JP5267563B2 - 助手席用ニーエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、助手席用ニーエアバッグ装置に関する。
エアバッグモジュールをグラブドアに搭載したグラブドア付けニーエアバッグ装置が開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2002−356137号公報 特開2007−161090号公報
車両用シートに着座した乗員における膝部の位置は、該乗員の体格や該車両用シートの前後位置により変化するものであり、インストルメントパネルやグラブドアといったニーエアバッグの収納部に対して十分に離れていることもあれば、近接していることもあり得る。
しかしながら、上記した各従来例では、このような乗員の膝部の位置については何ら考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮して、車両の前面衝突時に、乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様は、通常時には収納部に折畳み状態で収納され、車幅方向における中央領域と、該中央領域の車幅方向両側かつ助手席に着座している乗員の膝部の車両前方に位置する端部領域とを有し、車両の前面衝突時にガスの供給を受けて、前記膝部側へ膨張展開可能に構成されたニーエアバッグと、車幅方向において折畳み状態のニーエアバッグよりも幅狭に構成された一般部を有し、該一般部が該ニーエアバッグの前記中央領域を車両後側から車両上下方向に跨ぐように配設され、該ニーエアバッグの膨張展開初期に、前記中央領域の膨張展開を抑制し、前記端部領域の車幅方向外側への膨張展開を、前記中央領域よりも先行させる展開制御布と、を有している。
本発明の第1の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、収納部に折畳み状態で収納されているニーエアバッグが、車両の前面衝突時にガスの供給を受けて、助手席に着座している乗員の膝部側へ膨張展開する。このとき、ニーエアバッグの中央領域の膨張展開は、展開制御布により抑制され、該中央領域の車幅方向両側かつ乗員の膝部の車両前方に位置する端部領域が、中央領域よりも先行して膨張展開する。
ここで、車両の前面衝突時に乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合には、ニーエアバッグの両側の端部領域が、乗員の膝部とニーエアバッグの収納部との間から該膝部の外側へと夫々膨張展開して行くので、該部に対するニーエアバッグの反力が弱まる。このため、車両の前面衝突時に、乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、前記ニーエアバッグは、車両上下方向に折り畳まれた後、車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれ、その車幅方向の折畳み部が前記端部領域に配置され、前記展開制御布における前記一般部は、前記車幅方向の折畳み部に車両後側から一部重なるように配置されている。
本発明の第2の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、ニーエアバッグが、車両上下方向に折り畳まれた後、車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれ、その車幅方向の折畳み部が端部領域に配置され、展開制御布における一般部が、ニーエアバッグの端部領域に配置される車幅方向の折畳み部に車両後側から一部重なるように配置されているので、通常時において、該車幅方向の折畳み部を、展開制御布の一般部により安定的に保持しておくことができ、またニーエアバッグの膨張展開時には、車幅方向の折畳み部が展開制御布の一般部から離脱し、端部領域となって乗員の膝部の車両前方に迅速に膨張展開することができる。これにより、通常時におけるニーエアバッグの折畳み状態を安定させつつ、車両の前面衝突時に、乗員の膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、車両上下方向における前記展開制御布の一方の端部は、前記収納部と前記ニーエアバッグとの間に係止され、車両上下方向における前記展開制御布の他方の端部は、少なくとも前記収納部の縦壁部と前記ニーエアバッグとの間に配置され、該ニーエアバッグの膨張展開初期にその膨張圧により前記縦壁部と該ニーエアバッグとの間に挟持されている。
本発明の第3の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、車両上下方向における展開制御布の一方の端部が、ニーエアバッグの収納部と該ニーエアバッグとの間に係止され、車両上下方向における展開制御布の他方の端部が、少なくとも収納部の縦壁部とニーエアバッグとの間に配置されており、ニーエアバッグの膨張展開初期には、展開制御布の他方の端部は、該ニーエアバッグの膨張圧により、収納部における少なくとも縦壁部と該ニーエアバッグとの間に挟持される。これにより、ニーエアバッグの膨張展開初期において、該ニーエアバッグの中央領域の膨張展開が、展開制御布の一般部により抑制され、ニーエアバッグの端部領域の膨張展開が該中央領域よりも先行することとなる。またこれによって、車両の前面衝突時に、助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる。
ニーエアバッグの膨張展開が更に進行し、展開制御布に生じる張力が増大すると、収納部の縦壁部とニーエアバッグとの間に挟持されていた展開制御布の他方の端部が、該縦壁部とニーエアバッグとの間から離脱する。これにより、ニーエアバッグの中央領域に対する膨張展開の抑制が解除されるので、該中央領域の膨張展開が進行し、最終的にはニーエアバッグが本来の大きさに膨張展開することができる。このため、車両の前面衝突時に、助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部から十分に離れていて近接状態にない場合には、該膝部に対するニーエアバッグの反力を十分に確保して、該膝部を適切に拘束することができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、車両上下方向における前記展開制御布の両方の端部は、前記収納部と前記ニーエアバッグとの間に夫々係止され、前記展開制御布の前記一般部には、該一般部に所定以上の張力が生じた際に破断する破断予定部が設けられている。
