JP5363267B2 - プログラム及び運転整理ダイヤ作成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転整理ダイヤ作成装置等に関する。
鉄道では、事故や故障、災害等によって列車の運行に乱れが生じた場合、乱れたダイヤを正常な運行に復帰させるため、列車ダイヤを修正・変更する運転整理が行われる。この運転整理は、ダイヤが乱れて乗客に不便を強いる状況において実施されるものであるため、迅速且つ効率の良い運転整理が望まれる。近年では、迅速且つ効率の良い運転整理を実現するため、コンピュータを用いた様々な手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−50819号公報
ところで、列車の運行乱れの発生直後などには、運休させたくとも運休手配が間に合わず運休不可能となる列車が発生することがある。しかしながら、従来の運転整理の提案手法では、このような運休などの手配が間に合わなかった列車に対する手当はなされておらず、作成された運転整理ダイヤが実現され得ないダイヤとなってしまうおそれがある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、運行乱れの発生直後などの運休手配が間に合わない列車に対する適切な対処を行うことで、ダイヤの平常回復を早めた適切な運転整理を実現することを目的としている。
上記課題を解決するための第1の形態は、
コンピュータに、所与の支障区間、所与の支障時間帯および所与の手配開始時刻をもとに、列車ダイヤに対する運転整理を行って運転整理ダイヤを作成させるためのプログラムであって、
前記支障区間を内包し、折返し可能駅を両端とする運休対象区間を設定する運休対象区間設定手段、
前記運休対象区間の端駅のうち、臨時折返しの設定対象とする臨時折返し駅を選択する臨時折返し駅選択手段、
前記支障区間及び前記支障時間帯に基づいて、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、運休候補とする運休候補列車を選択する運休候補列車選択手段、
前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記手配開始時刻において前記支障区間内を走行する列車を検索して遅延承知列車として設定する遅延承知列車設定手段、
前記運休候補列車それぞれについて、前記運休対象区間の前記臨時折返し駅での臨時折返しを設定する臨時折返し設定手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記臨時折返し設定手段が、
当該運休候補列車に対応して予め定められた前記臨時折返し駅での折返し相手列車が前記遅延承知列車の場合に、この折返し相手列車を前記臨時折返し駅で切断する切断手段と、
前記切断手段により切断された前記折返し相手列車の前記臨時折返し駅以降の列車部分に当該運休候補列車を臨時折返しするよう設定する切断列車折返し設定手段と、
を有するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
また、他の形態として、
所与の支障区間、所与の支障時間帯および所与の手配開始時刻をもとに、列車ダイヤに対する運転整理を行って運転整理ダイヤを作成する運転整理ダイヤ作成装置であって、
前記支障区間を内包し、折返し可能駅を両端とする運休対象区間を設定する運休対象区間設定手段と、
前記運休対象区間の端駅のうち、臨時折返しの設定対象とする臨時折返し駅を選択する臨時折返し駅選択手段と、
前記支障区間及び前記支障時間帯に基づいて、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、運休候補とする運休候補列車を選択する運休候補列車選択手段と、
前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記手配開始時刻において前記支障区間内を走行する列車を検索して遅延承知列車として設定する遅延承知列車設定手段と、
前記運休候補列車それぞれについて、前記運休対象区間の前記臨時折返し駅での臨時折返しを設定する臨時折返し設定手段と、
を備え、
前記臨時折返し設定手段は、
当該運休候補列車に対応して予め定められた前記臨時折返し駅での折返し相手列車が前記遅延承知列車の場合に、この折返し相手列車を前記臨時折返し駅で切断する切断手段と、
前記切断手段により切断された前記折返し相手列車の前記臨時折返し駅以降の列車部分に当該運休候補列車を臨時折返しするよう設定する切断列車折返し設定手段と、
を有する、
運転整理ダイヤ作成装置を構成しても良い。
