まず、本発明の方法で使用するネガ型平版印刷版原版について説明する。
[ネガ型平版印刷版原版]
本発明で使用するネガ型平版印刷版原版は、親水性支持体上にレーザー感受性の光重合層を有することを前提とする。以下、光重合層及びその他の構成要素について詳細に説明する。
<光重合層>
〔スルホンアミド基及び親水性基を有する高分子化合物〕
光重合層は、バインダーポリマーとして、スルホンアミド基及び親水性基を分子内に有する高分子化合物(以下、適宜、特定高分子化合物と称する。)を必須成分として含有する。
これらは、光重合層のバインダーとして機能させることが好ましい。すなわち、光重合層において、連続した層を形成するために使用される。これらの高分子化合物は線状構造を有しているものが非画像部細線再現性の観点より好ましい。架橋構造を有するものは現像性、細線再現性、カス付着抑止の観点より好ましくない。
上記特定高分子化合物としては、側鎖又は主鎖中に−SO2−N−結合を含有する高分子化合物が好ましく、さらに好ましくは、側鎖中に−SO2−N−結合を含有する高分子化合物である。親水性基は、側鎖に有することが好ましい。
このような特定高分子化合物は、例えば、スルホンアミド基を有する重合性モノマーと、親水性基を有する重合性モノマーとを公知の重合開始剤を用いて適当な溶媒中で共重合することにより得られる。
好適に使用されるスルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、一般式(Ia)〜(Ie)(総称して一般式(I)ともいう)で示される化合物が挙げられる。
式中、X1はO又はNRを示す。R1は水素原子又はメチル基を示す。R2、R8及びR10はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリレン基又はアラルキレン基を示す。R3、R4、R5、R11、R12、及びR13はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を示す。R6及びR14はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。R7は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を示す。R9は単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリレン基もしくはアラルキレン基を示す。Rは水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を示す。Y1は単結合又はカルボニル基を示す。
一般式(Ia)又は(Ib)で示されるモノマーのうち、本発明において特に好適に使用されるモノマーは、R2がC2〜C6のアルキレン基、シクロアルキレン基、又は置換基を有していてもよいフェニレン基もしくはナフチレン基であり、R3、R4、及びR5が水素原子、C1〜C6のアルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはナフチル基であり、R6がC1〜C6のアルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはナフチル基であり、Rが水素原子、C1〜C6のアルキル基、シクロアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基もしくはナフチル基である化合物である。
このようなモノマーとしては、例えばN−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−メチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−メチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−メチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−エチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−エチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−エチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−n−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−n−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−n−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−i−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−i−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−i−プロピルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−n−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−n−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−n−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−i−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−i−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−i−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−sec−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−sec−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−sec−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−t−ブルチアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−t−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−t−ブチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−フェニルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−フェニルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−フェニルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−(α−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(m−(α−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(p−(α−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(o−(β−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(m−(β−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(p−(β−ナフチルアミノスルホニル)フェニル)メタクリルアミド、N−(1−(3−アミノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(1−(3−メチルアミノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(1−(3−エチルアミノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(o−メチルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(m−メチルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(p−メチルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(o−エチルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(m−エチルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(p−エチルスルホニルアミフェニル)メタクリルアミド、N−(o−フェニルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(m−フェニルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(p−フェニルスルホニルアミノフェニル)メタクリルアミド、N−(o−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル)メタクリルアミド、N−(m−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル)メタクリルアミド、N−(p−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニル)メタクリルアミド、N−(p−(α−ナフチルスルホニルアミノ)フェニルメタクリルアミド、N−(p−(β−ナフチルスルホニルアミノ)フェニル)メタクリルアミド、N−(2−メチルスルホニルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−エチルスルホニルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−フェニルスルホニルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−p−メチルフェニルスルホニルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−α−ナフチルスルホニルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−β−ナフチルスルホニルアミノ)エチルメタクリルアミド、N−(m−ジメチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−ジメチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(o−ジエチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−ジエチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−ジエチルアミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド類、上記と同様の置換基を有するアクリルアミド類、
またo−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−メチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−メチメアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−メチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−エチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−エチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−エチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−n−プロピルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−n−プロピルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−n−プロピルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−i−プロピルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−i−プロピルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−n−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−n−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−n−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−i−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−i−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−sec−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−sec−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−t−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−t−ブチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−フェニルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−フェニルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−フェニルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(α−ナフチルアミノスルホニル)フェニルメタクリレート、p−(α−ナフチルアミノスルホニルフェニル)メタクリレート、m−(β−ナフチルアミノスルホニル)フェニルメタクリレート、p−(β−ナフチルアミノスルホニル)フェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニル)ナフチルメタクリレート、1−(3−メチルアミノスルホニル)ナフチルメタクリレート、1−(3−エチルアミノスルホニル)ナフチルメタクリレート、o−メチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、m−メチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、p−メチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、o−エチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、m−エチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、p−エチルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、o−フェニルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、m−フェニルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、p−フェニルスルホニルアミノフェニルメタクリレート、o−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニルメタクリレート、m−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニルメタクリレート、p−(p−メチルフェニルスルホニルアミノ)フェニルメタクリレート、p−(α−ナフチルスルホニルアミノ)フェニルメタクリレート、p−(β−ナフチルスルホニルアミノ)フェニルメタクリレート、2−メチルスルホニルアミノエチルメタクリレート、2−エチルスルホニルアミノエチルメタクリレート、2−フェニルスルホニルアミノエチルメタクリレート、2−p−メチルフェニルスルホニルアミノエチルメタクリレート、2−α−ナフチルスルホニルアミノエチルメタクリレート、2−β−ナフチルスルホニルアミノエチルメタクリレート、o−ジメチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ジメチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−ジメチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、o−ジエチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ジエチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−ジエチルアミノスルホニルフェニルメタクリレート、等のメタクリル酸エステル類、上記と同様の置換基を有するアクリル酸エステル類などが挙げられる。
また、一般式(Ic)〜(Ie)で示されるモノマーにおいて、好ましい置換基は、それぞれ、R7は水素原子であり、R8は置換されていてもよいメチレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、R9は単結合又はメチレン基であり、R10は炭素数1〜6のアルキレン基又は置換されていてもよいフェニレン基もしくはナフチレン基であり、R11、R12及びR13は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基もしくはナフチル基であり、R14は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基もしくはナフチル基である。
上記のような一般式(Ic)〜(Ie)で示される化合物の具体例としては、p−アミノスルホニルスチレン、p−アミノスルホニル−α−メチルスチレン、p−アミノスルホニルフェニルアリルエーテル、p−(N−メチルアミノスルホニル)フェニルアリルエーテル、p−(N−ジメチルアミノスルホニル)フェニルアリルエーテル、メチルスルホニルアミノ酢酸ビニルエステル、フェニルスルホニルアミノ酢酸ビニルエステル、メチルスルホニルアミノ酢酸アリルエステル、フェニルスルホニルアミノ酢酸アリルエステル、p−メチルスルホニルアミノフェニルアリルエーテルなどがある。
