JP5244507B2 - 表面処理組成物、当該表面処理組成物による皮膜形成方法及び当該皮膜形成方法によって得られた表面処理金属板 - Google Patents

表面処理組成物、当該表面処理組成物による皮膜形成方法及び当該皮膜形成方法によって得られた表面処理金属板 Download PDF

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Description

本発明は、従来のクロム酸塩処理及びリン酸塩処理に替わる、耐薬品性、平面部の耐食性、加工部や端面部における耐食性や、付着性に優れる無公害型の表面処理組成物、該表面処理組成物を用いた皮膜形成方法及び表面処理金属板に関する。
従来、コイルコーティングなどによって塗装されたプレコート鋼板などのプレコート金属板は、建築物の屋根、壁、シャッター、ガレージなどの建築資材、各種家電製品、配電盤、冷凍ショーケース、鋼製家具及び厨房器具などの住宅関連商品として幅広く使用されている。
プレコート金属板からこれらの住宅関連商品を製造するには、通常、プレコート鋼板を切断しプレス成型し接合される。したがって、これらの住宅関連商品 には、切断面である金属露出部やプレス加工によるワレ発生部が存在することが多い。上記金属露出部やワレ発生部は、他の部分に比べて耐食性が低下しやすいので耐食性の向上のため、プレコート鋼板の金属表面の耐食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一般に行われている。
しかしながら近年クロムの毒性が社会問題になっている。クロム酸塩を使用する表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの飛散の問題、排水処理設備に多大な費用を要すること、さらには化成処理皮膜からクロム酸の溶出による問題などがある。また6価クロム化合物は、IARC(International Agency for Research on Cancer Review)を初めとして多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指定しており、極めて有害な物質である。
またリン酸塩処理では、リン酸亜鉛系、リン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性を付与する目的でリン酸塩処理後、通常クロム酸によるリンス処理を行うためクロム処理の問題とともにリン酸塩処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの排水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理などの問題がある。
例えば、クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処理方法として、(A)エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基に、分子中に少なくとも1つ以上の活性水素を有するアミン化合物を反応させてなるアミン変性アクリル樹脂、(B)リン酸系化合物、弗化水素酸、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物、(C)モリブデン化合物、タングステン化合物及びバナジウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、(D)PH7以下で安定な水性有機高分子化合物、ならびに(E)潤滑剤を必須成分として含有することを特徴とする潤滑鋼板用表面処理組成物が記載されている(特許文献1)。
また、(A)エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基に、分子中に少なくとも1つ以上の活性水素基を有するアミン化合物を反応させてなるアミン変性アクリル樹脂、(B)リン酸系化合物、弗化水素酸、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに(C)モリブデン化合物、タングステン化合物及びバナジウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を必須成分として含有することを特徴とする金属材料用表面処理組成物が開示されている(特許文献2)。
また、(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液の固形分100重量部に基いて、(B)有機リン酸化合物1〜400重量部、(C)水溶性又は水分散性有機樹脂を固形分で10〜2,000重量部、(D)バナジン酸化合物1〜400重量部、(E)弗化ジルコニウム化合物1〜400重量部及び(F)炭酸ジルコニウム化合物1〜400重量部を含有してなることを特徴とする金属表面処理組成物が開示されている(特許文献3)。
他に、特許文献4には、金属鋼板上に、(I)乾燥膜厚で0.01〜1μmの高耐食性下層皮膜と、(II)乾燥膜厚で0.2〜3μmの耐指紋性皮膜とが順次形成されてなる表面処理鋼板であって、該高耐食性下層皮膜(I)が、(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液100重量部に基いて、(B)有機リン酸化合物1〜400重量部、(C)水溶性又は水分散性有機樹脂10〜2,000重量部、(D)メタバナジン酸塩1〜400重量部、(E)ジルコニウム弗化塩1〜400重量部及び(F)炭酸ジルコニウム塩1〜400重量部を含有してなる下層皮膜用表面処理組成物から形成された皮膜を有する表面処理鋼板が開示されている(特許文献4)。しかしながら、特許文献3又は特許文献4に記載された金属表面処理組成物は、クロム系顔料を使用した皮膜に比べ、耐食性及び耐薬品性に劣るものであり、特に端面部における耐食性が不十分であった。
さらに、特許文献5には、平均粒径が0.4〜0.6μmの内部ゲル化硬質重合体粒子(a)、水分散性シリカ(b)、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン(c)、有機バナジウム化合物(d)、水分散性ウレタン樹脂(e)、ジルコニウム化合物(f)、及びリン酸水素二アンモニウム(g)を含有する水性防錆被覆剤組成物で処理された塗装亜鉛系メッキ鋼板が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜5に記載された表面処理組成物等は、クロム系顔料を使用した表面処理組成物に比べ、耐食性に劣り、特に加工部及び端面部における耐食性や付着性が不十分である。
特開2003−166073号公報 特開2003−226982号公報 特開2006−9121号公報 特開2006−22370号公報 特開2008−81785号公報
本発明の課題は、平面部の耐食性、加工部や端面部における耐食性や付着性に優れた無公害型の表面処理組成物を見出し、上記皮膜性能に優れる無公害型の表面処理組成物、皮膜形成方法及び表面処理金属板を提供することである。
そこで、本発明者らは、従来の上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水溶性又は水分散性樹脂(A)、防錆成分混合物(B)として、特定のバナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)及びリン酸系カルシウム塩(b3)を所定量配合した表面処理組成物によって、平面部の耐食性のみならず、塗装金属板などにおける加工部や端面部の耐食性に優れた塗膜を形成できる表面処理組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、「1.水溶性又は水分散性樹脂(A)、下記の防錆成分混合物(B)を含有する固形分1〜30質量%の表面処理組成物、
