JP5288736B2 - セラミック複合体 - Google Patents

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本発明は、樹脂中にセラミック粉末、繊維、板状体を高濃度で含むセラミック複合体に関する。また、それを異形成形し高温で焼結成形した、セラミック成形体に関する。
昨今、セラミック複合体やセラミック成形体は各種の用途に使用され始めている。例えば、樹脂とセラミック材料との複合体においては、リチウムイオン2次電池(LIB)用セパレーター等の用途、耐熱性素材、電磁波絶縁材、熱伝導性フィルム等の用途に使用され始めている。また、樹脂とセラミック材料との複合体を高温で焼結成形したセラミック成形体はセラミックコンデンサー用途や、固体高分子形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の電解質膜用途、各種フィルター用途等、様様な用途への展開が期待されている。
これらの用途に広く適用されるには、平板やシート状ばかりでなく、パイプ形状やコルゲート形状等の異形成形体を低価格で経済的に提供できることが重要である。本発明では、このような平面でない形状を異形成形体とよぶこととする。
このような要求を実現する従来の技術としては、シリカやアルミナ等のセラミック粒子を、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等のバインダー、および可塑剤等の溶剤を用いる方法が知られている。そのような方法には、たとえば、セラミック粉末、バインダー、溶剤を用いるグリーンシート積層法、射出成型法、スリッブキャスト法、溶剤を用いない粉末プレス法がある。また、これらの方法で成形したセラミック複合体をさらに加工する方法としては、たとえば、加圧により所望の形状を付与する静水圧プレス法や、機械加工後に脱脂し焼結する生成形加工法、焼結後のセラミック成形体を更に高精度に機械加工するマシナブルセラミック造形法等があげられる。
しかしこれらの成形付与方法は、基本的には金型等で成形する方法か、シート状またはブロック状の成形体を切削加工や、プレス加工で成形する方法である為、成形可能な成形体の形状や厚みに限界があった。前者の金型による方法では、同一の形状の製品しか取れず、また後者の後加工の方法では、セラミックスの脆さや高い硬度の為に、成形できる形状に制限があり、特に数十ミクロン厚みのセラミックをパイプ状に成形する等、複雑かつ薄膜化することは困難であった。
それを改良する手段として、特許文献1〜3には、まずセラミック材料を有機バインダーにて結合させ、セラミック/有機バインダー複合体を成形する方法が開示されている。
特開1994−211560号公報 特開2005−15580号公報 特開2005−324990号公報
しかしながら、これらの方法は、上述のグリーンシート法に類似の方法であり、たとえば支持フィルム無しで自立可能なセラミック複合体は成形できるものの、延伸等により薄膜化したり、それを異形成形したり、ましてそれを焼結して異形のセラミック成形体を得ることは非常に困難であるという問題を有していた。
また、焼結したセラミック成形体の空隙内に別の物質を担持させ複合機能を持たせ、高機能化を図ろうとした場合、例えば、シリカ等のセラミック粒子を焼結成形した多孔質セラミック成形体の空孔内に、有機物吸着剤等の機能性物質を担持させた水処理用フィルター等の場合であるが、このような用途では、異形成形が好ましい上に、空孔のサイズも制
御する必要があった。しかしながら、上述の従来の方法では、異形成形性と、空孔サイズを同時に制御することは不可能であった。
本発明は、特定の樹脂成分、セラミック成分、可塑剤成分を用い、更に好ましくは、特定の成型法を用いることで、押出成形および延伸成形により簡便に薄膜のセラミック複合体を成形出来、更には円筒やコルゲート状等の異形成形が簡便に実施でき、かつセラミック多孔質とした際に空孔サイズのコントロールが可能な新規なセラミック複合体を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決する為、特定組成の樹脂成分、セラミック粒子、可塑剤を用いることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.樹脂成分(A)1〜30重量部、セラミック成分(B)70〜99重量部(但し、(A)と(B)の合計は100重量部)、樹脂成分(A)の可塑剤(C)を(A)と(B)の合計重量100重量部に対して50〜300重量部を、溶融混練後シート化する工程、該シートから、可塑剤(C)を抽出除去する工程、かつ前記可塑剤(C)抽出前及び/又は抽出後に少なくとも1軸方向に面積倍率で3倍以上200倍以下に延伸してセラミック複合体を作製する工程、
