JP5249049B2 - 止血弁を有するコネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテル等を治療対象箇所に挿入する際に使用される止血弁を有するコネクタに関するものである。
PTCA(経皮的冠動脈形成術)といった心臓疾患の治療等においては、カテーテル等の導入部材が用いられ、当該導入部材はガイディングカテーテルを用いて治療対象箇所まで挿入される。このガイディングカテーテルには、その基端部にコネクタが取り付けられている。
コネクタとしては、例えば特許文献1に示すようなYコネクタがある。Yコネクタは、第1管部と当該第1管部から分岐させて設けられた第2管部とを有しており、第1管部を介して導入部材がガイディングカテーテル内に導入されるとともに、第2管部には生理食塩水や造影剤を供給するための液剤供給器などが接続される。
上記コネクタには、第1管部の途中位置にて当該第1管部と導入部材との間の隙間を閉塞し、当該隙間を介した血液の流出を抑制するための止血弁が設けられている。また、導入部材の操作性を一時的に向上させる上で、止血弁の閉塞状態を開放状態とするための開閉手段としてのオープナが設けられている。
特開2005−261759号公報
ここで、カテーテルなどを用いた治療行為においては、一方の手でコネクタを把持しながら、他方の手でカテーテルの挿入作業や造影剤の供給作業などが行われる。つまり、オープナによる止血弁の開閉作業は片手で行われるものであり、その操作性の向上を図る必要がある。これに対して、上記特許文献1のコネクタでは、止血弁を少なくとも開放状態において維持するにはその開放状態とする位置にオープナを手で保持する必要があり、その操作が煩雑である。
また、上記構成において、オープナは止血弁の弾性力により当該止血弁を閉塞させる位置に向けて付勢されており、上記保持を止めることにより自ずとオープナが復帰し止血弁が閉塞状態になるものと考えられる。しかしながら、止血弁ではオープナを閉塞位置に復帰させるための十分な付勢力が与えられないおそれがあり、さらには治療行為が行われる過程で止血弁の付勢力が低減されることも考えられる。この場合、止血弁が閉塞状態となる位置までオープナを手で移動させる必要が生じ、その操作が煩雑となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、止血弁を有するコネクタについて、その止血弁を開閉する際の操作性の向上を図ることを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
本発明のコネクタは、
カテーテルなどの導入部材が挿通される管状基体と、
当該管状基体の管孔の周壁と前記導入部材との間の隙間を閉塞する止血弁と、
前記導入部材が挿通される挿通孔を有し、当該挿通孔が前記管孔と同一軸線上となるように前記管状基体の基端側から管孔内に挿入されており、さらに前記止血弁を開放させない閉塞位置及び当該止血弁を貫通し開放させる開放位置の各位置に前記軸線方向に沿って移動可能な開閉手段と、
前記開閉手段を前記閉塞位置に向けて付勢する付勢手段と、
前記開閉手段が前記付勢手段の付勢力に抗して前記軸線方向に沿って移動し前記開放位置に到達したことに基づいて当該開閉手段を開放位置にて保持するとともに、保持解除操作に基づいてその保持状態が解除される保持手段と
を備えている。
当該構成においては、管状基体に挿通した導入部材の操作性を一時的に向上させるためには、開閉手段を付勢手段の付勢力に抗して開放位置まで移動させ止血弁を開放状態とすればよい。この場合に、開閉手段は開放位置に到達したことに基づいて当該開放位置にて保持され、止血弁の開放状態が維持される。よって、止血弁を開放状態において維持するために開閉手段を開放位置に手で保持しておく必要はない。さらに開閉手段を開放位置まで移動させるだけでよく、開閉手段を開放位置にて保持させるための特別な操作を要しない。したがって、止血弁を開放する際の操作性の向上が図られる。また、付勢手段が設けられていることにより、保持解除操作を行い開閉手段の保持状態を解除することで当該開閉手段は自ずと閉塞位置に移動し、止血弁は閉塞状態となる。特に、開閉手段を閉塞位置に向けて付勢するための付勢力を、止血弁とは別に設けた付勢手段により与える構成としたことにより、開閉手段に対して十分な付勢力を与えることが可能となり、さらには治療行為が行われる過程で上記付勢力が低減されてしまうことも抑制できる。よって、止血弁の開閉操作について良好な状態が維持される。以上より、止血弁を開閉する際の操作性の向上が図られる。
なお、開閉手段としては、止血弁を貫通し当該止血弁を開放させる貫通部と保持手段に保持される被保持部とが一体形成された開閉部材が考えられ、またそれぞれ別体で設けられた貫通部と被保持部とを有する構成が考えられる。また、開閉手段を押圧操作するための操作部(押圧部)を上記開閉部材に一体形成する構成や、当該開閉部材とは別体として設ける構成が考えられる。さらには、貫通部と被保持部と押圧部とをそれぞれ別体で有する構成が考えられる。
また、付勢手段としては、つるまきバネ,皿バネ,板バネ,ゴム体,圧縮性流体を封入した封入部材などが考えられる。
また、保持手段としては、開閉手段の一部を受ける保持面部や、開閉手段の一部が入り込む保持孔部などが考えられる。
また、導入部材としては、カテーテルの他に、ガイドワイヤなどが考えられる。
保持手段について、開閉手段が閉塞位置から管状基体の先端側に向けて移動し開放位置に到達したことに基づいて当該開閉手段を開放位置にて保持するとともに、その保持状態とされた開閉手段が前記先端側に向けて移動したことに基づいて当該保持状態を解除する構成とすると良い。この場合、止血弁を開放状態とするための操作と同様の操作によって止血弁が閉塞状態に復帰することとなり、止血弁の開閉操作が統一され、当該操作性の向上が図られる。
開閉手段を管状基体の基端側から外方に突出させ、その突出部を止血弁を開閉する際の操作部位とすると良い。かかる構成においては、開閉手段を開放位置に移動させる場合、開閉手段の突出部を管状基体の先端側に向けて押圧操作すればよく、管状基体を把持した手で止血弁の開放操作を行う場合にその操作が行い易くなる。また、開閉手段を操作するための手段としては、開閉手段とは別に設けられる操作レバーなどが想定されるが、かかる構成においては操作レバーと開閉手段とをリンクさせる必要があり、当該リンク機構の付加によって構成の複雑化が懸念される。これに対して、本構成によれば、上記リンク機構を付加する必要はなく、かかる構成の複雑化が生じることはない。
突出部にはその突出側先端に、連続的に又は非連続的に環状となったフランジ部を設けると良い。この場合、開閉手段の軸線に対していずれの角度からも当該開閉手段を押圧操作することができ、開閉手段を押圧操作する際の操作性が向上する。
