JP5277207B2 - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に関する。
本技術分野の背景技術としては、例えば特許文献1(特開2005−122869号公報)がある。特許文献1には、課題として「ディスク状記録媒体の偏心等による影響を低減してトラッキング誤差信号の品質の向上を図る」と記載があり、解決手段として「使用波長が異なる複数の種類のディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生を可能とし、発光素子9から発光された波長の異なるレーザ光をそれぞれ主光束と一対の第1の副光束と一対の第2の副光束とに分割する複数の領域を有する回折素子10を設け、任意の一種類のディスク状記録媒体の記録面上に該ディスク状記録媒体の略半径方向において離隔して形成される第1の副光束のスポット中心と第2の副光束のスポット中心との距離をDとし、nを自然数とし、当該任意の一種類のディスク状記録媒体のトラックピッチをPとしたときに、距離Dが略(2n−1)×P/2となるようにした」と記載がある。
特開2005−122869号公報
光ピックアップ装置は、一般に光ディスク内にある所定の記録トラック上に正しくスポットを照射するため、フォーカス誤差信号の検出により対物レンズをフォーカス方向に変位させてフォーカス方向に調整が行われる他、トラッキング誤差信号を検出して対物レンズを光ディスク状記録媒体の半径方向へ変位させてトラッキング調整が行われる。これらの信号により対物レンズの位置制御が行われる。
このうちトラッキング誤差信号検出方法として、プッシュプル方式が知られているが、対物レンズのトラッキング方向変位により大きな直流変動(以下DCオフセットと呼ぶ)が生じやすいという問題がある。
そこで、このDCオフセットの低減を図ることのできる差動プッシュプル方式が広く用いられている。
差動プッシュプル方式(DPP:Differential Push Pull方式)は、回折格子によって光束を主光束と副光束に分割し、主光束(以下メインビームと呼ぶ)と副光束(以下サブビームと呼ぶ)を用いてDCオフセットを低減している。
しかし、DPP方式はディスク上の3つのスポットがトラックに対して決まった配置でなければならないため、例えば光ディスクの偏心や回折格子の回転ズレが生じると、DPP信号の振幅変化が生じ、安定したトラッキング制御を行うことが難しくなる。
そこで特許文献1では、発光素子から発光されたレーザ光を主光束と一対の第1の副光束と一対の第2の副光束とに分割する複数の領域を有する回折素子を設け、ディスク状記録媒体の記録面上に該ディスク状記録媒体の略半径方向において離隔して形成される第1のサブスポットの中心と第2のサブスポットの中心との距離をDとし、nを自然数とし、ディスク状記録媒体のトラックピッチをPとしたときに、距離Dが略(2n−1)×P/2となるようにすることで、ディスクの偏心や回折格子の回転ズレによる影響を低減している。この方式は回折格子によって5つのビームに分割されるので、以下説明を簡略化するため、このトラッキング誤差検出方式を従来5ビームDPP方式と呼ぶ。
しかしながら、上記従来5ビームDPP方式には以下に示すような問題点がある。上記特許文献によれば、従来5ビームDPP方式はサブスポットによるプッシュプル信号振幅は0となり、対物レンズがトラッキング方向へ変位する際に生ずるDCオフセット信号のみが検出されるため、これを用いて主光束のDCオフセット信号をキャンセルするとしている。しかし、サブビームのプッシュプル信号振幅を0にしてしまうとディスクの傷などによる外乱が発生した場合、安定したトラッキング制御ができない課題がある。この課題については、特許文献1には記載されていないため、具体的な解決策が提示されていない。
そこで本発明では、5ビームDPP方式において安定したトラッキング誤差信号を検出可能な光ピックアップ装置、光ディスク装置および光検出器を提供することを目的とする。
上記目的は、特許請求の範囲に記載の発明によって達成できる。
本発明によれば、安定したトラッキング誤差信号を検出することのできる光ピックアップ装置、光ディスク装置を提供することができる。
実施例1における本発明の光学系を説明する図である。 実施例1における本発明の回折格子を示す図である。 実施例1における本発明のディスク上スポットを示す図である。 実施例1における本発明の受光部を示す図である。 実施例1における本発明の別の回折格子を示す図である。 実施例1における本発明の別の受光部を示す図である。 実施例2における本発明の光学系を説明する図である。 実施例2における本発明のディスク上スポットを示す図である。 実施例2における本発明の受光部を示す図である。 実施例2における本発明の別の受光部を示す図である。 実施例3における光学的再生装置を説明する図である。 実施例4における光学的記録再生装置を説明する図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係る光ピックアップ装置の光学系を示したものである。ここでは、DVDで説明を行うがそれ以外の波長であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
