JP5244548B2 - 保持テーブルおよび加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウェーハや各種電子部品の基板といった薄板状のワークに切断や溝形成といった加工を施すにあたり、該ワークを吸着して加工面を保持する保持テーブルと、このような保持テーブルを備えた加工装置に関する。
例えば半導体デバイス製造工程においては、円板状の半導体ウェーハの表面に格子状の分割予定ラインによって多数の矩形領域を区画し、これら矩形領域の表面にICやLSI等の電子回路を形成し、次いで裏面を研削した後に研磨するなど必要な処理をしてから、全ての分割予定ラインを切削して切断する、すなわちダイシングして、多数の半導体チップを得ている。このようにして得られた半導体チップは、樹脂封止によりパッケージングされて、携帯電話やPC(パーソナル・コンピュータ)等の各種電気・電子機器に広く用いられている。
特許文献1には、負圧作用により保持テーブル(同文献ではチャックテーブル)に吸着させて保持した半導体ウェーハに対して、スピンドルの先端に装着した円板状の切削ブレードを高速回転させて切り込ませていく切削式のダイシング装置が記載されている(特許文献1参照)。このように切削ブレードでダイシングする電子デバイスの基板としては、シリコンウェーハに代表される上記円板状の半導体ウェーハの他に、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)等の基板のような矩形状のものもある。
特開平8−25209号公報
ところで、上記保持テーブルは、ワーク(上記ウェーハや基板等を総称して言う)の形状および寸法に対応したものが用いられていることが多い。したがって、ワークの形状ごとに保持テーブルを交換して加工を行っていた。しかしながら保持テーブルを交換すると、その都度、加工基準面である保持テーブルの高さ位置を計測して装置のセットアップをする必要が生じる。このため、作業が繁雑となったり、処理時間に遅滞を招いたりするといった問題があった。
よって本発明は、円形状のワークと矩形状のワークを加工対象物とする場合、交換する必要がなく、その結果、交換作業を省略することができることによる作業の効率化や処理の迅速化を図ることができる保持テーブルと、そのような保持テーブルを備えた切削装置等の加工装置を提供することを目的としている。
本発明の保持テーブルは、ワークを吸着して保持する保持面を有する保持テーブルであって、保持面が、円形状のワークを保持する円形ワーク保持領域と、4つの角部を有する矩形状のワークを保持する矩形ワーク保持領域とを有しており、該矩形ワーク保持領域は、矩形状のワークの4つの角部がそれぞれ合致して保持される4つの角部保持部が、前記円形ワーク保持領域から突出して形成されていることを特徴としている。
本発明の保持テーブルによれば、保持面の、円形ワーク保持領域および矩形ワーク保持領域を、それぞれ円形状のワークおよび矩形状のワークの寸法に対応させて形成することにより、当該保持テーブルを交換することなく、円形状および矩形状のワークを保持することができる。
次に、本発明の加工装置は、上記本発明(請求項1)のワークが、環状のフレームの開口部に配置され、該フレームに粘着テープを介して支持されることを前提としている。そして、該フレームを保持するフレーム保持部が併設された請求項1に記載の保持テーブルと、該保持テーブルに保持されたワークに加工を施す加工手段とを少なくとも含むことを特徴としている。
本発明の加工装置では、上記フレームの内周縁における矩形ワーク保持領域の角部保持部に対応する箇所に、欠損部が形成されている形態を含む。また、本発明の加工装置の加工手段としては、回転ブレードでワークを切削する切削手段が挙げられる。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えば円形状のものとしてはシリコンウェーハ等の半導体ウェーハや、チップ実装用として半導体ウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいはサファイア基板等が挙げられる。また、矩形状のものとしては、半導体製品のパッケージ、セラミックやガラス系の基板、各種電子部品、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種ドライバ、さらにはミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。