開閉手段について、開放位置にある場合、止血弁を貫通し当該止血弁を開放させる貫通部と、前記軸線を回転軸として回転可能であって前記貫通部とともに軸線方向に移動可能に設けられ、閉塞位置から開放位置に移動した場合、保持回転位置に回転し保持手段に保持され、保持解除操作に基づいて非保持回転位置に回転し保持状態が解除される回転部とを備えた構成とすると良い。この場合、貫通部によって止血弁を開閉する機能が果たされるとともに、回転部によって開放位置に自ずと保持される機能が果たされ、既に説明したとおり止血弁を開閉する際の操作性の向上が図られる。
上記のように貫通部と回転部とを備えた構成においては、回転部が前記付勢手段の付勢力に基づいて前記保持回転位置及び前記非保持回転位置に回転する構成とすると良い。この場合、開閉手段を閉塞位置に向けて付勢する付勢手段が回転部を回転させる手段として兼用され、部材点数の削減を図ることができる。
また、貫通部と回転部とを別体で設け、貫通部については軸線方向に延び挿通孔を有する構成とするとともに、回転部については筒状をなしその筒状内に貫通部が挿通された構成とし、さらに貫通部に対して回転部を、軸線方向に一体的に移動可能であって、回転部の回転移動が貫通部に伝達されないように組み付けると良い。この場合、回転部を用いて開閉手段が開放位置に自ずと保持されるようにした構成において、止血弁を開閉させる貫通部は軸線方向に移動するだけで回転はしない。よって、止血弁の開閉に際して貫通部の挿通孔内を通っている導入部材に回転部の回転移動が伝達してしまうことが防止され、導入部材の導入操作に影響を与えることなく止血弁を開閉する際の操作性の向上が図られる。
また、貫通部と回転部との間には、少なくとも回転部が前記保持手段に保持されている場合に、貫通部の前記閉塞位置への移動を阻止する阻止手段を設ける構成とすると良い。この場合、上記のとおり貫通部と回転部とを別体で設けた構成において、回転部が保持手段に保持された状況では貫通部も確実に開放位置に保持されることとなる。
なお、阻止手段としては、貫通部又は回転部のいずれか一方に規制部を設けるとともに、他方には貫通部が回転部から離間される方向に移動した際に上記規制部と当接する当接部を設ける構成が考えられる。なお、上記規制部又は当接部は、貫通部又は回転部に対して一体であっても別体であってもよい。
また、回転部について、外面側に前記保持回転位置において保持手段に保持される被保持部を有する構成とし、さらに貫通部について、回転部よりも管状基体の先端側に延びており、開放位置にある場合、当該貫通部の周面に対して止血弁の開口部が密接状となり被保持部側への血液の流入が抑制される構成とすると良い。この場合、止血弁の開放に際して被保持部に血液が付着してしまうことが抑制される。血液は比較的短時間で凝固してしまうため、被保持部に血液が付着すると、治療中において止血弁の開閉操作が良好に行えなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり被保持部に血液が付着してしまうことを抑制することで、長時間を要する治療であったとしても、止血弁の開閉操作について良好な状態が維持される。
開閉手段を、止血弁よりも基端側であって血液の流入が抑制された領域に設けると良い。この場合、付勢手段に血液が付着してしまうことが抑制される。上記のとおり血液は比較的短時間で凝固してしまうため、付勢手段に血液が付着すると、治療中において付勢手段の付勢力が低減され止血弁の開閉操作が良好に行えなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり付勢手段に血液が付着してしまうことを抑制することで、長時間を要する治療であったとしても、止血弁の開閉操作について良好な状態が維持される。
また、開閉手段を軸線方向に沿って延びる筒状とし、付勢手段を止血弁よりも基端側であって開閉手段の外側に設け、さらに前記開放位置にある場合、開閉手段の周面に対して止血弁の開口部が密接状となり付勢手段側への血液の流入が抑制される構成とすると良い。この場合、止血弁の開放に際して付勢手段に血液が付着してしまうことが抑制される。
また、付勢手段を止血弁よりも基端側に設けた構成においては、管状基体について、止血弁よりも基端側に付勢手段を収容する収容筒部を有する構成とし、当該収容筒部に保持手段を一体形成すると良い。この場合、付勢手段を収容する収容筒部において保持手段としての機能が兼用され、付勢手段を収容する機能と保持手段としての機能とを別に設ける構成に比して部材点数の削減を図ることができる。
第1の実施形態におけるYコネクタの構成を示す正面図。 Yコネクタの構成を示す縦断面図。 (a)は開閉ユニットを構成するカバー体を示す正面図、(b)は開閉ユニットを構成するオープナを示す正面図、(c)は開閉ユニットを構成する回転部品を示す正面図。 (a)は図3(a)のA―A線断面図、(b)は図3(b)のB―B線断面図、(c)は図3(c)のC―C線断面図。 止血弁の開閉の様子を説明するためのYコネクタの縦断面図。 開閉ユニットの動きを説明するための略図。 第2の実施形態におけるYコネクタの一部の構成を示す縦断面図。 Yコネクタの一部の構成を示す縦断面図。
符号の説明
10…Yコネクタ、11…管状基体を構成するコネクタ本体、14…管孔、25…管状基体を構成するスクリュ、31…管状基体を構成するプッシャ、36…止血弁、40…開閉ユニット、41…管状基体を構成するカバー体、42…開閉手段を構成するオープナ、43…開閉手段を構成する回転部品、51…連通孔としての内孔、52…貫通部としての内筒部、68…被保持部としての第2突起、70…阻止手段としてのC型ワッシャ、71…フランジ体、72…バネ、81…保持手段を構成する傾斜面、100…開閉ユニット、101…押圧部材、102…回転オープナ。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はYコネクタ10の構成を示す正面図、図2はYコネクタ10の縦断面図である。
Yコネクタ10は、透明性を有する合成樹脂によりY字状に形成されたコネクタ本体11を有している。コネクタ本体11は、管状をなしその軸線が直線状となった第1管部12と、当該第1管部12の途中位置から分岐させて設けられ、管状をなしその軸線が曲線状となった第2管部13とを有している。第1管部12の管孔14と第2管部13の管孔15とは連通されている。なお、第1管部12と第2管部13との分岐部分にはリブ16が形成されている。