本発明の第4の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、車両上下方向における展開制御布の両方の端部が、収納部とニーエアバッグとの間に夫々係止されているので、ニーエアバッグの膨張展開初期に、該ニーエアバッグの中央領域の膨張展開が、展開制御布により安定的に抑制され、該ニーエアバッグの端部領域の膨張展開が、中央領域よりも先行することとなる。これにより、車両の前面衝突時に、助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる。
ニーエアバッグの膨張展開が更に進行し、展開制御布の一般部に生じる張力が所定以上になると、該一般部に設けられている破断予定部が破断する。これにより、ニーエアバッグの中央領域に対する膨張展開の抑制が解除されるので、該ニーエアバッグは本来の大きさに膨張展開することができる。このため、車両の前面衝突時に助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部から十分に離れていて近接状態にない場合には、該膝部に対するニーエアバッグの反力を十分に確保して、該膝部を適切に拘束することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の態様の何れか1態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、前記展開制御布の前記一般部には、前記ニーエアバッグの膨張展開初期における前記中央領域の前記乗員側への膨出許容量に対応した長さを有する余長部が設けられている。
本発明の第5の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、展開制御布の一般部に余長部が設けられているので、ニーエアバッグの膨張展開初期に、該ニーエアバッグの中央領域は、該余長部が伸びきるまで速やかに乗員側に膨出することができる。余長部が伸びきると、展開制御布に張力が生じ、ニーエアバッグの中央領域の膨張展開が抑制される。このため、ニーエアバッグの膨張展開初期に、該ニーエアバッグの中央領域を乗員側に速やかに膨出させてから、該中央領域の膨張展開を抑制し、端部領域の膨張展開を該中央領域に先行させることができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、前記余長部は、通常時に前記ニーエアバッグの前記中央領域上で折り畳まれると共に、前記ニーエアバッグの膨張展開時に前記展開制御布に生じる張力により破断可能な制御縫製部において縫製されている。
本発明の第6の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、展開制御布における一般部の余長部が、通常時にニーエアバッグの中央領域上で折り畳まれると共に制御縫製部において縫製されている。この制御縫製部は、ニーエアバッグの膨張展開時に展開制御布に生じる張力により破断する。制御縫製部が破断することで、折畳まれていた余長部が展開して伸びることが可能となる。これにより、通常時における余長部の状態を安定させつつ、ニーエアバッグの膨張展開時には、該余長部の範囲内でニーエアバッグの中央領域を乗員側に速やかに膨出させ、該余長部が伸びきった後、該中央領域の膨張展開を抑制し、端部領域の膨張展開を該中央領域に先行させることができる。
本発明の第7の態様は、第1〜6の態様の何れか1態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、車幅方向において、前記展開制御布の前記一般部の幅寸法は、折畳み状態の前記ニーエアバッグの幅寸法の1/3以下に設定されている。
本発明の第7の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、展開制御布の一般部の幅寸法が、折畳み状態のニーエアバッグの幅寸法の1/3以下に設定されているので、該ニーエアバッグの膨張展開初期において、その端部領域を、より広い範囲に膨張展開させることができる。このため、車両の前面衝突時に助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にあり、かつニーエアバッグの中心位置と、乗員における両方の膝部間の中心位置とが車幅方向にオフセットしている場合でも、乗員の膝部とニーエアバッグの収納部との間に、該ニーエアバッグの端部領域を夫々膨張展開させて、該膝部を適切に拘束することができる。
本発明の第8の態様は、第1〜7の態様の何れか1態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置において、前記収納部は、車両のグラブボックスの乗員側外壁を構成するグラブドア内に設けられている。
本発明の第8の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置では、ニーエアバッグの収納部が、車両のグラブボックスの乗員側外壁を構成するグラブドア内に設けられているので、車両の前面衝突時に、ニーエアバッグを助手席の乗員の膝部とグラブドアとの間に迅速に展開させることができる。このため、助手席の乗員の膝部に対する拘束性をより高めることができる。
