JP5325826B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、特に、中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブに関する。
一般に、中空構造の金属製クラブヘッドは、使用する材料や肉厚等の相違によって、打球音が大きく変化する。このため、最も長い飛距離が得られるスイートエリアで打球した場合でも、プレーヤにとって好ましくない音が発生することがある。
打球音を改善する方法として、クラウン部又はソール部の内面に、フェース部と直交する方向に延びる複数本の線条突起を形成し、打球時の残響音を長く響き渡らせようとしたゴルフクラブが開発されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−126136号公報
しかし、クラウン部やソール部の内側に複数本の線状突起を形成した従来の金属製のクラブヘッドは、クラウン部やソール部が全体にわたって単純な湾曲形状で形成されている場合には、共鳴効果により打球音の改善を図ることが可能であるとしても、クラウン部の内面が単純な湾曲形状でない場合には、共鳴効果による打球音打球改善は図れなくなる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、クラウン部が複雑な形状を有する場合でも、所望の打球音を得ることのできるゴルフクラブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によると、フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後部のバック部とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、
前記クラウン部は、前記フェース部のトップラインのバック側で、このトップラインに沿ってトウ・ヒール方向に延びるクラウン前部と、前記クラウン前部のトウ・ヒール方向に沿う中間部位で、このクラウン前部から連続してバック側に延びるクラウン中部と、前記クラウン前部のバック側で、前記クラウン中部のトウ側とヒール側とに配置され、前記内部空間側に凹設された平面状部と、前記平面状部をクラウン前部に連結する前部傾斜部と、前記平面状部をクラウン中部に連結する中部傾斜部とを有し、前記クラウン前部からバック側に向けて前記ソール側に傾斜する傾斜状部と、を備え前記クラウン部の平均肉厚を、フェース部及びソール部の平均肉厚よりも薄く形成し、前記クラウン前部と平面状部との少なくとも一方の内面に、この内面から内部空間内に突出するリブを形成し、前記傾斜状部の内面は、リブのない滑らかな面、又は、前記リブよりも高さと断面積との少なくとも一方が小さい突条を配置した面で形成したゴルフクラブが提供される。
前記クラウン中部の内面に、内部空間内に突出するリブを形成してもよい。
前記クラウン前部は、一部がフェース部に達するリブを内面に有するものであってもよい。
前記平面状部は、一部がバック部又はサイド部に達するリブを内面に有することが好ましい。
本発明のゴルフクラブによると、傾斜状部が略T字状の形状をなすクラウン前部及びクラウン中部を平面状部に連結することにより、上下に段差を形成する立体構造のクラウン部の構造上の強度が増し、傾斜状部の内面は、リブのない滑らかな面、又は、前記リブよりも高さと断面積との少なくとも一方が小さい突条を配置した面で形成したことにより、傾斜状部で連結されるクラウン前部及びクラウン中部と、平面状部に生じる振動の差を小さくでき、心地よい、適度な残響音としやすい効果が得られる。
クラウン前部から後方に延びるクラウン中部の内面に、内部空間内に突出するリブを形成したことにより、クラウン全体の振動が調整しやすく、心地よい適度な残響音としやすい効果が得られる。
クラウン前部は、一部がフェース部に達するリブを内面に有する場合には、クラウン前部の単体での振動を押え、打球音調整を行いやすくできる。
平面状部は、一部がバック部又はサイド部に達するリブを内面に有する場合には、平坦部単体での振動を押え、打球音調整を行いやすくできる。
本発明の実施形態によるゴルフクラブのクラブヘッドをフェース側から見た正面図。 図1に示すゴルフクラブのクラブヘッドの平面図。 図1のクラブヘッドのバック側から見た背面図。 図1のクラブヘッドのソール側から見た底面図。 図1のクラブヘッドのヒール側から見た側面図。 図1のクラブヘッドのトウ側から見た側面図。 図2のVII−VII線に沿う断面図。 図7の部分拡大図。 図7のIX−IX線に沿う断面図。 他の実施形態によるクラブヘッドの図7と同様な断面図。 図10の変形例によるクラブヘッドの底面図。 更に他の実施形態によるクラブヘッドの正面図。 図12のクラブヘッドの平面図。
図1から図9は本発明の実施形態によるゴルフクラブ8を示す。図中、同様な部位には同様な符号を付してある。
図1に示すように、本実施形態のゴルフクラブ8は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属材料で管状構造に形成したシャフト6の先端に、例えばボールを置く地面等の基準水平面Bに対して規定のライ角αおよびロフト角β(図6)を設定してクラブヘッド10を取付け、基端には天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性や軟質材料で形成したグリップ(図示しない)を取付けてある。ここに、ライ角αは、後述するソール部あるいは基準水平面Bに対するシャフトの軸線6aの取付角度であり、ロフト角は、基準水平面Bに直交する垂直面Vとフェース部12の前面との間の角度である。また、後述する重心アングルkは、ヘッドの重心Gからシャフトの軸線9aに垂直に延設した垂線gとフェース部12との間の角度である。この重心アングルkは、例えば、フォーティーン社製の重心アングル測定器(FG104RM)によって、シャフト6を回転フリーの状態で水平に支持してクラブヘッド10を垂下させたときに、水平基準面Bから垂直方向に延びかつクラブヘッドの重心Gを通る垂線gと、このクラブヘッドのフェース部12の接線fとの間に形成される角度から測定することができる。
