JP5264604B2 - 防水コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、嵌合部の外周に環状パッキンが装着される防水コネクタに関する。
相手方コネクタの嵌合部が嵌合されるコネクタハウジングの筒状嵌合部の外周に、嵌合部同士の間をシールする環状のパッキンが装着される防水コネクタが知られている。例えば特許文献1に開示される図5に示す雌端子コネクタ500は、筒状ケース部材501の内方に雌端子503の収容される筒状嵌合部505が形成され、その外周に環状のパッキン507が装着される。筒状嵌合部505の先端にはキャップ部材509が外挿され、パッキン507がキャップ部材509と支持壁511とで挟まれた状態に保持される。
パッキン507は、図6に示すように、外周層513と内周層515との2つの環状層が接着された2層構造を有していて、外周層513の外周面517は環状の凸条519が形成されて凹凸状に構成され、内周層515の内周面521は環状溝523が形成されて浅い凹凸状に構成されている。
図7に示すように、雌端子コネクタ500は、相手方コネクタである雄端子コネクタ525と結合されると、雄端子コネクタ525の嵌合部527がキャップ部材509の外周に挿入されるとともに、先端がパッキン507の外周に挿入される。これにより、筒状嵌合部505に装着されたパッキン507の凸条519が弾性変形して嵌合部527の内周面に密着し、雌端子コネクタ500と雄端子コネクタ525の嵌合部505,527同士の間がシールされ、水の侵入や塵埃の侵入を阻止することができた。
特開2002−151194号公報
ところで、パッキン507の水密や気密シール性能は、凸条519を適切に変形させることにより得られる。
しかしながら、パッキン507をオイルレス化した場合、摩擦係数が高くなることにより、滑り性が低下し、凸条519の頂部519aの先端が図8に示すように、嵌合部527の嵌合方向(矢印a方向)に引っ張られ、例えばオーバーハング状となる不適切な変形部529が出現した。このような変形部529は、パッキンの噛み込み、めくれ、座屈を生じさせ、挿入抵抗を増加させるとともに、嵌合部527の内周面に対する密着力を低下させ、結果として、挿入性、防水性能を低下させた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、環状突条を適切に変形させることができる防水コネクタを提供し、もって、パッキンの噛み込み、めくれ、座屈を防止し、挿入性、防水性能の向上を図ることを目的とする。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 相手方コネクタの嵌合部が嵌合されるコネクタハウジングの筒状嵌合部の外周に、嵌合部同士の間をシールする環状のパッキンが装着される防水コネクタであって、
前記パッキンの外周には環状突条が形成され、
該環状突条は、前記筒状嵌合部の軸線に沿う方向に一対の逆向き傾斜面を有する山形に形成され、かつ該筒状嵌合部の挿入先端側の傾斜面が反対側の傾斜面より大きい傾斜角度で形成されることを特徴とする防水コネクタ。
この防水コネクタによれば、挿入先端側の傾斜面と反対側の傾斜面の弾性材肉量(頂部から裾部までの体積)が多くなり、環状突条に働く嵌合方向の力に対する抵抗力が高まる。これにより、環状突条の頂部が、嵌合方向に引っ張られ、例えばオーバーハング状となる不適切な変形部の出現が防止でき、環状突条を、一対の逆向き傾斜面が略対称形状に潰れる良好な防水性能の変形部に適切に変形させることができる。
(2) (1)の防水コネクタであって、
前記環状突条が、前記軸線に沿って複数形成されることを特徴とする防水コネクタ。
この防水コネクタによれば、嵌合端側からの水等の進入を多段的に防いで、さらに防水性能を高めることができる。
(3) (2)の防水コネクタであって、