半導体レーザ50からは、波長略660nmの光ビームが発散光として出射される。半導体レーザ50から出射した光ビームは回折格子11に入射する。図2は回折格子11を示したものである。回折格子11は、例えば文献1の図3の回折格子と同じ構成となっており、回折格子はTan方向に分割線800によって領域Iと領域IIに分けられている。領域Iと領域IIは、同じ溝ピッチで溝方向が異なっているため、領域Iを回折した光ビームと領域IIを回折した光ビームは異なる方向に回折される。また、回折格子領域Iおよび領域IIの回折効率は例えば−1次光:0次光:+1次光が1:10:1であるとする。このため、回折格子11に入射した光ビームは、領域Iの±1次回折光、領域IIの±1次回折光、領域Iと領域IIの0次回折光の5つのビームに分離される。
5つに分離された光ビームは、ビームスプリッタ52を反射し、コリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームは立ち上げミラーを反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク100上に集光される。
この時、ディスク上には図3のようにAの+1次回折光スポット20a、領域IIの+1次回折光スポット20b、領域Iと領域IIの0次光スポット20c、領域Iの−1次回折光スポット20d、領域IIの−1次回折光スポット20eが形成される。スポット20a、20bは、スポット20aのスポット中心と20bのスポット中心との距離がDとなっている。また、−1次光も同様にスポット20d、20eは、スポット20dのスポット中心と20eとの距離がDとなっている。
そして、光ディスク100により反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52、検出レンズ53を経て光検出器10に入射する。
検出器10には、例えば図4に示すように、3個の受光面10a、10b、10cが配置されている。受光面10a、10b、10cはそれぞれ4分割されており、受光面10aは、受光領域a1、a2、a3、a4に分けられ、受光面10bは、受光領域b1、b2、b3、b4に分けられ、受光面10cは、c1、c2、c3、c4に分けられる。
そして、光ディスクを反射した5つのビームは受光面に入射する。+1次回折光スポット20a、+1次回折光スポット20bは、受光面10aに入射し、0次光スポット20cは受光面10bに入射し、−1次回折光スポット20d、−1次回折光スポット20eは受光面10cに入射する。ここで、受光領域a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3、b4、c1、c2、c3、c4から得られた信号A1、A2、A3、A4、B1、B2、B3、B4、C1、C2、C3、C4を以下の演算によりトラッキング誤差信号を生成する。

TES=MPP−k×(SPP1+SPP2)
MPP=(B1+B2)−(B3+B4)
SPP1=(A1+A2)−(A3+A4)
SPP2=(C1+C2)−(C3+C4)

式中のMPP、SPP1、SPP2とは、受光面10b、10a、10cで検出されたプッシュプル信号を示す。また、式中のkは、対物レンズが変位した場合に、トラッキング誤差信号にDC成分を発生しないようにする係数である。
実際のドライブでは、対物レンズの変位や光ディスクの傾きなどが生じると、それに伴って各プッシュプル信号に所定のDCオフセット成分が発生するが、このオフセット成分は明らかにディスク面上のスポット位置に関係なくMPP、SPP1、SPP2のいずれも同じ極性で発生する。したがって上記演算を行うと、各プッシュプル信号に含まれるオフセット成分が打ち消し合い、結果的にオフセット成分が完全に除去または大幅に低減された良好なトラッキング誤差信号を検出することができる。
ここで、本実施例の効果を説明するために、特許文献1に示される従来5ビームDPP方式について簡単に説明する。本実施例と特許文献1の従来5ビームDPP方式との大きな違いは、ディスク上の2つのサブビーム間の距離Dが異なっていることである。特許文献1では、nを自然数とし、ディスク状記録媒体のトラックピッチをPとしたときに、距離Dが略(2n−1)×P/2となっていることを特徴としている。このため、検出されたSPP1とSPP2のプッシュプル信号振幅が0となる。これが特許文献1の最大の特徴となっている。しかし、SPP1とSPP2のプッシュプル信号振幅を0にしてしまうとディスクの傷などによる外乱が発生した場合、安定したトラッキング制御ができない課題がある。