防錆成分混合物(B):五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)、リン酸系カルシウム塩(b3)、からなるものであって、
該水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、バナジウム化合物(b1)の量が1〜30質量部、珪素化合物(b2)の量が1〜30質量部、及び該リン酸系カルシウム塩(b3)の量が1〜30質量部であり、かつ該防錆成分混合物(B)の量が3〜90質量部である
2.さらに、フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)を、水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して1〜30質量部含有する1項に記載の表面処理組成物、
3.水溶性又は水分散性樹脂(A)が、アミノ基含有エポキシ樹脂である1又は2に記載の表面処理組成物、
4.水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、レゾール型フェノール樹脂を0.1〜10質量部含有する1〜3のいずれか1項に記載の表面処理組成物、
5.金属基材に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理組成物による0.01〜10μmの硬化塗膜を形成し、素材到達温度80℃〜120℃で1秒間〜60秒間加熱乾燥することを特徴とする皮膜形成方法、
6.5に記載の皮膜形成方法によって得られた表面処理金属板」、に関する。
本発明の表面処理組成物は、クロム系の防錆顔料を含まず環境衛生面で有利である。表面処理組成物を塗布して得られた皮膜は、平面部の耐食性に優れるのみならず、非クロム系防錆顔料を含有する表面処理組成物では達成が困難であった表面処理金属板の加工部や端面部における耐食性、付着性に優れた効果を発揮する。
本発明は、水溶性又は水分散性樹脂(A)及び防錆成分混合物(B)を特定量含有する表面処理組成物に関する。以下、詳細に述べる。
[金属板]
本発明の表面処理組成物の被塗物となる金属板は、例えば、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミ溶融めっき鋼板、などの亜鉛系めっき鋼板、熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板、銅めっき鋼板、アルミニウム板、溶融すず−亜鉛(Sn−10%Zn)めっき鋼板、溶融アルミめっき鋼板、Al−Mg合金などが挙げられる。
水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂]
水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加反応させて得られる樹脂で、平面部の耐食性に優れるのみならず、加工部や端面部における耐食性や付着性向上の面から好適である。





上記のアミノ基含有エポキシ樹脂としては、例えば、(1)エポキシ樹脂と第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照);(3)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができる。
上記のアミノ基含有エポキシ樹脂の製造に使用されるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物であり、その分子量は一般に少なくとも300、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,500の範囲内の「数平均分子量(注1)」及び少なくとも160、好ましくは180〜2,500、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有するものが適しており、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
(注1)数平均分子量:JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、分離カラムとして「TSK GEL4000HXL」、「TSK G3000HXL」、「TSK G2500HXL」、「TSK G2000HXL」(東ソー株式会社製)の4本を用いて、溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用いて40℃及び流速1.0ml/分において、RI屈折計で得られたクロマトグラムと標準ポリスチレンの検量線から求めた。
該エポキシ樹脂の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式の樹脂が好適である。
Figure 0005244507
ここで、n=0〜8で示されるものが好適である。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、jER828EL、jER1002、jER1004、jER1007(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名)、アラルダイトAER6099(旭チバ社製、商品名)、エポミックR−309(三井化学社製、商品名)が挙げられる。
該エポキシ樹脂は、ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、多塩基酸、ポリイソシアネート化合物などの変性成分とを反応させた変性エポキシ樹脂であってもよく、さらにまた、ε−カプロラクトンなどのラクトン類、アクリルモノマーなどをグラフト重合させた変性エポキシ樹脂であってもよい。
なお上記変性成分とエポキシ樹脂とを反応させて変性エポキシ樹脂を製造する方法は、特に限定されるものではない。変性成分とエポキシ樹脂との反応は、例えば、これらの各成分を溶解できる溶媒中において、必要に応じて反応触媒の存在下で、通常、100〜150℃にて100〜150℃で1〜5時間反応させることによって好適に行うことができる。
上記反応触媒としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒、トリエチルアミン等のアミン類を挙げることができる。
上記(1)のアミノ基含有エポキシ樹脂の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミンなどアミン化合物を挙げることができる。
上記(2)のアミノ基含有エポキシ樹脂の製造に使用されるケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとしては、例えば、上記(1)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用される第1、2級混合ポリアミンのうち、例えば、ジエチレントリアミンなどにケトン化合物を反応させて生成させたアミン化合物のケチミン化物を挙げることができる。
上記(3)のアミノ基含有エポキシ樹脂の製造に使用されるケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物としては、例えば、上記(1)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンのうち、第1級アミノ基とヒドロキシル基を有する化合物、例えば、モノエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどにケトン化合物を反応させてなるアミン化合物のヒドロキシル基含有ケチミン化物を挙げることができる。
