JP5321490B2 - 微粒子分析方法 - Google Patents
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Description
粒子の直径(粒子径)が10μm以下の微粒子を浮遊粒子状物質(suspended particulate matter:SPM)と呼ぶ。この微粒子は大気中を長時間浮遊し、人間の体内にも侵入して疾病を引き起こすことが知られている。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、各微粒子一個一個を捕集したままで、各微粒子一個一個の粒子径と成分とを精確に評価することができるようにすることを目的とする。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、微粒子分析装置の概略構成の一例を示す図である。図示のとおり、微粒子分析装置は、主に、試料台1と、集束イオンビーム照射器3と、電子ビーム照射器4と、質量分析計5と、二次電子検出器6と、を備えている。
また、捕集基板7は、原子レベルでフラット(平滑)な表面を持つことが理想的である。例えば、シリコンウエハを捕集基板7として用いることが望ましい。シリコンウエハ以外でも、SiC、GaAs、サファイア、ガラス等の基板を捕集基板7として用いることができる。
本実施形態では、主に、粒子径が10μm以下の微粒子を測定対象とする。
質量分析計5は、飛行時間型質量分析計でも、四重極型質量分析計でも、二重収束型質量分析計でもよい。しかしながら、PM2.5のような小さな粒子径を持つ微粒子2を測定する際には、試料の損傷の激しい直流のイオンビームを用いる四重極型質量分析計や二重収束型質量分析計よりも、パルスイオンビームを用いる飛行時間型質量分析計を質量分析計5に用いた方が望ましい。
このようにして得られた二次電子像から、捕集基板7の表面の微粒子2を含む分析面を決定することができ、微粒子2の存在位置を正確に決定することができる。また、この二次電子像から、予め定められている、微粒子2の特徴的な形状及び大きさ等に基づいて、測定部位内の各微粒子2の粒子径を求めることができる。さらに、微粒子2の粒子径を求めるに際し、微粒子2の質量を求めることもできる。具体的には、まず、微粒子2が球であると仮定して、その体積を求める。そして、微粒子2の成分から微粒子2の素性を明らかにし、その素性に対する一般的な比重と微粒子2の体積とに基づいて、微粒子2の質量を求める。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、微粒子2の粒子径を測定するために、電子ビームを微粒子2に照射することにより散乱される電子を検出することにより行う場合について説明した。これに対し、本実施形態では、集束イオンビームを微粒子2に照射して微粒子2の粒子径を測定する場合について説明する。このように、本実施形態と第1の実施形態とは、微粒子2の粒子径を測定する方法が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、微粒子2の内部の情報として微粒子2の空隙率を求める場合について説明する。このように本実施形態では、第1、第2の実施形態に対し、空隙率を求める処理が追加されたものである。したがって、本実施形態の説明において、第1、第2の実施形態と同一の部分については、図1に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
微粒子2の内部の空隙率を求めることは従来の電子線励起蛍光X線分析方法では不可能であった。従来の電子線励起蛍光X線分析では、情報の深さが1μm程度であり、サブミクロン単位の粒子径を有する微粒子の内部の空隙の情報を抽出することができないためである。本実施形態で用いる二次イオン質量分析法の表面における情報深さは数nmと非常に浅い。このため、微粒子2の極表面の情報のみを検出する。従って、切断加工した微粒子2の内部について元素マッピングを行うことで、微粒子2の表面と内部の情報を別々に観察することができる。
以上のようにすることで、各微粒子2一個一個の空隙率を明らかにすることができ、微粒子2の密度を求めることができる。
以下に本発明の実施例について説明する。以下の本発明の実施例は、図1に示された装置により実施された。
図2は、大気中から捕集した微粒子2に電子ビームを照射することにより散乱された電子を検出して得られた微粒子の二次電子像の一例を示す写真である。図2(a)で示される写真は、シリコンウエハを捕集基板7として用いた場合の微粒子の二次電子像である。この写真において、白い点がサブミクロン単位の粒子径であるSPM粒子を示し、黒い点がコンタミネーションである油滴を示している。図2(b)で示される写真は、鏡面仕上げしたステンレス基板を捕集基板7として用いた場合の微粒子の二次電子像である。この写真から、前述した通り、ステンレス基板を捕集基板7として用いるとステンレス基板の研磨きずが問題となることが分かる。
炭素系微粒子の密度は、2.3g/cm3程度であり、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子の密度は、3.7g/cm3程度である。同一地点で捕集された「『炭素系微粒子』と『アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子』の平均粒径は、炭素系微粒子で0.5μmであり、アルカリ金属・アルカリ土類金属元素で構成された微粒子の平均粒径で0.3μmである。このように成分の異なる粒子毎の粒度分布を構築することができる。この情報と単一粒子の内部の空隙率とを求めることで、発生源の特定が可能となるものと期待される。
このように電子ビームによる非破壊な観察と観察位置をSIMS(二次イオン質量分析)マッピングする技術は、粒子表面の損傷を全く与えない状態で観察することから優れた方法である。
以上のように、SPM粒子の成分毎の粒度分布を明らかにすることが可能である。また、粒子内部と表面とを分離して検出することで飛散中の履歴や空隙の観察による発生時の熱履歴に関する情報も抽出することができる。
2 試料(微粒子)
3 集束イオンビーム照射器
4 電子ビーム照射器
5 質量分析計
6 二次電子検出器
7 捕集基板
Claims (4)
- 試料台に置かれた捕集基板上の微粒子に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出する検出器と、前記微粒子に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出する分析計と、を有する装置を用いて微粒子を分析する微粒子分析方法であって、
前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果に基づいて、前記微粒子を特定することと、
前記電子ビームの照射により散乱された電子を検出した結果、または
前記集束イオンビームの照射により前記微粒子から放出される全二次イオンを検出した結果、または
前記集束イオンビームの照射により散乱される電子を検出した結果
に基づいて、前記微粒子の粒子径を測定することと、
前記集束イオンビームを前記微粒子に照射することにより前記微粒子を切断加工し、前記微粒子の切断面に前記集束イオンビームを照射することにより前記微粒子から放出される二次イオンを検出した結果に基づいて、前記微粒子の内部の成分および空隙を評価することを特徴とする微粒子分析方法。 - 前記二次イオンを観察した結果に基づいて、前記微粒子の内部の成分分析を行い、
前記二次イオンを観察した結果に基づいて、前記微粒子と前記微粒子の内部にある空隙の面積を求め、
前記微粒子と前記微粒子の内部にある空隙とが球であると仮定して、前記微粒子の内部にある空隙の体積を前記微粒子の体積で割ることにより前記微粒子の空隙率を求めることを特徴とする、請求項1に記載の微粒子分析方法。 - 前記捕集基板が原子レベルで平滑な表面を有する基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の微粒子分析方法。
- 前記捕集基板がシリコンウエハであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の微粒子分析方法。
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