JP5245316B2 - プラスチックフィルム挿入合せガラスの製造方法 - Google Patents

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ガラス板、中間膜、透明なプラスチックフィルム、中間膜、ガラス板をこの順に積層して作製される合せガラスに関する。
プラスチックフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムを挟持した2枚の中間膜を用いて、2枚のガラス板を積層したものが、熱線反射機能を持たせた合せガラスとして、知られている。
通常、合せガラスは、オートクレー部を用いて、高温高圧処理され、ガラス板とポリエステルフィルムが、中間膜により熱融着される。
例えば、特許文献1では、薄膜がポリエステルフィルムに形成されてなる熱線反射プラスチックフィルムを、2枚の中間膜で挟持した可撓性積層体を、2枚のガラス板の間に挟んで積層される、合せガラスが開示されている。
また、特許文献2には、多層のプラスチック層でなる近赤外線遮蔽フィルムを2枚のポリビニブチラールシートの間に挟みもちし、さらに、これを2枚のガラスの間に挟んで積層したものが開示されている。また、この、近赤外線遮蔽フィルムは、ガラスに貼り付けた後にガラスとフィルム間での剥がれやクラックが生じることを防ぐ観点から、フィルムの製膜方向と幅方向の150℃、30分処理での収縮率がともに2%以下であること、シワの発生することを防ぐ観点から、150℃、30分処理での収縮率差が0.5%以下であることが記載されている。
さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムを2枚のPVB膜の間に挟持し、合せガラスに積層したときのシワ等の欠陥を防ぐものとして、特許文献3には、選択光透過性・導電性を有する機能性フィルムをポリビニールブチラール膜で挟み、合せガラス化したときに、シワなどの外観欠陥を防ぐため、機能性フィルムに用いるポリエステルテレフタレートの1方の熱伸張率を0.1〜1.0%、それに直行する方向の熱収縮率を0.1〜1.0%とすることが記載されている。
特許文献4には、プラスチックフィルムに酸化インジウムや銀の膜を形成した熱線反射膜を用い、合せガラスを作製するのに、プラスチックフィルムの熱加工時の熱収縮率が1〜20%のものを用いることが記載されている。
特開昭56−32352号公報 再公表2005−40868号公報 特開昭60−225747号広報 特開平6−270318号公報
透明なプラスチックフィルムを中間膜で挟持し、これを2枚のガラス板の間に挿入して合せガラスを作製するときに、合わせガラスに挿入されたプラスチックフィルムの全面にシワが生じ、外観欠陥になるという問題が生じる。
本発明は、このような外観欠陥のない、透明なプラスチックフィルムを挿入した合せガラスの提供を課題とする。
本発明は、ガラス板、中間膜、プラスチックフィルム、中間膜、ガラス板の順に積層し、該中間膜で該プラスチックフィルムを挟持してオートクレーブ内で90〜150℃で加圧脱気することによってガラス板とプラスチックフィルムを中間膜により熱融着してJIS R3211−1998に規定される可視光線透過率70%以上の自動車のフロントガラス用プラスチックフィルム挿入合せガラスを製造する方法であって、該ガラス板が曲げ加工されたガラス板であり、該プラスチックフィルムとして、延伸法で作製された、厚み50μm〜200μmであり、90〜150℃の温度範囲で、プラスチックフィルムの1m幅あたりに引張力10Nを加えたとき、該プラスチックフィルムの伸び率が0.19%以下であるプラスチックフィルムを使用することによって、熱融着するときに合せガラスの全面にシワ状の外観欠陥が発生することを防止することを特徴とする自動車のフロントガラス用プラスチックフィルム挿入合せガラスの製造方法である。
また、本発明は、前記プラスチックフィルム挿入合せガラスにおいて、プラスチックフィルムが、ハードコート層を片面又は両面に積層されてなるプラスチックフィルムであることを特徴とする
