JP5246639B2 - 4−ヒドロキシ−l−イソロイシンの製造法 - Google Patents
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Description
。
ドロキシ-L-イソロイシンを生成する報告はない。
供することである。
(a)補因子として、酸素、Fe2+、アスコルビン酸、及び、2−オキソグルタル酸を要求する。
(b)反応至適pHがpH5〜pH8。
(c)反応至適温度が45℃以下。
(d)50℃以上で失活する。
(e)EDTAやCu2+、Zn2+により阻害される。
(a)補因子として、酸素、Fe2+、アスコルビン酸、及び、2−オキソグルタル酸を要求する。
(b)反応至適pHがpH5〜pH8。
(c)反応至適温度が45℃以下。
(d)50℃以上で失活する。
(e)EDTAやCu2+、Zn2+により阻害される。
(f)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定される分子量が31,000±20,000のサブユニットからなる。
(g)配列番号2に示すアミノ酸配列をN末端に有する。
(a) 配列番号1の塩基配列を含むDNA、
(b) 配列番号1の塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、
(c) 配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号2のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、及び、
(e)配列番号2のアミノ酸配列に対し少なくとも98%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
からなる群から選ばれるDNAを提供することである。
ことを含む、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質の製造方法を提供することである。
(f) 配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g)配列番号2のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h)配列番号2のアミノ酸配列に対し少なくとも98%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質
からなる群から選ばれるタンパク質を提供することである。
(A)L-イソロイシンの水酸化により(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを生成する反応を触媒する活性を有する。
(B)前記活性が二価カチオンFe2+に依存する。
(C)SDS-PAGEにより測定した分子量が約29±2.0 kDaである。
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも70%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1種のL-イソロイシンジオキシゲナーゼの存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法を提供することである。
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも70%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれるL-イソロイシンジオキシゲナーゼを含む細菌の存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法を提供することである。
シンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変、又は、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子のコピー数の増大により増強されている上記の方法を提供することである。
Arthrobacter, Aspergillus又は Bacillus属に属する上記の方法を提供することである。
本発明の水酸化酵素によるイソロイシン水酸化反応を介した4−ヒドロキシイソロイシン製造方法において用いる水酸化酵素としては、イソロイシンを4−ヒドロキシイソロイシンに変換する酵素活性を有する限り、微生物の培養物、菌体、細胞破砕液による粗精製酵素、又は精製酵素のいずれでも用いることが出来るが、細胞破砕粗酵素や精製酵素であることが望ましい。
(b)反応至適pHがpH5〜pH8。
(c)反応至適温度が45℃以下。
(d)50℃以上で失活する。
(e)EDTAやCu2+、Zn2+により阻害される。
(f)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定される分子量が31,000±20,000のサブユニットからなる。
(g)配列番号2に示すアミノ酸配列をN末端に有する。
Edition,2004)。株名がNBRCから始まるものは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(〒292-0818千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)より分譲を受けることが出来る。株名がATCCから始まるものは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)より分譲を受けることができる(住所 ATCC, Address: P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, 1,United States of America )。
1. 表現形質
細胞形態
桿菌(大きさ:1.0-1.2× 2.0-3.0 μm)
グラム染色 +
内生胞子 +
酸素に対する態度 好気性
生育温度 20-35℃で良好な生育
至適 pH 7.0〜7.5
本2-e-2菌株の16S rDNAの塩基配列(配列番号1)を用いて、BLASTにより細菌基準株デ
ータベース(エヌシーアイエムビー・ジャパン、静岡)及び国際塩基配列データベース(GeneBank/DDBJ/EMBL)に対し相同検索を行い、それぞれ相同率の上位30株を決定した。その後、細菌基準株データベースで検索された上位30株と各検体の16S rDNA塩基配列を用いて近隣結合法により分子系統樹を作成した。相同性検索及び簡易分子系統樹の作成にはDNASISpro(日立ソフトウェアエンジニアリング、東京)を使用した。
簡易形態観察の結果、2-e-2株はBacillusの一般的な性状を示し、16S rDNA部分配列解析の結果からも、2-e-2株はBacillus thuringiensisに帰属する事が示された。2-e-2と同レベルのAMKP生産活性を示す微生物は見出されなかったため、本株を新規の株と同定した。