特に、アミノ基含有エポキシ樹脂の中でもプレコート鋼板用における加工部の耐食性向上の観点からより好ましい樹脂として、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸とエポキシ樹脂とを反応させて変性エポキシ樹脂に、アミン化合物等を付加してなる、脂肪族多塩基酸変性のアミノ基含有エポキシ樹脂;他に、ポリイソシアネート化合物とエポキシ樹脂とを反応させて変性エポキシ樹脂に、アミン化合物等を付加してなる、ジイソシアネート化合物変性のアミノ基含有変性エポキシ樹脂;を挙げることができる。
上記の炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸は、好ましくは6〜36の飽和又は不飽和の脂肪族多塩基酸であって、例えば、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロテレフタル酸、△1−テトラヒドロフタル酸、△2−テトラヒドロフタル酸、△3−テトラヒドロフタル酸、△4−テトラヒドロフタル酸、△1−テトラヒドロイソフタル酸、△2−テトラヒドロイソフタル酸、△3−テトラヒドロイソフタル酸、△4−テトラヒドロイソフタル酸、△1−テトラヒドロテレフタル酸、△2−テトラヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂環式ジカルボン酸及びその無水物;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、ドデカンジカルボン酸、スベリン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ブラシリン酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその無水物;ヘキサヒドロトリメリット酸等の3価以上の脂肪族多塩基酸;これらの酸のメチルエステル、エチルエステルのごとき低級アルキルエステル等が挙げられる。
上記のポリイソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートが、加工部や端面部の耐食性向上の面から好適である。
なお、アミノ基含有エポキシ樹脂の製造において、エポキシ樹脂(変性エポキシ樹脂)に対する、及びアミノ基含有化合物の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、80〜170℃、好ましくは90〜150℃の温度で1〜6時間、好ましくは1〜5時間行うことができる。上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系溶媒;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(変性エポキシ樹脂)とアミノ基含有化合物の合計固形分質量を基準にして、エポキシ樹脂は、70〜95質量%、好ましくは80〜95質量%;アミノ基含有化合物は、5〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲内で用いる。
また、アミノ基含有化合物の使用量は、本発明の最終生成物であるカチオン性樹脂のアミン価が10〜80mgKOH/g、好ましくは20〜70mgKOH/gとなるような範囲内が、水分散性と皮膜の耐食性向上の面から好ましい。
[防錆成分混合物(B)]
本発明の表面処理組成物は、特定の防錆成分混合物(B)を一定量含有することによって、平面部の耐食性、加工部や端面部における耐食性に優れた塗装金属板を得ることができる。なお防錆成分混合物(B)は、バナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)及びリン酸系カルシウム塩(b3)からなる。さらに、防錆成分混合物(B)には必要に応じて、フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)を含有することができる。以下、詳細に記載する。
バナジウム化合物(b1):
バナジウム化合物(b1)は、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物である。五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムは、5価バナジウムイオンの水への溶出性に優れており、バナジウム化合物(b1)から放出される5価バナジウムイオンが、素材金属と反応したり、他の防錆成分混合物からのイオンと反応することにより耐食性向上に効果的に働く。この中でも、特に、五酸化バナジウムが、耐食性向上効果が大きい。
珪素化合物(b2):
珪素化合物(b2)は、ケイ酸金属塩、シリカ微粒子、金属イオン交換シリカ微粒子から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するものである。
ケイ酸金属塩は、二酸化珪素と金属酸化物とからなる塩であり、オルト珪酸塩、ポリ珪酸塩などのいずれであってもよい。珪酸塩としては、例えば、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、オルト珪酸アルミニウム、水化珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムベリリウム、珪酸ナトリウム、オルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ジルコニウム、オルト珪酸マグネシウム、メタ珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム、珪酸マンガン、珪酸バリウム、カンラン石、ザクロ石、トルトバイタイト、イキョク鉱、ベニトアイト、ネプチュナイト、リョクチュウ石、トウキ石、ケイカイ石、バラキ石、トウセン石、ゾノトラ石、タルク、ギョガン石、アルミノ珪酸塩、ホウ珪酸塩、ベリロ珪酸塩、チョウ石、フッ石などを挙げることができる。ケイ酸金属塩としては、なかでもオルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウムが好適である。
シリカ微粒子は、シリカ微粒子である限り特に制限なく使用でき、例えば、表面が無処理のシリカ微粉末、表面が有機物で処理されたシリカ微粉末、カルシウムイオン交換シリカ微粒子、有機溶剤分散性コロイダルシリカなどを挙げることができる。表面が無処理又は有機物で処理されたシリカ微粒子としては、平均粒子径0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmを有するシリカ微粉末、有機溶剤分散性コロイダルシリカが挙げられる。シリカ微粉末としては、吸油量が30〜350ml/100g、好ましくは30〜150ml/100gの範囲内にあるものを好適に使用することができ、市販品として、サイリシア710、サイリシア740、サイリシア550、アエロジルR972(以上、いずれも富士シリシア化学(株)製)、ミズカシルP−73(水澤化学工業(株)製)、ガシル200DF(クロスフィールド社製)などを挙げることができる。
上記の有機溶剤分散性コロイダルシリカは、オルガノシリカゾルとも呼称され、アルコール類、グリコール類、エーテル類などの有機溶剤中に、粒子径が約5〜120nm程度のシリカ微粒子が安定に分散されたものであって、市販品としては、オスカル(OSCAL)シリーズ(触媒化成(株)製)、オルガノゾル(日産化学(株)製)などを挙げることができる。
金属イオン交換シリカ微粒子は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって金属イオンが導入されたシリカ微粒子である。具体的には、カルシウムやマグネシウムを導入したシリカ微粒子である。例えば、カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、SHIELDEXAC−3、 SHIELDEXC−5(以上、いずれもW.R.Grace & Co.社製)などを挙げることができる。
金属イオン交換シリカから放出されるアルカリ土類金属イオンは、電気化学的作用や種々の塩生成作用にかかわり、耐食性の向上に効果的に働く。また、塗膜中に固定化されるシリカは、腐食雰囲気下での塗膜の剥離抑制などに効果的に働く。