また、本発明は、前記プラスチックフィルム挿入合せガラスにおいて、プラスチックフィルムの片面に、赤外線反射膜が形成されてなることを特徴とする
2枚の中間膜で、プラスチックフィルムを挟持し、作製される合せガラスにおいて、プラスチックフィルムにシワのない、実用が可能な、プラスチックフィルム挿入合せガラスの提供を可能にする。
本発明のプラスチック挿入合せガラスは、図1に示すように、2枚のガラス板10、14の間に、中間膜11と13で挟持されたプラスチックフィルム12を挿入してなる構成である。
本発明のプラスチック挿入合せガラスは、2枚のガラス板10、14とプラスチックフィルム12が、中間膜11、13によって強固に一体化されたものである。
ガラス板10、14には、低コストで得られるフロート法によるソーダライムガラスの使用が簡便である。
中間膜11、13には、ポリビニルブチラール(PVB)やエチレンビニルアセテート(EVA)などのホットメルトタイプの接着剤が、好適に用いられる。
プラスチックフィルムは、高温になると柔軟性が増大するため、中間膜で挟持して、合せガラスの製造過程において、オートクレーブにより高温高圧にして、中間膜によって熱融着するとき、プラスチックフィルムにシワが生じやすくなる。
オートクレーブによる高温高圧処理において、90〜150℃の高温状態となる。
このような温度になっても、プラスチックフィルムにシワが生じないようにするためには、プラスチックフィルムの伸び率が、90〜150℃の高温範囲において、プラスチックフィルムに、幅1mあたり、引張力10Nを加えたとき、伸び率が0.19%以下であることが望ましい。
プラスチックフィルムの幅1mあたりに加える、10Nの引張力は、中間膜に挟持されたプラスチックフィルムを、オートクレーブにより高温高圧にして、中間膜によってプラスチックフィルムとガラス板とが熱融着するとき、プラスチックフィルムに生じる、プラスチックフィルムを伸ばそうとする引張力に相当するものである。
プラスチックフィルムの伸び率は、次の手順1〜5で測定される。
手順1 プラスチックフィルムを、長さ15mm×幅5mmに切り出し、測定試料とする。測定用試料の両端に固定用の治具を取りつけ、両端の固定用の治具の間の測定用試料が露出する長さを10mmにする。
手順2 測定用試料に、プラスチックフィルムの1m幅あたり、引張力10Nの荷重を加える。手順1に示す測定試料の場合、0.05Nの荷重を加える。
手順3 固定用治具間の測定用試料の長さLを測定する。
手順4 5℃/minで90〜150℃の間の所定の測定温度まで加熱し、該測定温度での測定用試料の固定用治具間の長さLを測定する。
手順5 伸び率(%)を(L−L)/L×100によって算定する。
本発明のプラスチックフィルム挿入合せガラスを建物や自動車の窓部材として使用するためには、透明性を有するプラスチックフィルムを用いることが好ましく、プラスチックフィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、タックフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマーなどを好適に用いることができる。
また、PETフィルムのように延伸法で作製されているプラスチックフィルムは、比較的に強度も高いので合せ加工時の取扱などで発生するフィルムの折れなどの欠陥を抑制でき、また、加熱による球状結晶の生成も抑制できて白濁が抑制されるので、好ましい。
プラスチックフィルムには、表面にハードコート層を積層したものも、好適に用いることができる。プラスチックフィルムによっては、中間膜と密着性が悪かったり、赤外線反射膜を成膜すると白濁が生じたりすることがあり、ハードコート層を形成することで、これらの不具合を解決できる。また、ハードコート層を形成することにより、プラスチックフィルムの伸びを抑制することも可能である。
なお、ハードコート層は、プラスチックフィルムの両面に積層しても、片面にのみに積層してもよい。
