JP5287541B2 - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
薄型テレビや、携帯電話に用いられるフラットパネルディスプレイには、薄型かつ軽量であることが求められている。また、昨今、新たな用途開拓に向けて柔軟性を持たせたフラットパネルディスプレイが提案されている。
例えば、特許文献1には、100μm以下にまで薄型化した2枚のガラス基板間に有機EL(Electro Luminescence)層を挟持した有機EL表示装置が提案されている。また、当該文献では、薄型化に伴う強度不足を補うために、表裏のガラス基板の外側にそれぞれ樹脂製の補強層を設けることも記載されている。
また、特許文献2には、図11に示すように、一対の薄型ガラス基板からなる液晶パネル90を表面および裏面から2枚の透明な樹脂フィルム95a,95bで包み込んでラミネートした構造の液晶表示装置300が提案されている。また、液晶パネル90の表面には、補強層を兼ねた偏光板91が配置されており、裏面には、樹脂製の補強板92が配置されていた。つまり、液晶パネル90は、表裏面に樹脂製の補強板が貼り付けられた状態で、2枚の樹脂フィルム95a,95bによってラミネートされていた。
これらの補強板や、樹脂フィルムのラミネートによる補強構造は、圧縮応力には比較的強いものの、引張り応力に非常に弱いというガラス基板の特性を補うためのものと考察される。また、当該文献には、当該補強構造を有機ELパネルにも適用可能であるとの記載もある。
特開2005−19082号公報 特許第4131639号公報
しかしながら、樹脂製の補強板や、樹脂フィルムのラミネートによる従来の補強構造では、十分な実用強度を得ることが難しいという課題があった。換言すれば、従来の表示装置では、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを両立することが困難であるという課題があった。
これは、ガラス基板に貼付けられた樹脂製の補強板や、樹脂フィルムは、曲げ応力が加わるとガラス基板に追従して曲がってしまうからである。換言すれば、補強板や樹脂フィルムは、ガラス基板と一緒にガラス基板の限界点(限界半径)まで容易に曲がってしまうため、ガラス基板に亀裂が生じて割れてしまうことがあった。
また、従来の補強構造では、表裏面に補強板が貼り付けられた状態の液晶パネルを2枚の樹脂フィルム95a,95bによってラミネートする構成であるため、液晶パネル90が厚くなってしまうばかりでなく、ラミネートする際に、液晶パネル90の周縁部に隙間Gが生じてしまうという課題があった。
この隙間Gは、特に、当該補強構造を有機ELパネルに適用した場合に問題となる。詳しくは、有機ELパネルの周縁部に大きな隙間Gが形成されると、当該隙間Gに水分が浸入する恐れがあり、有機EL層の劣化を招くからである。
また、有機ELパネルは自発光デバイスであるため表示の際に発熱を伴うが、従来の補強構造では、放熱についてなんら考慮されていないという課題があった。換言すれば、従来の補強構造では、有機ELパネルの発熱による劣化を抑制することが困難であるという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、表示パネルの表示領域側の第1の面と、第1の面と対向する第2の面と、を覆うようにラミネートする樹脂フィルムと、を備え、少なくとも第1の面を覆う樹脂フィルム上には、補強部材が設けられており、補強部材は、表示パネルの表示領域に開口部を有するように形成されていることを特徴とする電気光学装置。
この電気光学装置によれば、補強部材が、樹脂フィルムの外面に表示パネルの表示領域に開口部を有するように設けられる構造であるため、表示パネルの表裏面に補強板が貼り付けられていた従来の表示装置よりも、表示パネルを薄くすることができる。よって、ラミネートする際に表示パネルの周縁部に発生する隙間を小さくすることができる。
さらに、補強部材は、平面的に第1方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第1炭素繊維層と、第1方向と交差する第2方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第2炭素繊維層とによる積層構造を含み、平面的に表示パネルの表示領域を囲って設けられる。
補強部材は、第1方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第1炭素繊維層と、第1方向と交差する第2方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第2炭素繊維層とによる積層構造を含んでいるため、両者によって平面的にあらゆる方向からの引っ張り強度が高まり、いずれの方向から曲げ応力が加わったとしても、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。
炭素繊維とは、PAN(ポリアクリロニトリル)やピッチ等を原料とする長繊維を、1000℃以上の高温で高純度に炭化させたもので、高引張り強度、低い熱変形率(低線膨張係数)、高熱伝導性などを有する。このような炭素繊維をエポキシ樹脂などのバインダー樹脂と複合化したCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)とすることで、従来の無機粒子やガラス繊維で複合化した樹脂製の補強板に比べて高い引張り強度を付与することができるため、50〜200μmのような極めて薄い額縁状の補強部材が貼り付けられた状態で、炭素繊維の延在方向に曲げ応力が加わったとしても、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。
従って、適用例に係る電気光学装置によれば、十分な実用強度を得ることができる。
さらに、樹脂よりも熱伝導率が優れた炭素繊維を含む補強部材は、従来の樹脂製の補強板よりも熱伝導率が高いため、表示パネルの発熱を効率良く放熱することができる。
また、第1炭素繊維層、および第2炭素繊維層は、炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグで形成され、補強部材は、第1炭素繊維層と、第2炭素繊維層とを3層以上積層、および硬化させた積層体であることが好ましい。
また、補強部材は、インバー、またはチタン、若しくはチタン合金からなることが好ましい。
また、補強部材の開口形状は、表示領域と同じ形状で設けられるとともに、補強部材は、平面的に表示パネルの端部までを覆う大きさであることが好ましい。
また、補強部材は、第1の面を覆う樹脂フィルムの上に設けられた第1の補強部材と、第2の面を覆う樹脂フィルムの上に設けられた第2の補強部材と、を備えていることが好ましい。
また、ガラス基板の厚さは、それぞれ100μm以下であることが好ましい。
また、樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料であることが好ましい。
また、補強部材の開口部には、表示領域を覆う光学フィルムが設けられており、樹脂フィルムは、表示パネルと補強部材および光学フィルムとを貼り合わせる接着剤であることが好ましい。
