JP5248082B2 - 空気入りタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ用ゴム組成物に関するものである。
空気入りタイヤ、特に高性能タイヤにおいては、乾燥路面及び湿潤路面におけるグリップ性能、制動性能及び操縦安定性が高いレベルで要求される。
一般的に、湿潤路面及び乾燥路面におけるグリップ性能を向上するためには、フィラーとオイルの配合量を増やす手法が用いられるが、その場合、発熱性、耐摩耗性が低下してしまう。また、未加硫状態での粘度が上昇し、充填剤の分散性が悪化するため、十分な性能を得るためには、混合回数が増加するなど作業性が低下する。他の手法として、ガラス転移点の高いポリマーをゴム成分として使用することも考えられるが、その場合、発熱性や耐摩耗性の低下を招き、温度依存性の悪化により乾燥路面での操縦安定性の悪化をひきおこす。
湿潤路面におけるグリップ性能を向上するために、一般にシリカが使用されているが、シリカを使用すると、混合回数の増加、押し出し速度の低下など、作業性が大きく劣る。かかる問題に対し、保護化メルカプトシランをシランカップリング剤として配合することにより、湿潤路面及び乾燥路面におけるグリップ性能を維持したまま、混合中のゴム成分へのシリカの取り込み、シリカ分散性を向上させ、これにより、作業性及び発熱特性を改良することが可能である(下記特許文献1参照)。しかしながら、シリカの分散性向上により、硬度及び動的弾性率E’が低下するため、乾燥路面での操縦安定性の悪化が懸念される。
一方、乾燥路面での操縦安定性を向上させるための手法としては、フィラーの増量、オイルの減量、硬化剤の添加などにより、ゴム硬度を高めることが考えられるが、その場合、湿潤路面でのグリップ性能が悪化してしまう(下記特許文献2参照)。
下記特許文献3には、転がり抵抗が低いタイヤトレッドのためのゴム組成物として、硫黄を含有しC=C二重結合に対する反応性を有する化合物で変成されたゴムゲルと、ジエン系ゴムとを混合したものが開示されている。
下記特許文献4には、湿潤路面における耐スリップ性と転がり抵抗の改善、更には耐摩耗性向上のため、溶液重合スチレンブタジエンゴムと、シリカと、カーボンブラックと、ゴムゲルを配合したゴム組成物が開示されている。
下記特許文献5には、高いグリップ性能と良好な耐熱ダレ性を両立させるため、ジエン系ゴム55〜95重量部、トルエン膨潤指数が16〜70のジエン系ゴムゲル5〜45重量部及びカーボンブラック75〜133重量部を含んでなるタイヤトレッド用ゴム組成物が開示されている。
これらの文献には、タイヤ用ゴム組成物において、ゴムゲル(ポリマーゲル)を配合することは開示されているものの、本発明のような高いガラス転移点を持つポリマーゲルを用いる点は開示されておらず、またそれにより、他の特性を損なうことなく、乾燥路面における操縦安定性を改良し得ることについても示唆されていない。
特表2001−505225号公報。 特開2006−225448号公報。 特許第3739198号公報。 特表2004−530760号公報 特開2006−282837号公報。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、特定のポリマーゲルを用いることにより、グリップ性能を維持したまま、ゴム加工の作業性、及び発熱特性を改良し、更に、乾燥路面における操縦安定性を改良することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤ用ゴム組成物は、有機リチウム化合物を開始剤とする1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合により得られたガラス転移点が−40℃以上の共重合体ゴムの単独、又は該共重合体ゴム50重量%以上と他のジエン系ゴム50重量%以下とのブレンドからなるゴム成分と、前記ゴム成分100重量部に対して20〜100重量部のシリカと、前記シリカ100重量部に対して2〜25重量部のシランカップリング剤とを含有し、更に、トルエン膨潤指数Qiが16未満かつガラス転移点が20〜80℃でありかつスチレンブタジエンゴムからなるジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲルを、前記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部含有するものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物からなるトレッドを備えるものである。
本発明によれば、ガラス転移点の高いスチレンブタジエンゴムに対し、充填材としてのシリカと、シランカップリング剤を配合し、更に特定のポリマーゲルを配合したことにより、グリップ性能を維持したまま、ゴム加工の作業性、及び発熱特性を改良することができ、更に、乾燥路面における操縦安定性を改良することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明に係るゴム組成物において、ゴム成分として使用される共重合体ゴムは、有機リチウム化合物を開始剤とする1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合により得られるスチレンブタジエンゴム(SBR)、すなわち溶液重合SBRである。かかる共重合体ゴムは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルなどの不活性有機溶媒を用いた公知の溶液重合法により製造することができ、上記有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、1,4−ジリチウムブタンなどのアルキレンジリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられる。この共重合体ゴムは、スズ系、ケイ素系、アルコキシシラン系カップリング剤により、その共重合体鎖末端が処理されたものであってもよく、また、末端または主鎖がシリカのシラノール基と相互作用や化学反応性を有する官能基(例えば、水酸基やアミノ基)で変性されたものであってもよい。
