JP5284110B2 - 蛍光プローブ - Google Patents

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Description

本発明は蛍光プローブに関する。より具体的にはpH変化を捉えて近赤外領域の蛍光を発する蛍光プローブに関する。
シアニン色素はさまざまな分野で広く利用されており、生理機能を研究する蛍光イメージング領域においても生体分子の蛍光ラベルとして使用されている。特にトリカルボシアニン系色素は、生体分子による吸収が比較的少ない650〜950 nm付近の近赤外領域に極大吸収波長及び極大蛍光波長を持ち、生体組織の深部まで透過できる波長の光を使用できる利点を有する。加えて、近赤外領域は生体成分からの自家蛍光も少ない。すなわち、トリカルボシアニン系色素の特性はin vivoイメージングにとって好適である。最近、生体分子を直接蛍光ラベルするためのシアニン系色素に加え、生体分子と特異的に反応することで蛍光強度が変化するトリカルボシアニン色素が開発された。一つはカルシウムイオンに対する近赤外蛍光プローブであり(Ozmen, B., et al., Tetrahedron Lett., 41, pp.9185-9188, 2000)、もう一つは一酸化窒素(NO)に対する近赤外蛍光プローブである(WO2005/080331)。これらの蛍光プローブは、生体分子との特異的な反応の前後で励起波長、蛍光波長とも変化することなく、蛍光強度のみが変化するプローブである。
一方、細胞内のpHは、細胞質では約6.8〜7.4程度、ゴルジ体、分泌小胞、被覆小胞、エンドソーム、リソソームなどのオルガネラの内腔では約4.5〜6.0程度の酸性に保たれているが、さまざまな細胞応答に付随して、これらのpHは変化することが知られている。この細胞内pHの変化は、さまざまな細胞機能を調節し、特にアポトーシス、エンドサイトーシス、ホメオスタシス、イオン輸送等における生理的役割について、種々の報告がある(Rich, I.N., et al., J. Cell Physiol., 177(1) , 109, 1998; Meisenholder G. W., et al., J. Biol. Chem., 271, 16260, 1996)。このため細胞内pHの測定は、細胞内反応の制御機構を理解するために重要である。
従来、細胞内のpHを測定するためには、細胞内のpHに応じてプロトネーション若しくはデプロトネーションし、その変化に応じて蛍光を発する化合物(pH蛍光プローブ)が用いられている。フルオレセイン骨格を母核として有するpH蛍光プローブとしては、例えば、BCECF(2',7'-bis(carboxyethyl)-4 or 5-carboxyfluorescein)及びその誘導体、CFDA(carboxyfluorescein diacetate)及びその誘導体、SNARF-1(seminaphthorhodafluor)及びその誘導体(いずれもMolecular Probe社のカタログである"Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals" 10th Edition by Richard P. Haugland chapter 20"pH indicators")などが実用化されている。また、シアニン骨格を母核として有するpHプローブとしては国際公開WO00/75237に記載の化合物、CypHer(GEヘルスケアバイオサイエンス株式会社)がある。
しかしながら、フルオレセイン骨格を有するpH蛍光プローブであるBCECF、CFDAは、励起波長が550 nm以下であることから生体組織の透過性が低いために組織深部の観察をすることができず、また、測定の際に生体成分が有する自家蛍光(NADHやフラビン類が発する蛍光)による影響を受け易いという問題がある。一方、CypHerや国際公開WO00/75237に記載されたpH蛍光プローブはシアニン骨格を有し、シアニン骨格のポリメチン鎖に接合する窒素含有複素芳香環の窒素原子がプロトン化して発蛍光する。これらの蛍光プローブでは640 nm以上の波長の長い励起光で測定することができ、pHの低下に伴って中性領域以下で蛍光強度が上昇するため、生体成分が有する自家蛍光の影響を受けにくいという利点がある。しかしながら、細胞に蛍光プローブを適用するときには、細胞内に導入される蛍光プローブの濃度が細胞の種類によってばらつく場合があり、また細胞膜の厚さの違いによって測定部位でも蛍光強度に差が生じ、膜などの疎水性の高い部分に蛍光プローブが局在してしまう可能性があるなど、測定に影響を与える要因が多い。
これらの要因による測定誤差を減少させ、正確な定量的解析を行なえる方法としてレシオ(ratio)法が開発され使用されている(Kawanishi Y., et al, Angew. Chem. Int. Ed., 39(19), 3438, 2000)。この方法は、蛍光スペクトル又は励起スペクトルにおいて異なる二波長での蛍光強度を測定してその比を検出する工程を含んでおり、蛍光プローブ自体の濃度や励起光強度による影響を無視できるとともに、一つの波長で観測を行なった場合に生じる蛍光プローブ自身の局在や濃度変化、あるいは退色などによる測定誤差をなくすことができる。