水酸化反応に供するイソロイシンとしては、L-イソロイシンを用いることが好ましい。
化因子を添加しても良い。
以下に、[I]L-イソロイシンジオキシゲナーゼ及び[II]本発明のL-イソロイシンジオキシゲナーゼを用いる(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンの製造法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の発明者らの研究により、Bacillus属の細菌株に、(2S,3R,4S)-4HILの生成能を有するL-イソロイシンジオキシゲナーゼが確認された。微生物細胞由来のL-イソロイシンジオキシゲナーゼを、以下、IDOと略記する。
配列番号1の塩基配列を有する本発明のIDO(Lys,23)遺伝子は、実施例に記載するように、Bacillus thuringiensis 2-e-2株の染色体DNAから単離された。IDO(Lys,23)をコードするBacillus thuringiensis 2-e-2株由来の配列番号1の塩基配列は、Bacillus thuringiensis (serovar israelensis) 株 (ATCC 35646)由来のゲノム塩基配列の非注釈部分に対して、塩基配列(図19)及びアミノ酸配列(図18)において高い相同性を示した。そのゲノム配列の一つは、2007年1月17日にNational Center for Biotechnology Information, NIH, Bethesda, MD 20894, USA (Accession No: AAJM00000000.1, GI:74494335)に提出されたものであり、また、別の一つが、VKPM B-197の受託番号でRussian National Collection of Industrial Microorganisms (VKPM) に保存され、そこから受領した同一Bacillus thuringiensis (serovar israelensis) 株の、IDO(Lys,32)をコードするゲノムDNAの配列決定の結果として得られたものであった。IDO(Lys,32) をコードするBacillus thuringiensis (serovar israelensis) 株VKPM B-197由来の塩基配列は、配列番号7に示される。
主要タンパク質をゲルから回収し、MS分析により、Bacillus thuringiensis (serovar israelensis) ATCC 35646株由来の推定RBTH_06809タンパク質と同定した(図13)。
ar Cloning, John Wiley & Sons, Inc. (1985)に記載されている。さらに、塩基配列は、Applied Biosystems製のDNAシークエンサーを用いて決定できる。Bacillus thuringiensis 2-e-2株由来のIDO(Lys,23)をコードするDNAは配列番号1に示される。Bacillus thuringiensis (serovar israelensis) 株VKPM B-197由来のIDO(Lys,32)をコードする塩基配列は配列番号7に示される。
(a) 配列番号1の塩基配列を含むDNA、
(b) 配列番号1の塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、
(c) 配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、
(d)配列番号2のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、及び、
(e)配列番号2のアミノ酸配列に対し少なくとも98%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
からなる群から選ばれるDNA。
キシゲナーゼ活性が実質的に損なわれない範囲であり、具体的には1から78個、好ましくは、1から52個、より好ましくは1から25個、さらに好ましくは1から13個である。
Arthrobacter, Aspergillus, Pseudomonas, Granulibacter, Methylobacillus, Granulibacter, Acidiphilium, Agrobacterium, Gluconobacter, Caulobacter, Stigmatella, Myxococcus, Polaromonas, Caulobacter, Polaromonas, Sphingomonas, Acidovorax, Mycobacterium, Azotobacter, Vibrio, Polynucleobacter, Streptomycesなどから、下記(表1)にリストする遺伝子の相同性に基づきクローニングすることにより得ることができる。ホモログDNAは、例えば、配列番号3及び4に示す合成オリゴヌクレオチドを用いるPCRにより増幅できる。
次に、精製した、Bacillus thuringiensis 2-e-2株由来のL-イソロイシンジオキシゲナーゼ(IDO(Lys,23))の性質について説明する。
のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質を含む。
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h)配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも70%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質
IDO(Lys,23)は、下記の反応でL-イソロイシンから下記(I)で表わされる(2S,3R,4S)-4HILを生成する反応を触媒する。
(A)L-イソロイシンの水酸化により(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを生成する反応を触媒する活性を有する。
(B)前記活性が二価カチオンFe2+に依存する。
(C)SDS-PAGEにより測定した分子量が約29±2.0 kDaである。
次に、本発明のIDOの製造法について説明する。本発明のIDOを製造するには二つの方法がある。これらは、(i)IDO生産微生物を培養し、IDOを生成蓄積させる方法、及び (ii)組換えDNA技術によりIDOを生産する形質転換体を調製し、形質端歓待を培養してIDOを蓄積する方法である。
IDO生産微生物を培養することによりIDOを生成蓄積する方法において、IDOの取得源になる微生物の例には、Escherichia, Pseudomonas, Corynebacterium, Arthrobacter, Aspergillus又はBacillus属に属する微生物が含まれる。