第1管部12の先端部(図1の状態で見て下側)には、ガイディングカテーテルを装着するためのローテータ18が取り付けられている。ローテータ18は二重円筒状をなしており、内孔18aは第1管部12の管孔14と同一軸線上にあり、外穴18bにはその周壁にガイディングカテーテルを装着するための装着溝が形成されている。Yコネクタ10に挿通されるカテーテルやガイドワイヤなどといった導入部材は、第1管部12の管孔14内を通りガイディングカテーテル内に導入される。なお、第2管部13の延出方向の端部には、生理食塩水や造影剤などといった液剤を供給するための液剤供給器等が接続される。
図2に示すように、第1管部12の管孔14の基端側はテーパ状段差部21を介して拡径されており、その拡径部22には固定弁23が収容されている。固定弁23は、シリコンゴムなどといった弾性を有する合成樹脂により筒状に形成されている。固定弁23は、外面を拡径部22の内面に対して密接状として、さらにテーパ状となった端面をテーパ状段差部21に対して密接状として保持されている。この場合、固定弁23の弁孔23aは管孔14と同一軸線上にある。
第1管部12の基端部にはスクリュ25が取り付けられており、スクリュ25の内部には固定弁23を圧縮するためのプッシャ31が収容されている。詳細には、スクリュ25は、透明性を有する合成樹脂により有底の円筒状に形成されている。スクリュ25の底部26にはその中央に貫通孔26aが形成されており、さらに貫通孔26aの周縁部にはスクリュ25外方に起立させて起立壁26bが形成されている。
スクリュ25の内面にはネジ山27が形成されており、これに対応させて第1管部12の基端部の外面にはネジ溝12aが形成されている。そして、スクリュ25の開口28に対して第1管部12の基端部が挿入され、ネジ山27とネジ溝12aとが噛み合っている。この場合、スクリュ25は第1管部12と同一軸線上にある。なお、スクリュ25の上記開口28側にはワッシャ29が嵌め込まれており、当該ワッシャ29が第1管部12の外面と当接し、スクリュ25の抜けが防止されている。
プッシャ31は、透明性を有する合成樹脂により円筒状に形成されており、プッシャ孔32の一方の開口側には他方の開口側に向けて拡径されたテーパ面33が形成されており、他方の開口側には段差部34を介して拡径された弁受入部35が形成されている。プッシャ31は、弁受入部35が形成された側の端面をスクリュ25の底部26に対して密接状として、さらには弁受入部35が形成された側の外面をスクリュ25の内面に対して密接状として、それぞれ接着されている。
スクリュ25が第1管部12に取り付けられた状態において、プッシャ31のテーパ面33が形成された側の端部は第1管部12の管孔14内に入り込んでいる。そして、プッシャ31は第1管部12の内面に密接状となっており、さらには固定弁23の基端側端面と密接状となっている。
上記のようにスクリュ25及びプッシャ31が設けられていることにより、固定弁23を圧縮状態とすることが可能である。つまり、スクリュ25を回転操作することにより、当該スクリュ25はネジ山27とネジ溝12aとの噛み合わせにより、第1管部12の先端に向けて移動する。そして、このスクリュ25の移動に合わせてプッシャ31も一体的に移動し、当該プッシャ31が固定弁23を押圧する。固定弁23は、上記のとおり第1管部12のテーパ状段差部21に当接しているためプッシャ31に押圧されることで圧縮状態となり、弁孔23aが縮径される。弁孔23aが縮径されることにより、Yコネクタ10に挿通されたカテーテルやガイドワイヤなどといった導入部材が留置される。なお、スクリュ25を上記回転操作とは逆方向に回転操作することにより、スクリュ25が第1管部12の基端に向けて移動し、固定弁23の圧縮状態が解除される。
プッシャ31の上記弁受入部35には、止血弁36が収容されている。止血弁36は、シリコンゴムなどといった弾性を有する合成樹脂により円盤状に形成されており、その中央には板厚方向に貫通したスリットが形成されている。止血弁36は、一方の端面側にフランジ37が一体形成されており、当該フランジ37はプッシャ31の段差部34に接着されている。この場合、フランジ37は段差部34に対して密接状となっている。また、止血弁36の一部はプッシャ31における弁受入部35よりも先端側に入り込んでいる。止血弁36が設けられていることにより、カテーテルやガイドワイヤなどといった導入部材の挿通状態においても、Yコネクタ10基端側への血液の流出が抑制される。
ここで、Yコネクタ10には、止血弁36を開閉操作するための開閉ユニット40が取り付けられている。そこで、当該開閉ユニット40について以下に説明する。図3は開閉ユニット40の主要な構成を分解して示す正面図、図4(a)は図3(a)のA―A断面図、図4(b)は図3(b)のB−B線断面図、図4(c)は図3(c)のC−C線断面図である。
開閉ユニット40は、主要な構成部品として、カバー体41と、オープナ42と、回転部品43とを備えている。カバー体41は、透明性を有する合成樹脂により円筒状に形成されている。カバー体41の内面はその軸線方向の途中位置にて段差状となっており、孔径がL1となった小径部45と孔径がL2となった大径部46とが形成されている(L1<L2)。なお、大径部46の孔径L2は、スクリュ25の孔径よりも若干大きく、且つスクリュ25の外径よりも若干小さく形成されている。
小径部45には、軸線方向に延びる複数(具体的には、4つ)のスライド溝47が90°間隔で形成されている(図4(a)参照)。各スライド溝47は、その深さ寸法が大径部46と小径部45との段差寸法分となっている。つまり、小径部45において対向するスライド溝47間の孔径は、大径部46の孔径L2と同一となっている。また、各スライド溝47は、一端が大径部46側に開放されているのに対して、他端は小径部45の周壁を内側に起立させるようにして形成された閉塞部48によって閉塞されている。なお、カバー体41の外面には、軸線方向に沿った突条リブ49が複数形成されており、剛性が高められている。
上記カバー体41には、一体的に組み付けられたオープナ42と回転部品43とが軸線方向にスライド可能に挿通されている。これらオープナ42及び回転部品43について詳細には、オープナ42は、透明性を有する合成樹脂により二重円筒状に形成されている。つまり、オープナ42は、図2等に示すように、所定の長さ寸法を有し内孔51を構成する内筒部52を備えており、さらに当該内筒部52の一方の端部から折り返すようにして形成され、内筒部52の外面との間で有底の外穴53を構成する外筒部54とを備えている。