リン酸系カルシウム塩(b3):
リン酸系カルシウム塩(b3)は、金属元素としてカルシウムを含有するリン酸塩であり、例えば、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸塩化フッ化カルシウム、トリポリリン酸カルシウムなどを挙げることができる。リン酸系カルシウム塩(b3)から放出されるリン酸イオン及びカルシウムイオンが耐食性の向上に効果的に働く。
本発明の表面処理組成物は、前記水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、防錆成分混合物(B)における、バナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)及びリン酸系カルシウム塩(b3)が、下記範囲内にある。
バナジウム化合物(b1):1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部、珪素化合物(b2):1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部、リン酸系カルシウム塩(b3):1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部である。
さらに、本発明の表面処理組成物は、前記水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、防錆成分混合物(B)の量が3〜90質量部、好ましくは9〜60質量部であることが、平面部の耐食性、加工部や端面部おける耐食性、付着性に優れた皮膜を得る為にも好ましい。
本発明の表面処理組成物は、防錆成分混合物(B)として、これらバナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)及びリン酸系カルシウム塩(b3)を所定量組合せることによって、相乗的に耐食性を向上させることができるものである。なおこの中でも、防錆成分混合物(B)は、五酸化バナジウム、メタ珪酸カルシウム及びリン酸カルシウムの組合せが、耐食性の点から好適である。
さらに、防錆成分混合物(B)には、上記バナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)及びリン酸系カルシウム塩(b3)に加えて、必要に応じて、フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)を配合することができる。
フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4):
フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)は、ジルコニウムフッ素水素イオン、チタンフッ化水素イオン、珪フッ化水素イオンなどのフルオロ金属イオン生じる化合物であり、具体的には、例えば、ジルコニウムフッ化水素酸、ジルコニウムフッ化水素酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)など;チタンフッ化水素酸、チタンフッ化水素酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)など;珪フッ化水素酸、珪フッ化水素酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等)など;が挙げられる。
さらに、前記水溶性又は水分散性樹脂(A)の樹脂固形分100質量部に対して、バナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)、リン酸系カルシウム塩(b3)、必要に応じて配合されるフルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)の各々の混合物を、25℃の5質量%濃度の塩化ナトリウム水溶液10,000質量部に添加して6時間攪拌し、25℃で48時間静置した上澄み液を濾過した濾液のpH=3〜8、好ましくはpH=4〜6であることが、防錆成分混合物(B)の水分による溶解性及び防錆成分の溶解液と金属板との反応性の観点から好適である。
すなわち、上記pH測定をする濾液は、25℃の5質量%濃度の塩化ナトリウム水溶液10,000質量部に対して、バナジウム化合物(b1)が1〜30質量部の範囲内のいずれかの量、珪素化合物(b2)が1〜30質量部の範囲内のいずれかの量、及びリン酸系カルシウム塩(b3)が1〜30質量部
必要に応じて、フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)を1〜30質量部添加し、溶解した溶解液の濾液である。
本発明の表面処理組成物の製造は、前記の防錆成分混合物(B)を、必要に応じて、分散用樹脂、着色顔料、体質顔料等の顔料、有機錫化合物、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機溶剤、シランカップリング剤、沈降防止剤、消泡剤、塗面調整剤などの従来から公知の添加剤や、中和剤(例えば、酸類、具体的には、酢酸、リン酸、乳酸、又はこれらの混合物などが挙げられる)を配合し、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理して得られる分散ペーストとして配合する。
上記の中和剤においてリン酸を使用することによって、得られた表面処理皮膜の耐食性向上の面から好ましい。表面処理組成物中のリン酸の割合としては、水溶性又は水分散性樹脂(A)における官能基を基準にして、0.1〜1.0当量、好ましくは0.3〜0.8当量がよい。
上記分散用樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する基体樹脂、界面活性剤等、又は3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂などの樹脂を使用できる。上記分散用樹脂の使用量は、防錆成分100質量部あたり1〜150質量部、特に10〜100質量部の範囲内が好適である。
上記着色顔料としては、例えばシアニンブルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系などの有機赤顔料などの有機着色顔料;チタン白、チタンエロー、ベンガラ、カーボンブラック、各種焼成顔料などの無機着色顔料を挙げることができ、なかでもチタン白を好適に使用することができる。
上記体質顔料としては、例えばタルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。上記有機錫化合物としては、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド等を好適に使用することができる。
上記有機溶剤は、本発明の表面処理組成物の塗装性改善などのために必要に応じて配合されるものであり、水溶性又は水分散性樹脂(A)を溶解ないし分散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記のシランカップリング剤は、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
以上のような防錆成分混合物(B)を含有する分散ペーストを、後述するエマルションに加え、水で調整することによって表面処理組成物を調整できる。
本発明の表面処理組成物に製造には、水溶性又は水分散性樹脂(A)に、必要に応じて、ブロック化ポリイソシアネート化合物、レゾール型フェノール樹脂、界面活性剤、潤滑剤等の各種化合物や添加剤や有機溶剤等を十分に混合して調合樹脂とした後、上記調合樹脂を酢酸、リン酸、ギ酸、プロピオン酸、乳酸等の有機カルボン酸;塩酸、硫酸などの無機酸等で水溶化又は水分散化して、エマルションを得ることができる。