図1から図6に示すように、金属製クラブヘッド10は、前部に配置したフェース部12に打球面14を形成した中空構造を有し、フェース部12のトップライン12aおよびリーディングエッジ12bからそれぞれ後方のバック側に延びるクラウン部16およびソール部18を有する。これらのクラウン部16とソール部18との間には、フェース部12のトウ側サイドライン12cおよびヒール側サイドライン12dからそれぞれトウ側サイド部20およびヒール側サイド部22がクラウン部の16の周縁部に沿って湾曲しつつバック側に延び、バック部24(図4)に連続する。
このように、クラブヘッド10は、実質的にフェース部12とクラウン部16とソール部18とトウ側及びヒール側サイド部20,22と、後部のバック部24とで外殻を形成し、内部に区画した内部空間Nをこの外殻構造体で閉じたウッドタイプに形成してある。
このようなクラブヘッド10は、例えば容積がドライバーの場合には380〜460cc、フェアーウェイウッド(ユーティリティウッド)の場合には80〜230cc程度であり、また、その重量は180〜260g程度である。そして、基準水平面Bから垂直方向におけるクラウン部の高さは、バック側で、ドライバーが40〜60mm、フェアーウェイウッドが6〜20mm、トウ側及びヒール側で、ドライバーが25〜60mm、フェアーウェイウッドが10〜30mmである。また、フェース部12は、高さがドライバーの場合は40〜60mm、フェアーウェイウッドの場合は26〜40mm程度に形成され、トウ・ヒール方向に沿う寸法が70〜120mm程度に形成される。
また、ライ角αは50〜65度、ロフト角βは8〜30度、重心アングルkは20〜40度程度に形成される。
本実施形態では、クラウン部16のヒール側からシャフト止着部としてホーゼル部26が突出している。このホーゼル部26は中心軸が、上述のライ角αを形成する方向に延びる内孔部26aを有し、この内孔部26aの外方に開口する端部からシャフト6の先端部を差し込み、接着剤等で内孔部26aに固着することで、シャフト6をクラブヘッド10に止着することができる。
このホーゼル部26は、クラウン部16から突出させて形成してもよく、あるいは、クラウン部16から突出させることなく、シャフト止着部を形成する筒状の部材を、中空部である内部空間N(図7)内に配置し、その内孔部26aをクラウン部16側で外方に開口させたものであってもよい。
クラブヘッド10のトウ側サイド部20およびヒール側サイド部22は、フェース部12側でクラウン・ソール方向すなわち基準水平面にソール部18を接地したときの上下方向に大きな寸法を有し、次第にその上下方向寸法を減少しつつバック部24に移行する。このサイド部20,22は、上下方向に湾曲しつつクラウン部16の周部に沿ってフェース部12からバック部24まで連続して延びる滑らかな湾曲面を形成する。なお、連続して延びるとは、目視して認識できる程度の稜線部または角部が存在しない状態をいう。
このサイド部20,22とクラウン部16との間に形成される上側の稜線部21は、トウ側サイドライン12cからバック部24を介してヒール側に延び、ヒール側サイド部22でホーゼル部26の表面に移行する(図5参照)。また、サイド部20,22とソール部18との間に形成される下側の稜線部23は、トウ側およびヒール側でリーディングエッジ12bに連続し、または、リーディングエッジ12bにごく近接した位置(例えばリーディングエッジ12bを含む湾曲面内)でフェース部12に吸収される。
なお、フェース部12とクラウン部16との間のトップライン(フェース面の上端)12aは、その間の稜線部で特定することができるが、フェース部12の大部分を形成する面部の曲率半径より小さくなる部位で特定してもよい。リーディングエッジ(フェース面の下端)12bおよびサイドライン12c,12dについても同様である。また、サイド部20,22の上下に形成される稜線部21,23についても、同様に、サイド部20,22およびバック部24を形成する面部の曲率半径より小さくなる部位で特定することができる。なお、本明細書中では、稜線部とは、稜線部21のような1本の曲線で表現されるものだけでなく、図4に2本の曲線23a,23b間に示す稜線部23のように幅または丸みを有するものであることは明らかである。
このような中空構造を有するクラブヘッド10は、フェース部12の中央部を外方に僅かに膨出させ、バルジ(フェース部側から正視したときの左右方向であるトウ・ヒール方向)およびロール(フェース部側から正視したときの上下方向であるクラウン・ソール方向)の双方の曲面を組合せた湾曲面状に形成してあり、この前面がゴルフボールを打つ打球面14を形成する。この打球面14には、略水平方向の浅い凹溝等の好適な手段でトウ・ヒール方向に延びる多数のスコアライン(図示しない)を形成してあり、図1に示すように、この打球面のセンター位置M(図心)に近接する位置に、クラブヘッド10の重心G(図7)を通り、フェース部12の打球面14に垂直に延ばした点であるスイートスポットSが位置する。