複数の前記環状突条は、前記筒状嵌合部の挿入先端側の先端環状突条が、反対側の後端環状突条よりも全高の低い山形に形成されることを特徴とする防水コネクタ。
この防水コネクタによれば、複数の環状突条が同一高さである構造に比べ、嵌合力を低減させて嵌合作業性を向上させることができる。また、最初に全高の低い先端環状突条が嵌合された後、全高の高い後端環状突条が嵌合されるので、嵌合開始を容易にして、これによっても嵌合作業性を向上させることができる。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つの防水コネクタであって、
前記山形の頂部が、前記一対の傾斜面を接続する凸曲面からなることを特徴とする防水コネクタ。
この防水コネクタによれば、頂部が凸曲面となることで、角部である場合に比べ、頂部が嵌合方向に引っ張られ難くなり、防水性の低い不適切な変形部(例えばオーバーハング状の変形部)がより出現し難くなって、挿入性、防水性が一層高まる。
本発明に係る防水コネクタによれば、筒状嵌合部の外周にパッキンが装着され、パッキンの外周には山形の環状突条が形成され、環状突条は、挿入先端側の傾斜面が反対側の傾斜面よりも大きい傾斜角度で形成されるので、環状突条を適切に変形させることができ、パッキンの噛み込み、めくれ、座屈を防止し、挿入性、防水性能を向上させることができる。
本発明に係る防水コネクタの分解斜視図である。 図1に示したパッキンの軸線を含む面による断面図である。 図2に示したパッキンの環状突条部の拡大図である。 (a)は嵌合前の環状突条の拡大図、(b)は潰れ初期状態の環状突条の拡大図、(c)は相手方コネクタの嵌合部が中立位置を越えた状態の環状突条の拡大図、(d)は変形終了状態の環状突条の拡大図である。 従来の雌端子コネクタの断面図である。 図5に示したパッキンの要部拡大図である。 従来の雌端子コネクタに雄端子コネクタを嵌合した状態を示す断面図である。 凸条に不適切な変形部が出現したパッキンの要部拡大図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る防水コネクタの分解斜視図である。なお、以下の説明において相手方コネクタとの嵌合先端側は前、その反対側は後と称す。
防水コネクタである雌コネクタ100は、端子収容室を内方に形成した筒状嵌合部であるハウジング本体11を有し、このハウジング本体11の外周が相手方コネクタ(図7の雄端子コネクタ525に相当)との嵌合部となる。ハウジング本体11の外側には相手方コネクタの嵌合部(図7の嵌合部527に相当する部位)を受け入れる間隙15を有して包囲するフード部17が設けられ、フード部17はハウジング本体11の後壁部でハウジング本体11と一体となる。
フード部17の後部には湾曲した切欠部19が形成され、切欠部19は後端が自由端となるロックアーム21を配置する。ロックアーム21は相手方コネクタとの嵌合を保持する。ハウジング本体11の前面には相手方コネクタの雄端子挿入口23,23が開口され、その間及びその下方にはフロントホルダ25の挿入口27が形成される。フロントホルダ25は、挿入口27から挿入されることで、係止部29をハウジング本体11内の係止手段(図示せず)に係止して装着されるとともに、規制部31,31を雌端子(図示せず)の離脱を阻止している弾性係止片の係止解除方向に位置させて、雌端子を二重係止構造とする。
ハウジング本体11は、長円筒状に形成され、その外周に、内周面をハウジング本体11の外周面に水密、気密に密着する長円筒状のパッキン33が装着される。パッキン33の後端には全周に渡って外側に突出するフランジ部35が形成され、フランジ部35はパッキン33がハウジング本体11に装着された状態で、後面がハウジング後壁(図示せず)の内面に当接し、前面には相手方コネクタの嵌合部先端が密接する。また、フランジ部35の左右両側には突起37が一体に形成され、突起37はハウジング内に形成された係止凹部に係止してパッキン33の脱落を規制する。
