JP5287140B2 - 光学シート、及び映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置に関し、詳しくは、映像を観察する角度の違いによる色彩の変化を抑制することができる光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクション、有機EL、FED等のような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源、及び該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートが備えられている。
このような光学シートとして例えば特許文献1等が開示されている。特許文献1に記載の光学シートは、映像光を透過させる部位と、該映像光を透過させる部位間に配置された三角形の構造体を有している。そして、映像光を透過させる部位と三角形の構造体との界面で映像光を反射させて光を分散させるものである。これによれば映像光を広い角度に分散させることができる。
特表2003−504691号公報
しかしながら特許文献1に記載の光学シートをはじめ、従来における光学シートを映像表示装置に用いて該映像表示装置を作動させたときに、映像を観察する角度によって色彩が異なって見えることがあった。このような映像における色彩の変化はより高い質の映像光を提供するためには改善する必要があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、映像を観察する角度によっても色彩の変化を生じ難い光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
発明者らは鋭意検討の結果、映像を観察する角度によって色彩に変化を生じるのは、光が屈折するときに生じる光の波長分散が原因の1つであるとの知見を得た。そこで発明者らは当該知見に基づいて以下の発明を完成させた。
請求項1に記載の発明は、複数の層を有する光学シート(10、20、30、40)であって、複数の層のうち少なくとも1層が、光を透過可能にシート面に沿って並列されるプリズム部(13、33、43)と、プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部(14、34a、34b、44a、44b)と、を有する光学機能シート層(12、22、32、42)であり、プリズム部は屈折率Nからなる材料により形成され、光吸収部には屈折率Nより小さい屈折率Nからなる材料が充填され、該屈折率Nからなる材料は380nm〜500nmの範囲の波長の光を、600nm〜780nmの範囲の波長の光より6%以上多く吸収することを特徴とする光学シートを提供することにより前記課題を解決する。
ここでプリズム部が「シート面に沿って並列され、」とは、当該プリズム部がシート面の一方向に沿って並列されることに限定されず、シートの面に沿って所定の法則性を有して並べられるように配置されていれば良い概念である。従って、例えばシート面に沿って斜めに並べられてもよいし、千鳥状に並べられてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10、20、30、40)において、屈折率Nからなる材料の透過色度がx≧0.315、又はy≧0.332であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光学シート(10、20、30、40)において、光吸収部に充填される材料は、紫外線硬化樹脂に黄色の着色剤が混入されることにより形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シート(10、20、30、40)において、光吸収部(14、34a、34b、44a、44b)には、屈折率Nからなる材料に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子が分散されていることを特徴とする。
ここで「平均粒径が1μm以上」であることにおける「平均粒径が1μm」とは、重量分布法による粒度測定で、粒径が0.5μm以上で、1.5μmより小さい粒子を対象とし、粒度分布において標準偏差が0.3以上であることを意味する。以下同様である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シート(10、20、30、40)において、プリズム部(13、33、43)の断面形状が台形であり、光吸収部(14、34a、34b、44a、44b)の断面形状が三角形であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート(20)において光学機能シート層のプリズム部及び光吸収部が所定の断面を維持して長手方向に延在して形成され、光学機能シート層が2層(12、22)積層されるとともに、該2層の光学機能シート層のうちの一方の光学機能シート層の光吸収部の長手方向と、2層の光学機能シート層のうちの他方の光学機能シート層の光吸収部の長手方向とが所定の角度を有するように積層されることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の光学シート(20)において、所定の角度が90度であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート(30、40)において、光学機能シート層(32、42)の光吸収部(34a、34b、44a、44b)が所定の角度で交わる格子状に形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の光学シート(30)において、所定の角度が90度であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学シート(10、20、30、40)において、複数の層が、光学機能シート層(12、22、32、42)に加え、該光学機能シート層のベースとなる層である基材層(11)、粘着剤層(17)、アンチグレアフィルム層(19)、及びTACフィルム層(18)の少なくとも1層を含むことを特徴とする。
ここで「アンチグレア」は「防眩」を意味する。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学シート(10、20、30、40)を具備することを特徴とする映像表示装置を提供することにより前記課題を解決する。
本発明の光学シート、及び該光学シートを用いた映像表示装置により、映像を観察する角度による色彩の変化を抑制することができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は実施形態に限定されるものではない。
図1は、第一実施形態に係る光学シート10の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。光学シート10は、PETフィルム層11、光学機能シート層12、粘着剤層17、TACフィルム層18、及びアンチグレアフィルム層(AG層)19を備えている。上記各層は図1で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。以下に各層について説明する。以下に示す図では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略することがある。
PETフィルム層11は、該PETフィルム層11の一方の面上に光学機能シート層12を形成するためのベースとなる基材層としてのフィルム層で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分として形成されている。当該PETフィルム層11はPETを主成分として含有していれば良く、他の樹脂が含まれてもよい。ここで主成分とはPETフィルム層全体に対して50質量%以上を意味する。また、各種添加剤を添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ここでは基材層としてPETフィルム層を説明したが、必ずしもPETを材料とすることはなく、その他にもポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、又はポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」を用いることができる。本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする樹脂が好ましい材料であるとして説明した。
光学機能シート層12は、シートの厚さ方向断面において略台形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に配置された光吸収部14、14、…とを備えている。図2に2つの光吸収部14、14及びこれに隣接するプリズム部13、13、13に着目した拡大図を示した。図1、図2を参照しつつ光学機能シート層12について説明する。
プリズム部13、13、…は、PETフィルム層11側が下底、他方の側が上底となるように配置された略台形断面を有する要素である。また、プリズム部13、13、…は、屈折率がNである光透過性樹脂で構成されている。これは通常、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばエポキシアクリレート等により形成されている。Nの大きさは特に限定されることはないが、適用材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。当該プリズム部13、13、…内を映像光が透過することにより観察者に映像光が提供される。
光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の間に配置される部位である。光吸収部14、14、…の断面形状はプリズム部13、13、…の上底側を底辺とし、これに対向する頂点がプリズム部13、13、…の下底側となるような略三角形形状である。該光吸収部14、14、…は、屈折率がNである物質が充填されたバインダー部15、15、…と、該バインダー部15、15、…に混入された光吸収粒子16、16、…とを備えている。当該光吸収部14、14、…に外光が入射して吸収されることにより、外光が映像光に及ぼす影響を減じることができ、コントラストを向上させることができる。