図4から図9に示すように、本実施形態のクラブヘッド10は、フェース部12と、クラウン部16と、トウ側サイド部20と、ヒール側サイド部22と、バック部24とを一体構造に形成したヘッド本体10aを有し、このヘッド本体10aのソール側には、トウ・ヒール方向に沿って延びるソール前部18aと、このソール前部18aの後方部位に形成した開口部19とを形成してある。
ソール前部18aはヘッド本体10aに一体化され、リーディングエッジ12bを介してフェース部12に移行する。本実施形態の開口部19は、垂直面V(図6)と平行でかつシャフトの軸線6aを含むシャフト配置面内又はこれよりも15mm以内の距離で後方に離隔したシャフト基準面R(図4)の後方に形成してあり、上述の稜線部23に至っている。
このシャフト基準面Rのフェースよりに配置されるソール前部18aは、図4及び図5に、その後端部を直線状の点線で示してあるが、例えばリーディングエッジ12bに沿って前方に突出する湾曲状又は後方に突出する湾曲状等の適宜の形状に形成することができる。シャフト基準面Rは、シャフト軸線6aから±5mm以内の範囲に形成することが好ましい。又、後方に離隔させる場合は10mm以内の距離r(図4)に離隔させて配置することが好ましく、シャフト配置面と同一面内にあっても良い。
このソール前部18aの後方部位には、ヘッド本体10aに形成した開口部19の内周部に沿って、外周部を固着したソール部材28が配置されており、このソール部材28がソール後部18bとして、ソール前部18aと共にソール部18を形成する。このソール部材28の外周部と開口部19の内周部との間の固着は、例えば溶接、ロウ付け、接着剤等の適宜の固着手段で行うことができる。ソール部材28がヘッド本体10aの開口部19を閉じ、このヘッド本体に強固に一体化されることにより、ヘッド本体10aとソール部材28とからなる外殻構造体が完成する。
ヘッド本体10aは、ソール部材28を形成する材料よりも比重の軽い、例えばチタン、チタン合金、アルミニューム、アルミニューム合金、繊維強化樹脂等を用いて、全体を同一材料で一体に形成してもよい。また、ヘッド本体10aは、単一の材料に限らず、部分的に比重の重い材料を用いる等、複数の材料を使用して形成してもよい。更に、フェース部12も、センター位置Mを含み、トウ側及びヒール側にそれぞれ鎖線14a,14b間に例示する打球面14をその周部とは異なる材料で形成する等、複数の材料で形成することもできる。このような打球面14は、それぞれのゴルフクラブに応じて、例えばトウ・ヒール方向に沿って90〜120mm(ドライバーの場合)、60〜108mm(フェアーウェイウッドの場合)、40〜100mm(ユーティリティの場合)程度の範囲に形成することが好ましい。
このフェース部12の裏面すなわち内部空間N側の面には、例えばトップライン12a及びリーディングエッジ12bに沿って、内部空間N側に開口する溝を形成し又は薄肉化することにより、フェース側の隣接部よりも薄肉厚とした周縁部11を形成してもよい。これにより、周縁部11に沿ってフェース部12を撓み易くすることができる(図7参照)。
一方、ソール後部18bを形成するソール部材28は、ヘッド本体10aの特にソール前部18aよりも比重が大きな重い材料で形成することが好ましい。このソール部材28は、例えばステンレス鋼で形成してもよく、これに限らず、BS材(ニッケル、ジルコニウム)、銅材、タングステン合金等の比重の重い材料を用いることができる。このような比重の重い材料を使用する必要がない場合は、ヘッド本体10aとソール部材28とを同じ材料で形成することも可能である。
図7及び図8に示すように、ヘッド本体10aのソール前部18aには、フェース側周縁部11に連なってこの周縁部11の後端側から後方に延びる薄肉厚部30と、この薄肉厚部30の後端から内部空間N内に突出する突条部32とが同一材料で一体に形成されている。このソール前部18aはヘッド本体10aの一部であり、ヘッド本体10aが複数の材料で形成されている場合でも、ソール前部18aの薄肉厚部30と突条部32とは、同一の材料で形成されている。これにより、薄肉厚部30と突条部32との一体性が確保される。
薄肉厚部30は、フェース部12の最小肉厚、すなわちフェース部12に部分的に形成したスコアラインや溝状の周縁部11等を除いた部位、例えばフェース部12の隣接部位であるリーディングエッジ12b又は周縁部11に隣接する部位の肉厚よりも薄い肉厚tを有し、この肉厚tは例えば0.6〜2.4mmで、好ましくは0.8〜1.6mm程度であることが好ましい。また、突条部32は、ソール部すなわち薄肉厚部30の内面から内部空間N内に突出する高さ方向寸法hと、薄肉厚部30の後端から後端までの幅方向寸法wとのそれぞれの寸法を、薄肉厚部30の肉厚tの少なくとも2倍で、2.5倍又は3倍以上の大きさに形成してある。
なお、薄肉厚部30の後端は、例えばフェース部12の内面の下端からの距離で特定することも可能であり、図8に示すように、リーディングエッジ12bからの距離dで特定してもよい。リーディングエッジ12bからの距離dで特定する場合には、この距離dは2.0〜16mm、好ましくは3.0〜8.0mmの範囲に形成することができる。
このように、ソール部18が、フェース部12よりも肉厚が薄くかつフェース部12に沿って延びる薄肉厚部30とこの薄肉厚部30の後端から内部空間N内に突出する突条部32とを同一材料で一体に形成したソール前部18aと、突条部32の後端に固着され、前記ソール前部と共にソール部を形成するソール部材28とを有し、突条部32が、ソール部18の薄肉厚部30の内面から内部空間N内に突出する高さ方向と、薄肉厚部30の後端からソール部材28が固着される後端までの幅方向とのそれぞれの寸法が、薄肉厚部30の肉厚tの少なくとも2倍の大きさを有することにより、打球時にフェース部12に作用する衝撃を、ソール前部18aの薄肉厚部30と突条部32とで受けて反発力に転換でき、エネルギーロスが少なく、突条部32より後方におけるソール後部18bの肉厚や形状変化の影響を受け難く、打球位置がばらついた場合でも、安定した反発性を効率的に確保することができる。
