JP5247466B2 - 6,6−ジメチル−3−アザビシクロ−[3.1.0]−ヘキサン化合物およびその鏡像異性体塩を調製するプロセス - Google Patents

6,6−ジメチル−3−アザビシクロ−[3.1.0]−ヘキサン化合物およびその鏡像異性体塩を調製するプロセス Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、ラセミ体の6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチル(遊離塩基)を調製するプロセス、および対応する塩、(1R,2S,5S)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチル ジ−p−トルオイル−D−酒石酸(「D−DTTA」)塩および(1R,2S,5S)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチル ジベンゾイル−D−酒石酸(「D−DBTA」)塩を高鏡像体過剰率で提供するプロセスに関する。本発明は、ラセミ体の6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチルの溶液から、対応する(1S,2R,5R)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチル ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(「L−DTTA」塩)および(1S,2R,5R)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチル L−酒石酸(「L−DBTA」)塩を高鏡像体特異度(high enantiomeric specificity)で沈殿させるプロセスであって、溶液中の対応する(1R,2S,5S)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチルの遊離塩基の高鏡像体過剰率を維持するプロセスにも関する。さらに、本発明は中間体II、IIB、III、IV、IVB、V、VIおよびVIIを調製するプロセスに関する。
これらのプロセスで得られる化合物は、例えば薬理効果を有する化合物を合成する際に、中間体として有用である。
(発明の背景)
本章または本出願のいずれかの章におけるあらゆる刊行物の特定は、そのような刊行物が本発明に対する先行技術であることを認めるものではない。
6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸のエステル類は、例えば、薬剤のような効用を有する化合物を合成する際に、中間体として有用である。例えば、(1R,2S,5S)−6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]−ヘキサン−2−カルボン酸、メチルエステル塩酸塩は、特許文献1に開示されており、この文献は参考として本明細書に援用される。この化合物は、次式Z:
Figure 0005247466
の構造を有するC型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤を調製する際に用いられる主要な中間体である。
式Zの化合物は、C型肝炎および関連疾患を処置するのに有用である。具体的には、式Zの化合物はHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤である。
下記式:
Figure 0005247466
を有する6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸のエステルを製造する様々な方法が当技術分野で公知であり、式中、Rは、例えば、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキルである。例えば、特許文献1には、化合物1
Figure 0005247466
を、対応するアルコール2
Figure 0005247466
から、Jones酸化を行ない、次にメタノールHClで保護を切断することによって調製することが開示されている。この手順は、R.ZhangおよびJ.S.Madalengoitiaにより非特許文献1において開示された手順を改変するものである。
特許文献2は、参考として本明細書中に援用されており、3−(アミノ)−3−シクロブチルメチル−2−ヒドロキシ−プロピオンアミドまたはそれらの塩を製造するプロセスを開示している。これは化合物Zの合成における中間体である。この刊行物は、その合成で調製されるいくつかの中間体も請求の範囲としている。
特許文献3は、参考として本明細書中に援用されており、式Zの化合物を調製する別のプロセスを請求の範囲としている。これには、6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸メチルを出発物質として用いることが含まれている。
特許文献4は、参考として本明細書中に援用されており、6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸のエステルを以下のスキーム1に示されるプロセスで調製する。
Figure 0005247466
特許文献5(’799公開公報)は、対応するイミンから、ニトリル中間体を介して、下記式:
Figure 0005247466
の酸化合物を調製するプロセスを開示している。
式中、Rは水素またはアルキルであり、R〜Rは、例えば、アルキルである。したがって、イミンはシアノ化試薬と反応し、対応するニトリルを形成する。これは、続いて加水分解されて酸誘導体を形成する。イミン誘導体は、下記式
Figure 0005247466
のビシクロ−ピロリジン化合物を直接酸化するか、または、該ビシクロ−ピロリジンの対応するハロ−ピロリジン誘導体の脱ハロゲン化水素によって調製される。この文献は、ニトリルを形成するシアノ化ステップが一般にほぼトランス幾何異性体の形成のみをもたらし、この立体化学が加水分解ステップで保持され続けることを示している。
特許文献6は、対応するニトリルから、下記式
Figure 0005247466
の酸またはエステル誘導体を調製するプロセスを開示している。
式中、Rは水素またはアルキルであり、RおよびRは、例えば、二環式環系を形成し得る。このプロセスは、銀塩の存在下で酸化剤を用いてピロリジン誘導体を対応するΔ−ピロリジン誘導体に変換し、続いてピロリジン誘導体を、好ましくは金属シアニドを鉱酸の存在下で反応混合物に加えることで生成されるHCNと反応させて、ニトリルを形成するステップを含む。生成物は、得られるニトリルを加溶媒分解させて調製される。この特許は、これら化合物の特定の異性体を高鏡像体過剰率で製造するプロセスを開示していない。
米国特許出願公開第2003/0216325号明細書 米国特許出願公開第2005/0020689号明細書 米国特許出願公開第2005/0059800号明細書 米国特許出願公開第2005/0059684号明細書 欧州特許第0 010 799号明細書 米国特許第4,691,022号明細書 R.ZhangおよびJ.S.Madalengoitia,J.Org.Chem.,64,pp330−31(1999)
これらの上記プロセスはどれも、ビシクロ−ピロリジン化合物のある特定の鏡像異性体を高い鏡像体純度(enantiomeric purity)で提供していない。したがって、1つ以上のC型肝炎症状を処置または予防または改善するのに有用な化合物を合成するのに有用な中間体を提供する方法が、依然として必要とされている。さらに、手間のかかる鏡像異性体の分離技術、例えばキラルクロマトグラフィを使うことなく、所望の鏡像異性体を優先的に生じる鏡像異性体の中間体を提供するプロセスが、依然として必要とされている。
C型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤の重要性に鑑み、このような拮抗薬を製造するこれまでにない新規な方法には、常に関心が寄せられている。
発明の要約
これらの、および他の必要とされているものは、本発明によって達成される。本発明は、一態様では、(1R,2S,5S)−l ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩(D−DTTA塩)または(1S,2R,5R)−l ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(L−DTTA塩)を、式IおよびIa
Figure 0005247466
の化合物の混合物から選択的に製造するプロセスを提供する。式中、Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり、該プロセスは、ラセミ混合物を上記の酸で分割することにより、選択された塩の少なくとも90%の鏡像体過剰率を提供する。
別の態様では、本発明は、(1R,2S,5S)−l ジベンゾイル−D−酒石酸塩(D−DBTA塩)または(1S,2R,5R)−l ジベンゾイル−L−酒石酸塩(L−DBTA塩)を、式IおよびIa:
Figure 0005247466
の化合物の混合物から調製するプロセスを提供する。
式中、Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり、該プロセスは、ラセミ混合物を上記の酸で分割することにより、選択された塩の少なくとも85%の鏡像体過剰率を提供する。
