JP5261004B2 - 水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
たんぱく質原料は、患者などに投与するために、通常、水、牛乳、ジュース、スープなどに溶解させたり、あるいは、ゼリー、プリンなどのデザートや食事に混ぜることが行われている。しかしながら、この場合、粉末状のものは、たんぱく質を高含有できるものの、溶解しにくく、調製に非常に手間がかかるのを免れないという問題がある。このため、水に容易に、かつ、混ぜた食品にできるだけ影響しないようにするため、透明に溶解するたんぱく質を高含有する粉末の栄養補助食品が要望されていた。
また、水溶性多糖類の水への溶解性、作業性を改善するために、水溶性多糖類の粉体に、乳化剤として、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノオレエートなどの乳化剤の混合液をバインダーとして使用し、造粒する水溶性多糖類の製造方法がある(特許文献2参照)が、これらの乳化剤を使用した場合、乳化剤自体に風味の問題があり、添加量を多くすると風味に影響を与えたり、乳化剤自身を溶解した場合、白濁したり、もしくは、長期保存により乳化剤が結晶化するなどの問題があり、透明性が必要とされる用途や長期保存を行う用途では使用できなかった。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)に示したものである。
(1)たんぱく質豊富に含むたんぱく質原料を主成分とする粉末に界面活性剤を添加した高たんぱく粉末栄養組成物であって、前記たんぱく質原料が乳清たんぱくを85重量%以上含有し、デカグリセリンと炭素数12〜14の脂肪酸とのモノエステルの中から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤をたんぱく質1重量部に対して、0.002〜0.02重量部添加されていることを特徴とする水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物。
(2)該高たんぱく粉末栄養組成物のたんぱく質含量が10gになるように、水300mLに添加し、500rpmで30秒間の攪拌条件で溶解したときの水に対する透過率が50〜100%の範囲である上記(1)に記載の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物。
(3)該高たんぱく粉末栄養組成物にビタミンまたは微量元素の中から選ばれる少なくとも1種を配合する上記(1)または(2)に記載の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物。
(4)乳清たんぱくを85重量%以上含有するたんぱく質原料を流動もしくは揺動させながら、デカグリセリンと炭素数12〜14の脂肪酸とのモノエステルの中から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤をたんぱく質1重量部に対して、濃度0.3〜15重量%に溶解したバインダー液を噴霧してから、該高たんぱく粉末栄養組成物を乾燥させる上記(1)から(3)のいずれかに記載の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物の製造方法。
本発明において水易溶解とは、該高たんぱく粉末栄養組成物のたんぱく質含量が10gになるように水300mLに添加し、攪拌速度500rpmで30秒間攪拌することで溶解することを意味する。
本発明において透明とは、水300mLに対して、該高たんぱく粉末栄養組成物のたんぱく質含量が10gになるように溶解したときの透過率が50〜100%の範囲である状態を意味する。
本発明において透過率は、分光光度計(HITACHI U−2000 Spectrophotometer)を用い、波長660nmで測定した値をいう。
本発明の水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物で使用する乳清たんぱく原料としては、市販されている脱乳糖ホエイ、低乳糖ホエイ、脱塩ホエイ、乳清たんぱく濃縮物(WPC)、乳清たんぱく単離物(WPI)の中の1種類または数種類の組み合わせで用いることができるが、好ましくは、WPI、特にたんぱく質を85重量%以上の割合で含有するものであり、より好ましくは、90重量%以上含有するWPIである。
乳清たんぱく原料中のたんぱく質の含量が、85重量%より少ないと、水に溶解した際に透明性を保持できなくなるため、好ましくない。
本発明に使用することのできる具体的な乳清たんぱく質原料(WPI)としては、WPI 895(フォンテラジャパン(株))、Lacprodan DI−9224(アーラフーズイングリディエンツジャパン(株))、エンラクト YYY(日本新薬(株))が挙げられる。
前記デカグリセリンとは、界面活性剤の親水基部位が混合ポリグリセリンの数平均重合度が4であるテトラグリセリンや6であるヘキサグリセリンと区別され、混合ポリグリセリンの数平均重合度が10以上のものである.