および得られた前記セラミック複合体を異形に成形し、それを800℃以上の温度で焼結成形する工程を含むセラミック成形体の製造方法であって、前記樹脂成分(A)が粘度平均分子量Mvが60万以上のポリオレフィンを含有すること、前記樹脂成分(A)の重量部表示の含有量W(A)と前記樹脂成分(A)の粘度平均分子量Mv(A)が下記式(1)を満たすこと、前記セラミック成分(B)の平均粒子径が0.005〜10μmであることを特徴とするセラミック成形体の製造方法
式(1) W(A)×Mv(A)/1,000,000≧7
2.前記異形が、円筒、角錐、ハニカム、およびコルゲート状からなる群から選ばれる上記1に記載のセラミック成形体の製造方法。
.前記樹脂成分(A)がポリエチレンを含み、該ポリエチレンが粘度平均分子量Mv200万以上である樹脂を前記樹脂成分(A)の全体の量に対して10wt%以上含み、かつ前記樹脂成分(A)中のGPCチャートにおける分子量Mwが1000以下である成分が8wt%以下であり、かつ前記セラミック成分(B)が、平均粒子径の異なる2種以上の粒子からなることを特徴とする上記1又は2に記載のセラミック成形体の製造方法。
.前記セラミック成分(B)の最も大きな粒子(B1)の平均粒子径(ΦB1)が、0.05〜10μmの範囲内であり、最も小さな粒子(B2)の平均粒子径(ΦB2)が、0.005〜0.1μmの範囲内であり、かつΦB1>ΦB2であり、さらに両者の重量混合比率(B1/(B2+B1))が0.99〜0.50の範囲内であることを特徴とする上記1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
.前記セラミック成分(B)がジルコニア、シリカ、アルミナ、チタニアからなる群より選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする上記1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法である。
本発明のセラミック複合体、セラミック成形体は、円筒やハニカム、コルゲート状等の異形成形が経済的に可能であり、なおかつ多孔体に成形した場合、空孔のサイズをコント
ロールできるため、空孔内に第3の機能性物質等を効果的に担持できる等の、優れた特徴を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明においては、セラミック成分だけでなく、樹脂成分や可塑剤を含むものをセラミック複合体とよび、実質的にセラミックのみを主要構成材料とし、樹脂成分や可塑剤等を実質的に含まないもの、例えば、セラミック複合体を1200℃程度で焼結成形したもの等をセラミック成形体と呼ぶこととする。
本発明における、樹脂成分(A)とセラミック成分(B)は(A)と(B)の合計を100重量部としたときに、樹脂成分(A)は1〜30重量部、セラミック成分(B)70〜99重量部であることが必要である。この範囲内であると、セラミック複合体とした場合に、セラミック粒子の滑落がなく、また焼結成形時に良好な強度のセラミック成形体が得られる。樹脂成分(A)が1重量部未満であると、セラミック粒子の連結が不十分であり、セラミック複合体とした場合に、粒子の剥離が多くなる。また、30重量部を超えると、焼結成形時の収縮が大きくなり、焼結性が悪化する。好ましくは樹脂成分(A)は2〜25重量部、更に好ましくは3〜20重量部である。
また、樹脂成分(A)とセラミック成分(B)の合計を100重部としたときの可塑剤(C)は50〜300重量部の範囲内であることが必要である。この範囲内であるとセラミック複合体の成形性と、空孔のサイズの制御性を両立できる。可塑剤量が50重量部未満であると、セラミック複合体の成形性が悪化し、特に押出成形性が悪化する。300重量部をこえると、セラミック複合体中のセラミック同士が離れすぎ、その後の焼結性に劣る。好ましくは、可塑剤(C)50〜250重量部の範囲内、更に好ましくは、75〜200重量部の範囲内である。
樹脂成分(A)は粘度平均分子量Mvが60万以上のポリオレフィンを含有し、該樹脂成分(A)の重量部表示の含有量W(A)と該樹脂成分(A)の粘度平均分子量Mv(A)が下記式(1)を満たすことが必要である。
式(1) W(A)×Mv(A)/1,000,000≧7