この第1の形態等によれば、所与の支障区間及び支障時間帯に基づいて、列車ダイヤを構成する列車のうち、運休候補とする運休候補列車と遅延承知列車とが設定され、設定された運休候補列車それぞれについて、運休対象区間の端駅である臨時折返し駅での臨時折返しが設定される。具体的には、運休候補列車に対して予め定められた臨時折返し駅での折返し相手列車が遅延承知列車の場合に、この折返し相手列車が臨時折返し駅で切断され、切断された折返し相手列車の臨時折返し駅以降の列車部分に運休候補列車を臨時折返しするように設定される。ここで、遅延承知列車は、手配開始時刻において支障区間内を走行する列車であり、つまり、大幅な遅延が見込まれる列車である。このように、遅延承知列車を臨時折返し駅で切断して2本の列車とし、臨時折返し駅以降の列車部分を運休候補列車の折返しで充当することで、少なくとも、切断された臨時折返し駅以降の列車部分については、遅延承知列車を切断せずにそのまま運行させる場合に比較して遅延が解消され得る。これにより、列車ダイヤの回復を早める運転整理が実現される。
また、第2の形態として、第1の形態のプログラムであって、
前記運休候補列車選択手段が、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記支障区間及び前記支障時間帯に差し支える上下方向それぞれの支障列車の最大の数分の運休候補列車を、前記手配開始時刻から順番に上下方向それぞれ選択するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第2の形態によれば、運休候補列車として、列車ダイヤを構成する列車のうち、支障区間及び支障時間帯に差し支える上下方向それぞれの支障列車の最大の数分の列車が、手配開始時刻から順番に上下方向それぞれ選択される。つまり、運休候補列車の本数が上下方向で一致される。
また、第3の形態として、第2の形態のプログラムであって、
前記臨時折返し設定手段が、当該運休候補列車に対応して予め定められた前記臨時折返し駅での折返し相手列車が遅延承知列車でも運休候補列車でもない場合に、当該運休候補列車を遅延承知列車に変更する変更手段を有し、
前記運休候補列車選択手段が、前記変更手段により遅延承知列車に変更された数分の運休候補列車を前記順番に従って新たに追加する手段を有する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第3の形態によれば、運休候補列車に対応して予め定められた臨時折返し駅での折返し相手列車が遅延承知列車でも運休候補列車でもない場合には、当該運休候補列車が遅延承知列車に変更され、この遅延承知列車に変更された数分の運休候補列車が、手配開始時刻から順番に新たに追加される。
また、第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態のプログラムであって、
前記切断手段により切断された前記折返し相手列車の前記臨時折返し駅以前の列車部分を、当該折返し相手列車の後続の列車への継走に設定する切断列車継走設定手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
この第4の形態によれば、切断された折返し相手列車の臨時折返し駅以前の列車部分が、当該折返し相手列車の後続の列車への継走に設定される。
運転整理の対象となる列車ダイヤの一例。 支障条件及び運休候補列車の設定例。 臨時折返しパタンの設定例。 遅延承知列車の設定例。 運休候補列車の臨時折返しの設定例。 運休候補列車の臨時折返しの設定例。 作成された運転整理ダイヤの一例。 運転整理ダイヤ作成装置の機能構成図。 支障条件データのデータ構成例。 運休対象区間設定テーブルのデータ構成例。 運休対象区間データのデータ構成例。 運転整理ダイヤ作成処理のフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[原理]
先ず、本実施形態における運転整理の原理を説明する。図1は、運転整理の対象となる列車ダイヤの一例を示す図である。図1に示す列車ダイヤは、横軸を時刻t、縦軸を駅として、A駅〜Z駅間を走行する列車を列車スジで表している。なお、列車の進行方向は、A駅からZ駅に向かう方向を「下り」とし、Z駅からA駅に向かう方向を「上り」とする。
事故や車両故障等によるダイヤ乱れ時には、乱れたダイヤを正常なダイヤ(列車ダイヤ)に復帰させるため、列車ダイヤを修正・変更する運転整理が行われて運転整理ダイヤ(運転整理案)が作成される。本実施形態において、運転整理は次のように行われる。