内筒部52はその長さ寸法が外筒部54よりも大きくなっている。内孔51の孔径は第1管部12における拡径部22よりも先端側の孔径と略同一となっており、内孔51における外筒部54側の端部は外方に向けて拡径されるようにテーパ状となっている。外筒部54の外径L3は、カバー体41における小径部45の孔径L1と同一となっている(L3=L1)。なお、外筒部54の外径L3を小径部45の孔径L1よりも小さくしてもよい(L3<L1)。また、外筒部54の先端の外面には、上記カバー体41の各スライド溝47に1対1で対応させて複数(具体的には、4つ)の突起55が90°間隔で形成されている(図4(b)参照)。これら突起55の突出寸法は、上記スライド溝47の深さ寸法と同一となっている。つまり、外筒部54において対向する突起55間の外径L4は、カバー体41における大径部46の孔径L2と同一となっている(L4=L2)。なお、この外径L4を、小径部45の孔径L1よりも大きい範囲内において、大径部46の孔径L2よりも小さくしてもよい(L1<L4<L2)。また、外筒部54の内面には、外穴53の開口側が拡径されるようにテーパ面56が形成されている。
回転部品43は、透明性を有する合成樹脂により円筒状に形成されている。回転部品43の外面にはその軸線方向の途中位置にテーパ状段部61と直線状段部62とにより区画されて環状の凹部63が形成されている。また、凹部63を基準としてテーパ状段部61側は、所定長さに亘って外径が一定となっており(この部位を以下、基部64ともいう)、直線状段部62側は先細りしている(この部位を以下、先細り部65ともいう)。回転部品43の軸孔66には、上記テーパ状段部61に相当する位置に段差部67が形成されており、上記凹部63及び先細り部65に対応する部位に比して、上記基部64に対応する部位の孔径が大きくなっている。
基部64の外面には、オープナ42の上記各突起55に1体1で対応させて、複数(具体的には、4つ)の突起68が90°間隔で形成されている(図4(c)参照)。以下、オープナ42の突起55を第1突起55といい、回転部品43の突起68を第2突起68という。第2突起68の突出寸法は、第1突起55の突出寸法よりも大きくなっており、回転部品43において対向する第2突起68間の外径L5は、外筒部54において対向する第1突起55間の外径L4と同一となっている(L5=L4)。なお、この外径L5を、外筒部54の外径L3よりも大きい範囲内において、上記外径L4よりも小さくしてもよい(L3<L5<L4)。
回転部品43は、図2に示すように、オープナ42の外穴53内に挿入されている。この場合、オープナ42の内筒部52は回転部品43の軸孔66を貫通しており、内孔51は軸孔66と同一軸線上にある。そして、回転部品43は、その軸線を中心にオープナ42に対して回転可能となっている。
回転部品43の挿入方向の移動は、第2突起68がオープナ42の外筒部54の先端に当接することにより規制されている。この場合、回転部品43の回転位置によっては、第1突起55と第2突起68とが軸線方向に並び、さらにそれら軸線方向に並んだ一対の第1突起55と第2突起68とは当接する。この規制された位置(挿入側規制位置)において、オープナ42における回転部品43の凹部63と対向する位置には、阻止手段としてのC型ワッシャ70が取り付けられている。
C型ワッシャ70は、外筒部54の内面に形成された環状の溝部に嵌め込まれており、内周側が外穴53内に突出し、さらには回転部品43の凹部63内に入り込んでいる。このC型ワッシャ70が取り付けられていることにより、回転部品43を反挿入方向に移動させたとしても直線状段部62がC型ワッシャ70と当接する位置にてそれ以上の移動が規制され、オープナ42からの回転部品43の離脱が阻止されている。
ちなみに、上記のとおり回転部品43には先細り部65が形成されているため、C型ワッシャ70が取り付けられたオープナ42に対して回転部品43を挿入する際は、C型ワッシャ70が先細り部65のテーパ状の外面に当たることで当該先細り部65が若干弾性変形する。これにより、オープナ42に対する回転部品43の取り付けが可能となっている。
回転部品43が一体的に組み付けられたオープナ42は、カバー体41の大径部46側の開口から挿入されており、外筒部54が形成された側の端部が小径部45側の開口から外方に突出している。この場合、オープナ42の内孔51及び回転部品43の軸孔66は、カバー体41の孔部と同一軸線上にある。
オープナ42を小径部45側の開口から所定量突出させた状態においては、各スライド溝47のそれぞれに一対の第1突起55と第2突起68とが入り込んでいる。この入り込んだ状態では、上記軸線を中心としたオープナ42及び回転部品43の回転が阻止される。そして、オープナ42の挿入方向の移動は、第1突起55がスライド溝47の閉塞部48に当接する位置にて規制される(以下、この規制された位置を最大突出位置ともいう)。
オープナ42における外方に突出した側の端部には、円環状のフランジ体71が接着剤などによって固定されている。当該フランジ体71の外周側は、外筒部54の外面よりも外方に突出しており、オープナ42の反挿入方向の移動は、フランジ体71がカバー体41の端面に当接する位置にて規制される(以下、この規制された位置を最小突出位置ともいう)。なお、フランジ体71はその外径がカバー体41の外径よりも小さくなっており、上記最小突出位置においてフランジ体71はカバー体41の外面よりも外方に突出していない。
以上説明した開閉ユニット40は、スクリュ25に対して取り付けられている。詳細には、カバー体41の大径部46にはその開口から軸線方向の途中位置に亘って複数の嵌合用溝41aが形成されており(図4(a)等参照)、これに対応させて、スクリュ25には複数の嵌合用凸部25aが形成されている。そして、嵌合用溝41a内に嵌合用凸部25aが入り込むようにして、スクリュ25の外面に大径部46の内面が重ね合わされている。なお、スクリュ25とカバー体41とは接着剤によって固定されているが、その固定方法は任意である。オープナ42の内孔51及び回転部品43の軸孔66は、第1管部12の管孔14と同一軸線上にある。
図2に示すように、カバー体41内には、付勢手段としてのつるまきバネ72が収容されている。なお、付勢手段は、つるまきバネに限定されることはなく、皿バネ,板バネ,ゴム体,圧縮性流体を封入した封入部材が考えられる。つるまきバネ72は、オープナ42の内筒部52を挿通させた状態で設けられており、さらには回転部品43とスクリュ25との間において圧縮状態で設けられている。この場合、つるまきバネ72の一端は回転部品43の段差部67に接しており、他端はスクリュ25の底部26に接している。つるまきバネ72が設けられていることにより、オープナ42と回転部品43とはYコネクタ10の基端に向けて付勢されており、上記最大突出位置にある。
この最大突出位置においては、オープナ42の内筒部52の先端が貫通孔26aを介してスクリュ25内に入り込んでおり、止血弁36の基端側の端面に当接している。なお、かかる状態において当接していることは必須ではなく、両者が離間されていてもよい。ここで、上記のとおりスクリュ25における貫通孔26aの周縁部にはスクリュ25外方に起立させて起立壁26bが形成されており、当該起立壁26bにより内筒部52がガイドされている。これにより、第1管部12の管孔14に対するオープナ42の内孔51の位置ズレが生じないようになっている。