プラスチックフィルムの厚さであるが、40μmよりも薄いとフィルムの取扱が難しく、かつ赤外線反射膜を成膜した場合には赤外線反射膜の応力によりカールしやすい。一方、フィルムの厚さが200μmより厚いと合わせ加工時に脱気不良による外観欠陥が出るため、厚さは50μm〜200μmであることが望ましい。
赤外線反射膜を形成するための金属膜としては、Au、Ag、Cu、Alなどの金属を用いて成膜した金属膜を用いることができる。
また、誘電体の多層膜でなる赤外線反射膜としては、例えば、図2に示すように、プラスチックフィルム20から数えて、偶数番目の誘電体膜22と奇数番目の誘電体膜23とに屈折が異なる誘電体を用いてなる赤外線反射膜21が用いられる。
誘電体膜には、TiO、Nb、Ta、SiO、Al、ZrO、MgFの誘電体から、適当な屈折率を有するものを選んで用いることが好ましい。
また、積層される誘電体膜の層数は、3層以下であると近赤外線域の反射が不十分であり、また、層数が12層を超えると製造コストが高くなり、また、膜数を増やすことにより膜応力が増加し、誘電体膜の密着性が悪くなっったり、フィルムがカールしたりするので、積層される誘電体膜の総数は、4層以上11層以下であることが好適である。層数を増すほど近赤外線領域における反射の極大値は大きくなり、かつ可視光域の色が無色に近くなり、好ましい赤外線反射膜となる。
さらに、誘電体の多層膜でなる赤外線反射膜21を、波長1200nmから1400nmの波長領域で50%を越える反射の極大値を有する赤外線反射膜とすることにより、入射側からの輻射による透過側への熱の侵入を抑制し、また、波長2000nm以上の反射率が50%未満で、通信等に用いられる各種電波を透過させることができる。
また、赤外線反射膜21が形成されたプラスチックフィルムを用いて作製されるプラスチック挿入合せガラスは、JIS R3211−1998に規定される可視光線透過率を、70%以上とすることで、透明性に優れ、自動車のフロントガラスに、好適に用いることができる。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
実施例1
図1に示すプラスチック挿入合せガラス1を作製した。ガラス板10、14には、300mm×300mmで厚さが2mmの、フロート法によるソーダライムガラスでなるガラス板を用いた。
プラスチックフィルム12には、PETフィルム(厚さ100μm)を用いた。このPETフィルムの、測定温度150℃で、フィルムの幅1mあたりに10Nの引張力を負荷した状態で測定された伸び率は、MD方向で0.02%、TD方向で0.13%であった。
伸び率の測定は、リガク製熱機械分析装置(PTC10A)を用いて、手順1から5に従って行った。
また、中間膜11、13には、厚さ0.38mmのPVBでなるホットメルト接着フィルムを用いた。
ガラス板10、中間膜11、プラスチックフィルム12、中間膜13、ガラス板14を順次重ね、ガラスのエッジからはみ出した中間膜11、プラスチックフィルム12および中間膜13の余分な部分を切断・除去した後、オートクレーブ中で30分間、150℃に加熱すると共に、加圧脱気して合わせ加工をおこない、プラスチック挿入合せガラス1を作製した。
作製したプラスチック挿入合せガラス1には、プラスチックフィルム12にシワ状の外観欠陥がなく、外観が良好なプラスチック挿入合せガラスが得られた。
実施例2
ガラス板10´、14´に、250mm×300mmで厚さが2mm、曲率半径が1200mmの曲げ加工されたフロート法によるソーダライムガラスのガラス板を用いたほかは、全て実施例1と同様にして、図2に示すプラスチック挿入合せガラス2を作製した。
作製したプラスチック挿入合せガラスには、実施例1と同様に、プラスチックフィルム12にシワ状の外観欠陥がなく、外観が良好なプラスチック挿入合せガラス2が得られた。
実施例3
ガラス板10、14には、実施例1と同様に300mm×300mmで厚さが2mmの、フロート法によるソーダライムガラスのガラス板を用いた。
図3に示す赤外線反射膜21を厚さ50μmのPETフィルム20に形成したプラスチックフィルム12´を用いた。