また、表示パネルには、一対のガラス基板のうち、いずれか一方のガラス基板の一辺が他方のガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されており、張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続され、フレキシブル基板の一端は、樹脂フィルムによって覆われるとともに、フレキシブル基板の他端は、樹脂フィルムの端部から外部に露出していることが好ましい。
また、電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることが好ましい。
上記記載の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。
実施形態1に係る表示装置の一態様を示す斜視図。 図1のf−f断面における表示装置の側断面図。 図2におけるd部の拡大図。 CFRPの積層構造を示す模式図。 表示装置の製造方法の流れを示すフローチャート図。 (a)、(b)各工程における製造態様を示す図。 実施形態2に係る表示装置の断面図。 実施形態3に係る表示装置の断面図。 電子機器としての電子書籍を示す斜視図。 変形例3に係る表示パネルの断面図。 従来の表示装置の側断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならしめてある。
(実施形態1)
「表示装置の概要」
図1は、本実施形態に係る表示装置の一態様を示す斜視図である。図2は、図1のf−f断面における表示装置の側断面図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての表示装置100の概要について説明する。
表示装置100は、薄型の有機ELパネルである表示パネル18を2枚の樹脂フィルム25a,25bによりラミネートした構造を備えたフレキシブルな有機EL表示装置である。なお、以下の説明において、当該ラミネート構造、またはラミネートした状態の表示パネル18のことをラミネート構造体25ともいう。
表示パネル18は、マトリックス状に配置された複数の画素からなる表示領域Vを備えている。また、柔軟性を確保するために表示パネル18を構成する一対の基板の厚さは、それぞれ100μm以下に設定されている。表示領域Vには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色画素が周期的に配置されており、各画素が出射する表示光によりフルカラーの画像が表示される。なお、カラー表示を行う表示パネルに限定するものではなく、モノクロ表示を行う表示パネルであっても良い。表示領域Vは、横長の長方形をなしており、図1を含む各図においては、当該横方向をX軸方向とし、横方向よりも短い縦方向をY軸方向と定義している。また、表示パネル18の厚さ方向をZ軸方向としている。また、表示領域V側の面を第1の面としての表面、その反対側の面を第2の面としての裏面という。
ここで、ラミネート構造体25の表示領域V側には、平面的に表示領域Vを囲う額縁状の補強部材28が取り付けられている。額縁状とは、表示領域Vに開口部を有するように表示パネル18を覆う構成である。さらに、補強部材28の開口部の形状は表示領域Vの輪郭に沿った形状で設けられており、補強部材28の端部は表示パネル18の端部までを覆う構成が好ましい。補強部材28は、薄板状の表示パネル18を補強するための部材であり、引っ張り強度に優れた材料から構成されている。例えば、炭素繊維を含む材料を用いるのが好ましい。また、表示領域Vを露出させる開口部(穴)の4隅には、角Rが形成されている。
このような構成により、表示装置100は、図1において点線で示したように、曲げることが可能なフレキシブル性と、曲げても表示パネル18が割れない実用強度とを兼ね備えている。
なお、図2に示すように、表示パネル18は、素子基板1と、CF(カラーフィルター)基板16とから構成されており、その一端には、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域が形成されている。張出し領域には、フレキシブル基板20が接続されている。なお、フレキシブル基板とは、フレキシブルプリント回路の略称である。また、フレキシブル基板20には、駆動用IC(Integrated Circuit)21が実装され、その端部には外部機器と接続するための複数の端子が形成されている。
「表示パネルの詳細な構成」
図3は、図2の表示パネル18におけるd部の拡大図である。
続いて、表示パネル18の詳細な構成について説明する。
表示パネル18は、素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、電気光学層としての有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12、充填材13、CF層14、CF基板16などから構成されている。また、素子基板1とCF基板16とに挟持された部位のことを機能層17という。換言すれば、素子層2からCF層14までの積層構造を機能層17という。
素子基板1は、透明な無機ガラスから構成されている。本実施形態では、好適例として、無アルカリガラスを用いている。
素子層2には、各画素をアクティブ駆動するための画素回路が形成されている。画素回路には、TFT(Thin Film Transistor)からなる画素を選択するための選択トランジスターや、有機EL層8に電流を流すための駆動トランジスター3などが含まれており、画素ごとに対応して形成されている。
素子層2の上層(Z軸(−)方向)には、例えば、アクリル樹脂などからなる絶縁層である平坦化層4が形成されている。
平坦化層4の上層には、画素ごとに区画されて、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウムなどからなる反射層であり、有機EL層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。
画素電極6は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成されており、画素ごとに素子層2の駆動トランジスター3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールにより接続されている。
隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂などから構成され、平面的に各画素を格子状に区画している。なお、素子層2における駆動トランジスター3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面的に隔壁と重なるように配置されている。
有機EL層8は、画素電極6、および隔壁7を覆って形成されている。また、図3においては一層の構成となっているが、実際は、それぞれが有機物の薄膜からなる正孔輸送層、発光層、電子注入層などから構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)などの昇華性の材料から構成されている。発光層は、赤、緑、青の3色を組み合わせて形成される白色光を放射する多層からなる有機発光材料薄膜から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)などから構成されている。
共通電極9は、MgAgなどの金属を、光を透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。さらに、抵抗を下げるため、ZnOなどの金属酸化物やTiNなどの金属窒化物層など透明導電膜を積層しても良い。