上記構成において、オープナ42のフランジ体71を押圧し、当該オープナ42を最小突出位置に向けてスライドさせることにより、オープナ42の内筒部52により止血弁36のスリットが押し広げられ、止血弁36が閉塞状態から開放状態となる(図5(b),(c)参照)。
ここで、本Yコネクタ10では、オープナ42を最小突出位置に向けてスライドさせ止血弁36を開放状態とした場合、回転部品43が回転することにより、開放状態が自ずと保持されるようになっている。そこで、かかる保持に関する構成について以下に説明する。
図3(a)に示すように、カバー体41の小径部45には、大径部46との段差部分となる端面が傾斜面81となっている。上記のとおり小径部45には複数のスライド溝47が等間隔で形成されており、上記傾斜面81は各スライド溝47間に形成されている。これら各傾斜面81は全て同一形状をなしており、同一の方向に傾斜している。傾斜面81は、保持用段差部82によって軸線方向に段違いとなっており、保持用傾斜面83とそれよりも大径部46側に張り出した解除用傾斜面84とを有している。
また、図3(b)に示すように、オープナ42の外筒部54の先端は、山形状となっている。詳細には、各第1突起55の部位において頂部86となり、さらには各第1突起55の中間位置において頂部86となるように形成されている。
さらに、図3(c)に示すように、回転部品43の第2突起68は、第1突起55と軸線方向に並んだ場合に当該第1突起55と当接する端面が、周方向の一方に傾斜した傾斜面88となっている。当該傾斜面88の傾斜角度及び傾斜方向は、カバー体41の保持用傾斜面83及び解除用傾斜面84のそれぞれと対応している。つまり、傾斜面88は保持用傾斜面83及び解除用傾斜面84のそれぞれに対して重ね合わせられるように形成されている。
次に、止血弁36の開閉の様子について説明する。図5は止血弁36の開閉の様子を説明するための縦断面図、図6は止血弁36の開閉時における開閉ユニット40の動きを説明するための略図である。
先ず、止血弁36が開放状態となる場合の様子について説明する。
図5(a)に示すように、自然状態においてはつるまきバネ72の付勢力によってオープナ42が最大突出位置(閉塞位置)にあり、止血弁36は閉塞状態となっている。この場合、図6(a)に示すように、第1突起55及び第2突起68は軸線方向に並んでおり、それら一対の各突起55,68はそれぞれスライド溝47内にある。
その後、図5(b)に示すように、オープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作することにより、当該オープナ42はつるまきバネ72の付勢力に抗してスライドし、フランジ体71がカバー体41に当接する最小突出位置に到達する。この場合、オープナ42の内筒部52により止血弁36のスリットが押し広げられ、止血弁36が開放状態となる。この際、内筒部52の外面に対して止血弁36は密接状態となっている。また、止血弁36と固定弁23との間には、上記最大突出位置から上記最小突出位置までの距離を超える間隔が確保されている。したがって、オープナ42と固定弁23とが干渉することはない。また、フランジ体71は円環状をなしているため、押圧操作する際に指などを当てる位置の自由度が高められ、操作性の向上が図られている。
上記のようにオープナ42が最小突出位置に到達した場合、図6(b)に示すように、オープナ42における外筒部54の先端がカバー体41の傾斜面81よりもYコネクタ10の先端側にあり、さらには第1突起55と第2突起68とのうち第2突起68のみがスライド溝47から抜けた状態となる。かかる状態においては、上記のとおり第1突起55の部位にて頂部となるように外筒部54の先端が山形状となっているとともに、第2突起68に傾斜面88が形成されており、さらには回転部品43がつるまきバネ72の付勢力を受けていることにより、回転部品43が軸線を回転中心として回転し、図6(c)に示す状態となる。この状態では、上記山形状の谷部にて第2突起68が受けられている。なお、当該状態において第1突起55がスライド溝47内に入り込んだ状態は維持されているため、回転部品43の回転に合わせてオープナ42が回転することはない。
その後、オープナ42の押圧操作を止めることにより、回転部品43がつるまきバネ72の付勢力によってYコネクタ10の基端に向けて移動し、それに伴ってオープナ42も上記最大突出位置に向けて移動する。但し、この場合、回転部品43が上記の位置に回転しているため、第2突起68はカバー体41の保持用傾斜面83に当接する。そして、当該保持用傾斜面83の傾斜に沿って第2突起68が滑ることで回転部品43が回転し、第2突起68が保持用段差部82に当接した図6(d)に示す状態となる。当該状態においては、オープナ42を最大突出位置側に移動させようとしても、C型ワッシャ70と回転部品43の段差部67とが当接し止血弁36の開放状態を解除しない範囲内においてその移動が規制される。したがって、止血弁36の開放状態は確実に維持される。
以上のとおり、オープナ42をスライドさせ止血弁36を開放状態とした場合、その開放状態が自ずと保持される。なお、止血弁36が開放状態にある場合と閉塞状態にある場合とでは、カバー体41に対するオープナ42の突出量が大きく異なっているため、オープナ42の突出量を視認することにより止血弁36が閉塞状態又は開放状態のいずれにあるかを容易に把握することができる。
次に、止血弁36が再度閉塞状態となる場合の様子について説明する。
上記のように開放位置にあるオープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作することにより、当該オープナ42はつるまきバネ72の付勢力に抗してスライドし、図5(b)に示すように、フランジ体71がカバー体41に当接する最小突出位置に到達する。
この場合、図6(e)に示すように、オープナ42における外筒部54の先端がカバー体41の傾斜面81よりもYコネクタ10の先端側にあり、第2突起68はカバー体41の保持用傾斜面83に載った状態から外筒部54の先端に載った状態となる。そして、この状態では、第2突起68が外筒部54の山形状に沿って移動することで回転部品43が回転し、山形状の谷部にて受けられる。当該谷部は、回転部品43の回転方向で見て、保持用段差部82よりも解除用傾斜面84側にある。なお、この際の回転部品43の回転方向は、止血弁36開放時の回転方向と同一である。