そこで、本実施例では、nを自然数とし、ディスクのトラックピッチをPとしたときに、距離Dが、

(4n−3)×P/2<D<(4n−1)×P/2

を満たすことを特徴としている。このように配置するとSPP1、SPP2はMPP信号と180度ずれた位相の信号となる。以下、それについて説明する。
ここでは、簡単のために図3の位置を基準とし、ディスクが回転することでスポットがディスク上の溝に対し、xμm移動したときの信号を考える。ここで、簡単のためにトラッキング誤差信号を三角関数で示す。
図3の位置を基準とするとMPP信号振幅はsin(2π×x/P)と考えることができる。また、SPP1、SPP2信号は、メインの信号に対してスポット位置が+D/2μm、−D/2μmずれた信号と考えることができるため、sin(2π×(x+D/2)/P)+sin(2π×(x−D/2)/P)と表せる。この式を演算するとSPP1、SPP2信号振幅は、2×sin(2π×x)×cos(2π×D/2/P)と表すことができる。ここで、トラッキング誤差信号振幅は、上記演算式より、sin(2π×x/P){1−2×k×cos(2π×D/2/P)}と表せる。このとき、特許文献1では距離Dを略(2n−1)×P/2とすることでcos(2π×D/2/P)を0にしていた。
それに対し、本実施例では、(4n−3)×P/2<D<(4n−1)×P/2とすることでcos(2π×D/2/P)を負とし、結果としてトラッキング誤差信号振幅を増幅することを特徴としている。これにより、ディスクの傷などによる外乱が発生した場合であっても、より安定したトラッキング制御が行えるのである。また、特許文献1で課題としているディスク偏芯に対するトラッキング誤差の変化を低減するためには、距離Dが(2n−1)×Pとなる条件を除くことで効果が得られる。ただし、この条件であってもディスク偏芯に対してDPP方式と同等以上のトラッキング誤差信号性能が得られることは云うまでもない。
ここで、同じシステムでありながら複数のトラックピッチに対応したシステムについて説明を行う。例えば、2つのトラックピッチのディスクが存在するシステムの場合には、mを自然数とし、第一のディスクのトラックピッチをP1としたときに、距離Dが、(4m−3)×P1/2<D<(4m−1)×P1/2を満たしており、lを自然数とし、第二のディスクのトラックピッチをP2としたときに、距離Dが、(4l−3)×P2/2<D<(4l−1)×P2/2を満たしていれば、複数のトラックピッチであっても安定したトラッキング誤差信号が得られる。さらに3つ以上のトラックピッチのディスクが存在するシステムの場合には、それに合わせて条件を加えることで対応できることは言うまでもない。
ここで、DVDについて説明を行う。DVDではDVD±R/RW、DVD−RAMIIなどがあり、DVD±R/RWとDVD−RAMIIは、同じ開口数、同じ波長にも関わらずトラックピッチが異なっている。DVD±R/RWはトラックピッチが0.74μmであり、DVD−RAMIIは、1.23μmとなっている。このため、2つのディスクにおいて安定したトラッキング誤差信号を得るためには、mとlを自然数とし、0.37×(4m−3)(μm)<D<0.37×(4m−1)(μm)および0.615×(4l−3)(μm)<D<0.615×(4l−1)(μm)の2式を満足すれば良いことがわかる。ここで例えばm=1、l=1とすると0.37(μm)<D<1.11(μm)および0.615(μm)<D<1.845(μm)となるため、2式を満足するためには、0.615(μm)<D<1.11(μm)となる。この範囲であれば、トラッキング誤差信号振幅は増幅するため、DVD±R/RWとDVD−RAMIIにおいて安定したトラッキング誤差信号が検出できる。
ここで、本実施例では、非点収差検出方式で説明を行ったが、本実施例の最大の特徴は、ディスク上のスポット間隔Dであることから、例えばナイフエッジ検出方式やスポットサイズ検出方式などの検出方式であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、DVDで説明を行ったがそれ以外のシステムであっても良い事は言うまでもない。
さらに、回折格子から対物レンズまでの距離が大きい場合には、Tan方向の分割線のずれが発生してしまう。このような場合には例えば、図5のように回折格子の領域を複数に分割することで対応しても良いし、図6のように受光面の中央領域を検出しないことで分割線のずれを検出しない構成としても良い。