次に、組換えDNA技術を用いるIDOの製造法について説明する。組換えDNA技術を用いて、酵素や生理学的活性物質などの有用なタンパク質を製造する数多くの既知例がある。組換えDNA技術の使用は、天然には痕跡量しか存在しない有用タンパク質の大量生産を可能にする。
最初に、本発明のIDOをコードするDNAを調製する(ステップS1)。
ここで、ベクターDNAに連結したIDO遺伝子の例としては、先に[I]で記載したDNAが含まれる。
DNAを発現させるプロモーターとして使用できる。それらの例には、T7プロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター、tacプロモーター及びPLプロモーターがある。
本発明の、一般式(I)で表わされる(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン ((2S,3R,4S)-4HIL)の製造法は、下記の反応で示される、(2S,3R,4S)-4HIL を生成するL-イソロイシンの直接的酵素水酸化の一工程反応を含む。
(A)L-イソロイシンの水酸化により(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを生成する反応を触媒する活性を有する。
(B)前記活性が二価カチオンFe2+に依存する。
(C)SDS-PAGEにより測定した分子量が約29±2.0 kDaである。
これらの二価カチオンを反応液に加えた場合、反応を妨げない限り、塩も使用できる。好ましくは、FeSO4などが使用できる。これらの二価カチオンの濃度は、当業者が行う単純な予備試験で決めることができる。これらの二価カチオンは、0.01 mM 〜50 mM、好ましくは0.1 mM〜25 mMの範囲で加えることができる。
プローブを用いたサザンブロッティング、蛍光in situハイブリッド法(FISH)等で測定する。遺伝子発現のレベルは、ノーザンブロッティング、定量的RT-PCRなどを含む様々な既知の方法で測定することができる。遺伝子によってコードされたタンパク質の量は、SDS-PAGE後イムノブロッティング法検定(ウェスタンブロッティング分析)等を含む既知の方法で測定することができる。
とも可能であって、これによりプロモーター機能がより強められる。発現制御配列の変更は、例えば、国際公開WO 00/18935 および特開平1-215280号に開示されているように温度敏感なプラスミドを使用して行う遺伝子置換と同様に実行可能である。
<1>4-ヒドロキシイソロイシン生産株のスクリーニングとブロスの解析
L-イソロイシンを基質に、4-ヒドロキシイソロイシン生成能を有する微生物のスクリーニングを実施した。可溶性澱粉0.4%(w/v)、酵母エキス 0.4%、麦芽エキス 1%、L-イソロイシン 0.2%を水に溶解後、pH7〜7.5に調整した培地に土壌菌を植菌した。28℃で2日間、振とう培養した後、遠心上清のアミノ酸分析により、4−ヒドロキシイソロイシンの分析を行った。
4−ヒドロキシイソロイシンの検出はウォーターズ AccQ・TagTMメソッドを用いた。定法に従って適切な濃度に希釈した反応液5μl中のアミノ酸を誘導体化し、HPLCにて分析することで4−ヒドロキシイソロイシン生成量を測定した。その結果、菌株の一つ(2-e-2株)に4−ヒドロキシイソロイシンと同じリテンションタイムの物質を生成する活性が見出された。16SrDNAの解析から、2-e-2株はBacillus thuringiensisと同定された。そこで、他のバチルス属に関してもスクリーニングしたところ、Bacillus licheniformis(AKU223株、IAM11054株)、Bacillus sphaericus(AKU227株、NBRC3526株)、Bacillus thuringiensis(AKU238株、NBRC3958株)にも同様の活性が見出された。
上記スクリーニングで取得されたバチルス属菌株がL−イソロイシンを基質に生成する物質の同定を実施した。まず、生成物の分子量をMSにより分析したところ、145であり、4−ヒドロキシイソロイシンよりも、2小さい値であった。また高分解能質量分析装置(Q-TofMS)による精密質量測定で組成式を推定したところ、C6H11NO3で4−ヒドロキシイソロイシンよりも水素原子が2少ないことが判明した。以上の結果より、上記バチルス属菌株で生成されている物質は、2−アミノ−3−ケト−4−メチルペンタン酸(AMKP)の可能性が示唆された。バチルス属細菌によるAMKP生産の報告[非特許文献5]に記載の実験方法に従ってAMKPを合成・精製し、また、上記バチルス菌培養培地中より生成物を非特許文献5のAMKP精製法に従って精製し、NMR分析を実施したところ、両者は同じケミカルシフトを示した。
2-e-2株等ののバチルス菌にAMKP生産活性が見出されたため、AMKPと4−ヒドロキシイソロイシンの分離分析法を確立する必要があることが判明した。そこで鋭意検討の結果、ウォーターズ AccQ・TagTMメソッドを改変することでAMKPと4−ヒドロキシイソロイシンの分離分析法を確立した。具体的条件として、カラムをXBridge C18 5mm, 2.1 x 150mm (Waters)に、溶離液BをMeOH、溶離液流速を0.3ml/minに変更した。溶離液の勾配は下表に示す。
AMKP生成活性の機構として、水酸化による分子状酸素の取り込みの可能性を考えた。そこで2-e-2株培養時に、モノオキシゲナーゼの補因子NAD(P)Hを、あるいはジオキシゲナーゼの補因子Fe2+、2-オキソグルタル酸、アスコルビン酸を添加した場合のAMKP生成活性を解析した。
AMKP生産培地(可溶性澱粉0.4%(w/v)、酵母エキス 0.4%、麦芽エキス 1%、L-イソロイシン 0.2%、グルコース 0.5%、アスコルビン酸 1mM、2−オキソグルタル酸 1mM、CaCl2 1mM、MgSO4 1mM、pH7〜7.5)を3Lの坂口フラスコに張り込み、2-e-2株を23℃にて振とう培養した。培養開始後、0、6、8、10、12、14、16、18、20時間後に培養液をサンプリングし、培養液の4−ヒドロキシイソロイシンとAMKPを上記<2>記載の方法にて定量した。また濁度(OD660)を測定した。
AMKP生産培地にてOD660=3.2まで培養後、集菌洗浄した2-e-2株菌体を乳鉢で破砕した後、懸濁用緩衝液(50mM HEPES pH7.0、10% グリセロール、complete mini (Roche))で懸濁し、タンパク質濃度が10 mg/ml程度の懸濁液(破砕液)、並びに懸濁液の遠心沈殿物を得た。遠心沈殿物は最終的に破砕液と同じ容量の生理食塩水で懸濁した。これらを等量の2×ジオキシゲナーゼ反応液(10mM Ile、2mM Fe2+、10mM 2−オキソグルタル酸、10mM アスコルビン酸、100mM HEPES(pH7.0))と混合し、30℃で1時間反応させた。同様に、破砕液調製に使用した休止菌体を洗浄後、培養ブロスの10倍濃度に生理食塩水で懸濁し、等量の2×ジオキシゲナーゼ反応液と混合し反応させた。各サンプルのAMKPと4−ヒドロキシイソロイシン生成量を図4に示す。