電極保護層10は、SiO2や、Si3N4、SiOxNyなどの透明、かつ、高密度で、水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。
緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂などの透明な有機緩衝層である。
ガスバリア層12は、SiO2や、Si3N4、SiOxNyなどの透明、かつ、高密度で、水分を遮断する機能を有する封止層であり、有機EL層8への水分の浸入を防止する機能を担う。
充填材13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂などからなる透明な接着層であり、ガスバリア層12とCF層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部から、有機EL層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たす。
CF基板16は、素子基板1と同様な無機ガラスから構成されており、有機EL層8側(Z軸(+)側)には、CF層14が形成されている。
CF層14には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、青色カラーフィルター14bが画素配置と同様に配置されている。詳しくは、各色のカラーフィルターは、それぞれが対応する画素電極6と重なるように配置されており、各カラーフィルター間には、ハッチングで示した遮光部が形成されている。遮光部は、平面的に隔壁7と重なるように格子状に形成されており、光学的には、ブラックマトリックスの機能を果たす。
このように構成された各画素からは、カラーフィルターの色調に対応した表示光が出射される。例えば、赤色画素の場合、有機EL層8で放射された白色光は、赤色カラーフィルター14rによって赤色光が選択されて、赤色の表示光としてCF基板16から出射される。また、緑色、青色の画素においても同様である。
これにより、表示領域Vでは、CF基板16から出射される複数のカラー画素からの表示光によりフルカラーの画像が表示されることになる。
また、反射層5を無くせば、表示領域Vの裏面においても表示を行うことができる。換言すれば、表示パネル18の表裏両面において表示を行うことができる。
なお、表示パネル18の構成は、トップエミッション型に限定するものではなく、2枚のガラス基板間に、電気光学層を挟持した構成であれば良い。例えば、有機EL層8が発する光を素子基板1側から出射するボトムエミッション型の有機EL表示装置であっても良い。また、無機ELを光源として備えた無機EL表示装置であっても良い。
また、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域には、フレキシブル基板20が接続されている。フレキシブル基板20は、例えば、ポリイミドフィルムの基材に銅箔などの配線パターンが形成され、当該パターン上に、ドライバーIC等が実装された柔軟性を有する基板であり、素子基板1に形成された透明電極との間で、異方性導電接着フィルムなどにより、電気的な接続が取られている。
ここで、異方性導電接着フィルムによる接続だけでは、機械的強度が不足しているため、従来は、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していたが、剥離し易いという問題があった。
本実施形態では、この補強構造の替わりに、樹脂フィルム25aを接着剤(充填材)として機能させることによって、十分な実用強度と柔軟性とを確保している。なお、樹脂フィルムの接着方法(ラミネート方法)については、後述する。
「ラミネート構造体、および補強部材の材質」
図2に戻る。
続いて、ラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25b、および補強部材28の材質について説明する。
表示領域Vから表示パネル18の周縁部までを含む表示パネル18全面を平面的に表裏面から覆うように、ラミネートする樹脂フィルム25a,25bには、ガラス基板および補強部材28との接着性、柔軟性、透明性(光取り出し性)、フレキシブル基板20のモールド性(絶縁性と耐熱性)、および内部への水分浸入を防ぐ耐水性などの機能が必要となる。
これらの機能を満たすため、樹脂フィルム25a,25bの材料としては、耐水性(低吸水率)や絶縁性、柔軟性、透明性、低温溶着性を有するポリエチレンをベースとした樹脂が好ましい。また、接着性を向上させるため一部極性基を持たせた共重合体であることがより好ましい。
具体的には、ポリエチレン系共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルコキシエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸アミノエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシグリシジル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸アルキル共重合のうち、いずれかを用いることが好ましい。または、これらを2つ以上組み合わせた共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などはガラスとCFRP双方の接着性に優れた共重合体である)、または混合物を用いることであっても良い。
また、耐熱性を高めるためにエポキシ化合物やイソシアネート化合物、ポリエチレンイミンなどのアミン化合物などの硬化成分を架橋剤として含んでいても良い。なお、エチレン共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などエステル化されていないカルボキシル基を有する材料を用いる場合には、低温溶着性や接着性に優れるもののフレキシブル基板20の銅配線などを腐食する可能性があるため、エポキシ系硬化剤などの架橋成分と組み合わせて熱により架橋させ、アクリル酸が残留しないようにすることが好ましい。
補強部材28には、クラックの入りやすいガラス基板端部の補強と、線膨脹係数が異なる材質の多層構造によるパネルの反り防止、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がってしまうことを抑制するための強靭性(耐引張り性)、および表示パネル18が発する熱を放熱するための放熱性などの機能が必要となる。
これらの機能を満たすためには、高ヤング率(10GPa以上)で、低線膨脹係数(10ppm/℃以下)、かつ、高熱伝導率(10W/m・k以上)の材料が好ましい。
本実施形態では好適例として、優れた引張り強度と、放熱性とを兼ね備えたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)を補強部材28の材料に用いている。CFRPは、低密度(1.5〜2.0g/cm3)、かつ、高引張り強度(1000MPa以上)であるため、薄膜化しても高強度な補強が可能であり、また、軽量であるため補強部材28の材料として好適である。
図4は、CFRPの積層構造を示す模式図である。
CFRPは、炭素繊維と樹脂による複合材料であり、1方向に並行に揃えられた炭素繊維にエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、またはポリエステルなどの熱可塑性を含浸させたプリプレグと呼ばれる前駆体(炭素繊維層)を異なる方向に2層以上積層し硬化した複合材料である。