本発明の別の態様では、式IAおよびIaA:
Figure 0005247466
の化合物の酸性塩を提供する。式中、Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキル基を表し、好ましくは、RはC〜Cアルキルであり、より好ましくは、Rはメチルであり;「Xd」はD−DTTAおよびD−DBTAから選択され、「Xl」はL−DTTAおよびL−DBTAから選択される。
本発明の別の態様では、式IIBの中間体を提供するプロセスおよび式IIBの中間体を提供する:
Figure 0005247466
式中、Rはアラルキル、置換アラルキルまたはアルケニルであり、好ましくはRはベンジルおよびアリルから選択される。
本発明の別の態様は、式IVBの中間体を提供するプロセスおよび式IVBの中間体を提供することである:
Figure 0005247466
式中、Xはアニオンであり、好ましくは、Cl、Br、I、NO、またはHSOである。
本発明の別の態様は、式Iおよび式Iaの化合物の混合物から高収率で、式IのD−DTTA塩およびD−DBTA塩を提供すること、ならびに式IaのL−DTTA塩およびL−DBTA塩を提供すること、ならびに1つの立体異性体を高鏡像体過剰率でこの混合物から提供するプロセスである。
発明の説明
上記で、および本明細書において使用した通り、次の用語は、特に明記しない限り以下に記載するものを意味すると理解すべきである:
「アルキル」は、脂肪族炭化水素基を意味し、直鎖状であっても分枝状であってもよく、鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含む。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、直鎖状のアルキル鎖に結合することを意味する。「低級アルキル」は、鎖中に約1〜6個の炭素原子を有する基を意味し、直鎖状であっても分枝状であってよい。用語「置換アルキル」は、アルキル基が1つ以上の置換基で置換されてもよいことを意味し、これらの置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換基はそれぞれ独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群より選択される。好適なアルキル基の限定されない例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、これは直鎖状であっても分枝状であってもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含んでいる。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子;より好ましくは、鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが、直鎖状のアルケニル鎖に結合することを意味する。「低級アルケニル」は、直鎖状であっても分枝状であってもよい鎖中に約2〜約6個の炭素原子を意味する。用語「置換アルケニル」は、アルケニル基が1つ以上の置換基によって置換されてもよいことを意味し、これらの置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換基はそれぞれ独立して、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、およびアルコキシからなる群より選択される。好適なアルケニル基の限定されない例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、これらは直鎖状であっても分枝状であってもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子;より好ましくは、鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピルが直鎖状のアルキニル鎖に結合することを意味する。「低級アルキニル」は、直鎖状であっても分枝状であってもよい鎖中に約2〜約6個の炭素原子を意味する。好適なアルキニル基の限定されない例には、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニル、およびデシニルが挙げられる。用語「置換アルキニル」は、アルキニル基が1つ以上の置換基で置換されてもよいことを意味し、これらの置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換基はそれぞれ独立して、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群より選択される。
「アリール」は、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む。アリール基は、1つ以上の「環系置換基」で任意に置換することができ、これらの環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書に定義する通りである。好適なアリール基の限定されない例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、ここで1つ以上の環原子は、単独または組み合わせで、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄である。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、1つ以上の「環系置換基」で任意に置換することができ、これらの環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書に定義する通りである。ヘテロアリールの語根名称(語根名称)の前にある接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ、環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、場合によって酸化されて、対応するN−オキシドになることができる。好適なヘテロアリール類の限定されない例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
「アラルキル」は、アリール−アルキル−基を意味し、ここでアリールおよびアルキルは前述の通りである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。好適なアラルキル基の限定されない例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介する。
「アルキルアリール」は、アルキル−アリール−基を意味し、ここでアルキルおよびアリールは前述の通りである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。好適なアルキルアリール基の限定されない例には、o−トリル、p−トリルおよびキシリルが挙げられる。その親部分への結合は、アリールを介する。
「シクロアルキル」は、非芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、1つ以上の「環系置換基」で任意に置換することができ、これらの環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、本明細書に定義する通りである。好適な単環式シクロアルキルの限定されない例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。好適な多環式シクロアルキルの限定されない例には、1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を意味する。好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモであり、より好ましくはフルオロおよびクロロである。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましくはフッ素、塩素または臭素であり、より好ましくはフッ素および塩素である。
「環系置換基」は、芳香族または非芳香族の環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換える。環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−からなる群より選択され、ここでYおよびYは同じであっても異なっていてもよく、独立して水素、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択される。
「シクロアルケニル」は、非芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含み、これらは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む。好ましいシクロアルケニル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルケニルは、1つ以上の「環系置換基」で任意に置換することができ、これらの環系置換基は同じであっても異なっていてもよく、上記に定義する通りである。好適な単環式シクロアルケニルの限定されない例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなどが挙げられる。好適な多環式シクロアルケニルの限定されない例には、ノルボルニレニルが挙げられる。