対数増殖期の2-e-2株細胞破砕液を用いて、Ileの水酸化による4−ヒドロキシイソロイシン生成反応時の補因子の影響を検討した。上記<5>記載の方法にて調製した対数増殖期2-e-2株細胞破砕液(lysate)を最終濃度が5mM Ileと5mM 各種補因子を含有した50mM
HEPES (pH7)反応液にて反応させ、4−ヒドロキシイソロイシン生成量を測定した。表4に示すとおり、4−ヒドロキシイソロイシン生成にFe2+(Fe)と2−オキソグルタル酸(a-KG)が必須であり、更にアスコルビン酸(Asc.)を添加することで4−ヒドロキシイソロイシン生成量は最大となった。よってイソロイシン水酸化による4−ヒドロキシイソロイシン生成にはジオキシゲナーゼが関与している可能性が強く示唆された。
4−ヒドロキシイソロイシンには3ヵ所の不斉炭素があり、8種類のジアステレオマー、4対のエナンチオマーが存在する。具体的にはエナンチオマーは(2S,3S,4S)と(2R,3R,4R){以降HIL1とも記載する}、(2S,3S,4R)と(2R,3R,4S){以降HIL2とも記載する}、(2S,3R,4R)と(2R,3S,4S){以降HIL3とも記載する}、(2S,3R,4S)と(2R,3S,4R){以降HIL4とも記載する}の4対であり、Fenugreekなどに存在する天然型HILは(2S,3R,4S)である。本発明において、基質は(2S,3S)イソロイシンを使用しているため、水酸化反応で生成する4−ヒドロキシイソロイシンは(2S,3R,4S)あるいは、(2S,3R,4R)のいずれかとなる。そこで、2-e-2株にて生成する4−ヒドロキシイソロイシンの立体配置を決定することとした。
上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性のpH依存性を評価した。ジオキシゲナーゼ反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM GTAであり、反応後に反応液のpHを測定した。反応温度は30℃とした。生成した4−ヒドロキシイソロイシンは<2>の方法で分析した。最大生成量を示したpHのHIL量を100%とし、それに対する相対活性比率で各pHの反応性を図5に示す。pHがpH5〜8において活性が確認できた。
上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性の温度依存性を評価した。ジオキシゲナーゼ反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM GTA (pH6)で反応温度は15〜50℃とした。生成した4−ヒドロキシイソロイシンは<2>の方法で分析した。最大生成量を示したpHの4−ヒドロキシイソロイシン量を100%とし、それに対する相対活性比率で各温度の反応性を図6に示す。至適温度は45℃以下であった。
上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性の温度安定性を評価した。破砕液を0〜50℃で1hrインキュベーションした後、Ile水酸化活性を測定した。基質反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM Hepes (pH7)で反応温度は30℃とした。生成した4−ヒドロキシイソロイシンは実施例2の方法で分析した。最大生成量を示した温度の4−ヒドロキシイソロイシン量を100%とし、それに対する相対活性比率で各温度の温度安定性を図7に示す。50℃以上で酵素は失活した。
上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用
いて、各種アミノ酸に対する反応特性を評価した。破砕液と基質溶液と混合後、30℃、1時間反応させ、TLCやアミノ酸分析によって新たな物質の生成を評価した。基質反応液組成は5mM アミノ酸、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM Hepes (pH7)で、アミノ酸としてL-イソロイシンに加えてL-ロイシン、L-バリン、L-グルタミン酸、L-リジンを個別に評価した。生成した4−ヒドロキシイソロイシンは実施例1の方法で分析した。結果を表6に示す。L-イソロイシン以外のアミノ酸に対しては、新たな物質の生成は確認できなかった。よって、本酵素はイソロイシン特異的なジオキシゲナーゼであると示唆された。
上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性に対する阻害剤の影響を検討した。上記<5>に記載の方法に従って、OD660=7の2-e-2株菌体より調製した細胞破砕液を用いた。ジオキシゲナーゼ反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM Hepes (pH6)で反応温度は30℃、反応時間は1時間とした。反応時に、10 mMの阻害剤(EDTA, Cu2+, Zn2+)を個別に添加した場合の4−ヒドロキシイソロイシン生成量を測定した。4−ヒドロキシイソロイシンは上記<2>の方法で分析した。イソロイシン水酸化活性は阻害剤により活性が消失した。
(1)無細胞抽出液の調製
2-e-2を合計2LのAMKP生産培地にてOD660=6.0まで培養後、生理食塩水で菌体を洗浄した。菌体は細胞膜処理液(10 mg/ml Lysing enzyme(SIGMA), 5 mg/ml Cellulase "ONOZUKA" R-10(Yakult), Yatalase(Takara Bio), 1 mg/ml Lysozyme (SIGMA)を0.2 M NaH2PO4,
0.6 M KCl (pH5.5)に溶解)に懸濁後、30℃、1 hrインキュベーションした。インキュベーションした菌体を生理食塩水で洗浄した後、緩衝液A(50mM HEPES pH7.0, 10% グリセロール, 2 mM DTT, 1 mM EDTA, complete (Roche))に懸濁し、氷冷下、超音波破砕機(Branson)にて菌体を破砕した。この処理液を4℃、18,500×g、60分間遠心分離し、上清を取得した。これ以降の単離・精製操作は全て4℃あるいは氷冷下にて実施した。
前工程で得た上清を0.45μmのフィルターで濾過した後、予め緩衝液Aで平衡化しておいたDEAE(16mm×100mm:GEヘルスケアバイオサイエンス)に供した。カラムを緩衝液Aで洗浄後、緩衝液B(50mM HEPES pH7.0, 10% グリセロール, 2 mM DTT,
1 mM EDTA, 0.5 M NaCl, complete (Roche))にて食塩の直線濃度勾配を用いて溶出した
。
各フラクションはIle水酸化活性反応液(最終濃度が100 mM Hepes (pH6.0), 5 mM L-Ile, 5mM Fe2+, 5mM 2−オキソグルタル酸, 5mM アスコルビン酸)を用いて30℃、30分間反応させた。100℃にて酵素失活した後、先述のAMKP, HIL分離測定法にて4−ヒドロキシイソロイシン量を定量した。これ以降の分析の4−ヒドロキシイソロイシンとは天然型4−ヒドロキシイソロイシンと同じリテンションタイムを有する異性体のみを示す。なお、1分間当たり1nmolのHILを生成する酵素活性を1Uとした。
