以下に、本発明に係わる開環メタセシス重合体、その水素添加物およびその製造方法並びに、その用途、について詳細に説明する。
[開環メタセシス重合体]
本発明における開環メタセシス重合体は、少なくとも一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]並びに、下記一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]を含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0であることを特徴とする開環メタセシス重合体である。
(式中、R1〜R4のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の有機酸残基を含む置換基であり、その他は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R1〜R4が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X1は−O−、−S−、−NR5−、−PR5−、および−CR5 2−から(R5は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。mは0または1〜3の整数を表す。)
(式中、R6〜R9は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R6〜R9が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X2は−O−、−S−、−NR10−、−PR10−、および−CR10 2−から(R10は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。nは0または1〜3の整数を表す。)
本発明の一般式[1]においてR1〜R4は、少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の有機酸残基を含む置換基であり、例えば、炭素原子数1〜20のカルボン酸、アルキルカルボン酸、炭素原子数1〜20のアルキルスルホン酸および炭素原子数1〜20のフッ素含有アルキルアルコール、および炭素原子数6〜20のアリールアルコール、炭素原子数7〜20のアリールカルボン酸および炭素原子数6〜20のアリールスルホン酸の有機酸残基を含む置換基が挙げられる。
これらの有機酸残基を含む置換基は、熱可塑性を損なうことなく、極性が高く、透明性に優れ、架橋できる反応性を有し、さらに、有機酸による水素結合によってガラス転移温度を高める効果があり、耐熱性特性を高めることができる。また、親水性、即ち極性を高めることで水に対する接触角を適度に調節でき、例えばレジストのベースポリマーとして使用する場合、基材との接着性や密着性、表面コートや塗装などの表面処理性を向上することができる。また、光や熱を掛けることで、ジアミン、ジエポキシなどの架橋剤の存在下で反応させることができ、硬化性などの特性を持たせることで耐熱性、耐溶剤性を向上することができる。
これらの有機酸残基を含む置換基としてさらに具体的には、炭素原子数1のカルボン酸、炭素原子数2〜20のアルキルカルボン酸としてはメチルカルボン酸、エチルカルボン酸、シクロへキシルカルボン酸、またはヘキシル−3−カルボン酸などが挙げられ、炭素原子数1〜20のアルキルスルホン酸としては、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、またはシクロヘキシルスルホン酸などが挙げられ、炭素原子数1〜20のフッ素含有アルキルアルコールとしてはヒドロキシジフルオロメチル、ヒドロキシビス(トリフルオロメチル)メチルなどが挙げられ、また、炭素原子数6〜20のアリールアルコールとしてはヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルなどが挙げられ、炭素原子数7〜20のアリールカルボン酸としてはフェニルカルボン酸、フェニルジカルボン酸などが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールスルホン酸としてはフェニルスルホン酸、トルイルスルホン酸などが挙げられる。
その他は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としてはフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシ、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、および1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としてはフェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、または炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸などが挙げられ、シアノ基としてはニトリル、シアノメチルまたはシアノエチル等の炭素原子数1〜20のシアノ基、またケイ素含有基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリ−tert−ブチルシリル、トリペンチルシリル、トリヘキシルシリル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシ、トリイソブチルシリルオキシ、トリ−tert−ブチルシリルオキシ、トリペンチルシリルオキシ、トリヘキシルシリルオキシ等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシカルボニル、トリエチルシリルオキシカルボニル、トリプロピルシリルオキシカルボニル、トリブチルシリルオキシカルボニル、トリイソブチルシリルオキシカルボニル、トリ−tert−ブチルシリルオキシカルボニル、トリペンチルシリルオキシカルボニル、トリヘキシルシリルオキシカルボニル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシカルボニル基が具体例として挙げられる。これらの中では特に水素が好ましい。
また、R1〜R4が互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造やフェニルマレイミド環を形成できる環状のイミド構造、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造などが挙げられる。
さらに、X1は−O−、−S−、−NR5−、−PR5−、および−CR5 2−から(R5は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、mは0または1〜3の整数であり、好ましくは0または1である。またmが1〜3の整数の場合、X1は同一でも異なってもよい。−NR5−、−PR5−、および−CR5 2−のR5としては、水素、炭素原子数1〜20のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチルのアルキル基が具体例として挙げられる。X1として好ましくは−O−、−S−または−CH2−であり、特に好ましくは−O−または−S−である。
また、本発明の一般式[2]におけるR6〜R9は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としてはフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシ、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としてはフェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、および炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸などが挙げられ、シアノ基としてはニトリル、シアノメチルまたはシアノエチル等の炭素原子数1〜20のシアノ基、またケイ素含有基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリ−tert−ブチルシリル、トリペンチルシリル、トリヘキシルシリル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシ、トリイソブチルシリルオキシ、トリ−tert−ブチルシリルオキシ、トリペンチルシリルオキシ、トリヘキシルシリルオキシ等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシカルボニル、トリエチルシリルオキシカルボニル、トリプロピルシリルオキシカルボニル、トリブチルシリルオキシカルボニル、トリイソブチルシリルオキシカルボニル、トリ−tert−ブチルシリルオキシカルボニル、トリペンチルシリルオキシカルボニル、トリヘキシルシリルオキシカルボニル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシカルボニル基が具体例として挙げられる。
R6〜R9として、好ましくは、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としてはフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシなどが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基としてはメトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としてはフェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、または炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸である。
R6〜R9として、好ましくは、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としてはフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルである。さらに好ましくはR6〜R9は水素である。
また、R6〜R9は互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造やフェニルマレイミド環を形成できる環状のイミド構造、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造などが挙げられる。
さらに、X2は−O−、−S−、−NR10−、−PR10−、および−CR10 2−から(R10は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、nは0または1〜3の整数であり、好ましくは0または1である。またnが1〜3の整数の場合、X2は同一でも異なってもよい。−NR10−、−PR10−、および−CR10 2−のR10としては、水素、炭素原子数1〜20のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチルのアルキル基が具体例として挙げられる。X2として、好ましくは−O−、−S−または−CH2−であり、特に好ましくは−O−または−S−である。
一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]の有機酸残基を含む置換基は、それらの酸性プロトンを介した分子間の水素結合によって適度な分子間ネットワークを形成する。これによってポリマーのモビリティーが制限され、使用温度では、ガラス転移温度が高く、耐熱特性を向上させ、一方では、溶融成型などの成形プロセス温度では、その水素結合力が弱まり、適度な流動性をもつような熱可塑性を示す。この繰り返し構造単位[A]の含有量に応じて、これらの特性を適宜制御することが大切である。
また、基材との接着性、密着性や表面コートや塗装なとの表面処理性も同様に水素結合による分子間力によってその効果を発現し、この繰り返し構造単位[A]の含有量によって制御できる。これら特性は、水に対する接触角を評価することによって接着性や密着性、表面処理性などの機能発現を予測でき、この接触角を制御するために使用用途および期待する効果に応じて繰り返し構造単位[A]の含有量を適宜調整することができる。より具体的には、一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]の含有量が多いと、使用温度における耐熱性が高く、水接触角を小さくすることができる。
さらに、ジアミン化合物、例えば、ヘキサメチレンジアミンなどの二官能性の低分子化合物や二官能以上のアミノ基を有するオリゴマーやジエポキシ、例えば、両末端ジエポキシポリオールやオレフィン性高分子の酸化によるエポキシ基を含有させたオリゴマーなどを架橋剤として高温での溶融過熱や溶液での混合接触または特定波長の紫外線光で暴露することによって、繰り返し構造単位[A]の有機酸残基と反応させ、硬化特性を発現することができ、ルイス酸存在下で反応させてもよい。これによってさらに耐熱性、耐溶剤性をさらに向上することができる。
これらの特性を発現させるためには、本発明における開環メタセシス重合体は、少なくとも一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体であり、好ましくはその構成モル比[A]/[B]が1/99〜100/0である。また、繰り返し構造単位[A]と構造単位[B]以外の繰り返し構造単位を含んでもよく、その構造単位の含有量は、構造単位[A]と[B]の総和に対して50モル%以下であることが好ましい。
また、本発明における開環メタセシス重合体の水接触角は、好ましくは105°以下、より好ましくは50°以上105°以下、最も好ましくは80°以上100°以下である。
少なくとも一般式[1]中のX1が−O−、−S−、−NR5−、および−PR5−(R5は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)から選ばれる構造単位[A]および、一般式[2]中のX2が−O−、−S−、−NR10−、および−PR10−(R10は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)から選ばれる構造単位[B]から選ばれる構造単位を有する開環メタセシス重合体は、水素結合などの相互作用が増し、水接触角をさらに小さくすることができる。特に一般式[1]のX1および一般式[2]のX2のうち少なくとも一つは−O−が好ましい。
本発明における開環メタセシス重合体は、D線波長光に対する屈折率が、好ましくは1.48以上であり、より好ましくは、1.48〜1.70である。
光の屈折率は一般的に光の波長によって変化するが、一般的な透明性を有する材料である、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、環状オレフィンポリマーなどと組み合わせた部材へ適用するときには、特にD線(波長589nm)に対する屈折率で評価することが重要であり、本発明の開環メタセシス重合体と、これらの透明性を有する材料の屈性率に大きな差異がないと材料間での光の屈折率差が小さいために屈折反射などの光の散乱を起こさない。
この光の屈折性は、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]よって調整することができる。特に、屈折率を高めたいときは、一般式[2]中のR6〜R9の置換基にフェニルなどのアリールを含有することが有効であり、また、一般式[1]および一般式[2]におけるX1またはX2が−S−、好ましくはX1およびX2が−S−であることにより高屈折性を発現することができる。
この光学特性を発現させるための、一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含む、本発明における開環メタセシス重合体の構成モル比[A]/[B]は、水に対する接触角に依存する密着性や、表面処理性や有機酸残基による分子間の水素結合による耐熱性とのバランスによって、任意に決めることができる。
また、本発明の開環メタセシス重合体の可視光領域の光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上100%以下である。
本発明に係る開環メタセシス重合体の引き剥がし強度(接着強度)は、以下のようにして測定することができる。
(i)はじめにフィルム状の被着体の片面に20wt%の濃度でTHFに溶解させた開環メタセシス重合体溶液を乾燥後の厚さが10μmとなるように流延塗布して、温度100℃で10分間加熱乾燥して接着シートを2枚作製する。
(ii)次いで、得られた接着シート1枚から幅3.2mmのシート3枚を切り出し、残りの接着シートの重合体塗布面と、裁断して得られた接着シート3枚の重合体塗布面とを合わせて重ねる。ここで、裁断して得られた接着シート3枚は互いに重ならないようにする。
(iii)次いで、接着シートの片方の端を1cm程度プレスしない様にして、表面が鏡面処理されている2枚の金属板とクッション材であるポリイミドシートの間に挟んで、加熱プレス機を用いて荷重5MPa、開環メタセシス重合体のガラス転移温度より20〜60℃高い温度で1分間加熱及び加圧処理した後、取り出して冷却することで積層シートを作製する。
(iv)得られた積層シートの裁断していない接着シート面を、治具で固定されたガラスクロスで補強したエポキシ樹脂製のシートに両面テープで接着し、他方の面の裁断された接着シートのプレスしていない端面をクランプに挟み、IPC−TM650法に準じて、エポキシ樹脂製のシートに固定された面とクランプに挟んだシート面とがなす剥離角度90°で連続的に50mm/分の速度で引っ張って、引き剥がし強度、即ち接着強度を測定する。
本発明に係る開環メタセシス重合体の引き剥がし強度(接着強度)は、好ましくは0.1kN/m以上、より好ましくは0.1kN/m以上3.0kN/m以下、最も好ましくは、0.4kN/m以上3.0kN/m以下である。このような接着強度であれば、実用に充分耐える重合体を提供することができる。
本発明に係る開環メタセシス重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析装置(DSC)で測定することができる。
本発明に係る開環メタセシス重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは20℃以上である。このようにすれば、室温における弾性率の低下が抑制され、十分な強度が得られる。また、上記ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下である。このような重合体であれば、成形温度や接着温度を極端に高くしなくてすみ、開環メタセシス重合体の劣化を防止することができる。
本発明における開環メタセシス重合体の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜300,000の範囲にある。このようにすれば、ポリマーとしての物性が良好に発現するとともに、薄膜形成や射出成型時の流動性が良好となる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.4〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0とする。均一な厚みの薄膜形成や良好な射出成型性を得る観点からは、分子量分布は広い方が好ましい。
[開環メタセシス重合体の水素添加物]
本発明における開環メタセシス重合体の水素添加物は、(1)の開環メタセシス重合体の主鎖二重結合の、好ましくは50%以上100%以下、より好ましくは80〜100%を水素添加させたものである。さらに、詳しくは開環メタセシス重合体の水素添加物は、開環メタセシス重合体が少なくとも一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体であり、好ましくはその構成モル比[A]/[B]が1/99〜100/0である。
また、繰り返し構造単位[A]と構造単位[B]以外の繰り返し構造単位を含んでもよく、その構造単位の含有量は、構造単位[A]と[B]の総和に対して50%以下であることが好ましく、この開環メタセシス重合体の主鎖の二重結合を50%以上100%以下、好ましくは80%以上100%以下で水素添加させた水素添加物である。
光学特性において、特定の波長に対して、特に紫外線領域の波長に対して光を吸収する主鎖二重結合を多く含有すると紫外線領域の波長に対する光透過性が低下し光学特性を損なう。この光透過性は、必要とする透過率を前記(1)の開環メタセシス重合体の主鎖二重結合を水素で添加し、飽和結合にすることで制御することができ、二重結合の量が多いとその屈折率は高くなり、水素添加することによって飽和結合の量を増すと屈折率を低下させることができる。この水素添加率の増減で屈折率を任意に調整できる。
一方、これらの主鎖二重結合は、幾何学的に平面構造を有することでポリマーの自由な運動を制限する。すなわち、二重結合が多くあれば、ガラス転移温度は高くなり、耐熱特性は向上する。しかし、二重結合は酸化に対する安定性を悪化させることがあり、酸化を防止するためには、一般的にオレフィン系重合体に使用することができる酸化防止剤などを適宜加えることによって問題を解決することができる。また、二重結合を酸化させてエポキサイドの構造を持たせてもよい。
さらに、これら二重結合の量は、ポリマーの機械強度、耐衝撃性にも影響を与え、その量が多ければ剛性を高め、二重結合を水素添加し飽和結合に変換すれば、柔軟性や耐衝撃強度を高めることができる。この主鎖二重結合の水素添加の割合(以下、水素添加率という)は、光透過性、耐熱性、耐候性や機械強度、衝撃性などのポリマー物性のバランスによって任意に決めることができる。