以上説明したように、本発明の第1の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、車両の前面衝突時に、乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にある場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第2の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、通常時におけるニーエアバッグの折畳み状態を安定させつつ、車両の前面衝突時に、乗員の膝部をニーエアバッグにより適切に拘束できる、という優れた効果が得られる。
本発明の第3の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、車両の前面衝突時に助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にあるかどうかにかかわらず、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第4の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、車両の前面衝突時に助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にあるかどうかにかかわらず、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第5の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、ニーエアバッグの膨張展開初期に、該ニーエアバッグの中央領域を乗員側に速やかに膨出させてから、該中央領域の膨張展開を抑制し、端部領域の膨張展開を該中央領域に先行させることができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第6の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、通常時における余長部の状態を安定させつつ、ニーエアバッグの膨張展開時には、該余長部の範囲内でニーエアバッグの中央領域を乗員側に速やかに膨出させ、該余長部が伸びきった後、該中央領域の膨張展開を抑制し、端部領域の膨張展開を該中央領域に先行させることができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第7の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、車両の前面衝突時に助手席の乗員の膝部がニーエアバッグの収納部に対して近接状態にあり、かつニーエアバッグの中心位置と、乗員における両方の膝部間の中心位置とが車幅方向にオフセットしている場合でも、該膝部をニーエアバッグにより適切に拘束することができる、という優れた効果が得られる。
本発明の第8の態様に係る助手席用ニーエアバッグ装置によれば、ニーエアバッグによる、助手席の乗員の膝部に対する拘束性をより高めることができる、という優れた効果が得られる。
図1から図11は、第1実施形態に係り、図1は、助手席用ニーエアバッグ装置を備えた車両のインストルメントパネルを車室側から見た斜視図である。 グラブドア内に設けられた助手席用ニーエアバッグ装置を示す、図1における2−2矢視拡大断面図である。 助手席用ニーエアバッグ装置を示す拡大断面図である。 モジュールケースに組み込まれたニーエアバッグ及びフラップを示す斜視図である。 ニーエアバッグ、フラップ、インフレータ及びモジュールケースを示す分解斜視図である。 ニーエアバッグの膨張展開過程において、該ニーエアバッグの膨張圧によりグラブドアにおけるアウタパネルの一部がエアバッグドアとなって展開することで、ニーエアバッグが膨出し始め、該ニーエアバッグの中央領域の膨張展開がフラップにより抑制され、端部領域が該中央領域に先行して膨張展開している状態を示す斜視図である。 ニーエアバッグの膨張展開過程において、ニーエアバッグの中央領域の膨張展開がフラップにより抑制されつつ、端部領域の膨張展開が図6の状態よりも更に進行した状態を示す斜視図である。 ニーエアバッグの膨張展開過程において、フラップによるニーエアバッグの膨張展開の抑制が解除され、該ニーエアバッグがフル展開した状態を示す斜視図である。 フラップによりニーエアバッグの中央領域の膨張展開が抑制され、該中央領域に先行して膨張展開する端部領域により、グラブドアに近接している乗員の膝部が拘束されている状態を示す断面図である。 フラップによる中央領域の膨張展開の抑制が解除され、フル展開したニーエアバッグにより、乗員の膝部が拘束されている状態を示す断面図である。 車幅方向において、フラップの一般部の幅寸法と、折畳み状態のニーエアバッグの幅寸法との関係、並びにニーエアバッグの中心位置と、乗員における両方の膝部間の中心位置とが車幅方向にオフセットしている場合において、該ニーエアバッグの端部領域により該膝部が拘束されている状態を示す平面図である。 図12から図18は、第2実施形態に係り、図12は、グラブドア内に設けられた助手席用ニーエアバッグ装置を示す、図3に相当する断面図である。 モジュールケースに組み込まれたニーエアバッグ及びフラップを示す斜視図である。 ニーエアバッグ、フラップ、モジュールケース及びインフレータを示す分解斜視図である。 ニーエアバッグの膨張展開過程において、ニーエアバッグの中央領域の膨張展開がフラップにより抑制され、端部領域が該中央領域に先行して膨張展開している状態を示す斜視図である。 ニーエアバッグの膨張展開過程において、フラップによるニーエアバッグの膨張展開の抑制が解除され、該ニーエアバッグがフル展開した状態を示す斜視図である。 フラップによりニーエアバッグの中央領域の膨張展開が抑制され、該中央領域に先行して膨張展開する端部領域により、グラブドアに近接している乗員の膝部が拘束されている状態を示す断面図である。 フラップによる中央領域の膨張展開の抑制が解除され、フル展開したニーエアバッグにより、乗員の膝部が拘束されている状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1において、本実施の形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置10は、助手席12に対応して設けられたニーエアバッグ装置であり、ニーエアバッグ14と、展開制御布の一例たるフラップ16とを有している。