本発明の保持テーブルによれば、円形状のワークと矩形状のワークの双方を保持することが可能であり、このため、円形状のワークや矩形状のワークを保持する都度、交換する必要がなく、その結果、交換作業を省略することができることによる作業の効率化や処理の迅速化を図ることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の切削加工装置10を示している。この切削加工装置10は、例えば、厚さ1mm前後、あるいは厚さ1mm以下の薄板状のワークに対し、自動制御により切削加工を施してワークを多数の矩形状の個片(例えばチップやデバイス)にダイシングするダイシング装置である。
(1)ワーク
はじめに、ワークについて説明する。本実施形態の切削加工装置10では、図2(a)に示す円形状のワーク1Aと、図2(b)に示す長方形状のワーク1Bのいずれもが加工対象物とされる。円形状のワーク1Aとしては、例えばシリコンウェーハ等の半導体ウェーハが挙げられる。一方、長方形状のワーク1Bとしては、例えば半導体製品のパッケージや、セラミックあるいはガラス等からなる基板等が挙げられる。長方形状のワーク1Bの長さは円形状のワーク1Aの直径よりもやや長く、縦横比(短辺側の長さ/長辺側の長さ)は、例えば1/2〜1/4程度のものである。
円形状のワーク1Aと長方形状のワーク1Bには、分割予定ライン2が格子状に設定されており、これによって多数の矩形状の個片3が区画されている。ワーク1A,1Bは、全ての分割予定ライン2が切削加工装置10によって切削加工されることにより、多数の個片3に分割される。なお、以下の説明において、ワークを、円形状のワーク1Aと長方形状のワーク1Bを区別する必要のない場合は、ワーク1と総称する。
この場合の切削加工装置10による切削加工(ダイシング)は、厚さを貫通して完全に切断するフルカットの他に、表面から厚さの途中まで切削して溝を形成する加工を含む。溝を形成した場合には、後工程でさらに溝の残り厚さ部分を切削ブレードでフルカットするか、あるいは応力を付与して割断することにより、ワーク1が多数の個片3に分割される。
ワーク1Aあるいはワーク1Bが切削加工装置10に供給される際には、図2(a),(b)に示すように、環状のフレーム4の開口部4aに配置され、このフレーム4に、粘着テープ5を介して支持された状態とされる。フレーム4は、金属等の板材からなる剛性を有するものである。粘着テープ5は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム4とワーク1A,1Bが貼着される。
(2)切削加工装置
(2−1)切削加工装置の構成
続いて図1に示す切削加工装置10を説明する。この切削加工装置10は、高速回転させた切削ブレード62によってワーク1を切削加工するもので、一対の切削ブレード62を互いに対向配置した2軸対向型である。図1の符合11はベースフレームであり、このベースフレーム11には門型コラム12が固定されている。ベースフレーム11上の中央部には、水平なX方向に延びる一対のX軸ガイド21が設けられており、これらX軸ガイド21に、X軸スライダ22が摺動自在に取り付けられている。X軸スライダ22は、X軸送りモータ23で作動するボールねじ送り機構24によりX軸ガイド21に沿って往復移動させられる。X軸スライダ22上には、テーブルベース25を介して、負圧作用によりワークを吸着して保持する負圧チャック式のチャックテーブル(保持テーブル)30が設けられている。
チャックテーブル30は略円板状であって、上面が水平で、かつ、Z方向(鉛直方向)を回転軸として回転自在にテーブルベース25に支持されている。テーブルベース25には、チャックテーブル30を回転させる回転駆動機構が配設されている(図示略)。チャックテーブル30は、図3および図4に示すように、ステンレス等からなる円板状の枠体31と、枠体31の上面に固定された円板状の多孔質体32とから構成されている。枠体31の上面の大部分には、外周縁部31aを残して凹所31bが同心状に形成されており、この凹所31bに多孔質体32が嵌合して固定されている。多孔質体32の上面は枠体31の外周縁部31aの上面と面一となっており、多孔質体32の上面がワーク1を吸着して保持する保持面32aとして構成されている。
