比較器回路
106 電源装置
108 トリップ(遮断)回路
112 マイクロ制御器
116 演算増幅器
117 電気機械インタフェース
118 ソレノイド
120 比較器
121 比較器
123 比較器
202 基板
212 U字型導電性トレース
214 導電性トレース

Claims (28)

  1. アーク不良検出装置であって、
    AC信号またはDC信号を含む電源入力と、
    電源入力のAC電流またはDC電流の選択された所定の周波数範囲に関連する信号を検知するように構成され、検知された信号が少なくとも1つのアーク発生事象の可能性を示す、入力検知回路と、
    増幅回路と累積回路とを含んだアーク発生検知回路であり、前記増幅回路は、前記検知された信号を受け取り、かつ少なくとも1つのアーク発生事象の可能性に対応するそれぞれのパルスを発生するように構成され、前記累積回路は、前記増幅回路で生成されたそれぞれのパルスを受け取りかつ所定の期間内に累積された信号を発生するように構成されている、前記アーク発生検知回路と、
    累積された信号とそれぞれのパルスとをアーク発生検知回路から受け取り、累積信号を表す第1データと前記増幅回路により生成されたそれぞれのパルスを表す第2データとを生成し、第1および第2データの少なくとも1つを少なくとも1つのアルゴリズムに基づいて処理し、少なくとも1つのアーク発生事象の可能性がアーク不良を示すものか否かを判定処理するよう動作する処理装置とを含み、
    前記処理装置が累積された信号を1組のいくつかの周期に渡って何度も測定し、累積された信号測定値を表す第1データを生成し、第1周期に関連する第1測定値引く第2周期に関連する第2測定値を計算して第1計算値を得、第3周期に関連する第3測定値引く第2周期に関連する第2測定値を計算して第2計算値を得、第3周期に関連する第3測定値引く第1周期に関連する第1測定値を計算して第3計算値を得、第1、第2、および第3計算値の絶対値を取り、第1計算値足す第2計算値引く第3計算値を計算して第4計算値を得ることを含むアルゴリズムに基づいて第1データを処理するよう動作可能である、前記装置。
  2. 請求項1記載の装置が更に、電源入力を監視し、電源入力に関連する信号を入力検知回路に供給するように構成された電流センサを含む、前記装置。
  3. 請求項2記載の装置において、電流センサが一次コイル巻線を有する一次コイルと二次コイル巻線を有する二次コイルとを有する変圧器を含み、一次コイル巻線は、二次コイル巻線との間に結合を形成するため二次コイル巻線を囲むように構成される、前記装置。
  4. 請求項1記載の装置が更に、電源出力と、電源入力と電源出力との間に結合された電気機械インタフェースとを含み、処理装置が、少なくとも1つのアーク発生事象の可能性がアーク不良を示す場合、電気機械インタフェースをトリップさせ、これにより電源出力とそこに結合可能な負荷とを切り離すように動作可能である、前記装置。
  5. 請求項4記載の装置において、電気機械インタフェースがソレノイドを含む、前記装置。
  6. 請求項1記載の装置において、増幅回路が比較器回路を含む、前記装置。
  7. 請求項1記載の装置において、累積回路が積分キャパシタを含む、前記装置。
  8. 請求項1記載の装置において、累積回路がデジタル計数器を含む、前記装置。
  9. 請求項記載の装置において、増幅回路が複数の比較器を含み、各々の比較器が、検出された信号がそれぞれの閾値を超える場合にそれぞれのパルスを発生するように構成され、処理装置が、複数の比較器で生成されたそれぞれのパルスを受け取り、受け取ったパルスに基づいて異なる速度でデジタル計数器を更新するように動作する、前記装置。
  10. 請求項記載の装置において、処理装置が更に第1データの処理を少なくとも1つの異なる組の周期に基づいて繰り返し、第4計算値の連続合計を保持し、この連続合計値が所定の期間に発生した電気的アークの総量を表すように動作可能な前記装置。
  11. 請求項10記載の装置において、処理装置が更に第2データを少なくとも1つの第2アルゴリズムに基づき処理し、連続合計値に含まれるアーク発生事象の数を計数するように動作可能である、前記装置。
  12. 請求項1記載の装置において、処理装置が所定の期間に発生するアーク事象の数を計数するためのアルゴリズムに基づいて第2データを処理するように動作可能である、前記装置。