スルホンアミド基を有する構造単位は、本発明に係る特定高分子化合物中に、1種のみが用いられていてもよく、2種以上を含んでいてもよい。これらのスルホンアミド基を有する構造単位は、細線再現性(特に重合性モノマーを含有するUVインキを用いた場合の、細線に挟まれた非画像部の汚れ)およびガム液中でのカス分散性の観点から、特定高分子化合物中に、1〜80mol%含まれていることが好ましく、10〜80mol%含有されていることがより好ましく、最も好ましくは20〜70mol%の範囲である。
また、本発明で使用する特定高分子化合物は親水性基を有する。親水性基は光重合層の水溶性樹脂を有する水溶液による現像性を加速させる効果、また、現像された光重合層成分がカスとなり現像装置や印刷機のメンテナンス性や印刷品質を低下させる問題を改良する効果もある。
このような親水性基としては、たとえば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、アルキレンオキサイド構造、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等などがあり、好ましいのはアミド基、ヒドロキシル基、ポリオキシエチル基、アルキレンオキサイド構造などが挙げられ、下記一般式(II)で表されるアルキレンオキサイド構造が最も好ましい。特定高分子化合物は該アルキレンオキサイド構造を側鎖に有していることが好ましい。
該アルキレンオキサイド構造は、イオン性基を含まず適当な親水性を有するため、ガム現像性と画像部の耐久性のバランスに優れ、また直鎖構造による柔軟性も有するので現像カスを微細化し分散無害化する効果にも優れている。
式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは1、3又は5であり、lは1〜9の整数を表す。lは好ましくは1〜8の整数であり、より好ましくは1〜7の整数、さらに好ましくは1〜6の整数、最も好ましくは2〜4の整数である。
上記親水性基を特定高分子化合物に付与するためのモノマーの具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリオキシエチレンモノメタクリレート、ポリオキシエチレンモノアクリレート、ポリオキシプロピレンモノメタクリレート、ポリオキシプロピレンモノアクリレートが挙げられる。これらを1種あるいは2種以上用いることができ、これらの親水性基を有する構造単位は、特定高分子化合物中に、1〜70mol%含まれていることが好ましく、10〜60mol%含有されていることがより好ましく、最も好ましくは20〜50mol%の範囲である。少なすぎると充分な現像性、細線再現性、が得られず、多すぎると特定高分子化合物の柔軟性が大きくなりすぎて耐刷性が不足する場合がある。
本発明で使用するガム現像液が弱アルカリ性である場合には、親水性基はカルボキシル基であることが特に好ましい。特定高分子化合物にカルボキシル基を導入することにより、現像性が向上し、及びカスの発生が抑制される。
本発明では、光重合層の皮膜特性やガム現像性の向上のため、特定高分子化合物は側鎖に、エチレン性不飽和結合を有する基を含んでもよい。そのようなエチレン性不飽和結合を有する基として、例えば下記一般式(1)〜(3)で表される基の少なくとも1種が挙げられる。これらのエチレン性不飽和結合を有する構造により、画像部では光重合層に含まれるモノマーなど他の重合性化合物と反応することで、耐薬品性や耐刷性を充分確保することが出来る。一方、非画像部においては、これらを側鎖に有することで柔軟性が増し、未露光部のガム現像性を向上することが可能となる。
(式中、X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子または−N(R
12)−を表す。Zは酸素原子、硫黄原子、−N(R
12)−またはフェニレン基を表す。R
1〜R
12はそれぞれ独立に1価の置換基を表す。)
前記一般式(1)において、R1〜R3はそれぞれ独立して1価の置換基を表し、例えばR1としては、水素原子、1価の有機基例えば置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基、メチルアルコキシ基、メチルエステル基が好ましい。また、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良いアルキルアミノ基、置換基を有しても良いアリールアミノ基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基が好ましい。ここで、導入しうる置換基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(R12)−を表し、R12としては、置換基を有しても良いアルキル基などが挙げられる。
前記一般式(2)において、R4〜R8は、それぞれ独立して1価の置換基を表し、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。導入しうる置換基としては、一般式(1)においてあげたものが例示される。Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を表す。R12としては、一般式(1)において挙げたものが挙げられる。
前記一般式(3)において、R9〜R11は、それぞれ独立して1価の置換基を表し、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。ここで、置換基としては、一般式(1)において挙げたものが同様に例示される。Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R12)−またはフェニレン基を表す。R12としては、一般式(1)において挙げたものが挙げられる。
これらの中で、一般式(1)で表わされる、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
特定高分子化合物において上記のようなエチレン性不飽和結合を有する構造単位を導入する場合、その含有量は、特定高分子化合物1g当たり、ヨウ素滴定(ラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量の測定)により、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
該特定高分子化合物は画像強度などの諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前述の置換基を有するモノマーに加えて、さらに、他のラジカル重合性モノマーを共重合させることも好ましい態様である。本発明において特定高分子化合物に共重合させることができるモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などから選ばれるモノマーが挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリヌリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど)、アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクゾレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど)、スチレン、アルキルスチレン等のスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、プロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の特定高分子化合物は、下記式(III)で表されるエステル基又は下記式(IV)で表されるアミド基を分子内に有していてもよい。
式中、bは2〜5の整数であり、cは2〜7の整数であり、m及びnはそれぞれ独立に1〜100の整数を表す。
これらラジカル重合性モノマーのうち、好適に使用されるのは、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類である。これらを1種あるいは2種以上用いることができ、これら共重合成分の好適に使用される含有量は、0〜95mol%であり、特に好ましくは、20〜90mol%である。
また、該特定共高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
このような高分子化合物を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
本発明に係る特定高分子化合物は、質量平均分子量Mwで、好ましくは2,000以上であり、さらに好ましくは、5,000〜500,000の範囲である。また、本発明に係る特定高分子化合物中には、未反応の単量体を含んでいてもよい。この場合、高分子化合物中に占める単量体の割合は、15質量%以下が望ましい。
光重合層に含まれる特定高分子化合物の含有量は、固形分で好ましくは5〜95質量%であり、より好ましくは、10〜85質量%である。この範囲内で良好な画像部強度と画像形成性が得られる。
本発明におけるバインダーポリマーとして用いられる特定高分子化合物の構成単位の具体例を以下に示すがこれらに限定されない。
〔その他のバインダーポリマー〕
本発明のネガ型平版印刷版原版には、上記特定高分子化合物に加えて、従来公知のバインダーポリマーを制限なく使用できるが、なかでも皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
このようなバインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−CR1=CR2R3、−(CH2)nCR1=CR2R3、−(CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2)nNH−CO−O−CH2CR1=CR2R3、−(CH2)n−O−CO−CR1=CR2R3及び(CH2CH2O)2−X(式中、R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1とR2又はR3とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2CH2O−CH2CH=CH2、−CH2C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH−C6H5、−CH2CH2OCOCH=CH−C6H5、−CH2CH2−NHCOO−CH2CH=CH2及びCH2CH2O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2、−CH2CH2−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2CH2−OCO−CH=CH2が挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性モノマーの重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性モノマーの重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、ガム現像液による現像性向上の観点から、バインダーポリマーは、ガム現像液中の親水性樹脂、特にアラビアガムに対する溶解性又は分散性が高いことが好ましい。
バインダーポリマーは、親水性樹脂に対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましいが、着肉性とのバランスにより、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60mol%以上、好ましくは80mol%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマーのいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。また、バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマーは、市販品を購入するか、従来公知の方法により合成することにより、入手できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
本発明において、上記の特定高分子化合物とともに更にバインダーポリマーを併用する場合、該バインダーポリマーの含有量は、光重合層の全固形分に対して、0〜80質量%であり、0〜50質量%であるのが好ましく、0〜30質量%であるのがより好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
〔増感色素〕
本発明で使用する平版印刷版原版において、増感色素を光重合層に含めることができる。該増感色素としては、300〜850nmに吸収ピークを有するものが好ましく、300〜600nmに吸収ピークを有するものがさらに好ましい。このような増感色素としては、分光増感色素、光源の光を吸収して光重合開始剤と相互作用する以下に示す染料あるいは顔料が挙げられる。
好ましい分光増感色素又は染料としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロラン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオエン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類で(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スタアリウム類(例えば、スタアリウム)等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては、特公昭37−13034号公報記載のスチリル系色素、特開昭62−143044号公報記載の陽イオン染料、特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩、特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物、特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類、特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンデン染料、特開平2−226148号及び特開平2−226149号各公報記載のアクリジン類、特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類、特公昭46−42363号公報記載のシアニン類、特開平2−63053号公報記載のベンゾフラン色素、特開平2−85858号、特開平2−216154号各公報記載の共役ケトン色素、特開昭57−10605号公報記載の色素、特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体、特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素、特開昭62−31844号、特開昭62−31848号、特開昭62−143043号各公報記載のキサンテン系色素、特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン、特公昭61−962l号公報記載のメロシアニン色素、特開平2−179643号公報記載の色素、特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素、特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素、特開昭59−89803号公報記載のメロシアニン色素、特開平8−129257号記載のメロシアニン色素、特開平8−334897号記載のベンゾピラン系色素、等を挙げることができる。
本発明に用いられる増感色素は下記一般式(12)で表されるものであることがさらに好ましい。
一般式(12)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表し、Yは酸素原子または−N(R1)−を表す。R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団を表し、AとR1、R2、R3とは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
ここで、R1、R2、R3が一価の非金属原子団をあらわすとき、好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。
次に、R1、R2、R3の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキルウレイド基、N'−アリールウレイド基、N',N'−ジアリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アリール−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、または多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン等が挙げられ、これらは、さらにベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していてもよい。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR1、R2、またはR3として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
R1、R2、またはR3として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
R1、R2、またはR3として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
なお、R2及びR3のさらに好ましい例としては、置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、R1のさらに好ましい例としては、置換もしくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸または塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
次に、一般式(12)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環の具体例としては、一般式(12)におけるR1、R2、またはR3についての前述の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
なかでも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げれ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