例えば、樹脂成分(A)としてMvが600万の超高分子量ポリエチレンが10重量部(セラミック成分(B)は90重量部)含まれる場合は、上記式(1)の左辺の値は60となる。この範囲内であると、セラミック複合体の強度が向上し、セラミック複合体を円筒等の異形形状に成形が容易にできるようになる。上記式(1)の値は、好ましくは10以上であり、特に好ましくは10〜300の範囲内であり、更に好ましくは10〜150の範囲内である。7未満では、ポリオレフィンによるセラミック同士の結着性が不足し異形成形性が低下する。上限値は特に限定はないが、あまり高くなりすぎると強度が低下し、異形成形がやや難しくなる傾向となるため、上記の範囲内が好ましい。
また樹脂成分(A)は、粘度平均分子量Mvが60万以上のポリオレフィンを含有することが必要である。セラミック複合体の強度、異形成形性の点から、樹脂成分(A)全体を100wt%とした際に、少なくとも粘度平均分子量Mvが60万以上のポリオレフィンを、30wt%以上含むことが好ましい。より好ましくは50wt%以上である。30wt%未満であると、異形成形性が低下する。更に、強度向上の観点からは、樹脂成分(A)は好ましくは粘度平均分子量Mvが100万以上、更に好ましくは200万以上である樹脂を10wt%以上含むことが好ましい。更に好ましくは30wt%以上である。Mvが200万以上の樹脂の利用により、セラミック複合体の強度は更に強化され、異形成形性が向上する。
また、樹脂成分(A)中のGPCにおける分子量Mw≦1000の成分が8wt%以下
であることが好ましい。Mw≦1000の成分量は樹脂成分(A)全体のGPCチャートから求められる。8wt%以下であると、セラミック複合体の強度が更に強化され、異形成形性がより一層向上する。
使用できるポリオレフィン樹脂は特に制限はないが、例えば、一般のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、等が用いられる。
ポリエチレンの例としては、低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等が、好ましくは利用できる。これらは、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチルペンテン等のαオレフィンとの共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレンーメタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)等でもよい。またこれらの樹脂同士を混合しても良い。
ポリプロピレンの例としては、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、シンジオタクティクポリプロピレン等が用いられる。また、結晶性はホモのPPでもよいし、エチレンとランダム共重合体、ブロック共重合体でも良い。
ポリオレフィンの触媒は一般のチーグラー触媒や、クロム系触媒、メタロセン系触媒等が好ましく用いられる。重合は単段重合でも良いし、多段重合でもよい。また、本発明の主旨を損なわない範囲で、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等の異樹脂やエラストマーをブレンドしても良いし、その他のフィラー、熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、顔料、等の添加剤を混合しても良い。
本発明において、セラミック成分(B)の平均粒子径が0.005〜10μmであることが必要である。この範囲内であると、セラミック複合体の成形性、異形成形性、焼結性を良好に満足する。また、セラミック成分(B)は、平均粒子径の異なる2種以上の粒子からなることが好ましい。このうち、最も大きな粒子(B1)の平均粒子径(ΦB1)が、0.05〜10μmの範囲内であり、最も小さな粒子(B2)の平均粒子径(ΦB2)が0.005〜0.1μmの範囲内であることが好ましく、更には ΦB1が0.1〜2μmの範囲内であり、ΦB2が0.005〜0.05μm(更には0.01〜0.05μm)の範囲内であることが好ましい。さらに両者の重量混合比率(B1/(B2+B1))が0.99〜0.50の範囲内であることが好ましい。上記の範囲内であると、大きなB2の隙間に、小さなB2が入り込んだ構造をとることが出来、B2によりセラミック複合体の強度や、それを焼結した成形体の強度を上げることができる。