更に、突条部32は、ソール部材28との固着部分に局部的に衝撃が作用するのを防止することにより、ソール前部18aとソール部材28との固着部の破損を防止して強度の向上及び安定化を図ることができる。
図9に示すように、突条部32はトウ・ヒール方向の中央エリアから端部に移行するにつれて順に、ソール前部18aの内面からの高さh(図8)を低くしてあり、最も高い中央突条部32aと、両側に配置した中間高さの中間突条部32bと、最も低いサイド側突条部32cとからなる階段構造に形成してある。中央突条部32aは、高さhが最も高く、フェース部12の反発性に影響を及ぼす部分的な厚肉部分を含めて、その最大厚さである厚さTよりも大きな寸法に形成してあり、例えば4〜10mmに形成することが好ましい。また、サイド側突条部32cの高さhは、例えば2.0〜7.0mmで、薄肉厚部30の肉厚tの少なくとも2倍の大きさに形成し、中間突出部32bは、中間の高さの3.0〜10mmに形成することが好ましい。又、肉厚tは適宜に変化させてもよい。
中央突条部32aは、スイートスポットSを含む打球面14のほぼ中央位置に配置してあり、薄肉厚部30のトウ・ヒール方向長さの1/3〜1/2程度に形成してある。また、中間突条部32b及びサイド側突条部32cは、それぞれ薄肉厚部30のトウ・ヒール方向長さの1/3程度に形成してある。このように、突条部32の高さhをトウ・ヒール方向に沿って次第に低くなるように変化させることにより、クラブヘッド10の安定した反発性を確保すると共に、強度の向上及び安定化をバランスよく達成することができる。
本実施形態では、サイド側突条部32cは、外端部がサイド部20,22に達する長さに形成してあるが、必要な場合には、トウ・ヒール方向の中央部を中心として、薄肉厚部30のトウ・ヒール方向長さより短くすることができ、一部にのみ形成してもよい。また、トウ・ヒール方向に沿って全体を連続させて形成してもよく、間隔を置いて形成してもよい。
なお、突条部32すなわちサイド側突条部32cがサイド部20,22に達するとは、その外側の端部が、基準水平面Bに接地したソール部18の水平方向の面から上方に折れ曲がるか、又は、基準水平面Bに対して角度を形成する部分にまで延びる状態をいい、クラブヘッド10を基準水平面B上に接地した状態では、この基準水平面Bから上方に離隔した状態をいう。したがって、稜線部23を超えることなく終端する場合と、稜線部21を超えて延びる場合といずれの場合でもよい。
ソール前部18aの薄肉厚部30が、フェース部の最小肉厚より薄い肉厚tを有し、突条部32がフェース部の最大厚さよりも高さ方向の寸法すなわち高さhが大きい部位を有するものであれば、薄肉厚部30の全長に沿って形成することなく、薄肉厚部のトウ・ヒール方向の50%以上の長さにわたってトウ・ヒール方向に延設したものであってもよい。この場合には、打球位置がフェース部12の中央位置からずれた位置にばらついた状態でも、ソール後部18bに配置されるソール部材28に影響を更に受け難くし、クラブヘッド10の安定した反発性を確保し、強度の向上及び安定化を図ることができる。
図8に示すように、この突条部32のフェース・バック方向すなわち前後方向に沿う幅である薄肉厚部30の後端から後端面34までの幅方向寸法wは、上述のように高さhと同様な寸法に形成してあるが、この幅方向寸法wも、突条部32の全長を通じて同じ大きさに形成することは必ずしも必要なことではなく、その長さ方向に沿って変化させてもよい。この場合にも、クラブヘッド10の強度の向上及びCT値、反発性の安定化をバランスよく達成することができる。なお、CT値は、フェース部の反発特性に関するルール適合判定のための基準であり、「ペンデュラムテスト」の衝突時接触時間から求めたヘッド特性時間(Characteristic Time)をいう。
突条部32の後端面34は、ソール部18の内面又は外面に対して直交する方向に配置してあり、この後端面と共に上述の開口部19を形成するサイド部20,22及びバック部24側の内周部からフランジ状の突部36が内部空間N側に突出する。この突部36が外殻の内面から内部空間N内に突出する突出量はソール部材28の肉厚よりも大きく形成してあり、ソール側の面が開口部19の外周部を規定する。また、この開口部19に外周部を固着されるソール部材28は、外周部に沿ってフランジ状の突部38を形成してあり、これらの突部36,38間の固着面を介してヘッド本体10aのフランジ状部36に固着される。ソール部材28の内面から突出する突部38の高さは、ヘッド本体10aの突部36の突出量よりも低いことが好ましい。
特に、図7から図9に示すように、突部38のうち、ソール部材28の前端に配置した固着縁部38aは、後方部位の肉厚よりも大きな高さ方向寸法で突条部32の高さよりも低く形成してあり、したがって、ソール前部18aの外面にソール部材28の外面を同一面状に配置したときに、この固着縁部38aの前端固着面の高さ方向寸法よりも、突条部32の後端面34の高さ方向の寸法が大きく形成される。これにより、突条部32の後端面34とソール部材28の前端固着面との間に進入した、例えばろう付け材である固着材料がこの突条部32を超えて薄肉厚部30に達するのを防止する。ソール前部18aの薄肉厚部30の剛性の変化によるソール前部18aにおける反発性能の低下やばらつきが発生するのを防止することができ、クラブヘッド10の強度の安定化を図ることができる。