上記共重合体ゴムとしては、ガラス転移点(Tg)が−40℃以上のものを用いる。このようなガラス転移点の高い共重合体ゴムを使用することにより、湿潤路面および乾燥路面におけるグリップ性能を向上することができる。ガラス転移点の上限は特に限定されないが、通常0℃以下である。ここで、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定される値(昇温速度20℃/分)である。
本発明に係るゴム組成物におけるゴム成分は、上記共重合体ゴムの単独、又は該共重合体ゴム50重量%以上と他のジエン系ゴム50重量%以下とのブレンドゴムからなる。該共重合体ゴムの比率が50重量%未満では、上記した本発明の効果を充分に発揮することができない。ここで、他のジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、天然ゴムの他、上記共重合体ゴム以外のスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどのジエン系合成ゴムが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明に係るゴム組成物に使用されるシリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。シリカは、ゴム成分100重量部に対して20〜100重量部にて配合されることが好ましく、より好ましい配合量は、下限が40重量部、上限が90重量部である。シリカの配合量が20重量部未満では、十分なグリップ性能の向上効果が得られにくい。
本発明に係るゴム組成物において、充填剤は、上記シリカ単独でもよいが、シリカとともにカーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックは、ゴム成分100重量部に対して、0〜100重量部にて配合されることが好ましい。また、シリカとカーボンブラックは、その合計量で70〜150重量部にて配合されることが好ましい。なお、本発明のゴム組成物においては、充填剤として上記シリカ及びカーボンブラックの他に、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク等を他のフィラーを配合することもできる。
本発明に係るゴム組成物に使用されるシランカップリング剤は、一般にはシリカとゴム成分を結合するものであるが、本発明では、更に、ポリマーゲルと反応又は架橋することでゴム組成物の硬度を上げる作用も奏するものと考えられる。
該シランカップリング剤は、例えば、スルフィド、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基などのポリマーと反応し得る有機部と、ハロゲンやアルコキシ基などを有する有機シラン化合物であり、公知の種々のシランカップリング剤を用いることができる。好ましくは、下記一般式(1)で表されるスルフィドシランや、下記一般式(2)で表される保護化メルカプトシランを用いることである。
(C2H5O)3Si−CyH2y−Sx−CyH2y−Si(OC2H5)3…(1)
(CnH2n+1O)3Si−CmH2m−S−CO−CkH2k+1…(2)
上記式(1)中、yは1〜9の整数、好ましくは2〜5であり、xは1〜4、好ましくは2〜4である。詳細には、xは通常分布を有しており、即ち、硫黄連鎖結合の数が異なるものの混合物として一般に市販されており、xはその平均値を表す。式(1)で表される好ましいスルフィドシランの具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィドなどが挙げられる。
上記式(2)中、nは1〜2の整数、mは1〜5の整数、kは5〜9の整数である。式(2)で表される保護化メルカプトシランは、特表2001−505225号公報に記載の方法に準拠して製造することができる。好ましい例としては、式(2)においてn=2,m=3,k=7である保護化メルカプトシランが、GEシリコーンズ社から「NXT」にて市販されている。
シランカップリング剤の配合量は、上記した本発明の効果を充分に発揮させる上で、シリカ100重量部に対して2〜25重量部配合されることが好ましく、より好ましくは5〜15重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、特定のジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲルが配合される。かかるポリマーゲルは、ゴム分散液を架橋することにより製造することができる。該ゴム分散液としては、乳化重合により製造されるゴムラテックス、溶液重合されたゴムを水中に乳化させて得られるゴム分散液などが挙げられ、また、架橋剤としては、有機ペルオキシド、有機アゾ化合物、硫黄系架橋剤など挙げられる。また、ゴム粒子の架橋は、ゴムの乳化重合中に、架橋作用を持つ多官能化合物との共重合によっても行うことができる。具体的には、特許第3739198号公報、特許第3299343号公報、特表2004−504465号公報、特表2004−506058号公報などに開示の方法を用いることができる。