次に、一般式(12)におけるYについて説明する。Yは上述のAおよび隣接炭素原子と共同して、複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。このような複素環としては縮合環を有していてもよい5、6、7員の含窒素、あるいは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環がよい。
含窒素複素環の例としては例えば、L. G. Brookerら著、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)第73巻(1951年)、p.5326-5358および参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。
具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール、4,5−ジ(2−フリル)チアゾール等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6ージメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール、等)、チアナフテノ−7',6',4,5−チアゾール類(例えば、4'−メトキシチアナフテノ−7',6',4,5−チアゾール、等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5ーメチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6ーメトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、等)、
ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール、等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール、等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール、等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、4,5−ジメチルチアゾリン、4−フェニルチアゾリン、4,5−ジ(2−フリル)チアゾリン、4,5−ジフェニルチアゾリン、4,5−ジ(p−メトキシフェニル)チアゾリン等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6ーヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジメチルベンズイミダゾール、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール、等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5−トリメチルインドレニン、3,3,7−トリメチルインドレニン、等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン、等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。また、これらの環の置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号記載の色素類におけるジチオール部分構造を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール、等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール、等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジエトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール、等)等を挙げることができる。
以上に述べた一般式(12)における、Yが上述のAおよび隣接する炭素原子と共同して形成する含窒素あるいは含硫黄複素環の例のうち、下記一般式(13)の部分構造式で表される構造を有する色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた、感光性組成物を与えるため、特に好ましい。
一般式(13)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表す。R1、R4、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子または一価の非金属原子団を表し、AとR1、R4、R5、R6は、それぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
一般式(13)中、A及びR1は一般式(12)におけるのと同義であり、R4は一般式(12)におけるR2と、R5は一般式(12)におけるR3と、R6は一般式(12)におけるR1と、それぞれ同義である。
一般式(12)で表される化合物は、下記一般式(14)で表される化合物であることがさらに好ましい。
一般式(14)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表す。R1、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、AとR1、R4、R5は、それぞれ互いに、脂肪族性または芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは置換基を有する芳香族環またはヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
一般式(14)中、A及びR1は一般式(12)におけるものと同義であり、R4は一般式(12)におけるR2と、R5は一般式(12)におけるR3と同義である。また、Arは置換基を有する芳香族環またはヘテロ環を表し、具体例としては、先に一般式(12)におけるAの説明に記載されたもののうち、置換基を有する芳香族環またはヘテロ環に係る具体例が同様に挙げられる。ただし、一般式(14)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF3、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH3、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH3、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−NHCOCH3、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
以下に、一般式(12)で表される増感色素の好ましい具体例(例示化合物D1〜例示化合物D57)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらのうち、一般式(13)で表される化合物に該当するものは、例示化合物D2、D6、D10、D18、D21、D28、D31、D33、D35、D38、D41及びD45〜D57である。
このような一般式(12)で表される化合物の合成方法について述べる。
一般式(12)で表される化合物は、通常、活性メチレン基を有する酸性核と、置換もしくは非置換の芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329を参照して合成することができる。例えば、下記反応式(1)に示すように、酸性核化合物と、ヘテロ環上にアルデヒド基又はカルボニル基を有する塩基性核原料の縮合反応を利用する合成方法が挙げられる。縮合反応は必要に応じ、塩基(Base)存在下で実施される。塩基としては、一般的に汎用されるもの、例えば、アミン、ピリジン類(トリアルキルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセンDBU等)、金属アミド類(リチウムジイソプロピルアミド等)、金属アルコキシド類(ナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド等)、金属水素化物類(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)が制限なく利用できる。
また、望ましい他の合成方法としては、下記反応式(2)による方法が挙げられる。すなわち、前記反応式(1)における酸性核化合物として、Yが硫黄原子である酸性核化合物を出発物質として用い、ヘテロ環上にアルデヒド基又はカルボニル基を有する塩基性核原料の縮合反応により色素前駆体を合成する工程までは前記反応式(1)と同様に行った後、該色素前駆体に、さらに硫黄原子と化学的に相互作用し金属硫化物を形成可能である金属塩及び水或いは1級アミン化合物(R−NH2:ここでRは一価の非金属原子団を表す)を作用させる反応である。
これらのうち、反応式(2)で表される反応は各反応の収率が高く、合成効率上特に好ましく、なかでも、前記一般式(13)で表される化合物を合成する場合にこの反応式(2)で表される反応が有用である。
なお、前記反応式(2)中、Mn+Xnはチオカルボニル基の硫黄原子と化学的に相互作用し金属硫化物を形成可能である金属塩を表す。具体的な化合物としては、例えば、MがAl、Au、Ag、Hg、Cu、Zn、Fe、Cd、Cr、Co、Ce、Bi、Mn、Mo、Ga、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Sc、Sb、Sr、Mg、Ti等であり、Xが、F、Cl、Br、I、NO3、SO4、NO2、PO4、CH3CO2等であるAgBr、AgI、AgF、AgO、AgCl、Ag2O、Ag(NO3)、AgSO4、AgNO2、Ag2CrO4、Ag3PO4、Hg2(NO3)2、HgBr2、Hg2Br2、HgO、HgI2、Hg(NO3)2、Hg(NO2)2、HgBr2、HgSO4、Hg2I2、Hg2SO4、Hg(CH3CO2)2、AuBr、AuBr3、AuI、AuI3、AuF3、Au2O3、AuCl、AuC13、CuCl、CuI、CuI2、CuF2、CuO、CuO2、Cu(NO3)2、CuSO4、Cu3(PO4)2の如き化合物が挙げられる。このうち、硫黄原子と相互作用しやすいという点で、最も好ましい金属塩としては銀塩が使用できる。
本発明に用いられる一般式(12)で表される増感色素に関しては、さらに、光重合層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、増感色素と開始剤化合物におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
さらに、アルカリ系、或いは、水系の現像液への処理適性を高めるために、増感色素へ親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)を導入することが有効である。特にエステル型の親水性基は、光重合層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。
その他、例えば、光重合層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
本発明に用いる増感色素としては、前記一般式(12)で表される増感色素を少なくとも一種用いることが好ましく、この一般式(12)で示される限りにおいて、例えば、先に述べた修飾を施したものなど、どのような構造の色素を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、光重合層への相溶性を高めることができる。
増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用することにより、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ光重合層の膜物性の点からも有利である。
なお、本発明においては、前記一般式(12)で表される増感色素のみならず、本発明の効果を損なわない限りにおいて他の汎用の増感色素を用いることもできる。
光重合層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化させる目的に対しては、このような低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。また、吸光度が3以上のような高い領域では、感光層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、例えば印刷版として使用した場合には膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。
例えば、比較的薄い膜厚で使用する平版印刷版原版の光重合層に使用する場合には、増感色素の添加量は、光重合層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。吸光度は前記増感色素の添加量と光重合層の厚みとにより決定されるため、所定の吸光度は両者の条件を制御することにより得られる。光重合層の吸光度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの光重合層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
平版印刷版原版の光重合層への増感色素の添加量は、通常、光重合層を構成する全固形成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
〔赤外線吸収剤〕
本発明で使用する平版印刷版原版を、例えば760〜1200nmの赤外線を発するレーザー光源により画像形成する場合には、赤外線吸収剤を光重合層中に含有させることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、後述する重合開始剤(ラジカル発生剤)が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤としては、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料が挙げられる。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)及び(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
一般式(i)中、X
1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh
2、X
2−L
1又は以下に示す基を表す。
X2は酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
一般式(i)におけるR1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za -は、対アニオンを示す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa -は必要ない。好ましいZa -は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の光重合層塗布液中での良好な安定性と光重合層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インキ製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作製した際に、光重合層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、光重合層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
光重合層の吸光度は、光重合層に添加する赤外線吸収剤の量と光重合層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの光重合層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
〔重合開始剤〕
光重合層には重合開始剤を用いることができる。用いられる重合開始剤は、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物であり、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の重合開始剤、又は2種以上の重合開始剤の併用系(重合開始系)を適宜選択して使用することができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc
Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt”Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−イソプロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ化合物としては例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号の各公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、及び、Kunz,Martin”Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号、特開2003−328465号公報等に記載の化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653-1660)、J.C.S.Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202-232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、具体的には下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に反応性、安定性の面から上記オキシムエステル化合物、あるいはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−IVで表されるオニウム塩である。
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11-は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、焼き出し画像の視認性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21、Ar22は各々独立に置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21-は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32、R33は各々独立に置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31-は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、焼き出し画像視認性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましく、より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましくは特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