本発明に用いる界面活性剤の混合ポリグリセリンの数平均重合度が10未満では、水に溶解した際に透明性を保持できなくなるため、好ましくない。また、本発明に用いる界面活性剤の脂肪酸成分の炭素数が12未満では、風味が悪くなり、炭素数が14を超える場合は水に対する溶解性が不十分となる。
本発明の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物中の界面活性剤の添加量は、たんぱく質1重量部に対して、0.002〜0.02重量部、好ましくは、0.0025〜0.015重量部が適当である。添加量がたんぱく質1重量部に対して0.002重量部未満の場合、粉末の溶解性を改善する効果が不十分であり、また、0.02重量部を超えると、風味が悪くなるので、食品として好ましくない。
本発明の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を製造する際には、製品の種類に応じて通常用いられる適宜なビタミンや微量元素などの成分を配合することが出来る。
本発明の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物に用いるビタミンとしては、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKなどが挙げられ、これら複数をできる限り組み合わせて配合するのが好ましい。
ビタミンの配合量としては、高たんぱく粉末栄養組成物10gあたり、下記の範囲が適当である。
ビタミンB2 0〜20mg、好ましくは0.1〜12mg
ビタミンB6 0〜60mg、好ましくは0.1〜10mg
ビタミンB12 0〜100μg、好ましくは0.2〜60μg
ナイアシン 0〜300mg、好ましくは1.5〜60mg
パントテン酸 0〜55mg、好ましくは0.6〜30mg
葉酸 0〜1000μg、好ましくは20〜200μg
ビオチン 0〜1000μg、好ましくは3〜500μg
ビタミンC 0〜2000mg、好ましくは10〜1000mg
ビタミンA 0〜3000μg、好ましくは60〜600μg
ビタミンD 0〜50μg、好ましくは0.3〜5μg
ビタミンE 0〜800mg、好ましくは1〜150mg
ビタミンK 0〜1000μg、好ましくは2〜700μg
微量元素の配合量としては、高たんぱく粉末栄養組成物10gあたり、下記の範囲が適当である。
鉄 0〜55mg、好ましくは0.1〜10mg
亜鉛 0〜30mg、好ましくは0.1〜15mg
銅 0〜10mg、好ましくは0.01〜6mg
マンガン 0〜11mg、好ましくは0.01〜8mg
セレン 0〜450μg、好ましくは0.1〜35μg
クロム 0〜40μg、好ましくは0.1〜35μg
ヨウ素 0〜3000μg、好ましくは0.1〜150μg
モリブデン 0〜320μg、好ましくは0.1〜25μg
また、従来公知もしくは将来知られうる甘味成分も糖類の代わりに用いることができる。具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末などの甘味成分を用いても良い。
本発明において得られる水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物は、その後に使用される水溶液での腐敗を考慮すると保存剤あるいは防腐剤などを添加することができる。保存剤あるいは防腐剤の添加方法としては、高たんぱく粉末栄養組成物の製造時にあらかじめ添加しておくか、あるいは本発明の造粒工程中でバインダー液中に添加することができ、水溶性のものであれば直接添加でよいが、水懸濁性のものであれば、高たんぱく粉末栄養組成物の製造工程中で懸濁するか懸濁液を添加する方法、あるいは、本発明の造粒工程におけるバインダー液調製段階でバインダー液に懸濁する方法が使用できる。また、揮発性を有するものや耐熱性に劣るものを使用する場合は、乳化させてマイクロカプセル化したものを懸濁させる方が好ましい。
保存剤あるいは防腐剤としては、エタノール、グリシン、グルコノデルタラクトン、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸、デヒドロ酢酸、次亜塩素酸およびその塩類、低級脂肪酸エステル、ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、芥子抽出物、ワサビ抽出物、晒粉、キトサンなどを用いるのが適当である。
流動層造粒法による製造方法として、以下の方法を例示することができる。例えば、乳清たんぱくを85重量%以上含有するたんぱく質原料を造粒機にいれ、下方から熱風を送り込むことで、粉体を流動させる。この流動層にデカグリセリンと炭素数12〜14の脂肪酸とのモノエステルの中から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤をたんぱく質1重量部に対して、0.002〜0.02重量部になるように濃度0.3〜15重量%に溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させることにより高たんぱく粉末栄養組成物を製造する方法を挙げることができる。
バインダー液は、界面活性剤とこれらを溶解あるいは懸濁させる溶媒により構成される。使用される溶媒としては、水単独が好ましいが、エチルアルコールなどの水溶性の溶剤を添加してもよい。
該高たんぱく粉末栄養組成物にビタミンまたは微量元素を混合する方法としては、たんぱく質と一緒に造粒機に入れ、混合したり、界面活性剤と一緒にバインダー液に溶解して、噴霧したり、また、バインダー液を噴霧後または乾燥後、混合する方法が挙げられる。
更には、各種加工食品の製造時に本発明の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を添加することもできる。例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓などの冷菓類やカスタードプリン、ミルクプリンおよび果汁入りプリンなどのプリン類、ゼリー、ババロアおよびヨーグルトなどのデザート類など、種々の食品およびこれらの食品を更に加工した、加工食品などの一般食品も挙げることができる。
(実施例1)
乳清たんぱく(たんぱく質含量:94重量%)10.6kgを流動造粒乾燥機(フロイント産業(株)、フローコーター FLO−15)にいれ、入口温度70℃、排風温度60℃、造粒時間5分間の条件下で、粉体を流動させる。この流動層にデカグリセリンモノミリステート50gを水1500gに溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを25分間乾燥処理を行って水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物10.6gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率(分光光度計、HITACHI U−2000 Spectrophotometer、波長660nm)は90%であった。