「ヘテロシクレニル」は、非芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、ここでこの環系内の1つ以上の原子は、単独または組み合わせで、炭素以外の元素、例えば窒素原子、酸素原子または硫黄原子であり、これらは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含む。この環系には、隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクレニルの語根名称の前にある接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロシクレニルは、1つ以上の環系置換基で任意に置換することができ、「環系置換基」とは上記で定義した通りである。ヘテロシクレニルの窒素原子または硫黄原子は、場合によって酸化されて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドになることができる。好適な単環式アザヘテロシクレニル基の限定されない例には、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、1,2−ジヒドロピリジル、1,4−ジヒドロピリジル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニルなどが挙げられる。好適なオキサへテロシクレニル基の限定されない例には、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニルなどが挙げられる。好適な多環式オキサへテロシクレニル基の限定されない例は、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニルである。好適な単環式チアヘテロシクレニル環の限定されない例には、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
「ヘテロシクリル」は、非芳香族の飽和した単環式または多環式の環系を意味し、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、ここでこの環系内の1つ以上の原子は、単独または組み合わせで、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素または硫黄である。この環系には、隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの語根名称の前にある接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ、環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリルは、1つ以上の「環系置換基」で任意に置換することができ、これらは同じであっても異なっていてもよく、本明細書で定義した通りである。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、場合によって酸化されて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドになることができる。好適な単環式ヘテロシクリル環の限定されない例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
「アラルケニル」は、アリール−アルケニル基を意味し、ここでアリールおよびアルケニルは前述の通りである。好ましいアラルケニルは、低級アルケニル基を含む。好適なアラルケニル基の限定されない例には、2−フェネテニルおよび2−ナフチルエテニルが挙げられる。その親部分への結合は、アルケニルを介する。
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール−アルキル−基を意味し、ここでヘテロアリールおよびアルキルは、前述の通りである。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。好適なヘテロアラルキル基の限定されない例には、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介する。
「ヘテロアラルケニル」は、ヘテロアリール−アルケニル基を意味し、ここでヘテロアリールおよびアルケニルは、前述の通りである。好ましいヘテロアラルケニルは、低級アルケニル基を含む。好適なヘテロアラルケニル基の限定されない例には、2−(ピリド−3−イル)エテニルおよび2−(キノリン−3−イル)エテニルが挙げられる。その親部分への結合は、アルケニルを介する。
「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、ここでアルキルは、前述の通りである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキル基の限定されない例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
「アシル」は、有機酸基を意味し、ここでカルボキシル基の−OHは、他の置換基、例えば上記で定義した置換基で置き換えられる。好適な限定されない例には:H−C(O)−、アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、またはシクロアルキニル−C(O)−基が挙げられ、ここで各種の基は前述の通りである。その親部分への結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。好適なアシル基の限定されない例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルおよびシクロヘキサノイルが挙げられる。
「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、ここでアリール基は前述の通りである。その親部分への結合は、カルボニルを介する。好適な基の限定されない例には、ベンゾイルならびに1−および2−ナフトイルが挙げられる。
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここでアルキル基は前述の通りである。好適なアルコキシ基の限定されない例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびヘプトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここでアリール基は前述の通りである。好適なアリールオキシ基の限定されない例には、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、ここでアラルキル基は前述の通りである。好適なアラルキルオキシ基の限定されない例には、ベンジルオキシおよび1−または−2−ナフタレンメトキシが挙げられる。その親部分への結合は、エーテル酸素を介する。
「アルキルアミノ」は、−NH基または−NH 基を意味し、ここで窒素上の1つ以上の水素原子は、上に定義する通りのアルキル基で置き換えられる。
「アリールアミノ」は、−NH基または−NH 基を意味し、ここで窒素上の1つ以上の水素原子は、上記に定義する通りのアリール基で置き換えられる。
「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここでアルキル基は前述の通りである。好適なアルキルチオ基の限定されない例には、メチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオおよびヘプチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、硫黄を介する。
「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここでアリール基は前述の通りである。好適なアリールチオ基の限定されない例には、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。その親部分への結合は、硫黄を介する。
「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここでアラルキル基は前述の通りである。好適なアラルキルチオ基の限定されない例は、ベンジルチオである。その親部分への結合は、硫黄を介する。
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。好適なアルコキシカルボニル基の限定されない例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介する。
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。好適なアリールオキシカルボニル基の限定されない例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。その親部分への結合は、カルボニルを介する。
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の限定されない例は、ベンジルオキシカルボニルである。その親部分への結合は、カルボニルを介する。