具体的には、図4に示すように、X軸方向に延在する複数本の炭素繊維を含む前駆体を炭素繊維層h(第1炭素繊維層)、Y軸方向に延在する複数本の炭素繊維を含む前駆体を炭素繊維層i(第2炭素繊維層)としたときに、炭素繊維層hと炭素繊維層iとを交互に4層積層した後に、加圧および加熱(例えば、120〜180℃)して、板状に硬化させたCFRPを補強部材28に用いている。なお、図4において、ストライプ状に示された線分は、炭素繊維の延在方向を示している。また、構成を明確にするために各層を離して描いているが、実際は接着(密着)されて一体となった積層体となっている。
また、炭素繊維としては、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、またはピッチ(石油樹脂)系炭素繊維を用いることが好ましい。
また、本実施形態では、好適例として4層構成のCFRPを採用したが、炭素繊維の延在方向が異なる炭素繊維層を2層以上積層した積層構造を含んでいれば良い。換言すれば、各々の炭素繊維の延在方向が交差するように重ね合わせた2枚の炭素繊維層からなる積層構造を含んでいれば良い。
また、X軸方向を約0度としたときに、炭素繊維の延在方向が約0度、約90度、約90度、約0度となるような表裏対称の積層順が基本構造となるが、これに限定されるものではなく、例えば、約0度、約90度、約0度、約90度といった積層順や、約0度、約0度、約90度、約90度といった積層順であっても良い。
また、3層の場合は、0度、90度、0度という積層順や、6層の場合は0度、90度、0度、0度、90度、0度のような表裏対称構造の積層順が基本となるが、これらも上記のように限定されるものではない。
これらの構成であっても、補強部材28としての所期の機能を確保することができる。詳しくは、引張り強度については、平面的な略全方位において1000MPa以上を確保することができる。
また、放熱性については、高純度炭素からなる炭素繊維は高純度炭素であるため熱伝導が20〜60W/m・kと、ガラス(1W/m・k)や汎用プラスチック(約0.5w/m・k)に比べて高いため、十分な放熱性を得ることができる。さらに、CFRPの最表面には、大気中への放熱をより高めるため、表面に凹凸形状を設けて表面積を広げるような加工を行っても良い。
「各部の厚さについて」
図3に戻る。
ここでは、表示装置100がフレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを両立させるために必要な各部の最適な厚さについて説明する。
まず、表示パネル18の厚さについて説明する。
図3では、各構成部位の積層関係を明確にするために、特に、機能層17における縮尺を他の部位よりも拡大しているが、実際は、機能層17の部分が最も薄く構成されることになる。機能層17の厚さは、数μm〜20μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の薄膜からなる有機EL層8の厚さは1μmに満たない。なお、図3で説明した通り、表示パネル18は、フレキシブル性に耐えられる接着強度を得るため、基板間に中空構造を持たない全固体物質で充填されている。
本実施形態では、好適例として、素子基板1およびCF基板16の厚さをそれぞれ約40μmとしている。また、表示パネル18の総厚は、好適例として約90μmとしている。発明者等の実験結果によれば、有機ELパネルの信頼性を確保するためには、ガスバリア層12などの封止構造に加えて、素子基板1およびCF基板16の厚さが約10μm以上必要であることが解っている。換言すれば、素子基板1およびCF基板16の厚さを各々約10μm以上に設定することによって、フレキシブル性に耐えられるだけの衝撃強度と、十分な防湿性を確保することが可能となる。
他方、素子基板1、およびCF基板16の厚さが約100μm以上となると、柔軟性が損なわれて来ることも解っている。
このため、素子基板1、およびCF基板16の厚さは、10〜100μmの範囲内に設定することが好ましい。また、強度と柔軟性とのバランスを考慮すると、20〜80μmの範囲内とすることがより好ましい。
さらに、素子基板1とCF基板16とを重ね合せた表示パネル18の総厚は、強度と柔軟性とのバランスを考慮して、50〜120μmの範囲内に設定することが好ましい。
なお、素子基板1、およびCF基板16は、それぞれが初期段階で0.3〜0.7mm程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄くしたものである。好適には、表裏のガラス基板が厚い状態の表示パネルを製造した後、フッ酸(フッ化水素酸)を溶解したエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより、所期の厚さの表示パネル18を製造する。なお、この方法に限定するものではなく、所期の厚さの表示パネル18を形成可能な方法であれば良く、例えば、機械的研磨法を用いることであっても良い。
図2に戻る。
次に、ラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25bの厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、厚さが約50μmのEVAフィルムを樹脂フィルム25a,25bに用いている。発明者等の実験結果によれば、表示パネル18の周縁部における隙間を含む段差の被覆性(充填性)を満たすためには、約20μm以上の厚さが必要となることが解っている。
この被覆性と、表示装置100としての総厚とのバランスを考慮すると20〜100μmの範囲内であることが好ましい。また、樹脂フィルムのコストや、ラミネートのし易さ(作業性)を加味すると、40〜80μmの範囲内であることが好ましい。
次に、補強部材28の厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、4層構造で厚さが約100μmのCFRPを補強部材28に用いている。
CFRPは、約25μm以上の厚さであれば形成可能であるが、上述したような厚さに設定されたラミネート構造体25(表示パネル18を含む)に貼り付けた状態で、フレキシブル性と実用強度(強靭さ)とを確保するためには、50〜200μmの範囲内の厚さに設定する必要がある。
そして、これらの部材を積層して形成された表示装置100の総厚は、最も厚い部分で、約290μmとなる。なお、表示パネル18と補強部材28とが重なる表示パネル18の周縁部が最も厚い部分となる。
なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データなどから創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、上述した各部の推奨寸法範囲内において、用途に応じた寸法設定をすることができる。
「表示装置の製造方法」
図5は、表示装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図6(a)、(b)は、各工程における製造態様を示す図である。
ここでは、表示装置100の製造方法について、図5のフローチャートに沿って詳細に説明する。