図2に示されるように、ニーエアバッグ14は、通常時には、収納部の一例たるモジュールケース19内に折畳み状態で収納される袋体である。このモジュールケース19は、車両18のグラブボックス22の乗員側外壁を構成するグラブドア24内に設けられている。ニーエアバッグ14は、車両18の衝突時に、例えばインフレータ26からのガスの供給を受けて、助手席12に着座している乗員28の膝部28K(図9から図11)側へ膨張展開可能に構成されている。
また図11に示されるように、ニーエアバッグ14は、車幅方向における中央領域14Aと、該中央領域14Aの車幅方向両側かつ助手席12に着座している乗員28の膝部28Kの車両前方に位置する端部領域14Bとを有している。更にニーエアバッグ14は、車両上下方向に折り畳まれた後、車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれ、その車幅方向の折畳み部14Cが端部領域14Bに配置されている。補足すると、この折畳み部14Cは、まず車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれてから、端部領域14Bの範囲内で再び車幅方向外側に折り返されている。なお、折畳み部14Cの折返し回数は、図示の例には限られない。
ここで、グラブボックス22の構成について簡単に説明する。図1,図2において、グラブボックス22は、助手席12側におけるインストルメントパネル30のうち、該助手席12の車両前方側となる位置に組み込まれて固定されている。このグラブボックス22は、例えば収納スペース32を構成する本体34と、乗員側外壁を構成するグラブドア24とを有して構成されている。本体34は、例えば車両後方側に開口した箱体として構成されている。
グラブドア24は、閉止時において乗員側(車両後方側)に位置するアウタパネル36と反乗員側(車両前方側)に位置するインナパネル38とを組み合わせ、内部にニーエアバッグ14の収納スペースを確保した蓋体である。グラブドア24の下端部の車幅方向両側には、スタッド(図示せず)が夫々設けられており、グラブドア24は該スタッドを介してインストルメントパネル30側に組み付けられている。またグラブドア24は、このスタッドを回転中心として開閉可能に構成されている。
図1に示されるように、アウタパネル36には、ニーエアバッグ14の膨張圧により破断するように構成された横破断予定部36A及び縦破断予定部36Bが設けられている。このうち横破断予定部36Aは、例えば、折畳み状態のニーエアバッグ14の車両上下方向中央部に対応する高さ位置において車幅方向に延び、該ニーエアバッグ14の車幅方向の両端部に対応する位置で夫々終端している。縦破断予定部36Bは、例えば、折畳み状態のニーエアバッグ14の車幅方向の両端部に対応する位置において車両上下方向に延び、該ニーエアバッグ14の車両上下方向の両端部に対応する高さ位置において夫々終端している。換言すれば、縦破断予定部36Bは、アウタパネル36の正面視において、モジュールケース19の車両右側の縦壁部19R及び車両左側の縦壁部19Lに沿って、車両上下方向に延びている。
更に、図1に示されるように、アウタパネル36には、両側の縦破断予定部36Bの上端同士及び下端同士を夫々結ぶように車幅方向に延びるヒンジ部36C,36Dが設けられている。換言すれば、ヒンジ部36C,36Dは、アウタパネル36の正面視において、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19U,車両下側の縦壁部19Dに沿って夫々車幅方向に延びている。
なお、図2,図3に示されるように、アウタパネル36の外面(後面)は、表皮37で覆われているが、該表皮37を用いない構成としてもよい。
図2,図3において、グラブドア24内には、ニーエアバッグ14が折畳み状態で収納されるモジュールケース19(収納部)が配設されている。図4,図5に示されるように、モジュールケース19は、車両前側に位置する長方形の底部19Fと、該底部19Fの四辺から夫々車両後側に立設された車両上側の縦壁部19U、車両下側の縦壁部19D、車両右側の縦壁部19R及び車両左側の縦壁部19Lを有する金属製の箱体であり、グラブドア24の閉止時(図2,図3参照)において、車両後方側が開口側となるように配置されている。モジュールケース19における車両上側の縦壁部19Uの上面及び車両下側の縦壁部19Dの下面には、夫々例えば金属板40が固着されている。この金属板40には、複数のフック42が夫々車幅方向に直列に設けられている。
また図2,図3,図5に示されるように、モジュールケース19における底部19Fには、インフレータ26用の取付け部19Aが設けられている。インフレータ26には、例えば2本のスタッドボルト44が立設されており、該スタッドボルト44を、モジュールケース19における取付け部19Aに車両後方側から差し込んで、該スタッドボルト44に対して車両前方側からナット46を締結することで、インフレータ26がニーエアバッグ14と共にモジュールケース19に固定されている。図2,図3に示されるように、モジュールケース19における取付け部19Aは、ナット46の取付けスペースを確保するために、グラブドア24のインナパネル38から離間した傾斜面として構成されている。また図5に示されるように、モジュールケース19における取付け部19Aには、スタッドボルト44を通すための2箇所の貫通孔19Bが設けられている。
図2,図3に示されるように、グラブドア24内のアウタパネル36側には、リテーナ48が取り付けられている。このリテーナ48は、例えば上下左右の基部48Aにおいてアウタパネル36の内面(車両前方側の面)に固着されている。基部48Aには、縦壁部48Bが、モジュールケース19の取付け領域を囲むように、インナパネル38に向かって枠状に立設されている。