その後、オープナ42の押圧操作を止めることにより、回転部品43がつるまきバネ72の付勢力によってYコネクタ10の基端に向けて移動し、それに伴ってオープナ42も上記最大突出位置に向けて移動する。そして、その移動の途中位置において、第2突起68は外筒部54の先端に載った状態から解除用傾斜面84に載った状態となり、さらに当該解除用傾斜面84の傾斜に沿って第2突起68が移動することで回転部品43が回転する。これにより、図6(f)に示すように、第2突起68がスライド溝47内に入り込み、第1突起55と第2突起68とが軸線方向に並んだ状態となり、オープナ42の最大突出位置への移動が可能となる。そして、つるまきバネ72の付勢力によってオープナ42が最大突出位置に到達する。
オープナ42が最大突出位置に到達することにより、図5(a)に示す状態となり、止血弁36が閉塞状態となる。つまり、保持状態にあるオープナ42を開放時と同一方向に押圧操作することにより、自ずと止血弁36が閉塞状態となる。
次に、コネクタ本体11における第2管部13の特徴的な構成について、図2を用いて説明する。
第2管部13は第1管部12から逃げる方向へと湾曲させて形成されている。詳細には、第2管部13における分岐部側領域91及ぶ延長端部側領域92は、それぞれ直線状に形成されており、それら両領域91,92の間は湾曲領域93となっている。そして、第2管部13の管孔15も上記各領域91,92,93の形状に即して形成されている。
上記のように湾曲状とされた構成において、第1管部12の管孔14に対する分岐部側領域91の管孔15の角度(分岐角度)D1は、第1管部12の管孔14に対する延長端部側領域92の管孔15の角度(受入角度)D2よりも狭角となっている。より具体的には、分岐角度D1は約50°となっており、受入角度D2は約70°となっている。なお、分岐角度D1は受入角度D2よりも狭角である範囲において50°以上であってもよく、また受入角度D2は60°以上であれば70°に限定されることはない。
第2管部13の受入角度D2が60°以上に設定されているため、当該第2管部13に液剤供給器等の機器を接続する際に当該機器が第1管部12や開閉ユニット40などに干渉しなくなり、その接続作業などを容易に行うことができる。また、分岐角度D1は50°であり、受入角度D2よりも狭角となっているため、第2管部13内に供給された液剤が第1管部12に導入される際の抵抗が低減され、当該液剤の導入を良好に行うことができる。さらにこのように分岐角度D1を受入角度D2よりも狭角とした構成において、分岐角度D1を50°以上としたことにより、CAG(心臓カテーテル検査)に際して用いられる機器の一部などが分岐部分に入りづらくなるといった不都合が生じない。
また、上記のような角度設定において、第2管部13が湾曲させて形成されていることにより、第2管部13の管孔15の曲がり部分が滑らかとなり、当該曲がり部分における液剤の乱流などが生じ難くなる。このため、当該曲がり部分での抵抗が低減され、液剤を供給する際の供給圧力を低減することができる。特に、濃度を高めることで粘度が高くなった造影剤を、シリンジなどを用いて手の力で供給する場合、その供給圧力を低減する必要があり、本構成によれば、上記効果を奏しつつ、かかる要望にも応えられる。また、Yコネクタ10を介して血圧の測定を行うことも想定され、この場合、上記のように曲がり部分における抵抗を低減することで、圧力損失が低減され、血圧の測定を良好に行うことができる。
次に、以上説明したYコネクタ10の使用について簡単に説明する。
カテーテルやガイドワイヤなどといった導入部材は、Yコネクタ10の基端側からオープナ42の内孔51内に挿入され、止血弁36のスリットを貫通した状態となっている。この場合、止血弁36が閉塞状態であることにより、導入部材の外面に対して止血弁36が密接状態となり、導入部材とYコネクタ10の挿通孔(具体的には、プッシャ31のプッシャ孔32)との間の隙間が閉塞される。よって、止血弁36よりもYコネクタ10基端側への血液の流入が抑制されている。止血弁36のスリットを貫通した導入部材は第1管部12の管孔14を通り、ローテータ18に装着されたガイディングカテーテル内に導入される。
また、上記導入部材の導入操作時において、止血弁36よりも先端側にエアーが混入した場合や、一時的に複雑な操作が必要となった場合には、オープナ42を押圧操作することで止血弁36が開放状態となり、さらにはオープナ42の押圧操作を止めたとしてもその開放状態が自ずと保持される。そして、エアー抜きや複雑な操作が終了した場合には、オープナ42を再度押圧操作することにより、止血弁36が自ずと閉塞状態となる。
その後、導入部材が治療対象位置に到達した場合などには、スクリュ25を回転操作する。これにより、固定弁23が圧縮状態となり、導入部材がその位置からずれないように留置される。当該留置が完了したら、適宜治療を行う。治療に際しては、コネクタ本体11の第2管部13に液剤供給器等の機器を接続し、造影剤などの液剤を供給する。この供給された液剤は、第1管部12の管孔14を介してガイディングカテーテル内に入り、治療対象位置に投与される。なお、留置位置の変更、さらには治療終了後の導入部材の抜き取りにあたっても、上記と同様あるいは逆の操作が可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
開閉手段としてオープナ42と回転部品43とを一体的に設けるとともに、オープナ42を開放位置まで押圧操作した場合、回転部品43が回転し被保持部としての第2突起68が保持手段としてのカバー体41の傾斜面81に保持され、止血弁36の開放状態が自ずと維持されるようにした。よって、止血弁36の開放状態を維持するために、オープナ42を手で開放位置に保持しておく必要がない。さらにオープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作するだけでよく、それ以外にオープナ42を開放位置にて保持させるための特別な操作を要しない。したがって、止血弁36を開放する際の操作性の向上が図られる。
回転部品43とスクリュ25との間にはつるまきバネ72を設けた。また、開放位置にて保持されたオープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作することにより回転部品43が回転し、第2突起68が傾斜面81に保持された状態が解除されるようにした。つまり、開放位置にて保持されたオープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作することにより、当該オープナ42は自ずと閉塞位置に移動する。よって、止血弁36を再度閉塞させる際にはオープナ42を押圧操作するだけでよく、オープナ42を手で閉塞位置まで移動させる必要がない。したがって、止血弁36を閉塞する際の操作性の向上が図られる。
