JP5332146B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
そして、磁気回路Mcのギャップ中においたボイスコイルVcに音声波形に基づく電流を流すことにより、ボイスコイルVcが磁力線の直角方向に往復運動して直結しているコーン振動板Cを駆動する。
非特許文献1においては、上記のメカニカルな支持構造に代えて、エアダンパを用いることにより上記の課題を解決する方法が示されている。
特許文献1においては、ダブルボイス構造で、それぞれのコイルにおいて、オーディオ信号による駆動電流にバイアス電流を重畳することにより、振動の基準位置を制御する技術が開示されている。
特許文献2においては、ボイスコイルが静止位置にある際に磁場から外れる位置に第3のコイルを設け、該第3のコイルにより動作時のプレーキングを行わせる技術が開示されている。該技術においては、基準振動位置は従来通りメカニカルな構造により制御されている。
Guy Lemarquand "New structure of loudspeaker", Audio Engineering Society Convention Paper 6846 Presented at the 120th Convention, May 2006.
(A;構成)
(A−1;全体構成)
図1は、スピーカ1の全体構成を示した図である。なお、図1では、ボイスコイルが静止位置(基準位置)にある場合について示す。
スピーカ1は、筐体であるヨークと、該ヨークと接触しながらすべり運動するボイスコイルとに大別される。
まず、ヨークの構成について図1を参照して説明する。ヨークは、外部ヨーク11と内部ヨークからなる。
外部ヨーク11は、鉄等の磁性体で構成され、後方(図中左側)が底面となっている円筒形状を有している。
内部ヨークは、略円柱状構造であり、外部ヨーク11の底面に固定された保持部12と、この保持部12に隣接している後部プレート13と、後部プレート13に隣接しているマグネット14と、マグネット14に隣接している前部プレート15によって構成されている。
ボビン21は円筒状に形成され、前述した円筒状の空隙に軸心を共通するようにして配置されている。このようにして、外部ヨーク11と内部ヨークの隙間に嵌め込まれたボビン21は、互いの軸心が一致するように、前述した摺動部16によって、その軸心方向に移動可能に支持されている。
外部ヨーク11とボビン21とは、上記突起構造の先端において接触しているため、ボビン21が外部ヨーク11中で接触しながらすべり運動する際に生じる接触抵抗は極めて小さく、その運動抵抗は無視できる。この実施形態においては、ボビン21の外周面で、上記摺動部16の突起構造と接触する領域には摩擦を低減するための平滑処理(例えば、メッキなど)が施されている。
次に、ボイスコイルの構成について説明する。ボイスコイルは、ボビン21と振動板22と後部コイル23と位置制御コイル24と前部コイル25とを有する。
振動板22は、コーン型の振動板であり、ボビン21の前端の外周部に固着されている。この振動板22は、例えば、木材パルプを中心にした炭素繊維など各種の繊維質を配合してなる紙、アルミなどの金属やセラミックス、又はポリプロピレンなどのプラスチックなどから形成されている。
前部コイル25は、ボイスコイルが図1に示す基準の位置にある状態で、前部プレート15の前端と後端から各々所定長オフセットした位置に詰めて巻き付けられている。同様に後部コイル23は、後部プレート13の前端と後端から各々所定長オフセットした位置に詰めて巻き付けられている。位置制御コイル24は、マグネット14の全領域とオーバーラップすると共に、前部プレート15および後部プレート13と互いに同じ長さだけオーバーラップするように詰めて巻き付けられている。
また、位置制御コイル24には、直流電源31から一定の大きさの直流電流DC(Direct Current)が供給される。なお、直流電源31としては、商用電源を直流に変換する直流定電流回路(スイッチングレギュレータなど)や電池などのような電流供給手段が用いられる。
なお、同図は、後部コイル23、位置制御コイル24、および前部コイル25に供給される電流の極性を模式的に表すためのものであり、コイルの巻き数や巻き付ける密度を正確に示すものではない。また、磁気ギャップに書き込まれた矢印は、各磁気ギャップに形成された磁界の方向を表す。