この二重結合の水素添加率の水に対する接触角への影響は少なく、開環メタセシス重合体と同様である。
本発明における開環メタセシス重合体水素添加物は、フィルム状の2枚の被着体間に挟んで加熱圧着して得られる積層フィルムの被着体の端をクランプに挟み、IPC−TM650法に準じて、被着体の片側を90度方向に50mm/分の速度で引っ張って測定した引き剥がし強度、即ち接着強度が好ましくは0.1kN/m以上、より好ましくは0.1kN/m以上3.0kN/m以下、最も好ましくは0.4kN/m以上3.0kN/m以下である。このような接着強度であれば、実用に充分耐える重合体水素添加物を提供することができる。
本発明における開環メタセシス重合体水素添加物は、示差熱分析装置(DSC)で測定したガラス転移温度(Tg)が20℃〜300℃、好ましくは20℃〜280℃である。Tgが20℃以上であれば、室温における弾性率の低下が抑制され、十分な強度が得られる。また300℃以下、好ましくは280℃以下であると成形温度や接着温度を極端に高くしなくてすみ、開環メタセシス重合体水素添加物の劣化を防止することができる。
本発明における開環メタセシス重合体の水素添加物の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜300,000の範囲にある。このようにすれば、ポリマーとしての物性が良好に発現するとともに、薄膜形成や射出成型時の流動性が良好となる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.4〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0とする。均一な厚みの薄膜形成や良好な射出成型性を得る観点からは、分子量分布は広い方が好ましい。
[開環メタセシス重合体の製造方法]
本発明において、一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]を含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である、有機酸残基を含む置換基を有する開環メタセシス重合体は、下記一般式[3]で表わされる少なくとも1種類の環状オレフィン単量体[C]、または下記一般式[3]で表わされる環状オレフィン単量体[C]と、下記一般式[4]で表される環状オレフィン単量体[D]との少なくとも2種類の環状オレフィン単量体を、開環メタセシス重合触媒によって重合した後に、加水分解または酸脱離することによって製造することができる。加水分解または酸脱離により、有機酸残基を含む置換基が生成される。
(式中、R11〜R14のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R11〜R14が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X1は−O−、−S−、−NR15−、−PR15−、および−CR15 2−から(R15は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。pは0または1〜3の整数を表す。)
(式中、R16〜R19は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R16〜R19が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X2は−O−、−S−、−NR20−、−PR20−、および−CR20 2−から(R20は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。qは0または1〜3の整数を表す。)
さらに、有機酸残基を含む置換基を有する一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体は、環状オレフィン単量体の構成モル比[C]/[D]との関係として[A]≦[C]、かつ[A]/[B]≦[C]/[D]とすることができる。
すなわち、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[C]の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基から変換する有機酸残基を含む置換基を有する繰り返し構造単位[A]は、環状オレフィン単量体[C]に由来する酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基の全てまたは一部を加水分解または酸脱離して有機酸残基を含む置換基を有する繰り返し構造単位[A]に変換することができる。
本発明において開環メタセシス重合触媒で重合する一般式[3]、または一般式[4]で表される環状オレフィン単量体としては、pまたはqが0であるビシクロヘプトエンの誘導体、pまたはqが1であるテトラシクロドデセンの誘導体、pまたはqが2であるヘキサシクロヘプタデセンの誘導体、pまたはqが3であるオクタシクロドコセンの誘導体等が挙げられる。
一般式[3]において、R11〜R14のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基とは、酸またはアルカリによって加水分解または酸脱離によって前述した有機酸残基を生成することができる置換基であり、例えば、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基、炭素原子数2〜20のアルキルスルホニルオキシアルキル基、炭素原子数3〜20のアルコキシカルボニルオキシフッ素含有アルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシフッ素含有アルキル基、炭素原子数7〜20のアルコキシアリール基、炭素原子数8〜20のアルコキシカルボニルアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルスルホニルオキシアリール基が挙げられる。
これらの有機酸残基を含む置換基としてさらに具体的には、炭素原子数1のカルボン酸、炭素原子数2〜20のアルキルカルボン酸としてはメチルカルボン酸、エチルカルボン酸、シクロへキシルカルボン酸、またはヘキシルー3−カルボン酸などが挙げられ、炭素原子数1〜20のアルキルスルホン酸としては、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、またはシクロヘキシルスルホン酸などが挙げられ、炭素原子数1〜20のフッ素含有アルキルアルコールとしてはヒドロキシジフルオロメチル、ヒドロキシビス(トリフルオロメチル)メチルなどが挙げられ、また、炭素原子数6〜20のアリールアルコールとしてはヒドロキシフェニル、ジヒドロキシフェニルなどが挙げられ、炭素原子数7〜20のアリールカルボン酸としてはフェニルカルボン酸、フェニルジカルボン酸などが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールスルホン酸としてはフェニルスルホン酸、トルイルスルホン酸などが挙げられる。
具体的には、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、特に、好ましくは2級または3級のアルコキシを有するアルコキシカルボニル基が用いられ、炭素原子数3〜20のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルエチル、tert−ブトキシカルボニルメンチル、シクロヘキシルオキシカルボニルメチル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルメチル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニルメンチル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニルメチル、1−エトキシエトキシカルボニルメチル、または1−ブトキシエトキシカルボニルメチルなどが挙げられ特に、好ましくは2級または3級のアルコキシを有するアルコキシカルボニルアルキル基が用いられる。
また、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基としては、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、tert−ブチルスルホニルオキシなどが挙げられ、炭素原子数2〜20のアルキルスルホニルオキシアルキル基としては、メチルスルホニルオキシメチル、エチルスルホニルオキシエチル、イソプロピルスルホニルオキシシクロヘキシルなどが挙げられ、炭素原子数3〜20のアルコキシカルボニルオキシフッ素含有アルキル基としては、アセトキシジフルオロメチル、アセトキシビス(トリフルオロメチル)メチル、エチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル、tert−ブチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチルなどが挙げられ、さらに、炭素原子数2〜20のアルコキシフッ素含有アルキル基としては、tert−ブトキシジフルオロメチル、tert−ブトキシビス(トリフルオロメチル)メチル、1−エチルシクロペンチルオキシジフルオロメチル、1−エチルシクロペンチルオキシビス(トリフルオロメチル)メチルなどが挙げられる。また、炭素原子数7〜20のアルコキシアリール基としては、メトキシフェニル、ジメトキシフェニルなどが挙げられ、炭素原子数8〜20のアルコキシカルボニルアリール基としては、メトキシカルボニルフェニル、ジ(メトキシカルボニル)フェニルなどが挙げられ、または、炭素原子数7〜20のアルキルスルホニルオキシアリール基としてはメチルスルホニルオキシフェニル、メチルスルホニルオキシトルイルなどが挙げられる。
その他は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシ、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、または炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸などが挙げられ、シアノ基としてはニトリル、シアノメチルまたはシアノエチル等の炭素原子数1〜20のシアノ基、またケイ素含有基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリ−tert−ブチルシリル、トリペンチルシリル、トリヘキシルシリル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシ、トリイソブチルシリルオキシ、トリ−tert−ブチルシリルオキシ、トリペンチルシリルオキシ、トリヘキシルシリルオキシ等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシカルボニル、トリエチルシリルオキシカルボニル、トリプロピルシリルオキシカルボニル、トリブチルシリルオキシカルボニル、トリイソブチルシリルオキシカルボニル、トリ−tert−ブチルシリルオキシカルボニル、トリペンチルシリルオキシカルボニル、トリヘキシルシリルオキシカルボニル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシカルボニル基が具体例として挙げられる。これらの中で、水素が好ましい。
また、R11〜R14が互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造やフェニルマレイミド環を形成できる環状のイミド構造、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造などが挙げられる。
さらに、X1は−O−、−S−、−NR15−、−PR15−、および−CR15 2−から(R15は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、pは0または1〜3の整数であり、好ましくは0または1、またpが1〜3の整数の場合、X1は同一でも異なってもよい。−NR15−、−PR15−、および−CR15 2−のR15としては、水素、炭素原子数1〜20のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチルのアルキル基が具体例として挙げられる。X1として、好ましくは−O−、−S−または−CH2−であり、特に好ましくは−O−である。
また、本発明の一般式[4]におけるR16〜R19は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、または炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸などが挙げられ、シアノ基としては、ニトリル、シアノメチルまたはシアノエチル等の炭素原子数1〜20のシアノ基、またケイ素含有基としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリイソブチルシリル、トリ−tert−ブチルシリル、トリペンチルシリル、トリヘキシルシリル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基、トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、トリプロピルシリルオキシ、トリイソプロピルシリルオキシ、トリブチルシリルオキシ、トリイソブチルシリルオキシ、トリ−tert−ブチルシリルオキシ、トリペンチルシリルオキシ、トリヘキシルシリルオキシ等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシカルボニル、トリエチルシリルオキシカルボニル、トリプロピルシリルオキシカルボニル、トリブチルシリルオキシカルボニル、トリイソブチルシリルオキシカルボニル、トリ−tert−ブチルシリルオキシカルボニル、トリペンチルシリルオキシカルボニル、トリヘキシルシリルオキシカルボニル等の炭素原子数3〜20のトリアルキルシリルオキシカルボニル基が具体例として挙げられる。
R16〜R19として好ましくは、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルなどが挙げられる。さらに、炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、メントキシ、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、tert−ブトキシメチル、tert−ブトキシエチル、メトキシメントール、またはメチルグルコース等のアルコキシ糖類などが挙げられる。炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル、1−エチルノルボニルオキシカルボニル、1−エチルアダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、テトラヒドロピラン−2−イルオキシカルボニル、テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル、1−エトキシエトキシカルボニル、または1−ブトキシエトキシカルボニルなどが挙げられ、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニルなどが挙げられ、ヒドロキシ基、または炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシヘキシルまたはメントール等の、またはグルコース等の糖類を含むヒドロキシアルキル基が挙げられる。さらに、酸無水物としては無水カルボン酸である。
R16〜R19として特に好ましくは、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはメンチルなどが挙げられ、ハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子、沃素原子またはフッ素原子などが挙げられ、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチルまたはトリブロモメチルである。さらに好ましくはR16〜R19は、水素である。
また、R16〜R19が互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造やフェニルマレイミド環を形成できる環状のイミド構造、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造などが挙げられる。
さらに、X2は−O−、−S−、−NR20−、−PR20−、および−CR20 2−から(R20は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、qは0または1〜3の整数であり、好ましくは0または1であり、またqが1〜3の整数の場合、X2は同一でも異なってもよい。−NR20−、−PR20−、または−CR20 2−のR20としては、水素、炭素原子数1〜20のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、またはメンチルのアルキル基が具体例として挙げられる。X2として、好ましくは−O−、−S−または−CH2−であり、特に好ましくは−O−である。
本発明における一般式[3]の具体例としては、5−メトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロポキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルー7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)ー7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2'−イル)オキシカルボニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エトキシエトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−ブトキシエトキシカルボニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロポキシカルボニルメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2'−イルオキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エトキシエトキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−ブトキシエトキシカルボニルメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルスルホニルオキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピルスルホニルオキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブチルスルホニルオキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルスルホニルオキシエチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピルスルホニルオキシシクロヘキシル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルアセテート、5−アセトキシジフルオロメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アセトキシビス(トリフルオロメチル)メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5―tert−ブチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシジフルオロメチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシジフルオロメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'1−エチルシクロペンチルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシフェニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシフェニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルフェニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5―ジ(メトキシカルボニル)フェニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシフェニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、または5−メチルスルホニルオキシトルイル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの7−オキサビシクロヘプトエン類が挙げられ、これらオキサビシクロヘプトエン類のオキサ(−O−)をチア(−S−)に代えて7−チアビシクロヘプトエン類、オキサ(−O−)をアザ(−NH−)、メチルアザ(−N(メチル)−)に代えて7−アザビシクロヘプトエン類、7−メチル−7−アザビシクロヘプトエン類、オキサ(−O−)をホスファ(−PH−)、メチルホスファ(−P(メチル)−)に代えて7−ホスファビシクロヘプトエン類、7−メチル−7−ホスファビシクロヘプトエン類などが例示できる。