パッキン33にはシリコンゴム、ニトリルゴム(NBR)又はアクリルゴムなどのゴム素材或いはゴム状素材を用いることができる。また、パッキン33は、従来構造のように複数の環状層で形成し、環状層ごとに異なる素材を用いることも可能である。例えば、ハウジング本体11に対する組み付け側環状層(内層)を高硬度とし、反対側のはめ付け側環状層(外層)を低硬度とすることができる。
図2は図1に示したパッキンの軸線を含む面による断面図である。
パッキン33は、相手方コネクタの嵌合部が嵌合されるハウジング本体11の外周に装着され、嵌合部同士の間をシールする。このパッキン33は、長円筒状のパッキン本体39の外周に、環状突条41,43が形成される。環状突条41,43は、ハウジング本体11(或いはパッキン本体39)の軸線Gに沿って複数(本実施の形態では2つ)形成される。複数の環状突条41,43を備えることで、パッキン本体39の嵌合端側(フランジ部35側)からの水等の進入を多段的に防いで、さらに防水性能を高めている。
図3は図2に示したパッキンの環状突条部の拡大図である。
環状突条41,43は、ハウジング本体11の軸線Gに沿う方向に、一対の逆向き傾斜面41a,41b、43a,43bを有する山形に形成される。また、傾斜面41a,41b、43a,43bは、ハウジング本体11の挿入先端45側の傾斜面41a,43aが反対側の傾斜面41b,43bより大きい傾斜角度α>βで形成される。
複数の環状突条41,43は、ハウジング本体11の挿入先端45側の先端環状突条41が、反対側の後端環状突条43よりも高低差dを有した全高の低い山形に形成される。本実施の形態では、環状突条41,43が相似形で形成される。すなわち、先端環状突条41が小型に形成されていることで高低差dが形成されている。
環状突条41,43に高低差dを設けたパッキン本体39は、複数の環状突条41,43が同一高さである構造に比べ、嵌合力を低減させて嵌合作業性を向上させることができる。また、最初に全高の低い先端環状突条41が嵌合された後、全高の高い後端環状突条43が嵌合されるので、嵌合開始を容易にして、これによっても嵌合作業性を向上させることができる。
環状突条41,43は、山形の頂部41c,43cが、一対の傾斜面41a,41b、43a,43bを接続する凸曲面41R,43Rからなる。頂部41c,43cが凸曲面41R,43Rとなることで、角部である場合に比べ、頂部41c,43cが嵌合方向(矢印a方向)に引っ張られ難くなり、防水性の低い不適切な変形部(例えば図8に示したオーバーハング状の変形部529)がより出現し難くなって、挿入性、防水性が一層高まる。なお、図中、41L,43Lは、頂部41c,43cを通り、軸線Gに直交する中立線を示す。また、47は、パッキン本体39の外周面49の仮想延長線を示す。
次に、上記の構成を有する雌コネクタ100の作用を説明する。
図4(a)は嵌合前の環状突条の拡大図、(b)は潰れ初期状態の環状突条の拡大図、(c)は相手方コネクタの嵌合部が中立位置を越えた状態の環状突条の拡大図、(d)は変形終了状態の環状突条の拡大図である。
雌コネクタ100は、ハウジング本体11の外周にパッキン33が装着された状態で、相手方コネクタ525と結合される。結合が開始されると、図4(a)に示すように、相手方コネクタ525の嵌合部527が間隙15に進入する。
嵌合部527が最初の環状突条41の傾斜面41aを押圧し、図4(b)に示すように、傾斜面41aの傾斜角度αが傾斜角度α1に小さくなる。環状突条41は、傾斜面41aが押圧され、嵌合部527の先端にて置き換えられた体積分が、中立位置41Lの後方に移動する変形を生じ、傾斜角度βが傾斜角度β1と大きくなる。この際、傾斜角度β1は、傾斜角度α1よりも小さいので、傾斜面41bは緩やかに膨らむ。