例えば、フルオレセイン骨格を有するpH蛍光プローブであるSNARF-1は、pHがアルカリ性に偏るとデプロトネーションにより蛍光波長のピークが長波長側にシフトする性質を有しており、500 nm付近で励起した場合、580 nm付近の蛍光強度はpHの上昇に伴って減少するのに対して、640 nm付近の蛍光強度はpHの上昇に伴って増加する。従って、この化合物を500 nm付近の適当な波長を用いて励起し、580 nm付近〜640 nm付近の適当な二波長の蛍光強度の比をとることにより、プローブ濃度、光源強度、又は細胞の大きさなどに関係なくpHを正確に測定できる。しかしながら、生体組織の透過性に優れた650 nm〜950 nm付近の近赤外領域の励起光を使ってレシオ法で細胞内pH変化をイメージング出来る蛍光プローブは知られておらず、pH変化を正確に蛍光イメージングするために、生体成分の自家蛍光の影響が少なくかつ生体組織の透過性に優れた650 nm〜950 nm付近の近赤外領域の蛍光をレシオ法によって測定する蛍光プローブの開発が望まれていた。
本発明の課題はpH変化を特異的かつ高感度に捉えて蛍光を発する蛍光プローブを提供することである。より具体的には、生体組織の透過性が高い650 nm〜950 nm付近の近赤外光で励起することができ、pHの変化によって励起スペクトルのピークに顕著な波長シフトを生じる蛍光性化合物を提供することが本発明の課題である。また、本発明の課題は、650 nm〜950 nm付近の二波長の励起光を照射して生じる各々の近赤外蛍光を測定し、レシオ法によりpHの変化を測定するための蛍光プローブとして利用可能な化合物を提供することにある。さらに本発明の別な課題は、上記の特徴を有する化合物を含むpH蛍光プローブ、及び該pH蛍光プローブを用いたpHの測定方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記の一般式(I)で表される化合物が、650 nm〜950 nm付近の近赤外領域の励起光を吸収して強い蛍光を発すること、pHの変化に応じて励起スペクトルのピークに顕著な波長シフトを生じること、及び該化合物を用いてレシオ法によりpH変化を極めて正確に測定できることを見出した。また、下記の一般式(I)で表される化合物のpH感受性のアミノ基に結合する置換基を適宜選択することにより、さまざまなpKaを有する化合物を提供することができ、それぞれのpKaの前後でのpHの変化をレシオ法により測定できる化合物として利用できることも見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、下記の一般式(I):
Figure 0005284110
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し;R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、若しくは置換基を有していてもよいアリール基であるか、又はR3とR4とが結合してC1-3アルキレン基を示すか、若しくはR3とR5とが結合してC1-3アルキレン基を示すが、ただしR3は水素原子であることはなく、R3、R4、又はR5は2-ピリジルメチル基、2-ピリジルエチル基、2-メチル-6-ピリジルメチル基、又は2-メチル-6-ピリジルエチル基であることはなく;Y1及びY2はそれぞれ独立に-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、-C(R6)(R7)-、又は-N(R8)-(式中、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立に水素原子、又は置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示す)を示し;Aは置換基を有していてもよいC1-3アルキレン基を示し;n及びn'はそれぞれ独立に0、1、又は2を示し;Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゾ縮合環又は置換基を有していてもよいナフト縮合環を形成するために必要な非金属原子群を示し;L1、L2、L3、L4、L5、L6、及びL7はそれぞれ独立に置換又は無置換のメチン基を示すが、n又はn'が2である場合には重複するL1及びL2又は重複するL6及びL7は同一でも異なっていてもよく、;M-は電荷の中和に必要な個数の対イオンを示す]で表される化合物が提供される。この化合物はpH応答性蛍光プローブとして有用である。
上記発明の好ましい態様として、下記の一般式(IA):
Figure 0005284110