さらに、上記の7−オキサビシクロヘプトエン類のオキサをメチレン(−CH2−)、メチルメチレン(−CH(メチル)−)に代えてビシクロヘプトエン類、7−メチルビシクロヘプトエン類を挙げられ、例えば、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロポキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)―ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2'−イル)オキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エトキシエトキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−ブトキシエトキシカルボニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロポキシカルボニルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(テトラヒドロピラン−2'−イルオキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エトキシエトキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−ブトキシエトキシカルボニルメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルスルホニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピルスルホニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブチルスルホニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルスルホニルオキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピルスルホニルオキシシクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アセトキシジフルオロメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アセトキシビス(トリフルオロメチル)メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5―tert−ブチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシジフルオロメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'−エチルシクロペンチルオキシジフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1'1−エチルシクロペンチルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5―ジ(メトキシカルボニル)フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルスルホニルオキシトルイル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのビシクロヘプトエン類などが挙げられる。
本発明における一般式[3]の具体例としては、テトラシクロドデセン類を用いることもできる。テトラシクロドデセン類としては、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)―テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2'−イル)オキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エトキシエトキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−ブトキシエトキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルオキシカルボニルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルオキシカルボニルメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−メチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(テトラヒドロピラン−2'−イルオキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エトキシエトキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−ブトキシエトキシカルボニルメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルスルホニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルスルホニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピルスルホニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルスルホニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルスルホニルオキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルスルホニルオキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピルスルホニルオキシシクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−アセトキシジフルオロメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−アセトキシビス(トリフルオロメチル)メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―tert−ブチルカルボニルオキシビス(トリフルオロメチル)―テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−tert−ブチルオキシジフルオロメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシジフルオロメチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシビス(トリフルオロメチル)メチル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―ジメトキシフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―メトキシカルボニルフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―ジ(メチルトキシカルボニル)フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―メチルスルホニルオキシフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルスルホニルオキシトルイル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどが挙げられ、例えば、これらのX1のメチレンをチア(−S−)に代えてチアテトラシクロドデセン類、アザ(−NH−)またはメチルアザ(−N(メチル)−)に代えてアザテトラシクロドデセン類またはメチルアザテトラシクロドデセン類、さらに、ホスファ(−PH−)、またはメチルホスファ(−P(メチル)−)に代えてホスファテトラシクロドデセン類、メチルホスファテトラシクロドデセン類を挙げることができ、X1は同一でも異なってもよい。
R11〜R14の炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基以外のものとして、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、および炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物またはシアノ基から選ばれ、任意の位置にこれらの置換基を有する環状オレフィン単量体が挙げられる。
R11〜R14が互いに結合して環構造を形成していてもよく、酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基以外の基本的な環状オレフィン単量体の構造として、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造としては、1,4,4a,5,6,7,8,8a―オクタヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレンなどが挙げられ、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造として、4,10−ジオキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オンなどが挙げられ、フェニルマレイミド環を形成できる環状のイミド構造として、4−シクロヘキシル−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン、4−シクロヘキシル−4−アザ−10−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンなどが挙げられ、さらに、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造として、4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンまたは4,10−ジオキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン、4−オキサ−10−チア−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンなどを含んでいる環状オレフィン単量体が挙げられる。
本発明における一般式[4]の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブロモビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのビシクロヘプトエン類、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどのテトラシクロドデセン類、ヘキサシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−4−ヘプタデセン、11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、11−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンなどのヘキサシクロヘプタデセン類、またはオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、14−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンなどのオクタシクロドコセン類の炭化水素からなる環状オレフィン単量体が挙げられ、これらのR16〜R19の置換基として、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物またはシアノ基から選ばれた環状オレフィン単量体であり、さらにX2が−O−、−S−、−NR20−、−PR20−、および−CR20 2−から(R20は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、X2は同一でも異なってもよい。
R16〜R19が互いに結合して環構造を形成していてもよく、例えば、シクロヘキシル環を形成できる環状のアルキル構造としては、1,4,4a,5,6,7,8,8a―オクタヒドロ−1,4−メタノ−ナフタレンなどが挙げられ、ラクトン環を形成できる環状のエステル構造として4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オンまたは4,10−ジオキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オンなどが挙げられ、フェニルマレイミド環を環状のイミド構造として、4−シクロヘキシル−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン、4−シクロヘキシル−4−アザ−10−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンなどが挙げられ、さらに、無水カルボン酸を形成できる酸無水物構造として、4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンまたは4,10−ジオキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン、4−オキサ−10−チア−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオンなどが挙げられる。
本発明において開環メタセシス重合体は、前記一般式[3]で表わされる少なくとも1種類の環状オレフィン単量体、または前記一般式[3]と前記一般式[4]で表される少なくとも2種類の環状オレフィン単量体と共にジシクロペンタジエン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、またはシクロオクタトリエンなどのシクロオレフィン類等と共重合しても良い。その構造単位の含有量は、繰り返し構造単位[A]と[B]の総和に対して50モル%以下であることが好ましい。
また、本発明の開環メタセシス重合体の製造に使用される開環メタセシス重合触媒としては、開環メタセシス重合を行うことができる触媒であれば限定はされないが、例えば、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OBut)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OCMe2CF3)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OCMe2(CF3)2)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OBut)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe2(CF3)2)2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)3)2、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)3)2 (式中のPriはiso −プロピル基、Butはtert −ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、W(N−2,6−Me2C6H3)(CHCHCMePh)(OBut)2(PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OBut)2(PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCPh2)( OBut )2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OCMe2(CF3))2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCPh2)(OCMe2(CF3))2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OCMe(CF3)2)2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OCMe(CF3)2)2( PMe3)、W(N−2,6− Me2C6H3)(CHCHCPh2)(OCMe(CF3)2)2( PMe3)、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCHCMePh)(OCMe2(CF3))2( PMe3)、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCHCMePh)(OCMe(CF3)2)2(PMe3)、W(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCHCMePh)(OPh)2( PMe3)、(式中のPriはiso −プロピル基、Butはtert −ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のタングステン系アルキリデン触媒、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OBut)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OCMe2CF3)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OBut)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)3)2、Mo(N−2,6− Me2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)3)2(式中のPriはiso−プロピル基、Butはtert −ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。)等のモリブデン系アルキリデン触媒、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Pri 2C6H3)2、Re(CBut)(CHBut)(O−2−ButC6H4)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2CF3)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Me2C6H3)2、(式中のButはtert −ブチル基を表す。)等のレニウム系アルキリデン触媒、Ta[C(Me)C(Me)CHMe3](O−2,6−Pri 2C6H3)3Py、Ta[C(Ph)C(Ph)CHMe3](O−2,6−Pri 2C6H3)3Py、(式中のMeはメチル基、Phはフェニル基、Pyはピリジン基を表す。)等のタンタル系アルキリデン触媒、Ru(CHCHCPh2)(PPh3)2Cl2、Ru(CHCHCPh2)(P(C6H11)3)2Cl2(式中のPhはフェニル基を表す。)等のルテニウム系アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒が挙げられる。上記開環メタセシス触媒は、単独にまたは2種以上併用してもよい。
有機遷移金属ハロゲン錯体の具体例としては、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OBut)2Cl2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2Cl2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2(CF3)2)2Cl2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OBut)2Cl2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2Cl2、W(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2(CF3)2)2Cl2、(式中のPriはiso −プロピル基、Butはtert −ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のタングステン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒、またはMo(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OBut)2Cl2、Mo(N−2,6−Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2Cl2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe(CF3)2)2Cl2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OBut)2Cl2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe2CF3)2Cl2、Mo(N−2,6− Pri 2C6H3)(thf)(OCMe(CF3)2)2Cl2、(式中のPriはiso −プロピル基、Butはtert−ブチル基、Meはメチル基、Phはフェニル基、thfはテトラヒドロフランを表す。)等のモリブデン系ハロゲン錯体と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられる。さらに、無機遷移金属ハロゲン触媒として、MoCl6、WCl6、ReCl5、TiCl4、RuCl3、IrCl3などの無機遷移金属ハロゲン化合物と下記有機金属化合物の組み合わせからなる触媒が挙げられ、アミン化合物、エステル化合物、エーテル化合物などの電子供与性化合物の存在下で使用してもよい。