ステップS1では、図6(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態(準備体)とし、ラミネート装置にセットする。詳しくは、樹脂フィルム25b上に、表示パネル18と、樹脂フィルム25aと、補強部材28とを、この順番で重ね合わせる。なお、図6(a)では省略しているが、各部材の重ね合わせは専用の案内板を用いて行われ、平面的な位置合わせもなされている。この工程は、好適例としては、通常環境下で行うが、後述の通常環境下で行っても良い。
そして、準備体をラミネート装置にセットする。なお、図6(a)では、ラミネート装置の加圧ローラー81,82のみを図示している。
ステップS2では、ラミネート装置および準備体が設置された環境を減圧し、減圧環境とする。なお、ラミネート装置は、内部環境を所望の気圧環境に設定可能なチャンバー装置(室)内に設置してある。この工程によって、準備体内部の空気(気泡)が除去(脱泡)される。
また、平行して、加圧ローラー81,82の加熱が行われ、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に熱せられる。
ステップS3では、図6(a)の矢印で示すように、準備体におけるフレキシブル基板20の反対側の一辺から、一対の加圧ローラー81,82の間に準備体が挿入されて、ラミネートが行われる。加圧ローラー81,82に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム25a,25bが溶解し、さらに加圧されて相互に接着される。また、溶解した樹脂フィルムは、接着剤(充填材)として機能し、表示パネル18、フレキシブル基板20、および補強部材28も接着する。
また、準備体の一辺から他端に向かってラミネートが行われるため、各部材に気泡(空気)が残っていたとしても、気泡は、ラミネート順に沿って他端側に押し出されることになる。そして、図6(b)に示すように、ラミネートされた表示装置100が加圧ローラー81,82間から押し出されてラミネートが完了する。
ステップS4では、ラミネートされた表示装置100における残留応力を取り除くためにアニーリング処理を行う。アニーリング処理は、引き続き減圧環境で行っても良いし、通常環境下で行っても良い。特に、樹脂フィルム25a,25bが架橋成分を含む場合には、約100℃でアニーリング処理し、架橋を完全なものとすることが好ましい。
なお、ラミネート装置は、一対の加圧ローラー81,82を備えたロールラミネート方式に限定するものではなく、準備体を表示装置100の完成状態にラミネート可能な装置であれば良い。例えば、1枚の板状加熱板(ホットプレート)上に準備体をセットし、変形するゴムシートを気圧差により当該準備体に押し当てて、加熱および加圧するダイアフラム方式(ダイヤフラム方式)による真空ラミネート装置を用いても良い。
図1に戻る。
このようにして、図1に示すような、フレキシブル性と実用強度(強靭さ)とを兼ね備えた表示装置100が形成される。
なお、補強部材28を表示領域V側(表面)に取り付ける構成に限定するものではなく、表示領域Vの反対側(裏面)に取り付ける構成であっても良い。換言すれば、補強部材28を樹脂フィルム25a,25bのうち、いずれか一方の外面に設ける構造であっても良い。この構成であっても、同様な補強効果を得ることができる。
上述した通り、本実施形態に係る表示装置100、および製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置100によれば、柔軟性が確保される厚さに設定されたラミネート構造体25に、CFRPからなる額縁状の補強部材28が平面的に表示領域Vを囲って設けられている。CFRPに含まれる炭素繊維の引っ張り強度は、従来の樹脂製の補強板に比べて高いため、補強部材28が貼り付けられた状態で、炭素繊維の延在方向に曲げ応力が加わったとしても、柔軟性を損なわずに、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。
さらに、補強部材28は、炭素繊維の延在方向が異なる炭素繊維層を2層以上積層した積層構造を含んでいるため、両者によって平面的にあらゆる方向からの引っ張り強度が高まり、いずれの方向から曲げ応力が加わったとしても、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。
これは、高い引っ張り強度による伸びが極めて小さく、繊維を対角に積層することにより寸法変化が非常に小さくなるという炭素繊維の特性によるものである。この特性により、補強部材28は、応力をかけてもある程度曲がったところで変形が止まり、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。また、補強部材28は、ばねのように元の形に復元させる変形拘束性と復元性の機能も有している。
さらに、炭素繊維を含むCFRPは、線膨脹係数が1ppm/℃以下と非常に低いため、100℃程度の加熱圧着により接着しても反りを発生させることはなく、ガラスの4ppm/℃と非常に近いため、パネルとしての熱衝撃にも非常に強い。
また、補強部材28の開口部(穴)の4隅には角Rが形成されているため、4隅がエッジとなっている場合に比べて、曲げ応力が加わった場合の亀裂の発生を抑制することができる。例えば、角Rは半径1mm程度に形成されている。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを兼ね備えた表示装置100を提供することができる。
さらに、表示パネルの表裏面にそれぞれ補強板(91,92)が貼り付けられていた従来の表示装置(図11)と異なり、図2に示すように、補強部材28をラミネート構造体25の表裏面のいずれかに設ける構造であるため、表示パネル18を薄くすることができる。これにより、ラミネート時における樹脂フィルムの形状追従性が良くなるため、表示パネル18の周縁部への隙間の発生を低減(防止)することができる。
特に、発明者等の実験結果によれば、表示パネル18の厚さが約90μmで、樹脂フィルム25a,25bの厚さが約50μmに設定された好適例においては、表示パネル18の周縁部に隙間の発生は認められなかった。
また、図1に示すように、表示領域V側(表面)に補強部材28を設けた場合、補強部材28は黒色であるため、当該部材により表示領域Vを区画するとともに、際立たせる見切り縁としても機能させることができる。
また、補強部材28は、樹脂よりも熱伝導率が高く、また、ラミネート構造体25の表裏面のいずれかにおいて、一面が外気に触れる状態で取り付けられているため、表示パネル18の発熱を効率良く放熱することができる。よって、表示パネル18の発熱による劣化を抑制することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)と、放熱性とを兼ね備えた表示装置100を提供することができる。
また、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していた従来の補強構成と異なり、樹脂フィルム25a,25bによるラミネートによって、当該補強構成を兼ねているため、製造効率が良い。また、当該接続部、および表示パネル18を含めて同一の樹脂によって接着(充填)されるため、柔軟性を損なわずに、十分な実用強度(強靭さ)を確保することができる。
さらに、樹脂フィルム25a,25bに用いられるポリエチレン系接着層は、絶縁性、耐水性、耐熱性に優れるため、十分な電気的信頼性を確保することができる。