上記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロック化ポリイソシアネート化合物で使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
特に、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI等の芳香族ポリイソシアネート化合物が、平面部の耐食性との観点から好適である。
特に、イソシアネート種としてヘキサメチレンジイソシアネートを用いることによって、硬化性向上と塗膜に柔軟性を付与できる為、プレコート鋼板における加工部や端面部の耐食性向上の為により好ましい。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
ブロック化ポリイソシアネート化合物で使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;等が挙げられる。
必要に応じて配合されるブロック化ポリイソシアネート化合物の配合割合としては、上記成分(A)の樹脂固形分100質量部を基準にして、ブロック化ポリイソシアネート化合物を1〜60質量部、好ましくは10〜40質量部の範囲内であることが、耐食性向上の面から好ましい。
必要に応じて配合されるレゾール型フェノール樹脂は、フェノールやビスフェノールAなどのフェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロール基を導入してなるフェノール樹脂、また導入されたメチロール基の一部を炭素原子数6以下のアルコールでアルキルエーテル化したものも包含される。
レゾール型フェノール樹脂は、数平均分子量(注1)が200〜1,000、好ましくは300〜700の範囲内であり、かつベンゼン核1核当りのメチロール基の平均数が0.3〜2.5個、好ましくは0.5〜2.0個の範囲内であることが適当である。上記レゾール型フェノール樹脂を使用することによって、密着性などの塗膜性能の優れた塗膜を形成できる。上記レゾール型フェノール樹脂の市販品としては、スミライトレジンPR−55317(住友ベークライト社製、商品名)、ショーノールBKS−316、等が挙げられる。
表面処理組成物の製造は、水溶性又は水分散性樹脂(A)を含むエマルションに、防錆成分混合物(B)を含む分散ペーストを配合し、適宜、添加剤、中和剤を加え、さらに脱イオン水で希釈して、固形分が1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲内となるように調整して得られる。
皮膜形成方法について
本発明の表面処理組成物は、金属板上に塗装することによって塗装金属板を得ることができる。金属板は、前記した金属板を用いることができる。ここで図1は、本発明の表面処理組成物を「表面処理」として用いた場合の塗装ラインのモデル図である。図2は、本発明の表面処理組成物を用いた複層塗膜を示す。
本発明の表面処理組成物を用いた塗装は、上記金属板上に、ロールコート法、カーテンフローコート法、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法などの公知の方法により塗装することができる。
表面処理組成物から得られる塗膜の硬化膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲で使用される。塗膜の硬化は、使用する樹脂の種類などに応じて適宜設定すればよく、コイルコーティング法などによって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、素材到達最高温度が60〜120℃、好ましくは80〜100℃となる条件で1秒間〜60秒間、好ましくは5秒間〜30秒間焼付けられる。本発明の表面処理組成物が金属板上に塗装され、形成された皮膜は、優れた耐食性を示す。
その理由は以下の3つにあると考えている。
1.腐食環境下での塩化物イオンなどによる素材金属の溶解により生成される金属イオンと5価のバナジウムイオン(VO やVO 3−のバナジン酸イオン)との酸化還元反応を経ない直接的な沈殿性塩の生成、5価バナジウムイオンと素材金属との酸化還元反応により生成する3価バナジウムイオン及び素材金属イオンが、ケイ酸イオンと効果的に沈殿性の塩又は化合物を生成することで、素材露出面を効果的に被覆する。更には、同時に溶出するリン酸イオンにより、腐食進行部位及びその周辺が、特に5価バナジウムイオンと素材金属との酸化還元反応が進行するのに好適なpH域に調整されるためと考えられる。
2.表面処理組成物中には防錆剤の一部が溶解して金属イオンの状態で存在する。本表面処理組成物を金属素材に塗装して加熱乾燥して得られた塗膜においては、この溶解成分が素材金属の界面上で効果的に反応し、化成処理的な働きをする皮膜を形成する。さらに該皮膜上に、被塗面に傷がついても、塗膜中から防錆成分混合物(B)に起因する金属イオンが溶出してその傷を保護する働き(自己修復性)を有する塗膜を形成できる。上記の「皮膜と塗膜」の形成が、1回の塗装と加熱乾燥によって成し得ることができ、このことが耐食性に優れた塗装物品を得ることに大きく寄与していると考える。
3.防錆成分混合物を構成する前記バナジウム化合物(1)、珪酸塩化合物(2)及び該リン酸系カルシウム塩(3)を併用することで、前記(1)、(2)及び(3)のそれぞれが有する耐酸性や耐アルカリ性及び耐水性の弱さを効果的に打ち消すことができる。更には、カルシウムイオンはpH10を越えるような素材金属が溶解し易い強アルカリ雰囲気下での素材金属の溶解を抑制する作用を持つため、優れた耐薬品性と耐水性をも同時に達成できる。これら防錆成分混合物に基く作用の相乗効果が大きく働いたことも、本表面処理組成物の優れた耐食性に大きく寄与したものと考えている。
なお、本発明の表面処理組成物から得られる硬化塗膜のガラス転移温度は、40〜115℃、好ましくは50〜105℃であることが塗膜の耐食性、耐酸性及び加工性などの点から好適である。
なお、塗膜のガラス転移温度は、DINAMIC VISCOELASTOMETER MODEL VIBRON(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロン) DDV−IIEA型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
表面処理組成物を焼き付け乾燥した得られた塗膜の上に、必要に応じて、上塗塗膜を設けることもできる(図2参照)。上塗塗膜の膜厚は、5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
上記の上塗塗料としては、例えば、プレコート鋼板用として公知のポリエステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコン変性ポリエステル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂系などの上塗塗料を挙げることができる。上塗塗料の種類としては、特に限定されるものでないが、特に、加工性が特に重視される場合には、高度加工用のポリエステル系上塗塗料を使用することによって加工性の特に優れた塗装鋼板を得ることができる。
なお、被塗物となる金属板として、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板を使用した場合、平面部の耐食性はかなり向上してきているものの、従来では、切断した端面部や成型加工した加工部においては、耐食性は不十分であったが、本発明の表面処理組成物を塗装することによって、耐薬品性、端面部、加工部においても優れた耐食性を得ることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
水溶性又は水分散性樹脂(A)の製造