前工程で得た活性画分をdesalting column(GEヘルスケアバイオサイエンス)にて緩衝液C(50mM MES pH5.2、10% グリセロール、2 mM DTT, 1 mM EDTA, complete (Roche))に置換した。本置換液を、予め緩衝液Cで平衡化しておいたmonoS(10mm×100mm:GEヘルスケアバイオサイエンス)に供した。カラムを緩衝液Cで洗浄後、緩衝液D(50mM MES pH5.2、10% グリセロール、2 mM DTT, 1 mM EDTA, 0.5 M NaCl, complete
(Roche))にて食塩の直線濃度勾配を用いて溶出し、各フラクションのIle水酸化活性を測定した。
前工程で得た可溶性画分に2 M硫酸アンモニウムを添加溶解した。十分に攪拌した後、遠心分離にて可溶性画分と沈殿画分に分画し、沈殿画分は緩衝液Aにて溶解した。各画分のIle水酸化活性を測定したところ、沈殿画分に活性が検出された。
前工程で得た活性画分を、予め緩衝液Aで平衡化しておいたSuperdex 75(10mm×300mm:GEヘルスケアバイオサイエンス)に供した。緩衝液Aにて溶出し、各画分のIle水酸化活性を測定した。
前工程で得た活性画分を緩衝液E(50mM MES pH6.5、10% グリセロール、2mM DTT,
1mM EDTA, 1M 硫酸アンモニウム, complete (Roche))に置換した。緩衝液置換サンプルは、予め緩衝液Eで平衡化しておいたResource PHE(1ml:GEヘルスケアバイオサイエンス)に供した。カラムを緩衝液Eで洗浄後、Ile水酸化活性酵素を含む画分を緩衝液F(50mM MES pH6.5、10% グリセロール, 2 mM DTT, 1 mM EDTA, complete (Roche))を用いて硫酸アンモニウムの逆直線濃度勾配を用いて溶出した。
<1>電気泳動による分析
実施例2で得られた精製標品を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動法(第一化学薬品製ポリアクリルアミドゲルPAGミニ 「第一」 15/25 (13well)、及びバイオラッド社製分子量スタンダード Prestained SDS-PAGE standards, Low Range)によって分析した。その結果、本酵素は分子量約31,000±20,000のほぼ均一なサブユニットからなることが明らかとなった。
精製酵素を用いて、Ileの水酸化による4−ヒドロキシイソロイシン生成反応時の補因子の影響を検討した。実施例2記載の方法にて調製したL-Ile水酸化酵素を最終濃度が5mM L-Ileと5mMの各種補因子を含有した100mM HEPES (pH6)反応液にて反応させ、4−ヒドロキシイソロイシン生成量を測定した。表8に示すとおり、4−ヒドロキシイソロイシン生成にFe2+と2−オキソグルタル酸が必須であり、更にアスコルビン酸を添加することで4−ヒドロキシイソロイシン生成量は最大となった。よってL-イソロイシン水酸化による4−ヒドロキシイソロイシン生成にはジオキシゲナーゼが関与している可能性が強く示唆され、破砕液を用いた検討結果と同じであった。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性のpH依存性を評価した。酵素反応液組成は5mM L-Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、200mM GTA (pH3〜12)とした。反応温度は30℃とした。最大生成量を示したpHの4−ヒドロキシイソロイシン量を100%とし、それに対する相対活性比率で各pHの反応性を図8に示す。pHがpH4〜8において活性が確認でき、pH5〜8において高い活性が確認できた。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性の至適温度を評価した。酵素反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100 mM Hepes (pH6)とした。最大生成量を示した温度の4−ヒドロキシイソロイシン量を100%とし、それに対する相対活性比率で各温度での反応性を図9に示す。0℃〜40℃の温度帯で高い活性が確認できた。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性の温度安定性を評価した。pH7.0の酵素液を0〜70℃で1hrインキュベーションした後、Ile水酸化活性を測定した。酵素反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM
2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100 mM Hepes (pH6)で反応温度は30℃とした。最大生成量を示した保存温度の4−ヒドロキシイソロイシン量を100%とし、それに対する相対活性比率で各温度の温度安定性を図10に示す。60℃以上で酵素は失活した。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を用いて、各種アミノ酸に対する反応特性を評価した。酵素液と反応液とを混合後、30℃、1時間反応させ、HPLC分析によって新たな物質の生成を評価した。酵素反応液組成は5mM アミノ酸、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM Hepes (pH6)で、アミノ酸としてL-イソロイシンに加えてD-イソロイシン、L-ロイシン、L-バリン、L-グルタミン酸、L-リジンを個別に評価した。生成した4−ヒドロキシイソロイシンは実施例1の方法で分析した。結果を表9に示す。破砕液を用いた検討結果と同様に、L-イソロイシン以外のアミノ酸に対しては、新たな物質の生成は確認できなかった。よって、本酵素は細胞破砕液を用いて検討した結果と同様に、L-イソロイシン特異的なジオキシゲナーゼで天然型HILを生成する活性を有すると示唆された。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を用いて、4−ヒドロキシイソロイシン生成活性に対する阻害剤の影響を検討した。酵素反応液組成は5mM Ile、5mM Fe2+、5mM 2−オキソグルタル酸、5mM アスコルビン酸、100mM Hepes (pH6)で反応温度は30℃、反応時間は1時間とした。反応時に、10 mMの阻害剤(EDTA, Cu2+, Zn2+)を個別に添加した場合の4−ヒドロキシイソロイシン生成量を測定した。阻害剤を添加しない場合の4−ヒドロキシイソロイシン生成活性を100%とし、その生成量に対する相対活性を表10に示した。イソロイシン水酸化活性は阻害剤により活性が消失した。