先ず、図2に示すように、発生した列車運行の支障に関する条件(支障条件)として、列車支障区間、列車支障時間帯及びパタン手配開始可能時刻が与えられる。列車支障区間は、支障によって列車が走行できなくなった駅間である。例えば、図2では、「S駅〜T駅間」が列車支障区間である。列車支障時間帯は、支障によって列車が走行できないと想定される時間帯であり、具体的には、支障の発生時刻t1から復旧見込み時刻t3までの時間帯である。ここで、列車支障区間及び列車支障時間帯によって定まる、列車が走行することができないダイヤ面上のエリアを列車支障ゾーンという。
パタン手配開始可能時刻は、列車支障が発生した後、運休や折返し等のダイヤパタンの変更手配が可能となる時刻であり、支障発生時刻t1以降の時刻t2となる。
支障条件が与えられると、与えられた支障条件に応じて、列車を運休させる区間である運休対象区間が定められる。運休対象区間は、折返し可能駅を端駅とする駅間であって、列車支障区間を含む区間として定められる。
折返し可能駅とは、列車の折返しが可能な駅であり、ここでは、車庫や留置線が設けられている駅や、ダイヤパタンの始終着駅も含む。この折返し可能駅は、予め、駅の構造等によって定められている。例えば、図2では、列車支障区間である「S駅〜T駅間」を含む「K駅〜Z駅間」が運休対象区間であり、この端駅であるK駅及びZ駅はともに折返し可能駅である。
次いで、設定された運休対象区間の端駅それぞれについて、臨時折返しを計画する臨時折返し駅であるか否かが判定される。具体的には、端駅がダイヤパタンの始終着駅でない場合、該駅は臨時折返し駅とされ、ダイヤパタンの始終着駅である場合、該駅は臨時折返し駅とされない。例えば、図2では、運休対象区間である「K駅〜Z駅間」の一方の端駅であるK駅は臨時折返し駅であり、他方の端駅であるZ駅は、ダイヤパタンの始終着駅であるため臨時折返し駅ではない。
そして、臨時折返し駅に定められた臨時折返しパタンに従った列車の臨時折返しが計画されることで、列車ダイヤの修正・変更が行われる。臨時折返しパタンとは、該当する駅において臨時に折返しを計画するときの折返しパタンであり、折返し駅に到着した列車と、該駅において折返しでつながれる相手列車との組合せである。本実施形態では、臨時折返しパタンは、図3に示すように定められている。すなわち、運休対象区間の外方から臨時折返し対象駅に到着した列車と、該列車が到着した後、該駅から最初に発車する逆方向の列車を臨時折返しの相手列車とする組合せである。
臨時折返しの設定は、次のように行われる。先ず、運休候補列車が設定される。具体的には、列車ダイヤを構成する列車のうち、上り/下り方向それぞれについて、列車支障ゾーンにかかる列車が運行に支障が生じる支障列車として抽出される。そして、この抽出された支障列車が、運休対象区間における運休候補となる運休候補列車として設定される。
このとき、上り/下り方向それぞれの支障列車の本数m1,m2が異なる場合、上り/下り方向それぞれの運休候補列車の本数(運休本数)mが同じとなるよう、多い本数に合わせる。すなわち、少ない方向について、最後の運休候補列車の直後の列車から順に、足りない本数だけ運休候補列車として追加設定される。例えば、図2では、上り方向については、支障ゾーンにかかる列車6,8,10の3本が支障列車であり、これらが運休候補列車とされる。また、下り方向については、支障ゾーンにかかる列車3,5,7の3本が支障列車であり、これらが運休候補列車とされる。そして、運休本数mは「3」である。
次いで、図4に示すように、遅延承知列車が設定される。遅延承知列車とは、運休候補列車のうち、運休の手配などが間に合わないなどの理由で大幅に遅延することを承知で走らせる(運休不可能な)列車である。具体的には、パタン手配開始可能時刻t2において、既に運休対象区間に入り込んでいる運休候補列車が遅延承知列車とされる。
そして、上り/下り方向それぞれについて、運休候補列車から遅延承知列車に変更した本数だけ、新たに運休候補列車が追加設定される。図4では、下り方向については列車3,5の2本が遅延承知列車とされるとともに、列車7の直後の列車9,11の2本が新たに運休候補列車として追加設定される。また、上り方向については列車6の1本が遅延承知列車とされるとともに、列車10の直後の列車12の1本が新たに運休候補列車として追加設定される。
続いて、図5,図6に示すように、設定した運休候補列車それぞれについて、順に、定められた臨時折返しパタンに従って臨時折返し駅での臨時折返しが設定される。臨時折返しの設定は、臨時折返しパタンで定められる折返しの相手列車が、(a)運休候補列車、(b)遅延承知列車、(c)どちらでもない、の何れであるかに応じて異なる。
すなわち、臨時折返しに到着した運休候補列車(以下、「対象列車」という)の臨時折返しの相手列車が(a)運休候補列車のときには、対象列車を臨時折返し駅で折返してこの相手列車につなぐ。図5では、運休候補列車である列車11の臨時折返しパタンの相手列車は列車8であり、この列車8は運休候補列車である。従って、列車11は、駅において折返して列車8につなぐ折返しパタンに変更される。
