JP5297574B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に、燃料電池に接続するガス通路に反応ガスを供給するポンプ装置の作動情報に異常がある場合でも運転不能状態に陥ることを回避することのできる燃料電池システムに関するものである。
例えば特許文献1には、燃料電池システムにおける燃料電池へのエア供給制御について、通常時はエア流量センサによるエア流量検出値を用いてフィードバック制御を行うが、エア流量センサの異常時は目標エア流量となるようにコンプレッサの回転指令を算出してフィードフォワード制御を行う燃料電池システムが開示されている。
特開2004−095226号公報
しかしながら、コンプレッサと該コンプレッサの回転数信号を検出して燃料電池の運転状態を決定する制御装置との間に通信異常が発生した場合には、制御装置はコンプレッサの回転数情報を取得できず、コンプレッサ(補機)が必要とする電力等の演算を行えなくなるので、燃料電池の運転を停止させざるを得なくなる。また、燃料電池システムを搭載した燃料電池車両では、このような通信異常が発生すると、加速要求があるとき等の過渡時への対応ができなくなり、走行不能な状況を招き得る。
そこで、本発明は、燃料電池に接続するガス通路に反応ガスを供給するポンプ装置の作動情報に異常がある場合でも、運転不能状態に陥ることを回避することのできる燃料電池システムの提供を目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に接続するガス通路に反応ガスを供給する回転式ポンプ装置と、その回転式ポンプ装置の回転数情報を検出する検出装置と、前記回転数情報に基づいて燃料電池の運転状態を設定する制御装置と、を備える燃料電池システムにおいて、前記回転数情報の異常を検出する異常検出装置と、ガス通路に設けられた流量センサ、圧力センサ、温度センサの少なくとも1つと、前記回転数情報の異常を検知したとき前記流量センサ、前記圧力センサ、前記温度センサの少なくとも1つの情報に基づいて前記回転式ポンプ装置の回転状態を推定する推定装置と、を備え、前記回転数情報前記回転式ポンプ装置に直接設けられたセンサにより検出されるセンサ情報であり、前記制御装置は、前記異常検出装置によって前記回転数情報の異常が一定時間継続して検知されたときは、前記検出装置によって検出された回転数情報に代えて、前記推定装置によって推定された前記回転式ポンプ装置の推定回転状態に基づき、前記燃料電池の運転状態を設定する。回転式ポンプ装置は、スクロールポンプ,ベーンポンプ,ルーツ式ポンプ,ダイヤフラムポンプなど回転機構の動力を利用してガスを圧縮し、二次側に吐出させるものであれば、いずれにも適用可能である
このような構成によれば、制御装置が回転式ポンプ装置の回転数情報を取得することができなくても、ガス状態量から推定した回転式ポンプ装置の回転数情報に基づいて、回転式ポンプ装置の消費電力を求めることが可能となる。これにより、運転不能な状態に陥ることも回避可能となる。
上記の構成において、回転式ポンプ装置の推定回転状態に基づいて設定されるポンプ作動指令値に制限を設けてもよい。例えば、ポンプ作動指令値の変化量を所定値以下に制限する。このようにして制限される変化量は、ポンプ作動指令値の前回値と今回値との差分、あるいは前回値から今回値への変化率である。
このような構成によれば、ポンプ装置の急激な回転上昇が抑制される。なお、ポンプ作動指令値に所定の上限値を設けることとしてもよい。
ポンプ装置は、燃料電池のカソード側に接続する酸化ガス通路に設けられたコンプレッサ、または、アノード側に接続する燃料ガス通路に設けられた燃料ガスポンプの少なくとも一方を含む構成でもよい。
本発明の燃料電池システムによれば、制御装置がポンプ装置の作動状態を把握することができなくても、推定した作動状態に基づきポンプ装置の消費電力を求めることができるので、運転不能な状態に陥ることがない。
また、ポンプ装置の急激な回転上昇が抑制されるので、本燃料電池システムを燃料電池車両に適用した場合には、加速要求があるとき等の過渡時においても、退避運転によって車両の走行不能状態を回避することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。以下では、車両等の移動体に搭載する燃料電池システムを例に説明するが、その他据え置き型等の燃料電池システムにも適用可能である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、多数のセルを積層したスタック構造からなる固体高分子電解質型の燃料電池2を備えている。燃料電池2は、酸化ガス(反応ガス)としての空気および燃料ガス(反応ガス)としての水素ガスの供給を受けて電力を発生する。