製造例1 カチオン性エポキシ樹脂No.1の製造例(エポキシ樹脂系)
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコで、jER1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ価0.108mol/100g、数平均分子量1650、ジャパンエポキシレジン社製)100部と、酢酸−3−メトキシブチル25部を100℃にて加温混合した。
均一に溶解したことを確認した後、モノエタノールアミンを2.75部添加し、2時間そのまま反応を行った。エポキシ価が0.018mol/100gとなったのを確認し、ジエタノールアミン1.89部添加し、更に1時間反応を継続した。エポキシ価が0.005mol/100g以下となったところで、予めメチルエチルケトオキシム/キシレン/ブタノール=1/1/1に混合しておいた混合溶剤にて希釈し、固形分65%のカチオン性エポキシ樹脂No.1を得た。
製造例2 カチオン性エポキシ樹脂No.2の製造例(ウレタン変性系)
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコで、jER1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ価0.108mol/100g、数平均分子量1650、ジャパンエポキシレジン社製)100部と、酢酸−3−メトキシブチル25部を100℃にて加温混合した。均一に溶解したことを確認した後、n−メチルエタノールアミン6.75部添加し、2時間そのまま反応を行った。エポキシ価が0.018mol/100gとなったのを確認し、予め混合しておいたメチルエチルケトオキシム/キシレン=1/1混合溶剤を11.1部添加し、反応温度を40℃まで冷却した。均一に溶解していることを確認した後、ヘキサメチレンジイソシアネートを7.56部添加し、そのまま1時間反応を行った。その後、再び反応温度を100℃まで加温し、ジエタノールアミン1.89部添加し、更に1時間反応を継続した。エポキシ価が0.005mol/100g以下となったところで、予めメチルエチルケトオキシム/キシレン/ブタノール=1/1/1に混合しておいた混合溶剤にて希釈し、固形分65%のウレタン変性のカチオンエポキシ樹脂No.2を得た。
製造例3 カチオン性エポキシ樹脂No.3の製造例(2塩基酸変性系)
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコで、jER1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ価0.108mol/100g、数平均分子量1650、ジャパンエポキシレジン社製)100部と、酢酸−3−メトキシブチル25部を100℃にて加温混合した。均一に溶解したことを確認した後、ツノダイム205(ダイマー酸、築野食品工業社製)10部添加し2時間そのまま反応を行った。酸価が0.5mgKOH/g以下になったことを確認した後、モノエタノールアミンを2.36部添加し、あらにそのまま2時間反応を継続した。エポキシ価が0.018mol/100gとなったのを確認し、ジエタノールアミン1.89部を添加し、更に1時間反応行った。をエポキシ価が0.005mol/100g以下となったところで、予めメチルエチルケトオキシム/キシレン/ブタノール=1/1/1に混合しておいた混合溶剤にて希釈し、固形分65%のダイマー酸変性のカチオン性エポキシ樹脂No.3を得た。
エマルションの製造例
製造例4 エマルションNo.1の製造例
製造例1で得られたカチオン性エポキシ樹脂No.1を153.8部(固形分100部)、エチレングリコールモノブチルエーテルを20部混合し、さらに10%酢酸30.3部を配合して均一に攪拌した後、脱イオン水129.2
部を強く攪拌しながら約30分間を要して滴下して、樹脂固形分30%のエマルションNo.1を得た。
製造例5〜12 エマルションNo.2〜No.9の製造例
表1の配合内容とする以外は、製造例4と同様にして、エマルションNo.2〜No.9を得た。
Figure 0005244507
(注2)デスモジュールBL−3175:住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体の樹脂溶液、固形分75%。
(注3)デュラネートMF−K60X:旭化成ケミカルズ社製、低温硬化型のブロック化ポリイソシアネート樹脂溶液、固形分60%。
製造例13 分散用樹脂の製造例
jER828EL(注4)1010部に、ビスフェノールAを390部、プラクセル212(ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社、商品名、重量平均分子量約1,250)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。
次に、ジメチルエタノールアミン134部及び90%の乳酸水溶液150部を加え、120℃で4時間反応させた。次いで、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%のアンモニウム塩型樹脂系の分散用樹脂を得た。上記分散用樹脂のアンモニウム塩濃度は、0.78mmol/gであった。
(注4)jER828EL:ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ樹脂。
製造例14 分散ペーストNo.1の製造例
製造例10で得た固形分60%の分散用樹脂8.3部(固形分5部)、
五酸化バナジウム2部、メタ珪酸カルシウム1部、リン酸カルシウム2部、チタン白20部、バリタ20部及び脱イオン水37.6部を加え、ボールミルにて20時間分散し、ツブ(防錆成分の粗粒子の粒子径)が5μm以下となるまで分散を行って、固形分55%の分散ペーストNo.1を得た。
製造例15〜32
表2の配合内容とする以外は、製造例14と同様にして、分散ペーストNo.2〜No.19を得た。
Figure 0005244507
Figure 0005244507
比較製造例1〜10
表4の配合内容とする以外は、製造例14と同様にして、分散ペーストNo.20〜No.29を得た。
Figure 0005244507
製造例33 レゾール型フェノール樹脂架橋剤溶液の製造
反応容器に、ビスフェノールA100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を配合し、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。次いで、n−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂架橋剤溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量880で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.4個及び平均アルコキシメチル基数が1.0個であった。
実施例1 表面処理剤No.1の製造
製造例4で得たエマルションNo.1を333.3部(固形分100部)、製造例14で得た55%分散ペーストNo.1を90.9部(固形分50部)及び脱イオン水236.2部を混合して、固形分20%の表面処理剤No.1を得た。
実施例2〜32 表面処理剤No.2〜No.32の製造
下記表5及び表6に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分20%の表面処理剤No.2〜No.32を得た。
Figure 0005244507
Figure 0005244507

(注6)KBE−903:γ―アミノプロピルトリエトキシシラン:信越化学社製、商品名、シランカップリング剤。
(注7)KBE−603:N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:信越化学社製、商品名、シランカップリング剤。