また、臨時折返しの相手列車が(b)遅延承知列車のときには、この相手列車を臨時折返し対象駅で切断する。切断とは、ダイヤ上で1本の列車を異なる2本の列車に分割することであり、車両の分割併合とは異なる。そして、対象列車を、臨時折返し駅において、切断された相手列車の臨時折返し駅以降の列車に折返しでつなぐ。また、切断された相手列車の臨時折返し駅以前の列車部分は、臨時折返し駅において、同方向のm本後の列車に継走でつなぐ。例えば、図5では、列車9の臨時折返しの相手列車は列車6であり、この列車6は遅延承知列車である。従って、列車6を、臨時折返し駅である駅で、駅以前の列車部分である列車6aと、駅以降の列車部分である列車6bとに切断する。そして、列車9を、駅において折返しで列車6bにつなぐ。また、列車6aについては、同方向の3本後の列車12に、駅において継走でつなぐ。
また、臨時折返しの相手列車が(c)遅延承知列車及び運休候補列車のどちらでもないときには、臨時折返し対象駅での折返しが不可能であるため、対象列車を運休候補列車から遅延承知列車に変更する。そして、対象列車と同方向の最後の運休候補列車の直後の列車を、新たに運休候補列車として追加設定する。例えば、図6では、列車7の臨時折返しの相手列車は列車4であるが、この列車4は運休候補列車でも遅延承知列車でもない通常の列車である。従って、列車7は、運休候補列車から遅延承知列車に変更されるとともに、列車13が、新たに運休候補列車として追加設定される。
図7は、図2に示した列車ダイヤに対する運転整理を行うことで最終的に作成された運転整理ダイヤを示す図である。運転整理ダイヤでは、遅延承知列車はそのまま運行させている。また、運休候補列車は、運休対象区間において運休させているとともに、臨時折返し駅である駅において下り列車が臨時折返しされている。
[構成]
図8は、運転整理ダイヤ作成装置1の機能構成図である。図8によれば、運転整理ダイヤ作成装置1は、例えばコンピュータで実現され、機能的には、処理部10と、入力部20と、表示部30と、通信部40と、記憶部50とを備えて構成される。
処理部10は、例えばCPUで実現され、入力部20から入力されたデータや、記憶部50に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて、運転整理ダイヤ作成装置1を構成する各部への指示やデータ転送を行い、運転整理ダイヤ作成装置1の全体制御を行う。また、処理部10は、運転整理ダイヤ作成プログラム510に従った運転整理案作成処理を行って、列車ダイヤに対する運転整理ダイヤ(運転整理案)を作成する。ここで、運転整理の対象となる列車ダイヤに関するデータは列車ダイヤデータ520として記憶され、作成された運転整理ダイヤに関するデータは運転整理ダイヤデータ530として記憶される。
運転整理案作成処理では、先ず、例えば利用者による入力部20からの入力指示等に従って、運転整理の対象となる列車ダイヤに対する支障条件を設定する。ここで設定される支障条件は、列車支障区間、支障時間帯及びパタン手配開始可能時刻である。設定された支障条件は、支障条件データ560として記憶される。図9は、支障条件データ560のデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、支障条件データ560は、列車支障区間561と、支障時間帯562と、パタン手配開始可能時刻563とを格納している。
次いで、列車支障区間に応じて運休対象区間を設定する。ここで、列車支障区間と運休対象区間との対応関係は、運休対象区間設定テーブル540として予め記憶されている。図10は、運休対象区間設定テーブル540のデータ構成の一例を示す図である。図10に示すように、運休対象区間設定テーブル540は、対象路線において取り得る列車支障区間541それぞれに、運休対象区間542を対応付けて格納している。
続いて、設定した運休対象区間の端駅それぞれが臨時折返し駅であるか否かを判断する。すなわち、ダイヤパタンの始終着駅である端駅は臨時折返し駅ではなく、始終着駅でない端駅は臨時折返し駅であると判断する。
設定された列車運休区間については、運休対象区間データ570として記憶される。図11は、運休対象区間データ570のデータ構成の一例を示す図である。図11に示すように、運休対象区間データ570は、運休対象区間の二つの端駅571それぞれに、臨時折返し駅であるか否かのフラグ572を対応付けて格納している。
続いて、処理部10は、運休本数mを決定する。すなわち、上り/下り方向それぞれについて、支障ゾーンにかかる列車(支障列車)を抽出し、上り/下り方向それぞれの支障列車の本数m1,m2のうち、多い方を運休本数mとする。