上記の触媒と組み合わされる有機金属化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等の有機アルミニウム化合物、テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエチル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等の有機錫化合物、n−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物、n−ペンチルナトリウム等の有機ナトリウム化合物、メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t―ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物、ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物、トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等の有機ホウ素化合物等が挙げられる。
本発明の開環メタセシス重合において環状オレフィン単量体と開環メタセシス触媒のモル比は、タングステン、モリブデン、レニウム、タンタル、およびルテニウム等の遷移金属アルキリデン触媒やチタナシクロブタン触媒の場合は、環状オレフィン単量体が遷移金属アルキリデン錯体1モルに対してモル比で、好ましくは2〜30000であり、より好ましくは10〜20000である。また、有機遷移金属ハロゲン錯体または無遷移維金属ハロゲン化合物と有機金属化合物から成る開環メタセシス触媒の場合、環状オレフィン単量体が有機遷移金属ハロゲン錯体または無機遷移金属ハロゲン化合物1モルに対してモル比で、好ましくは2〜10000、より好ましくは10〜5000であり、助触媒としての有機金属化合物が有機遷移金属ハロゲン錯体1モルに対してモル比で、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5となる範囲である。
また、本発明において開環メタセシス重合は無溶媒でも溶媒を使用して重合を行っても良いが、特に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンまたはジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサンまたはヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンまたはデカリン等の脂肪族環状炭化水素、またはメチレンジクロライド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンまたはトリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらの2種類以上を併用しても良い。
また、本発明において触媒効率を高めたり、環状オレフィン単量体と触媒のモル比を制御することによって所望の分子量、分子量分布の重合体を得るために連鎖移動剤としてオレフィン類のやジエン類の共存下で重合することができる。連鎖移動剤として用いられるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンが挙げられ、さらに、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン等のケイ素含有オレフィンが挙げられ、また、ジエンとしては、1、4−ペンタジエン、1、5−ヘキサジエン、1、6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンが挙げられる。さらに、これらオレフィンまたはジエンはそれぞれ単独または2種類以上を併用しても良い。
本発明において共存させるオレフィンまたはジエンの使用量は、オレフィンまたはジエンが環状オレフィン単量体1モルに対してモル比で、好ましくは0.001〜1000、より好ましくは0.01〜100の範囲である。また、オレフィンまたはジエンが遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンの1当量に対して、好ましくは0.1〜1000当量、より好ましくは1〜500当量の範囲である。
開環メタセシス重合では、環状オレフィン単量体の反応性および重合溶媒ヘの溶解性によっても異なるが、単量体/開環メタセシス触媒と溶媒の濃度は0.1〜100mol/Lの範囲が好ましく、通常−30〜150℃の反応温度で1分〜10時間反応させ、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類等の失活剤で反応を停止し、開環メタセシス重合体溶液を得ることができる。
本発明における開環メタセシス重合体の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜300,000の範囲にある。このようにすれば、ポリマーとしての物性が良好に発現するとともに、薄膜形成や射出成型時の流動性が良好となる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.4〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0とする。均一な厚みの薄膜形成や良好な射出成型性を得る観点からは、分子量分布は広い方が好ましい。
本発明において有機酸残基を含む置換基を有する一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体は、環状オレフィン単量体の構成モル比[C]/[D]との関係として[A]≦[C]、かつ[A]/[B]≦[C]/[D]とすることができる。
また、一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[C]の酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基から変換する有機酸残基を含む置換基を有する繰り返し構造単位[A]は、環状オレフィン単量体[C]の酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基の全てまたは一部を加水分解または酸脱離することで、有機酸残基を含む置換基を有する繰り返し構造単位[A]に変換することができる。
この酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基の加水分解または酸脱離は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性の加水分解または脱離、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行うアルカリ性の加水分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性加水分解のいずれで行っても良い。
本発明における加水分解または酸脱離の反応は、水溶媒でも有機溶媒を使用してもよいが、特に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類などが挙げられ、水またはアルコール類と混合しても良く、また有機溶媒のみで使用しても良い。さらに、これらの溶媒2種類以上を併用してもよい。反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃の温度範囲である。
また、酸性またはアルカリ性の加水分解または酸脱離の後にアルカリまたは酸で適宜、中和処理しても良い。加水分解または酸脱離の後、開環メタセシス重合体溶液またはスラリーからの重合体の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、溶液の場合、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。
[開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法]
本発明の開環メタセシス重合体の水素添加物は、開環メタセシス重合体の主鎖二重結合に水素添加できる触媒の存在下で、水素を、好ましくは50〜100%、より好ましくは80〜100%の割合で添加することで得ることができる。
この水素添加物は、紫外線領域の波長に対する光透過性を、上記(1)の開環メタセシス重合体の主鎖二重結合を水素で添加し、任意の割合で飽和結合にすることで制御することができる。さらに、屈折率も二重結合の量を増減することで調整できる。また、水素添加することによって酸化に対する安定性を増し、用途に応じてこれらの主鎖二重結合を減らすことにより、開環メタセシス重合体の水素添加物をより使用しやすくすることができる。
さらに、これら水素添加量は、ポリマーの機械強度、耐衝撃性にも影響を与え、その量が多ければ柔軟性、衝撃強度を高めることができる。これらの水素添加の割合、すなわち水素添加率は、光透過性、耐熱性、耐候性や機械強度、衝撃性などのポリマー物性のバランスによって任意に決めることができる。
本発明における開環メタセシス重合体水添化物の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜300,000の範囲にある。このようにすれば、ポリマーとしての物性が良好に発現するとともに、薄膜形成や射出成型時の流動性が良好となる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.4〜5.0、最も好ましくは1.5〜3.0とする。均一な厚みの薄膜形成や良好な射出成型性を得る観点からは、分子量分布は広い方が好ましい。
本発明の開環メタセシス重合体の水素添加反応には、公知の水素添加触媒を使用することができる。開環メタセシス重合体の主鎖二重結合部分を水素添加する水素添加触媒の具体例として不均一系触媒ではパラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ケイソウ土、合成ゼオライト等の担体に担持させた担持型金属触媒、または均一系触媒では、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムクロリド、酢酸ロジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。
さらに、均一系触媒の具体例としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)オスミウム、ジクロロヒドリドビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリクロロニトロシルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロビス(テトラヒドロフラン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリド(トルエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドニトロシルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリo−トリルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロエチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(ジクロロフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリメチルホスフィト)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィト)ルテニウム等が挙げられる。
また、これら均一系触媒とアミン化合物を併用しても良く、アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロブタン等の一級アミン化合物、ジメチルアミン、メチルイソプロピルアミン、N−メチルアニリン等の二級アミン化合物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、γ−ピコリン等の三級アミン化合物等を挙げることができ、好ましくは三級アミン化合物が用いられ、特にトリエチルアミンを用いた場合が水素添加率の向上が著しい。また、これらの均一系触媒またはアミン化合物は、それぞれ2種以上任意の割合で併用することもできる。
本発明における開環メタセシス重合体を水素添加する上記公知の水素添加触媒を使用する場合、開環メタセシス重合体と水素添加触媒の使用量は、公知の水素添加触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは100〜1000ppmである。また、均一系触媒とアミン化合物からなる水素添加触媒を使用する場合は、均一系触媒が開環メタセシス重合体に対して5〜50000ppmであり、好ましくは10〜10000ppm、特に好ましくは50〜1000ppmである。また、アミン化合物は使用する均一系触媒1当量に対して、0.1当量〜1000当量、好ましくは0.5当量〜500当量、特に好ましくは1〜100当量である。
均一系触媒とアミン化合物からなる水素添加触媒は、予め均一系触媒とアミン化合物とを接触処理したものを用いても可能であるが、均一系触媒とアミン化合物とを予め接触処理することなく、それぞれ直接反応系に添加してもよい。
開環メタセシス重合体の水素添加反応において用いられる溶媒としては開環メタセシス重合体を溶解し溶媒自体が水素添加されないものであればどのようなものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。
開環メタセシス重合体の水素添加反応は、水素圧力が通常、常圧〜30MPa、好ましくは0.5〜20MPa、特に好ましくは2〜15MPaの範囲で行われ、その反応温度は、通常0〜300℃の温度であり、好ましくは室温〜250℃、特に好ましくは50〜200℃の温度範囲である。また、望まれる水素添加率によってこれらの条件や反応時間を設定することができる。
本発明において有機酸残基を含む置換基を有する一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]と一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]とを含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体の水素添加物は、開環メタセシス重合体が環状オレフィン単量体[C]の酸またはアルカリにより分解することができる基を含む置換基の一部または全部を加水分解または酸脱離し、有機酸残基を含む置換基を有する繰り返し構造単位[A]に変換した後に水素添加反応を行なっても、水素添加反応をした後にこの繰り返し構造単位[A]への変換を行ってもよい。
さらに、開環メタセシス重合体を水素添加した後に加水分解または酸脱離する場合、酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基の加水分解または酸脱離は、硫酸、塩酸、硝酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または酢酸等の酸性触媒存在下で行う酸性の加水分解または脱離、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ性触媒存在下で行うアルカリ性の加水分解、または酸、アルカリに代えて酢酸ナトリウム、ヨウ化リチウム等を用いる中性加水分解のいずれで行っても良い。
この場合の加水分解または酸脱離の反応は、水溶媒でも有機溶媒を使用してもよいが、特に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸等のカルボン酸、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、ルチジン等のピリジン類、ジメチルホルムアミド等のホルムアミド類などが挙げられ、水またはアルコール類と混合してもよく、また有機溶媒のみで使用しても良い。さらに、これらの2種類以上を併用しても良い。
開環メタセシス重合体の水素添加反応の終了後、公知の方法により重合体に残存する開環メタセシス触媒または水素添加触媒を除去することができる。例えば、濾過、吸着剤による吸着法、良溶媒による溶液に乳酸等の有機酸と貧溶媒と水とを添加し、この系を常温下あるいは加温下において抽出除去する方法、さらには良溶媒による溶液または重合体スラリーを塩基性化合物と酸性化合物で接触処理した後、洗浄除去する方法等が挙げられる。
また、開環メタセシス重合体水素添加物溶液から重合体水素化物の回収法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を凝固させ濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液中にスチームを吹き込んで重合体水素化物を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられる。
[光学部品材料]
本発明において光学部品材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光を通過させる用途に用いる材料を示し、光学用途向けのフィルム形状物および成型物である。
本発明の開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、透明性および光学特性に優れ、さらに、有機酸残基を含む置換基を有する一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]をその構造中に含むことから、それらの酸性プロトンを介した分子間の水素結合によって適度な分子間ネットワークを形成する。これによってポリマーのモビリティーが制限され、光学部品材料の使用温度では、ガラス転移温度が高く、耐熱特性に優れ、一方では、射出成型や溶融押出し成型などの成形プロセス温度では、適度な流動性をもつような熱可塑性を示すことから、この繰り返し構造単位[A]の含有量に応じて、これらの特性を適宜制御することにより、光学部品材料として好適に使用することができる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を含む光学部品材料の用途としては、例えば各種フィルムの用途に適用することができ、特に限定されるものではないが、具体的には液晶表示装置、有機EL素子、プラズマディスプレイ、プロジェクタなどの光学装置の部材などとして使用される。具体的には、IRカットフィルター、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、液晶セル基板用フィルム、液晶表示素子基板、タッチパネル基板など、あるいはそれらの原反フィルムなどを挙げることができる。これらのフィルムは、さらに反射防止膜、光学多層膜、防眩膜、ハードコート層、防汚層、透明導電膜などが乾式法や湿式法などにより積層して用いてもよい。
また、成型物としては、例えば、光ファイバー、光導波路、光スイッチ等の光通信材料、光記録ディスク等の記録材料、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、デジタルペーパー、有機EL、無機EL、リアプロジェクタ等の表示用基板等の各種用途に好適に用いることができるものであり、例えば、光ピックアップレンズ、レーザービームプリンター用fθレンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、ビデオカメラレンズ、ランプレンズ等のレンズ;ビデオディスク、オーディオディスク、コンピューター用追記型ディスク等のディスク;プラスチック光ファイバー(POF)、光コネクター、導光体等の成型材料を挙げることができる。
これらの光学部品材料の形態は、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を溶剤に溶解して溶液として使用しても、それらを貧溶媒等に排出したのち、乾燥して得られた重合体および/またはその水素添加物の粉として使用しても、また、重合体および/またはその水素添加物の粉を、各種安定剤と共に押出機に供給し、または開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物の溶液を、溶剤脱気槽を経て押出機等に供給することでペレット化したペレットとして使用してもよく、その形態を問わず、フィルムや成型物に加工することが出来る。