また、製造方法においては、ポリエチレン系接着層は、アクリル系粘着層に見られるような室温での初期粘着性がほとんど無いため、気泡が抜けやすいだけでなく、あらかじめ積み重ねた準備体の状態での位置合わせも容易にできる。そのため、減圧雰囲気において、1回の熱ラミネートで多層構造が形成できるため製造効率が良い。また、量産性に優れている。
さらに、ポリエチレン系接着層は室温での初期粘着がほとんど無いため、異物の貼りつきが少なく、また、異物が付いても除去が容易である。また、異物があった場合でも、加熱により軟化した際に、小さな異物であれば接着層内に埋め込まれるため、一般に用いられるアクリル系粘着層よりも異物混入による不良を抑えることができる。また、ポリエチレン系樹脂は汎用樹脂であるため、部材コストを抑えることができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る表示装置の断面図であり、図2に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る表示装置110について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置110は、実施形態1の表示装置100に、光学フィルム35と、裏面の補強部材29とを追加した構成を備えている。それ以外は、実施形態1での説明と略同様である。
表示装置110は、ラミネート構造体25表面の補強部材28に加えて、同様な額縁状の補強部材29をラミネート構造体25の裏面にも備えている。補強部材29は、補強部材28と同一部材である。
また、表面の補強部材28の開口部(穴)には、表示領域Vを覆う光学フィルム35が取り付けられている。
光学フィルム35は、強度補強や、表示面の保護、表示視認性の向上などを図るために設けられている。
本実施形態では、好適例として、優れた透明性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)を光学フィルム35に用いている。また、その表面には、屈折率の異なる無機酸化物の多層構造からなる反射防止層(AR)が形成されており、表示視認性の向上を図っている。
また、光学フィルム35の材質は、PETに限定するものではなく、透明性を有する材料であれば良い。例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、COP(環状オレフィンポリマー)などを用いる。
また、光学フィルム35の表面処理についても、反射防止処理に限定するものではなく、様々な処理を施すことができる。例えば、PMMAなどのハードコート層を形成して耐摩耗性を向上させるハードコート処理や、低屈折率のフッ素樹脂からなる低反射防止層(LR)を形成する反射防止処理、表面に凹凸を設けるアンチグレア処理、帯電防止層を形成して埃付着を防ぐ帯電防止処理、皮脂が付着しにくい撥油層を形成する撥油処理などの表面処理を行うことであっても良い。
また、光学フィルム35の厚さは、好適例として、約20〜50μmとしている。これは、PETを含む一般的な透明樹脂は線膨張係数が大きく(20〜80ppm/℃)、ラミネート時の加熱により伸びてしまい、室温に戻ると収縮するためラミネート後のパネルが反ってしまう問題がある。そのため、光学フィルムを少しでも薄くすると、補強部材であるCFRPの形状保持力が勝るようになるため、室温に戻しても光学フィルムが収縮しにくくなり、パネルの反りを防ぐ効果がある。しかし、20μm以下の光学フィルムでは、ハードコート層や反射防止層などの表面コーティング加工が難しくなるため、20〜50μmを好適としている。なお、この厚さは補強部材の厚さに依存し、補強部材よりも光学フィルムを薄くする必要がある。例えば、補強部材の厚さが約200μmであれば、光学フィルムの厚さは、20〜100μmの範囲内とすることが好ましい。
また、平面的な光学フィルム35のサイズを表示領域Vよりも一回り大きくして、当該フィルムの周縁部の上に補強部材28を重ねる構成としても良い(図8参照)。この構成によれば、光学フィルム35のセット時の作業性を向上することができる。
なお、上記説明では、補強部材28、および補強部材29の厚さを共に、炭素繊維層4層構成の約100μmとして説明したが、この厚さに限定するものではない。
表示装置110は、表裏に補強部材を配置する構成であるため、各々の厚さを若干薄くしても、十分な実用強度を確保することができる。よって、例えば、補強部材28、および補強部材29の厚さを共に、炭素繊維層3層構成の約75μmとしても良い。また、この場合、ラミネート後のパネルの反りを防ぐため、光学フィルム35の厚さを20〜50μmの範囲内とすることが好ましい。
また、炭素繊維の延在方向が異なる炭素繊維層を2層以上積層した積層構造を含んでいれば、補強部材28,29の厚さを75μmよりもさらに薄くしても良い。また、補強部材28の厚さと補強部材29の厚さとを異なる厚さに設定しても良い。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置110によれば、ラミネート構造体25表面の補強部材28に加えて、同様な額縁状の補強部材29をラミネート構造体25の裏面にも備えている。
よって、いずれの方向から曲げ応力が加わったとしても、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がることを抑制することができる。特に、2枚の補強部材によって、最も亀裂が生じ易い表示パネル18の周縁部を表裏面から包み込む構成であるため、より確実に表示パネル18の割れを防止することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを兼ね備えた表示装置110を提供することができる。
さらに、表示パネル18が発する熱を表裏面の2枚の補強部材によって、効率良く放熱することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)と、放熱性とを兼ね備えた表示装置110を提供することができる。
また、表示装置110によれば、表面の補強部材28の開口部(穴)には、表示領域Vを覆う光学フィルム35が取り付けられている。
よって、表示面を保護するとともに、強靭さを向上させることができる。また、表示視認性を向上させることができる。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る表示装置の断面図であり、図7に対応している。
以下、本発明の実施形態3に係る表示装置120について説明する。なお、実施形態2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置120は、実施形態2の表示装置110と裏面の補強部材の構成のみ異なる。詳しくは、ラミネート構造体25の裏面に開口部(穴)のない平板状の補強部材30を備えている。また、平面的な光学フィルム35のサイズを表示領域Vよりも一回り大きくして、当該フィルムの周縁部の上に補強部材38を重ねる構成を採用している。それ以外は、実施形態2での説明と同様である。
表示装置120は、ラミネート構造体25表面の補強部材28に加えて、ラミネート構造体25の裏面に開口部(穴)が形成されていない平板状の補強部材30を備えている。補強部材30は、樹脂フィルム25bと略同じ平面サイズに形成された炭素繊維層4層構成のCFRPからなる厚さ約100μmのプレーン板である。