次に、上記の構成を有するスピーカ1の動作について説明する。
スピーカ1にオーディオ信号が供給されていない時の動作について説明する。上述したように、オーディオ信号が供給されていない場合にも、位置制御コイル24には定常的に直流電流DCが供給されている。位置制御コイル24は、ボイスコイルが図1に示した基準の位置にある場合に、両端の所定長が磁気ギャップを横切るように巻き付けられていることから、位置制御コイル24の両端には、磁気ギャップに形成された磁界から定常的にローレンツ力が働く。以下では、該ローレンツ力の特性について説明する。
このとき、各磁気ギャップを横切る位置制御コイル24の長さは、位置制御コイル24の前端および後端で等しいことから、それらローレンツ力は逆向きで大きさが等しく、釣り合っている。
一方、ボイスコイルが後向きに移動した場合には、上述の説明と同じ仕組みにより、生じるローレンツ力の和はボイスコイルの移動と逆方向(前向き)となる。
位置制御コイル24を流れる電流に対するローレンツ力であり、ボイスコイルの移動とは逆の方向に働く力を、以下では「電気バネ力」と呼ぶ。また、該電気バネ力によりボイスコイルが安定化される上記基準の位置を、以下では「基準位置」と呼ぶ。
スピーカ1にオーディオ信号が供給されている時の動作について説明する。前部コイル25および後部コイル23には、オーディオ信号に基づいた波形の電流が供給される。例えば、周波数800Hzの音(純音)を表すオーディオ信号は、800Hzの正弦波の交流として入力される。前部コイル25および後部コイル23は、それぞれ磁気ギャップに形成された磁界を垂直に横切るようにボビン21に巻き付けられていることから、前部コイル25および後部コイル23に電流が供給されると、磁気ギャップに形成された磁界からローレンツ力が生じる。以下では、該ローレンツ力によるボイスコイルの駆動について説明する。
以上のように、ボイスコイルは、オーディオ信号が供給されていない時には、位置制御コイル24に働く電気バネ力により基準位置へ安定化されている。そして、オーディオ信号が供給されている時には、オーディオ信号に基づく駆動力と位置制御コイル24による電気バネ力とにより、オーディオ信号の波形と対応して振動する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように種々の態様で実施することができる。なお、以下に説明する種々の実施形態を、適宜組み合わせて実施することも可能である。
位置制御コイル24をボビン21に巻き付ける密度を以下のようにしても良い。
(A)位置制御コイル24をボビン21に巻き付ける密度を一様に高くしても良く、その場合、移動に応じた電気バネ力は大きくなる。逆に密度を低くした場合、電気バネ力は小さくなる。
(B)位置制御コイル24をボビン21に巻き付ける密度を局所的に高くしても良く、その場合、電気バネ力は、ボイスコイルの移動に応じて多様に制御される。例えば、位置制御コイル24が、巻き幅の中心付近で高い密度、両端で低い密度で巻き付けられている場合には、ボイスコイルの移動が大きくなるにつれてボイスコイルが移動しにくくなるように大きい電気バネ力が働く。
また、位置制御コイル24に供給される直流電流値を以下のようにしても良い。
(C)位置制御コイル24に供給される直流電流値を高く設定した場合、電気バネ力は大きくなる。逆に小さく設定した場合、電気バネ力は小さくなる。
(D)位置制御コイル24に供給される直流電流値を、楽曲の種類や音響空間の種類に応じて異なる値に設定することができるようにしても良い。そのようにすれば、状況に適した音響特性の音を放音させることが可能である。例えば、図7に示すような可変出力の直流電源32を設け、その出力値をスイッチSW1〜SWnによって選択するように構成しても良い。また、図8に示すように、アンプ30に直流電源32の出力値を指示する制御信号を出力する機能を付加し、直流電源32は供給される制御信号に応じて出力値を変えるようにすればよい。この場合は、アンプ30に選択スイッチを設け、該スイッチの状態に応じて制御信号の内容を変えてもよいし、オーディオ信号を解析した結果やオーディオ信号を供給するオーディオ機器(外部機器)からの信号によって楽曲の種類(音域検出や拍検出によってジャンルを特定するなどの処理をして特定)や音響空間の種類を自動的に特定する機能をアンプ30に設け、該特定された楽曲の種類や音響空間の種類に応じて、上記制御信号を出力するようにしても良い。