この突条部32は、このクラブヘッド10が取付けられるシャフト6の軸心6aの位置又はこの軸心6aから15mm以内の距離で後方に離隔したシャフト基準面R(図4)に対し、このシャフト基準面Rのフェース部12よりに配置されることが好ましい。この場合には、クラブヘッド10の反発性の向上及び安定化と共に、重心Gの位置すなわち基準水平面Bからの高さ、内部空間N内における相対位置関係について調整を図ることができ、飛距離の向上と方向性の安定化とを図ることができる。
また、突条部32とソール部材28の固着縁部38とを、例えばろう付けで固着した固着部が、ソール部18からトウ側及びヒール側のサイド部20,22まで延びる場合には、特に、広い範囲にわたって反発性能の低下やばらつきの発生を防止でき、打球位置が中央位置からばらついた状態でも、衝撃がこの固着部に強く影響することを防止し、強度の安定化を図ることができる。
特に、例えばチタン材で形成したヘッド本体10aと、ステンレス材で形成したソール部材28との異なる材料で形成した突部36,38の対向する固着面間に、ろう付けによる固着部で形成する場合に、ヘッド本体10a及びソール部材28に対して強度の低い、ろう付け部の破損を防止することができる。
このようなソール前部18aとソール後部18bとで形成されるソール部18は、適宜の形状とすることができるが、本実施形態では、図3及び図4に示すように、上述の打球面のセンター位置Mを通りかつ基準水平面Bおよび打球面に垂直に、フェース側とバック側とを結ぶフェース・バック方向すなわち前後方向に延びる中央面C(図3)を中心としてトウ・ヒール方向にほぼ対称的な形状を有する。
すなわち、ソール部18は、フェース部12のリーディングエッジ12bのバック側でこのリーディングエッジ12bに沿ってトウ・ヒール方向に延びるフェース側部40と、このフェース側部40のトウ・ヒール方向中間部位でこのフェース側部40から連続してバック側に延びるソール中央部42と、このソール中央部42のトウ側とヒール側とで内部空間N側に凹設された平坦状部44,46とを備えた形状に形成されている。ソール中央部42は、バック部24まで延びることなく、このソール中央部42のバック側で平坦状部44,46が連続する。また、このフェース側部40は、ソール中央部42のトウ側およびヒール側で、それぞれトウ・ヒール方向の中間部位をソール中央部42に隣接する部位よりもバック側に突出させた山形状の後方延長部40a,40bを有する。
このフェース側部40とソール中央部42とは、ソール部18内で最も下方に突出し、他の部分の平均肉厚よりも厚肉構造に形成され、略T字状形状の連続面を形成する。これらの低位置のフェース側部40およびソール中央部42は、急傾斜部48を介して高位置の平坦状部44,46に連結されている。なお、平均肉厚とは、例えば同じ領域内で3箇所以上のポイントで測定した測定値の平均値をいう。
これらのフェース側部40及びソール中央部42が形成する略T字状の部分の肉厚を、例えば1.0〜5.0mm、平坦状部44,46の肉厚を、この略T状部分よりも薄い、例えば0.6〜2.0mmとすることにより、重心Gの位置を低くし、しかも、左右及び前後にバランスよく重量配分することができる。この重心Gは、フェース側部40の上方に重なる状態に配置され、シャフト基準面Rは、このフェース側部40に配置されることが好ましい。この場合には、ソール前部18aとソール部材28との接合部がフェース側部40内に位置し、重心アングルkは、20〜35度程度に形成することが好ましい。
また、このソール部18が、リーディングエッジ12bに隣接する部位、すなわちソール前部18aよりも、そのバック側を、ヘッド本体10aよりも比重の大きな高比重材料のソール部材28で形成することにより、内部空間N側に凹設される平坦状部44,46により重心Gの位置が高くなるのをその比重差で防止し、重心Gの位置を低くかつバック側の深い位置に配置することができる。
この高比重材料は、比重が6以上であることが好ましく、例えばステンレス鋼、タングステン合金、真鍮、銅等であってもよい。これに対し、フェース側に用いる低比重材料は比重が6未満であることが好ましく、例えばチタン、チタン合金、アルミニューム、アルミニューム合金、マグネシウム等の金属や、繊維強化樹脂、繊維強化金属等の複合材料であってもよい。特に、ソール部材28をこのような高比重材料で形成する場合には、ヘッド本体10a、特に、リーディングエッジ12bからバック側に7mm〜30mm以内のソール前部18aを低比重材料で形成することが好ましい。これにより、フェース側部40をソール中央部42と共に厚肉構造に形成しても、重心Gの位置をフェース部12からバック側の深い位置に配置することができる。また、ヘッド本体10aとソール部材28との間の、ろう付け、溶接等の固着部に作用する衝撃を緩和し、強度の安定化を図ることができる。
図10は、他の実施形態によるクラブヘッド10Aを示す。なお、以下に説明する実施形態又は変形例は、基本的には上述の実施形態と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10に示すクラブヘッド10Aは、特に、重心G及びスイートスポットSの基準水平面Bからの高さを低く抑えながら重心アングルk(図2)を大きくし、スイング操作を容易に行うことができる打ち易いゴルフクラブを形成するものである。
本実施形態のクラブヘッド10Aは、ソール部材28の内面から内部空間N内に突出部29を突出させてある。このような突出部29は、複数箇所に設けてもよく、必要個所に重量を集中させ、他の部分を薄肉化することにより、重量配分を更に最適にすることができる。これらの突出部29は、ソール部材28の一部を厚肉化させた一体構造に形成してあるが、例えばソール部材28よりも比重の大きい材料で別部材で形成した突出部29である高比重部材を、ソール部材28に一体化することも可能である。