図7は本発明の第2の実施例に係る光ピックアップ装置の光学系を示したものである。実施例1との違いはレーザが2波長レーザ150となっていること、光検出器110の受光部配置が異なっていることであり、それ以外は実施例1と同様の構成である。ここでは、2波長レーザをDVD/CD用レーザで説明を行うがそれ以外の波長であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
2波長レーザ150は、発光点が2つあり、DVD用の約660nmレーザを出射する発光点1とCD用の約785nmレーザを出射する発光点2がある。発光点1と発光点2は、所定の距離を置いて配置されている。
まずDVD光学系について説明する。2波長レーザ150からは、波長略660nmの光ビームが発散光として出射される。2波長レーザ150から出射した光ビームは回折格子11に入射する。図2は回折格子11を示したものである。回折格子11は、例えば特許文献1の図3の回折格子とおなじ構成となっており、回折格子はTan方向に分割線800によって領域Iと領域IIに分けられている。領域Iと領域IIは、同じ溝ピッチで溝方向が異なっているため、領域Iを回折した光ビームと領域IIを回折した光ビームは異なる方向に回折される。また、回折格子領域Iおよび領域IIの回折効率は例えば−1次光:0次光:+1次光が1:10:1であるとする。このため、回折格子11に入射した光ビームは、領域Iの±1次回折光、領域IIの±1次回折光、領域Iと領域IIの0次回折光の5つのビームに分離される。
5つに分離された光ビームは、ビームスプリッタ52を反射し、コリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームは立ち上げミラーを反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク100上に集光される。
この時、ディスク上には図8(a)、(b)のように領域Iの+1次回折光、領域IIの+1次回折光、領域Iと領域IIの0次光、領域Iの−1次回折光、領域IIの−1次回折光がそれぞれ、スポット25a、25b、25c、25d、25eが形成される。スポット25a、25bは、スポット25aのスポット中心と25bのスポット中心との距離をDaとなっている。また、−1次光も同様にスポット25d、25eは、スポット25dのスポット中心と25eとの距離をDaとなっている。
そして、光ディスク100により反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52、検出レンズ53を経て光検出器110に入射する。
検出器110には、例えば図9に示すように、6個の受光面10g、10h、10i、10j、10k、10lが配置されている。受光面10g、10h、10i、10j、10k、10lはそれぞれ4分割されており、受光面10gは、受光領域g1、g2、g3、g4に分けられ、受光面10hは、受光領域h1、h2、h3、h4に分けられ、受光面10iは、i1、i2、i3、i4に分けられ、受光面10jは、j1、j2、j3、j4に分けられ、受光面10kは、k1、k2、k3、k4に分けられ、受光面10lは、l1、l2、l3、l4に分けられる。
そして、光ディスク100により反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52、検出レンズ53を経て光検出器110の受光面10g、10h、10iに入射する。受光面10g、10h、10iのg1、g2、g3、g4、h1、h2、h3、h4、i1、i2、i3、i4から得られた信号G1、G2、G3、G4、H1、H2、H3、H4、I1、I2、I3、I4を以下の演算によりトラッキング誤差信号を生成する。

TES=MPP−k1×(SPP1+SPP2)
MPP=(H1+H2)−(H3+H4)
SPP1=(G1+G2)−(G3+G4)
SPP2=(I1+I2)−(I3+I4)

式中のMPP、SPP1、SPP2とは、受光面10h、10g、10iで検出されたプッシュプル信号を示す。また、式中のk1は、対物レンズが変位した場合に、トラッキング誤差信号にDC成分を発生しないようにする係数である。
実際のドライブでは、対物レンズの変位や光ディスクの傾きなどが生じると、それに伴って各プッシュプル信号に所定のDCオフセット成分が発生するが、このオフセット成分は明らかにディスク面上のスポット位置に関係なくMPP、SPP1、SPP2のいずれも同じ極性で発生する。したがって上記演算を行うと、各プッシュプル信号に含まれるオフセット成分が打ち消し合い、結果的にオフセット成分が完全に除去または大幅に低減された良好なトラッキング誤差信号を検出することができる。
次にCD光学系について説明する。2波長レーザ150からは、波長略785nmの光ビームが発散光として出射される。2波長レーザ150から出射した光ビームは回折格子11に入射する。回折格子11を回折した光ビームはDVD同様、5つのビームに分離される。