[式中、R11及びR12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し;R13、R14、及びR15はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示すか、あるいはR13とR14とが結合してエチレン基を示すが、ただしR13は水素原子であることはなく、R13、R14、又はR15は2-ピリジルメチル基、2-ピリジルエチル基、2-メチル-6-ピリジルメチル基、又は2-メチル-6-ピリジルエチル基であることはなく;Y11及びY12はそれぞれ独立に-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、-C(R16)(R17)-、又は-N(R18)-(式中、R16、R17、及びR18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示す)を示し;Z11及びZ12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゾ縮合環又は置換基を有していてもよいナフト縮合環を形成するために必要な非金属原子群を表し;M'-は電荷の中和に必要な個数の対イオンを示す]で表される化合物が提供される。
別の観点からは、本発明により、上記一般式(I)で表される化合物、好ましくは上記一般式(IA)で表される化合物を含むpH蛍光プローブが提供される。
また、本発明により、上記一般式(I)で表される化合物、好ましくは上記一般式(IA)で表される化合物をpH蛍光プローブとして用いる方法;上記一般式(I)で表される化合物、好ましくは上記一般式(IA)で表される化合物のpH蛍光プローブ製造のための使用;被検対象物のpH変化の測定方法であって、下記の工程:(a)上記一般式(I)で表される化合物、好ましくは上記一般式(IA)で表される化合物と被検対象物とを接触させる工程、及び(b)上記工程(a)の接触後に上記一般式(I)で表される化合物、好ましくは上記一般式(IA)で表される化合物の蛍光強度を測定する工程を含む方法が提供される。
本発明の上記一般式(I)で表される化合物は、例えば測定対象物である水溶液のpH変化に応じて、L1などのメチン鎖に結合した置換基においてメチン鎖に直接結合していない窒素原子がプロトネーションされることで蛍光特性に大きな変化を生じる性質を有している。さらに、本発明の上記一般式(I)で表される化合物は近赤外領域の光で励起することにより強い蛍光を発することから、該化合物を蛍光プローブとして用いることにより、生体内の深部組織中のpH変化を測定することが可能になる。また、R3、R4、及びR5の置換基を適宜選択することにより、さまざまなpKaを有する蛍光プローブを設計して提供することができる。
種々のpHにおける化合物1の光学特性を示す。図中、(a)は吸収スペクトル、(b)は蛍光波長780 nmにおける励起スペクトル、(c)は670 nmの吸光度に対する750 nmの吸光度の比、(d)は670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する760 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の比を示す。全ての測定は補助溶媒として10%のDMSOを含む100 mM リン酸ナトリウム緩衝液中で行った。 種々のpHにおける化合物2の光学特性を示す。図中、(a)は吸収スペクトル、(b)は蛍光波長780 nmにおける励起スペクトル、(c)は670 nmの吸光度に対する725 nmの吸光度の比、(d)は670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の比を示す。全ての測定は補助溶媒として0.1%のDMSOを含む100 mM リン酸ナトリウム緩衝液中で行った。 種々のpHにおける化合物3の光学特性を示す。図中、(a)は吸収スペクトル、(b)は蛍光波長780 nmにおける励起スペクトル、(c)は670 nmの吸光度に対する725 nmの吸光度の比、(d)は670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の比を示す。全ての測定は補助溶媒として0.1%のDMSOを含む100 mM リン酸ナトリウム緩衝液中で行った。 種々のpHにおける化合物4の光学特性を示す。図中、(a)は吸収スペクトル、(b)は蛍光波長780 nmにおける励起スペクトル、(c)は670 nmの吸光度に対する750 nmの吸光度の比、(d)は670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の比を示す。全ての測定は補助溶媒として10%のDMSOを含む100 mM リン酸ナトリウム緩衝液中で行った。 種々のpHにおける化合物5の光学特性を示す。図中、(a)は吸収スペクトル、(b)は蛍光波長780 nmにおける励起スペクトル、(c)は670 nmの吸光度に対する750 nmの吸光度の比、(d)は670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する760 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の比を示す。全ての測定は補助溶媒として10%のDMSOを含む100 mM リン酸ナトリウム緩衝液中で行った。