さらに嵌合部527が挿入されると、図4(c)に示すように、嵌合部527の先端527aが中立位置41Lを越える。この状態においても、中立位置41Lより前方の体積が、中立位置41Lの後方に移動され、傾斜角度α1は傾斜角度α2となってさらに小さくなる。一方、傾斜角度β1は傾斜角度β2とさらに大きくなる。この状態においても、傾斜角度β2が傾斜角度α2よりも小さいことから、傾斜角度β2が大きい従来構造で生じたオーバーハング状となる不適切な変形部529(図8参照)が出現しない。
嵌合部527の先端527aが傾斜面41bを通過し、フランジ部35の前面に当接すると、嵌合が完了する。嵌合完了状態では、嵌合前の中立位置41Lよりも前方の体積の一部と、嵌合部527にて押し下げられた頂部41c近傍の体積とが、中立位置41Lより後方へ移動される。その結果、傾斜面41a及び傾斜面41bが後方へ押し倒され、略等しい傾斜角度α3,β3の傾斜面41a,41bとなる。なお、上記した環状突条41の変形過程における傾斜角度α、βの増減関係は、α>α1>α2>α3、β<β1<β2<β3、α1>β1、α2>β2、α3≒β3となる。
なお、上記の説明は環状突条41を例としたが、相似形とした環状突条43も同様に変形するので、その説明は省略する。
この雌コネクタ100では、例えば環状突条41において、挿入先端45側の傾斜面41aに対し、反対側の傾斜面41bの弾性材肉量(頂部41cから裾部までの体積)が多くなり、環状突条41に働く嵌合方向の力に対する抵抗力が高まる。これにより、環状突条41の頂部41cが、嵌合方向aに引っ張られ、例えばオーバーハング状となる不適切な変形部の出現が防止でき、環状突条41を、一対の逆向き傾斜面41a,41bが略対称形状に潰れる良好な防水性能の変形部51(図4参照)に適切に変形する。
したがって、上記構成の雌コネクタ100によれば、ハウジング本体11の外周にパッキン33が装着され、パッキン33の外周には山形の環状突条41,43が形成され、環状突条41,43は、挿入先端45側の傾斜面41a,43aが反対側の傾斜面41b,43bよりも大きい傾斜角度αで形成されるので、環状突条41,43を適切に変形させることができ、パッキン33の噛み込み、めくれ、座屈を防止し、挿入性、防水性能を向上させることができる。
11 ハウジング本体(筒状嵌合部)
33 パッキン
41 先端環状突条(環状突条)
43 後端環状突条(環状突条)
41a,43a 挿入先端側の傾斜面
41b,43b 反対側の傾斜面
41c,43c 山形の頂部
41R,43R 凸曲面
100 雌コネクタ(防水コネクタ)
525 相手方コネクタ
527 相手方コネクタの嵌合部
G 筒状嵌合部の軸線
α,β 傾斜角度

Claims (4)

  1. 相手方コネクタの嵌合部が嵌合されるコネクタハウジングの筒状嵌合部の外周に、嵌合部同士の間をシールする環状のパッキンが装着される防水コネクタであって、
    前記パッキンの外周には環状突条が形成され、
    該環状突条は、前記筒状嵌合部の軸線に沿う方向に一対の逆向き傾斜面を有する山形に形成され、かつ該筒状嵌合部の挿入先端側の傾斜面が反対側の傾斜面よりも大きい傾斜角度で形成されることを特徴とする防水コネクタ。
  2. 請求項1記載の防水コネクタであって、
    前記環状突条が、前記軸線に沿って複数形成されることを特徴とする防水コネクタ。
  3. 請求項2記載の防水コネクタであって、
    複数の前記環状突条は、前記筒状嵌合部の挿入先端側の先端環状突条が、反対側の後端環状突条よりも全高の低い山形に形成されることを特徴とする防水コネクタ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防水コネクタであって、
    前記山形の頂部が、前記一対の傾斜面を接続する凸曲面からなることを特徴とする防水コネクタ。
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