なお、補強部材28、および補強部材29の厚さを共に、炭素繊維層4層構成の約70μmとして説明したが、この厚さに限定するものではなく、実施形態2での説明と同様に、炭素繊維の延在方向が異なる炭素繊維層を2層以上積層した積層構造を含んでいれば、さらに薄くしても良い。
また、光学フィルム35のサイズを表示領域Vよりも一回り大きくして、当該フィルムの周縁部の上に補強部材28を重ねる構成としたことにより、貼り付け時の作業性を向上することができる。詳しくは、図7のように、補強部材28の開口部に薄手の光学フィルム35をはめ込むように、セットすることは熟練を要するが、上記構成によれば、位置合せが簡単になる。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態2における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置120によれば、表面の補強部材28に加えて、裏面に開口部(穴)が形成されていない平板状の補強部材30を備えている。よって、表示パネル18が発する熱を表裏面の2枚の補強部材によって、効率良く放熱することができる。特に、裏面の補強部材30は、表示領域Vを含む表示パネル18の全面を平面的に覆っているため、表示駆動時に表示領域Vから放出される熱を効率良く放熱することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)と、放熱性とを兼ね備えた表示装置120を提供することができる。
(電子機器)
図9は、上述の表示装置を搭載した電子書籍を示す斜視図であり、(a)はページを構成する表示装置の斜視図であり、(b)は電子書籍の斜視図である。
上述した表示装置100は、例えば、電子機器としての電子書籍150に搭載して用いることができる。なお、表示装置100を各実施形態、および変形例における表示装置と置き換えても良い。
図9(a)は、図1の表示装置100を表示領域Vが縦長になるように配置したものである。また、電子書籍に綴じ込むために、補強部材28のフレキシブル基板20側の両端に、綴じ込み用の穴41,42が形成されている。
図9(b)に示すように、電子書籍150は、本体50、ヒンジ部51、リング52,53、回路部54、操作部55などから構成されている。
本体50は、ファイル(バインダー)であり、開閉自在に形成された表裏の台紙部分を備えている。
ヒンジ部51は、表裏の台紙部分の接合部に配置されており、リング52,53を備えている。また、ヒンジ部51は、開閉可能に形成されており、当該開閉に同期してリング52,53も開閉する構成となっている。
ヒンジ部51を開くと、リング52,53も開くため、この状態で綴じ込み用の穴41,42にリングを通し、表示装置100を電子書籍150に綴じ込む。また、この際に、3枚のフレキシブル基板20をヒンジ部51の内部に形成されているコネクターに差し込む。なお、コネクターは回路部54と接続されている。そして、ヒンジ部51を閉じる。図9(b)は、このようにして表示装置100を電子書籍150に綴じ込んだ状態を示している。また、表示装置100は複数枚綴じ込むことができる。
また、表の台紙部分には、タッチパネルからなる操作部55が設けられており、操作部55を操作用ペン57や、指で触ることにより、所望の画像を表示装置100に表示することができる。
ヒンジ部51の内部に配置された回路部54には、リチウムイオン電池などの充電型の電源部や、表示装置100に供給する画像データを生成する画像処理部、電子書籍150による様々な表示態様を規定したプログラムやデータを記憶した記憶部、当該プログラムやデータ、または操作部55への操作内容に応じて各部を制御する制御部、外部機器と接続して画像信号などを受信するインターフェイス部などが含まれている。
例えば、操作部55で動作設定をすることにより、ページをめくって本を読むときのように、表示装置100をめくると、順次開かれている表示装置100に連続したページ画像を表示させることもできる。また、この表示モードにおいては、閉じ(重ね)られている表示装置100は、オフ状態となり消費電力を抑制している。さらに、表示パネル18(図3)の構成から反射層5を削除した表示装置100を用いれば、1ページ(表示装置100)の表裏面における表示が可能となるため、より使い勝手を向上することができる。電子書籍150の各ページには、フレキシブル性を有する表示装置100が用いられているため、本のようにページをめくりながら、画像や文章をスムーズに楽しむことができる。また、表示装置100は十分な実用強度(強靭さ)を有しているため、通常の本と同様に取り扱うことができる。
従って、通常の本と同様に取り扱うことが可能な電子書籍150を提供することができる。
また、電子機器は、電子書籍150に限定するものではなく、表示部を備えた電子機器であれば良い。例えば、携帯電話であっても良い。詳しくは、一体型の携帯電話や、折畳み式の携帯電話、またはスライド式の携帯電話であっても良い。または、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器にも用いることができる。また、屈曲性と事故時のガラス飛散防止対策を生かして、曲面の壁を有するような自動車や鉄道、飛行機などの移動体の照明機器として使用することもできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図3を用いて説明する。
上記各実施形態では、表示パネル18は、全画素共通で白色光を出射し、表示面側に白色光からRGBの各色光を選択的に透過するカラーフィルターを設けた構成であるものとして説明したが、これに限定するものではない。色画素ごとに、RGBの色光が出射可能な構成であれば良い。
例えば、有機EL層8においてRGBの色画素ごとに、RGBの各色の発光層を形成した、いわゆる3色塗り分け方式による構成の表示パネルであっても良い。
また、上記各実施形態では、表示装置100は、アクティブマトリックス型であるものとして説明したが、パッシブ(単純)マトリックス型であっても良い。
この場合、素子層2は不要となり、有機EL層8を走査電極とデータ電極とで挟持する構成となる。例えば、走査電極は素子基板1側に形成し、データ電極はCF基板16側に形成する。なお、走査電極とデータ電極とは、平面視において格子状になるように、交差する方向にそれぞれ延在して形成される。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例2)
図2を用いて説明する。
上記各実施形態では、補強部材28として、炭素繊維を含むCFRPを用いることとして説明したが、これに限定するものではない。同様の物性を有する材料であれば良い。また、実施形態2の補強部材29、実施形態3の補強部材30についても同様である。
例えば、CFRPに近い低熱変形性(低線膨張係数)を有するインバー(Ni含有率30〜50%の鉄合金)や、チタン、チタン合金などを用いて補強部材28を構成することであっても良い。
また、例えば、図8の構成において、額縁状の補強部材28には加工性の優れたインバーを使い、板状の補強部材30にはCFRPを用いるというように、これらの材料を組み合わせて用いても良い。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例3)
図10は、変形例3に係る表示パネルの断面図であり、図3に対応している。
上記各実施形態では、表示パネル18は、有機ELパネルであるものとして説明したが、これに限定するものではない。一対の基板間に、電気光学層を挟持した薄型の表示パネルであれば良い。例えば、電気光学層として、電気泳動層を備えた電気泳動パネルであっても良い。