図10に示すように、フェース前部18aの突条部32のバック側に配置する場合は、固着縁部38a(図8)のバック側に配置し、突条部32との間に、例えば0.6〜2.0mm程度の間隙を形成することが好ましい。この場合には、固着縁部38aよりも内部空間N側に突出しても、突条部32を超えて固着材料が薄肉厚部30側に流れるのを防止することができる。
図11は、このような突出部29を配置した重量部を格子状の領域で示してある。図示の実施形態では、フェース側部40には、ソール部材28(図10)の突部38から後方延長部40a,40bまでトウ側及びヒール側に分散させて突出部による重量部29a,29bを配置し、形成し、ソール中央部42には、バック側に突出部による重量部29cを配置してある。これにより、左右方向及び上下方向の慣性モーメントを大きくし、重心Gの位置を低くすることができる。更に、重心Gの位置を前後に沿って所要位置に配置することで、スイートスポットSの位置を低い位置に設定することができる。
なお、突出部29は、ソール部材28に限らず、ヘッド本体10aの所要部位に配置してもよい。突出部29をソール部材28と別部材で形成する場合には、ソール部材28を比重の重い材料と比重の軽い材料(例えば、ヘッド本体10aと同じ比重又はこれよりも比重の軽い材料)を組合わせて形成することもできる。複数の材料を組合わせる場合には、鋳造、溶接、接着等の任意の方法で固着することができる。
また、ヘッド本体10aは、フェース前部18aの全てがソール部材28よりも比重の小さい材料で形成することが好ましいが、ソール前部18aの大部分(例えば50%以上)が上述のような比重の軽い材料で形成されていればよい。これに対して、ソール部材28は、ソール前部に対して1.3倍、好ましくは1.5倍以上大きな比重の材料で形成することが好ましい。これにより、上述のシャフト基準面Rからフェース側のソール前部18aの比重をソール部材28の比重よりも小さく(軽く)できる。
このようなクラブヘッド10Aは、重心GとスイートスポットSとを含みかつ基準水平面Bに垂直な面内におけるフェース部12の上端すなわちトップライン12aの基準水平面Bからの高さ20mm〜40mmのフェアーウェイウッドとしてに形成した場合には、上述のソール前部18aとソール後部18bとの組合せにより、重心Gの高さを基準水平面Bから13mm以下が好ましい10〜12mmの範囲に設定すると共に、スイートスポットSの位置を基準水平面から23mm以下が好ましい18〜21mmの範囲に設定することができる。また、重心アングルkは、30度以上が好ましく、少なくとも26度以上で可能な限り大きくすることが好ましいが、36度以下であればよい。
このようなクラブヘッド10Aを有するゴルフクラブは、打球時にフェース部12に作用する衝撃を、ソール前部18aの薄肉厚部30及びソール部材28で受けて反発力に転換でき、打球時の反発性の向上と安定化を図ると同時に、重心GとスイートスポットSとのそれぞれの高さを共に低くし、かつ、重心アングルkを大きくすることにより、ヘッドが返り易く、スライスが生じ難くなり、打出し角度を大きくして、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性に優れたゴルフクラブを形成することができる。
また、ソール部材28のトウ・ヒール方向の長さ又は開口部19の前後方向長さを、フェース部12の特に打球面14のトウ・ヒール方向長さ(図1に示す鎖線14a,14b間の距離)よりも長く形成する場合には、打球位置がばらついても、相対的に慣性モーメントを大きくでき、しかも、重心アングルkを効率よく大きくすることができ、これにより、ヘッドを返し易くかつ打出し角度を大きくして、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性の優れたゴルフクラブを形成することができる。
ソール部材28が、ソール部18を超えて、トウ側又はヒール側のサイド部20,22まで延びるものであってもよい。この場合には、ソール部材28の側部端部がソール部18とサイド部20,22との間の稜線部23と、サイド部20,22とクラウン部16との間の稜線部21の間で終端し、より効率的に慣性モーメントと重心アングルを大きくすることができ、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性の優れたゴルフクラブを形成することができる。
更に、ソール部材28が、フェース・バック方向すなわち前後方向の長さを、打球面14のトウ・ヒール方向長さよりも長く形成してもよく、この場合には、より確実に重心アングルを大きくすることができ、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性に優れたゴルフクラブを形成することができる。
ソール部28材が、バック側とトウ側との少なくとも一方に、突出部29による重量部を形成する場合には、更に効率よく重心アングルを大きくすることができ、更に、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性に優れたゴルフクラブを形成することができる。
ソール部18又はバック部24に、ソール部材28よりも比重の大きな高比重部材を配置する場合には、更に効率よく重心アングルを大きくし、飛距離の向上と方向性の安定化、及び、スイング操作性に優れたゴルフクラブを形成することができる。