リテーナ48における上下の縦壁部48Bには、複数の係止孔48Eが、夫々車幅方向に沿って直列に形成されており、該係止孔48Eにはモジュールケース19のフック42が夫々係止されている。
なお、リテーナ48における上下の縦壁部48Bの間に、アウタパネル36の裏面に沿う上下一対のドア基材(図示せず)を設けてもよい。この場合に、上下一対のドア基材の間には、所定値以上のニーエアバッグ14の膨張圧を受けて破断可能な破断予定部(図示せず)が形成され、上下の縦壁部48Bの根元部には、車幅方向に延びるヒンジ部(図示せず)が夫々形成される。
次に、図1から図5において、展開制御布の一例たるフラップ16は、車幅方向において折畳み状態のニーエアバッグ14よりも幅狭に構成された一般部16Aを有し、該一般部16Aが該ニーエアバッグ14の中央領域14Aを車両後側から車両上下方向に跨ぐように配設されている。このフラップ16は、該ニーエアバッグ14の膨張展開初期に、中央領域14Aの膨張展開を抑制し、端部領域14Bの車幅方向外側への膨張展開を、中央領域14Aよりも先行させるように構成されている。
具体的には、フラップ16は、例えば非伸長性の布であって、例えば車両下側の端部16B(車両上下方向における一方の端部)が、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止されている。図5に示されるように、車両下側の端部16Bには、モジュールケース19の貫通孔19Bに対応する貫通孔16Cが設けられている。なお、車両下側の端部16Bとは、一般部16Aを基準としてフラップ16を車両上下方向に展開した状態で、車両下側に位置する端部である。
図3に示されるように、フラップ16の一般部16Aは、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止された端部16Bの下縁から、該モジュールケース19の車両下側の縦壁部19Dとニーエアバッグ14の間を通り、該ニーエアバッグ14の中央領域14A(図4)を車両下方側から車両上方側に跨いでいる。
図4に示されるように、本実施形態においては、フラップ16の一般部16Aは、ニーエアバッグ14における車幅方向の折畳み部14Cに車両後側から一部重なるように配置されている。換言すれば、フラップ16の一般部16Aは、ニーエアバッグ14の中央領域14Aだけでなく、端部領域14Bにも一部重ねられている。車幅方向における一般部16Aと折畳み部14Cとの重なり量Aは、通常時におけるフラップ16による折畳み部14Cの保持性と、ニーエアバッグ14の膨張展開時における該折畳み部14Cの展開性とのバランスを考慮して設定される。なお、フラップ16の一般部16Aを、ニーエアバッグ14の折畳み部14C(端部領域14B)に一部重ねない構成としてもよい。
また図11に示されるように、車幅方向において、フラップ16の一般部16Aの幅寸法Fは、折畳み状態のニーエアバッグ14の幅寸法Wの1/3以下、即ちW/3以下に設定されている。ニーエアバッグ14の膨張展開初期において、その端部領域14Bを、より広い範囲に膨張展開させるためである。
図11には、F=W/3とした例が図示されている。この例では、フラップ16の一般部16Aは、ニーエアバッグ14の車幅方向の中央部に配設されているので、該ニーエアバッグ14のうち、フラップ16の一般部16Aが跨いでいない領域の幅も、夫々W/3となる。該一般部16Aがニーエアバッグ14の中央領域14Aのみを跨ぐように配置されている場合には、車幅方向における一般部16Aの幅寸法F、ニーエアバッグ14の中央領域14Aの幅寸法及び端部領域14Bの幅寸法が、共に等しくW/3となる。
次に、図3に示されるように、一般部16Aに連なるフラップ16の車両上側の端部16U(車両上下方向における他方の端部)は、少なくともモジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間に配置され、該ニーエアバッグ14の膨張展開初期に、その膨張圧により、該車両上側の縦壁部19Uと該ニーエアバッグ14との間に挟持されるようになっている。ここで、車両上側の縦壁部19Uは、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止されているフラップ16の車両下側の端部16Dに対して、車両上下方向において逆側に位置している。なお、車両上側の端部16Uとは、一般部16Aを基準としてフラップ16を車両上下方向に展開した状態で、車両上側に位置する端部である。
なお、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間に配置される車両上側の端部16Uの大きさや形状は、図示の例には限られない。ニーエアバッグ14の膨張展開初期における中央領域14Aの膨張展開抑制効果を高めたり、フラップ16における車両上側の端部16Uが車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間から離脱して該ニーエアバッグ14がフル展開するタイミングを遅らせたい場合には、車両上側の端部16Uの面積を拡大すればよい。ニーエアバッグ14の膨張展開初期における、モジュールケース19とニーエアバッグ14との間での車両上側の端部16Uの挟持力を、より高めることができるからである。具体的には、車両上側の端部16Uを、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間から、該モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間まで延長してもよい。
逆に、ニーエアバッグ14の膨張展開初期における中央領域14Aの膨張展開抑制効果を低めたり、車両上側の端部16Uが車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間から離脱して該ニーエアバッグ14がフル展開するタイミングを早めたい場合には、車両上側の端部16Uの面積を縮小すればよい。ニーエアバッグ14の膨張展開初期における、モジュールケース19とニーエアバッグ14との間での車両上側の端部16Uの挟持力を、より弱めることができるからである。