燃料電池システム1の酸化ガス供給系3は、燃料電池2のカソード側に接続して空気を燃料電池2に供給する供給配管(ガス通路、酸化ガス通路)11と、燃料電池2から排出されたカソードオフガスを外部に排出するための排出配管12と、燃料電池2へのエア流量(ガス状態量)を検出するエア流量センサ(ガス状態量検出装置)40と、を有している。供給配管11には、フィルタ13を介して大気中の空気を取り込むコンプレッサ(ポンプ装置)14と、コンプレッサ14により圧送される空気を加湿する加湿器15とが配設されている。
このコンプレッサ14は、スクロールポンプ,ベーンポンプ,ルーツ式ポンプ,ダイヤフラムポンプなど回転機構の動力を利用してガスを圧縮し、二次側に吐出させる回転式ポンプ装置である。本燃料電池システムは、このコンプレッサ14の回転数(作動状態)を検出するセンサ等の検出装置(図示略)を備えている。
加湿器15は、排出配管12上にも配設されており、圧送される空気とカソードオフガスとの間で水分交換を行う。水分交換後の空気は、供給配管11を介して燃料電池2に送られ、燃料電池2での発電に供される。排出配管12は、空気の排出系に設けられた配管であり、加湿器15と燃料電池2との間の部分に、燃料電池2内の空気の圧力を調整する背圧調整弁16を配設している。排出配管12を流れるカソードオフガスは、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
燃料電池システム1の燃料ガス供給系4は、高圧の水素ガスを貯蔵した燃料供給源としての高圧タンク21と、燃料電池2のアノード側に接続して高圧タンク21の水素ガスを燃料電池2に供給する供給配管(ガス通路、燃料ガス通路)22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(未反応の水素ガス)を供給配管22に戻すための循環配管23と、循環配管23の水素オフガスを供給配管22に還流させる水素ポンプ24と、循環配管23に分岐接続され、下流端が空気系の排出配管12に接続された排出配管25と、を有している。
供給配管22の上流側には、高圧タンク21からの新たな水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27が介設され、レギュレータ27の下流側の合流点Aに循環配管23が接続されている。合流点Aで合流した新たな水素ガスと水素オフガスとからなる混合ガスが燃料電池2に供給される。循環配管23の水素ポンプ24の下流側には、燃料電池2に再度供給される循環配管23内の水素オフガスが逆流しないように、逆止め弁28が介設されている。
循環配管23の水素ポンプ24の上流側には、循環配管23を流れる水素オフガスから水分を分離させる気液分離器30が介設されている。循環配管23を流れる流体には、燃料電池2から排出される水素オフガスと、燃料電池2での電気化学反応によって生成された生成水とが含まれている。気液分離器30では、この生成水たる水分を水素オフガスから分離させる。気液分離器30で分離された水素オフガスは水素ポンプ24によって合流点Aに達する一方、気液分離器30で分離された水分は、ドレイン弁31を介して流体配管32から空気系の排出配管12に排出される。
排出配管25には、これを開閉するシャットバルブとして機能するパージ弁33が設けられている。パージ弁33が燃料電池システム1の稼動時に適宜開弁することで、水素オフガス中の不純物が水素オフガスと共に排出配管25を通って、空気系の排出配管12に排出される。排出配管25を設けることで、水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される水素オフガス中の水素の濃度を上げることができる。
燃料電池2が発生した電力は図示しないパワーコントロールユニットに供給される。パワーコントロールユニットには、車両の駆動モータを駆動するインバータと、コンプレッサモータや水素ポンプ用モータなどの各種の補機類を駆動するインバータと、二次電池への充電や二次電池からのモータ類への電力供給を行うDC−DCコンバータなどが備えられている。