ポリマーゲルを構成するジエン系ポリマーとしては、上記した各種ジエン系ゴムが挙げられ、これらはいずれか単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。特には、スチレンブタジエンゴム(SBR)を主成分とするものが好ましい。
該ポリマーゲルとして、本発明では、トルエン膨潤指数Qiが16未満であるものを用いる。トルエン膨潤指数Qiは、より好ましくは1〜15であり、更に好ましくは3〜8である。トルエン膨潤指数Qiが1未満では、粒子の硬度が高いために加工時の作業性やゴム物性が損なわれるおそれがあり、他方、Qiが16以上であると、粒子の補強効果が不足するために操縦安定性が悪化するばかりでなく、耐摩耗性など他のタイヤ特性にも悪影響を及ぼす。なお、ポリマーゲルのゲル含量は、特に限定されないが、94重量%以上であることが好ましい。
ここで、トルエン膨潤指数及びゲル含量は、ポリマーゲルをトルエンに膨潤させた後、乾燥させることにより測定される。すなわち、ポリマーゲル250mgを、トルエン25mL中で、24時間、振とう下に膨潤させ、20000rpmで遠心分離してから、濡れ質量を秤量し、次いで70℃で質量一定まで乾燥させてから、乾燥質量を秤量する。ゲル含量は、使用されたポリマーゲルに対する乾燥後のポリマーゲルの重量比率(%)である。また、トルエン膨潤指数は、Qi=(ゲルの濡れ質量)/(ゲルの乾燥質量)により求められる。
該ポリマーゲルとして、本発明では、また、ガラス転移点(Tg)が20〜80℃であるものを用いる。ガラス転移点は、より好ましくは40〜80℃であり、更に好ましくは50〜70℃である。このようなガラス転移点の高いものを用いることにより、ゴム組成物の硬度を効果的に高めて、乾燥路面での操縦安定性を向上することができる。ここで、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定される値(昇温速度20℃/分)である。
該ポリマーゲルとしては、OH(ヒドロキシル)基を有する化合物で変性されたものが好ましく用いられる。ポリマーゲルは、ジエン系ポリマーからなるものであり、粒子表面にC=C二重結合を有するため、OH基を有するとともにC=C二重結合に対する反応性を有する化合物を用いることで、粒子表面にOH基を組み込むことができる。
このような化合物(変性剤)としては、例えば、特表2004−506058号公報に記載されているように、ヒドロキシブチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、ポリマーゲルの粒径は、特に限定されないが、平均粒径(DIN 53 206によるDVN値)で20〜600nm程度のものが好適に用いられる。
このようなポリマーゲルを配合することにより、次の作用効果が奏される。すなわち、該ポリマーゲルは、上記のように高いガラス転移点を持つものであるため、タイヤ使用状態での効果的な硬度アップに寄与する。また、ポリマーゲルは、表面に二重結合を有しているため、シランカップリング剤と反応又は架橋可能であり、シランカップリング剤を介してポリマーゲルとシリカを結合することができるため、この点からも硬度が高くなる。そのため、乾燥路面の操縦安定性を効果的に高めることができる。特に、ポリマーゲルがOH基を有する化合物で変性されている場合、表面に有する官能基であるOH基がシランカップリング剤と反応し、シランカップリング剤を介してポリマーゲルとゴム成分とを結合することができるため、更なる硬度アップが図られ、乾燥路面での操縦安定性を更に向上することができる。また、該OH基はシリカ表面のシラノール基とも相互作用可能であるため、この点からも性能向上が図られる。
該ポリマーゲルは、上記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部にて配合され、より好ましい配合量は3〜20重量部である。ポリマーゲルの配合量が少なすぎると、上記効果が不十分となる。逆に、ポリマーゲルの配合量が多すぎると、湿潤路面でのグリップ性能を損なうことになる。
本発明に係るゴム組成物には、上記した成分の他に、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
以上よりなる本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤ、特に、高性能の空気入りラジアルタイヤ(例えば、レース用タイヤ)のトレッド部のためのゴム組成物として好適に用いられ、常法に従い加硫成形することにより、該トレッド部を形成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・SBR1:ランクセス社製の溶液重合SBR「VSL5025−OHM」(ガラス転移点Tg=−15℃)、
・SBR2:JSR株式会社製「SBR1502」(ガラス転移点Tg=−66℃)、
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製「ダイヤブラックN234」、
・シリカ:デグサ社製「Ultrasil7000GR」(BET比表面積=170m2/g、CTAB比表面積=160m2/g)、
・シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、デグサ社製「Si−75」、
・ポリマーゲル1:ラインケミー社製「マイクロモフMn1」(SBRをベースとするポリマーゲル、トルエン膨潤指数Qi=7、ゲル含量=96重量%、Tg=65℃、OH基変性品)、
・ポリマーゲル2:ラインケミー社製「マイクロモフMn4」(SBRをベースとするポリマーゲル、トルエン膨潤指数Qi=6、ゲル含量=97重量%、Tg=−15℃、OH基変性品)。