実施例2記載の方法に従って調製したL-Ile水酸化酵素を実施例3の方法に従って電気泳動した後、PVDF膜(バイオラッド社製 sequi-BlotTM PVDF membrane)に転写し、島津製作所社製プロテインシーケンサーPPSQ-10に供した。上記方法にて取得した酵素のN末端配列として、以下の結果を得た。
11 ValHisGluPheGluSerLysGlyPheLeu 20
(配列番号5)
本発明の発明者らにより準備された環境微生物のスクリーニングにより、α−ケトグルタル酸依存L−イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有する独自の微生物が見出された。これは、Bacillus thuringiensisと同定され、Bacillus thuringiensis 2-e-2 (FERM BP-10688)として保存された。
下記の培養培地を実験に用いた。
CM1 (トリプトン 10g/l; イーストエキストラクト 10 g/l; NaOHでpH 7.0に調整)
CM6 (トリプトン 10 g/l; イーストエキストラクト 40 g/l; NaOHでpH 7.0に調整)
Bacillus thuringiensis 2-e-2株を、90 mM KPi バッファー (90 mM KH2PO4 (KOHでpH
7に調製))を加えたCM1培地で一晩30℃において培養した。次いで、グリセロールを培養物に20%まで添加した。得られた細胞懸濁液を1.9 mlバイアルに分け、-使用時まで70℃で保存した。
Bacillus thuringiensis 2-e-2株の培養を、Marubischi ファーメンターを用いて行った。培養パラメーターは次の通りであった。開始培養容積600ml、撹拌800rev/min、空気1:1、1N NaOH/HClの供給によりpH 7.0に調製。1バイアル(1.9 ml)の凍結懸濁液(上記参照)を、600mlのCM6培地への接種に用いた。2-e-2株を、約7.5時間培養した。次いで、遠心により菌体を採取し、使用時まで-70℃で保存した。
Bacillus thuringiensis 2-e-2株の培養物25〜100mlから、菌体を遠心分離で採取し、2mlのバッファーA(50 mM MOPS, 10% グリセロール, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, プロテアーゼインヒビター, pH 7.2)に再懸濁した。菌体をフレンチプレスセルを用いて破砕した(1000 Psiで3回)。反応液(50μl)は、50 mM HEPES pH 7.0; 5 mM Ile; 5 mM アスコルビン酸; 10 mM FeSO4; 5mM α-ケトグルタル酸及びタンパク質調製物の試料を含むものであった。反応は、34℃で40分、振盪しながら保温した。合成された4HILをTLC分析で検出した。薄層シリカゲルプレート(10x15 cm)に、反応液の試料(1~2μl)をスポットし、展開溶媒(2-プロパノール: アセトン: アンモニア: 水 =100:100: 25:16)で展開した。4HILをニンヒドリン試薬で検出した。HPLC分析は実施例4に記載されたように行った。
全てのクロマトグラフィーの操作は、AKTAbasic100 システム(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて行った。精製プロトコルは次の段階を含む。凍結細胞(62g生物体重量)を融解し、150mlのバッファーA[50 mM TRIZMA, 5% グリセロール, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, プロテアーゼインヒビター, HClでpH 7に調整]に再懸濁した。
SDS-PAGEから主なタンパク質を抽出し、重量分析により分析した。ゲルの処理、トリプシン分解、タンパク質抽出及び、飛行時間マトリックス支援レーザ脱離イオン化法による質量分析(MALDI-TOF)は、Govorun, V.M. et al, (The proteome comparative analysis
of Helicobacter pylori clinical isolates. Biochemistry (Mosc), 68, 1, 42-49 (2003))のプロトコルに従って行った。タンパク質は、Mascot software (Matrix Science, USA)のPeptide Fingerprintオプションを用いて、光分解ペプチド質量のセットにより同定された。分析されたタンパク質は、MS分析により、Bacillus thuringiensis (serovar israelensis; ATCC 35646) 株由来の推定RBTH_06809タンパク質と同定された(図13)。
精製した試料をSDS(15-25%)ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。タンパク質のポリビニリデンジフルオリド膜への転写は、室温で1時間1 mA cm2で行った。CBBで染色後、IDOバンドを切り出し、プロテインシークエンサーPPSQ-10型 (島津製作所,日本)による自動Edman分解に付した。精製タンパク質のN-末端の最初の20アミノ酸が決定された。
14579 由来のBC1061の仮想タンパク質と高い相同性を示した。RBTH_06809のORFの配列分析及び精製タンパク質のN-末端アミノ酸の決定により、古典的SD配列が、ATG開始コドンの8bp上流に位置することから、可能性のある翻訳開始部位は一つのみであることが示された(図14)。しかし、精製タンパク質のLys(7)がN-末端アミノ酸である。N-末端プロセッシング(N-末端アミノ酸の切断)がIDO活性に必要と推測された。おそらく、この切断は、Bacillus sp.ではIDOと同時発現し、E. coliでは欠損している特異的プロテアーゼによるものである。従って、E. coliで成熟IDOを製造するためには特別な組換えプラスミドが構築された。
Bacillus thuringiensis (serovar israelensis, ATCC 35646) 株は、Russian Collect
ion of Industrial Microorganisms (VKPM)から入手した(accession number B-197)。
pMW119-IDO(Lys, 32)を構築するために、以下の手順を行った。
Bacillus thuringiensis (serovar israelensis, ATCC 35646) 株染色体の0.8 kb DNA断片を、オリゴヌクレオチドSVS 170 (配列番号3)及びSVS 169 (配列番号4) をプライマーとして (詳細は図15参照)、精製染色体DNAをテンプレートとして用いて増幅した。次のPCRプロトコルを用いた。最初のサイクル:94℃30秒、4サイクル:94℃40秒、49℃30秒及び72℃40秒、35サイクル:94℃30秒、54℃30秒及び72℃30秒。得られたPCRフラグメントをBamHI及びSacIエンドヌクレアーゼで消化し、次いで、同じ制限酵素で予め処理したpMW119ベクターに連結した。