式(RI−IV)中、 R41は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。R42、R43、R44、R45、R46は各々独立に置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。R41とR43、R42とR43、R43とR44、R44とR45、R45とR46はそれぞれ互いに連結し環を形成していてもよい。Z31-は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、焼き出し画像視認性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
以下に、本発明において重合開始剤として好適に用いられるオニウム塩の例を挙げるが、本発明はこれら制限されるものではない。
これらの重合開始剤の中でも焼き出し画像視認性向上の観点からは、オニウム塩であって、対イオンとして無機アニオン、例えば、PF6 -、BF4 -など、を有するものが好ましい。さらに、耐刷性に優れていることから、オニウムとしては、ジアリールヨードニウム及びアンモニウムが好ましい。
これらの重合開始剤は、光重合層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
〔重合性モノマー〕
本発明の光重合層には、効率的な硬化反応を行うため重合性モノマーを含有させることが好ましい。本発明に用いることができる重合性モノマーは、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートとヒドロキシル基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(ii)で示されるヒドロキシル基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (ii)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号、各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性モノマーについて、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、光重合層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性モノマーは、光重合層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、重合性モノマーの使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
重合性モノマーは、光重合層中において、バインダーポリマーと該重合性モノマーとの質量比(バインダーポリマー/重合性モノマー)が、4/1〜1/3となる量で用いるのが好ましく、3/1〜1/3となる量がより好ましく、3/2〜1/3となる量が最も好ましい。ここでバインダーポリマーは、上述の特定高分子高分子単独であるか、あるいは該特定高分子高分子に加えて他のバインダーポリマーを用いるときには、該特定高分子高分子と他のバインダーポリマーとの合計となる。
〔マイクロカプセル・ミクロゲル〕
本発明においては、上記の光重合層構成成分及び後述のその他の成分を光重合層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型光重合層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させて光重合層に含有させるマイクロカプセル型光重合層である。さらに、マイクロカプセル型光重合層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型光重合層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。さらに他の態様として、光重合層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中及び/又は表面に該構成成分の一部を含有することが出来る。特に重合性モノマーをその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
光重合層がガム現像可能な光重合層であるためには、マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することが好ましい。
光重合層構成成分をマイクロカプセル化、もしくはミクロゲル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号明細書、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、同第4087376号明細書、同第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、同51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、同第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、バインダーポリマー導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
一方、ミクロゲルを調製する方法としては、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報に記載されている界面重合による造粒、特開平5−61214号公報に記載されているような非水系分散重合による造粒を利用することが可能である。但し、これらの方法に限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明に用いられる好ましいミクロゲルは、界面重合により造粒され3次元架橋を有するものである。このような観点から、使用する素材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。
上記のマイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
〔界面活性剤〕
本発明において、光重合層には、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号及び同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、光重合層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
〔着色剤〕
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
〔焼き出し剤〕
本発明の光重合層には、焼き出し画像生成のため、酸又はラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p’,p”−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸又はラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、光重合層固形分に対して0.01〜10質量%の割合である。
〔重合禁止剤〕
本発明の光重合層には、光重合層の製造中又は保存中において(C)ラジカル重合性モノマーの不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、光重合層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
〔高級脂肪酸誘導体等〕
光重合層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で光重合層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、光重合層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
〔可塑剤〕
光重合層は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、光重合層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
〔無機微粒子〕
光重合層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、光重合層中に安定に分散して、光重合層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、光重合層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
〔低分子親水性化合物〕
本発明の光重合層は、ガム現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、イソシアヌル酸誘導体類等が挙げられる。このなかでも、イソシアヌル酸誘導体類が耐刷性の劣化なくガム現像性を向上させることができ、好ましく用いられる。
〔光重合層の形成〕
本発明の光重合層は、上記感光性組成物の必要な成分を溶剤に分散、又は溶かして塗布液を調製し、支持体上に塗布、乾燥して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の光重合層は、同一又は異なる上記各成分を同一又は異なる溶剤に分散又は溶解した塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の光重合層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。この範囲で、良好な感度と光重合層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.15〜0.3mmであるのがさらに好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び光重合層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸、燐酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
陽極酸化処理を施した後、必要に応じて、アルミニウム板の表面に親水化処理を施す。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、又は電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、光重合層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。なかでも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
<下塗り層>
本発明において、平版印刷版原版は、必要に応じて、光重合層と支持体との間に下塗り層を設けることができる。下塗り層は、未露光部において、光重合層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する利点がある。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
本発明において、特にUVインキを使用した場合においては、細線再現性を向上させる目的で、親水性支持体表面への吸着性基および付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物を下塗り層に含ませることが好ましい。
下塗り層用化合物(下塗り化合物)としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗り化合物としては、吸着性基を有するモノマー、親水性基を有するモノマー、及び架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
下塗り用高分子樹脂の必須成分は、親水性支持体表面への吸着性基である。親水性支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m2以上残存する化合物である。
親水性支持体表面への吸着性基は、親水性支持体表面に存在する物質(例えば、金属、金属酸化物)あるいは官能基(例えば、ヒドロキシル基)と、化学結合(例えば、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を引き起こすことができる官能基である。吸着性基は、酸基又はカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性ヒドロキシル基、カルボキシル基、−SO3H、−OSO3H、−PO3H2、−OPO3H2、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−及びCOCH2COCH3を含む。なかでもOPO3H2及びPO3H2が特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基を含む。アンモニウム基、ホスホニウム基及びスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基及びホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
吸着性基を有するモノマーの特に好ましい例としては、下記式(iii)又は(iv)で表される化合物が挙げられる。
上式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数
が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子又はメチル基であること
が最も好ましい。R2及びR3は、水素原子であることが特に好ましい。Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基である。
式(iii)において、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることがさらに好ましい。式(iii)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)又は2価の複素環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(―S―)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がさらに好ましく、1乃至10が最も好ましい。脂肪族基は、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基を含む。
芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む二価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造は、ポリオキシエチレン構造であることがさらに好ましい。言い換えると、Lは、−(OCH2CH2)n−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
式(iv)において、Yは炭素原子又は窒素原子である。Y=窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではなく、Zが水素原子でもよい。Lは式(iii)の場合と同じ2価の連結基又は単結合を表す。
吸着性の官能基については、前述した通りである。
以下に、式(iii)又は(iv)で表される代表的な化合物の例を示す。
本発明に用いることができる下塗り用高分子樹脂の親水性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ酸基、リン酸基等が好適に挙げられる。なかでも高親水性を示すスルホ基を有するモノマーが好ましい。スルホ基を有するモノマーの具体例としては、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミドt-ブチルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(3−アクリロイルオキシプロピル)ブチルスルホン酸のナトリウム塩、アミン塩が挙げられる。なかでも親水性能及び合成の取り扱いから2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
本発明の下塗り層用の高分子樹脂は、架橋性基を有すことが好ましい。架橋性基によって画像部との密着の向上が得られる。下塗り層用の高分子樹脂に架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の側鎖中に導入したり、高分子樹脂の極性置換基と対荷電を有する置換基とエチレン性不飽和結合を有する化合物で塩構造を形成させたりして導入することができる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−CR1=CR2R3、−(CH2)nCR1=CR2R3、−(CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2)nNH−CO−O−CH2CR1=CR2R3、−(CH2)n−O−CO−CR1=CR2R3、及び(CH2CH2O)2−X(式中、R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1とR2又はR3とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2CH2O−CH2CH=CH2、−CH2C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH−C6H5、−CH2CH2OCOCH=CH−C6H5、−CH2CH2NHCOO−CH2CH=CH2、及びCH2CH2O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH2CH=CH2、−CH2CH2O−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2CH2OCO−CH=CH2が挙げられる。
下塗り層用高分子樹脂の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドが好適である。
下塗り層用高分子樹脂中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、高分子樹脂1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と汚れ性の両立、及び良好な保存安定性が得られる。