図示の例では、一般部16Aから車両上側の端部16Uにかけての車幅方向寸法が一定となっているが、これに限られるものではなく、例えば一般部16Aの車幅方向の端縁を湾曲形状又は屈曲形状としてもよく、また車両上側の端部16Uを、車幅方向に拡大したり、縮小したりしてもよい。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、本実施形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置10では、車両18が前面衝突し、図示しない衝突センサからの信号に基づいてエアバッグECUが該衝突の発生を判定すると、該エアバッグECUからインフレータ26(図2)に作動電流が流される。インフレータ26は、該作動電流を受けて作動して、多量のガスを噴出させる。このガスが、グラブドア24内のモジュールケース19に折畳み状態で収納されているニーエアバッグ14へと供給されることで、該ニーエアバッグ14が膨張展開し始める。
このときニーエアバッグ14の膨張圧は、グラブドア24におけるアウタパネル36の裏面(車両前方側の面)に作用する。この膨張圧が所定値以上になると、アウタパネル36に設けられた横破断予定部36A及び縦破断予定部36Bが破断する。これにより、図6,図9に示されるように、アウタパネル36の一部がエアバッグドア50となって、ヒンジ部36C,36D(図3)を中心として車両上方側及び車両下方側の双方へ展開し、アウタパネル36に開口部52が形成される。ニーエアバッグ14は、この開口部52を通じて、グラブドア24内から乗員28の膝部28K側に膨出する(図9,図11)。
このとき、図6,図7,図9に示されるように、ニーエアバッグ14の中央領域14Aの膨張展開は、フラップ16の一般部16Aにより抑制され、該ニーエアバッグ14の端部領域14Bが、中央領域14Aよりも先行して膨張展開する。具体的には、フラップ16の車両下側の端部16Bが、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止され、フラップ16の車両上側の端部16Uが、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間に配置されているため、ニーエアバッグ14の膨張展開初期には、フラップ16の車両上側の端部16Uは、該ニーエアバッグ14の膨張圧により、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uと該ニーエアバッグ14との間に挟持される。
これにより、該車両上側の縦壁部19Uと、車両上側の端部16Uと、ニーエアバッグ14との間に摩擦力が生じるので、ニーエアバッグ14の膨張圧によりフラップ16の一般部16Aに張力が生じる。これにより、ニーエアバッグ14の膨張展開初期において、該ニーエアバッグ14の中央領域14Aの膨張展開が、フラップ16の一般部16Aにより抑制され、該中央領域14Aの車幅方向両側かつ乗員28の膝部28Kの車両前方に位置する端部領域14Bが、該中央領域14Aよりも先行して膨張展開する。
ここで、車両18の前面衝突時に、乗員28の膝部28Kがグラブドア24(ニーエアバッグ14の収納部)に対して近接状態にある場合には、図11に示されるように、ニーエアバッグ14の両側の端部領域14Bが、乗員28の膝部28Kとグラブドア24のアウタパネル36との間から該膝部28Kの外側へと夫々膨張展開して行くので、該膝部28Kに対するニーエアバッグ14の反力が弱まる。このため、車両18の前面衝突時に、乗員28の膝部28Kがグラブドア24(ニーエアバッグ14の収納部)に対して近接状態にある場合でも、該膝部28Kをニーエアバッグ14により適切に拘束することができる。
なお、「近接状態」とは、ニーエアバッグ14の収納部としてのモジュールケース19が内設されるグラブドア24と、乗員28の膝部28Kとの間の隙間が、膨張展開完了時におけるニーエアバッグ14の厚さよりも小さいことを意味する。換言すれば、「近接状態」とは、乗員28の膝部28Kが、ニーエアバッグ14が本来の大きさまで完全に膨張展開する前に、該ニーエアバッグ14に当接してしまうような位置にあることをいう。
図8,図10に示されるように、ニーエアバッグ14の膨張展開が更に進行し、フラップ16の一般部16Aに生じる張力が更に増大して、モジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uと、フラップ16の車両上側の端部16Uと、ニーエアバッグ14との間の摩擦力を上回ると、該フラップ16の車両上側の端部16Uが、車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間から離脱する。これにより、ニーエアバッグ14の中央領域14Aに対する膨張展開の抑制が解除されるので、該中央領域14Aが車両上側から車両下側へと膨張展開して行き、ニーエアバッグ14が本来の大きさに膨張展開(フル展開)することができる。このため、車両18の前面衝突時に助手席12の乗員28の膝部28Kがグラブドア24から十分に離れていて近接状態にない場合に、該膝部28Kに対するニーエアバッグ14の反力を十分に確保して、該膝部28Kを適切に拘束することができる。
なお、図4に示されるように、ニーエアバッグ14は、通常時において、車両上下方向に折り畳まれた後、車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれ、その車幅方向の折畳み部14Cが端部領域14Bに配置され、フラップ16における一般部16Aが、ニーエアバッグ14の端部領域14Bに配置される車幅方向の折畳み部14Cに車両後側から一部重なるように配置されているので、通常時において、該車幅方向の折畳み部14Cを、フラップ16の一般部16Aにより安定的に保持しておくことができる。