Bacillus thuringiensis 2-e-2株染色体の0.8 kb DNA断片を、オリゴヌクレオチドSVS 170 (配列番号3)及びSVS 169 (配列番号4)をプライマーとして(詳細は図15参照)、精製染色体DNAをテンプレートとして用いて増幅した。次のPCRプロトコルを用いた。最初のサイクル:94℃30秒、4サイクル:94℃40秒、49℃30秒及び72℃40秒、35サイクル:94℃30秒、54℃30秒及び72℃30秒。得られたPCRフラグメントをBamHI及びSacIエンドヌクレアーゼで消化し、次いで、同じ制限酵素で予め処理したpMW119ベクターに連結した。
23)の調節領域の点変異が決定され(図15C)、リーダーペプチド(1)のTAAストップコドンの消失、及び、ATG開始コドンとオーバーラップする、TGAストップコドンまでの翻訳の延長(リーダーペプチド(2))が生じていた(図15A、C)。さらなる変異が、"-2"位置に検出され、CがAにより置換されていた(図15C)。
組換えE. coli株の粗菌体破砕液のIDO活性を調べるため、以下の手順を行った。5mlの培養物から菌体を4℃で遠心により採取し、0.5mlのバッファーA*(50 mM TRIZMA, 5%グリセロール, 1 mM EDTA, 1 mM DTT, HClによりpH 7に調整)に再懸濁し、超音波により4℃で破砕した。反応液(50μl)は、50 mM HEPES pH 7.0; 5 mM Ile; 0.5mM α-ケトグルタル酸; 5 mM アスコルビン酸; 5 mM FeSO4 及びタンパク質調製物の試料を含むものであった。反応は、34℃で1時間、振盪しながら保温した。合成された4HILを、実施例4に記載したようにTLC分析又はHPLC分析で検出した。結果を表12にまとめる。
E. coli TG1[pMW119-IDO(Lys, 23)] 及び TG1[pMW119-IDO(Lys, 32)]株の菌体を、アンピシリン(100 mg/l)を加えたLB培地で、光学密度A540=4〜5となるまで(約6時間)培養した。2 mlの培養液から菌体を遠心で採取した後、1 mlの溶液MI50(100 mM KH2PO4 (NaOHでpH 7に調整), NH4Cl 20 mM, MgSO4 2 mM, CaCl2 0.1 mM, アンピシリン 150 μg/ml, Ile 50 mM, 0.5mM α-ケトグルタル酸,グリセロール 1 %, イーストエキストラクト 0.005
g/l)に再懸濁した。
HPCL分析:スペクトロフォトメーター1100シリーズを備えた高圧クロマトグラフ(Waters, USA)を用いた。選択した検出波長範囲:励起波長は250nmで、発光波長範囲は320〜560nmであった。accq-tag法による分離をカラムNova-PakTM C18 150 × 3.9 mm, 4μm (Waters, USA)を用いて +400℃で行った。試料の注入容量は5μlであった。アミノ酸誘導体の生成及びそれらの分離は、製造者Watersの推奨に従っておこなった(Liu, H. et al, J. Chromatogr. A, 828, 383-395 (1998); Waters accq-tag chemistry package. Instruction manual. Millipore Corporation, pp.1-9 (1993))。6-アミノキノリル-N-ヒドロキシスクシンイミジルカルバメートによるアミノ酸誘導体を得るために、キットAccq-Flu
orTM (Waters, USA)を用いた。accq-tag法による分析は、濃Accq-tag Eluent А(Waters,
USA)を用いて行った。全ての溶液は、Milli-Qを用いて調製し、標準溶液は+ 4 ℃で保存した。
(1) 染色体DNAの調製
Bacillus cereus ATCC14579株、 B.thuringiensis AKU238株及びB. weihenstephanensis KBAB4株をそれぞれ5mlのLB培地を用いて28℃で一晩培養した(前培養)。この培養液1.5mlを種菌として、50mlのLB培地を用いて本培養を行った。対数増殖後期まで培養した後、培養液50mlを遠心分離操作(12000×g、4℃、15分間)に供し、集菌した。この菌体を用いて定法に従って染色体DNAを調製した。
B. cereus ATCC14579株について公開されているゲノム配列情報をもとに (GenBank accession No. AE016877)、以下のプライマーを合成した。
CATATGGAGGTTTTTATAATGACGTTTGTT (配列番号10)
CTCGAGTTTTGTCTCCTTATAAGAAAATGT (配列番号11)
CATATGAAAATGAGTGGCTTTAGCATAGAA (配列番号14)
CTCGAGTTTTGTCTCCTTATAAGAAAATGT (配列番号15)
CATATGCTAACAACAGTTTCTAATAAGACA (配列番号18)
CTCGAGTTTTGGCTCCTTATAAGAAAACGT (配列番号19)
(1) E. coliでのido遺伝子の発現
実施例8で構築したB. cereus ATCC14579株、B.thuringiensis AKU238株、又は、B. weihenstephanensis KBAB4由来ido発現プラスミドをE.coli Rosetta2 (DE3)に導入し、形質転換体を50μg/ml アンピシリンを含むLB培地で一昼夜37℃で振盪培養した(前培養)。前培養液を50 mlのLB培地に1%シードし、37℃にて本培養を行った。培養開始約2時間後に終濃度1mMとなるようにIPTGを添加し、さらに3時間培養を行った。培養終了後、集菌、洗浄を行い、1 mlの20mM Tris−HCl (pH7.6)に懸濁し、ソニケーター(INSONATOR 201M・KUBOTA製)を用いて菌体を破砕した。破砕液を15000 rpmで10分間遠心分離した上清を粗酵素液とした。
(1)で調製した粗酵素液を用いて、IleからのHILへの変換活性を測定した。反応液組成は以下に示す通りで、28℃で振とう(300 rpm)させながら3時間反応後、HPLCにて生成したHILを定量した。定量結果を表14に示す。
1: B. thuringiensis 2-e-2株由来IDO遺伝子の塩基配列
2: B. thuringiensis 2-e-2株由来IDOのアミノ酸配列
3: プライマーsvs 170; IDO遺伝子増幅用
4: プライマーsvs 169; IDO遺伝子増幅用
5: B. thuringiensis 2-e-2株由来IDOのN-末端配列
6: Bacillus属におけるIDO保存配列
7: B. thuringiensis ATCC 35646株由来IDO遺伝子の塩基配列