上述のクラブヘッド10,10Aは、図2および図3に示すように、クラウン部16も、上述の打球面のセンター位置Mを通りかつ基準水平面Bおよび打球面に垂直に、前後方向に延びる中央面C(図3)を中心としてトウ・ヒール方向にほぼ対称的な形状を有する。
このクラウン部16は、フェース部12に隣接したトップライン12aのバック側でこのトップライン12aに沿ってトウ・ヒール方向に延びるクラウン前部50を形成され、このクラウン前部のトウ・ヒール方向中間部位でこのクラウン前部50からバック部24までクラウン中部52が延びる。このクラウン中部52のトウ側およびヒール側にそれぞれ平面状部54,56が内部空間N側に凹設され、低位置の平面状部54,56が傾斜状部58,60を介して高位置のクラウン前部50およびクラウン中部52に連結される。これにより、クラウン前部50とクラウン中部52とが、クラウン部16側からの平面視で略T字状の形状を形成し、トウ・ヒール方向の中間部位が上方に突出した滑らかな湾曲面を形成する。
クラウン前部50の前後方向に沿う幅は、センター位置Mを通る中央側で狭く、クラウン中部52からトウ側およびヒール側に離隔するにつれて次第に広くなるように形成することができる。また、クラウン中部52のトウ・ヒール方向の寸法は、バック側に向けて次第に狭くなるように形成されている。
このクラウン中部52のトウ側およびヒール側に凹設された平面状部54,56は、平坦な平面状に形成されており、また、バック側は外方に開口しており、クラウン前部50およびクラウン中部52に滑らかに連続する稜線部21を介してサイド部20,22に移行する。この平面状部54,56は、平坦な平面に形成するだけでなく、緩やかな凸面状又は凹面状に形成してもよく、凸面、凹面および平面を組合せた湾曲面であってもよい。
平面状部54,56は前部傾斜部58a,60aを介してクラウン前部50に連結され、中部傾斜部58b,60bを介してクラウン中部52に連結されている。これらの前部傾斜部58aと中部傾斜部58bとは、互いに連続して延びる滑らかに湾曲した傾斜状部58を形成し、同様に、前部傾斜部60aと中部傾斜部60bとも、互いに連続して延びる滑らかに湾曲した傾斜状部60を形成する。これらの傾斜状部58,60は、上下に段差を形成する立体構造のクラウン部16の構造上の強度を増大する。また、これらの傾斜状部58,60は、平面状部54,56との間に谷線を形成する。これらの谷線は、稜線部21,23と同様に、応力集中を防止するために、丸みを持った凹面で形成ことが好ましい。このようなクラウン部16は、明らかなように、平均肉厚を、フェース部12及びソール部18の平均肉厚よりも薄く形成してある。
図7、図9及び図12に示すように、クラブヘッド10,10Aのクラウン前部50の内面には前後方向に延びるリブ62を形成し、クラウン中部52の内面にはトウ・ヒール方向に延びるリブ64形成し、更に、平面状部54,56の内面にもリブ66を形成してある。これらのリブにより、薄肉構造のクラウン部16を補強し、低重心化を図ることができる。特に、平面状部54,56がクラウン前部50よりも低位置に配置されることで、低重心化を効率よく図ることができる。
また、図13に示すように、クラウン中部52がクラウン前部50から連続してバック側に延びる場合には、クラウン前部50からクラウン中部52に連続して延びるリブ62を設けることもでき、これにより、クラウン前部50からクラウン中部52に至る前後方向の強度を向上させることができる。
傾斜状部58,60の内面は、このようなリブのない滑らかな面、又は、リブ62,64,66,68よりも高さと断面積との少なくとも一方が小さい突条又は突起部(図示しない)を配置した面で形成してもよい。これにより、クラウン、平面状部に生じる振動の差を小さくでき、心地よい、適度な残響音としやすい効果が得られる。
このようにリブ62,64,66,68を形成することにより、打球時における衝撃力が及ぼす影響に応じた耐変形性をクラウン部16に付与することができ、ソール部18と共に、バック側のエネルギーをフェース部12に効率よく伝達することが可能となる。しかも、傾斜状部58,60には、クラウン前部50や平面状部54,56に設けたようなリブを形成しないことにより、快適な打球音を発生させることができる。これは、狭いエリアを分割して、不協な音を発生させない、残響音を押えすぎないためである。なお、このようなリブは、クラウン前部50と平面状部54,56との少なくとも一方の内面に設けることにより、強度を維持しつつ薄肉化が可能で、好適な打球音を発生させることができる。
また、クラウン中部52は、省略することも可能であり、この場合には、クラウン前部50が傾斜状部58,60を介して平面状部54,56に連結され、これらの平面状部54,56は連続した滑らかな1つの面を形成する。この場合には、オーソドックスな形状で、安心して構えることができる利点を有する。
いずれの場合も、クラウン前部50に形成するリブ62は、図7に示すように、例えば先端である一部がフェース部12に達するものであってもよい。この場合には、フェース強度、打球感の調整や、CT値、打球音の調整を行える利点を有する。また、その一部がフェース部に達することにより、クラウン前部の単体での振動を押え、打球音調整を行いやすくできる。
また、平面状部54,56に設けるリブ66,68は、例えば外端部である一部がバック部24又はサイド部20,22に達することが好ましい。これにより、平面状部54,56を薄肉化しても必要な強度を維持でき、低重心化を図ることができる。また、一部がバック部又はサイド部に達するリブを内面に有する場合には、平坦部単体での振動を押え、打球音調整を行いやすくできる。