特に、上記のとおり、止血弁36を開放状態とする場合、及び止血弁36を再度閉塞状態とする場合のいずれにおいても、オープナ42をYコネクタ10の先端に向けて押圧操作すればよいため、止血弁36の開閉操作が統一され、当該操作性の向上が図られる。
つるまきバネ72の付勢力によって回転部品43が保持回転位置及び非保持回転位置に回転するようにした。つまり、オープナ42を閉塞位置に向けて付勢するつるまきバネ72が回転部品43を回転させる手段として兼用され、部材点数の削減を図ることができる。さらには、回転部品43の第2突起68を保持する機能を、つるまきバネ72などを収容するカバー体41に設けた。つまり、つるまきバネ72などを収容するカバー体41において保持手段としての機能が兼用され、つるまきバネ72などを収容する機能と保持手段としての機能とを別に設ける構成に比して部材点数の削減を図ることができる。
オープナ42に対して回転部品43を、軸線方向に一体的に移動可能であって、回転部品43の回転移動がオープナ42に伝達されないように組み付けた。これにより、回転部品43の回転によりオープナ42が開放位置に自ずと保持されるようにした構成において、止血弁36を開閉させるオープナ42は軸線方向に移動するだけで回転はしない。よって、止血弁36の開閉に際してオープナ42の内孔51内を通っているカテーテルなどの導入部材に回転部品43の回転移動が伝達してしまうことが防止され、導入部材の導入操作に影響を与えることなく止血弁36を開閉する際の操作性の向上が図られる。
回転部品43及びつるまきバネ72を、止血弁36よりも基端側であって、貫通部としての内筒部52の外側領域に設けた。そして、止血弁36が開放状態にある場合、内筒部52の外面に対して止血弁36が密接状となり、回転部品43及びつるまきバネ72が設けられた領域への血液の流入が抑制されるようにした。かかる構成とすることにより、止血弁36の開放に際して回転部品43やつるまきバネ72に血液が付着してしまうことが抑制される。血液は比較的短時間で凝固してしまうため、回転部品43やつるまきバネ72に血液が付着すると、治療中において止血弁36の開閉操作が良好に行えなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり回転部品43やつるまきバネ72に血液が付着してしまうことを抑制することで、長時間を要する治療であったとしても、止血弁36の開閉操作について良好な状態が維持される。
(第2の実施形態)
本実施形態では、開閉ユニットの構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にその相違する構成について説明する。図7及び図8は、開閉ユニット100周辺を拡大して示す縦断面図である。なお、図7及び図8において上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともにその説明を省略する。
開閉ユニット100は、カバー体41、押圧部材101、及び回転オープナ102を主要な構成部品として備えている。つまり、上記第1の実施形態におけるオープナ42及び回転部品43の代わりに、押圧部材101及び回転オープナ102が設けられている。
押圧部材101は、上記第1の実施形態におけるオープナ42の外筒部54と同様の形態をなしており、カバー体41から外方に突出した端部にはフランジ体71が取り付けられている。回転オープナ102は、上記第1の実施形態におけるオープナ42の内筒部52と回転部品43とを組み合わせた形態をなしている。つまり、押圧部材101は押圧操作される部位としての機能を有するだけであり、回転オープナ102は止血弁36を開閉するための機能と止血弁36の開放状態が自ずと保持されるようにするための機能とを有している。これら押圧部材101と回転オープナ102とは、両者の間に上記第1の実施形態におけるC型ワッシャ70のような離脱阻止手段が設けられておらず、一体化されていない。
但し、押圧部材101には上記第1の実施形態における第1突起55が設けられており、回転オープナ102には上記第1の実施形態における第2突起68が設けられている。さらに、回転オープナ102とスクリュ25との間にはつるまきバネ72が圧縮状態で設けられている。したがって、第1突起55と第2突起68とがともにカバー体41のスライド溝47内に入り込んでいる場合には、押圧部材101と回転オープナ102とは一体的にスライドする。一方、押圧部材101が押圧操作され、図8に示すように、回転オープナ102が止血弁36を開放状態とした位置にて保持された場合、押圧部材101のみをスライドさせることが可能である。
以上の構成によれば、押圧部材101を押圧操作し回転オープナ102を開放位置に移動させることにより、当該回転オープナ102が回転し、上記第1の実施形態における回転部品43と同様に、回転オープナ102がカバー体41に設けられた傾斜面81に保持される。また、回転オープナ102の保持状態において押圧部材101を再度押圧操作することにより、上記第1の実施形態と同様に、回転オープナ102の保持状態は解除される。そして、つるまきバネ72の付勢力によって回転オープナ102が押圧部材101とともにYコネクタ10の基端に向けてスライドし、止血弁36が自ずと閉塞状態に復帰する。つまり、本実施形態における構成であっても、上記第1の実施形態と同様に、止血弁36を開閉する際の操作性の向上が図られる。また、その他、上記第1の実施形態と同様の構成について、同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記各実施形態では、開放位置にて保持された開閉手段(オープナ42,回転部品43,押圧部材101,回転オープナ102)を閉塞位置に復帰させる場合、当該開閉手段を開放操作時と同様に押圧操作する構成としたが、これに代えて、開閉手段を閉塞位置に復帰させるために操作される復帰操作手段(又は保持状態を解除するための保持解除手段)を開閉手段とは別に設ける構成としてもよい。
具体的に上記第1の実施形態の構成を例に挙げて説明すると、カバー体41に傾斜面81を一体形成する代わりに、カバー体41に当該カバー体41とは別体の保持具を設ける。当該保持具は、カバー体41の周壁において当該カバー体41を内外に貫通するようにして設ける。さらに、オープナ42を開放位置に押圧操作した場合には、回転部品43の第2突起68が保持具におけるカバー体41内側に突出した部位に係止されるようにするとともに、保持具のカバー体41外側に突出した部位の引張操作又は押圧操作により上記第2突起68の係止が解除されるようにする。当該構成であっても、オープナ42を押圧操作し開放位置に移動させることで、当該オープナ42はその開放位置にて自ずと保持され、止血弁を開放する際の操作性の向上が図られる。また、保持具に対して引張操作又は押圧操作を行うことにより、オープナ42はつるまきバネ72の付勢力により自ずと閉塞位置に復帰することとなり、止血弁を閉塞する際の操作性の向上が図られる。