バインダー部15、15、…に充填されるバインダー材は、プリズム部13、13、…の屈折率Nよりも小さい屈折率Nである材料により構成される。Nの大きさは特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。そして該バインダー材として用いられるものも特に限定されることはないが、例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するウレタンアクリレート等を挙げることができる。
ここで、プリズム部13、13、…の屈折率Nとバインダー部15、15、…の屈折率Nとの差は、N−Nが0より大きく、0.10以下であることが好ましい。これによりプリズム部13、13、…と光吸収部14、14、…との界面で適切に全反射がおこなわれるとともに、迷光や外光を光吸収部14、14、…に入射させて吸収させることができる。
さらにバインダー部15、15、…は、600nm〜780nmの範囲の波長の光の平均透過率が、380nm〜500nmの範囲の波長の光の平均透過率より高くなるように形成されている。すなわち、バインダー部15、15、…は、長波長である赤色領域の光(R)をよく透過し、短波長である青色領域の光(B)を透過し難く形成されている。図3にこれを説明するための概念的なグラフを示した。図3には、横軸に波長及びこれに対応するRGBの領域を示し、縦軸には透過率を表した。図3に実線で示したように、本実施形態で用いられるバインダー部15、15、…は、波長が長くなるにともなってその透過率も大きくなるように形成されている。一方、従来のバインダー部では、図3に点線で示したように、可視光領域においてその透過率が概ね一定である。
このように、本実施形態のバインダー部ではR領域における透過率の平均値よりもB領域における透過率の平均値の方が小さくなるように形成される。これにより、映像の観察角度の違いによる色彩の変化を抑えることが可能となる。詳しくは後で説明する。図3ではその特性の一例を示したが、これに限定されることはなく、例えば図3に一点鎖線で示したように、ステップ状の特性を有するものであってもよい。
さらに具体的には、バインダー部15、15、…の透過色度がx≧0.315、又はy≧0.332であることが好ましい。これはD65光源を用いた場合に、従来から用いられる透明樹脂やPETが有する透過色度に対して黄色側となるような値である。
ここで透過色度x、yの算出は、公知の手法を用いることができ、例えばR、G、B測定値からXYZ刺激値を算出することにより得ることが可能である。例えば次のように求めることができる。分光光度計(UV−2400PC 島津製作所)にて、分光透過率T(λ)を測定する。D65光源の相対分光分布S(λ)と測定対象の分光透過率T(λ)の積が、観察者の目に入射する光の分光分布S’(λ)となる。公知の2度視野の等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を用いて三刺激値X、Y、Zは、次式(1)により求められる。
Figure 0005287140
ここでKは三刺激値のYの値が全波長の積分透過率となるように定められた比例係数である。当該式1より求めた三刺激値X、Y、Zを用いることにより透過色度x、yは次式(2)により算出することができる。
Figure 0005287140
ここで、図1にP/Qで表される開口率は、0.33〜0.50であることが好ましい。開口率が0.50を超えると光吸収部の割合が少なくなり、本来の視野拡大効果が減ってしまう。一方、開口率が小さすぎると映像が暗くなってしまうので、正面の明るさと、左の全反射の大きさと、右の全反射の大きさとの比が1:1:1となるような開口率0.33以上が好ましい。
バインダー部15、15、…を上記のように形成する手段は特に限定されるものではないが、バインダーの中に着色剤を添加することを挙げることができる。その中でも黄色の着色剤を含有させることが好ましい。これは次のような理由による。例えばプリズム部において、波長589nmの屈折率が1.579、及びアッベ数が31であり、光吸収部において、波長589nmの屈折率が1.492、及びアッベ数が70であるときを例に挙げる。これによれば、波長486nmの屈折率はプリズム部で1.591、光吸収部で1.496となり、このときに全反射臨界角は70.1度である。また、波長656nmの屈折率はプリズム部で1.572、光吸収部で1.489となり、このときの全反射臨界角は71.2度である。従って、全反射する映像光では、(90.0度−70.1度)/(90.0度−71.2度)=1.06となり、青系の波長の方が約6%全反射する量が多いことになる。従って、光吸収部において少なくとも当該6%以上を吸収させる観点から、光吸収部のバインダー部において黄色の着色剤を用いることができる。また、さらに多くの割合で青系の波長を吸収させることが必要である場合には、これに限らず適した着色剤を用いることが可能である。