次いで、運休候補列車及び遅延承知列車を決定する。すなわち、上り/下り方向それぞれについて、支障列車のうち、パタン手配開始時刻t2において既に運休対象区間に入り込んでいる列車を遅延承知列車とする。そして、上り/下り方向それぞれについて、最後の遅延承知列車の直後の列車から順にm本の列車を運休候補列車とする。
その後、運休候補列車それぞれについて、定められた臨時折返しパタンに従って、臨時折返し駅における折返しを設定する。ここで、臨時折返しパタンは、臨時折返しパタンデータ550として予め記憶されている。臨時折返しパタンデータ550は、運転整理の対象の列車ダイヤを構成する折返し可能駅であってダイヤパタンの始終着駅を除く駅それぞれにおける、上り/下り方向それぞれの臨時折返しパタンを定めたデータである。
すなわち、処理部10は、対象の運休候補列車(対象列車)の臨時折返しの相手列車が運休候補列車ならば、臨時折返し駅において、対象列車をこの相手列車に折返しでつなぐ。
また、対象列車の臨時折返しの相手列車が遅延承知列車ならば、その相手列車を臨時折返し駅で切断する。そして、臨時折返し駅において、対象列車を、切断した相手列車の臨時折返し駅以降の列車部分に折返しでつなぐ。それとともに、切断した相手列車の臨時折返し駅以前の列車部分を、臨時折返し駅において相手列車と同方向のm本後の列車に継走でつなぐ。
また、対象列車の臨時折返しの相手列車が運休候補列車でも遅延承知列車でもないならば、対象列車を運休候補列車から遅延承知列車に変更するとともに、対象列車と同方向の列車であって最後の運休候補列車の直後の列車を、新たな運休候補列車として追加設定する。
このように、全ての運休候補列車それぞれについて、臨時折返しパタンで定められた臨時折返しの相手列車への臨時折返しを設定すると、列車ダイヤに対する運転整理を終了する。
図8に戻り、入力部20は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた入力信号を処理部10に出力する。表示部30は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等で実現される表示装置であり、処理部10から入力される表示信号に基づく各種画面を表示する。通信部40は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、外部機器との間でデータ通信を行う。
記憶部50は、処理部10が運転整理ダイヤ作成装置1を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の運転整理案作成処理を実行するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部10の作業領域として用いられ、処理部10が各種プログラムに従って実行した演算結果や、入力部20からの入力信号が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部50には、プログラムとして運転整理ダイヤ作成プログラム510が記憶されるとともに、データとして、列車ダイヤデータ520と、運転整理ダイヤデータ530と、運休対象区間設定テーブル540と、臨時折返しパタンデータ550と、支障条件データ560と、運休対象区間データ570とが記憶される。
[処理の流れ]
図12は、運転整理ダイヤ作成処理の流れを説明するフローチャートである。図12によれば、処理部10は、先ず、例えば入力部20からの入力指示に従って、運転整理の対象となる列車ダイヤに対する支障条件を設定する(ステップA1)。次いで、設定した支障条件をもとに、運休対象区間を設定する。すなわち、運休対象区間設定テーブル540を参照し、列車支障区間に対応する運休対象区間を設定する。またこのとき、設定した運休対象区間の両端駅それぞれについて、臨時折返し駅とするか否かを判断する。
続いて、運休本数を決定する。すなわち、上り/下り方向それぞれについて、支障ゾーンにかかる支障列車の本数m1,m2を算出し、多い方を運休本数mとする(ステップA3)。次いで、遅延承知列車を設定する。すなわち、上り/下り方向それぞれについて、支障ゾーンにかかる支障列車のうち、パタン手配開始可能時刻t2において既に運休対象区間に入り込んでいる列車を、運休手配が不可能な遅延承知列車として設定する(ステップA5)。続いて、運休候補列車を設定する。すなわち、上り/下り方向それぞれについて、設定した遅延承知列車の最後の列車の直後の列車から順に、m本の列車を運休候補列車として設定する(ステップA7)。