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、そのアルキル基が低級アルキルであるものである。その親部分への結合は、スルホニルを介する。
「アルキルスルフィニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、そのアルキル基が低級アルキルであるものである。その親部分への結合は、スルフィニルを介する。
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。その親部分への結合は、スルホニルを介する。
「アリールスルフィニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。その親部分への結合は、スルフィニルを介する。
用語「任意に置換された」とは、特定の基、ラジカルまたは部分による任意の置換を意味する。
鏡像体過剰率(「e.e.」)は、1つの鏡像異性体(例えば、R−鏡像異性体)が他方(例えば、S−鏡像異性体)より多く生成された度合い(extent)を示すパーセンテージであり、生成された各鏡像異性体の量の差を引き算で求め、それを生成された各鏡像異性体の合計量で割って計算される。
一実施形態では、本発明は、鏡像体過剰で式Iの化合物のD−DTTAまたはD−DBTA塩をラセミ混合物から調製するプロセスを提供する。別の実施形態では、本発明は、鏡像体過剰で式Iaの化合物のL−DTTAまたはL−DBTA塩をラセミ混合物から調製するプロセスを提供する。この進歩的なプロセスを、下記のスキームIに示す:
Figure 0005247466
式中、Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキル基である。アルキル基の限定されない例は、(C〜C12)アルキル、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルキルである。Rはアラルキル、置換アラルキルまたはアルケニル(例えば、アリル)基であり;D−酸はジ−p−トルオイル−D−酒石酸(D−DTTA)およびジベンゾイル−D−酒石酸(D−DBTA)から選択され;D−塩は選択されたD−酸、すなわち、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩またはジベンゾイル−D−酒石酸塩のいずれかに対応するアニオンであり;L−酸はジ−p−トルオイル−L−酒石酸(L−DTTA)およびジベンゾイル−L−酒石酸(L−DBTA)から選択され;L−塩は選択されたL−酸、すなわち、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩またはジベンゾイル−L−酒石酸塩のいずれかに対応するアニオンである。
(1S,2R,5R)鏡像異性体が所望の鏡像異性体ではないいくつかの実施形態では、望ましくない(1S,2R,5R)鏡像異性体を、L−酸で溶液から沈殿させて(例えば、式SIaの化合物の沈殿)、ステップ6を行なうことが好ましく、より望ましい(1R,2S,5S)鏡像異性体(例えば、式SIの化合物)を含むろ液は、その後ワークアップして、向上した鏡像体過剰率でより望ましい鏡像異性体を得る。これらの実施形態では、ろ液のワークアップは、場合によって、ステップ6について下記に詳述する通り、選択されたD−酸でろ液を処置するか、または単に溶媒を蒸発させて固体を得ることによって、ろ液からの所望の(1R,2S,5S)鏡像異性体の第二の沈殿を含むことができる。
以下は、スキームIに示すプロセスの各ステップについて詳細に考察したものである。
ステップ1−イミドの形成
イミド前駆体は、カロン酸(caronic acid)(IIa)出発物質から、以下2つの手順のうちの1つに従って形成される。手順Aは、1つのステップでイミドを形成し、手順Bは、異なる反応物質を用いて二つのステップでイミドを形成する。無水カロン酸(caronic anhydride)を調製する方法は当技術分野で公知であり、この化合物は、例えば、米国特許出願公開第2005/0059648A1号に開示されている合成により製造してよい。その実施例1には、公開された手順に従ってこの無水物をエチルクリサンテムマート(ethyl chrysanthemumate)から調製する方法が詳述されている。
スキームIIに示す別の手順は、単離することのできる出発物質を提供するのに用いてよく、または式IIIの化合物を形成するのにインサイチュで用いてもよい。
Figure 0005247466
スキームIIに示すように、ラセミ体の3,3ジメチル−シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸(IIa)をトルエン中に溶解/懸濁して、硫酸の存在下で無水酢酸で処理して、シス−無水カロン酸(式II)を優先的に形成する。シス−無水カロン酸は、使用のために単離することもできる。あるいは、得られたシス−無水カロン酸を含む反応混合物を水酸化アンモニウムで処理し、開環中間体を形成してインサイチュで加熱し、ワンポット反応で式IIIのイミドを形成する。
手順A:
無水カロン酸(式II)は、好適な溶媒中で式IIIの化合物に触媒的に変換して、式IIIのイミドを生成することができる。本発明のいくつかの実施形態では、水、テトラヒドロフラン、メタノール、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、キシレン類、およびホルムアミドから選択される溶媒を使用することが好ましい。この変換を行うのに好適な触媒には、例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)およびルチジンが挙げられる。触媒は、窒素源の存在下で使用される。好適な窒素源試薬には、限定されないが、NH、NHOH、HNC(O)NH、HNC(O)H、NHCH、およびNHCCHが挙げられる。いくつかの実施形態では、この反応を約10℃〜約200℃の温度で行うことが好ましい。
手順B(2ステップ)
無水カロン酸(式II)からの式IIIの化合物を提供する第二の方法は、連続した2ステップで式IIIのイミドを生成することである。
ステップBi:
式IIBの中間体アルキルイミドは、溶媒の存在下でアラルキル、置換アラルキルまたはアルケニルアミンから選択される試薬との反応により、無水カロン酸から調製される。本発明のいくつかの実施形態では、アリールCHNHおよびアリルNHから選択されるアミンを使用することが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、t−ブチルメチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン、メタノール、トルエン、キシレンおよびそれらの2つ以上の混合物から選択される溶媒を用いることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、この反応を約0℃〜約200℃の温度で行うことが好ましい。
ステップBii:
式IIBの中間体アルキルイミドは、金属媒介の水素化分解反応条件を用いてこの中間体を水素化することにより、化合物IIIに変換することができる。いくつかの実施形態では、水素ガスの存在下で炭素上にパラジウムを含む(Pd/C)触媒を用いることが好ましい。好適な反応条件の一例は、次の参考文献に記載されている:R.C.BernotasおよびR.V.Cube、Synthetic Communication、1990、20、1209。
ステップ2:
好適な溶媒中で還元させることによって、式IIIのビシクロ−化合物にあるイミド環をピロリジン環に変換し、式IVのビシクロ−化合物を生成する。いくつかの実施形態では、水素化アルミニウムリチウム(「LiAlH」)、ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムジヒドリド(「Red−Al(登録商標)」)ナトリウム、およびボランから選択される試薬を用いてこの還元を行うことが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、この還元反応を、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、トルエンおよびそれらの2つ以上の混合物から選択される溶媒中で行うことが好ましい。いくつかの実施形態では、この溶媒を蒸留して生成物を単離させることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、この還元反応を約−20℃〜約80℃の温度で行うことが好ましい。
必要に応じて、式IVの化合物を酸と反応させて、対応する塩(式IVBの化合物)に変換することもできる。好適な酸には、限定されないが、鉱酸、例えば、HCl、HBr、HI、HNOまたはHSOが挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な有機溶媒、例えばアルコール溶媒、例えばメタノールおよびイソプロパノールを用いて、この処置のための鉱酸溶液を生成することが好ましい。
ステップ3:
式IVの化合物ビシクロ−化合物にあるピロリジン環を酸化して、対応するイミンを生成する。ピロリジン環に導入される多重結合は、その環上の2つの位置のいずれかで導入できるため、このステップでは式VaおよびVbの異性体化合物の混合物が生成される。