光吸収粒子16、16、…は、入手性及び製造上の観点から平均粒径が1μm以上の粒子が好ましく、これはカーボン等の粒子又は赤、青、黄、黒等の染料にて所定の濃度に着色されている。これには例えば市販の着色樹脂粒子を使用することもできる。当該光吸収粒子16、16、…の屈折率は特に限定されるものではない。
平均粒径がこれよりも小さいと、プリズム部と光吸収部との界面に多くの光吸収粒子が密集され、全反射されるべき映像光の一部が吸収されやすくなる虞がある。一方、平均粒径を1μm以上とすることにより、当該界面に光吸収粒子が配置される量を抑えることができ、適切な全反射を確保することが可能となる。
ここで、光吸収部14、14、…の光吸収性能は目的によって適宜調整可能であるが、該光吸収部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることが好ましい。透過率が40〜70%とするための手段は特に限定されるものではないが、例えば光吸収粒子の含有量や光吸収性能を調整して適用することを挙げることができる。
さらに、光吸収部14、14、…の斜辺(シート厚さ方向に延在する2つの辺)のシート面法線に対する角度θは目的に応じて変更可能であり、特に限定されるものではないが、本実施形態の光学シート10では、適切に外光及び映像光の反射、吸収をする観点から、6度〜15度であることが好ましい。
光学機能シート層12は、図1、図2に示したように、プリズム部13、13、…が略台形断面を有し、これらに挟まれて形成される光吸収部14、14、…は三角形断面を有している。しかし、適切に光を制御することができれば、これら形状は特に限定されることなく適宜適切な形状が採用される。これには例えば光吸収部が三角形断面ではなく、台形断面であってもよい。また、プリズム部と光吸収部との界面を形成する斜辺が折れ線状や曲線状であってもよい。
粘着剤層17は、光学機能シート層12をTACフィルム層18に接着するために粘着剤が配置された層である。粘着剤層17に用いられる粘着剤は光を透過させるとともに、光学機能シート層12を他に接着させることができればその材質は特に限定されるものではない。これには、例えばPSA(感圧接着剤、pressure sensitive adhesive)を挙げることができる。その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
TACフィルム層18は、トリアセチルセルロースにより形成されるフィルムであり、保護膜として用いられる。TACフィルム層18に用いられるTACフィルムは通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるTACフィルムを適用することが可能である。
AG層19は、観察者が画面を見た時のぎらつきを防止することができるフィルム(防眩フィルム)である。当該防眩フィルムは通常に入手できるAGフィルムを適用することが可能である。本実施形態ではここをAG層としたが、AG層の替わりにAR層が配置されていてもよい。AR層は「アンチリフレクション層」を意味し、反射を防止することができる層である。
以上、本実施形態の光学シート10について説明したが、当該光学シート10には上記の他、必要に応じて各機能を有するフィルムが積層されてもよい。これには例えば光拡散粒子を含有したフィルム等を挙げることができる。当該フィルムにより、映像光をさらに拡散させ、角度による色彩の変化を抑制することが可能となる。
次に、光学シート10を備える映像表示装置について説明する。図4に映像表示装置のうち、これに備えられる映像源ユニット1の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図4では紙面右が観察者側である。本実施形態の映像表示装置は液晶表示装置であり、映像源ユニット1は液晶ディスプレイパネルユニットである。光学シート10は当該映像源ユニット1の一部を形成している。
映像源ユニット1は、バックライト2、偏光板3、液晶パネル4、偏光板5、粘着剤層6、及び光学シート10を備えている。これら各層は図4で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。ここで光学シート10は、粘着層6の観察者側に積層されている。以下に各層について説明する。また、映像表示装置には、映像源ユニット10を作動させるための電気回路、電源回路も備えられている。
バックライト2は、液晶パネル4の光源である。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるバックライトを用いることができる。これには例えば、発光源を面内に略均等に配置して面状の光源とする形式や、縁(エッジ)に発光源を配置して反射面等を利用して最終的に面状に光を出射するエッジ入力型とする形式等を挙げることができる。
偏光板3、5は、液晶パネル4を挟むように配置される一対の光学要素であり、吸収軸方向に平行な振動面を有する偏光光を吸収する一方、吸収軸方向に直交する振動面を有する偏光光を透過する機能を有する。当該偏光板3、5と液晶パネル4を透過したバックライト2の光が映像光となり観察者側に出射される。