ニーエアバッグ14の膨張展開時には、車幅方向の折畳み部14Cがフラップ16の一般部16Aから離脱し、端部領域14Bとなって乗員28の膝部28Kの車両前方に迅速に膨張展開することができる。これにより、通常時におけるニーエアバッグ14の折畳み状態を安定させつつ、車両18の前面衝突時に、乗員28の膝部28Kをニーエアバッグ14により適切に拘束することができる。
また、図11に示されるように、本実施形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置10では、フラップ16の一般部16Aの幅寸法Fが、折畳み状態のニーエアバッグ14の幅寸法Wの1/3以下、即ち、W/3以下に設定されているので、該ニーエアバッグ14の膨張展開初期において、その端部領域14Bを、より広い範囲に膨張展開させることができる。このため、車両18の前面衝突時に助手席12の乗員28の膝部28Kがグラブドア24に対して近接状態にあり、かつニーエアバッグ14の中心位置Cbと、乗員28における両方の膝部28K間の中心位置Cpとが車幅方向にオフセット(オフセット量e)している場合でも、該膝部28Kとグラブドア24との間に、該ニーエアバッグ14の端部領域14Bを夫々膨張展開させて、該膝部28Kを適切に拘束することができる。
更に本実施形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置10では、ニーエアバッグ14の収納部であるモジュールケース19が、車両18のグラブボックス22の乗員側外壁を構成するグラブドア24内に設けられているので、車両18の前面衝突時に、ニーエアバッグ14を助手席12の乗員28の膝部28Kとグラブドア24との間に迅速に展開させることができる。このため、助手席12の乗員28の膝部28Kに対する拘束性をより高めることができる。
なお、本実施形態においては、フラップ16の車両下側の端部16Bがモジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止され、車両上側の端部16Uが少なくともモジュールケース19の車両上側の縦壁部19Uとニーエアバッグ14との間に配置されるものとしたが、これに限られず、フラップ16の車両上側の端部16Uと車両下側の端部16Bの取付け構造を上下逆に構成してもよい。即ち、フラップ16の車両上側の端部16Uを、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止し、車両下側の端部16Bを、少なくともモジュールケース19の車両下側の縦壁部19Dとニーエアバッグ14との間に配置する構成としてもよい。
[第2実施形態]
図12において、本実施の形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置20では、フラップ16の車両上側の端部16D及び車両下側の端部16Bが、モジュールケース19の例えば底部19Fとニーエアバッグ14との間に夫々係止されている。図14に示されるように、車両上側の端部16D及び車両下側の端部16Bには、モジュールケース19の取付け部19Aにおける貫通孔19Bに対応する貫通孔16Cが夫々設けられている。車両上側の端部16D及び車両下側の端部16Bは、例えば車両上側の端部16Dを車両下側の端部16Bの車両後側に重ね、各々の貫通孔16Cの位置を合わせた状態で、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に係止されている。
具体的には、ニーエアバッグ14をモジュールケース19に収納する際に、貫通孔16Cには、インフレータ26のスタッドボルト44が通される。このスタッドボルト44は、更にモジュールケース19における取付け部19Aの貫通孔19Bに差し込まれる。この状態で、スタッドボルト44は、該取付け部19Aの車両前側に突出した状態となる。このスタッドボルト44に対して、ナット46を締め付けることで、モジュールケース19の取付け部19Aにインフレータ26、ニーエアバッグ14及びフラップ16が締結固定される。
図12から図14に示されるように、フラップ16のうち、ニーエアバッグ14の中央領域14Aを車両上下方向に跨ぐ一般部16Aの例えば車両上下方向中央部には、該一般部16Aに所定以上の張力が生じた際に破断する破断予定部16Fが設けられている。この破断予定部16Fは、例えばミシン目、スリット等である。破断予定部16Fの強度は、ニーエアバッグ14の膨張展開時における、フラップ16によるニーエアバッグ14の中央領域14Aの展開抑制の解除タイミングを考慮して設定される。
またフラップ16の一般部16Aには、ニーエアバッグ14の膨張展開初期における中央領域14Aの乗員28(図17)側への膨出許容量に対応した長さを有する余長部16Gが設けられている。この余長部16Gは、通常時にニーエアバッグ14の中央領域14Aの車両後側に重ねて折り畳まれると共に、ニーエアバッグ14の膨張展開時にフラップ16に生じる張力により破断可能な制御縫製部16Hにおいて縫製されている。本実施形態では、余長部16Gは、一般部16Aの車両上側及び車両下側に夫々均等に設けられている。
制御縫製部16Hは、各々の余長部16Gに例えば1箇所ずつ設けられている。フラップ16の一般部16Aに生じる張力に対する制御縫製部16Hの強度は、破断予定部16Fの強度よりも小さく設定されている。これにより、ニーエアバッグ14の膨張展開初期に、比較的小さな張力がフラップ16の一般部16Aに生じた段階でまず制御縫製部16Hが破断し、ニーエアバッグ14の中央領域14Aの乗員28の膝部28K側へ膨出に伴って余長部16Gが伸展し、一般部16Aに所定以上の張力が生じた際に、破断予定部16Fが破断するようになっている。
なお、余長部16Gの折畳み方や折畳み位置、制御縫製部16Hの位置や縫い目の長さは、図示の例には限られない。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図12において、本実施形態に係る助手席用ニーエアバッグ装置20では、車両18(図1参照)の前面衝突時に、第1実施形態と同様に、ニーエアバッグ14の膨張圧によりグラブドア24のアウタパネル36に開口部52が形成され、該ニーエアバッグ14が、該開口部52を通じて、該グラブドア24内から乗員28の膝部28K側に膨出する(図17,図18)。