5つに分離された光ビームは、ビームスプリッタ52を反射し、コリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームは立ち上げミラーを反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク100上に集光される。
この時、ディスク上には図8(c)のように領域Iの+1次回折光、領域IIの+1次回折光、領域Iと領域IIの0次光、領域Iの−1次回折光、領域IIの−1次回折光がそれぞれ、スポット30a、30b、30c、30d、30eが形成される。スポット30a、30bは、スポット30aのスポット中心と30bのスポット中心との距離をDbとするとCDとDVDの波長の違いより、Db=(785/660)×Daにより決定される。
そして、光ディスクを反射した5つのビームは受光面10j、10k、10lに入射する。ここで、受光面10j、10k、10lの受光領域j1、j2、j3、j4、k1、k2、k3、k4、l1、l2、l3、l4から得られた信号J1、J2、J3、J4、K1、K2、K3、K4、L1、L2、L3、L4を以下の演算によりトラッキング誤差信号を生成する。

TES=MPP−k2×(SPP1+SPP2)
MPP=(K1+K2)−(K3+K4)
SPP1=(J1+J2)−(J3+J4)
SPP2=(L1+L2)−(L3+L4)

式中のMPP、SPP1、SPP2とは、受光面10k、10j、10lで検出されたプッシュプル信号を示す。また、式中のk2は、対物レンズが変位した場合に、トラッキング誤差信号にDC成分を発生しないようにする係数である。
ここで、対応波長およびディスクのトラックピッチの異なるシステムに対応する方法について説明を行う。例えば、2つ波長が存在するシステムの場合には、mを自然数とし、第一のディスクのトラックピッチをP1としたときに、距離Daが、(4m−3)×P1/2<Da<(4m−1)×P1/2を満たしており、tを自然数とし、第二のディスクのトラックピッチをP2としたときに、距離Dbが、(4t−3)×P2/2<Db<(4t−1)×P2/2を満たしていれば、安定したトラッキング誤差信号が得られる。ここで、波長と回折格子による回折角の関係から第一のディスクの対応波長をλ1、第二のディスクの対応波長をλ2とするとDb=Da×λ2/λ1と表すことができる。さらに例えば3つ以上の対応波長やトラックピッチのディスクが存在するシステムの場合には、それに合わせて条件を加えることで対応できることは言うまでもない。
ここで、DVDとCDについて説明を行う。DVDのディスク上でスポット25a、25bの距離を距離Dとすると、DVDは実施例1で説明したように、mとlを自然数とし、0.37×(4m−3)(μm)<D<0.37×(4m−1)(μm)および0.615×(4l−3)(μm)<D<0.615×(4l−1)(μm)の2式を満足すれば良い。また、CDは波長の違いを考慮し、tを自然数とし、0.8×(4t−3)(μm)<D×0.785/0.660<0.8×(4t−1)(μm)を満足すればよい。このため、上記3式を満足すればDVD、CDにおいて安定したトラッキング誤差信号が検出可能となる。
ここで例えばm=1、l=1、t=1とすると0.37(μm)<D<1.11(μm)、0.615(μm)<D<1.845(μm)、0.673(μm)<D<2.018(μm)となるため、3式を満足するためには、0.673(μm)<D<1.11(μm)となる。この範囲であれば、トラッキング誤差信号振幅は増幅するため、DVD±R/RWとDVD−RAMII、CDにおいて安定したトラッキング誤差信号が検出できる。
ここで、本実施例では、非点収差検出方式で説明を行ったが、本実施例の最大の特徴は、ディスク上のスポット間隔Dであることから、例えばナイフエッジ検出方式やスポットサイズ検出方式などの検出方式であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、DVDで説明を行ったがそれ以外のシステムであっても良い事は言うまでもない。
さらに、回折格子から対物レンズまでの距離が大きい場合には、Tan方向の分割線のずれが発生してしまう。このような場合には例えば、図5のように回折格子の領域を複数に分割することで対応しても良いし、図10のように受光面の中央領域を検出しないことで分割線のずれを検出しない構成としても良い。
実施例3では、光ピックアップ装置170を搭載した、光学的再生装置について説明する。図11は光学的再生装置の概略構成である。光ピックアップ装置170は、光ディスク100のRad方向に沿って駆動できる機構が設けられており、アクセス制御回路172からのアクセス制御信号に応じて位置制御される。