いくつかの実施形態では、式IVの化合物を、ペルオキソ二硫酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、より好ましくは、ペルオキソ二硫化酸ナトリウムまたはカリウムおよび触媒量の銀触媒、好ましくは約0.01〜約0.10モル当量の銀塩触媒(例えば、硝酸銀)から選択される酸化試薬で処理して酸化を行うことが好ましい。これらの実施形態では、水を含む溶媒または水/溶媒の混合物(例えば、アセトニトリルおよびその混合物から選択される溶媒と混合した水)を用いることが好ましい。いくつかの実施形態では、酸化試薬を炭化水素溶媒またはエーテル溶媒、(例えば、ヘキサン類、n−ヘプタン、およびtert−ブチル−メチルエーテル)中の二酸化マンガン(IV)から選択することが好ましい。いくつかの実施形態では、水/溶媒の混合物中の尿素過酸化水素および過酸化水素から選択される過酸化物を用いることが好ましい。過酸化物を用いるいくつかの実施形態では、水/溶媒の混合物の溶媒を、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、第3級−ブチル−メチルエーテル(TBME)、ヘキサン類、テトラヒドロフランおよび2−メチル−テトラヒドロフランおよびそれらの2つ以上の混合物から選択することが好ましく、0.001〜0.10モル当量のマンガン塩(III)、例えば、(1R,2R)−(−)−[1,2−シクロヘキサンジアミノN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)]−塩化マンガン(III)([R,R−サレン]MnIIICl)、(1S,2S)−(+)−[1,2−シクロヘキサンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)]塩化マンガン(III)、([S,S−サレン]MnIIICl)、および銅塩類、例えば、酢酸銅および場合によってテトラメチルエチレンジアミンで触媒される。いくつかの実施形態では、塩素化した溶媒、(例えば、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロベンゼン)中のヨードソベンゼン(PhIO)を用いることが好ましい。
いくつかの実施形態では、ペルオキソ二硫酸カリウムを、硝酸銀とともにアルカリ−金属シアニド、好ましくはシアン化カリウムの存在下で使用することが好ましい。この酸化方法を利用するいくつかの実施形態では、水を反応媒体として使用し、そこでの酸化中にピロリジン基質を懸濁することが好ましい。ステップ3でペルオキソ二硫酸カリウム/硝酸銀の酸化を用いるいくつかの実施形態では、硝酸銀の触媒量、例えば存在する基質の量と比較して約2モル%〜約10モル%、より好ましくは、約5〜約7.5モル%を使用することが好ましい。いくつかの実施形態では、約10容量〜約15容量の水に溶解された約2.3当量〜約3.0当量の水酸化ナトリウムとともに酸化されるピロリジン基質の量に対して、少なくとも約1.1当量のペルオキソ二硫酸カリウムを使用することが好ましい。ペルオキソ二硫化酸/硝酸銀の酸化手順を使用するいくつかの実施形態では、反応混合物中の、少なくとも2当量のアルカリ金属シアニド、好ましくはシアン化カリウムを用いることが好ましい。ステップ3でペルオキソ二硫化酸の酸化を使用するいくつかの実施形態では、約−5℃〜約+5℃、より好ましくは、約−5℃〜約0℃の温度で反応を行うことが好ましい。ステップ3でペルオキソ二硫酸カリウムの酸化を用いるいくつかの実施形態では、チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチして反応をワークアップし、生成物をメチル第3級ブチルエーテル(MTBE)中に抽出し、この抽出物を濃縮し、メタノールをこの溶液に加えてMTBEを蒸留することによって、MTBEをメタノールと置き換えることが好ましい。このワークアップを利用するいくつかの実施形態では、この進歩的なプロセスのその後のステップにおいて、ワークアップで提供された生成物イミンのメタノール溶液を直接使用することが好ましい。
ステップ4−イミンのシアノ−基官能化および
ステップ5−シアノ−基の加水分解:
ステップ4では、式VaおよびVbの異性体(本明細書では式Vの化合物ともいう)を含むビシクロ化合物のラセミ化合物のイミン環は、シアノ官能基で官能化される。シアノ基の付加は、イミン環の反対側を優先的に攻撃して炭素2で起こり、メチレン基はビシクロ化合物のシクロプロピル環を形成して突出している。したがって、シアノ基の付加は、スキームIを参照すると、ラセミ化合物VIとして角括弧内に示してある2つの鏡像異性体の1つを優先的に形成する。官能基化は、シアノ化剤、例えば、シアン化水素酸ガス(HCN)の存在下で行われ、または鉱酸の存在下インサイチュでアルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属シアニド、好ましくはシアン化ナトリウムまたはカリウム、およびトリメチルシリルシアニド(「TMSCN」)を用いて発生する。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒、好ましくはメタノールまたはメタノール(「MeOH」)およびtert−ブチル−メチルエーテル(「TBME」)の混合物の存在下で、シアノ化剤を式Vの化合物の懸濁液に加えることが好ましい。このやり方を用いるいくつかの実施形態では、鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸、ならびに有機酸、例えば、酢酸およびギ酸から選択される酸の添加により溶媒を酸性にすることが好ましい。いくつかの実施形態では、約−10℃〜約+120℃の温度、好ましくは0℃の温度で、反応混合物との反応を行うことが好ましい。いくつかの実施形態では、使用する式Vの化合物の全量に対して約1.0〜約1.5モル当量のシアノ化試薬の量を使用することが好ましい。
いくつかの実施形態では、ラセミ化合物VIを加水分解してラセミ化合物VIIを生成するスキームI、ステップ5を参照すると、シアン酸の添加後、生成物を単離することなく、シアン化されたラセミ化合物の生成物において加溶媒分解が行われる。いくつかの実施形態では、この加水分解を、モル過剰の鉱酸、例えば、HCl、HBr、HI、および硫酸の存在下で、ROHで行い、ここでRは、上記で定義した通りであり(字好ましくはメチルである)、続いてモル過剰の塩基、例えば、重炭酸ナトリウムまたはアンモニアで処置することが好ましい。いくつかの実施形態では、加溶媒分解反応を約−30℃〜約25℃の温度で行うことが好ましく、より好ましくは、加水分解は約−10℃以下で行われる。
いくつかの実施形態では、シアノ化反応はシアン化カリウムを用いて行い、ステップ3で調製されるイミンのラセミ化合物は、シアノ化されるイミンの量に対して約1.1当量〜約2当量の氷酢酸の存在下で、約7〜約10容量のメタノールに懸濁することが好ましい。いくつかの実施形態では、反応を約−10℃〜約0℃の温度で行うことが好ましい。シアノ化反応をKCN/酢酸プロセスを用いて行ういくつかの実施形態では、メタノール反応混合物を、全ての基質がシアノ化された後に、約−20℃〜約−25℃の温度に冷却することで、加溶媒分解ステップ(スキームI、すなわち、ステップ5を参照)を行い、この冷たい反応混合物を、存在するシアノ化された基質の量に対して約3.2〜約7当量のHClガスで処理することが好ましい。このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、反応混合物を約−10℃以下の温度で維持しながら、必要量のHClガスを反応混合物内にバブリングすることが好ましい。
このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、所望量のHClを反応混合物中にバブリングさせた後、反応混合物を室温に加温してメタノリシス反応を完了させる。このようにして式VIIのラセミ化合物を提供する。このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、メタノリシス完了を高温で、例えば、約50℃〜約60℃で行うことが好ましい。このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、メタノリシス反応が完了した後、反応混合物をスラリーに濃縮し、このスラリーを約4容量〜約8容量のMTBEおよび約4容量の水で希釈し、この混合物を約−5℃〜約+5℃の温度に冷却して、この冷たい混合物に、さらに2容量の水に溶かした約0.2当量の三塩基性リン酸カリウムを加えることが好ましい。
このワークアップ手順を用いるいくつかの実施形態では、混合物の温度を約0℃〜約+5℃に維持しながら、pHを塩基水溶液で約pH9〜約pH9.5のpHに調節することが好ましい。このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、MTBE層を分離し、洗浄し、容量を約1/2〜約1/3の容量に濃縮し、メタノールの添加後にMTBEを蒸留することで濃縮物中のMTBEをメタノールと置き換えることが好ましい。このワークアップを用いるいくつかの実施形態では、得られた式VIIのラセミ化合物を含むメタノール溶液をステップ6で利用する。
ステップ6−鏡像異性体の塩形成:
スキームIのステップ6を参照すると、選択された鏡像異性体の塩の形成は、式VIIのラセミ化合物に:(a)D−DTTA(ジ−p−トルオイル−D−酒石酸)またはD−DBTA(ジベンゾイル−D−酒石酸)を加えて、図示の(1R,2S,5S)鏡像異性体を沈殿させるか;または(b)L−DTTA(ジ−p−トルオイル−L−酒石酸)またはL−DBTA(ジベンゾイル−L−酒石酸)を加えて、図示の(1S,2R,5R)鏡像異性体を沈殿させることのいずれかで達成される。これらの各キラル酸は、市販の試薬である。上述の通り、D−DTTAは式VIIのラセミ化合物中に存在する(1R,2S,5S)鏡像異性体と反応し、L−DTTAは式VIIのラセミ化合物中に存在する(1S,2R,5R)鏡像異性体と反応し、対応するジ−p−トルオイル−酒石酸塩を少なくとも約90%の鏡像体過剰率で沈殿させる。同様に、D−DBTAは式VIのラセミ化合物中に存在する(1R,2S,5S)鏡像異性体と反応し、L−DBTAは式VIのラセミ化合物中に存在する(1S,2R,5R)鏡像異性体と反応し、対応するジベンゾイル−酒石酸塩を少なくとも約85%の鏡像体過剰率で生成する。いくつかの実施形態では、このステップでメタノール、TBMEおよびそれらの混合物から選択される溶媒を使用することが好ましい。混合した溶媒を用いる場合は、TBME:MeOHの比を約2:1〜約4:1とすることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、沈殿反応を約15℃〜約50℃の温度で行うことが好ましい。
本発明のプロセスのいくつかの実施形態では、ステップ6で沈殿する鏡像異性体の塩、例えば、式SIおよびSIaの塩、例えば、式SIのDTTA塩は、その後HCVプロテアーゼ阻害剤化合物の合成で用いるために、次のプロセスに従ってHCl塩に変換される。いくつかの実施形態では、単離された鏡像異性体の塩はイソプロピルアルコールおよびMTBEの混合物中に懸濁され、好ましくは、i−プロパノール:MTBEの容量比は約1:7〜約1:8である。この懸濁液は、イソプロパノール溶液中約1.18〜約1.20当量(用いる塩の量に対して)の塩酸で処理され、好ましくは濃度が5M以下である。任意のHCl塩変換ステップを用いるいくつかの実施形態では、変換が進んで完了すると、反応混合物は冷却されて塩酸塩の沈殿を確実にする。沈殿し終わると、この沈殿物はろ過で単離され、真空乾燥される。
次の非限定的な実施例は、本発明をさらに例証するために提供するものである。当業者には当然のことながら、多くの改良、変形および変更が本開示、物質および反応条件に対してなされて良い。このような改良、変形、および変更は、本発明の精神および範囲内にあることが意図される。
特に明記しない限り、全ての溶媒および試薬は市販のものであり、入手した時のまま使用した。特に明記しない限り、実施例において次の略語は以下に記載するものを意味する。
mL=ミリメートル
g=グラム
eq=当量
THF=テトラヒドロフラン
MeOH=メタノール
Me=メチル
TBME=メチルtert−ブチルエーテル
ACN=アセトニトリル
Ph=フェニル。
ステップ1:6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン(III)の調製
手順A:
Figure 0005247466
実施例A1
フラスコに、300gのII(2.1mol、1当量)および300mLの水を入れた。攪拌しながらこの混合物を0℃〜10℃に冷却した。225mLのNHOH溶液(水中14.8MのNH)(3.3mol、1.5当量)を、攪拌しながら反応混合物にゆっくりと加えた。添加中、反応混合物の温度は40℃未満に維持した。添加し終えると、このバッチを105℃〜115℃に加温し、生成物を蒸気蒸留させないようにしながら水を蒸留して回収した。蒸留が終わった時点で、反応混合物を165℃〜180℃に徐々に加熱して環化を完了させた。次に、反応混合物を60〜70℃の温度に冷却し、200mLのTHFを加えた。反応混合物を135℃〜140℃に再加熱し、溶媒を蒸留して回収した。反応混合物を60℃〜70℃の温度に再冷却し、200mLのTHFおよび500mLのn−ヘプタンを加えた。反応混合物を5時間かけて0℃〜10℃に冷却し、次に0.5時間〜1時間攪拌して生成物を結晶化させた。この結晶を回収し、洗浄し、乾燥して化合物IIIを白色の結晶性粉末として得た。(収率90%〜95%)。
Figure 0005247466
実施例A2
温度プローブ、蒸留装置および機械攪拌機を備えた12Lのフラスコ中に、1500.0gの無水カロン酸(式II、10.7mol)を入れた。フラスコに1500mLの水を加え、続いてNHOH(273.4g、16.1mol)を滴下添加した。水を大気下で2時間蒸留して回収した。次に、この混合物を155℃に加熱し、さらに22時間攪拌した。H NMRおよびHPLCの分析では、生成物への変換が不完全であることが示された。次に、この混合物にさらにNHOH(50.4g、3.0mol)を加えた。混合物を155℃に1時間加熱した。反応混合物を120℃に冷却し、7500mLの標準的な酢酸ブチル(n−BuOAc)をフラスコに滴下して入れた。混合物を加熱し、120℃〜130℃の温度で維持した。n−BuOAc(6000mL)および水(200mL)を大気下で蒸留して回収した。次にこの混合物を100℃に冷却し、内部温度を90〜98℃に維持しながらn−ヘプタン(6000mL)を滴下添加した。反応混合物を室温に終夜冷却した。白色の懸濁液をろ過し、このケークをn−ヘプタン(4500mL)で洗浄した。湿った生成物を真空オーブン内にて40℃で乾燥させ、式IIIのアザ−ジオン化合物(1413.3g、95%)を灰白色の固体として得た。
実施例A3
Figure 0005247466
無水カロン酸IIを介する3,3ジメチル−シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸(IIa)からのイミドIIIの調製を、トルエン(75ml)中50グラムのシス/トランス−3,3−ジメチル−1,2−シクロプロパンジカルボン酸(IIa)をスラリー化し、無水酢酸(60mL)を加えることで行った。次いで、濃硫酸(0.5mL)を入れ、トルエンをゆっくりと蒸留した。反応混合物を約190℃に加熱し、残留している揮発性化合物を蒸留して回収した。この反応物を50℃未満に冷却し、THF(50mL)を加えた。約0℃に冷却した後、水酸化アンモニウム(32mL、約14.8N)を、15℃未満の温度に維持しながらゆっくりと入れた。次に、THFを蒸留しながら混合物をゆっくりと110℃に加熱した。この反応物を徐々に180℃にさらに加熱した。冷却してTHF(15mL)を加えた後、溶媒を蒸留して回収しながら、この反応物を140℃に再加熱した。混合物を冷却し、THF(15mL)およびn−ヘプタン(30mL)を加えた。溶媒を蒸留してから冷却して、結晶性イミドIIIを得た(収率:85%)。
手順B
Figure 0005247466
温度プローブ、コンデンサおよび機械攪拌機を備えた3首の丸底フラスコに、25.0gの式IIの化合物(無水カロン酸)を入れた。フラスコに、9.37mLのホルムアミド(10.61g、無水物に対して0.424当量)、続いて2.43gの4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.1当量)を加えた。この容器を窒素でパージし、反応混合物をかき混ぜながら145℃に加熱し、2.5時間加熱し続けた。プロトンNMR測定で無水物が完全に消費されたことが示された後、溶液を90℃に冷却し、この容器に50mlのキシレン(2容量)を入れた。次に、反応混合物をかき混ぜながら145℃に加熱した。2.5時間加熱し続けながら、Dean−Starkコンデンサを操作して水/ホルムアミド共沸混合物を回収した。余分なホルムアミドを反応混合物から除去して全ての中間体が変換された後、この反応混合物を80℃に冷却した。次に反応フラスコに18.75mlのヘプタン(0.75容量)を入れ、反応混合物の温度を80℃に維持した。ヘプタンを添加し終えると、反応混合物を2時間かけて0℃に冷却し、かき混ぜながら0℃〜5℃の温度に30分間維持した。終わりに反応混合物をかき混ぜながらこの温度範囲に30分間維持し、この間に沈殿物が形成された。固体をろ過して回収し、2アリコートの50mLの冷たいヘプタンで洗浄し、真空オーブンにて24時間50℃で乾燥した。
手順C:
Figure 0005247466
フラスコに、51.32gのII(0.37mol、1当量)および50mLのTBMEを入れた。攪拌中、この混合物を0〜10℃に冷却した。40.0mLのベンジルアミン(39.24g、0.37mol、1当量)を、およそ30分間かけて滴下添加した。添加し終えると、TBMEを60℃〜70℃で蒸留して除去し、混合物を170℃〜180℃の内部温度に徐々に加熱した。溶液をおよそ3時間〜5時間、170℃〜180℃に維持して完全に環化させた。生じた溶液を60℃〜70℃に冷却し、100mLの、イソプロパノール中5%水の溶液を加え、混合物を室温に冷却した。0℃〜10℃にさらに冷却した後、生成物をろ過して単離し、きれいで冷たいイソプロパノールでリンスし、真空オーブンで乾燥して70.99gのベンジルイミド、IIB、(85%)を生成した。
Figure 0005247466
従来の水素化分解の条件(H、Pd/C)を用いてこの生成物を脱保護し、IIIを生成することができる。
ステップ2:6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン(IV)の調製
Figure 0005247466