下塗り層用の高分子樹脂は、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
下塗り層用の高分子樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
下塗り用高分子樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。下塗り層用塗布液は、上記下塗り用の高分子樹脂を有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど)及び/又は水に溶解して得られる。下塗り層用塗布液には、赤外線吸収剤を含有させることもできる。
下塗り層塗布液を支持体に塗布する方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
<保護層>
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、光重合層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて光重合層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる光重合層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が光重合層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、さらに、露光に用いられる光の透過性が良好で、光重合層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができる。具体的には例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。これらは、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
上記材料中で比較的有用な素材としては、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸等の水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が好適であり、なかでも、水を溶媒として塗布可能であり、かつ、印刷時における湿し水により容易に除去されるという観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールが好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA)は、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。
保護層に用い得るポリビニルアルコールは、必要な水溶性を有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するかぎり、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を含有していてもよい。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等も好ましく用いられる。
これら変性ポリビニルアルコールは71〜100mol%加水分解された重合度300〜2400の範囲の化合物が好適に挙げられる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。また変性ポリビニルアルコールとしては、アニオン変性部位を有すKL−318、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、カチオン変性部位を有すC−318、C−118、CM−318、末端チオール変性部位を有すM−205、M−115、末端スルフィド変性部位を有すMP−103、MP−203、MP−102、MP−202、高級脂肪酸とのエステル変性部位を末端に有すHL−12E、HL−1203、その他反応性シラン変性部位を有すR−1130、R−2105、R−2130等が挙げられる。
また保護層には層状化合物を含有することが好ましい。層状化合物とは薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式:
A(B,C)2−5D4O10(OH,F,O)2
〔ただし、AはLi,K,Na,Ca,Mg,有機カチオンの何れか、B及びCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSi又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg3(AlSi3O10)F2、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si4O10)F2等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si4O10)F2、Na又はLiテニオライト(Na,Li)Mg2Li(Si4O10)F2、モンモリロナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg2/5Li1/8(Si4O10)F2等の膨潤性雲母等が挙げられる。また合成スメクタイトも有用である。
上記の層状化合物の中でも、合成の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。すなわち、雲母、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物類等は、10〜15Åの厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi+、Na+、Ca2+、Mg2+、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等の有機カチオンの陽イオンを吸着している。これらの層状化合物は水により膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイト及び膨潤性合成雲母はこの傾向が強い。
層状化合物の形状としては、拡散制御の観点からは、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μmである。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。より好ましくは2/1〜1/5である。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の質量比であることが好ましい。
保護層に上記無機質の層状化合物を用いる場合は、着肉性向上のため、光重合層及び/又は保護層にホスホニウム化合物を添加することが好ましい。該ホスホニウム化合物としては、下記一般式(v)又は(vi)で表されるホスホニウム化合物が好ましい。なかでも、一般式(v)で表されるホスホニウム化合物が好ましい。
式(v)中、Ar1〜Ar6は、各々独立してアリール基又は複素環基を表し、Lは2価の連結基を表し、Xはn価のカウンターアニオンを表し、nは1〜3の整数を表し、mはn x m=2を満たす数を表す。ここでアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基などが好適なものとして挙げられる。複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、ピリミジニル基、チエニル基、フリル基などが挙げられる。
Lは2価の連結基を表す。連結基中の炭素数は6〜15が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜12の連結基である。
X-はカウンターアニオンを表し、好ましいものとしては、Cl-、Br-、I-などのハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、硫酸エステルアニオン、PF6 -、BF4 -、過塩素酸アニオンなどが挙げられる。なかでも、Cl-、Br-、I-などのハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオンが特に好ましい。
本発明に用いられる上記一般式(v)で表されるホスホニウム塩の具体例を以下に示す。
上記一般式(vi)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、複素環基又は水素原子を表す。R1〜R4の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。X-はカウンターアニオンを示す。
ここで、R1〜R4がアルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基であるときの炭素数は通常1〜20、アルケニル基又はアルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、シクロアルキル基であるときの炭素数は通常3〜8であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、アリールチオ基としてはフェニルチオ基等が、複素環基としてはフリル基、チエニル基等が、それぞれ挙げられる。また、これらの有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、スルフィノ基、スルホ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子等が挙げられる。なお、これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。
X-の表すアニオンとしては、Cl-、Br-、I-などのハロゲン化物イオン、ClO4 -、PF6 -、SO4 -2などの無機酸アニオン、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンが挙げられる。有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンの有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等が挙げられる。これらの中で、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -等が好ましい。本発明において好適なホスホニウム化合物の具体例を以下に示す。
光重合層又は保護層へのホスホニウム塩の添加量としては、各層の固形分中0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%がもっとも好ましい。これらの範囲内で良好なインキ着肉性が得られる。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を(共)重合体に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を添加することができる。これら活性剤の添加量は(共)重合体に対して0.1〜100質量%添加することができる。
また、画像部との密着性を良化させるため、例えば、特開昭49−70702号公報及び英国特許出願公開第1303578号明細書には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、光重合層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。
さらに、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
次に、保護層に用いる層状化合物の一般的な分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に層状化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性の層状化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物の5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
この保護層塗布液には、塗布性を向上させためのアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤や皮膜の物性改良のため水溶性可塑剤などの公知の添加剤を加えることができる。水溶性の可塑剤としては、例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。さらに、この塗布液には、光重合層との密着性、塗布液の経時安定性を向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
このように調製された保護層塗布液を、支持体上に備えられた光重合層の上に塗布し、乾燥することで保護層を形成する。塗布溶剤はバインダーとの関連において適宜選択することができるが、水溶性ポリマーを用いる場合には、蒸留水、精製水を用いることが好ましい。保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号明細書又は特公昭55−49729号公報に記載されている方法など公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、保護層は、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等が挙げられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/m2の範囲であることが好ましく、0.02〜3g/m2の範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/m2の範囲である。
[平版印刷版製版方法]
平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。平版印刷版原版を露光する光源としては、公知のものを用いることができる。具体的には各種レーザーを光源として用いることが好適である。本発明の平版印刷方法においては、平版印刷版原版を例えば赤外線レーザーで画像様に露光することができる。用いられる赤外線レーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適なものとして挙げられる。
露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。1画素あたりの露光時間は、20μs以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。
望ましい光源の波長として350nmから450nmもあり、具体的にはInGaN系半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
また、本発明に使用可能な他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
350nm〜450nmの入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また走査露光方式の平版印刷版露光装置としては、露光機構として内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式があり、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用することができる。現実的には感材感度と製版時間の関係で、以下の露光装置が特に好ましい。
・内面ドラム方式で総出力20mW以上の半導体レーザーとなる様に、ガスレーザあるいは固体レーザー光源を1個以上使用するシングルビーム〜トリプルビームの露光装置
・フラットベッド方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜10本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザー、ガスレーザあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(1〜9本)の露光装置
・外面ドラム方式で総出力20mW以上となる様に、半導体レーザーあるいは固体レーザーを1個以上使用したマルチビーム(10本以上)の露光装置
以上のようなレーザー直描型の平版印刷版においては、一般に感材感度X(J/cm2)、感材の露光面積S(cm2)、レーザー光源1個のパワーq(W)、レーザー本数n、全露光時間t(s)との間に式(eq1)が成立する。
X・S=n・q・t (eq 1)
i)内面ドラム(シングルビーム)方式の場合
レーザー回転数f(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)の間には一般的に式(eq 2)が成立する。
f・Z・t=Lx (eq 2)
ii)外面ドラム(マルチビーム)方式の場合
ドラム回転数F(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 3)が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 3)
iii)フラットヘッド(マルチビーム)方式の場合
ポリゴンミラーの回転数H(ラジアン/s)、感材の副走査長Lx(cm)、解像度Z(ドット/cm)、全露光時間t(s)、ビーム数(n)の間には一般的に式(eq 4) が成立する。
F・Z・n・t=Lx (eq 4)
実際の印刷版に要求される解像度(2560dpi)、版サイズ(A1/B1、副走査長42inch)、20枚/1時間程度の露光条件と本発明の平版印刷版原版の感光特性(感光波長、感度:約0.1mJ/cm2)を上記式に代入することで、本発明の平版印
刷版原版においては総出力20mW以上のレーザーを用いたマルチビーム露光方式との組み合わせが特に好ましいことが理解できる。さらに操作性、コスト等を掛け合わせることにより外面ドラム方式の半導体レーザーマルチビーム(10本以上)露光装置との組み合わせが最も好ましいことになる。
平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光した後、水溶性樹脂を有する水溶液を用いて光重合層の非画像部の除去を行う。その後印刷に用いられる。親水性樹脂を含有させることにより、非画像部が除去され露出した親水性支持体を保護したり、画像部を保護したりすることが可能である。
水溶性樹脂を有する水溶液には不感脂化作用の強く、カス分散性に優れるアラビアガムの水溶液を用いることが好ましい。水溶液中におけるアラビアガムの含有量としては、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。アラビアガム以外にも種々の水溶性樹脂を不感脂化剤として用いることができる。例えば、デキストリン、ステラビック、ストラクタン、アルギン酸塩類、ポリアクリル酸塩類、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース塩、大豆のオカラから抽出した水溶性多糖類が好ましく、また、プルランまたはプルラン誘導体、ポリビニルアルコールも好ましい。
さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャーディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉および無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が好ましい。
また天然高分子化合物としては、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉およびコーンスターチ等の澱粉類、カラジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天およびアルギン酸ナトリウム等の藻類から得られるもの、トロロアオイ、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガカントガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビンガム、キャロブガム、ベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、レバン等のホモ多糖ならびにサクシノグルカンおよびサンタンガム等のヘトロ多糖等の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼインおよびコラーゲン等の蛋白質が好ましい。
これらの水溶性樹脂は2種以上組み合わせても使用でき、該水溶液中に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%の範囲で含有させることができる。
本発明に使用される水溶性樹脂を有する水溶液には、上記の水溶性樹脂の他にpH調整剤、pH緩衝剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、親油性物質、湿潤剤、キレート剤、消泡剤などを含有させておくことができる。
水溶性樹脂を有する水溶液はpH3〜12の範囲で使用することが有利であり、そのため一般にpH調整剤が添加されている。pHを3〜12にするためには一般的に該水溶液中に鉱酸、有機酸または無機塩等を添加し調節する。その添加量は一般に0.01〜2質量%の範囲である。例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等が挙げられる。有機酸としては酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、またグリシン、α−アラニン、β−アラニンなどのアミノ酸等が挙げられる。無機塩としては硝酸マグネシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸または無機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用してもよい。
pH調整するのに必要に応じて、さらにアルカリを使用してもよく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなど、及びこれらの組み合わせなどを用いることができる。
本発明で使用する水溶性樹脂を有する水溶液(以下、ガム現像液ともいう)は、特にpH8.5〜10.8の範囲で使用することが好ましい。
ここで、ガム現像液にはpH緩衝剤を含ませることが望ましい。このpH緩衝剤は、アルカリ性の緩衝剤であり、例えば(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及びそれらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン-炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は(c)水溶性のアミン化合物-そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせが使用される。
(a)炭酸イオン、炭酸水素イオンをガム現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)ホウ酸イオンをガム現像液中に存在させるには、ホウ酸あるいはホウ酸塩をガム現像液に加えた後、アルカリを用いて、あるいはアルカリと酸とを用いて、pHを調整することで、適量のホウ酸イオンを発生させる。
ここで用いるホウ酸あるいはホウ酸塩は、特に限定されないが、ホウ酸としてオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、中でもオルトホウ酸及び四ホウ酸が好ましい。また、ホウ酸塩としてアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩などが挙げられ、中でもオルトホウ酸塩、四ホウ酸塩、特にアルカリ金属の四ホウ酸塩が好ましい。好ましい四ホウ酸塩として、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム及び四ホウ酸リチウムなどが挙げられ、中でも四ホウ酸ナトリウムが好ましい。ホウ酸塩を2種以上併用してもよい。
本発明で使用するホウ酸あるいはホウ酸塩として、特に好ましいのは、オルトホウ酸、四ホウ酸あるいは四ホウ酸ナトリウムである。現像液にホウ酸及びホウ酸塩を併用してもよい。
(c)水溶性のアミン化合物のイオンは、水溶性アミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性アミン化合物の水溶液にさらにアルカリ又は酸を加えてもよく、また、もともとアミン化合物の塩になっている化合物を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有している水溶性アミン化合物が好ましい。該水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、これらの基を複数合わせ持っていても良い。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合は、アミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。本発明におけるアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、Cの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
[アミノ酸の平衡状態(酸基がカルボン酸の場合)]
状態A 状態B 状態C
(たとえば、R
1、R
2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基などを表し、Rは連結基を表わす)
カルボン酸基やスルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、グリシン、イミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、タウリン等の脂肪酸アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪酸アミンスルフィン酸などがある。これらの中で、グリシン及びイミノ二酢酸が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フエニルメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸などがある。特に2−アミノエチルホスホン酸が好ましい。
水溶性を促進する基として水酸基を持つ水溶性のアミン化合物は、アルキル基に水酸基を有するアルキルアミンを意味し(下記状態B)、これらのイオンとは、アミノ基のアンモニウムイオンを意味する(下記状態A)。
状態A 状態B
(たとえば、R
1、R
2、R
3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基などを表わし、その少なくとも1つは水酸基を有するアルキル基である。)
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがある。これらの中で、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしてはクロルイオンが好ましい。
上述のpHの調整に用いることができるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、有機アルカリ剤、及びそれらの組み合わせなどを用いることができる。また、酸として、無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。このようなアルカリ又は酸を添加することにより、pHを微調整することができる。
本発明で使用するガム現像液をpH8.5〜10.8の範囲で使用することで、pHが8.5以上であると非画像部の現像性を良好することができ、一方pHが10.8以下であれば、空気中の炭酸ガスの影響を受けにくく、炭酸ガスの影響による処理能力の低下を抑制できる。よってガム現像液のpHがこの範囲にあると、非画像部の現像性が低下しにくく、また、空気中の炭酸ガスの影響により処理能力が変動しないので好ましい。より好ましくはpH9.0〜10.5の範囲、特に好ましくはpH9.5〜10.3の範囲である。
pH緩衝剤として(a)炭酸イオンと炭酸水素イオンの組み合わせを採用するとき、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時、中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
pH緩衝剤として(b)ホウ酸イオンを採用するとき、ホウ酸イオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。ホウ酸塩の総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、一方5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらにガム現像液の廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
pH緩衝剤として(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを採用するとき、水溶性のアミン化合物とそのアミン化合物のイオンの総量は、水溶液の全質量に対して0.01〜1mol/Lが好ましく、pHがこの範囲にあると現像性、処理能力が低下せず、一方廃液処理が容易である。より好ましくは0.03〜0.7mol/Lの範囲であり、0.05〜0.5mol/Lの範囲が特に好ましい。
水溶性樹脂を有する水溶液に含有させる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらのなかでもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類およびα−オレフィンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、が特に好ましく用いられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン酸類等が用いられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量200〜5000、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはソルビトールのポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙げられる。又、弗素系、シリコン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
該界面活性剤は二種以上併用することができる。使用量は特に限定する必要はないが、好ましい範囲としては水溶性樹脂を有する水溶液の全質量に基づいて0.01〜20質量%が適当であり、好ましくは0.05〜10質量%である。
また、防腐剤としては繊維、木材加工、食品、医薬、化粧品、農薬分野等で使用されている公知の物が使用できる。例えば第4級アンモニウム塩、一価フェノール誘導体、二価フェノール誘導体、多価フェノール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾロピリミジン誘導体、一価ナフトール、カーボネート類、スルホン誘導体、有機スズ化合物、シクロペンタン誘導体、フェニル誘導体、フェノールエーテル誘導体、フェノールエステル誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体、ニトリル誘導体、ナフタリン類、ピロール誘導体、キノリン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、第2級アミン、1,3,5トリアジン誘導体、チアジアゾール誘導体、アニリド誘導体、ピロール誘導体、ハロゲン誘導体、二価アルコール誘導体、ジチオール類、シアン酸誘導体、チオカルバミド酸誘導体、ジアミン誘導体、イソチアゾール誘導体、一価アルコール、飽和アルデヒド、不飽和モノカルボン酸、飽和エーテル、不飽和エーテル、ラクトン類、アミノ酸誘導体、ヒダントイン、シアヌール酸誘導体、グアニジン誘導体、ピリジン誘導体、飽和モノカルボン酸、ベンゼンカルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ビフェニル、ヒドロキサム酸誘導体、芳香族アルコール、ハロゲノフェノール誘導体、ベンゼンカルボン酸誘導体、メルカプトカルボン酸誘導体、第4級アンモニウム塩誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒノキチオール、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、イソキノリン誘導体、アルシン誘導体、チオカルバミン酸誘導体、リン酸エステル、ハロゲノベンゼン誘導体、キノン誘導体、ベンゼンスルホン酸誘導体、モノアミン誘導体、有機リン酸エステル、ピペラジン誘導体、フェナジン誘導体、ピリミジン誘導体、チオファネート誘導体、イミダゾリン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アンモニウム塩誘導体等の公知の防腐剤が使用できる。特に好ましい防腐剤として、ピリジンチオール−1−オキシドの塩、サリチル酸およびその塩、1,3,5−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが挙げられる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、使用時の水溶性樹脂を有する水溶液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましく、また種々のカビ、細菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
水溶性樹脂を有する水溶液には親油性物質を含有させておくこともできる。好ましい親油性物質には、例えばオレイン酸、ラノリン酸、吉草酸、ノニル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などのような炭素数が5〜25の有機カルボン酸、ひまし油などが含まれる。これらの親油性物質は単独もしくは2以上を組み合わせて使用することができる。水溶性樹脂を有する水溶液中に含ませる親油性物質は、その総質量に対して0.005〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲である。
その他、水溶性樹脂を有する水溶液には必要により湿潤剤としてグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等を添加することができる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。これらの湿潤剤の好ましい使用量としては0.1〜5質量%である。
また、水溶性樹脂を有する水溶液にはキレート化合物を添加してもよい。通常、水溶性樹脂を有する水溶液は通常濃縮液として市販され、使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈して使用される。この希釈する水道水や井戸水に含まれているカルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚れ易くする原因となることもあるので、キレート化合物を添加して、上記欠点を解消することができる。好ましいキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。これらキレート剤は水溶性樹脂を有する水溶液の組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量としては使用時の水溶性樹脂を有する水溶液に対して0.001〜1.0質量%が適当である。
また、水溶性樹脂を有する水溶液には消泡剤を添加することもでき、特にシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化型等がいずれも使用できる。好ましくは使用時の水溶性樹脂を有する水溶液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が最適である。
上述の水溶性樹脂を有する水溶液の残余の成分は水である。水溶性樹脂を有する水溶液は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。水溶性樹脂を有する水溶液は乳化分散型として調製してもよく、その油相としては有機溶剤が用いられ、又、前述したような界面活性剤の助けを借りて、可溶化型(乳化型)にしてもよい。
有機溶剤としては、20℃で水に対する溶解性が5質量%以下で沸点160℃以上の有機溶剤であることが好ましい。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル剤、例えば、ジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、例えば、エポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、例えば、トリクレジルホスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、例えば、安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれる。
その他アルコール系としては、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。グリコール系としてはエチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテルエチレングリコールヘキシルエーテル、オクチレングリコール等が挙げられる。