チャックテーブル30は、負圧発生の運転がなされると、多孔質体32の上方の空気が吸引されて負圧が発生するようになっており、上記のようにフレーム4に支持されたワーク1は、負圧発生の運転がなされているチャックテーブル30に載置されると同時に、多孔質体32の保持面32aに吸着、保持される。チャックテーブル30の周囲には、フレーム4を着脱自在に保持する複数のクランプ(フレーム保持部)39が配設されている。これらクランプ39は、枠体31に取り付けられている。ワーク1がチャックテーブル30に保持されると同時に、フレーム4はクランプ39で把持され、保持される。
図5は、ワーク1がチャックテーブル30に保持され、かつ、フレーム4がクランプ39に保持された状態を示している。同図で示すように、クランプ39は、フレーム4を把持した状態で、その上面がチャックテーブル30の保持面32aと同等か、保持面32aよりも低い位置になるように配設されている。したがって、フレーム4は保持面32aよりも下方に引き落とされ、これにより、粘着テープ5におけるワーク1とフレーム4との間の環状部分5aにおけるチャックテーブル30より外側部分は、外周側に向かうにつれて下方に傾斜して引っ張られた状態となる。このようなクランプ39によるいわゆる“フレームの引き落とし”は、後述するように切削ブレード62でワークを切削加工する際、切削ブレード62がクランプ39に干渉することを回避するためになされる。
図3に示すように、本実施形態のチャックテーブル30における多孔質体32の保持面32aは、平面視が単純な円形状ではなく、上記円形状のワーク1Aが合致してこのワーク1Aを保持する円形ワーク保持領域33(鎖線で示す)と、上記長方形状のワーク1Bが合致してこのワーク1Bを保持する長方形ワーク保持領域35(二点鎖線で示す)とが、同心状に重畳した形状となっている。すなわち保持面32aは、ワーク1A,1Bを中心が一致する状態で重ねた状態の外形形状に一致している。円形ワーク保持領域33の直径は円形状のワーク1Aの直径とほぼ同径である。
長方形ワーク保持領域35の長手方向両端部は円形ワーク保持領域33から突出しており、各突出部36に、一対の角部保持部36aがそれぞれ形成されている。これら角部保持部36aには、長方形状のワーク1Bの4つの角部がそれぞれ合致して保持される。枠体31の外周縁部31aは保持面32aの外形に沿った形状であり、幅が一定に形成されている。
図3に示すように、上記フレーム4は、ワーク1がチャックテーブル30に保持された状態でチャックテーブル30の周囲に同心状に配される。このフレーム4の内周縁の、長方形ワーク保持領域35の4つの角部保持部36aから放射方向に当たる箇所には、角部保持部36aに対応する直角三角形状の欠損部4bが形成されている。
上記チャックテーブル30によれば、円形状のワーク1Aが、保持面32aの円形ワーク保持領域33に重ねられて保持され、長方形状のワーク1Bが、保持面32aの長方形ワーク保持領域35に重ねられて保持される。このようにしてチャックテーブル30に保持されたワーク1A(1B)は、チャックテーブル30とともに、X軸スライダ22の移動に伴ってX方向に往復移動させられる。
次に、図1に示すように、上記門型コラム12は、X軸ガイド21を挟んでY方向に並ぶ一対の脚部12aと、これら脚部12aの上端部間に水平に架け渡された梁部12bとを有している。梁部12bの表面には、Y方向に延びる上下一対のY軸ガイド13が設けられており、これらY軸ガイド13に、第1Y軸スライダ41と第2Y軸スライダ51がそれぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Y軸スライダ41は、図示せぬ第1Y軸送りモータによって作動する第1Y軸ボールねじ送り機構43によりY軸ガイド13に沿って往復移動させられる。また、第2Y軸スライダ51は、第2Y軸送りモータ52によって作動する第2Y軸ボールねじ送り機構53によりY軸ガイド13に沿って往復移動させられる。
第1Y軸スライダ41および第2Y軸スライダ51には、Z方向に延びる一対のZ軸ガイド14がそれぞれ設けられており、第1Y軸スライダ41のZ軸ガイド14には第1Z軸スライダ44が、また、第2Y軸スライダ51のZ軸ガイド14には第2Z軸スライダ54が、それぞれ摺動自在に取り付けられている。第1Z軸スライダ44は、第1Z軸送りモータ45によって作動する図示せぬ第1Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド14に沿って昇降させられる。また、第2Z軸スライダ54は、第2Z軸送りモータ55によって作動する図示せぬ第2Z軸ボールねじ送り機構により、Z軸ガイド14に沿って昇降させられる。