ここで本発明における、最も大きな粒子(B1)、最も小さな粒子(B2)とは、混合前の最も大きな平均粒子径、又は最も小さな平均粒子径を有する粒子材料と定義する。例えば、平均粒子径が0.5μmで粒度分布を持つシリカ粒子材料(B1)と、平均粒子径が0.05μmで粒度分布を持つシリカ粒子材料(B2)を、用いる場合は、ΦB1=0.5μmであり、ΦB2=0.05μmとなる。混合後の粒度分布は、混合する粒子の粒子径や、混合量、粒子種類等にも寄るが、ブロードな1つのピークが発現したり、複数のピークが発現する場合もある。
更にセラミック成分(B1)の粒子系分布は、狭い方が好ましく、2<D90/D50であるのが、均一なセラミック複合体および成形体が得られるので好ましい。ここでいう、D50とは数平均粒子径であり、D90は小粒径のものから90%の部分の粒子径である。
本発明で用いられるセラミック成分としては、特に限定はされないが、ジルコニア、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト等を用いることが出来る。特に好ましくは、ジルコニア、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、である。ジルコニアの場合はイットリア等で安定化
したものが、セラミック複合体の強度の向上や、電解質用途にはイオン伝導性が向上するので好適である。また、シリカの場合は、より好ましくは、ポリオレフィンの可塑剤への分散性の観点からシリカ表面を疎水処理したものであり、使用する可塑剤に対する吸油量が150ml/100g以上が好ましい。さらには150ml/100g以上1000ml/100g以下が好ましい。よりさらに好ましくは150ml/100g以上500ml/100g以下である。吸油量が150ml/100g以上の場合、セラミック粒子を溶融混練、押出しシート化すると、シート中に凝集物が生じにくく製膜性が良好で、高強度かつ薄膜を達し得る。また1000ml/100g以下の場合、セラミック粒子の嵩密度が大きいために生産時における扱いが容易であることに加え、凝集物が生じにくい。
可塑剤としては、ポリオレフィンと混合した際に、その融点以上において相溶することのできる有機化合物が望ましい。このような可塑剤として、例えば流動パラフィンやパラフィンワックスなどの炭化水素類、ジエチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル類、その他、セバシン酸エステル類、ステアリン酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類が挙げられる。これらの可塑剤を単独で使用しても、2種以上混合して使用してもかまわない。
また、本発明のセラミック複合体から、可塑剤を抽出除去したものも本発明の範囲内のものである。特に形状がシート状であり、厚みが5μm〜3mm、気孔率が40%以上、かつ突刺強度(g)と厚み(μm)の関係が下記式(2)を満たすことを特徴とする多孔性セラミック複合体が、高強度で、異形成形性がよい。突刺し強度が弱いと、異形成形時例えば、円筒に成形する際に崩れてしまう傾向となる。
式(2) 突刺し強度(g)>厚み(μm)/2
このようなセラミック複合体の製造法の一例を、以下に示す。
本発明においてポリオレフィン樹脂とセラミック粒子と可塑剤を溶融混練する方法は、あらかじめポリオレフィン樹脂とセラミック粒子と可塑剤をヘンシェルミキサー等で所定の割合で混練したものを押出機に投入し、加熱溶融させながら任意の比率で可塑剤を導入し、さらに混練することが挙げられる。具体的には、ポリオレフィン樹脂とセラミック粒子と所定可塑剤添加量の全量または一部の量の可塑剤とをヘンシェルミキサー等で予備混練した原料を二軸押出機に投入し、所定可塑剤添加量の残り分を押出機内で、例えばバレル中にサイドフィードすることで、よりセラミック粒子の分散性が良好なシートを得ることができ、例えば、破膜することなく高倍率の延伸を実施することもできる。 原料の押出機への投入は、通常のフィーダーを用いる公知の方法でよいが、ベルトフィーダーを用いると、広い原料組成に対応でき好ましい。溶融混練は、一軸押出機や二軸押出機などを用いる方法が挙げられる。溶融混練の温度は160℃以上300℃以下が好ましい。
押出成形は、スリットダイやTダイなどのシートダイから押出しキャストロールなどで冷却する方法や、インフレーション法により行い、これによりセラミック複合体のゲルシートを得る。押出は、単層押出でも、多層押出でも良い。多層の場合は共押出法やゲルシートをそれぞれ押出して、それらを重ね合わせて熱融着する方法のいずれでも作製できるが、共押出法を用いると、高い層間接着強度を得やすく、生産性にも優れているため好ましい。