(E)マグネット14を交換したり、磁気ギャップの間隔を変えたりすることで、磁気ギャップに形成される磁界の強さを変えても良い。
以上に例示したように、電気バネ力の態様は、ユーザが適宜設定すれば良い。以上に説明したように、バネ特性を電気的に設定することにより、機械的な支持部材によっては実現することが難しい音響効果も実現可能である。
(例1)例えば、図9に示すように、位置制御コイル24の巻き幅を、前部プレート15の前端から後部プレート13の後端までとし、磁気ギャップにオーバーラップしないようにしても良い。その場合、位置制御コイル24は、図9の破線で囲まれた領域において、紙面裏側から手前に電流が流れるようにする。そして、ボイスコイルが基準位置にある時には、位置制御コイル24は磁気ギャップを横切っていないためローレンツ力は働かないが、ボイスコイルが例えば前向きに移動すると、位置制御コイル24の前端が磁気ギャップを横切るため、該新たに磁気ギャップを横切った位置制御コイル24の部分にローレンツ力が働き、ボイスコイルは移動方向と逆の方向(後向き)に力を受ける。ボイスコイルが後向きに移動した場合は、前向きにローレンツ力を受ける。以上のようにすれば、上記実施形態と同様に、ボイスコイルは基準位置に安定化される。
ボイスコイルが前向きに移動した場合に働くローレンツ力について説明する。図11は、図10に示したボイスコイルが前向きに移動した場合の位置制御コイル24と磁気ギャップの位置関係について示している。なお、同図においては、前部コイル25および後部コイル23の図示を省略する。
このとき、位置制御コイル24Fには前向きにローレンツ力が生じ、位置制御コイル24Bには後向きのローレンツ力が生じる。そして、位置制御コイル24Bは、位置制御コイル24Fと比較して、磁気ギャップを横切る長さが長いことから、位置制御コイル24Bに対するローレンツ力は位置制御コイル24Fに対するローレンツ力より大きくなる。その結果、位置制御コイル24に生じるローレンツ力のベクトル和は、ボイスコイルの移動とは逆の後向き(図中左方向)となる。
ボイスコイルが後向きに移動した場合にも、移動と逆の方向(前向き)にローレンツ力が働くが、ここではその説明を省略する。
このように、上記の態様によっても、ボイスコイルは基準位置に安定化される。
ボイスコイルが前向きに移動した場合に働くローレンツ力について説明する。図13は、図12に示したボイスコイルが前向きに移動した場合の位置制御コイル24と磁気ギャップの位置関係について示している。なお、同図においては、前部コイル25および後部コイル23の図示を省略する。
このとき、位置制御コイル24fには後向きにローレンツ力が生じ、位置制御コイル24bには前向きのローレンツ力が生じる。そして、位置制御コイル24fは、位置制御コイル24bと比較して、磁気ギャップを横切る長さが長いことから、位置制御コイル24fに対するローレンツ力は位置制御コイル24bに対するローレンツ力より大きくなる。その結果、位置制御コイル24に生じるローレンツ力のベクトル和は、ボイスコイルの移動とは逆の後向き(図中左方向)となる。
ボイスコイルが後向きに移動した場合にも、移動と逆の方向(前向き)にローレンツ力が働くが、ここではその説明を省略する。
このように、上記の態様によっても、ボイスコイルは基準位置に安定化される。
図14は、磁性流体による支持機構を採用したスピーカ1の断面を示した図である。磁性流体とは、表面が界面活性剤により処理された微細な磁性粒子を媒体に懸濁させた液体である。
外部ヨーク11の内側面には、凹部構造18が設けられており、該凹部構造18は磁石からなる。該凹部構造18に磁性流体19が流し込まれることにより、磁性流体は凹部構造18の中で流動的に保持される。
ボビン21は表面がなめらかな非磁性体で構成され、外部ヨーク11の内側面に挿入されている。そのとき、ボビン21の外周面は、磁性流体19を介して外部ヨーク11中に保持される。すなわち、ボイスコイルが磁性流体19中に浮いているように保持される。そして、ボイスコイルが上記実施形態で説明したように振動した場合にも、磁性流体19は、凹部構造18を構成する磁石との間で引力を生じているからそのまま凹部構造18内に保持される。