第1Z軸スライダ44の下端部には、第1ブラケット46を介して第1切削スピンドル(加工手段、切削手段)47が固定されており、第2Z軸スライダ54の下端部には、第2ブラケット56を介して第2切削スピンドル(加工手段、切削手段)57が固定されている。各切削スピンドル47,57は同一構成であって、直方体状のハウジング61内に、サーボモータ等により回転駆動される図示せぬスピンドルシャフトが収容され、ハウジング61の先端開口から突出するスピンドルシャフトの先端に、円板状の切削ブレード62が装着されたものである。切削ブレード62はワーク1に応じたものが用いられ、例えば円板状の基体の周縁にダイヤモンド砥粒を固着させたものなどが用いられる。
各切削スピンドル47,57は、スピンドルシャフトがY方向と平行、かつ互いに同軸的で、切削ブレード62が向かい合う状態となるようにしてハウジング61が各ブラケット46,56の下端部に固定されている。切削スピンドル47,57は、それぞれY軸スライダ41,51と一体にY方向に移動させられ、Y方向に互いに接近したり離間したりする。
切削ブレード62は、チャックテーブル30に保持されたワーク1に切り込んで切削加工を施す。この切削加工装置10では、切削ブレード62の回転軸である上記スピンドルシャフトがY方向に沿っているので、切削ブレード62がワーク1に切り込んで切削を進行する加工送り方向はX方向であり、分割予定ライン2に切削ブレード62を位置決めする割り出し方向はY方向である。したがって、加工送りはチャックテーブル30をX方向に移動させて、切削ブレード62に対し相対的にX方向にワーク1を移動させることによりなされる。また、割り出しは各Y軸スライダ41,51によって切削ブレード62をY方向に移動させることによりなされる。
切削ブレード62はブレードカバー63で覆われており、ブレードカバー63には、切削ブレード62や切削加工点に切削水を供給するノズルが設けられている。切削水は、冷却や潤滑、加工点の清浄化等を目的として供給され、切削水の飛散がブレードカバー63で抑えられるようになっている。なお、図1で図示は省略しているが、チャックテーブル30の周囲には、切削加工時に生じる切削屑や切削水が下方のX軸ガイド21、X軸スライダ22、X軸送りモータ23およびボールねじ送り機構24に落下することを防ぐ防水カバーが設けられる。
(2−2)切削加工装置の動作
以上が一実施形態に係る切削加工装置10の全体構成であり、次に、この切削加工装置10によってワーク1を多数の個片にダイシングする動作例を説明する。
はじめに、粘着テープ5を介してフレーム4に支持されたワーク1をチャックテーブル30に吸着、保持させるが、本実施形態では上述したように、図2(a)に示す円形状のワーク1Aと長方形状のワーク1Bのいずれもチャックテーブル30に保持可能である。
円形状のワーク1Aをチャックテーブル30に保持するには、保持面32aの円形ワーク保持領域33にワーク1Aを合致させて重ねる。また、長方形状のワーク1Bをチャックテーブル30に保持するには、ワーク1Bの4つの角部を、保持面32aの長方形ワーク保持領域35の4つの角部保持部36aにそれぞれ合致させ、かつ、全体を長方形ワーク保持領域35に合致させて重ねる。これにより、ワーク1A(1B)は予め負圧発生運転されているチャックテーブル30の多孔質体32に吸着、保持される。そして、ワーク1A(1B)がチャックテーブル30に保持されると同時に、フレーム4がクランプ39に把持されて保持される。
チャックテーブル30にワーク1が保持されたら、チャックテーブル30が移動してワーク1が各切削スピンドル47,57の下方位置に当たる加工位置に搬送される。そしてこの加工位置において、ワーク1は切削ブレード62により切削加工されて多数の個片3にダイシングされる。
なお、切削加工に先だって、チャックテーブル30と各切削ブレード62との間の距離を認識するためのセットアップが行われる。セットアップは、各切削スピンドル47,57を下降させてそれぞれの切削ブレード62の刃先を枠体31の外周縁部31aに接触させ、この時の高さ位置を、各切削スピンドル47,57の基準高さ位置とする。各切削スピンドル47,57は、基準高さ位置からの距離に基づいてワーク1への切り込み量が制御される。