押出成形で得られたセラミック複合体のゲルシートを、薄膜化や強度付与の為に延伸しても良い。延伸方法としては、縦横の物性バランスに優れる二軸延伸が好ましい。好ましくは同時二軸延伸、逐次二軸延伸である。延伸温度は、好ましくは100℃以上から135℃以下である。延伸倍率は、好ましくは面積倍率で3倍以上から200倍以下である。膜強度の観点で延伸倍率は10倍以上から60倍以下が好ましい。
可塑剤は抽出しても良い。抽出する場合は、延伸または未延伸のゲルシートを抽出溶媒に浸漬することにより行い、その後膜を十分乾燥させる。抽出溶媒は、ポリオレフィンに対して貧溶媒であり、かつ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点がポリオレフィンの融点
よりも低いことが望ましい。このような抽出溶媒として、例えば塩化メチレンなどの塩素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル、環状ヒドロフルオロカーボン、ペルオロカーボン、ペルフルオロエーテルなどのハロゲン系有機溶剤、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサンなどの低沸点炭化水素、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。またこれらの抽出溶媒を二種類以上使用してもよい。この中では特に塩化メチレンが好ましい。
また抽出前または後に、膜厚、透気度などの膜物性を調整のため必要に応じて延伸を加えてもよい。該延伸は一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸が挙げられ、好ましくは同時二軸延伸、逐次二軸延伸である。延伸温度は、好ましくは100℃以上から135℃以下である。延伸倍率は、好ましくは面積倍率で1倍を越えて10倍以下である。
熱処理は、高温雰囲気下での膜収縮を低減するために、例えばテンター、一軸延伸機、あるいは両方を用いて、80℃以上、好ましくは100℃以上かつポリオレフィンの融点以下の温度範囲で、幅方向、長さ方向、あるいは両方向に収縮応力を緩和することにより行う。
上記のように作製したセラミック複合体は、孔が三次元的に入り組んでいる三次元網目構造をとっていることが好ましい。三次元網目構造とは、表面が葉脈状であり、三方向からの断面の膜構造がスポンジ状である構造である。葉脈状とはフィブリルが網状構造を形成している状態である。これらは走査型電子顕微鏡で表面および断面を観察することにより確認できる。三次元網目構造のフィブリル径は0.01μm以上0.3μm以下であることが好ましく、走査型電子顕微鏡で観察できる。
また、上述のようにして得られた本発明によるセラミック複合体を、例えば、円筒や角錐、ハニカム、コルゲート状等の異形に成形し、それを800℃以上の温度、好ましくは1100℃以上で焼結成形することで、異形セラミック成形体を容易に製造することが可能となる。
この様にして得られたセラミック成形体は、孔内に光触媒や、水浄化機能を持つ第3物質を担持することも出来る。
以下実施例にて本発明を説明する。
[測定法]
1. 粘度平均分子量
ASTM D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求める。ポリエチレンのMvは次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
2. GPCによる分子量
分子量ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製、商品名 150−GPC)を使用し、カラムとしてSHODEX AT−807Sを一本と、TOSO TSK−GEL GMH−6Hを2本つないで使用した。さらに、溶媒として1,2,4−トリクロルベンゼンを使用して、カラム温度140℃で測定した。
3.セラミック粒子径 (μm)
島津製作所(株)製レーザー回折/散乱式粒度分布測定器「SALD−3000」(商標)を用いて下記条件で測定した。 測定溶媒として、工業用アルコール(日本アルコール販売(株)製 エキネンF−8(商品名)、組成はエタノール86.4%、メタノール7.3%、水分6.3%)を用いた。
分散条件は200rpmで攪拌しながら40Wの超音波を10分の照射後に測定した。シリカ屈折率の設定値は実数部を1.40、虚数部を0、温度は25℃で測定し、求めた