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100重量部に対して、アロマ系プロセスオイル(株式会社ジャパンエナジー製「JOMOプロセスNC−140」)40重量部、ステアリン酸(花王株式会社製「ルナックS−20」)2重量部、亜鉛華(三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」)3重量部、老化防止剤(フレキシス社製「サントフレックス6PPD」)2重量部、ワックス(日本精鑞株式会社製「オゾエース0355」)2重量部、加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーCZ−G」)1.5重量部、及び、硫黄(細井化学工業株式会社製「粉末硫黄150メッシュ」)2.1重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について加工性と発熱特性を評価するとともに、各ゴム組成物を用いて空気入りラジアルタイヤを作製した。タイヤサイズは225/45ZR17として、そのトレッドに各ゴム組成物を適用し、常法に従い加硫成形することによりタイヤを製造した。得られた各タイヤについて、湿潤路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性)と、乾燥路面での操縦安定性を評価した。各評価方法は次の通りである。
・加工性:島津製作所製のムーニー粘度計により測定されるムーニー粘度により加工性を評価した。試験法は、JIS K6300に準拠し、比較例1の値を100として逆指数表示した。数値が大きいほど、粘度が低く、加工性が良好であることを示す。
・発熱特性:上島製作所製の定応力フレクソメータにより測定される温度上昇により発熱特性を評価した。試験方法は、JIS K6265に準拠して行い、比較例1を100として逆指数表示した。数値が大きいほど、発熱しにくく、発熱特性が良好であることを示す。
・ウェットグリップ性:2500ccのセダンに上記タイヤを4本装着し、2〜3mmの水深で水をまいた路面上を走行した。時速100kmにて摩擦係数を測定し、ウェットグリップ性を評価した。比較例1の値を100とした指数で表示し、数値が大きいほど、グリップ性能が良好であることを示す。
・乾燥路面での操縦安定性:2500ccのセダンに上記タイヤを4本装着し、官能テスト担当ドライバーが操舵応答性、走行安定性などに注意しながらテストコースを高速で走行して操縦安定性を評価した。結果は、コントロールの比較例1と比較して、優れているものとを「+2」、やや優れているものを「+1」、同等のものを「±0」、やや劣っているものを「−1」、劣っているものを「−2」として表示した。
Figure 0005248082
結果は表1に示すとおりであり、本発明に係る実施例であると、コントロールである比較例1に対して、ウェットグリップ性を維持したまま、加工性、発熱特性、及び乾燥路面における操縦安定性を改良することができた。これに対し、ポリマーゲルを配合しているものの、そのガラス転移点が高いものを用いた比較例2では、乾燥路面での操縦安定性の向上効果は得られなかった。
[第2実施例]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表2中の各成分は以下の通りである。
・SBR3:旭化成株式会社製の溶液重合SBR「TUFDENE E50」(ガラス転移点Tg=−30℃)、
・シリカ:東ソー・シリカ株式会社製「ニップシールAQ」(BET比表面積=210m2/g、CTAB比表面積=170m2/g)、
・SBR2、カーボンブラック、シランカップリング剤、ポリマーゲル1及びポリマーゲル2は、第1実施例と同じ。
各ゴム組成物には、共通配合として、上記第1実施例と同じ添加剤を配合した。そして、得られた各ゴム組成物について、第1実施例と同様に、加工性と発熱特性を評価するとともに、空気入りラジアルタイヤを作製して、湿潤路面でのグリップ性能(ウェットグリップ性)と、乾燥路面での操縦安定性を評価した。各評価方法は、上記第1実施例と同じである。但し、いずれの試験項目も比較例5をコントロールとして、加工性、発熱特性及びウェットグリップ性では比較例5の値を100とした指数で表示し、操縦安定性では比較例5との比較で−2〜+2の五段階で表示した。
Figure 0005248082
結果は表2に示すとおりであり、第1実施例と同様の傾向が見られた。
本発明に係る空気入りタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッドに好適に用いることができ、特に、高性能ラジアルタイヤのトレッドゴムとして好適である。

Claims (2)

  1. 有機リチウム化合物を開始剤とする1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合により得られたガラス転移点が−40℃以上の共重合体ゴムの単独、又は該共重合体ゴム50重量%以上と他のジエン系ゴム50重量%以下とのブレンドからなるゴム成分と、前記ゴム成分100重量部に対して20〜100重量部のシリカと、前記シリカ100重量部に対して2〜25重量部のシランカップリング剤とを含有し、
    更に、トルエン膨潤指数Qiが16未満かつガラス転移点が20〜80℃でありかつスチレンブタジエンゴムからなるジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲルを、前記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部含有する空気入りタイヤ用ゴム組成物。
  2. 請求項1記載のゴム組成物からなるトレッドを備えた空気入りタイヤ。
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