その後、上り/下り方向それぞれを対象とした臨時折返し設定処理を行う(ループA)。この臨時折返し設定処理では、先ず、対象方向から運休対象区間に入り込む側の端駅が臨時折返し駅であるか否かを判断し、該端駅が臨時折返し駅でないならば(ステップA9:NO)、対象方向の臨時折返しを計画できないので、臨時折返し設定処理を終了する。
一方、該端駅が臨時折返し駅ならば(ステップA9:YES)、対象方向の運休候補列車のうち、最初の運休候補列車を、臨時折返し設定の対象列車pとする(ステップA11)。次いで、臨時折返しパタンで定められた対象列車pの相手列車qの種類を判断する。
そして、この相手列車qが運休候補列車ならば(ステップA13:「運休候補」)、定められた臨時折返しパタンに従って、対象列車pを、該臨時折返し駅において相手列車qに折返しでつなぐ(ステップA15)。
また、相手列車qが遅延承知列車ならば(ステップA13:「遅延承知」)、臨時折返しの相手列車qを、臨時折返し駅にて、臨時折返し駅以前の列車部分q1と、臨時折返し駅以降の列車部分q2とに切断する(ステップA17)。そして、対象列車pを、臨時折返し駅において、切断した相手列車の臨時折返し駅以降の列車部分q2に、折返しでつなぐ(ステップA19)。一方、臨時折返し駅以前の列車部分q1については、相手列車qと同方向のm本後の列車に、臨時折返し駅において継走でつなぐ(ステップA21)。
また、相手列車qが運休候補列車でも遅延承知列車でもないならば(ステップA13:「その他」)、対象列車pを遅延承知列車に変更する(ステップA23)。そして、対象列車と同方向の列車、最後の運休候補列車の直後の1本の列車を新たな運休候補列車として追加設定する(ステップA25)。
続いて、対象列車pが対象方向の最後の運休候補列車でないならば(ステップA27:NO)、現在の対象列車pの次の運休候補列車を新たな対象列車pとした後(ステップA29)、ステップA13に戻り、同様の処理を行う。一方、現在の対象列車pが、対象方向の最後の運休候補列車ならば(ステップA27:YES)、対象方向についての臨時折返し設定処理を終了する。以上の処理を行うと、運転整理ダイヤ作成処理を終了する。
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、列車ダイヤを構成する列車のうちから、与えられた支障条件をもとに、運休対象区間にて運休させる上り/下り方向それぞれm本の運休候補列車と、パタン手配開始可能時刻t2において既に列車支障区間に入り込んでいるために運休手配が間に合わない遅延承知列車とが設定される。そして、運休候補列車について、運休対象区間の端駅である臨時折返し駅での臨時折返しが設定される。このとき、運休候補列車に対して予め定められた臨時折返しの相手列車が遅延承知列車の場合、この相手列車が臨時折返し駅にて2本列車に切断され、運休候補列車は、切断された相手列車の臨時折返し駅以降の列車部分に、折返しが設定される。また、切断された相手列車の臨時折返し駅以前の列車部分は、同方向のm本後の列車に、臨時折返し駅にて継走される。
このように、運休候補列車を臨時折返し駅にて2本の列車に切断し、臨時折返し駅以降の列車部分に運休候補列車を折返しで充当することで、運休候補列車をそのまま運行させる場合に比較して遅延が解消され、正常な列車ダイヤへの復帰を早める運転整理が実現される。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(a)臨時折返しパタン
例えば、上述の実施形態では、臨時折返しパタンは臨時折返しパタンデータ550にて予め定められていることにしたが、運転整理ダイヤ作成処理中に作成することにしても良い。具体的には、設定した運休対象区間の端駅のうち、判定した臨時折返し駅それぞれにおける臨時折返しパタンを作成する。すなわち、運休対象区間の外方から臨時折返し駅に到着する列車それぞれについての臨時折返しパタンを作成するが、このとき、支障条件として与えられる支障時間帯をもとに、少なくとも運休候補列車となり得る列車の全てを含む列車を抽出し、抽出した列車それぞれについての臨時折返しパタンを作成する。
(b)運休対象区間の設定
また、上述の実施形態では、列車支障区間と運休対象区間との対応関係は運休対象区間設定テーブル540にて予め定められていることにしたが、運転整理ダイヤ作成処理中に任意に設定することにしても良い。具体的には、予め、対象路線の駅のうち、臨時折返しが可能な駅(折返し可能駅)を定めておく。そして、列車支障区間の外方の折返し可能駅のうちから、運休対象区間の端駅となる二つの駅を選択することで、運休対象区間を設定する。端駅の選択は、例えば、利用者による入力部20からの入力指示に従って選択しても良いし、或いは、列車支障区間の外方で最も近い駅を自動的に選択することにしても良い。
(c)列車系統