液晶パネル4は、映像源ユニット1における映像源を構成する要素の1つであり、ここに出射されるべき映像情報が表されている。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられる液晶パネルを用いることができる。従って、映像源ユニット1では、バックライト2、偏光板3、5、及び液晶パネル4により映像源が形成される。
粘着剤層6は、光学シート10を映像源に接着するために接着剤が配置された層である。粘着剤層6に用いられる粘着剤は、光学シート10で説明した粘着層17の粘着剤と同じものを用いることができ、光を透過させるとともに、適切な接着をすることができればその材質は特に限定されるものではない。これには、例えばPSA(感圧接着剤、pressure sensitive adhesive)を挙げることができる。その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
以上のような映像源ユニット1を備える映像表示装置は例えば次のように作動する。図5には光路例を示した。映像表示装置を作動させると、図5に示したように映像光L1は、プリズム部13を透過して観察者側に出射される。
また、映像光L2は、プリズム部13と光吸収部14との界面で全反射されて観察者側に出射される。このとき光吸収部14の斜辺は上記したように傾斜しているので、当該斜辺による反射の前後で光の角度が変わり、視野角が広がる方向への映像光の出射が可能となる。これにより広い視野角を得ることができる。映像光L2についてさらに詳しく説明する。
映像光L2は、その進行順に映像光L21、L22、L23(L24)を有するとしたとき、映像光L21はプリズム部13に入射し、プリズム部13と光吸収部14との界面で全反射する条件を満たして当該界面である図5にAで示した部位に達する。部位Aに達した映像光L21は、当該部位Aで全反射して映像光L22となる。ここで映像光L22は、エバネッセント光を含むものとなる。エバネッセント光とは、エバネッセント場から反射(放出)される光である。屈折率の異なる界面で光が全反射する際に、当該光の一部が界面より内側に浸透する。この浸透した部分がエバネッセント場であり、当該エバネッセント場から反射(放出)した光がエバネッセント光である。
本実施形態においても、プリズム部13と光吸収部14(バインダー部15)との屈折率差のある界面で映像光L21は全反射している。従って、ここでエバネッセント場が生じ、反射光である映像光L22にはエバネッセント光が含まれている。このとき、上記したように、本実施形態のバインダーは青色領域の光をより多く吸収する性質を備えている。これにより、部位Aに達した映像光L21の一部はバインダー部15に浸透し、ここで青色領域の光が吸収される。そして映像光L21の反射光である映像光L22はエバネッセント光を含み、該エバネッセント光については青色領域の光が減衰されている。従って、映像光L22は全体として映像光L21に比べて青色領域の光が減衰されたものとなる。
このように青色領域の光が減衰された映像光L22は、プリズム部13の出光側面の部位であるBに達する。部位Bに達した映像光L22は観察者側に出光する際に、ここに隣接する層との屈折率の違いに基づいてスネルの法則に従って屈折して進行する。当該屈折の程度は隣接する2つの物質の屈折率差と、当該界面を通過する光の波長によって異なる。一般に波長の短い光ほど大きく屈折し、波長の長い光ほど屈折は小さいので、ここで波長に基づいた分散が生じる(波長分散)。従って、本実施形態においても部位Bを通過した映像光L22も波長分散により、波長の短い青色領域の光が大きく屈折し(映像光L24)、波長の長い赤色領域の光の屈折は小さい(映像光L23)。
しかしながら、本実施形態においては上記したように映像光L22は既に青色領域の光は減衰されている。従って、波長分散があっても映像光L24は他の波長に比べて弱いものとなっている。これにより、映像を観察する角度、特に画面の法線に対して大きい角度における青味を帯びるような色彩の変化を抑制することが可能となる。
一方、従来のように、光吸収部に相当する部分で特に波長によることなく全反射させて光を拡散させる場合には、このように青色領域の成分を吸収させることはできず、画面の法線に対して大きい角度における青味を帯びるような色彩の変化を防止することはできない。
映像光L3は、プリズム部13と光吸収部14との界面で反射されることなく光吸収部14に進行し、さらに反対側の斜辺も透過した後に観察者側に出射される。映像光L3についてさらに詳しく説明する。
映像光L3は、その進行順に映像光L31、L32、L33、L34(L35)を有するとしたとき、映像光L31はプリズム部13に入射し、プリズム部13と光吸収部14との界面を透過する条件を満たして当該界面である図5にCで示した部位に達する。部位Cに達した映像光L31は、光吸収部14のバインダー部15内を映像光L32として進行し、光吸収部14の反対側の斜辺の部位Dに達する。このときバインダー部15の上記した性質により、映像光32においてその青色領域の成分が減衰される。