本明細書において、特に言及しない場合にはアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」と言う場合には、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシ基若しくはそのエステル、又はスルホ基若しくはそのエステルなどを置換基として有していてもよい。本明細書においてアリール基という場合には、単環性若しくは多環性のアリール基、又は単環性若しくは多環性のヘテロアリール基のいずれであってもよいが、好ましくは単環性若しくは多環性のアリール基、より好ましくはフェニル基を用いることができる。
一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基などを挙げることができる。R1及びR2が示すアルキル基としては直鎖状のアルキル基が好ましい。
R1及びR2が示すC1-6アルキル基上に存在可能な置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシ基若しくはそのエステル、スルホ基若しくはそのエステル、又はホスホ基若しくはそのエステルなどを挙げることができる。これらのうち、カルボキシ基又はスルホ基などが好ましく、本発明の化合物の水溶性を著しく増す効果が得られる。例えば、置換基を有するアルキル基の具体的な例としては、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒロドキシルエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、カルボキシメチル基、スルホメチル基、2-スルホエチル基、3-スルホプロピル基、又は4-スルホブチル基等が挙げられる。R1及びR2の両者が無置換のC1-6アルキル基であってもよく、あるいはそれらのいずれか片方のC1-6アルキル基が置換基を有していてもよい。R1及びR2は直鎖状のC1-6アルキル基又はスルホ基で置換されているC1-6アルキル基であることが好ましく、特にメチル基であることが好ましい。一般式(IA)におけるR11及びR12についても上記のR1及びR2と同様である。
一般式(I)において、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示すか、あるいはR3とR4とが結合してC1-3アルキレン基を示すか、又はR3とR5とが結合してC1-3アルキレン基を示す。ただし、R3は水素原子であることはなく、R3、R4、又はR5は2-ピリジルメチル基、2-ピリジルエチル基、2-メチル-6-ピリジルメチル基、又は2-メチル-6-ピリジルエチル基であることはない。置換基を有していてもよいC1-6アルキル基上に存在可能な置換基としては、例えば、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシ基若しくはそのエステル、又はスルホ基若しくはそのエステルなどが挙げられる。置換基を有していてもよいアリール基のアリール基部位としては、単環性若しくは多環性のアリール基、又は単環性若しくは多環性のヘテロアリール基が挙げられる。R3及びR4、又はR3及びR5が結合してC1-3アルキレン基を形成してもよく、さらに該アルキレン基はアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシ基若しくはそのエステル、又はスルホ基若しくはそのエステルのような置換基を有していてもよい。これらのうち、R3、R4、及びR5がすべてメチル基である組み合わせ、R3がメチル基であり、かつR4及びR5がエチル基である組み合わせ、又はR3及びR4が結合してエチレン基を形成し、かつR5がメチル基、フェニル基、又はベンジル基である組み合わせが好ましい。一般式(IA)におけるR13、R14、及びR15についても上記のR3、R4、及びR5と同様である。
一般式(I)において、R1ないしR5はそれぞれ独立に細胞膜内に埋没可能な基であってもよい。この場合、一般式(I)で表される本発明の化合物を膜局在型の蛍光プローブとして使用して、細胞膜近傍のpH変化のみを測定できる。細胞膜内に埋没可能な基としては、直鎖または分岐C7-18アルキル基及びリン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミン類、ホスファリジルコリン類、ホスファチジルセリン類、ホスファチジルイノシトール類、ホスファチジルグリセロール類、カルジオリピン類、スフィンゴミエリン類、セラミドホスホリルエタノールアミン類、セラミドホスホリルグリセロール類、セラミドホスホリルグリセロールホスファート類、1,2-ジミリストイル-1,2-デオキシホスファチジルコリン類、プラスマロゲン類、又はホスファチジン酸類が挙げられるが、これらのリン脂質における脂肪酸残基は特に限定されず、炭素数12〜20個程度の飽和又は不飽和の脂肪酸残基を1個又は2個有するリン脂質を用いることができる)が一般式(I)のR1ないしR5の置換基を有していてもよいC1-6アルキル基の置換基を介して結合した基などが好ましい。一般式(IA)におけるR11ないしR15についても上記のR1ないしR5と同様である。