これらのリブ62,64,66,68は、クラウン部16を形成する材料で一体に形成してもよく、又は、別部材で形成した後、各部の内面に固定するものであってもよい。このようなリブは、内面から突出する高さが0.3〜2.0mm、延設方向に対して直交する幅が0.3〜2.0mm程度に形成することが好ましく、それぞれの配置部位によって断面形状を変更してもよい。更に、各リブを延設する方向は、前後方向だけでなく、傾斜させてもよく、配置する数も、配置位置に応じて変更することが可能である。
例えば、クラウン前部50には、例えば高さが0.6〜3.0mm、幅が0.6〜3.0mm程度で矩形又は台形状の断面形状を有するリブ62を、10〜40mm程度の間隔で配置し、平面状部54,56には、例えば高さが0.6〜3.0mm、幅が0.6〜3.0mm程度で矩形又は台形状の断面形状を有するリブ66を、5〜30mm程度の間隔で配置しすることが好ましい。これにより、心地よい高音の適度な残響音の効果が得られる。
また、クラウン中部52に配置するリブ64は、例えば高さが0.6〜3.0mm、幅が0.6〜3.0mm程度で矩形又は台形状の断面形状に形成することが好ましい。このようなリブ64により、クラウン全体の振動が調整しやすく、心地よい適度な残響音としやすい効果が得られる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、上述の説明は例示であり、種々の変更又は変形が可能なことは明らかである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後部のバック部とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、
前記クラウン部は、前記フェース部のトップラインのバック側で、このトップラインに沿ってトウ・ヒール方向に延びるクラウン前部と、
前記クラウン前部からバック側に向けて前記ソール側に傾斜する傾斜状部と、
前記クラウン前部のバック側で、前記内部空間側に凹設された平面状部と、を有し、
前記クラウン部の平均肉厚を、フェース部及びソール部の平均肉厚よりも薄く形成し、
前記クラウン前部と平面状部との少なくとも一方の内面に、この内面から内部空間内に突出するリブを形成し、
前記傾斜状部の内面は、リブのない滑らかな面、又は、前記補強リブよりも高さと断面積との少なくとも一方が小さい突条を配置した面で形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
[2] 前記クラウン前部のトウ・ヒール方向に沿う中間部位で、このクラウン前部から連続してバック側に延びるクラウン中部を備え、
前記平面状部は、前記クラウン中部のトウ側とヒール側とに配置され、
前記傾斜状部は、平面状部をクラウン前部に連結する前部傾斜部と、平面状部をクラウン中部に連結する中部傾斜部とを有し、
前記クラウン中部の内面に、内部空間内に突出するリブを形成したことを特徴とする[1]に記載のゴルフクラブ。
[3]
前記クラウン前部は、一部がフェース部に達するリブを内面に有することを特徴とする[1]又は[2]に記載のゴルフクラブ。
[4] 前記平面状部は、一部がバック部又はサイド部に達するリブを内面に有することを特徴とする[1]から[3]のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。


10…クラブヘッド、12…フェース部、16…クラウン部、18…ソール前部、20,22…サイド部、24…バック部、28…ソール部材、30…薄肉厚部、32…突条部、N…内部空間。

Claims (4)

  1. フェース部と、クラウン部と、ソール部と、トウ側及びヒール側のサイド部と、後部のバック部とで外殻を形成し、この外殻内に内部空間を形成した中空構造の金属製クラブヘッドを備えるゴルフクラブであって、
    前記クラウン部は、前記フェース部のトップラインのバック側で、このトップラインに沿ってトウ・ヒール方向に延びるクラウン前部と、
    前記クラウン前部のトウ・ヒール方向に沿う中間部位で、このクラウン前部から連続してバック側に延びるクラウン中部と、
    前記クラウン前部のバック側で、前記クラウン中部のトウ側とヒール側とに配置され、前記内部空間側に凹設された平面状部と、
    前記平面状部をクラウン前部に連結する前部傾斜部と、前記平面状部をクラウン中部に連結する中部傾斜部とを有し、前記クラウン前部からバック側に向けて前記ソール側に傾斜する傾斜状部と、を備え
    前記クラウン部の平均肉厚を、フェース部及びソール部の平均肉厚よりも薄く形成し、
    前記クラウン前部と平面状部との少なくとも一方の内面に、この内面から内部空間内に突出するリブを形成し、
    前記傾斜状部の内面は、リブのない滑らかな面、又は、前記リブよりも高さと断面積との少なくとも一方が小さい突条を配置した面で形成したことを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記クラウン中部の内面に、内部空間内に突出するリブを形成したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記クラウン前部は、一部がフェース部に達するリブを内面に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記平面状部は、一部がバック部又はサイド部に達するリブを内面に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
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