上記化合物を選択するときの条件としては臭気が特に挙げられる。これら溶剤の使用量の好ましい範囲は水溶性樹脂を有する水溶液の0.1〜5質量%でより好ましい範囲は0.5〜3質量%である。これらの溶剤は1種もしくは2種以上併用することもできる。
本発明に用いられる水溶性樹脂を有する水溶液は、水相を温度40℃±5℃に調製し、高速攪拌し、水相の中に調製した油相をゆっくり滴下し充分攪拌後、圧力式のホモジナイザーを通して乳化分散することによって作製される。
本発明は、現像槽中で上記の水溶性樹脂を有する水溶液を用いた光重合層の非画像部の除去および不感脂化処理を同時に行うものであるが、この工程に続いて、水洗工程や、さらに引き続いて水溶性樹脂を有する水溶液による非画像部の不感脂化工程、を適宜行うことが出来る。
本発明における水溶性樹脂を有する水溶液による現像処理は、該水溶液などの供給手段および擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像記録後の平版印刷版原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開2006−235227号公報等に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
本発明に好ましく使用できる回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版原版支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。上記回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチックまたは金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号公報や、特開平3−100554号公報記載のものや、実公昭62−167253号公報に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属またはプラスチックの溝型材を芯となるプラスチックまたは金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。また、ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、および、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は、20〜400μm、毛の長さは、5〜30mmのものが好適に使用できる。
さらに、回転ブラシロールの外径は、30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は、0.1〜5m/secが好ましい。
本発明に用いる回転ブラシロールの回転方向は、本発明の平版印刷版原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、図1に例示した自動処理機のように、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが、同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが、逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の画像記録層の除去が、さらに確実となる。さらに、回転ブラシロールを、ブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
本発明において、現像槽にて非画像部の除去と不感脂化処理を行った後に、水洗処理またはさらなる不感脂化処理を行ってもよい。
本発明において水溶性樹脂を有する水溶液による現像に用いられる該水溶液や、後工程の水洗水の温度は、それぞれ別々に任意の温度で使用できるが、好ましくは10℃〜50℃である。
なお、本発明における水溶性樹脂を有する水溶液による現像方法において、現像後の任意の場所に乾燥工程を設けることも可能である。乾燥工程は、一般にローラーニップで処理液のほとんどを除去した後に、任意の温度の乾燥風を吹き付けることにより行われる。
上述のように水溶性樹脂を有する水溶液により現像処理された版は、オフセット印刷機上に取り付けられ、油性インキと水性成分とを版上へ供給して、印刷に供することができる。該水性成分として一般的に湿し水を用いることができ、従来公知の湿し水を使用することができる。また、印刷インキとして、例えばUVインキなどの油性インキを供給して、良好な印刷を多数枚行うことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜9及び比較例1、2〕
平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
さらに、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。さらにこの基板を、70℃に保った三号珪酸ソーダ2.5質量%水溶液中に7秒浸漬し、水洗乾燥した。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。さらに、下記下塗り液(1)を乾燥塗布量18mg/m2になるよう塗布して支持体とした。
−下塗り液(1)−
・下塗り化合物(1)(質量平均分子量:60,000) 0.051g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
(2)光重合層及び保護層の形成
上記下塗り層形成済みの支持体上に、下記表1の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルエチルケトン/メチルアルコール/水=55/20/15/10(質量比))12.00gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.2g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で40秒間オーブン乾燥し光重合層を形成した。
引き続き、下記組成の保護層塗布液を前記光重合層上にバー塗布し、125℃、75秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量0.18g/m2の保護層を形成することで実施例1〜9の平版印刷版原版及び比較例1及び2の平版印刷版原版を得た。
なお、光重合層塗布液は、表1記載の感光液と下記ミクロゲル分散液(1)を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。使用した例示化合物の符号は、前述した本発明で使用する特定高分子化合物の具体例に付けた符号に該当する。
なお、比較例1においては、本発明の特定高分子化合物に代えて、ポリメチルメタクリレート(Mw5万)を、比較例2においては、本発明の特定高分子バインダーに代えて、下記構造の比較特定高分子(R−1)(Mw7万)を用いた。
−ミクロゲル分散液(1)の合成−
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)8.4g、タケネートD−110NとユニオックスM−4000(日本油脂製)の重量比1:1の付加体(50質量%酢酸エチル溶液)3.15g、重合性モノマーとしてSR399E(サートマー社製)6.30g、パイオニンA−41−C(竹本油脂(株)製)0.19gを酢酸エチル16.39gに溶解した。この油相成分と蒸留水39.4gを混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水24gに添加し、40℃で4時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル分散液の固形分濃度を、21質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲル分散液(1)を得た。平均粒径は0.23μmであった。
保護層塗布液
・下記無機層状化合物分散液(1) 1.50g
・ポリビニルアルコール 0.01g
(PVA405、クラレ製、ケン化度81.5mol%)
・ポリビニルアルコール 0.03g
(CKS-50、日本合成化学工業製、ケン化度99mol%、アニオン変性)
・界面活性剤 0.01g
(エマレックス710、日本エマルジョン社製)
・シリカフィラー 0.05g
(MP−1040、日産化学工業社製)
・水 3.51g
−無機層状化合物分散液(1)の調製−
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた層状化合物分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
〔実施例10〜18および比較例3〕
平版印刷版原版の作製
実施例1〜9で用いられたのと同様のアルミニウム基板それぞれに、下記表2の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(n−プロパノール/水/2−ブタノン=76/20/4(質量比))500gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.5g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で90秒間乾燥した。
※1:DESMODUR N100(ヘキサメチレンジイソシアネートを含む脂肪族ポリイソシアネート樹脂:バイエル社製)をヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートと反応して得られた重合性化合物。2−ブタノン中の80質量%溶液
※2:ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート/スチレン/アクリロ二トリル=10/20/70共重合体の21質量%のn−プロパノール/水=80/20混合溶媒分散液
※3:トリメチロールプロパンテトラアクリレート(サートマー社製)
※4:2質量%水溶液
※5:プロピレンカーボネート中のヨードニウム(4−メトキシフェニル[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロリン酸)の75質量%溶液(チバスペシャルティケミカルズ社製)
※6:PCAS社(仏)から入手可能なメルカプト−3−トリアゾール−1H,2,4
※7:キシレン/メトキシプロピル酢酸溶液中の変性ジメチルポリシロキサンコポリマーの25質量%溶液(BYKケミー社製)
〔実施例1〜18および比較例1〜3〕
平版印刷版原版の露光、現像、印刷及び評価
上述のように実施例1〜18及び比較例1〜3で作製した各種平版印刷版原版をそれぞれ用いて、赤外線レーザーにて露光後、(1)に示す方法で現像し、(2)〜(4)の印刷評価を行った。
(1)水溶性樹脂を有する水溶液による現像方法
赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力6.4Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で、平版印刷版原版に画像露光した。露光画像にはベタ画像および細線画像を含むようにした。
得られた露光済み原版を、図1に示す自動現像装置を使用し、図中14の現像部にて非画像部の除去を行った後に、図中16の水洗部における水洗処理および図中18の不感脂化処理部における不感脂化処理は行わず、図中20において乾燥処理を行った。現像部処理液の組成として、下記処理液(1)を使用した。
処理液(1)
・水 100.00g
・ベンジルアルコール 1.00g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル
(オキシエチレン平均数n=13) 1.00g
・ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.50g
・アラビアガム 1.00g
・エチレングリコール 0.50g
・第1リン酸アンモニウム 0.05g
・クエン酸 0.05g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
(2)現像カス
現像カスを、プレートの1m2の非画像部に付着した長径0.05mm以上の付着物の個数を目視により観察した。評価の指標は以下のとおりである。
○:0個
△:20個未満
×:20個以上
(3)細線再現性
印刷インキとして(i)通常インキ(TRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製))、又は(ii)UVインキ(ベストキュアーUV−BF−WRO標準墨インキ(T&K TOKA社製))を用いて、以下のように印刷を開始した。
現像済み版を三菱重工業社製ダイヤIF−2印刷機のシリンダーに取り付け、湿し水〔IF102(富士フイルム(株)製エッチ液)/水=3/97(容量比)〕と上記印刷インキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100及び200μmの細線画像部と非画像部が同じ幅で交互に存在するチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなく再現された細線幅により、細線再現性を評価した。評価結果を表3に示す。
(4)耐刷性
(i)通常インキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表3に示す。
(ii)UVインキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例19〜36および比較例4〜6〕−水溶性樹脂を有する水溶液(弱アルカリ性)による現像−
平版印刷版原版の露光、現像、印刷及び評価
上述のように実施例1〜18及び比較例1〜3で作製した各種平版印刷版原版をそれぞれ用いて、赤外線レーザーにて露光後、(1)に示す方法で現像し、(2)〜(4)の印刷評価を行った。
(1)水溶性樹脂を有する水溶液による現像方法
赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力6.4Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で、平版印刷版原版に画像露光した。露光画像にはベタ画像および細線画像を含むようにした。
得られた露光済み原版を、図2に示す自動現像装置を使用した。処理液として、上記処理液(1)に水酸化ナトリウムを加えることでPH9.0にした液を作成し、使用した。
(2)現像カス
現像カスを、プレートの1m2の非画像部に付着した長径0.05mm以上の付着物の個数を目視により観察した。評価の指標は以下のとおりである。
○:0個
△:20個未満
×:20個以上
(3)細線再現性
印刷インキとして(i)通常インキ(TRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製))、又は(ii)UVインキ(ベストキュアーUV−BF−WRO標準墨インキ(T&K TOKA社製))を用いて、以下のように印刷を開始した。
現像済み版を三菱重工業社製ダイヤIF−2印刷機のシリンダーに取り付け、湿し水〔IF102(富士フイルム(株)製エッチ液)/水=3/97(容量比)〕と上記印刷インキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100及び200μmの細線画像部と非画像部が同じ幅で交互に存在するチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなく再現された細線幅により、細線再現性を評価した。評価結果を表4に示す。
(4)耐刷性
(i)通常インキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表4に示す。
(ii)UVインキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表4に示す。
表3及び4の結果より、本発明の製版方法によれば、水溶性樹脂を有する水溶液を現像処理に採用した平版印刷方法において現像性が良好で、得られた版において通常インキ耐刷性のみならずUVインキ耐刷性も優れていることが確認された。
〔実施例37〜41及び比較例7及び8〕
平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作成
上記実施例1〜9で用いられたのと同様の下塗り層形成済みのアルミニウム支持体に、下記表5の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテル/メチルエチルケトン/メチルアルコール/水=55/20/15/10(質量比))12.00gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.2g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で40秒間オーブン乾燥し光重合層を形成した。
引き続き、下記組成の保護層塗布液を前記光重合層上にバー塗布し、125℃、75秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量0.18g/m2の保護層を形成することで実施例37〜41の平版印刷版原版及び比較例7及び8の平版印刷版原版を得た。
なお、光重合層塗布液は、表5記載の感光液と上記ミクロゲル分散液(1)を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。使用した例示化合物の符号は、前述した本発明で使用する特定高分子化合物の具体例に付けた符号に該当する。
なお、比較例においては、本発明の特定高分子化合物に代えて、ポリメチルメタクリレート(Mw5万)又は比較特定高分子(R−1)(Mw7万)を用いた。
保護層塗布液
・下記無機層状化合物分散液(1) 1.50g
・ポリビニルアルコール 0.01g
(PVA405、クラレ製、ケン化度81.5mol%)
・ポリビニルアルコール 0.03g
(CKS-50、日本合成化学工業製、ケン化度99mol%、アニオン変性)
・界面活性剤 0.01g
(エマレックス710、日本エマルジョン社製)
・シリカフィラー 0.05g
(MP−1040、日産化学工業社製)
・水 3.51g
−無機層状化合物分散液(1)の調製−
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた層状化合物分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
〔実施例42〜46及び比較例9及び10〕
平版印刷版原版の作成
実施例37〜41で用いられたのと同様のアルミニウム支持体それぞれに、下記表6の組成(単位:グラム)の成分を溶媒(n−プロパノール/水/2−ブタノン=76/20/4(質量比))500gに溶かした溶液(光重合層塗布液)を、乾燥塗布量が1.5g/m2になるようワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で90秒間乾燥した。