ペレット化の方法としては、既知の技術を例示することができるが、たとえば、開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を均一に溶融混合し押出機にて押出した後、ホットカットやストランドカットすることで、球状、円柱状、レンズ状のペレットが得られる。この場合、カットは水中、空気中などの気流中いずれで実施してもよい。また、開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を溶融混合した後、ロール等でシート状に成型しシートペレタイス機を使用することで、立方体状のペレットを得ることもできる。
また本発明の光学部品材料においては、開環メタセシス重合体およびその水素添加物以外に脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド等の分散剤や滑剤、フタル酸エステル、エポキシエステル、ポリエステル系などの可塑剤、更に紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、光安定剤、熱安定剤、着色剤等の添加剤を配合に適宜加えることができる。
さらに、本発明の光学部品材料においては、必要に応じて、開環メタセシス重合および/またはその水素添加物に架橋剤を添加して、高温での溶融過熱や溶液での混合接触または特定波長の紫外線光で暴露し、カルボン酸または有機酸と架橋反応して架橋樹脂とすることにより、耐熱性、耐薬品性、耐水性、機械特性等を向上した光学用フィルム材料や成型物とすることができる。
架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、アミノ基含有化合物、ルイス酸などが挙げられる。これらの架橋剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エポキシ化合物、イソシアネート基含有化合物、の使用が好ましく、エポキシ化合物の使用が特に好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、クレゾール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物などのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキシ化合物などの多価エポキシ化合物;などの分子内に二以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
イソシアネート基含有化合物としては、例えば、パラフェニレンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの分子内に二以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、四塩化ケイ素、塩酸、硫酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化第二スズ、四塩化チタンなどが挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタンなどの脂肪族ジアミン類;トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、アミノエチルエタノールアミンなどの脂肪族アミン類;フェニレンジアミン、4,4'−メチレンジアニリン、トルエンジアミン、ジアミノジトリルスルホンなどの芳香族アミン類;などの分子内に二以上のアミノ基を有する化合物が挙げられる。
架橋剤の使用量は特に限定されず、用いる架橋剤の種類に応じて、適宜設定することができる。例えば、架橋剤としてエポキシ化合物を使用する場合には、開環メタセシス重合体またはその水素添加物100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部である。架橋剤の添加量が少ないと架橋が不十分となり、高い架橋密度の架橋樹脂が得られなくなる。使用量が多すぎる場合には、架橋効果が飽和する一方で、所望の物性を有する架橋樹脂が得られない。
架橋剤を含む開環メタセシス重合体またはその水素添加物溶液を塗布する場合、支持体表面への塗布方法は特に制限されず、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。
架橋剤を含む開環メタセシス重合体またはその水素添加物を所定温度に加熱する方法としては特に制約されず、加熱プレート上に支持体を載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などが挙げられる。
架橋時の温度は、通常150〜250℃、好ましくは160〜220℃である。また、架橋する時間は特に制約されないが、通常数分から数時間である。
架橋する方法としては、樹脂が溶融して架橋するものであれば特に制約されない。樹脂がシート状又はフィルム状の成型物である場合には、該成型物を必要に応じて積層し、熱プレスする方法が好ましい。熱プレスするときの圧力は、通常0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスする方法は、例えば、平板成型用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成型機を用いて行うことができ、生産性に優れる。
また、特定波長の紫外線光により架橋させる場合は、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等を用いて紫外線を照射し架橋を行なう。照射時間については特に制約されないが、通常数秒から数分である。
本発明の開環メタセシス重合またはその水素添加物からなる光学部品材料は、上記の架橋を施すことによってさらに耐熱性、耐薬品性、耐水性、機械特性等を向上させることができる。
[フィルム]
本発明のフィルムは、各種用途に用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、反射防止膜、光学多層膜および液晶基板として好適に使用することができる。具体的には反射防止膜は、該膜の表面での光の反射を抑制する機能を有する膜であり、光の反射抑制には、膜の表面に凹凸をつけて反射光を散乱させて防眩効果を利用する方法と、反射波の光の干渉効果を利用する方法がある。後者の効果を利用する反射防止膜は、高屈折率の透明基材と低屈折率の薄膜から構成されている。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる反射防止膜は、この高屈折率の薄膜が、透明基材の片面、両面、中間のいずれに設けられていてもよく、また、高屈折率の基材上に設けられた低屈折率の塗布膜の作成法は、高屈折率基材上にフッ素含有ポリマーのような低屈折率材料を溶媒に溶解した溶液を調製した後に、均一に塗布、乾燥することによる方法、低屈折率基材上に本発明の高屈折率材料を塗布、乾燥することによる方法、押出成型等の溶融成型方法によって得ることもできる。透明基材上に均一に塗布する方法としては特に制限はなく、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンフローコート法などの方法があげられる。
また本発明の効果を損なわない範囲で本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる高屈折率樹脂と低屈折率樹脂を混合して使用しても、貼り合わせても、ラミネートされても良い。
本発明の開環メタセシス重合体およびその水素添加物の可視光領域の光線透過率は80%以上であることが好ましい。
光学特性において、特定の波長に対して、特に紫外線領域の波長に対して光を吸収する主鎖二重結合を多く含有すると特定波長に対する光透過性が低下し光学特性を損なう。この光透過性は、必要とする透過率を前記一般式[1]の開環メタセシス重合体の主鎖二重結合を水素で添加し、飽和結合にすることで制御することができる。さらに、二重結合の量が多いとその屈折率は高くなり、水素添加することによって飽和結合の量を増すと屈折率を低下させることができ、この水素添加率の増減で屈折率を任意に調整できる。
また、本発明における開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、D線波長光に対する屈折率が1.48以上であり、好ましくは、1.48〜1.70であると、反射防止膜に好適に使用することができる。
光の屈折率は一般的に光の波長によって変化するが、一般的な透明性を有する材料である、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、環状オレフィンポリマーなどと組み合わせた部材へ適用するときには、特にD線(波長589nm)に対する屈折率で評価することが重要であり、本発明の開環メタセシス重合体と、これらの透明性を有する材料の屈性率に大きな差異がないと材料間での光の屈折率差が小さいために屈折反射などの光の散乱を起こさない。この光の屈折性は、一般式[2]で表される繰り返し構造単位[B]よって調整することができる。特に、屈折率を高めたいときは、R6〜R9の置換基にフェニルなどのアリールを含有することが有効であり、また、一般式[1]および一般式[2]におけるX1およびX2が−S−であることがより高屈折性を発現する。
本発明において、ポリマー溶液を透明基材上に均一に塗布する方法としては特に制限はなく、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、カーテンフローコート法などの方法があげられる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる反射防止膜の膜厚は、使用するポリマーの屈折率や使用する波長にも依存するが、0.05μm〜10μmであり、0.05μm〜3μmであることが好ましい。この範囲であると、優れた反射防止効果が得られる。膜厚が薄すぎれば、例えば、入射光との干渉作用による反射率の低減が不十分になることがある。また、膜厚が厚すぎれば、例えば、薄膜が乾燥した際にソリが発生して透明基材から剥離することがある。
また、本発明の開環メタセシス重合体およびその水素添加物の水接触角は105°以下であることが好ましい。水接触角が105°以下であれば、極性が高く水素結合などの相互作用が増し、反射防止膜等の成型品表面と該成型品表面に施した表面コート材料との密着性が高く、コート材料を剥離しにくくできる。
基材との接着性、密着性や表面コートや塗装なとの表面処理性は水素結合による分子間力によってその効果を発現し、一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]の含有量によって制御できる。より具体的には、一般式[1]で表される繰り返し構造単位[A]の含有量を多くすることで、水接触角を小さくすることができる。
これらの特性は、水に対する接触角を評価することによって接着性や密着性、表面処理性などの機能発現を予測でき、この接触角を制御するために使用用途および期待する効果に応じて繰り返し構造単位[A]の含有量を適宜調整することができる。また、少なくとも一般式[1]中のX1が−O−、−S−、−NR5−、および−PR5−(R5は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)から選ばれる構造単位[A]、および一般式[2]のX2が−O−、−S−、−NR10−、および−PR10−(R10は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)から選ばれる構造単位[B]から選ばれる構造単位を有する開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、水素結合などの相互作用が増し、水接触角をさらに小さくすることができる。
また、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光学多層膜も反射防止膜と同様に、高屈折率材料からなる高屈折率層及び低屈折率材料からなる低屈折率層を順次積層するようにして形成され、所望する光を選択的に透過又は反射させる機能を有する膜である。
画像を投影する方法としてオーバーヘッドプロジェクタやスライドプロジェクタが広く用いられている。また、一般家庭においても液晶を用いたビデオプロジェクタや動画フィルムプロジェクタが普及しつつあり、これらプロジェクタの映写方法は光源から出力された光を、例えば透過形の液晶パネル等によって光変調して画像光を形成し、この画像光をレンズ等の光学系を通して出射してスクリーン上に映写するものである。プロジェクタにおいては、投影像を得るために投影用スクリーンが用いられるが、この投影用スクリーンには大別して、スクリーンの裏面から投影光を照射してスクリーンの表面から見る透過型のものと、スクリーンの表側から投影光を照射して当該投影光のスクリーンでの反射光を見る反射型のものとがある。いずれの方式にしても、視認性の良好なスクリーンを実現するためには、明るい画像、コントラストの高い画像が得られることが必要である。
反射型スクリーンでは、特定波長の光のみを選択的に反射することにより、通常のスクリーンに比べて相対的に外光の反射を抑えることができるため、スクリーン上に形成される画像のコントラストの低下が抑制されるとともに外光の映り込みが効果的に低減され、明るい画像を得ることができる。また、この反射型スクリーンでは、映写環境が明るい場合においても明瞭な画像が得られ、映写環境の明るさに影響されずに明瞭な画像を得ることができる。
このようなプロジェクター等に用いられる光学多層膜は前述の反射防止膜と同様に、高屈折率材料からなる高屈折率層及び低屈折率材料からなる低屈折率層を順次積層して形成することができ、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を高屈折率層として用いることができる。
また、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなるフィルム材料は、液晶基板として使用することができる。従来、液晶基板にはガラス基板が主に用いられてきた。ガラス基板は、ガラスの機械強度が弱いため薄型化が困難であること、柔軟性に欠けるため形状の自由度がないこと、割れ易いため生産性に難があることなどの問題点がある。近年、著しく普及している携帯電話などの携帯情報端末、ノートブック型パソコン、サブノート型パソコンなどの携帯性の高い機器に用いる液晶表示装置、およびこれに用いる液晶基板は、軽量、薄型、割れないことが求められている。そこで、軽量、薄型、割れないことなどが重視される用途の液晶表示装置においては、ガラス基板に代わって樹脂製の透明樹脂からなる液晶基板フィルムが用いられている。ガラス基板では、塗布した配向膜を200℃以上の高温で焼成するが、従来、この用途によく使用されている透明樹脂PES(ポリエーテルサルフォン)製の液晶基板フィルムの耐熱性は、160〜170℃が限界であり、さらに耐熱性が大きい透明樹脂フィルムが求められている。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる液晶基板は、使用温度では、ガラス転移温度が高く、耐熱特性に優れ、一方では、溶融押出し成型などの成形プロセス温度では、適度な流動性をもつような熱可塑性を示すことから、液晶基板として好適に使用することができる。さらに、液晶基板として用いる際の厚みは特に限定されないが、前述の、溶液キャスト法または溶融押出し法により、1μm〜1mmの厚みのフィルムを得ることが可能である。更には延伸を行なうことにより延伸配向フィルムとして使用することができ、架橋することによりさらに耐熱性、耐薬品性が向上した液晶基板として使用することができる。
上記光学フィルム材料の製造方法としては、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物をフィルム状に成型して得られるものであれば特に制限されず、公知の成型方法を採用することができる。例えば、重合体溶液を用いる溶液キャスト法、または溶融した重合体を用いて成型を行なう、Tダイ法、インフレーション法などの押出成型法;ブロー成型法;カレンダー成型法;射出成型法;などが挙げられる。
開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を用いてフィルムを成型する方法は特に限定されるものではないが、例えば、溶液キャスト法と溶融押出し法では下記のような使い方をする。
溶液キャスト法は重合体溶液を平滑な板またはフィルム上に薄膜状にキャストした後、溶媒を除去してフィルムを得る方法である。平滑な板またはフィルム上に塗布するために、スピンコート、バーコート、グラビアコート、キスコート、ブレードコート、ロールコートおよびディップコート等の方法を用いることができる。
溶液キャスト法を用いてフィルム、シートを製造する場合、重合体が可溶性を示す溶剤を選択し、その中から必要に応じて複数用いることもできる。溶液キャスト法の溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、またはPGMEA等のエーテル類、酢酸エチル、または酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはエチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサンまたはヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンまたはデカリン等の脂肪族環状炭化水素、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、またはクロロホルム、クロロベンゼンまたはトリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、これらの2種類以上を併用しても良い。該溶剤はこれらに限定されるものではなく、特に溶剤揮発速度制御の目的から重合体に対する良溶剤(例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等。)と貧溶剤(例えばメタノール、エタノール等のアルコール類等。)を組み合わせることもできる。
溶液キャスト法として具体的には、例えば、所定の濃度に調製し、必要に応じて、濾過および脱泡処理を行った開環メタセシス重合体またはその水素添加物溶液を、キャスト用ロール上を流れる離型フィルムの上に膜状に形成する。その後、キャスト用ロールに接する平滑用ロールとの間を通して厚みを整えるとともに表面平滑化し、離型フィルムを取り去ったのち、乾燥器を通して巻き取る。
この様な、フィルムを得るためには、十分な乾燥や脱溶媒処理を行うことが好ましい。十分な乾燥を行うためには、例えば、乾燥温度100〜200℃、乾燥時間10秒〜24時間の条件から選ばれることが好ましい。乾燥雰囲気としては、空気中、不活性ガス中または減圧下であってもよく、場合によっては、貧溶媒の蒸気に接触させて行ってもよい。あるいは、20〜200℃までの貧溶媒中で成膜してもよい。
脱溶媒処理としては、例えば、成型されて乾燥前の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなるフィルムを、開環メタセシス重合体またはその水素添加物を実質的に溶解しない第2の溶剤の液体中または蒸気中を通過させ、重合体中に残留する溶剤を除去し易くする方法が挙げられる。
また、本発明において溶融押出しによりフィルム化する溶融押出し装置は、どのような押出機でも制限はなく、単軸または2軸の押出し機を用いても良い。シリンダー径および長さには制限はないが、好ましくは、シリンダー径20mm〜150mmの範囲で、L/D(長さと径の比)が10〜40の範囲である。本発明に使用できるスクリューの種類に制限はない。フルフライト型、バリアフライト型等の単純な形状のものから、ダルメージ型、ピン型、パイナップル型、ユニメルト型等の混合性を改善したものが好的に使用できる。
シリンダーの下流の装置についても制限は無い。ギヤポンプ、ポリマーフィルター、サーモジナイザーを流路に設け安定した流速を確保したり、異物等の除去を行うことも好ましい。さらに好ましくは、ポリマーフィルターを使用することができる。工業的に品質の良い透明光学フィルムをえる為には、ポリマーフィルターを使用することが好ましい。ポリマーフィルターは金属繊維タイプ等のフィルターエレメントが使用できる。フィルターの好ましい目開きとしては1〜50μmのものが使用できる。
フィルムを成型する装置に制限はないが、T−ダイ、インフレーションダイ、サーキュレーションダイ等が好適に使用できる。特に好ましくは、T−ダイを使用することで、透明光学フィルムの厚さを均一に形成できる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を用いて、溶液キャスト法または溶融押出し法により得られるフィルムの厚みは、使用する用途によるが特に限定されず、通常0.2μm〜3mmである。溶液キャスト法では0.2μm〜500μmの薄いフィルムが作製でき、溶融押出し法では100μm〜3mmの厚いフィルムの作製が可能である。また、溶融押出し法ではさらに厚い1mm以上の板状の成型物も作製可能である。
上記の様にして得られる本発明のフィルムは、開環メタセシス重合体およびその水素添加物の優れた特性に加え、膜厚均一性に優れ、光学的に極めて高い透明性を有するとともに、耐熱性や経時変化による寸法安定性に優れたフィルムである。
[成型物]
本発明の成型物は、射出成型、押出成型などの成型方法で構造物として形成し得るものであり、この成型物の用途として特に限定されるものではないが、例えば、光学レンズと光ファイバーを例示することができる。光学レンズは、例えば、カメラ、ビデオカメラ等に使用する撮像レンズ;プロジェクションテレビ等に使用する投影用レンズ;レーザープリンターに使用するfθレンズやマイクロレンズアレイ等に使用されるレンズである。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光学レンズは、D線波長光に対する屈折率が、好ましくは1.48以上であり、より好ましくは、1.48〜1.70である。