Y1及びY2はそれぞれ独立に-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、-C(R6)(R7)-、又は-N(R8)-を示し、R6、R7、及びR8はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示す。Y1及びY2は-C(R6)(R7)-であることが好ましく、R6及びR7はメチル基が好ましい。Aは置換基を有していてもよいC1-3アルキレン基を示すが、無置換エチレン基であることがさらに好ましい。一般式(IA)におけるY11及びY12、R16、R17、及びR18についても、上記のY1及びY2、R6、R7、及びR8と同様である。
一般式(I)においてZ1及びZ2はそれぞれ置換基を有していてもよいベンゾ縮合環又は置換基を有していてもよいナフト縮合環を形成するために必要な非金属原子群を示し、より具体的には、例えばZ1及びZ2はそれぞれ以下のベンゾ縮合環又は以下のナフト縮合環を形成する。該ベンゾ縮合環又はナフト縮合環はさらにアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくはヨウ素原子のいずれでもよい)、水酸基、アミノ基、カルボキシ基若しくはそのエステル、又はスルホ基若しくはそのエステルなどの置換基を有していてもよい。一般式(IA)におけるZ11及びZ12についても上記のZ1及びZ2と同様である。
Figure 0005284110
本発明の上記一般式(I)で表される化合物は、吸収波長が400〜1300 nm、好ましくは650〜950 nm、より好ましくは650〜800 nmの領域で最大になることが好ましい。当業者には、本発明の上記一般式(I)で表される化合物において、n又はn'が増大するにつれて励起波長及び蛍光波長が増大し、同様にn又はn'が減少する場合には励起波長及び蛍光波長が減少することを理解するであろう。本発明の上記一般式(I)において、n、n'の和が2であることが好ましく、n及びn'が共に1であることが特に好ましい。
L1、L2、L3、L4、L5、L6、及びL7は置換又は無置換のメチン基を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。また、nが2の場合には、重複するL1及びL2は同一でも異なっていてもよく、n'が2の場合には重複するL6及びL7は同一でも異なっていてもよい。L1、L2、L3、L4、L5、L6、及びL7で表されるメチン基の置換基どうしが結合して連続する3つのメチン基を含む環を形成してもよく、この環はさらに他のメチン基を含む環と縮合環を形成していてもよい。L1、L2、L3、L4、L5、L6、及びL7により構成される部分構造として、特に以下に示す構造が好ましい。
Figure 0005284110
M-及びM'-は電荷の中和に必要な個数の対イオンを表す。対イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、若しくはマグネシウムイオンなどの金属イオン、4級アンモニウム、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、又はグリシンなどのアミノ酸のイオンを挙げることができる。例えば一般式(I)においてR1及びR2が示すC1-6アルキル基にカルボキシ基、スルホ基などが存在する場合、あるいはR3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2のうちのいずれか1個所以上にカルボキシ基、スルホ基、又はホスホ基などを含む場合は、M-として2個以上の対イオンが必要になる場合がある。また、一般式(I)においてR1又はR2が示す一方のC1-6アルキル基に1個のカルボキシ基又はスルホ基などが存在する場合には、R1が結合する4級窒素原子上の陽電荷とカルボキシ基又はスルホ基のアニオンとが分子内ツビッターイオンを形成するので、電荷の中和に必要な対イオンが不必要になる場合もある。
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は1個又は2個以上の不斉炭素を有している場合がある。従って、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学的に純粋な形態の任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、純粋な形態のジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物などはいずれも本発明の範囲に包含される。また、本発明の化合物は水和物や溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質も本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
上記一般式(IA)において、R11及びR12がメチル基及び4-スルホブチル基であり、Z11及びZ12が無置換ベンゾ縮合環である化合物であることが特に好ましい。
より具体的には下記の化合物を特に好ましい化合物として挙げることができるが、これらに限定されることはない。
Figure 0005284110