PETフィルム20の両面に、図示しない、アクリル系のハードコート層を厚さ5μmで積層した。さらに、赤外線反射膜21は、誘電体膜22にNb膜を、誘電体膜23にSiO膜を用い、ハードコート層を成膜したPETフィルム20の片面に、Nb膜(厚さ115nm)、SiO膜(厚さ175nm)、Nb膜(厚さ115nm)、SiO膜(厚さ175nm)、Nb膜(厚さ115nm)、SiO膜(厚さ175nm)、Nb膜(厚さ115nm)を順次スパッタリングで成膜して形成した。
前記、ハードコート膜と赤外線反射膜21とを形成したプラスチックフィルム12´の150℃での伸び率(フィルムの幅1mあたりに10Nの引張力を負荷した状態)は、MD方向で0.01%以下、TD方向で0.19%であった。
プラスチックフィルム12´として、この赤外線反射膜、ハードコート膜つきのフィルムを用い、実施例1と同様に、ガラス板10、中間膜11、プラスチックフィルム12´、中間膜13、ガラス板14を順次重ね、オートクレーブ中で30分間、150℃に加熱すると共に、加圧脱気して合わせ加工をおこない、プラスチック挿入合せガラスを作製した。
作製したプラスチック挿入合せガラスには、プラスチックフィルム12´にシワ状の外観欠陥がなく、外観が良好なプラスチック挿入合せガラスが得られた。
比較例1
プラスチックフィルム12に、150℃での伸び率が0.3%のPETフィルム(厚さ100μm)を用いた他は、全て実施例1と同様にして、図1に示すプラスチック挿入合せガラス1を作製した。
作製したプラスチック挿入合せガラス1の全面に、シワ状の外観欠陥が発生した。
比較例2
プラスチックフィルム12に、150℃での伸び率が0.3%のPETフィルム(厚さ100μm)を用いたほかは、全て実施例2と同様にして、図3に示すプラスチック挿入合せガラス2を作製した。
作製したプラスチック挿入合せガラス2の全面に、比較例1と同様、シワ状の外観欠陥が発生した。
本発明のプラスチックフィルム挿入合せガラスの構成を示す断面図。 実施例2、比較例2で作製したプラスチックフィルム挿入合せガラスの構成を示す断面図。 誘電体膜を積層して得られる赤外線反射膜の構成を示す、プラスチックフィルムの断面図。
符号の説明
10、10´ ガラス板
11 中間膜
12、12´ プラスチックフィルム
13 中間膜
14、14´ ガラス板
20 PETフィルム
21 赤外線反射膜
22 奇数番目の誘電体膜
23 偶数番目の誘電体膜

Claims (3)

  1. ガラス板、中間膜、プラスチックフィルム、中間膜、ガラス板の順に積層し、該中間膜で該プラスチックフィルムを挟持してオートクレーブ内で90〜150℃で加圧脱気することによってガラス板とプラスチックフィルムを中間膜により熱融着してJIS R3211−1998に規定される可視光線透過率70%以上の自動車のフロントガラス用プラスチックフィルム挿入合せガラスを製造する方法において、
    該ガラス板が曲げ加工されたガラス板であり、
    該プラスチックフィルムとして、延伸法で作製された、厚み50μm〜200μmであり、90〜150℃の温度範囲で、プラスチックフィルムの1m幅あたりに引張力10Nを加えたとき、該プラスチックフィルムの伸び率が0.19%以下であるプラスチックフィルムを使用することによって、熱融着するときに合せガラスの全面にシワ状の外観欠陥が発生することを防止することを特徴とする自動車のフロントガラス用プラスチックフィルム挿入合せガラスの製造方法。
  2. プラスチックフィルムが、ハードコート層を両面又は片面に積層されてなるあることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックフィルム挿入合せガラスの製造方法。
  3. プラスチックフィルムが、片面に赤外線反射膜が形成されてなるプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のプラスチックフィルム挿入合せガラスの製造方法。
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