メディアン径を分散平均粒子径とした。
4. セラミック複合体の気孔率
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm)より、次式を用いて計算した。
気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100
なお、膜密度はASTMーD1505に準拠し、密度勾配管法(23℃)により測定した。
5. セラミック複合体の突刺し強度
カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の突刺強度(N)が得られる。これに20(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより20μm膜厚換算突刺強度(N/20μm)を算出した。
6. セラミック複合体の異形成形性
セラミック複合体のシートを、直径10mm、長さ100mmの円筒に折り曲げ、焼結成形した後のセラミック成形体を、強さで下記の如く判定し、◎、○を合格とした。
◎:焼結後、強固に結合している。
○:焼結後、手でもっても崩れず、実用上問題ない。
△:焼結後、一見形状は維持しているが、手で持つと崩れてもてない。
×:焼結後、手で触れなくても既に崩れている。または、焼結前に既に崩れて
いる。
[実施例1]
ポリオレフィン樹脂として、粘度平均分子量Mv600万の超高分子量ポリエチレンUHMWPE1(GPCチャートにおける分子量Mw≦1000の成分が0wt%)10重量部、セラミック粒子1としてイットリア安定化ジルコニア(東ソー株式会社製 TZ−8Y 平均粒径0.2μm) 90重量部、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3‘、5‘−ジ−t−ブチル4‘−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.3質量部、金属不活性剤としてステアリン酸カルシウムを0.2重量部、可塑剤として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)を50重量部加えた後、ミキサーで攪拌し原料を調整した。この原料をスクリュー径25mm、L/D=48の二軸押出機にベルトフィーダーを介して投入した。さらに押出機中で流動パラフィン50重量部をサイドフィードで注入した。押出量は15kg/hr、押出温度200℃の条件で混練した後、押出機先端に取り付けたTダイから押出した。ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ 1mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で124℃の条件で2.5×3倍に延伸した後、この延伸フィルムを塩化メチレンに浸漬し、流動パラフィンを抽出除去後乾燥し、物性の調整をテンター延伸機により125℃の条件で横方向に1.5倍延伸して行った後、130℃で7%幅方向に緩和して熱処理を行い、厚み100μmのセラミック複合体の平面シートを得た。このセラミック複合体はロール巻きしても、シートが破れたり、セラミック粒子が滑落することはなかった。次にこのセラミック複合体シートを、直径10mm、長さ100mmの円筒に折り曲げ、電気炉で1200℃で焼結成形後、冷却し、円筒状の薄膜セラミック成形体を得た。この円筒状薄膜セラミック成形体は、手で持っても割れることはなく、充分なハンドリング性を有していた。セラミック複合体および成形体の特徴を表1に示す。
[実施例2]
セラミック粒子1として実施例1で使用したイットリア変性ジルコニア 80重量部と、セラミック粒子2として平均粒子径 0.02μmの疎水性シリカ10重量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、セラミック複合体および成形体を得た。この成形体は、実施例1のものより更に、突き刺し強度、焼結後の強度が強かった。
[実施例3]
ポリエチレン樹脂として実施例1で使用した超高分子量ポリエチレン6重量部と粘度平均分子量Mv30万の高密度ポリエチレンHDPE(GPCチャートにおける分子量Mw≦1000の成分が1wt%)4重量部を使用した以外は、実施例2と同様の方法でセラミック複合体および成形体を得た。この樹脂組成では、押出成形性が優れていた。
[実施例4]