制御装置(異常検出装置、推定装置)50は、公知のCPU,RAM,ROMを主体に構成され、燃料電池システム1の各部のセンサ(アクセルセンサ、車速センサ、圧力センサ、温度センサ、流量センサ、出力電流計、出力電圧計等)から制御情報を受け取り、この制御情報に基づいて、駆動モータや補機の消費電力等の和からなる要求電力を求め、この要求電力に基づき求めた燃料電池2の目標電力(目標発電量)に出力電力(発電量)を対応させるように、燃料電池2の運転状態を制御(設定)する。
具体的には、上記補機類を駆動するインバータを制御することによって、コンプレッサ14を駆動するモータの回転数を調整して燃料電池2への空気供給量を調整するとともに、水素ポンプ24を駆動するモータの回転数を調整して燃料電池2への水素ガス供給量を調整する。
ところで、制御装置50とコンプレッサ14との間に通信異常が発生すると、制御装置50はコンプレッサ14の回転数情報(作動情報)を取得できず、駆動モータ消費電力や補機消費電力を求めることができなくなる。そこで、制御装置50は、かかる通信異常の発生が検知されたときは、エア流量センサ40によるエア流量検出値からコンプレッサ14の回転数を推定し、この推定回転数(推定作動状態)に基づき補機消費電力を演算する。
また、制御装置50は、加速要求があるとき等の過渡時においても退避運転を行えるように、コンプレッサ14の急激な回転上昇を抑制すべく、コンプレッサ14に対する回転数指令値(ポンプ作動指令値)を制限する。例えば、回転数指令値の変化量を所定値以下に制限する。このようにして制限される変化量は、回転数指令値の前回値と今回値との差分、あるいは前回値から今回値への変化率である。
図2及び図3は、制御装置50が実行するコンプレッサ14の回転数制御を説明するフローチャートである。
図2は、制御装置50とコンプレッサ14との間に通信異常があるかどうかを検知する処理を示しており、例えば所定の時間間隔で実行される。まず、ステップS1では、制御装置50とコンプレッサ14との間に通信異常が発生しているかどうかを判断する。例えば、制御装置50がコンプレッサ14からの回転数信号(作動情報)を取得することができないときに通信異常が発生していると判断される。
ステップS1の判断結果が「YES」である場合にはステップS3に進み、通信異常が一定時間継続しているかを判断する。つまり、ステップS1の判断結果が「YES」であっても、直ちに通信異常が発生していると判断されることはなく、最終的な判断はステップS3の判断に委ねられる。一方、ステップS1の判断結果が「NO」である場合にはステップS11に進み、通信異常の有無を示す通信異常発生フラグに、通信異常が発生していないことを示す「0」をセットし、処理を終了する。
ステップS3の判断結果が「YES」の場合、つまり、ステップS1で検知した通信異常の状態が一定時間継続している場合には、通信異常が発生していると判断し、通信異常発生フラグに通信異常が発生していることを示す「1」をセットし、処理を終了する。他方、ステップS3の判断結果が「NO」の場合には、通信異常が発生していないと判断してステップS11に進み、通信異常の有無を示す通信異常発生フラグに、通信異常が発生していないことを示す「0」をセットし、処理を終了する。
図3は、図2の処理結果に基づいてコンプレッサ14に指令する回転数を演算する処理を示しており、例えば所定の時間間隔で実行される。まず、ステップS21では、図2の処理(ステップS5、S11)で「1」又は「0」がセットされた通信異常発生フラグに「1」がセットされているか、つまり、コンプレッサ14との間に通信異常が発生しているかどうか、更に言い換えれば、コンプレッサ14の回転数が不明であるかを判断する。
ステップS21の判断結果が「YES」の場合はステップS23に進み、エア流量センサ40によるエア流量検出値からコンプレッサ14の回転数を推定する。続くステップS25では、ステップS23で推定した回転数に基づき補機消費電力を演算する。この推定は、所定の計算式を用いてもよいし、所定のマップを参照して求めてもよい。
しかる後、ステップS27において、通信異常時におけるコンプレッサ14の急激な回転上昇を抑制すべく、コンプレッサ14への回転数指令値の変化量を所定値以下に制限し、処理を終了する。他方、ステップS21の判断結果が「NO」の場合はステップS31に進み、コンプレッサ14の正規回転数に基づき補機消費電力を演算し、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、制御装置50とコンプレッサ14との間に通信異常が発生し、制御装置50がコンプレッサ14の回転数を取得することができない状態(回転数不明の状態)に陥ったとしても、エア流量センサ40によるエア流量検出値に基づきコンプレッサ14の回転数を推定しているので、この推定回転数に基づきコンプレッサ14の消費電力を求めることができる。よって、通信異常発生時においても、燃料電池2の運転を継続することが可能となる。