このように青色領域の光が減衰されて部位Dからプリズム部13に進行する映像光L33は、プリズム部13の出光側面の部位であるEに達する。部位Eに達した映像光L33は観察者側に出光する際に、ここに隣接する層との屈折率の違いに基づいてスネルの法則に従って屈折して進行する。当該屈折の程度は隣接する2つの物質の屈折率差と、当該界面を通過する光の波長によって異なる。一般に波長の短い光ほど大きく屈折し、波長の長い光ほど屈折は小さいので、ここで波長に基づいた分散が生じる(波長分散)。従って、本実施形態においても部位Eを通過した映像光L33も波長分散により、波長の短い青色領域の光が大きく屈折し(映像光L35)、波長の長い赤色領域の光の屈折は小さい(映像光L34)。
しかしながら、本実施形態においては上記したように映像光L33は既に青色領域の光は減衰されている。従って、波長分散があっても映像光L35は他の波長に比べて弱いものとなっている。これにより、映像を観察する角度、特に画面の法線に対して大きい角度における青味を帯びるような色彩の変化を抑制することが可能となる。
以上のように、光学シート10、及び該光学シート10を備える映像表示装置によれば、映像を観察する角度による色彩の変化を抑えることができる。
また、外光である外光L4は、光吸収部14内に侵入して光吸収粒子16により吸収される。このように、外光の一部や迷光が光吸収粒子により吸収されるのでコントラストを向上させることが可能となる。
図6は第二実施形態にかかる光学シート20の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。光学シート20は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と粘着剤層17との間に、もう1つの光学機能シート層22が積層されている。光学機能シート層22は、光学機能シート層12と同様の構成を有しているが、該光学機能シート層22の光吸収部(図6にはプリズム部23のみが現れ、光吸収部は現れない。)が光学機能シート層12の光吸収部14、14、…と直交するような向きで配置されている。これにより光学シート20によれば、映像を観察する角度による色彩の変化を抑えつつ、さらに映像光が拡散される方向を拡張して広い範囲に光を拡散させることが可能となる。
図7は、第三実施形態に係る光学シート30のうち、光学機能シート層32の構成を模式的に示した斜視図である。図7では、分かりやすさのため斜視図の上と右にそれぞれ断面図を示している。光学機能シート層32以外の構成は上記した光学シート10の構成と共通するので、ここでは説明を省略する。また、光学シート30が映像表示装置に備えられた場合には、図7の斜視図において紙面手前が観察者側、紙面奥が光源側となる。
図7に示した光学機能シート層32では、断面が三角形である光吸収部34a、34a、…、34b、34b、…が格子状に形成され、格子により囲まれた各領域がプリズム部33、33、…となっている。ここでは光吸収部34a、34a、…、34b、34b、…断面が三角形であるとしたが、ここが台形であってもよい。この時には台形の短い上底が光源側に、台形の長い下底が観察者側になるように配置される。
光学シート30では、このように一枚の光学機能シート層32の中で光吸収部が格子状に形成されている。そして当該格子状は略直角に交わっているのが特徴である。このように形成することにより、1枚の光学機能シート層32で水平、及び垂直方向に視野角を広げることができる。従って、光学シートの厚さを薄くしつつ、あらゆる方向に視野角を広げることが可能となる。ここで、光吸収部34a、34a、…、34b、34b、…が格子状であること以外の構成は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と同じである。従って、光学シート30では、上記説明したように映像を観察する角度の違いによる色彩の変化を抑えつつ、光学シートの厚さを薄くしながらもあらゆる方向に視野角を広げることが可能となる。
図8は、第四実施形態に係る光学シート40のうち、光学機能シート層42の構成を模式的示した斜視図である。図8では、分かりやすさのため斜視図の右に断面図を示している。光学機能シート層42以外の構成は上記した光学シート10の構成と共通するので、ここでは説明を省略する。また、光学シート40が映像表示装置に配置されたときには、図8の斜視図において紙面手前が観察者側、紙面奥が光源側となる。
図8に示した光学機能シート層42では、断面が三角形である光吸収部44a、44a、…、44b、44b、…が角度αを有して格子状に形成され、格子により囲まれた各領域がプリズム部43、43、…となっている。ここでは光吸収部44a、44a、…、44b、44b、…断面が三角形であるとしたが、ここが台形であってもよい。この時には台形の短い上底が光源側に、台形の長い下底が観察者側になるように配置される。
光学シート40では、このように一枚の光学機能シート層42の中で光吸収部が格子状に形成されている。そして当該格子状は角度αを有して交わっているのが特徴である。このように形成することにより、当該αに対応する所定の角度への視野角特性を向上させることができる。ここで、光吸収部44a、44a、…、44b、44b、…が格子状であること以外の構成は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と同じである。従って、光学シート40でも、上記説明したように映像を観察する角度の違いによる色彩の変化を抑えつつ、光学シートの厚さを薄くしながらも所定の方向に視野角特性を向上させることが可能となる。