レーザ点灯回路177からは所定のレーザ駆動電流が光ピックアップ装置170内の半導体レーザに供給され、半導体レーザからは再生に応じて所定の光量でレーザ光が出射される。なお、レーザ点灯回路177は光ピックアップ装置170内に組み込むこともできる。
光ピックアップ装置170内の検出器10または検出器110から出力された信号は、サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175に送られる。サーボ信号生成回路174では前記検出器10または検出器110からの信号に基づいてフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号ならびにチルト制御信号などのサーボ信号が生成され、これを基にアクチュエータ駆動回路173を経て光ピックアップ装置170内のアクチュエータを駆動して、対物レンズの位置制御がなされる。
前記情報信号再生回路175では、前記検出器10または検出器110からの信号に基づいて光ディスク100に記録されている情報信号が再生される。
前記サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175で得られた信号の一部はコントロール回路176に送られる。このコントロール回路176にはスピンドルモータ駆動回路171、アクセス制御回路172、サーボ信号生成回路174、レーザ点灯回路177などが接続され、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ180の回転制御、アクセス方向およびアクセス位置の制御、対物レンズのサーボ制御、光ピックアップ装置170内の半導体レーザ発光光量の制御などが行われる。
実施例4では、光ピックアップ装置170を搭載した、光学的記録再生装置について説明する。図12は光学的記録再生装置の概略構成である。この装置で前記図11に説明した光学的情報記録再生装置と相違する点は、コントロール回路176とレーザ点灯回路177の間に情報信号記録回路178を設け、情報信号記録回路178からの記録制御信号に基づいてレーザ点灯回路177の点灯制御を行って、光ディスク100へ所望の情報を書き込む機能が付加されている点である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
2:対物レンズ、5:アクチュエータ、10:検出器、10a〜10l:受光面、11:回折格子、50:半導体レーザ、51:コリメートレンズ、52:ビームスプリッタ、53:検出レンズ、56:1/4波長板、100:光ディスク、110:検出器、150:半導体レーザ、170:光ピックアップ装置、171:スピンドルモータ、172:アクセス制御、173:アクチュエータ駆動回路、174:サーボ信号生成回路、175:情報信号再生回路、176:コントロール回路、177:レーザ点灯回路、178:情報記録回路、180:スピンドルモータ、800:回折格子分割線

Claims (7)

  1. 少なくとも第一の波長のレーザ光および第二の波長のレーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記半導体レーザから出射した光ビームをメイン光ビームと複数のサブ光ビームに分岐する分岐手段と、
    前記複数の光ビームを集光して第一の波長に対応した第一の光ディスクおよび第二の波長に対応した第二の光ディスクの記録面上に各々独立した複数のスポットを照射する集光光学系と、
    前記複数のスポットの前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
    を備えた光ピックアップ装置において、
    前記光ディスクに集光されたメイン光ビームに対し、少なくとも2つのサブビームは、前記光ディスク上に光ディスク回転方向の前方または後方の少なくとも一方に集光され、
    前記2つのサブビームは、前記第一の光ディスクにおいて、前記光ディスク半径方向に距離Dだけ離れて集光され、
    第一の光ディスクに対して、
    nを自然数、前記第一の光ディスクのトラックピッチをP1としたときに距離Dが、(4n−3)×P1/2<D<(4n−1)×P1/2を満たしており、
    第二の光ディスクに対して、
    lを自然数、前記第二の光ディスクのトラックピッチをP2、前記第一の光ディスクのレーザ光の波長をλ1、前記第二の光ディスクのレーザ光の波長をλ2としたときに距離Dが、(4l−3)×P2/2<D×λ2/λ1<(4l−1)×P2/2を満たしていることを特徴とするとする光ピックアップ装置。
  2. 少なくとも第一の波長のレーザ光、第二の波長のレーザ光、第三の波長のレーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記半導体レーザから出射した光ビームをメイン光ビームと複数のサブ光ビームに分岐する分岐手段と、