また、上述の運転整理ダイヤの作成を、例えば特急列車と普通列車といった系統(種別)毎に行っても良い。具体的には、運転整理の対象となる列車ダイヤを系統毎に分ける。そして、これら系統毎の列車ダイヤそれぞれに対して上述の運転整理ダイヤ作成処理を行い、作成した系統毎の運転整理ダイヤを重ねて、最終的な運転整理ダイヤを作成する。
1 運転整理ダイヤ作成装置
10処理部、20 入力部、30 表示部、40 通信部
50 記憶部
510 運転整理ダイヤ作成プログラム
520 列車ダイヤデータ、530 運転整理ダイヤデータ
540 運休対象区間設定テーブル、550 臨時折返しパタンデータ
560 支障条件データ、570 運休対象区間データ

Claims (5)

  1. コンピュータに、所与の支障区間、所与の支障時間帯および所与の手配開始時刻をもとに、列車ダイヤに対する運転整理を行って運転整理ダイヤを作成させるためのプログラムであって、
    前記支障区間を内包し、折返し可能駅を両端とする運休対象区間を設定する運休対象区間設定手段、
    前記運休対象区間の端駅のうち、臨時折返しの設定対象とする臨時折返し駅を選択する臨時折返し駅選択手段、
    前記支障区間及び前記支障時間帯に基づいて、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、運休候補とする運休候補列車を選択する運休候補列車選択手段、
    前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記手配開始時刻において前記支障区間内を走行する列車を検索して遅延承知列車として設定する遅延承知列車設定手段、
    前記運休対象区間の外方から前記臨時折返し駅に到着する運休候補列車を、当該外方に向けて当該臨時折返し駅から出発する上下方向が異なる列車(以下「折返し相手列車」という。)につなぐことで臨時折返しを設定するとともに、当該折返し相手列車が前記遅延承知列車の場合には当該臨時折返し駅で切断して当該臨時折返し駅以降の列車部分につなぐように当該臨時折返しを設定する臨時折返し設定手段、
    として前記コンピュータを機能させるためのプログラム
  2. 前記運休候補列車選択手段が、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記支障区間及び前記支障時間帯に差し支える上下方向それぞれの支障列車の最大の数分の運休候補列車を、前記手配開始時刻から順番に上下方向それぞれ選択するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記臨時折返し設定手段が、当該運休候補列車に対応して予め定められた前記臨時折返し駅での折返し相手列車が遅延承知列車でも運休候補列車でもない場合に、当該運休候補列車を遅延承知列車に変更する変更手段を有し、
    前記運休候補列車選択手段が、前記変更手段により遅延承知列車に変更された数分の運休候補列車を前記順番に従って新たに追加する手段を有する、
    ように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記切断手段により切断された前記折返し相手列車の前記臨時折返し駅以前の列車部分を、当該折返し相手列車の後続の列車への継走に設定する切断列車継走設定手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
  5. 所与の支障区間、所与の支障時間帯および所与の手配開始時刻をもとに、列車ダイヤに対する運転整理を行って運転整理ダイヤを作成する運転整理ダイヤ作成装置であって、
    前記支障区間を内包し、折返し可能駅を両端とする運休対象区間を設定する運休対象区間設定手段と、
    前記運休対象区間の端駅のうち、臨時折返しの設定対象とする臨時折返し駅を選択する臨時折返し駅選択手段と、
    前記支障区間及び前記支障時間帯に基づいて、前記列車ダイヤを構成する列車のうち、運休候補とする運休候補列車を選択する運休候補列車選択手段と、
    前記列車ダイヤを構成する列車のうち、前記手配開始時刻において前記支障区間内を走行する列車を検索して遅延承知列車として設定する遅延承知列車設定手段と、
    前記運休対象区間の外方から前記臨時折返し駅に到着する運休候補列車を、当該外方に向けて当該臨時折返し駅から出発する上下方向が異なる折返し相手列車につなぐことで臨時折返しを設定するとともに、当該折返し相手列車が前記遅延承知列車の場合には当該臨時折返し駅で切断して当該臨時折返し駅以降の列車部分につなぐように当該臨時折返しを設定する臨時折返し設定手段と、
    を備え運転整理ダイヤ作成装置。
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