8: B. thuringiensis ATCC 35646株由来IDOのアミノ酸配列
9: B. thuringiensis 2-e-2株の16S rDNA塩基配列
10: B. cereus ATCC 14579由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
11: B. cereus ATCC 14579由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
12: B. cereus ATCC 14579由来IDO遺伝子の塩基配列
13: B. cereus ATCC 14579由来IDOのアミノ酸配列
14: B. thuringiensis AKU238由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
15: B. thuringiensis AKU238由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
16: B. thuringiensis AKU238由来IDO遺伝子の塩基配列
17: B. thuringiensis AKU238由来IDOのアミノ酸配列
18: B. weihenstephanensis KBAB4由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
19: IDO gene from B. weihenstephanensis KBAB4由来IDO遺伝子の増幅用プライマー
20: B. weihenstephanensis KBAB4由来IDO遺伝子の塩基配列
21: B. weihenstephanensis KBAB4由来IDOのアミノ酸配列
Claims (15)
- 微生物由来の、イソロイシンから4−ヒドロキシイソロイシンを生成する水酸化酵素存在下でイソロイシン又はその塩を水酸化反応に供し、4−ヒドロキシイソロイシンを生成させる工程を含むことを特徴とする、4−ヒドロキシイソロイシン又はその塩の製造方法であって、
水酸化反応が、
(f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1種のL-イソロイシンジオキシゲナーゼの存在下または当該L-イソロイシンジオキシゲナーゼを含む細菌の存在下で水性溶媒中で行われる、方法。 - 微生物がバチルス属に属する微生物である、請求項1に記載の製造方法。
- バチルス属に属する微生物がBacillus thuringiensis、Bacillus licheniformis、及び、Bacillus sphaericusから選択される微生物である、請求項2に記載の製造方法。
- 水酸化反応が、微生物の対数増殖期細胞から調製された破砕液の存在下で行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- L-イソロイシンを水酸化反応に供する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 水酸化酵素が、ジオキシゲナーゼである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方
法。 - 水酸化酵素が以下の性質を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
(a)補因子として、酸素、Fe2+、アスコルビン酸、及び、2−オキソグルタル酸を要求する。
(b)反応至適pHがpH5〜pH8。
(c)反応至適温度が45℃以下。
(d)50℃以上で失活する。
(e)EDTAやCu2+、Zn2+により阻害される。 - (f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる少なくとも1種のL-イソロイシンジオキシゲナーゼの存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法。 - (f) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列を有するタンパク質、
(g) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加又は逆位を含むアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質、及び、
(h) 配列番号2、8、13、17又は21のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を示すアミノ酸配列を有し、L-イソロイシンジオキシゲナーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれるL-イソロイシンジオキシゲナーゼを含む細菌の存在下で水性溶媒中でL-イソロイシンを反応させ、生成した (2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシンを単離することを含む(2S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-L-イソロイシン又はその塩の製造方法。 - 前記細菌がL-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が増強されるように改変されている請求項9に記載の方法。
- L-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現の増大により増強されている請求項10に記載の方法。
- L-イソロイシンジオキシゲナーゼの活性が、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変、又は、前記L-イソロイシンジオキシゲナーゼをコードする遺伝子のコピー数の増大により増強されている請求項11に記載の方法。
- 前記細菌が、Escherichia, Pseudomonas, Corynebacterium, Arthrobacter, Aspergillus又は Bacillus属に属する請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細菌が、Escherichia coli, Arthrobacter simplex, Corynebacterium glutamicum, Arthrobactor globiformis, Arthrobactor sulfureus, Arthrobactor viscosus 又はBacillus subtilisに属する請求項13に記載の方法。
- 前記細菌が、細菌培養物、細胞、細胞処理物又は細胞破砕液である請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
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