以下、変形例3に係る表示パネル68について説明する。なお、図3と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示パネル68は、電気光学層として電気泳動層67を備えた反射型の電気泳動パネルである。
表示パネル68は、素子基板1と対向基板65との間に電気泳動層67を挟持した構成となっている。また、素子基板1から画素電極6までの積層構造は、図3の構成と同一である。
対向基板65は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板65における素子基板1側には、対向電極64が複数の画素電極6と対向して全面(ベタ状)に形成されている。対向電極64は、ITO等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動層67は、複数のマイクロカプセル70、複数のマイクロカプセル70を保持するバインダー62、および接着層61などから構成されている。なお、表示パネル68は、電気泳動層67が予め対向基板65側にバインダー62によって固定されてなる電気泳動シートと、当該シートとは別途製造され、画素電極6などが形成された素子基板1とを、接着層61により接着することによって形成されている。
マイクロカプセル70は、画素電極6、および対向電極64間に挟持され、1つの画素内に(言い換えれば、1つの画素電極6に対して)1つ又は複数配置されている。
図10の右上の拡大図に示すように、マイクロカプセル70は、被膜75の内部に分散媒71と、複数の白色粒子72と、複数の黒色粒子73とを封入した構成となっている。マイクロカプセル70は、例えば、50μm程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜75は、アクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒71は、白色粒子72及び黒色粒子73をマイクロカプセル70内(言い換えれば、被膜75内)に分散させる媒質である。
白色粒子72は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子73は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
これにより、白色粒子72および黒色粒子73は、画素電極6と対向電極64との間の電位差によって発生する電場(電位差)によって分散媒71中を移動するため、対向電極64側に集まった粒子の色調が表示されることになる。
なお、白色粒子72、黒色粒子73に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色などのカラー表示をすることもできる。
また、上述したマイクロカプセル方式に限定するものではなく、帯電性を有する電子粉流体を画素内に入れ、プラス・マイナスを切り替えることで表示の切り替え・オンオフを制御する電子粉流体方式の電気泳動パネルであっても良い。または、コレステリック液晶を用いた電気泳動パネルであっても良い。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
1…素子基板、8…電気光学層としての有機EL層、16…CF基板、18…表示パネル、20…フレキシブル基板、25a,25b…樹脂フィルム、28…第1補強部材としての補強部材、29,30…第2補強部材としての補強部材、100,110,120…電気光学装置としての表示装置、150…電子機器としての電子書籍、h…第1炭素繊維層としての炭素繊維層、i…第2炭素繊維層としての炭素繊維層、V…表示領域。

Claims (12)

  1. 一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、
    前記表示パネルの表示領域側の第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面と、を覆うようにラミネートする樹脂フィルムと、を備え、
    少なくとも前記第1の面を覆う前記樹脂フィルム上には、補強部材が設けられており、
    前記補強部材は、前記表示パネルの表示領域に開口部を有するように形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記補強部材は、平面的に第1方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第1炭素繊維層と、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数本の炭素繊維を含む第2炭素繊維層とによる積層構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1炭素繊維層、および前記第2炭素繊維層は、炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグで形成され、
    前記補強部材は、前記第1炭素繊維層と、前記第2炭素繊維層とを3層以上積層、および硬化させた積層体であることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記補強部材は、インバー、またはチタン、若しくはチタン合金からなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 前記補強部材の開口形状は、前記表示領域と同じ形状で設けられるとともに、
    前記補強部材は、平面的に前記表示パネルの端部までを覆う大きさであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記補強部材は、前記第1の面を覆う前記樹脂フィルムの上に設けられた第1の補強部材と、前記第2の面を覆う前記樹脂フィルムの上に設けられた第2の補強部材と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記ガラス基板の厚さは、それぞれ100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記補強部材の開口部には、前記表示領域を覆う光学フィルムが設けられており、
    前記樹脂フィルムは、前記表示パネルと前記補強部材および前記光学フィルムとを貼り合わせる接着剤であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記表示パネルには、前記一対のガラス基板のうち、いずれか一方の前記ガラス基板の一辺が他方のガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されており、
    前記張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続され、
    前記フレキシブル基板の一端は、前記樹脂フィルムによって覆われるとともに、前記フレキシブル基板の他端は、前記樹脂フィルムの端部から外部に露出していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えたことを特徴とする電子機器。
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