LiAlHのTHF溶液(500mL、2.4M、1.2mol、1.67当量)を、N注入口付きの3首フラスコ中に入れた。フラスコの内容物を、窒素でパージしながら40℃に加温した。100gのIII(0.72mol、1当量)および400mLのTHFを第二のフラスコに加え、透明な溶液が形成されるまで攪拌した。第二の3首フラスコ中のIIIを含む溶液を次に、およそ70℃の温度に上昇させながら、およそ0.5時間〜1時間かけて第一の3首フラスコ中のLiAlHを含む反応混合物に加えた(還流)。第二のフラスコを100mLのTHFでリンスし、これを反応混合物に加えて、IIIを完全に移した。溶液を完全に添加し終えると、反応混合物を還流温度で維持し、反応が完了するまで攪拌した(およそ3時間)。
窒素注入口のついた3首フラスコに、674gの酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(2.39mol、3.32当量)および191gの水酸化ナトリウム(4.78mol、6.64当量)、800mLのHOおよび300mLのTBMEを入れた。この混合物を15℃〜25℃でおよそ1時間、または全ての固体が溶解するまでかき混ぜた。反応混合物を、カニューレを介して二相性クエンチ混合物におよそ10分〜20分かけて移した。反応フラスコを30mLのTBMEでリンスし、これもカニューレを介してクエンチフラスコに移した。二相性混合物をさらに15分間〜30分間かき混ぜ、層が40℃で分離した。水層は100mLのTBMEで2回抽出した。複合有機層を分留し、IVを無色の液体として得た(64.5g、88%)。
Figure 0005247466
別の方法で、上記TBME溶液中の化合物IVをその対応する塩酸塩に変えた。第一に、TBMEを蒸留して除去した。第二に、化合物IVを含む濃縮溶液の18.6gのアリコートを取り出して、機械攪拌機、Nライン、24−40セプタムで固定されたガラス管、および3N NaOHバブラーに対するアダプタを備えた500mLの3首フラスコに入れた。この溶液を−20℃に冷却して−20℃〜−23℃に保持し、10分間攪拌しながら気体状HClを溶液にバブリングした。白色の沈殿物がすぐに現われた。この反応物をNMRでモニタし、必要に応じてさらに気体状のHClをバブリングした。Nブランケット下で沈殿物をろ過し、N下で冷却ヘプタン(−60℃、40mL)で洗浄し、乾燥後、13.9g、(70%)IVHCl塩を得た。
Figure 0005247466
ステップ3:6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(V)の調製
Figure 0005247466
フラスコに、41.4gのNaOH(1.04mol、2.3当量)および134gのK、750mLの水および100mLのアセトニトリルを−5℃で入れた。50gのIV(0.45mol、1.0当量)を加え、この反応混合物を再び−5℃に冷却した。1〜2時間かけて、反応温度を−5〜0℃に維持しながら、20mLのAgNO水溶液(3.9g、0.0225mol、0.05当量)を反応混合物に加えた。反応混合物を0℃〜2℃に加温し、反応が完了するようにした。完了時、混合物を室温に加温し、360mLのTBMEで希釈した。層が分離し、水層をTBMEで抽出した。複合有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過した。溶液を分留して精製し、Vを無色の油として得た。これは、静置によって固化し、白色の結晶性固体Vを形成した。(65〜75%収率)。
Figure 0005247466
ステップ4および5:対応するシアノ−化合物(VI)を経由する6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2(RS)−カルボン酸メチル(VIIA)の調製
Figure 0005247466
フラスコに、47gのイミンV(0.43mol、1.0当量)、350mLのメタノールおよび30.9gKCN(0.47mol、1.1当量)を入れた。混合物を−5℃に冷却し、85.0mlのHCl(MeOH中0.2g/ml)(0.46mol、1.1当量)を、温度を−5〜−2℃に維持しながら滴下添加した。反応が完了するまで混合物を攪拌し、次にこの反応混合物を−20℃〜−30℃に冷却し、反応温度を維持しながら64.5gの気体状HCl(1.77mol、4.1当量)をゆっくりと反応混合物中にバブリングした。添加し終えると、反応混合物をゆっくりと室温に温めた。
Figure 0005247466
次に、この反応混合物を−20〜30℃に冷却し、反応温度を維持しながらpHが10になるまで29.0gの気体アンモニア(1.81mol、4.2当量)を反応混合物中にゆっくりとバブリングした。反応混合物を−10℃に温め、ろ過してろ過ケークをTBMEで洗浄した。ろ液を濃縮し、水およびTBMEで残渣を抽出した。層の分離後、TBME溶液をMgSOで乾燥し、ろ過して減圧下で濃縮し、58gのVIIA(82%収率)を得た。
Figure 0005247466
Figure 0005247466
フラスコ内に、329mlのメタノール、47gの先に調製した式Vのイミンのラセミ混合物および30.9gのKCN(1.1当量)を入れた。この混合物を攪拌して−10℃の温度に冷却した。冷却した混合物に、引き続き攪拌しながら28.4gの氷酢酸(1.1当量)を約30分間かけて加えた。この間、この温度を維持し続けた。酢酸の添加後、この温度を維持しながら混合物を数分間攪拌した。全てのイミンがシアノ付加物(式VIのラセミ化合物)に変わると、反応混合物の温度を約−25℃に低下させて、66gのHClガスを反応混合物中にバブリングした。HClガスを散布している間、反応混合物の温度は−10℃未満に維持した。全量のHClを混合物中にバブリングした後、混合物を室温に加温し、さらに16時間かき混ぜてシアノ化合物の加水分解を完了させると、式VIIのラセミ化合物を得た。
加水分解が完了した後、反応混合物を117ml容量に濃縮した。濃縮に続いて、376mlのMTBEおよび188mlの水を加えた。混合物を−5℃に冷却し、94mlのHO中18.3gのKPOを含む水溶液を攪拌しつつこの温度を維持しながら加えた。63.3mlの25%NaOH水溶液を加えて混合物のpHをpH9.5に調整した。このプロセス中、反応混合物の温度を−5℃〜0℃の温度に維持した。反応混合物の有機層および水層が分離した。水層を235mlのMTBEで抽出した。MTBE抽出物を有機層と組み合わせて、この複合有機物を5アリコートのブライン溶液で洗浄した。生じた有機溶液を、この進歩的なプロセスの次のステップで使用した。1アリコートの溶液をGCで分析すると、式VIIaのラセミ体のアザビシクロカルボン酸塩を、使用した式Vのイミンの量に対して82%収率で得たことが示された。
ステップ6:6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−(2S)−カルボン酸メチルD−DTTA塩(IB)の調製
Figure 0005247466
フラスコに、4.2gのD−DTTA(10.mmol)および22mLのメタノールを室温で入れた。この反応混合物が溶解するまで攪拌した。次に、41mlのTBME中に3.7g(21.9mmol)のVIIAを加えたもの4.2gを10分間かけて加え、反応混合物を30分、または塩が形成され始めるまで攪拌した。次に、この反応混合物を40〜50℃に加温して1時間その温度で保持した。次に、混合物を15〜25℃の温度に20分間かけて冷却し、1時間攪拌した。懸濁液をろ過し、ろ過ケークをTBME(15ml)で洗浄した。ケークを40〜50℃の温度で乾燥して、典型的な収量4.86〜5.0g(40〜42%)のIBを95〜97%e.e.で得た。
Figure 0005247466
任意の変換ステップ:6,6−ジメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−(2S)−カルボン酸塩D−DTTA塩(IB)を対応する塩酸塩へ変換する
Figure 0005247466
オーバーヘッドスターラー、漏斗および付加漏斗の付いた、半分覆われている3首フラスコに、ステップ6で調製した200.13g(360.2mmol)のDTTA塩を入れた。漏斗を通して、周囲条件下で60mlのイソプロパノール(加えた塩の量に対して2.18当量)、および450ml(10.49当量)のt−ブチルメチルエーテル(MTBE)を加えた。漏斗を取り外し、フラスコを代わりに温度プローブで密閉した。付加漏斗を介して、攪拌しながら、周囲条件下で、87mlの4.97M i−プロパノール/HCl(1.20当量)を15分間かけて反応混合物に加えた。HClを添加し終えた後に5分間攪拌し続け、さらに670mLのMTBEをその後2.5時間かけて攪拌し続けながら、周囲条件下で付加漏斗を介して加えた。追加のMTBEを添加し終えた後、1.25時間周囲条件下で攪拌し続けた。終了時に、反応混合物を10.0℃に冷却して30分静止のままにさせた。生じた沈殿物をブフナー漏斗で回収し、次のような溶媒のアリコートで洗浄した(各アリコートを4℃の温度に冷却してからろ液を洗浄した):2アリコートの150mL MTBEを連続して、次に1アリコートの120mL MTBE。得られた白色の固体を室温にて真空オーブンで(23.5mmHg)3日間乾燥し、その間真空オーブンに窒素パージを施した。乾燥した生成物の重量から、66.27g(使用した出発時の塩の量に対して89.4%収率)の未補正収量(uncorrected yield)が示された。