ワーク1を効率的に切削加工する方法として、1回のX方向の加工送りで2本の分割予定ライン2を同時に切削加工する方法がある。この方法は、まず、第1および第2の切削スピンドル47,57のZ方向位置を同一とし、さらにY方向に互いに近付けて、同軸的に対向する各切削ブレード62の間隔を、ワーク1に設定されている格子状の分割予定ライン2のうちの平行な2本の分割予定ライン2に対応し、かつ、その間隔が最小となる距離に設定する。各切削ブレード62間の最小間隔は、例えば3,4個程度の複数の個片3を挟む間隔である。以下、切削加工を、ワーク1の表面から所定深さまで切り込んで溝を形成する溝加工を行うものとして説明を続ける。
上記の状態を保持して各切削スピンドル47,57を下降させ、切削ブレード62のZ方向位置を、チャックテーブル30上に保持したワーク1に刃先が所定深さ切り込む位置に位置付ける。次いで、各切削ブレード62を回転させた状態から、X軸スライダ22をX方向に移動させて加工送りし、各切削ブレード62を、チャックテーブル30上のワーク1の分割予定ライン2に切り込ませ、溝を形成する。なお、分割予定ライン2に切削ブレード62を位置決めするには、カメラ等を用いた周知のアライメント手段を利用して行われる。
はじめの2本のX方向の分割予定ライン2に溝が形成されたら、各切削スピンドル47,57を上昇させてチャックテーブル30を加工送りの開始点まで戻し、続いて、次の2本の分割予定ライン2に溝を形成すべく、各切削スピンドル47,57を分割予定ライン2の間隔の長さだけY方向に移動させる割り出し送りを行う。次いで、各切削スピンドル47,57を加工高さ位置に下降させてから、チャックテーブル30を加工送り方向に移動させ、先に切断した2本の分割予定ライン2の隣の分割予定ライン2に溝を形成する。
以上のX方向への往復による加工送りと加工開始点への戻りと、Y方向への割り出し送りを繰り返して、X方向に延びる全ての分割予定ライン2を切断する。続いてチャックテーブル30を90°回転させて、今までY方向に延びていた未切断の分割予定ライン2を、改めてX方向と平行になるよう切り替える。そして、上記要領を繰り返して、X方向に延びる全ての分割予定ライン2に溝を形成する。これによって、格子状の多数の分割予定ライン2の全てに溝が形成される。この後、ワーク1は、溝の残り厚さ部分を他の切削ブレードでフルカットするか、あるいは応力を付与して割断することにより、多数の個片3に分割される。分割された多数の個片3は、粘着テープ5に貼り付いたままの状態であってワーク1としての形態は保たれており、この後、ピックアップ工程に移されて個片3が個々に取り出される。
(3)チャックテーブル30の作用効果
本実施形態のチャックテーブル30によれば、多孔質体32の保持面32aに、円形状のワーク1Aが合致して吸着、保持される円形ワーク保持領域33と、長方形状のワーク1Bが合致して吸着、保持される長方形ワーク保持領域35とが、同心状に重畳して形成されている。このため、このチャックテーブル30に、ワーク1Aまたはワーク1Bのいずれかを保持することができる。すなわち、処理するワークがワーク1Aからワーク1Bに変わる際、あるいはワーク1Bからワーク1Aに変わる際にも、チャックテーブル30を交換する必要がない。そして、チャックテーブル30の交換が必要なくなったため、煩雑な上記セットアップの作業を行う必要もない。これらの結果、作業の効率化や処理の迅速化を図ることができるといった効果を奏する。さらに、ワーク1Aとワーク1Bのそれぞれに対応したチャックテーブルを用意する必要がなく、部品の共通化を図ることもできる。
また、フレーム4の内周縁には、長方形ワーク保持領域35の4つの角部保持部36aに対応して欠損部4bが形成されていることにより、粘着テープ5の、各角部保持部36aからフレーム4までの最短距離を長くすることができる。このため、フレーム4をクランプ39で保持する際の上記“フレームの引き落とし”を、フレーム4に近接する角部保持部36aに対応した部分でも遂行することができる。これは、各角部保持部36aからフレーム4までの最短距離を長くしたことにより上記“フレームの引き落とし”分のテープの伸び幅を確保できるからである。
以上のように、フレーム4の内径の範囲内で、円形状のワーク1Aと長方形状のワーク1Bの双方を保持可能とし、なおかつ、チャックテーブル30とフレーム4の内周縁の距離を上記“フレームの引き落とし”が可能となる長さとするためには、本実施形態のように、円形ワーク保持領域33と長方形ワーク保持領域35とが重畳した形態のチャックテーブルが有効である。さらに、フレーム4の内周縁に、長方形ワーク保持領域35の4つの角部保持部36aに対応して欠損部4bを形成することは、より確実に上記“フレームの引き落とし”が可能となるため特に有効である。