上記一般式(I)で表される本発明の化合物は、例えば、以下のスキームに示した方法により製造することができる。また、本明細書の実施例には、上記化合物に包含される代表的化合物について製造方法を具体的に示した。下記スキームと実施例の具体的説明を参照することにより、上記一般式(I)で表される化合物を容易に製造できることが当業者には理解されよう。
Figure 0005284110
上記一般式(I)、好ましくは上記一般式(IA)で表される本発明の化合物は、(a)生体組織透過性に優れた650〜950 nm付近の近赤外領域の励起光で強い蛍光を発し;(b)pHの変化に応じてL1などのメチン鎖に結合した置換基においてメチン鎖に直接結合していない窒素原子がプロトネーションされることでシアニン蛍光団に直接結合する原子(好ましくは窒素原子)の電子供与能が低下し;かつ(c)シアニン蛍光団に直接結合する原子(好ましくは窒素原子)の電子供与能の変化に応じて励起スペクトルのピークに顕著な波長シフトを生じる性質を有している。この波長シフトは化合物のpKaに応じて通常は約40〜70 nm程度までの範囲で観測でき、生体内に多く存在する金属イオンやタンパクの影響を受けずにpHに特異的な波長シフトとして観測できる。さらに一般式(I)におけるR3、R4、及び/又はR5、好ましくは一般式(IA)におけるR13、R14、及び/又はR15を種々の置換基で置き換えることによりpKaを自在に調節する事ができ、所望のpH環境を検出するために最適な化合物を設計することが可能である。
Figure 0005284110
本発明の化合物をpH蛍光プローブとして用い、適当な異なる二波長を選択して励起し、その時の蛍光強度の比を測定することにより、pHをレシオ法によって測定することが可能になる。従って、本発明の化合物は、特に生細胞や生組織中、特に深部組織中のpHを生理条件下で測定するためのpH蛍光プローブとして有用である。異なる二波長は、一方の波長において励起した場合にpHの上昇に伴って蛍光強度が増大し、かつ他方の波長において励起した場合にはpHの上昇に伴って蛍光強度が減少するように選択することができる。レシオ法についてはMason W. T.の著書(Mason W. T. in Fluorescent and Luminescent Probes for Biological Activity, Second Edition, Edited by Mason W. T., Academic Press)などに詳細に記載されており、本明細書の実施例にも本発明の化合物を用いた測定方法の具体例を示した。なお、本明細書において用いられる「測定」という用語については、定量及び定性を含めて最も広義に解釈すべきものである。
本発明のpH蛍光プローブの使用方法は特に限定されず、従来公知のpH蛍光プローブと同様に用いることが可能である。通常は、生理食塩水や緩衝液などの水性媒体、又はエタノール、アセトン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの水混合性の有機溶媒と水性媒体との混合物などに上記一般式(I)で表される化合物を溶解し、細胞や組織などの被検対象物を含む適切な緩衝液中にこの溶液を添加して、適宜選択された生体組織の透過性に優れた650〜950 nm付近の近赤外領域の異なる二波長により励起して、それぞれの蛍光強度を測定すればよい。
例えば上記化合物2の場合、pH 4の水溶液中670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の相対値は2弱であるが、pHの上昇に伴い670 nmで励起した時の780 nmの蛍光強度に対する750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度の相対値が減少し、pH10では約0.6となる。このように670 nmと750 nmで励起したときの780 nmの蛍光強度比を測定することにより、pHを算出することができる。なお、本発明のpH蛍光プローブを適切な添加物と組み合わせて組成物の形態で用いてもよい。例えば、緩衝剤、溶解補助剤などの添加物と適宜組み合わせることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。以下の実施例中、化合物番号は上記の好ましい化合物の番号に対応させてある。
例1:化合物1の合成
(A)化合物6の合成
無水ピペラジン(2.2 g, 26 mmol)をジクロロメタン(20 mL)に溶解した。氷冷下、この溶液にベンジルブロミド(3.4 g, 13 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液を滴下した。滴下終了後、室温で6時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物6(850 mg)を得た。
(B)化合物1の合成