以上、現時点において最も実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート、及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
第一実施形態に係る光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 図1に示した光学シートのうち光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。 バインダー部の特性を説明するための図である。 図1に示した光学シートを備える映像表示装置のうち映像源ユニットの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 光路を説明するための図である 第二実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 第三実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 第四実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。
符号の説明
1 映像源ユニット
2 バックライト(映像源)
3 偏光板
4 液晶パネル(映像源)
5 偏光板
6 粘着剤層
10 光学シート
11 PETフィルム層(基材層)
12 光学機能シート層
13 プリズム部
14 光吸収部
15 バインダー部
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
18 TACフィルム層
19 AG層

Claims (11)

  1. 複数の層を有する光学シートであって、
    前記複数の層のうち少なくとも1層が、光を透過可能にシート面に沿って並列されるプリズム部と、前記プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部と、を有する光学機能シート層であり、
    前記プリズム部は屈折率Nからなる材料により形成され、
    前記光吸収部には前記屈折率Nより小さい屈折率Nからなる材料が充填され、該屈折率Nからなる材料は380nm〜500nmの範囲の波長の光を、600nm〜780nmの範囲の波長の光より6%以上多く吸収することを特徴とする光学シート。
  2. 前記屈折率Nからなる材料の透過色度がx≧0.315、又はy≧0.332であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記光吸収部に充填される材料は、紫外線硬化樹脂に黄色の着色剤が混入されることにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学シート。
  4. 前記光吸収部には、前記屈折率Nからなる材料に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子が分散されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シート。
  5. 前記プリズム部の断面形状が台形であり、前記光吸収部の断面形状が三角形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シート。
  6. 前記光学機能シート層の前記プリズム部及び前記光吸収部が所定の断面を維持して長手方向に延在して形成され、前記光学機能シート層が2層積層されるとともに、該2層の光学機能シート層のうちの一方の光学機能シート層の光吸収部の長手方向と、前記2層の光学機能シート層のうちの他方の光学機能シート層の光吸収部の長手方向とが所定の角度を有するように積層されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート。
  7. 前記所定の角度が90度であることを特徴とする請求項6に記載の光学シート。
  8. 前記光学機能シート層の前記光吸収部が所定の角度で交わる格子状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート。
  9. 前記所定の角度が90度であることを特徴とする請求項8に記載の光学シート。
  10. 前記複数の層が、前記光学機能シート層に加え、該光学機能シート層のベースとなる層である基材層、粘着剤層、アンチグレアフィルム層、及びTACフィルム層の少なくとも1層を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学シートを具備することを特徴とする映像表示装置。
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