光学レンズとして表面硬度を上げるために、有機チタン化合物や有機ケイ素化合物で表面処理することがあり、表面処理はレンズ表面の極性が高い程好ましい。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光学レンズは、有機酸残基を含む置換基を有する構造単位[A]の含有量を調節することで、得られるレンズ表面の極性を任意に制御することができる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光学レンズは、可視光領域の光線透過率が80%以上、好ましくは85〜100%であることが好ましい。
本発明における開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、熱可塑性で且つ熱安定性に優れることから溶融成型することができる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光学レンズを成型する方法は特に限定されず、例えば、射出成型、プレス成型、圧縮成型、射出圧縮成型、押出成型などがあげられる。また、本発明の光学レンズを溶融成型する場合の成型温度は、300℃以下であることが好ましい。さらに、成型する際には、透明性の低下やアッベ数に影響を与えない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる。
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を成型して得られる光学レンズのアッベ数は、好ましくは60以下、より好ましくは30〜60、さらに好ましくは40〜60である。アッベ数が60以下であれば、例えば、低屈折率レンズと組み合わせて使用した場合に、必要とする色収差の補正効果を得ることができる。
さらに、本発明における光学レンズは、光の乱反射によって生じる透明性の低下を示す一つの指標であるヘイズ値が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、ヘイズの下限値は0.5%程度である。
また、本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物は光ファイバー用途に使用することができる。コア部やクラッド部が透明樹脂からなる光ファイバーは、軽量であり屈曲性・柔軟性に優れ、また加工性にも優れているので、現在では自動車内光伝送用途、OA機器用途、FA(ファクトリーオートメーション)機器用途などに用いられている。このような光ファイバーは通常その周りに樹脂製被覆材を被覆してなる光ファイバーの形で用いられるが、樹脂製光ファイバーを被覆する場合、通常被覆温度が120〜160℃前後またはそれ以上の高温で被覆されるため、この高温の樹脂製被覆材により光ファイバーが加熱されてしまい、結果として光伝送特性の劣化を引き起こすことが多い。これは、従来の光ファイバーが主にポリメチルメタクリレートやポリスチレン、ポリカーボネートなどの透明樹脂からなるものであり、これらの透明樹脂の熱変形温度が低いために、高温で樹脂を被覆することにより光ファイバーが熱変形を起こすことによる。したがって、このような光ファイバーの光伝送特性を損ねないために被覆材の溶融温度を低くする必要があり、使用できる被覆材もポリエチレンやポリ塩化ビニルなどごく限られていた。このような樹脂は耐熱性に劣るだけでなく屈曲性・柔軟性にもかけたものであり、光ファイバーの用途範囲を著しく妨げるものである。本発明の開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、使用温度では、ガラス転移温度が高く、耐熱特性に優れ、一方では、光ファイバーの溶融押出し成型などの成形プロセス温度では適度な流動性をもつような熱可塑性を示すことから、光ファイバーとして好適に使用することができる。
また本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物からなる光ファイバーは熱や光に対する安定性および光透過性の点から水素添加物の使用が好ましい。また光ファイバーの材料として用いる樹脂には、必要に応じ、本発明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エラストマーなどを添加することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明の開環メタセシス重合および/またはその水素添加物から光ファイバーを得る方法としては公知の方法を用いることができ、たとえば該樹脂を加熱溶融して引っ張りながらファイバー化しコア材を形成した後クラッド材を付着させる方法などを挙げることができる。クラッド材には公知の樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアルキルシロキサンゴムなどを用いることができる。このコア材の直径は、例えば0.2mm〜50mm、好ましくは0.5mm〜20mm、クラッド材の厚さは0.1μm〜100μm、好ましくは0.5μm〜60μmである。
また、本発明の開環メタセシス重合および/またはその水素添加物に架橋剤を添加して、高温での溶融加熱または特定波長の紫外線光で暴露し、カルボン酸または有機酸と架橋反応して架橋樹脂とすることにより、耐熱性、耐薬品性、耐水性、機械特性等を向上した光ファイバーとすることができる。
[レジスト材料]
本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物は、フォトレジストのベースレジンとして使用することができる。
本発明の開環メタセシス重合体および、その水素添加物において、一般式[1]で表される構造単位[A]と一般式[2]で表される構造単位[B]との構成単位のモル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0、好ましくは1/99〜100/0である。これらの構成単位がこの範囲にあることは、レジストを調製するのに好適であり、極性の高い感光剤と共に、極性溶媒に溶解し、シリコン基板のような被処理基板に塗布するレジストを構成するベースレジンとして極めて重要である。すなわち、開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を含むレジストを調製する時に、極性溶媒に対する溶解度、または溶解速度を高めることで均一な平滑コーティング膜を形成することができる。
特に 、少なくともX1が−O−、−S−、−NR5−、−PR5−から(R5は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれる一般式[1]で表される構造単位[A]および、X2が −O−、−S−、−NR10−、−PR10−から(R10は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれる一般式[2]で表される構造単位[B]から選ばれる構成単位を含む開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物は、シリコン基板のような被処理基板への密着性、アルカリ水溶液による現像時の濡れ張力の改善、レジストをシリコンウェハーに塗布する工程で使用されるケトン類、アルコール類等の極性有機溶媒に対するレジストの溶解性をさらに向上させる効果がある。また、水に対する親和性も向上し、露光後のアルカリ水溶液等の剥離剤(または現像剤)に対する現像性も向上する。
以上のように、本発明における少なくとも一般式[1]で表される構造単位[A]と下記一般式[2]で表される構造単位[B]を含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物は、フォトレジスト用ベースポリマーとして有用である。
本発明のレジスト材料は、例えば、酸発生剤及び溶剤とともにポジ型レジスト組成物として用いられる。ここで酸発生剤とは、エキシマレーザー等の活性化放射線に露光されるとブレンステッド酸またはルイス酸を発生する物質である。またレジスト中には、溶解調節剤、界面活性剤、保存安定剤、増感剤、またはストリエーション防止剤等を添加することができる。このレジストは、例えば、該組成物をシリコンウエハー等の基板表面にスピンコーティング等の常法により塗布した後、溶剤を乾燥除去することによりレジスト膜を形成することができ、また、パターン形成のための露光は、遠紫外線やKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線をレジスト膜へ照射することにより行われ、さらに熱処理(露光後ベーク)を行うと、より高感度化することができる。次いで、露光部分をアルカリ水溶液等の現像液で洗い出す事によりレリーフパターンを得る。本発明の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を用いて形成されたレリーフパターンは、解像性、コントラストともに極めて良好である。さらには、上記の如くに形成したパターンをマスクとして基板をエッチングすることも出来る。
本発明の有機酸残基を含む開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物は、酸発生剤成分、架橋剤成分及び所望に応じ用いられるアミン成分やカルボン酸成分等を有機溶剤に溶解してネガ型として使用することもできる。
酸発生成分としては、従来化学増幅型のネガ型レジストにおいて使用されている公知の酸発生剤の中から適宜選択して用いることができる。その中でも、特にハロゲン置換アルキルスルホン酸イオンをアニオンとして含むオニウム塩が好適である。
架橋剤成分は、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジストに用いられている架橋剤成分の中から任意に選択して用いることができるが、N位が、架橋形成基であるヒドロキシアルキル基および/または低級アルコキシアルキル基で置換されたグリコールウリルを用いることが好ましい。
所望に応じ、さらにレジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、クエンチャー成分としてのアミンや、アミン成分の添加による感度劣化や基板依存性等の向上の目的で、さらに任意成分として、有機カルボン酸やリンのオキソ酸若しくはその誘導体などの有機酸を含有させることができる。これらは、化学増幅型ネガ型レジストに慣用されている添加成分である。
ネガ型レジストには、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されている成分のものを添加含有させることができる。
ネガ型レジストは、本発明の有機酸残基を含む開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物、酸発生剤成分、架橋剤成分及び所望に応じ用いられるアミン成分やカルボン酸成分等を有機溶剤に溶解して用いることができる。
この際用いる有機溶剤としては、各成分を溶解しうるものであればよく、特に制限はない。このような溶剤の例としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
[平均分子量]
GPCを使用し、得られた環状オレフィン系開環メタセシス重合体、該重合体水素添加物をテトラヒドロフランに溶解し、検出器として日本分光製830−RIおよび875−UV、カラムとしてShodexk−805,804,803,802.5を使用し、40℃において流量1.0ml/分でポリスチレンスタンダードによって分子量を較正した。
[重合反応率]
270MHz1H−NMRスペクトルを用いて使用した環状オレフィン単量体の有無を確認した。
[水素添加率]
環状オレフィン系開環メタセシス重合体水素添加物の粉末を重水素化クロロホルムに溶解し270MHz、1H−NMRを用いてδ=4.0〜6.5ppmの主鎖の炭素−炭素間二重結合に帰属するピークが、水素添加反応によって減少する大きさを算出した。
[ガラス転移温度(Tg)]
島津製作所社製DSC−50を用い、測定試料を窒素下で10℃/分の昇温速度で測定を行った。
[5%重量減少温度]
島津製作所社製DTG−60Aを用い、測定試料を窒素下で10℃/分の昇温速度で測定を行ない、試料重量の5%が減少する温度を測定した。
[カルボン酸含有量の測定]
ブロモチモールブルーを指示薬として中和滴定または400MHz13C−NMRスペクトルで170ppm〜190ppmのカルボニル炭素に由来するピークを測定した。
[水接触角]
JIS−R3257に準じ、協和界面科学製自動接触角計CA−V型を用い、ガラス板上にポリマー溶液をスピンコートした後乾燥したサンプルを使用し、純水用いて静滴法によって測定し、解析ソフトFAMASを使用することによって評価を行った。
[D線波長光に対する屈折率]
アタゴ社製多波長アッベ屈折計を用いて測定した。
[接着強度]
IPC−TM650methodに準じ、90度方向に50mm/分の速度で引き剥がすことにより測定を行った。測定は、それぞれ3回行った。
[溶融粘度]
島津高化式フローテスター(CFT500A)によりオリフィス1.0mm(径)×10mm(長)、荷重9.806MPa、測定温度260℃、270℃、280℃および290℃で試料を5分保持した後測定した。
[実施例1]
窒素下で300mlのシュレンクフラスコに、環状オレフィン単量体として、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];24.52g)と8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];5.11g)をテトラヒドロフラン(以後THFと言う)200mlに溶解し、1,5−ヘキサジエンを0.70g加え、攪拌し、次いで重合触媒としてW(N−2,6− Me2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)2Me)2(27mg)を加え室温で1時間攪拌した。その後、ブチルアルデヒド(7mg)を加え30分間攪拌した。反応液をNMR測定した結果、残存環状オレフィン単量体は無かった。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は10/90である。
この開環メタセシス重合体溶液を水に加えて沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行い白色粉末状の開環メタセシス重合体31.8gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は10/90である。重合体のMwは11700、Mw/Mnは2.32であった。また、得られた重合体の水接触角は93°で、D線波長に対する屈折率は1.59、Tgは178℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを1000mlのナス形フラスコ中でトリフルオロ酢酸2.5mlのトルエン500ml溶液に加え、80℃で1時間加熱した後溶媒留去した。更にTHFに溶解させ、水に加え、沈殿、濾過し、真空乾燥して白色粉末9.2gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は7モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は7/93であった。Mwは11000、Mw/Mnは2.32であり、水接触角は91°、屈折率は1.59、Tgは185℃であった。得られた開環メタセシス重合体の13C−NMRチャートを図1に示す。
フィルム状の被着体として、片面に銀を厚さ150nmで蒸着した厚さ50μmのアルミフィルムの銀蒸着面に20wt%の濃度でTHFに溶解させた開環メタセシス重合体溶液を乾燥後の厚さが10μmとなるように流延塗布して、温度100℃で10分間加熱乾燥して接着シートを2枚作製した。
次いで、得られた接着シート1枚から幅3.2mmのシート3枚を切り出し、残りの接着シートの重合体塗布面と、裁断して得られた接着シート3枚の重合体塗布面とを合わせて重ねた。ここで、裁断して得られた接着シート3枚は互いに重ならないようにした。
次いで、接着シートの片方の端を1cm程度プレスしない様にして、表面が鏡面処理されている2枚の金属板とクッション材であるポリイミドシートの間に挟んで、加熱プレス機を用いて荷重5MPa、温度230℃で1分間加熱及び加圧処理した後取り出して冷却することで積層シートを作製した。
次いで得られた積層シートの裁断していない接着シート面を、治具で固定されたガラスクロスで補強したエポキシ樹脂製のシートに両面テープで接着し、他方の面の裁断された接着シートのプレスしていない端面をクランプに挟み、IPC−TM650法に準じて、エポキシ樹脂製のシートに固定された面とクランプに挟んだシート面とがなす剥離角度90°で連続的に50mm/分の速度で引っ張って測定した引き剥がし強度、即ち接着強度は0.7kN/mであった。
[実施例2]
実施例1で得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/2時間加熱して、白色粉末9.2gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は10モル%であり、[A]/[B]のモル比は10/90であった。Mwは13100、Mw/Mnは2.43、水接触角は90°、屈折率は1.59、Tgは189℃、5%重量減少温度は352℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.1kN/mであった。
[実施例3]
使用する環状オレフィン単量体を、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];24.52g)と8−tert−ブチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];4.46g)、1,6−ヘプタジエンを0.82gとした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体29.0gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は10/90である。重合体のMwは12700、Mw/Mnは2.36であった。また、得られた重合体の水接触角は92°で、D線波長に対する屈折率は1.57、Tgは180℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/20分加熱して、白色粉末9.4gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は3モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は3/97であった。Mwは12900、Mw/Mnは2.42であり、水接触角は91°、屈折率は1.57、Tgは181℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は0.5kN/mであった。
[実施例4]
実施例3で得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/2時間加熱して、白色粉末9.20gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は10モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は10/90であった。Mwは13100、Mw/Mnは2.43、水接触角は89°、屈折率は1.57、Tgは190℃、5%重量減少温度は352℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.0kN/mであった。
[実施例5]
使用する環状オレフィン単量体を、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];21.80g)と8−tert−ブチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];8.92g)、重合触媒としてW(N−2,6− Me2C6H3)(CHCMe2Ph)(OC(CF3)2Me)2(1.94g)とし、1,5−ヘキサジエンを用いずに重合を行い、重合終了後にブチルアルデヒド(0.52g)を添加して反応を停止させた。他は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体30.1gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は20/80である。重合体のMwは26800、Mw/Mnは1.10であった。また、得られた重合体の水接触角は92°で、屈折率は1.57、Tgは191℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/1時間加熱して、白色粉末9.2gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は10モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は11/89であった。Mwは27200、Mw/Mnは1.11であり、水接触角は90°、屈折率は1.57、Tgは199℃、5%重量減少温度は335℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.2kN/mであった。