IR786(CAS NO. 115970-66-6, 60 mg, 0.1 mmol)を脱水ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解した。この溶液に化合物6(70 mg, 0.4 mmol)を添加し、アルゴン雰囲気下室温で5時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、NHシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに付した。得られた化合物をヘキサンで洗浄し、化合物1(62 mg)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3 ) δ 1.62 ( s, 12H), 1.78-1.87 (m, 2H), 2.42 (br, 4H), 2.48 (t, 4H, J = 6.42 Hz), 3.49 (s, 6H), 3.74 (s, 2H), 3.78 (br, 4H), 5.76 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 7.00 (d, 2H, J = 7.86 Hz), 7.12 (t, 2H, J = 7.53 Hz), 7.28-7.40 (m, 7H), 7.59 (d, 2H, J = 13.4 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 21.6, 24.9, 28.8, 30.8, 47.8, 54.1, 55.0, 62.9, 96.0, 109.1, 121.8, 123.4, 124.4, 127.5, 128.4, 128.5, 129.4, 136.6, 139.9, 141.1, 143.2, 169.1, 173.7
HRMS (ESI+):calcd 623.4139, found 623.4113(M+)
例2:化合物2ないし5の合成
化合物2ないし5を上記例1と同様にして合成した。
化合物2
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.54 (s, 12H), 1.69-1.78 (m, 2H), 2.12 (s, 6H), 2.42 (t, 4H, J = 6.60 Hz), 2.64 (t, 2H, J = 6.10 Hz), 3.35 (s, 3H), 3.37 (s, 6H), 3.80 (t, 2H, J = 6.10 Hz), 5.77 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 6.98-7.03 (m, 4H), 7.19-7.31 (m, 4H), 7.62 (d, 2H, J = 13.4 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ21.8, 24.1, 28.6, 28.9, 30.5, 44.4, 45.0, 47.7, 57.3, 95.1, 108.8, 121.8, 123.0, 123.2, 128.2, 139.9, 142.1, 143.3, 169.0, 176.1
HRMS (ESI+) calcd 549.3957, found 549.3967(M+)
化合物3
1H-NMR (300 MHz, CDCl3 ) δ 1.04 (t, 6H, J = 7.06 Hz), 1.67 (s, 12H), 1.83-1.87 (m, 2H), 2.48 (t, 4H, J = 6.24 Hz), 2.58 (q, 4H, J = 7.06 Hz), 2.89 (br, 2H), 3.48 (s, 6H), 3.53 (s, 3H), 3.91 (t, 2H, J = 6.10 Hz), 5.73 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 6.98 (d, 2H, J = 7.89 Hz), 7.10 (t, 2H, J = 7.43 Hz), 7.29-7.34 (m, 4H), 7.58 (d, 2H, J = 13.4 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ10.9, 21.7, 24.2, 29.1, 30.5, 44.8, 46.6, 47.7, 50.9, 55.2, 95.2, 108.8, 121.8, 123.0, 128.3, 139.9, 141.7, 143.3, 168.8, 175.8
HRMS (ESI+) calcd 577.4270, found 577.4278(M+)
化合物4
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 1.59 (s, 12H), 1.72-1.76 (m, 2H,), 2.38 (s, 3H), 2.44 (t, 4H, J = 6.42 Hz), 2.66 (br, 4H), 3.42 (s, 6H), 3.67 (t, 4H, J = 4.77 Hz), 5.85 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 7.04-7.08 (m, 4H), 7.23-7.35 (m, 4H), 7.69 (d, 2H, J = 13.4 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ 21.6, 24.9, 28.8, 30.8, 46.1, 47.9, 54.9, 56.5, 96.2, 109.2, 121.8, 123.4, 124.4, 128.4, 139.9, 141.2, 143.2, 169.3, 173.6