(実施例2)
実施例1において、乳清たんぱく(たんぱく質含量:94重量%)10.6kgを乳清たんぱく(たんぱく質含量:88重量%)11.4kgにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物11.4gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は83%であった。
実施例1において、乳清たんぱく(たんぱく質含量:94重量%)10.6kgを乳清たんぱく(たんぱく質含量:80重量%)12.5kgにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。この高たんぱく粉末栄養組成物12.5gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解したが、そのときの透過率は1%であった。
(比較例2)
実施例1において、乳清たんぱく(たんぱく質含量:94重量%)10.6kgを乳清たんぱく(たんぱく質含量:76重量%)13.2kgにした以外は実施例1と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。この高たんぱく粉末栄養組成物13.2gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解したが、そのときの透過率は0%であった。
乳清たんぱく(たんぱく質含量:94重量%)10.6kgおよび表1に示す配合でミネラルミックス98gを流動造粒乾燥機にいれ、入口温度70℃、排風温度60℃、造粒時間5分間の条件下で、粉体を流動させる。この流動層にデカグリセリンモノラウレート50gとシアノコバラミン(デキストリンによる1000倍散)0.8gを水1500gに溶解したバインダー液をノズル噴霧し、粉体表面に均一に界面活性剤液を付着させ、凝集粒をつくり、これを25分間乾燥処理を行った。その後、表2に示すビタミンミックス120.4gを流動造粒乾燥機にいれ、5分間混合処理を行って水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、下記評価法1〜3では、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は57%であった。また、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.8であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられた。
実施例3〜6の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物および比較例3〜12の高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌した後の溶解性を評価した。結果を表3に示す。
○:溶解した。
△:わずかに不溶解物が残った。
×:溶解しなかった。
(評価法2:透明性試験)
実施例3〜6の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物および比較例3〜12の高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに溶解したときの透過率を吸光分光光度計により測定した。結果を表3に示す。
(評価法3:風味試験)
実施例3〜6の水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物および比較例3〜12の高たんぱく粉末栄養組成物10.82gをスープ粉末(クノール食品(株)、チキンコンソメ)10.2gとともに70℃のお湯150mLに溶解し、10名の被験者に食してもらい、風味を官能評価した。評価は次に示す5点で行い、平均点を算出した。結果を表3に示す。
5点:界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられる。
4点:界面活性剤の臭味があまりせず、食べられる。
3点:どちらともいえない。
2点:界面活性剤の臭味がわずかにあり、あまり食べられない。
1点:界面活性剤の臭味があり、食べられない。
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをデカグリセリンモノミリステートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は55%であった。また、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.9であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられた。
(比較例3)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをテトラグリセリンモノラウレートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解したが、そのときの透過率は14%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.3であり、被験者は、界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられた、もしくは、界面活性剤の臭味があまりせず、食べられた。
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをヘキサグリセリンモノラウレートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解したが、そのときの透過率は21%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.1であり、ほどんどの被験者は、界面活性剤の臭味があまりせず、食べられた。
(比較例5)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをデカグリセリンモノカプリレートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は58%であった。しかしながら、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は1.0であり、被験者全員が、界面活性剤の臭味があり、食べられなかった。
(比較例6)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをデカグリセリンモノオレエートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、わずかに不溶解物が残り、そのときの透過率は38%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は2.2であり、ほとんどの被験者全員は、界面活性剤の臭味がわずかにあり、あまり食べられなかった。