[実施例6]
実施例5で得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/3時間加熱して、白色粉末9.0gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は20モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は20/80であった。Mwは27500、Mw/Mnは1.12、水接触角は88°、屈折率は1.57、Tgは206℃、5%重量減少温度は343℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.4kN/mであった。
[実施例7]
使用する環状オレフィン単量体を、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];21.80g)と8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];10.21g)、1,5−ヘキサジエンを0.34g、重合触媒としてMo(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCMe3)(OCMe(CF3)2)2(24mg)、1−オクテンを0.96g使用した以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体31.8gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は20/80である。重合体のMwは23000、Mw/Mnは2.55、水接触角は93°、屈折率は1.59、Tgは187℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/1時間加熱して、白色粉末9.2gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は10モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は11/89であった。Mwは23200、Mw/Mnは2.56、水接触角は90°、屈折率は1.59、Tgは195℃、接着シートの張り合わせ温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして測定した接着強度は1.0kN/mであった。
[実施例8]
実施例7で得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/4時間加熱して、白色粉末9.0gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は20モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は20/80であった。Mwは23500、Mw/Mnは2.60、水接触角は88°、屈折率は1.59、Tgは200℃、接着シートの張り合わせ温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして測定した接着強度は1.2kN/mであった。
[実施例9]
使用する環状オレフィン単量体を8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];25.20g)と8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
(単量体[C];10.21g)、1,5−ヘキサジエンを0.34g、重合触媒としてMo(N−2,6−Me2C6H3)(CHCMe3)(OCMe(CF3)2)2(22mg)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体33.9gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は20/80である。重合体のMwは24200、Mw/Mnは2.42、水接触角は93°、屈折率は1.58、Tgは251℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/4時間加熱して、白色粉末9.1gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は20モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は20/80であった。Mwは24500、Mw/Mnは2.51、水接触角は88°、屈折率は1.58、Tgは268℃、5%重量減少温度は318℃、接着シートの張り合わせ温度を300℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.0kN/mであった。
[実施例10]
使用する環状オレフィン単量体をテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];19.06g)と8−tert−ブチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];13.38g)、1,6−ヘプタジエンを0.82g、重合触媒としてMo(N−2,6−Me2C6H3)(CHCMe3)(OCMe(CF3)2)2(22mg)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体32.4gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は30/70である。重合体のMwは14100、Mw/Mnは2.35、水接触角は92°、屈折率は1.56、Tgは176℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/4時間加熱して、白色粉末8.8gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は30モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は30/70であった。Mwは14700、Mw/Mnは2.41、水接触角は86°、屈折率は1.56、Tgは199℃、接着シートの張り合わせ温度を240℃とした以外は実施例1と同様にして測定した接着強度は1.7kN/mであった。
[実施例11]
使用する環状オレフィン単量体をテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];13.62g)と8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];25.54g)、1−オクテンを0.96g、重合触媒としてW(N−2,6−Me2C6H3)(CHCHCMe2)(OC(CF3)2Me)2(PMe3)(28mg)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体39.0gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。重合体のMwは12800、Mw/Mnは2.30、水接触角は92°、屈折率は1.58、Tgは148℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/2時間加熱して、白色粉末8.7gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は21モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は30/70であった。Mwは13100、Mw/Mnは2.32、水接触角は88°、屈折率は1.58、Tgは153℃、接着シートの張り合わせ温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして測定した接着強度は1.2kN/mであった。
[実施例12]
実施例11で得られた開環メタセシス重合体10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/6時間加熱して、白色粉末7.9gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は50モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは13000、Mw/Mnは2.34、水接触角は85°、屈折率は1.58、Tgは185℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.8kN/mであった。
[参考例13]
使用する環状オレフィン単量体を、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];51.07g)、1,5−ヘキサジエンを0.34gとした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体50.3gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は100/0である。重合体のMwは24100、Mw/Mnは2.56、水接触角は92°、屈折率は1.57、Tgは160℃であった。
500mlのオートクレーブに、得られた開環メタセシス重合体20g、THF120g、水素添加触媒としてパラジウムカーボンを用い、水素圧8.0MPa、130℃で8時間水素添加反応を行った後、温度を室温まで戻し水素ガスを放出した。この開環メタセシス重合体水素添加物溶液を水に加えて沈殿させ、濾別分離後真空乾燥を行うことにより白色粉末状の開環メタセシス重合体水素添加物を19.6g得た。得られた開環メタセシス重合体水素添加物の1H−NMRから算出した水素添加率は主鎖のオレフィンのプロトンに帰属するピークが認められず、その水素添加率は100%であり、Mwは36800、Mw/Mnは2.92、水接触角は92°、屈折率は1.55、Tgは126℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/10時間加熱して、白色粉末6.6gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は100モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は100/0であった。Mwは34200、Mw/Mnは2.90、水接触角は80°、屈折率は1.55、Tgは161℃、接着シートの張り合わせ温度を210℃とした以外は実施例1と同様にして測定した接着強度は1.9kN/mであった。
[参考例14]
参考例13で得られた開環メタセシス重合体20gを、130℃で3時間の条件で水素添加反応を行った以外は参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.2gの開環メタセシス重合体水素添加物を得た。その水素添加率は52%であり、Mwは29800、Mw/Mnは2.72、水接触角は92°、屈折率は1.56、Tgは143℃であった。得られた開環メタセシス重合体水素添加物を実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/10時間加熱して、白色粉末7.8gを得た。滴定分析による成分は100モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は100/0であった。Mwは29200、Mw/Mnは2.75、水接触角は82°、屈折率は1.56、Tgは178℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は1.8kN/mであった。
[参考例15]
使用する環状オレフィン単量体を8−tert−ブチルオキシカルボニル−11−オキサテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];44.60g)、重合触媒としてMo(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2(26mg)、1,6−ヘプタジエンを0.40gとした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体44.3gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は100/0である。重合体のMwは26800、Mw/Mnは2.71、水接触角は90°、屈折率は1.56、Tgは168℃であった。
得られた開環メタセシス重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.4gの開環メタセシス重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは27500、Mw/Mnは2.88、水接触角は90°、屈折率は1.53、Tgは133℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/10時間加熱して、白色粉末6.3gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は100モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は100/0であった。Mwは38900、Mw/Mnは2.92、水接触角は78°、屈折率は1.53、Tgは172℃、実施例1と同様にして測定した接着強度は2.1kN/mであった。
[実施例16]
使用する環状オレフィン単量体を、4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オン(単量体[D](ONBL);12.93g)と8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];25.54g)、1,6−ヘプタジエンを1.31gとした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体38.6gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。
得られた重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.2gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは11900、Mw/Mnは2.35、水接触角は92°、屈折率は1.54、Tgは101℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/2時間加熱して、白色粉末8.8gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は22モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は31/69であった。Mwは12100、Mw/Mnは2.36、水接触角は90°、屈折率は1.54、Tgは116℃、接着シートの張り合わせ温度を160℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.4kN/mであった。
[実施例17]
実施例16で得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/6時間加熱して、白色粉末8.4gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は50モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは12500、Mw/Mnは2.34、水接触角は85°、屈折率は1.54、Tgは139℃、接着シートの張り合わせ温度を180℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.7kN/mであった。
[実施例18]
実施例17で得られた開環メタセシス重合体5gを、水素添加ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物(エポキシ当量205g/eq、ジャパンエポキシレジン社製「YX−8000」)2.8gを混合した。この混合物を面板ヒーターで徐々に加熱したところ約200℃で流動性がなくなりゴム状物となり、THFに溶解しなかった。
[実施例19]
使用する環状オレフィン単量体を、8−(1'−エチルシクロペンチルオキシカルボニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];5.54g)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[C];8.17g)と、4−オキサートリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オン(単量体[D](ONBL);5.17g)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体38.7gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。
得られた重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.6gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは18100、Mw/Mnは2.63、水接触角は93°、屈折率は1.55、Tgは117℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例1と同様の方法でトリフルオロ酢酸と80℃/6時間加熱して、白色粉末8.2gを得た。滴定分析によるカルボン酸成分は50モル%であり、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは19000、Mw/Mnは2.65、水接触角は84°、屈折率は1.55、Tgは146℃、接着シートの張り合わせ温度を180℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.6kN/mであった。
[実施例20]
使用する環状オレフィン単量体を、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルアセテート(単量体[C];26.88g)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];13.62g)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体40.3gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。
得られた重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.7gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは15800、Mw/Mnは2.45、水接触角は94°、屈折率は1.51、Tgは101℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gをTHF100mlに溶解した後、10wt%NaOH水溶液10mlを添加して2時間加熱還流した。得られた溶液を塩酸で中和した後、水に排出、乾燥して、白色粉末8.5gを得た。1H−NMR分析により全てのアセチル基が脱離し、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは15200、Mw/Mnは2.48、水接触角は86°、屈折率は1.51、Tgは85℃、次に、被着体として厚さ66μmのポリカーボネートフィルム(商品名「エルメック」カネカ社製)を使用し接着シートの張り合わせ温度を120℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.3kN/mであった。
[実施例21]
使用する環状オレフィン単量体を、4−オキサートリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3−オン(単量体[D];12.93g)、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルアセテート(単量体[C];26.88g)、1−オクテンを0.96gとした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体36.5gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。
得られた重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.6gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは16900、Mw/Mnは2.50、水接触角は91°、屈折率は1.50、Tgは92℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例20と同様の方法でアセチル基を脱離し、白色粉末8.2gを得た。1H−NMR分析により全てのアセチル基が脱離し、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは16500、Mw/Mnは2.55、水接触角は83°、屈折率は1.50、Tgは72℃、次に、被着体として厚さ66μmのポリカーボネートフィルム(商品名「エルメック」カネカ社製)を使用し接着シートの張り合わせ温度を100℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.6kN/mであった。