ポリオレフィン樹脂として、粘度平均分子量Mv70万の超高分子量ポリエチレンUHMWPE2(GPCチャートにおける分子量Mw≦1000の成分が0wt%) 12重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、セラミック複合体および成形体を得た。結果を表1に示す。
[実施例5〜9]
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法でセラミック複合体および成形体を得た。結果は表1に示す。
[比較例1〜4]
表1に示す組成で、実施例1と同様の方法でセラミック複合体および成形体を得た。結果は表1に示す。いずれも、焼結成形が不可能であるか、焼結できても非常に脆く実用に供しえなかった。
[比較例5]
ポリオレフィン樹脂として、粘度平均分子量Mv240万の超高分子量ポリエチレンUHMWPE3(GPCチャートにおける分子量Mw≦1000の成分が0wt%)5重量部と粘度平均分子量5万の低密度ポリエチレンLDPE(GPCチャートにおける分子量Mw≦1000の成分が1wt%)2重量部、セラミック粒子3としてチタン酸バリウム(平均粒径0.5μm) 93重量部を用いた以外は、表1に示す組成で、実施例1と同様の方法でセラミック複合体および成形体を得た。結果は表1に示す。焼結はできたものの非常に脆く実用に供しえなかった。
本発明は、セラミックの簡便に異形成形を実施できる為、セラミックコンデンサー用途や、固体高分子形燃料電池および固体酸化物形燃料電池の電解質膜用途、各種フィルター用途等、様様な用途への利用が可能である。
例えば、非焼結のセラミック複合体では、LIB(リチウムイオン2次電池)用セパレーター、熱伝導性フィルム、ガラスグリーンシート、実装用基板、研磨剤等の用途があげられ、焼結成形したセラミック成形体では、水、排ガス等の浄化用途、全固体LIB、セラミックコンデンサー電極、EDLC電極、熱電素子、LED基板、透明パネル材等への応用が可能である。

Claims (5)

  1. 樹脂成分(A)1〜30重量部、セラミック成分(B)70〜99重量部(但し、(A)と(B)の合計は100重量部)、樹脂成分(A)の可塑剤(C)を(A)と(B)の合計重量100重量部に対して50〜300重量部を、溶融混練後シート化する工程、該シートから、可塑剤(C)を抽出除去する工程、かつ前記可塑剤(C)抽出前及び/又は抽出後に少なくとも1軸方向に面積倍率で3倍以上200倍以下に延伸してセラミック複合体を作製する工程、
    および得られた前記セラミック複合体を異形に成形し、それを800℃以上の温度で焼結成形する工程を含むセラミック成形体の製造方法であって、前記樹脂成分(A)が粘度平均分子量Mvが60万以上のポリオレフィンを含有すること、前記樹脂成分(A)の重量部表示の含有量W(A)と前記樹脂成分(A)の粘度平均分子量Mv(A)が下記式(1)を満たすこと、前記セラミック成分(B)の平均粒子径が0.005〜10μmであることを特徴とするセラミック成形体の製造方法
    式(1) W(A)×Mv(A)/1,000,000≧7
  2. 前記異形が、円筒、角錐、ハニカム、およびコルゲート状からなる群から選ばれる請求項1に記載のセラミック成形体の製造方法。
  3. 前記樹脂成分(A)がポリエチレンを含み、該ポリエチレンが粘度平均分子量Mv200万以上である樹脂を前記樹脂成分(A)の全体の量に対して10wt%以上含み、かつ前記樹脂成分(A)中のGPCチャートにおける分子量Mwが1000以下である成分が8wt%以下であり、かつ前記セラミック成分(B)が、平均粒子径の異なる2種以上の粒子からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミック成形体の製造方法。
  4. 前記セラミック成分(B)の最も大きな粒子(B1)の平均粒子径(ΦB1)が、0.05〜10μmの範囲内であり、最も小さな粒子(B2)の平均粒子径(ΦB2)が、0.005〜0.1μmの範囲内であり、かつΦB1>ΦB2であり、さらに両者の重量混合比率(B1/(B2+B1))が0.99〜0.50の範囲内であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミック成形体の製造方法。
  5. 前記セラミック成分(B)がジルコニア、シリカ、アルミナ、チタニアからなる群より選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のセラミ
    ック成形体の製造方法。
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