HRMS (ESI+) calcd 547.3800, found 547.3815(M+)
化合物5
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.62 (s, 12H), 1.82-1.90 (m, 2H,), 2.53 (t, 4H, J = 6.51 Hz), 3.47 (t, 4H, J = 4.60 Hz), 3.53 (s, 6H), 3.89 (t, 4H), 5.76 (d, 2H, J = 13.4 Hz), 6.96-7.39 (m, 13 H), 7.73 (d, 2H, J = 13.4 Hz)
13C-NMR (75 MHz, CDCl3) δ21.6, 25.0, 28.7, 30.9, 48.0, 51.2, 54.7, 96.8, 109.3, 116.6, 120.8, 121.8, 123.6, 125.1, 128.4, 140.0, 141.4, 143.2, 150.6, 169.7, 172.7
HRMS ( ESI+) calcd 609.3994, found 609.3957(M+)
例3:種々のpH環境における化合物1ないし5の光学特性
化合物1ないし5の吸収スペクトル及び励起スペクトルを様々のpHを有するリン酸緩衝液中で測定した結果、並びにその時の750 nm又は725 nmの吸光度と670 nmの吸光度との比、及び750 nm又は760 nmの励起光で励起したときの780 nmの蛍光強度と670 nmの励起光で励起したときの780 nmの蛍光強度との比を図1ないし5に示す。いずれの化合物もpHの低下に伴い吸収スペクトル及び励起スペクトルの極大ピークが長波長シフトすることがわかる。また、様々なpHのリン酸緩衝液中で測定した時の750 nm又は725 nmの吸光度と670 nmの吸光度との比、及び750 nm又は760 nmの励起光で励起したときの780 nmの蛍光強度と670 nmの励起光で励起したときの780 nmの蛍光強度との比からは、それぞれの化合物の異なる2波長における吸光度比及び異なる二波長で励起した際の蛍光強度比がpHに依存して変化し、いずれの化合物もpHプローブとして有用であることがわかる。
例4:化合物のpKaの構造による制御
化合物1ないし5のpKaは表1に示すとおりである。本発明に記載されたpHプローブを用いて、その化合物のpKaの前後におけるpHの変化を蛍光レシオ法又は吸光レシオ法を用いて検出することができる。化合物1ないし5はそれぞれ異なるpKaを有しているため、検出に適するpH範囲が異なるが、それに応じて検出したいpH範囲に最適なpHプローブを選択して用いることができる。同様にして、一般式(I)におけるR3、R4、及び/又はR5、あるいは一般式(IA)におけるR13、R14、及び/又はR15を適宜選択することにより、所望のpKaを有し、所望のpH範囲の測定に最適なpHプローブを設計して提供することができる。
Figure 0005284110

Claims (5)

  1. 下記の一般式(IA):
    Figure 0005284110
    [式中、R11及びR12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示し;R13、R14、及びR15はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示すか、あるいはR13とR14とが結合してエチレン基を示すが、ただしR13は水素原子であることはなく、R13、R14、又はR15は2-ピリジルメチル基、2-ピリジルエチル基、2-メチル-6-ピリジルメチル基、又は2-メチル-6-ピリジルエチル基であることはなく;Y11及びY12はそれぞれ独立に-C(R 16 )(R 17 )-(式中、R 16 及びR 17 それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいC1-6アルキル基を示す)を示し;Z11及びZ12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゾ縮合環を形成するために必要な非金属原子群を表し;M'-は電荷の中和に必要な個数の対イオンを示す]で表される化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物を含むpH蛍光プローブ。
  3. レシオ法による測定に用いる請求項2に記載のpH蛍光プローブ。
  4. 細胞又は組織のpH測定に用いる請求項3に記載のpH蛍光プローブ。
  5. 被検対象物のpHの測定方法であって、下記の工程:
    (a)請求項1に記載の一般式(IA)で表される化合物と被検対象物とを接触させる工程、及び
    (b)上記工程(a)の接触の後に一般式(IA)で表される化合物の蛍光強度を測定する工程
    を含む方法。
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