上記各実施形態では、回転部(回転部品43,回転オープナ102)が一定方向に回転することにより、保持回転位置及び非保持回転位置に回転する構成としたが、これに代えて、上記各実施形態における傾斜面81などの形状を適宜変更することにより、非保持回転位置から保持回転位置に移動する場合の回転部の回転方向に対して、保持回転位置から非保持回転位置に移動する場合の回転部の回転方向を逆方向とする構成としてもよい。また、保持手段は傾斜面81に限定されることはなく、例えば保持孔部(保持溝部)によって構成してもよい。
上記第1の実施形態では、オープナ42と回転部品43との相互の離脱を阻止する阻止手段としてC型ワッシャ70を設けたが、これに限定されることはなく、オープナ42に対する回転部品43の回転を許容しつつ、少なくとも回転部品43がカバー体41の傾斜面81に保持されている場合に、オープナ42の軸線方向に沿った閉塞位置への移動を阻止するのであれば、阻止手段の構成は任意である。例えば、C型ワッシャ70に代えてオープナ42の外筒部54に内側に突出した環状の段部を設け、当該段部と回転部品43の段差部67との当接により、回転部品43がカバー体41の傾斜面81に保持されている場合に、オープナ42の軸線方向に沿った閉塞位置への移動を阻止するようにしてもよい。
スライド溝47や各突起55,68の数は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、スライド溝47と各突起55,68の数が対応しているのであれば、上記各実施形態よりも多くてもよく、また少なくてもよい。
本発明は、Yコネクタ以外の止血弁を有するコネクタに対して適用可能である。例えば、第2管部13を具備しない止血弁を有するコネクタに対しても適用可能であり、さらには第1管部12や第2管部13を複数具備する止血弁を有するコネクタに対しても適用可能である。また、止血弁36を1個のみ有するコネクタだけではなく、止血弁を複数有するコネクタに対しても適用可能である。また、固定弁23を具備しない止血弁を有するコネクタに対しても適用可能である。

Claims (6)

  1. 管状の導入部材が挿通される管状基体と、
    当該管状基体の管孔の周壁と前記導入部材との間の隙間を閉塞する止血弁と、
    前記導入部材が挿通される挿通孔を有し、当該挿通孔が前記管孔と同一軸線上となるように前記管状基体の基端側から管孔内に挿入されており、さらに前記止血弁を開放させない閉塞位置及び当該止血弁を貫通し開放させる開放位置の各位置に軸線方向に沿って移動可能な開閉手段と、
    前記開閉手段を前記閉塞位置に向けて付勢する付勢手段と、
    前記開閉手段が前記付勢手段の付勢力に抗して前記軸線方向に沿って移動し前記開放位置に到達したことに基づいて当該開閉手段を開放位置にて保持するとともに、保持解除操作に基づいてその保持状態が解除される保持手段と
    を備え、
    前記開閉手段は、
    前記開放位置にある場合、前記止血弁を貫通し当該止血弁を開放させる貫通部と、
    前記軸線を回転軸として回転可能であって前記貫通部とともに前記軸線方向に移動可能に設けられ、前記閉塞位置から前記開放位置に移動した場合、前記付勢手段により保持回転位置に回転し前記保持手段に保持され、前記保持解除操作に基づいて前記付勢手段により非保持回転位置に回転し保持状態が解除される回転部と、
    を備え、
    前記貫通部と前記回転部とは別体で設けられており、
    前記貫通部は前記軸線方向に延び且つ前記挿通孔を内部に有する筒状をなしており、
    前記回転部は筒状をなしその筒状内に前記貫通部が挿通されており、
    さらに前記貫通部に対して前記回転部は、前記軸線方向に一体的に移動可能であって、前記回転部の回転移動が前記貫通部に伝達されないように組み付けられており、
    前記付勢手段は前記回転部よりも前記管状基体の先端側に配置されて当該回転部に当接され、前記付勢手段が前記回転部を前記管状基体の基端側へ付勢することにより、前記回転部を介して前記付勢手段の付勢力が前記貫通部に伝達されて、前記回転部及び前記貫通部が前記閉塞位置に向けて移動することを特徴とする止血弁を有するコネクタ。
  2. 前記貫通部と前記回転部との間には、少なくとも前記回転部が前記保持手段に保持されている場合に、前記貫通部の前記閉塞位置への移動を阻止する阻止手段が設けられ、
    前記阻止手段は、
    前記貫通部に一体形成され前記回転部の外周面を囲むように設けられた外筒部において、当該外筒部の内周側に取り付けられたC型ワッシャと、
    前記回転部の外周面に形成されているとともに前記軸線方向において前記C型ワッシャよりも前記基端側に配置され、前記C型ワッシャが当接されることにより前記貫通部の前記閉塞位置への移動を阻止する段部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の止血弁を有するコネクタ。
  3. 前記回転部はその外面側に、前記保持回転位置において前記保持手段に保持される被保持部を有しており、
    前記貫通部は前記回転部よりも前記管状基体の先端側に延びており、前記開放位置にある場合、当該貫通部の周面に対して前記止血弁の開口部が密接状となり前記被保持部側への血液の流入が抑制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の止血弁を有するコネクタ。
  4. 前記付勢手段は、前記止血弁よりも基端側であって血液の流入が抑制された領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の止血弁を有するコネクタ。
  5. 前記付勢手段は前記止血弁よりも基端側であって前記開閉手段の外側に設けられており、
    前記開閉手段が前記開放位置にある場合、前記貫通部の周面に対して前記止血弁の開口部が密接状となり前記付勢手段側への血液の流入が抑制されることを特徴とする請求項4に記載の止血弁を有するコネクタ。
  6. 前記管状基体は、前記止血弁よりも基端側に前記付勢手段を収容する収容筒部を有しており、当該収容筒部に前記保持手段を一体形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の止血弁を有するコネクタ。
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