以上のように、ボイスコイルが外部ヨーク11との間で磁性流体19を介して保持されることにより、ボイスコイルが外部ヨーク11の中で振動した場合にも、生じる接触抵抗を小さく抑えることができる。また、外部ヨーク11とボイスコイルとは直接接してすべり運動することがないため、その接触箇所が磨耗するなどの問題も生じない。
なお、磁性流体19の流動抵抗を変化させることにより、ボイスコイルと外部ヨーク11との間に生じる抵抗を制御するようにしても良い。その場合、磁性流体19を生成する際に用いる界面活性剤や液媒体の化学組成などを変えることにより磁性流体の特性を制御すれば良い。
図15は、ベアリングによる支持機構を採用したスピーカ1の断面を示した図である。
外部ヨーク11の内側面には、従来のボールベアリング機構17が設けられている。ボビン21の外周面はメッキなどにより表面がなめらかに加工され、上記ボールベアリング機構17が設けられた外部ヨーク11の内側面に挿入されている。このとき、ボビン21は、上記ボールベアリング機構17を介して外部ヨーク11中に保持される。そして、ボイスコイルが上記実施形態で説明したように振動した場合には、ボイスコイルは滑らかにすべり運動する。また、外部ヨーク11とボイスコイルとはボールベアリング機構17を介して接しているため、その接触箇所が著しく磨耗するなどの問題も生じない。
本変形例に示すスピーカの構成は、一点の差異を除いて該従来のスピーカと同じである。該一点の差異とは、エッジの機械的特性である。
従来のスピーカにおいては、エッジを構成する材料は、繊維質の材料やウレタンフォームなどの材料が一般に用いられている。このような支持部材によりボイスコイルを保持する場合に、弾性が非常に弱い支持部材を用いても良い。例えば支持部材の厚みを薄く加工したり、弱い材質で作成された支持部材を用いたりすれば良い。そのようにすれば、支持部材のバネ特性がボイスコイルの駆動に大きな影響を及ぼすことが抑制される。
Claims (3)
- 筒状のボビンと、
前記ボビンをその軸方向にスライド可能に支持する支持機構と、
磁石と磁路形成部材とを有し、両者によって筒状の空隙である磁気ギャップが形成され、前記磁気ギャップに前記ボビンが軸心を共通するように配置されるとともに、前記磁気ギャップにおいて前記ボビンの内外を貫く磁界が形成される磁路形成フレームと、
前記ボビンに巻き付けられる制御コイルと、
前記制御コイルに対して一定の直流電流を供給する回路と、
前記制御コイルを挟んで、前記ボビンの一端側および他端側に巻き付けられる第1、第2のコイルとを有し、
前記磁界は前記制御コイルの一端側に対して他端側が逆方向となるように形成され、前記制御コイルに前記一定の直流電流を流した場合に、前記ボビンが基準位置からスライドするとこれを押し戻す方向に、前記制御コイルにローレンツ力が働くように設定されていること
を特徴とするスピーカ装置。 - 前記磁石に隣接して前記ボビンの一端側で前記磁界を形成する第1プレートと、前記磁石に隣接して前記ボビンの他端側で前記一端側と逆方向の磁界を形成する第2プレートとを有し、
前記制御コイルの巻き幅が、前記第1プレートの前記第2プレート側の端から前記第2プレートの前記第1プレート側の端まで、
または、前記第1、第2コイルに電流が流れていない場合に、前記制御コイルは、前記磁石と前記磁路形成部材との間のギャップにオーバラップし、且つ、一端側が前記第1プレートと前記磁路形成部材との間の磁気ギャップにオーバラップする長さと、他端側が前記第2プレートと前記磁路形成部材との間の磁気ギャップにオーバラップする長さとが同じ長さであること
を特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。 - 入力電流を増幅し、該増幅された入力電流を前記第1、第2のコイルに互いに逆方向に供給する出力手段を
更に有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。
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