このとき、図15に示されるように、フラップ16の一般部16Aに生じた張力により、余長部16Gを折畳み状態に縫製していた制御縫製部16Hが破断する。これにより、折畳まれていた該余長部16Gは、ニーエアバッグ14の中央領域14Aの膨張展開に伴って速やかに伸びて行く。ニーエアバッグ14の中央領域14Aは、該余長部16Gが伸びきるまで速やかに乗員28の膝部28K(図17)側に膨出することができる。余長部16Gが伸びきると、フラップ16に張力が生じ、ニーエアバッグ14の中央領域14Aの膨張展開が抑制される。このため、通常時における余長部16Gの状態を安定させつつ、ニーエアバッグ14の膨張展開初期には、該ニーエアバッグ14の中央領域14Aを乗員28の膝部28K側に速やかに膨出させてから、該中央領域14Aの膨張展開を抑制することができる。
またこのとき、フラップ16の車両上側の端部16D及び車両下側の端部16Bは、モジュールケース19の底部19Fとニーエアバッグ14との間に夫々係止されているので、該ニーエアバッグ14の中央領域14Aの膨張展開は、フラップ16により安定的に抑制される。ニーエアバッグ14の端部領域14Bの膨張展開が、中央領域14Aよりも先行することで、車両18の前面衝突時に、助手席12の乗員28の膝部28Kがグラブドア24に対して近接状態にある場合でも、該乗員28の膝部28Kに対するニーエアバッグ14の反力を抑制して、該膝部28Kを適切に拘束することができる。
図16,図18に示されるように、ニーエアバッグ14の膨張展開が更に進行し、フラップ16の一般部16Aに生じる張力が所定以上になると、該一般部16Aに設けられている破断予定部16Fが破断する。これにより、ニーエアバッグ14の中央領域14Aに対する膨張展開の抑制が解除されるので、該ニーエアバッグ14は本来の大きさに膨張展開(フル展開)することができる。このため、車両18の前面衝突時に助手席12の乗員28の膝部28Kがグラブドア24から十分に離れていて近接状態にない場合に、該乗員28の膝部28Kに対するニーエアバッグ14の反力を十分に確保して、該膝部28Kを適切に拘束することができる。
なお、上記各実施形態において、展開制御布の一例として、非伸長性の布であるフラップ16を挙げたが、展開制御布はこれに限られない。第1実施形態のように、余長部を設けない場合には、展開制御布にある程度の伸長性を持たせてもよい。
(符号の説明)
10は助手席用ニーエアバッグ装置、12は助手席、14はニーエアバッグ、14Aは中央領域、14Bは端部領域、14Cは折畳み部、16はフラップ(展開制御布)、16Aは一般部、16Bは車両下側の端部(一方の端部)、16Dは車両上側の端部、16Uは車両上側の端部(他方の端部)、18は車両、19はモジュールケース(収納部)、19Uは車両上側の縦壁部、20は助手席用ニーエアバッグ装置、22はグラブボックス、24はグラブドア、28は乗員、28Kは膝部、16Fは破断予定部、16Gは余長部、16Hは制御縫製部、Fはフラップの幅寸法、Wはニーエアバッグの幅寸法である。

Claims (6)

  1. 通常時には収納部に折畳み状態で収納され、車幅方向における中央領域と、該中央領域の車幅方向両側かつ助手席に着座している乗員の膝部の車両前方に位置する端部領域とを有し、車両上下方向に折り畳まれた後、車幅方向両側から車幅方向中央側に折り畳まれ、その車幅方向の折畳み部が前記端部領域の範囲内で再び車幅方向外側に折り返されて該端部領域に配置され、車両の前面衝突時にガスの供給を受けて、前記膝部側へ膨張展開可能に構成されたニーエアバッグと、
    車幅方向において折畳み状態のニーエアバッグよりも幅狭に構成された一般部を有し、該一般部が該ニーエアバッグの前記中央領域を車両後側から車両上下方向に跨ぐように配設されると共に、前記車幅方向の折畳み部に車両後側から一部重なるように配置され、該ニーエアバッグの膨張展開初期に、前記中央領域の膨張展開を抑制し、前記端部領域の車幅方向外側への膨張展開を、前記中央領域よりも先行させる展開制御布と、を有し、
    車両上下方向における前記展開制御布の一方の端部は、前記収納部と前記ニーエアバッグとの間に係止され、
    車両上下方向における前記展開制御布の他方の端部は、少なくとも前記収納部の車両上下方向の縦壁部と前記ニーエアバッグとの間に配置され、該ニーエアバッグの膨張展開初期にその膨張圧により前記縦壁部と該ニーエアバッグとの間に挟持され、該ニーエアバッグの膨張展開の進行に伴って前記縦壁部と該ニーエアバッグとの間から離脱する助手席用ニーエアバッグ装置。
  2. 前記展開制御布の前記一般部には、前記ニーエアバッグの膨張展開初期における前記中央領域の前記乗員側への膨出許容量に対応した長さを有する余長部が設けられている請求項1記載の助手席用ニーエアバッグ装置。
  3. 前記余長部は、通常時に前記ニーエアバッグの前記中央領域上で折り畳まれると共に、前記ニーエアバッグの膨張展開時に前記展開制御布に生じる張力により破断可能な制御縫製部において縫製されている請求項に記載の助手席用ニーエアバッグ装置。
  4. 車幅方向において、前記展開制御布の前記一般部の幅寸法は、折畳み状態の前記ニーエアバッグの幅寸法の1/3以下に設定されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の助手席用ニーエアバッグ装置。
  5. 前記収納部は、車両のグラブボックスの乗員側外壁を構成するグラブドア内に設けられている請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の助手席用ニーエアバッグ装置。
  6. 前記一方の端部は、前記展開制御布の車両下側の端部であり、
    前記他方の端部は、前記展開制御布の車両上側の端部である請求項に記載の助手席用ニーエアバッグ装置。
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