※1:DESMODUR N100(ヘキサメチレンジイソシアネートを含む脂肪族ポリイソシアネート樹脂:バイエル社製)をヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートと反応して得られた重合性化合物。2−ブタノン中の80質量%溶液
※2:ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート/スチレン/アクリロ二トリル=10/20/70共重合体の21質量%のn−プロパノール/水=80/20混合溶媒分散液
※3:トリメチロールプロパンテトラアクリレート(サートマー社製)
※4:2質量%水溶液
※5:プロピレンカーボネート中のヨードニウム(4−メトキシフェニル[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロリン酸)の75質量%溶液(チバスペシャルティケミカルズ社製)
※6:PCAS社(仏)から入手可能なメルカプト−3−トリアゾール−1H,2,4
※7:キシレン/メトキシプロピル酢酸溶液中の変性ジメチルポリシロキサンコポリマーの25質量%溶液(BYKケミー社製)
〔実施例37〜46及び比較例7〜10〕
平版印刷版原版の露光、現像、印刷及び評価
上述のように実施例37〜46及び比較例7〜10で作製した各種平版印刷版原版をそれぞれ用いて、赤外線レーザーにて露光後、(1)に示す方法で現像し、(2)〜(4)の印刷評価を行った。
(1)水溶性樹脂を有する水溶液による現像方法
赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力6.4Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で、平版印刷版原版に画像露光した。露光画像にはベタ画像および細線画像を含むようにした。
得られた露光済み原版を、図1に示す自動現像装置を使用し、図中14の現像部にて非画像部の除去を行った後に、図中16の水洗部における水洗処理および図中18の不感脂化処理部における不感脂化処理は行わず、図中20において乾燥処理を行った。現像部処理液の組成として、下記処理液(2)を使用した。
処理液(2)
・水 100.00g
・ベンジルアルコール 1.00g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル
(オキシエチレン平均数n=13) 1.00g
・ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.50g
・アラビアガム 1.00g
・エチレングリコール 0.50g
・第1リン酸アンモニウム 0.05g
・クエン酸 0.05g
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05g
(2)現像カス
現像カスを、プレートの1m2の非画像部に付着した長径0.05mm以上の付着物の個数を目視により観察した。評価の指標は以下のとおりである。
○:0個
△:20個未満
×:20個以上
(3)細線再現性
印刷インキとして(i)通常インキ(TRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製))、又は(ii)UVインキ(ベストキュアーUV−BF−WRO標準墨インキ(T&K TOKA社製))を用いて、以下のように印刷を開始した。
現像済み版を三菱重工業社製ダイヤIF−2印刷機のシリンダーに取り付け、湿し水〔IF102(富士フイルム(株)製エッチ液)/水=3/97(容量比)〕と上記印刷インキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100及び200μmの細線画像部と非画像部が同じ幅で交互に存在するチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなく再現された細線幅により、細線再現性を評価した。評価結果を表7に示す。
(4)耐刷性
(i)通常インキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表7に示す。
(ii)UVインキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表7に示す。
〔実施例47〜56および比較例11〜14〕−水溶性樹脂を有する水溶液(弱アルカリ性)による現像−
平版印刷版原版の露光、現像、印刷及び評価
上述のように実施例37〜46及び比較例7〜10で作製した各種平版印刷版原版をそれぞれ用いて、赤外線レーザーにて露光後、(1)に示す方法で現像し、(2)〜(4)の印刷評価を行った。
(1)水溶性樹脂を有する水溶液による現像方法
赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力6.4Wで外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で、平版印刷版原版に画像露光した。露光画像にはベタ画像および細線画像を含むようにした。
得られた露光済み原版を、図2に示す自動現像装置を使用した。処理液として、上記処理液(2)に水酸化ナトリウムを加えることでpH9.0にした液を作成し、使用した。
(2)現像カス
現像カスを、プレートの1m2の非画像部に付着した長径0.05mm以上の付着物の個数を目視により観察した。評価の指標は以下のとおりである。
○:0個
△:20個未満
×:20個以上
(3)細線再現性
印刷インキとして(i)通常インキ(TRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製))、又は(ii)UVインキ(ベストキュアーUV−BF−WRO標準墨インキ(T&K TOKA社製))を用いて、以下のように印刷を開始した。
現像済み版を三菱重工業社製ダイヤIF−2印刷機のシリンダーに取り付け、湿し水〔IF102(富士フイルム(株)製エッチ液)/水=3/97(容量比)〕と上記印刷インキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100及び200μmの細線画像部と非画像部が同じ幅で交互に存在するチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなく再現された細線幅により、細線再現性を評価した。評価結果を表8に示す。
(4)耐刷性
(i)通常インキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表8に示す。
(ii)UVインキを使用した印刷
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に光重合層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。評価結果を表8に示す。
表7及び8の結果より、本発明の平版印刷版の製版方法によれば、水溶性樹脂を有する水溶液を現像処理に採用した方法において、現像性が良好で、細線再現性がよく、そのように製版された平版印刷版を用いた平版印刷方法により、通常インキ耐刷性のみならずUVインキ耐刷性も優れていることが確認された。
〔実施例57〜63及び比較例15〕
平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作製
以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行って、アルミニウム支持体を作製した。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図3に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図3において、1はアルミニウム板、2及び4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7及び8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.6重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007重量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形で電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源の波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1重量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された支持体を得た。
(2)中間層の形成
次に、下記中間層塗布液を乾燥塗布量が10mg/m
2になるように上記の表面処理を施したアルミニウム支持体上に塗布して、乾燥した。
〔中間層塗布液)〕
・下記の化合物(1) 0.017重量部
・メタノール 9.00重量部
・水 1.00重量部
(3)光重合層及び保護層の形成
下記光重合層用塗布液を調製し、上記のように形成された中間層上にワイヤーバーを用いて塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて125℃で34秒間行った。乾燥後の被覆量は1.4g/m2であった。
(光重合層用塗布液)
・赤外線吸収剤(IR−1) 0.038重量部
・重合開始剤A(S−1) 0.061重量部
・重合開始剤B(I−1) 0.094重量部
・メルカプト化合物(E−1) 0.015重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.425重量部
(商品名:A−BPE−4 新中村化学工業(株))
・バインダーポリマー(表9に記載) 0.623重量部
・添加剤(T−1) 0.079重量部
・重合禁止剤(Q−1) 0.0012重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.021重量部
・フッ素系界面活性剤 0.0081重量部
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)30重量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886重量部
・メタノール 2.733重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886重量部
なお、上記光重合層用塗布液に用いた、赤外線吸収剤(IR−1)、重合開始剤A(S−1)、重合開始剤B(I−1)、メルカプト化合物(E−1)、重合性化合物(M−1)、添加剤(T−1)、重合禁止剤(Q−1)、及びエチルバイオレット(EV−1)の構造を以下に示す。
M−1(m+nの平均=4)
<下部保護層の形成>
形成された光重合層上に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業(株)製)、界面活性剤A(日本エマルジョン社製、エマレックス710)、及び界面活性剤B(アデカプルロニックP−84:旭電化工業(株)製)の混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(重量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
<上部保護層の形成>
下部保護層上に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業(株)製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、及び界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710)の混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/界面活性剤の含有量割合は、3.2/2.0/80.5/11.5/2.8(重量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.76g/m2であった。
平版印刷版原版の露光、現像、印刷および評価
上記のようにして得られた平版印刷版原版を、露光、現像処理、乾燥の各工程順に処理した。
露光に用いた光源(セッター):赤外線半導体レーザー(Creo社製Trendsetter3244VX:水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載)にて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2,400dpiの条件で画像様露光を行った。
露光後、加熱処理、水洗処理は行わず、30秒以内に下記組成の処理液(3)を各々用い、図2に示す構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有し1本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして版面に供給した。現像液のタンク容量は、10リットルであった。
処理液(3)(pH9.8)
・水 8619.8g
・炭酸ナトリウム 200g
・炭酸水素ナトリウム 100g
・ニューコールB4SN(100%換算) 400g
・アラビアガム 400g
・燐酸変性澱粉(日澱化学:ペトロコートHN25) 200g
・EDTA 4Na 80g
・2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール 0.1g
・2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
こうして得られた平版印刷版について、上述の実施例と同様の方法で、現像カス、細線再現性及び耐刷性を評価した。結果を表10に示す。
〔実施例64及び65、並びに比較例16〕
平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作製
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10質量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングし、流水で水洗後、20質量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30質量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20質量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2の条件で陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
上記のようにして作製したアルミニウム支持体に、下記組成の高感度光重合性組成物を乾燥塗布質量が1.4g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、光重合層を形成した。
(光重合性組成物)
エチレン性不飽和結合含有化合物(化合物A) 4.0 質量部
バインダーポリマー(表11に記載) 2.0 質量部
増感色素(C−1) 0.32質量部
重合開始剤(D−1) 0.61質量部
連鎖移動剤(E−1) 0.57質量部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.020質量部
ε―フタロシアニン分散物 0.71質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.016質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45質量部
<保護層の形成>
上記のように形成された光重合層上に、以下の保護層塗布液をバー塗布した後、125℃、70秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.25g/m2の保護層を形成した。
保護層塗布液
・下記雲母分散液 0.6g
・スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.8g
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製(ケン化度:99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%))
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量:7万)0.001g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002g
・水 13g
(雲母分散液の調製)
水368gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになる迄分散し、雲母分散液を得た。
平版印刷版の露光、現像、印刷および評価
上記平版印刷版原版各々を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー 405nm±10nm発光/出力30mWを搭載)により画像露光した。画像は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で描画した。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った後、下記組成の処理液(4)を各々用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有し1本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させ、2本目のブラシロールには、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを用い、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。
現像液は、循環ポンプによりスプレーパイプからシャワーリングして版面に供給した。現像液のタンク容量は、10リットルであった。
処理液(4)(pH9.8)
・水 8260g
・炭酸ナトリウム 200g
・炭酸水素ナトリウム 100g
・エレミノールMON(100%換算) 350g
・アラビアガム 400g
・燐酸変性澱粉(日澱化学:ペトロコートHN25) 200g
・EDTA 4Na 80g
・2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール 0.1g
・2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1g
こうして得られた平版印刷版について、上述の実施例と同様の方法で、現像カス、細線再現性及び耐刷性を評価した。結果を表12に示す。
表10及び12に示される結果より、本発明の平版印刷版の製版方法によれば、水溶性樹脂を有する水溶液を現像処理に採用した方法において、現像性が良好で、細線再現性がよく、そのように製版された平版印刷版を用いた平版印刷方法により、通常インキ耐刷性のみならずUVインキ耐刷性も優れていることが確認された。