    前記複数の光ビームを集光して第一の波長に対応した第一の光ディスク、第二の波長に対応した第二の光ディスク、第三の波長に対応した第三の光ディスクの記録面上に各々独立した複数のスポットを照射する集光光学系と、
    前記複数のスポットの前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
    を備えた光ピックアップ装置において、
    前記光ディスクに集光されたメイン光ビームに対し、少なくとも2つのサブビームは、前記光ディスク上に光ディスク回転方向の前方または後方の少なくとも一方に集光され、
    前記2つのサブビームは、前記第一の光ディスクにおいて、前記光ディスク半径方向に距離Dだけ離れて集光され、
    第一の光ディスクに対して、
    nを自然数、前記第一の光ディスクのトラックピッチをP1としたときに距離Dが、(4n−3)×P1/2<D<(4n−1)×P1/2を満たしており、
    第二の光ディスクに対して、
    lを自然数、前記第二の光ディスクのトラックピッチをP2、前記第一の光ディスクのレーザ光の波長をλ1、前記第二の光ディスクのレーザ光の波長をλ2としたときに距離Dが、(4l−3)×P2/2<D×λ2/λ1<(4l−1)×P2/2を満たしており、
    第三の光ディスクに対して、
    tを自然数、前記第三の光ディスクのトラックピッチをP3、前記第一の光ディスクのレーザ光の波長をλ1、前記第三の光ディスクのレーザ光の波長をλ3としたときに距離Dが、(4t−3)×P3/2<D×λ3/λ1<(4t−1)×P3/2を満たしていることを特徴とするとする光ピックアップ装置。
  3. 波長が略650nmのレーザ光および波長が略780nmのレーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記半導体レーザから出射した光ビームをメイン光ビームと複数のサブ光ビームに分岐する分岐手段と、
    前記複数の光ビームを集光して波長略650nmに対応したトラックピッチが略0.74μmの第一の光ディスクと波長略650nmに対応したトラックピッチが略1.23μmの第二の光ディスクと波長略780nmに対応したトラックピッチが略1.6μmの第三の光ディスクの記録面上に各々独立した複数のスポットを照射する集光光学系と、
    前記複数のスポットの前記光ディスクからの反射光を受光する光検出器と、
    を備えた光ピックアップ装置において、
    前記光ディスクに集光されたメイン光ビームに対し、少なくとも2つのサブビームは、前記光ディスク上に光ディスク回転方向の前方または後方の少なくとも一方に集光され、
    前記2つのサブビームは、前記第一の光ディスクにおいて、前記光ディスク半径方向に距離Dだけ離れて集光され、
    前記距離Dが、0.673(μm)<D<1.11(μm)を満たしていることを特徴とするとする光ピックアップ装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項記載の光ピックアップ装置において、
    前記回折素子は、前記光ディスク半径方向に略平行な方向の分割線によって、少なくとも2分割されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか一項記載の光ピックアップ装置において、
    前記第一の副光束と第二の副光束の検出光量が略同じになるように、前記回折素子に複数の領域を配置したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項記載の光ピックアップ装置において、
    前記光検出器の第一の副光束と第二の副光束を検出する受光面は、少なくとも4分割されており、
    前記光ディスク回折光の方向に対して略垂直な方向に所定距離だけ離れて配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項1から請求項のいずれか一項記載の光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置内における前記半導体レーザを駆動するレーザ点灯回路と、前記光ピックアップ装置内の前記光検出器から検出された信号を用いてフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号を生成するサーボ信号生成回路と、光ディスクに記録された情報信号を再生する情報信号再生回路とを搭載した光ディスク装置。
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