(比較例7)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをデカグリセリンモノステアレートにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌では、溶解せず、さらに時間をかけて溶解したときの透過率は3%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は2.8であり、ほとんどの被験者全員は、界面活性剤の臭味がわずかにあり、食べることについてはどちらともいえなかった。
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートを酵素分解レシチンにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、わずかに不溶解物が残り、そのときの透過率は0%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は1.4であり、被験者全員は、界面活性剤の臭味がわずかにあり、あまり食べられなかった、もしくは、界面活性剤の臭味があり、食べられなかった。
(比較例9)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをキラヤサポニンにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌では、溶解せず、さらに時間をかけて溶解したときの透過率は58%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は1.0であり、被験者全員が、界面活性剤の臭味があり、食べられなかった。
(比較例10)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレートをショ糖ラウリン酸エステルにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、わずかに不溶解物が残り、そのときの透過率は5%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は3.3であり、ほとんどの被験者全員は、界面活性剤の臭味がわずかにあり、食べることについてはどちらともいえなかった。
実施例3において、デカグリセリンモノラウレート50gを160gにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は56%であった。また、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.0であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味があまりせず、食べられた。
(実施例6)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレート50gを25gにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は57%であった。また、この水易溶解性高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.9であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられた。
実施例3において、デカグリセリンモノラウレート50gを250gにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌することにより、容易に溶解し、そのときの透過率は55%であった。しかしながら、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は1.2であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味があり、食べられなかった。
(比較例12)
実施例3において、デカグリセリンモノラウレート50gを15gにした以外は実施例3と全く同じ調製法を繰り返して高たんぱく粉末栄養組成物を得た。
なお、上記評価法1〜3では、この高たんぱく粉末栄養組成物10.82gを水300mLに添加し、500rpmで30秒間攪拌では、溶解せず、さらに時間をかけて溶解したときの透過率は58%であった。また、この高たんぱく粉末栄養組成物をスープに溶解した際の風味試験の評価は4.9であり、ほとんどの被験者は、界面活性剤の臭味がせず、おいしく食べられた。
Claims (5)
- 乳清たんぱく質原料を主成分とする粉末に界面活性剤を添加した水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物であって;
前記乳清たんぱく質原料が、たんぱく質を85重量%以上の割合で含有する粉末状の乳清たんぱく質原料であり;
前記界面活性剤が、デカグリセリンモノミリステートであり;且つ、
たんぱく質1重量部に対して、デカグリセリンモノミリステートからなる界面活性剤を0.002〜0.02重量部の割合で添加した;
ことを特徴とする水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物。 - 前記高たんぱく粉末栄養組成物のたんぱく質含量が10gになるようにして当該高たんぱく粉末栄養組成物を水300mLに添加して500rpmで30秒間の攪拌条件で溶解して得られる水溶液の波長660nmで測定した透過率が50〜100%の範囲である請求項1に記載の水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物。
- ビタミンおよび微量元素から選ばれる少なくとも1種を配合した請求項1または2に記載の水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物。
- たんぱく質を85重量%以上の割合で含有する粉末状の乳清たんぱく質原料を流動または揺動させながら、濃度0.3〜15重量%のデカグリセリンモノミリステート含有液を、乾燥後の高たんぱく粉末栄養組成物におけるデカグリセリンモノミリステートの含量が高たんぱく粉末栄養組成物中のたんぱく質1重量部に対して0.002〜0.02重量部となる量で噴霧した後、乾燥することを特徴とする、請求項1または2に記載の水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物の製造方法。
- たんぱく質を85重量%以上の割合で含有する粉末状の乳清たんぱく質原料の流動または揺動時、デカグリセリンモノミリステート含有液の噴霧時または噴霧後或いは乾燥後に、ビタミンおよび微量元素から選ばれる少なくとも1種を配合する請求項4に記載の水易溶解性の高たんぱく粉末栄養組成物の製造方法。
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