さらに、通信異常発生時は、コンプレッサ14への回転数指令値の変化量を所定値以下に制限し、コンプレッサ14の急激な回転上昇を抑制しているので、加速要求があるとき等の過渡時においても、退避運転によって走行不能状態を回避することができる
上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明の範囲に含まれるものである。例えば、ポンプ装置の「作動情報」とは、ポンプ装置の回転数のほかにポンプ装置の直接的な消費電力など、ポンプ装置に直接設けられたセンサ情報をいう。また、作動情報の「異常」とは、通信異常のほかに、明らかなデータミス(異常値)の値が出力されたとき、センサ異常等を含む。
上記実施形態では、ガス状態量検出装置として、エア流量センサ40を用いた場合について説明したが、ポンプ装置の作動情報を推定することのできるものであれば、エア流量センサ40によるエア流量検出値に代えて、例えば圧力センサや温度センサ等のような反応ガスの状態を検出することのできるセンサの検出値、あるいは発電状態等のような燃料電池2の運転状態から、ポンプ装置の作動情報を推定してもかまわない。
上記実施形態では、ポンプ装置として、燃料電池2のカソード側に接続する供給配管11に設けられたコンプレッサ14を例に説明したが、これに限らず、水素オフガスを供給配管22に戻す循環配管(燃料ガス循環通路)23に設けられた水素ポンプ24への適用も可能である。
上記実施形態では、燃料電池システム1を車両等の移動体に搭載した場合について説明したが、燃料電池システム1はこれに限るものではない。例えば、燃料電池2を定置用として、燃料電池システム1をコージェネレーション(熱電併給)システムに組み入れることもできる。コージェネレーションシステムについては、商用はもちろんのこと家庭用住居にも導入することができる。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 図1に示す制御装置が実行する異常検知処理の内容を示すフローチャートである。 同制御装置が実行するコンプレッサへの指令回転数演算処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、11…供給配管(ガス通路、酸化ガス通路)、14…コンプレッサ(ポンプ装置)、22…供給配管(ガス通路、燃料ガス通路)、40…エア流量センサ(ガス状態量検出装置)、50…制御装置(異常検出装置、推定装置)

Claims (3)

  1. 燃料電池と、燃料電池に接続するガス通路に反応ガスを供給する回転式ポンプ装置と、その回転式ポンプ装置の回転数情報を検出する検出装置と、前記回転数情報に基づいて燃料電池の運転状態を設定する制御装置と、を備える燃料電池システムにおいて、
    前記回転数情報の異常を検出する異常検出装置と、ガス通路に設けられた流量センサ、圧力センサ、温度センサの少なくとも1つと、前記回転数情報の異常を検知したとき前記流量センサ、前記圧力センサ、前記温度センサの少なくとも1つの情報に基づいて前記回転式ポンプ装置の回転状態を推定する推定装置と、を備え、
    前記回転数情報前記回転式ポンプ装置に直接設けられたセンサにより検出されるセンサ情報であり、
    前記制御装置は、前記異常検出装置によって前記回転数情報の異常が一定時間継続して検知されたときは、前記検出装置によって検出された回転数情報に代えて、前記推定装置によって推定された前記回転式ポンプ装置の推定回転状態に基づき、前記燃料電池の運転状態を設定する燃料電池システム。
  2. 前記回転式ポンプ装置の推定回転状態に基づいて設定されるポンプ作動指令値の変化量に制限を設けた請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記回転式ポンプ装置は、前記燃料電池のカソード側に接続する酸化ガス通路に設けられたコンプレッサ、または、アノード側に接続する燃料ガス通路に設けられた燃料ガスポンプの少なくとも一方を含む請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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