(4)チャックテーブルの変形例
図6は、チャックテーブル30の変形例を示している。このチャックテーブル30における多孔質体32の保持面32aは、上記円形ワーク保持領域33(鎖線で示す)を備えるとともに、図示せぬ正方形状のワークが合致して保持される正方形ワーク保持領域37(二点鎖線で示す)が、円形ワーク保持領域33と同心状に形成されている。
正方形ワーク保持領域37の一辺の長さは円形ワーク保持領域33の直径よりも短く、正方形状のワークの4つの角部がそれぞれ合致する4つの角部保持部37aが円形ワーク保持領域33から突出して形成されている。これら角部保持部37aは、周方向に等間隔をおいて配置されている。そして、このチャックテーブル30に保持されるワーク1を支持するフレーム4の内周縁の、正方形ワーク保持領域37の4つの角部保持部37aから放射方向に当たる箇所には、角部保持部37aに対応する直角三角形状の欠損部4bが形成される。
このチャックテーブル30によれば、円形状のワーク1Aが、保持面32aの円形ワーク保持領域33に合致されて吸着、保持される。また、長方形状のワーク1Bが、4つの角部を4つの角部保持部37aにそれぞれ合致させ、かつ、全体を正方形ワーク保持領域37に合致させることにより、吸着、保持される。
なお、上記実施形態のチャックテーブル30は、多孔質体32を用い、負圧作用でワークを吸着して保持するものであるが、本発明のチャックテーブルはワークを吸着して保持する手段に関して限定はされない。例えば、ステンレス等の中実な材料を用い、ワークの保持面に多数の孔や溝を形成し、この孔や溝内の空気を吸引することで負圧を発生して吸着する形式のチャックテーブルにも、本発明を適用することができる。また吸着の原理が負圧でなくてもよく、電磁吸着、あるいは静電吸着を利用したチャックテーブルであってもよい。また、加工手段としては、切削ブレード以外のものを用いてもよく、例えばレーザ光線を照射するレーザ加工手段等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る切削加工装置の斜視図である。 切削加工が施されるワークが粘着テープを介してフレームに支持された状態を示す斜視図であって、(a)はワークが円形状、(b)はワークが長方形状である。 一実施形態の切削加工装置が備えるチャックテーブル、およびフレームを示す平面図である。 一実施形態のチャックテーブルの断面図である。 一実施形態のチャックテーブルにワークを保持した状態を示す断面図である。 一実施形態のチャックテーブルの変形例を示す平面図である。
符号の説明
1…ワーク
1A…円形状のワーク
1B…長方形状のワーク
4…フレーム
4a…フレームの開口部
5…粘着テープ
10…切削加工装置
30…チャックテーブル(保持テーブル)
32a…保持面
33…円形ワーク保持領域
35…長方形ワーク保持領域
36a,37a…角部保持部
37…正方形ワーク保持領域
39…クランプ(フレーム保持部)
47,57…切削スピンドル(加工手段、切削手段)
62…切削ブレード

Claims (4)

  1. ワークを吸着して保持する保持面を有する保持テーブルであって、
    前記保持面は、
    円形状のワークを保持する円形ワーク保持領域と、
    4つの角部を有する矩形状のワークを保持する矩形ワーク保持領域とを有しており、
    該矩形ワーク保持領域は、前記矩形状のワークの前記4つの角部がそれぞれ合致して保持される4つの角部保持部が、前記円形ワーク保持領域から突出して形成されていることを特徴とする保持テーブル。
  2. 前記ワークは、環状のフレームの開口部に配置され、該フレームに粘着テープを介して支持されており、
    該フレームを保持するフレーム保持部が併設された請求項1に記載の保持テーブルと、
    該保持テーブルに保持された前記ワークに加工を施す加工手段と、
    を少なくとも含むことを特徴とする加工装置。
  3. 前記フレームの内周縁における前記矩形ワーク保持領域の前記角部保持部に対応する箇所に、欠損部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
  4. 前記加工手段は、回転ブレードで前記ワークを切削する切削手段であることを特徴とする請求項2または3に記載の加工装置。
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