  13. 請求項12記載の装置において、処理装置が更にアーク発生事象に関するタイミング情報を捕捉するように動作可能である、前記装置。
  14. 請求項1記載の装置において、前記電源入力がAC信号である、前記装置。
  15. 請求項1記載の装置において、前記電源入力がDC信号である、前記装置。
  16. アーク不良を検出するための方法であって、
    電源入力のAC電流またはDC電流の選択された所定の周波数範囲に関連する信号を入力検知回路で検知し、検知された信号が少なくとも1つのアーク事象の可能性を示すものであり、
    検知された信号を増幅回路で受け取り、
    少なくとも1つのアーク事象の可能性に対応するそれぞれのパルスを増幅回路で生成し、
    それぞれのパルスを累積回路で受け取り、
    所定の期間内に累積された信号を累積回路で生成し、
    累積された信号とそれぞれのパルスを処理装置で受け取り、
    累積された信号を表す第1データと前記増幅回路により生成されたそれぞれのパルスを表す第2データとを処理装置で生成し、
    少なくとも1つの第1および第2データを少なくとも1つのアルゴリズムに基づいて処理装置で処理し、少なくとも1つのアーク事象の可能性がアーク不良を示すものか否かを判定することを含み、
    前記方法が更に、累積された信号を1組のいくつかの周期に渡って何度も処理装置で測定し、累積された信号測定値を表す第1データを処理装置で生成し、第1周期に関連する第1測定値引く第2周期に関連する第2測定値を計算して第1計算値を得、第3周期に関連する第3測定値引く第2周期に関連する第2測定値を計算して第2計算値を得、第3周期に関連する第3測定値引く第1周期に関連する第1測定値を計算して第3計算値を得、第1、第2、および第3計算値の絶対値を取り、第1計算値足す第2計算値引く第3計算値を計算して第4計算値を得るステップを含むアルゴリズムに基づいて第1データを処理するステップを含む、前記方法。
  17. 請求項16の方法が更に、電源入力を電流センサで監視し、電源入力に関連する信号を電流センサから入力検知回路に与えるステップを含む、前記方法。
  18. 請求項17記載の方法において、電流センサが一次コイル巻線を有する一次コイルと二次コイル巻線を有する二次コイルとを有する変圧器を含み、一次コイル巻線は、二次コイル巻線との間に結合を形成するため二次コイル巻線を囲むように構成される、前記方法。
  19. 請求項16の方法が更に、電源入力と電源出力との間に結合されている電気機械インタフェースを、少なくとも1つのアーク事象の可能性がアーク不良を表す場合にトリップさせ、電源出力をそこに結合されている負荷から切り離すステップを含む、前記方法。
  20. 請求項19記載の方法において、電気機械インタフェースがソレノイドを含む、前記方法。
  21. 請求項16記載の方法において、増幅回路が比較器を含む、前記方法。
  22. 請求項16記載の方法において、累積回路が積分キャパシタを含む、前記方法。
  23. 請求項16記載の方法において、累積回路がデジタル計数器を含む、前記方法。
  24. 請求項23記載の方法において、増幅回路が複数の比較器を含み、更にそれぞれ1つの比較器により、検出された信号がそれぞれの閾値を超える場合にそれぞれのパルスを生成し、複数の比較器で生成されたそれぞれのパルスを処理装置で受け取り、処理装置で受け取ったパルスに基づいて異なる速度でデジタル計数器を更新させるステップを含む、前記方法。
  25. 請求項16記載の方法が更に、少なくとも1つの異なる組の周期に対応する信号測定値を用いるアルゴリズム基づいて第1データの処理を繰り返し、第4計算値の連続合計を保持し、この連続合計値が所定の期間に発生した電気的アークの総量を表す、以上のステップを含む、前記方法。
  26. 請求項25記載の方法が更に、連続合計値に含まれるアーク発生事象の数を計数する、少なくとも1つの第2アルゴリズムに基づき処理するステップを含む、前記方法。
  27. 請求項16記載の方法が更に、所定の期間に発生したアーク事象の回数を計測するためのアルゴリズムに基づき、処理装置により第2データを処理するステップを含む、前記方法。
  28. 請求項27記載の方法が更に、アーク発生事象に関連するタイミング情報を捕捉するステップを含む、前記方法。
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