本発明について、上記の詳細な実施形態と関連させながら述べてきたが、これらの多くの代替物、改良および他の変更については、当業者であれば明らかとなる。このような代替物、改良および変更は全て、本発明の精神および範囲内に含まれることが意図される。

Claims (35)

  1. 式IAの(1R,2S,5S)塩または式IaAの(1S,2R,5R)塩を調製するプロセスであり、
    Figure 0005247466
    式中Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキル基を表し;「Xd」はD−DTTA(ジ−p−トルオイル−D−酒石酸)およびD−DBTA(ジベンゾイル−D−酒石酸)から選択され、「Xl」はL−DTTA(ジ−p−トルオイル−L−酒石酸)およびL−DBTA(ジベンゾイル−L−酒石酸)から選択され、前記プロセスは、
    (1)式IIの化合物:
    Figure 0005247466
    を、式IIIの化合物:
    Figure 0005247466
    に変換するステップと、
    (2)式IIIの前記化合物を還元して、式IVの化合物:
    Figure 0005247466
    を生成するステップと、
    (3)式IVの前記化合物を酸化して、式VaおよびVbのイミン:
    Figure 0005247466
    を含むラセミ混合物を生成するステップと、
    (4)式VaおよびVbの前記イミンの前記ラセミ混合物をシアノ化して、式VIのトランス化合物のラセミ混合物:
    Figure 0005247466
    を形成するステップと、
    (5)必要に応じて単離させることなく、前記式VIの化合物のラセミ混合物においてROHで加溶媒分解を行い、式VIIの化合物のラセミ混合物:
    Figure 0005247466
    を形成するステップであって、ここでRは上記の通りである、ステップと、
    (6)前記式VIIの化合物のラセミ混合物を、(i)ジ−p−トルオイル−D−酒石酸およびジベンゾイル−D−酒石酸ならびに(ii)ジ−p−トルオイル−L−酒石酸およびジベンゾイル−L−酒石酸から選択される酸と反応させるステップであって、該(i)ジ−p−トルオイル−D−酒石酸およびジベンゾイル−D−酒石酸と反応させると、式IAの前記塩化合物:
    Figure 0005247466
    を形成し、該(ii)ジ−p−トルオイル−L−酒石酸およびジベンゾイル−L−酒石酸と反応させると、式IaAの前記塩化合物:
    Figure 0005247466
    を形成し、上記式中R、Xl、およびXdは上記の通りである、ステップ
    を含むプロセス。
  2. Rはアルキルである、請求項1に記載のプロセス。
  3. Rは(C〜C)アルキルである、請求項1に記載のプロセス。
  4. Rはベンジルまたはフェニルである、請求項1に記載のプロセス。
  5. 式IIの前記化合物が、式IIIの化合物に1つのステップで変換される、請求項1に記載のプロセス。
  6. 式IIの前記化合物は、第一に式IIの前記化合物が式IIBの化合物
    Figure 0005247466
    に変換され、第二に式IIBの化合物が式IIIの化合物に変換される、二つのステップを含むプロセスで式IIIの化合物に変換され、上記式中Rはアラルキル、置換アラルキル、またはアルケニルである、請求項1に記載のプロセス。
  7. はベンジルまたはアリルである、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記式VIIの化合物のラセミ混合物を、ジ−p−トルオイル−D−酒石酸と反応させて、式IAの化合物の(1R,2S,5S)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩を沈殿させる、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は90〜98%e.e.である、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は94〜96%e.e.である、請求項8に記載のプロセス。
  11. 式VIIの前記ラセミ化合物を、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸と反応させて、式IaAの化合物の(1S,2R,5R)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を沈殿させる、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は90〜98%e.e.である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は95〜97%e.e.である、請求項11に記載のプロセス。
  14. 「R」はメチルである、請求項8および11のいずれかに記載のプロセス。
  15. 前記沈殿物を上清から分離し、前記上清をジ−p−トルオイル−D−酒石酸と反応させて、式IAの化合物の(1R,2S,5S)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩を沈殿させるステップをさらに含む、請求項11に記載のプロセス。
  16. 変換ステップ1はDMAPおよびホルムアミドを用いて行われる、請求項1に記載のプロセス。
  17. 変換ステップ1は水酸化アンモニウムおよび酢酸ブチルを用いて行われる、請求項1に記載のプロセス。
  18. 還元ステップ2の前記還元剤は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムジヒドリドナトリウム、およびボランからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  19. 酸化ステップ3の前記酸化剤は、K/AgNO、ヨードソベンゼン、二酸化マンガン(IV)、およびH/[(R,R)−または(S,S)−サレン]MnIIIClからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  20. 前記酸化ステップ3は、前記反応混合物をMTBEで抽出することによって式(V)の前記生成物の化合物を単離し、メタノールを前記MTBE抽出物に加え、前記MTBEを蒸留して式(V)の前記化合物のメタノール溶液を生成するステップをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  21. 前記シアノ化ステップ4のシアノ化剤は、(i)HCN;ならびに(ii)酸の存在下でのKCN、NaCNおよびトリメチルシリルシアニド(TMSCN)から選択される、請求項1に記載のプロセス。
  22. 加溶媒分解ステップ5の前記溶媒はメタノールである、請求項1に記載のプロセス。
  23. 加溶媒分解ステップ5は、HCl、HBr、HI、およびHSOからなる群より選択される酸をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  24. 前記式VIIの化合物のラセミ混合物を、ジベンゾイル−D−酒石酸と反応させて、式IAの前記化合物の(1R,2S,5S)−ジベンゾイル−D−酒石酸塩を沈殿させる、請求項1に記載のプロセス。
  25. 鏡像体過剰率は85%e.e.〜95%e.e.である、請求項24に記載のプロセス。
  26. 鏡像体過剰率は85%e.e.〜90%e.e.である、請求項25に記載のプロセス。
  27. 式VIIの前記ラセミ化合物を、ジベンゾイル−L−酒石酸と反応させて、式IaAの化合物の(1S,2R,5R)−ジベンゾイル−L−酒石酸塩を沈殿させる、請求項1に記載のプロセス。
  28. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は85%e.e.〜95%e.e.である、請求項27に記載のプロセス。
  29. 前記沈殿物の鏡像体過剰率は85%e.e.〜90%e.e.である、請求項28に記載のプロセス。
  30. 「R」はメチルである、請求項24および27のいずれかに記載のプロセス。
  31. 前記沈殿物を上清から分離し、前記上清をジ−p−トルオイル−D−酒石酸と反応させて式IAの化合物の(1R,2S,5S)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸塩を沈殿させるステップをさらに含む、請求項30に記載のプロセス。
  32. 請求項1〜31のいずれか一項に記載のプロセスから得られる、次式の化合物:
    Figure 0005247466
    であって、式中Rはアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキル基を表し、XはD−DTTA(ジ−p−トルオイル−D−酒石酸)、またはD−DBTA(ジベンゾイル−−酒石酸)である、化合物。
  33. RはC〜Cアルキルである、請求項32に記載の化合物。
  34. Rはメチルである、請求項32に記載の化合物。
  35. 請求項1〜31のいずれか一項に記載のプロセスの(2)のステップから得られる、次式の化合物:
    Figure 0005247466
    であって、式中XはCl、Br、I、NO、またはHSOである、化合物。
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