(注8)KBM−803:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:信越化学社製、商品名、シランカップリング剤。
(注9)KBE−403:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学社製、商品名、シランカップリング剤。
比較例1〜10
下記表7に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして表面処理剤No.33〜No.42を得た。
Figure 0005244507
[試験用塗装板の作成]
上記実施例1〜32、比較例1〜10で得た各表面処理剤No.1〜No.42を用い、下記の塗装仕様1、塗装仕様2にて、各素材に塗装して焼付けを行って各試験板を得た。
塗装仕様1
溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.35mm、亜鉛めっき目付け量250g/m、表中「GI鋼板」と略す)を、日本シービーケミカル社製のアルカリ脱脂剤「CC−561B」を濃度2%の水溶液とし、液温65℃で20秒間スプレーして脱脂後、液温60℃の湯で20秒間スプレ−して湯洗を行った。
この脱脂した鋼板上に、実施例及び比較例によって得られた各表面処理剤をバーコーターにて乾燥膜厚2μmとなるように塗装し、120℃(素材到達最高温度)で20秒間コンベアオーブンにて加熱乾燥して、試験板GI−1〜GI−42を得た。
これらの試験板(A)上に、KPカラー1580B40(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル系上塗塗料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度約70℃)をバーコーターにて乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃で40秒間焼付けて、塗装試験板を得た。
塗装仕様2
電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.35mm、メッキ目付量150g/m、表中「EG鋼板」と表示する。)を、日本シービーケミカル社製のアルカリ脱脂剤「CC−561B」を濃度2%の水溶液とし、液温65℃で20秒間スプレーして脱脂後、液温60℃の湯で20秒間スプレ−して湯洗を行った。
この脱脂した鋼板上に、実施例及び比較例によって得られた各表面処理剤をバーコーターにて乾燥膜厚1μmとなるように塗装し、120℃(素材到達最高温度)で20秒間コンベアオーブンにて加熱乾燥して、試験板EG−1〜EG−42を得た。
次いで、これらの試験板EG−1〜EG−42上に、マジクロン1000(アクリル樹脂/メラミン系塗料)をスプレーにて乾燥膜厚30μmとなるように塗装し、炉温180℃に設定した箱型乾燥炉にて30分間加熱乾燥し、塗装試験板を得た。
塗膜性能試験
上記実施例1〜32、比較例1〜10で得られた試験板GI−1〜GI−42及び各塗装試験板、試験板EG−1〜EG−42及び各塗装試験板について下記試験方法に従って塗膜性能試験を行った。試験結果を表8〜表10に示す。
Figure 0005244507
Figure 0005244507
Figure 0005244507

試験方法
(注11)塩水噴霧試験(表面処理):5cm×10cmの大きさに切断した各塗装試験板(塗装仕様1による上塗り塗料を塗装していない試験板、又は塗装仕様2による上塗り塗料を塗装していない試験板)の裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面中央に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板を35℃で5%食塩水による塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を168時間行い、試験後の塗面の白錆及び赤錆発生状態を評価するとともに、クロスカット部より進行した平均の腐食幅(片側)を評価した。
◎:白錆及び赤錆の発生がない又はわずかであり、カット部からの平均腐食幅が3mm未満。
○:白錆の発生が認められるものの、カットからの平均腐食幅は3mm未満であるか、或いは白錆発生がない又はわずかであるもののカット部からのテープ剥離幅が7mm未満。
△:全体に白錆の発生が認められてカットからの平均腐食幅が3mm以上7mm未満である。
×:赤錆の発生が認められるか、或いは赤錆発生はないもののカットからの平均腐食幅が片側7mmを越える。
(注12)塩水噴霧試験(アルカリ脱脂後):5cm×10cmの大きさに切断した各塗装試験板(塗装仕様1による上塗り塗料を塗装していない試験板、又は塗装仕様2による上塗り塗料を塗装していない試験板)の裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面中央に素地に達するクロスカットを入れた。
次いで、この塗装板を50℃に加温した2%パルクリーンN364S(日本パーカライジング社製、アルカリ脱脂剤)溶液に2分浸漬した後、取出し洗浄した。この塗装板を35℃で5%食塩水による塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を96時間行い、試験後の塗面の白錆及び赤錆発生状態を評価するとともに、クロスカット部より進行した平均の腐食幅(片側)を評価した。
◎:白錆及び赤錆の発生がない又はわずかであり、カット部からの平均腐食幅が3mm未満。
○:白錆の発生が認められるものの、カットからの平均腐食幅は3mm未満であるか、或いは白錆発生がない又はわずかであるもののカット部からのテープ剥離幅が7mm未満。
△:全体に白錆の発生が認められてカットからの平均腐食幅が3mm以上7mm未満であるか。
×:赤錆の発生が認められるか、或いは赤錆発生はないもののカットからの平均腐食幅が片側7mmを越える。
(注13)耐水付着性:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板を約100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後、引き上げて表面(おもて面)側の塗膜外観を評価するとともに、碁盤目テープ付着試験を行い評価した。
碁盤目テープ付着試験は、JIS K−5600−5−6(1999)碁盤目テープ法に準じて、切り傷の隙間間隔を1mmとし、碁盤目100個を作り、その表面にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗面に残存する碁盤目の数を調べた。
◎:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数100個、
○:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数91〜99個、
△:塗膜にフクレ又は白化などの異常がわずかに認められ、残存碁盤目数91〜99個である、又は塗膜にフクレの発生、白化などの異常がないが、残存碁盤目数71〜90個、
×:塗膜にフクレの発生がかなりもしくは著しく認められる、又は残存碁盤目数70個以下。
(注14)耐アルカリ性:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面側中央部に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板を20℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬した後、取出し洗浄し、室温にて乾燥した塗装板の表面側の塗膜外観を評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗膜におけるカット部からの剥離幅(片側)を評価した。