[参考例22]
使用する環状オレフィン単量体を2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イルアセテート(単量体[C];53.76g)とした以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体53.3gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は100/0である。
得られた重合体20gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、19.3gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは12800、Mw/Mnは2.35、水接触角は93°、屈折率は1.48、Tgは42℃であった。
得られた開環メタセシス重合体水素添加物10gを実施例20と同様に操作して白色粉末6.0gを得た。1H−NMR分析により全てのアセチル基が脱離し、構造単位[A]/[B]のモル比は100/0であった。Mwは12500、Mw/Mnは2.51、水接触角は84°、屈折率は1.48、Tgは28℃、次に、被着体として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー」東レ社製)を使用し接着シートの張り合わせ温度を70℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.2kN/mであった。
[参考例23]
参考例22で得られた重合体20gを実施例20と同様に10wt%NaOH水溶液で処理して白色粉末12.5gを得た。1H−NMR分析により全てのアセチル基が脱離し、構造単位[A]/[B]のモル比は100/0であった。Mwは11000、Mw/Mnは2.09、水接触角は85°、屈折率は1.50、Tgは56℃であった。
得られた重合体10gを参考例13と同様の方法で水素添加を行い、9.6gの重合体水素添加物を得た。その水素添加率は100%であり、Mwは12600、Mw/Mnは2.48、水接触角は84°、屈折率は1.48、Tgは26℃であった。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー」東レ社製)を使用し接着シートの張り合わせ温度を70℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.2kN/mであった。
[実施例24]
使用する環状オレフィン単量体を、4,10−ジオキサートリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン(単量体[C];14.12g)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];13.62g)とし、1,5−ヘキサジエンを使用せず、重合触媒としてMo(N−2,6−Pri 2C6H3)(CHCMe3)(OCMe(CF3)2)2(2.40g)を使用した以外は実施例1と同様に反応を行ない、その後、ブチルアルデヒド(0.74g)を加え30分間攪拌した。さらに実施例1と同様に重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体27.8gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。Mwは13100、Mw/Mnは1.03、水接触角は93°、屈折率は1.56、Tgは146°であった。
得られた開環メタセシス重合体10gをTHF100mlに溶解した後、10wt%NaOH水溶液10mlを添加して2時間加熱還流した。溶液を中和した後、水に排出、乾燥して、白色粉末9.8gを得た。13C−NMR分析により全ての無水物が加水分解しており、 構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは14200、Mw/Mnは1.06、水接触角は80°、屈折率は1.56、Tgは189℃、接着シートの張り合わせ温度を230℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は2.0kN/mであった。
[実施例25]
実施例24で得られた無水物を全て加水分解した開環メタセシス重合体5gを、水素添加ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物(エポキシ当量205g/eq、ジャパンエポキシレジン社製「YX−8000」)2.8gを混合した。この混合物を面板ヒーターで徐々に加熱したところ約200℃で流動性がなくなりゴム状物となり、THFに溶解しなかった。
[実施例26]
使用する環状オレフィン単量体を、4−オキサー10−チアートリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン−3,5−ジオン(単量体[C];15.49g)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];13.62g)を使用した以外は実施例24と同様、1,5−ヘキサジエンを使用せず重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体29.1gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は50/50である。Mwは16900、Mw/Mnは1.07、水接触角は93°、屈折率は1.60、Tgは148℃であった。
得られた開環メタセシス重合体10gを実施例24と同様にして白色粉末9.9gを得た。13C−NMR分析により全ての無水物が加水分解し、構造単位[A]/[B]のモル比は50/50であった。Mwは17200、Mw/Mnは1.10、水接触角は81°、屈折率は1.60、Tgは191℃、接着シートの張り合わせ温度を230℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は1.9kN/mであった。
[比較例1]
使用する環状オレフィン単量体をテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(単量体[D];27.24g)を使用した以外は実施例1と同様の方法で重合を行ったところ、残存環状オレフィン単量体は無く、粉末状の開環メタセシス重合体27.3gを得た。重合に使用した環状オレフィン単量体[C]/[D]のモル比は0/100である。Mwは13000、Mw/Mnは2.36、水接触角は95°、屈折率は1.59、Tgは182℃であった。
得られた開環メタセシス重合体を接着シートの張り合わせ温度を220℃とした以外は実施例1と同様の方法で測定した接着強度は0.04kN/mであり、有機酸残基を有する本願実施例の重合体よりも接着強度が著しく低かった。
[実施例27]
実施例6と同様の方法でスケールを上げて合成して得られた、全てのエステルを分解してカルボン酸とした開環メタセシス重合体20質量部と、「アペル(登録商標)6015T」(三井化学株式会社製、環状ポリオレフィン樹脂)80質量部を混合して、溶融押出し成型機を使用し、シリンダー温度280℃でT−ダイにより、厚み100μmのフィルムを成型した。フィルム中にポリマー分解物やゲルは見られなかった。
得られたフィルムの水接触角は89°、屈折率は1.55であった。
成型したフィルムを2枚重ねて荷重5MPa、温度220℃、1分の条件で熱処理して接着シートを作製した。得られたシートを用いて90度剥離試験を行った結果0.6kN/mであった。
[実施例28]
実施例8と同様の方法でスケールを上げて合成して得られた、エステルを全て分解してカルボン酸とした開環メタセシス重合体20重量部を実施例27と同様の方法で、「アペル(登録商標)6015T」(三井化学株式会社製環状ポリオレフィン樹脂)80質量部を混合して厚み100μmのフィルムを成型した。フィルム中にポリマー分解物やゲルは見られなかった。得られたフィルムの水接触角は90°、屈折率は1.55であった。
成型したフィルムを2枚重ねて荷重5MPa、温度220℃、1分の条件で熱処理して接着シートを作製した。得られたシートを用いて90度剥離試験を行った結果0.4kN/mであった。
[比較例2]
「アペル(登録商標)6015T」(三井化学株式会社製環状ポリオレフィン樹脂)のみを溶融押出し成型機を使用し、シリンダー温度280℃でT−ダイにより、厚み100μmのフィルムを成型した。
得られたフィルムの水接触角は94°、屈折率は1.54、Tgは145℃であった。
成型したフィルムを2枚重ねて荷重5MPa、温度200℃、10分の条件で熱処理して接着シートを作製した。得られたシートを用いて90度剥離試験を行った結果、0.02kN/mであった。
本発明のカルボン酸を有する開環メタセシス重合体を混合した実施例よりも接着性が著しく低かった。
[実施例29]
実施例24の全ての無水物を分解してカルボン酸としたポリマーをベース樹脂として、KrFエキシマレーザー露光におけるネガ型の解像性の評価を行った。ポリマー100質量部に対して下記化学式(5)で示される酸発生剤3質量部、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル10質量部、塩基性化合物としてトリ−n−ブチルアミン0.5質量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート425質量部を混合した。次にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、レジスト材料とした。得られたレジスト溶液を、直径4インチのシリコンウエハー上へスピンコートしたのち120℃で焼成して膜厚0.7μmのレジスト被膜を形成し、該レジスト被膜にパターンマスクを介してこれをKrFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製、NA=0.5)を用いて露光し、110℃、90秒間の熱処理を施した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて60秒間パドル現像を行ったのち、水で30秒間洗浄し、乾燥してネガ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅0.5μmのラインアンドスペースパターンを設計どおりに形成できる放射線量(最適露光量)は380J/m2、パターン間に現像残りが認められず、パターン形状は矩形であった。
[実施例30]
実施例17の全てのエステルを分解してカルボン酸としたポリマーをベース樹脂として、実施例29と同様にしてネガレジストパターンを形成した。このとき、線幅0.5μmのラインアンドスペースパターンを設計どおりに形成できる放射線量(最適露光量)は400J/m2、パターン間に現像残りが認められず、パターン形状は矩形であった。
[実施例31]
実施例10で得られた全てのエステルを分解してカルボン酸とした開環メタセシス重合体の溶融粘度を測定した結果を表1に示す。本実施例のカルボン酸を有する開環メタセシス重合体はTgが高く耐熱性が高いにもかかわらず、高温下での溶融粘度が低い。
[比較例3]
比較例1で得られたカルボン酸を含まない開環メタセシス重合体の溶融粘度を測定した結果を表1に示す。
本比較例のカルボン酸を含まない開環メタセシス重合体は、実施例31の示すカルボン酸を有する開環メタセシス重合体より260〜270℃での溶融粘度は低いが、290℃ではカルボン酸を有する開環メタセシス重合体の溶融粘度の方が低い。
以上に示したように、実施例に係る開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、有機酸残基を含む繰り返し構造単位を有する特定の構造を備えているため、表面極性が高く、透明性に優れ、架橋反応性を有するとともに、光学特性、電気特性、高剛性、耐熱性、基材との接着性や密着性、表面コートや塗装などの表面処理性、架橋させるための光や熱による硬化性などに優れる。このため、これらの開環メタセシス重合体およびその水素添加物は、自動車部品材料、回路基板などの電気電子材料、フォトレジスト材料や封止材などの半導体材料など広い産業分野で好適に使用することができ、工業的に極めて価値がある。
本発明は以下の態様も取り得る。
(1)
少なくとも下記一般式[1]
(式中、R 1 〜R 4 のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の有機酸残基を含む置換基であり、その他は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 1 〜R 4 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 1 は−O−、−S−、−NR 5 −、−PR 5 −、および−CR 5 2 −から(R 5 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。mは0または1〜3の整数を表す。)で表される繰り返し構造単位[A]、および、
下記一般式[2]
(式中、R 6 〜R 9 は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 6 〜R 9 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 2 は−O−、−S−、−NR 10 −、−PR 10 −、および−CR 10 2 −から(R 10 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。nは0または1〜3の整数を表す。)で表される繰り返し構造単位[B]
を含み、その構成モル比[A]/[B]が0.1/99.9〜100/0である開環メタセシス重合体。
(2)
上記(1)の開環メタセシス重合体において、その主鎖二重結合の50〜100%を水素添加させた開環メタセシス重合体の水素添加物。
(3)
一般式[1]で表される構造単位[A]のX 1 、および一般式[2]で表される構造単位[B]のX 2 のうち少なくとも1つが−O−または−S−である上記(1)に記載の開環メタセシス重合体。
(4)
一般式[1]で表される構造単位[A]のX 1 、および一般式[2]で表される構造単位[B]のX 2 のうち少なくとも1つが−O−または−S−である上記(2)に記載の開環メタセシス重合体の水素添加物。
(5)
水接触角が105°以下である上記(1)に記載の開環メタセシス重合体。
(6)
水接触角が105°以下である上記(2)に記載の開環メタセシス重合体の水素添加物。
(7)
D線波長光に対する屈折率が1.48以上である上記(1)に記載の開環メタセシス重合体。
(8)
D線波長光に対する屈折率が1.48以上である上記(2)に記載の開環メタセシス重合体の水素添加物。
(9)
接着強度が0.1kN/m以上で、かつガラス転移温度が20℃以上300℃以下である上記(1)に記載の開環メタセシス重合体。
(10)
接着強度が0.1kN/m以上で、かつガラス転移温度が20℃以上300℃以下である上記(2)に記載の開環メタセシス重合体の水素添加物。
(11)
上記(1)乃至(10)いずれかに記載の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を含む光学部品材料。
(12)
上記(11)に記載の光学部品材料を成型して得られるフィルム。
(13)
上記(11)に記載の光学部品材料を成型して得られる成型物。
(14)
上記(1)乃至(10)いずれかに記載の開環メタセシス重合体および/またはその水素添加物を含むレジスト材料。
(15)
少なくとも下記一般式[3]
(式中、R 11 〜R 14 のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 11 〜R 14 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 1 は−O−、−S−、−NR 15 −、−PR 15 −、および−CR 15 2 −から(R 15 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。pは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[C]、または一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[C]、および、
下記一般式[4]
(式中、R 16 〜R 19 は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 16 〜R 19 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 2 は−O−、−S−、−NR 20 −、−PR 20 −、および−CR 20 2 −から(R 20 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。qは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[D]
の少なくとも2種類を、開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、加水分解または酸脱離する工程を含む、
上記(1)に記載の開環メタセシス重合体の製造方法。
(16)
少なくとも下記一般式[3]
(式中、R 11 〜R 14 のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 11 〜R 14 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 1 は−O−、−S−、−NR 15 −、−PR 15 −、および−CR 15 2 −から(R 15 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。pは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[C]、または一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[C]、および、
下記一般式[4]
(式中、R 16 〜R 19 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 16 〜R 19 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 2 は−O−、−S−、−NR 20 −、−PR 20 −、および−CR 20 2 −から(R 20 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。qは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[D]
の少なくとも2種類を、開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、加水分解または酸脱離し、さらに水素添加触媒のもとに水素添加する工程を含む、
上記(2)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。
(17)
少なくとも下記一般式[3]
(式中、R 11 〜R 14 のうち少なくとも一つが、炭素原子数1〜20の酸またはアルカリにより分解する基を含む置換基であり、その他は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 11 〜R 14 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 1 は−O−、−S−、−NR 15 −、−PR 15 −、および−CR 15 2 −から(R 15 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。pは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[C]、または一般式[3]で表される環状オレフィン単量体[C]、および、
下記一般式[4]
(式中、R 16 〜R 19 は、水素、炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数6〜20のアリールオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜20のヒドロキシアルキル基、酸無水物、シアノ基、およびケイ素含有基からなる群から選択される基であり、R 16 〜R 19 が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 2 は−O−、−S−、−NR 20 −、−PR 20 −、および−CR 20 2 −から(R 20 は水素、炭素原子数1〜20のアルキル基を表す)選ばれ、同一でも異なってもよい。qは0または1〜3の整数を表す。)で表される環状オレフィン単量体[D]
の少なくとも2種類を、開環メタセシス重合触媒の存在下に重合させた後、水素添加触媒のもとに水素添加し、さらに加水分解または酸脱離する工程を含む、上記(2)に記載の開環メタセシス重合体水素添加物の製造方法。