◎:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mm以下、
○:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mmを超え、3mm以下、
△:フクレの発生が少し認められるが、カット部からのテープ剥離幅が3mm以下、又はフクレの発生が認められないが、カット部からのテープ剥離幅が3mmを超える、
×:フクレの発生が認められ、かつカット部からのテープ剥離幅が3mmを超える。
(注15)耐酸性:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面側中央部に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板を20℃の5%硫酸水溶液に24時間浸漬した後、取出し洗浄し、室温にて乾燥した塗装板の表面側の塗膜外観を評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗膜におけるカット部からの剥離幅(片側)を評価した。
◎:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mm以下、
○:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mmを超え3mm以下、
△:フクレの発生が少し認められるが、カット部からのテープ剥離幅が3mm以下、又はフクレの発生が認められないが、カット部からのテープ剥離幅が3mmを超える、
×:フクレの発生が認められ、かつカット部からのテープ剥離幅が3mmを超える。
(注16)複合サイクル腐食試験:JIS K−5621(1990)に準ずる。各試験用塗装板の長辺のエッジ部のバリが表面側塗膜面に向って右側において表面側に向き、左側において裏面側に向くように、6cm×12cmの大きさに切断した各試験用塗装板の表面側中央部に素地に達する狭角30度、線幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフの背中を用いて入れ、塗装板上端エッジ部を防錆塗料にてシールし、上端部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を設けた塗装板について、(30℃で5%食塩水噴霧0.5時間)−(30℃でRH95%以上の耐湿試験器内で試験1.5時間)−(50℃で乾燥2時間)−(30℃で乾燥2時間)を1サイクルとして、300サイクル(合計1800時間)試験を行った。この試験後の塗装板のエッジ部、クロスカット部、4T折り曲げ加工部の状態を評価した。
(4T加工部)4T加工部における錆部の合計長さを評価した。
◎:錆の発生が認められない、
○:白錆が認められるが20mm未満、
△:白錆が20mm以上でかつ40mm未満、
×:白錆が40mm以上、又は赤錆の発生が認められる。
(エッジ部)塗装板の左右の長辺のエッジクリープ幅の平均値を求め、次の基準により評価した。
◎:5mm未満、
○:5mm以上でかつ10mm未満、
△:10mm以上でかつ20mm未満、
×:20mm以上。
(クロスカット部)クロスカット部の腐食状態を、0.5mmのカット幅の地金露出部における白錆発生長さ割合、及びカット部の左右のフクレ幅(両側の和)の平均値により、次の基準で評価した。
◎:地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm未満、
○:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅3mm未満、又は地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm以上で5mm未満、
△:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅5mm以上で10mm未満、
×:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅10mm以上。
(注17)塩水噴霧試験:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板の裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面中央に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板を35℃で5%食塩水による塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を360時間行い、試験後の塗面の白錆発生状態を評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗膜におけるカット部からのテープ剥離幅(片側)を評価した。
◎:赤錆及び白錆の発生がない又はわずかであり、カット部からのテープ剥離幅が5mm未満、
○:赤錆及び白錆の発生はわずかであるがカット部からのテープ剥離幅が5mm以上10mm未満であるか、又は赤錆・及び白錆の発生はやや認められるものの、カット部からのテープ剥離幅が5mm未満。
△:カット部全体に赤錆及び白錆の発生がやや認められ、カット部からのテープ剥離幅が5mm以上で10mm未満。
×:カット部全体に赤錆の発生が認められるか、或いはカット部からのテープ剥離幅が10mm以上。
本発明の表面処理組成物は、平面部の耐食性、加工部や端面部の耐食性に優れた塗装金属板や塗装物品を提供できる。
連続コイルコーティング・ラインの一例を示す。 本発明の表面処理組成物を含む塗膜の塗膜構造を示す。
符号の説明
1.鉄面を示す。
2.メッキ層を示す。
3.本発明の表面処理組成物を用いた処理層を示す。
4.下塗り塗膜を示す。
5.上塗り塗膜を示す。

Claims (5)

  1. 水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂、下記の防錆成分混合物(B)を含有する固形分1〜30質量%の表面処理組成物。
    防錆成分混合物(B):五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸
    アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物(b1)、珪素化合物(b2)
    、リン酸系カルシウム塩(b3)、からなるものであって、
    水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂の樹脂固形分100質量部に対して、バナジウム化合物(b1)の量が1〜30質量部、珪素化合物(b2)の量が1〜30質量部、及び該リン酸系カルシウム塩(b3)の量が1〜30質量部であり、かつ該防錆成分混合物(B)の量が3〜90質量部である
  2. さらに、フルオロ金属イオンを生じる化合物(b4)を、水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂の樹脂固形分100質量部に対して1〜30質量部含有する請求項1に記載の表面処理組成物。
  3. 水溶性又は水分散性であるアミノ基含有エポキシ樹脂の樹脂固形分100質量部に対して、レゾール型フェノール樹脂を0.1〜10質量部含有する請求項1又は2に記載の表面処理組成物。
  4. 金属基材に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理組成物による0.01〜10μmの硬化塗膜を形成し、素材到達温度80℃〜120℃で1秒間〜60秒間加熱乾燥することを特徴とする皮膜形成方法。
  5. 請求項4に記載の皮膜形成方法によって得られた表面処理金属板。
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