JP5365246B2 - 活物質、二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー密度が高く、化学的かつ電気的に安定で、さらに導電性に優れた活物質、および二次電池に関する
現在、情報関連機器は私たちの市民生活や経済活動に欠かせない社会インフラとなっており、充分な安定性や信頼性が求められている。しかしながら、これらの機器は瞬時停電や電圧低下のような系統からの妨害現象に弱く、無停電電源装置(UPS)で信頼性を確保している。ただし、UPSでは交流/直流の変換を繰り返すために大きなエネルギーが失われるという課題があった。この損失を改善する方法としては、機器内部に電池を接続する方法が考えられるが、小型化が進む情報関連機器に内蔵できる高出力電池は開発されていないのが現状であった。
一方、安定ラジカル分子を高分子化したラジカルポリマーが、酸化還元樹脂の一つとして1970年代から多く合成されてきている。このようなラジカルポリマーは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ(以下「TEMPO」と略す。)が置換したアクリレートやスチレン誘導体のポリマーに代表され、このポリマーは、例えばアルコールをアルデヒドやケトンに酸化する触媒能等を示す。
ラジカルポリマーの作用メカニズムは、可逆的な酸化還元(レドックス)対にある。ニトロキシドラジカルを例として、作用メカニズムを下記に示す。下記に示すように、ニトロキシドラジカルは一電子酸化されてオキソアンモニウムカチオンになり、このオキソアンモニウムカチオンが還元されるとラジカルが再生する。もう一方のレドックス対では、ニトロキシドラジカルが一電子還元されてアミノキシアニオンに変換され、このアミノキシアニオンが酸化されるとラジカルに戻るという酸化還元が生起する。
近年、このラジカルのレドックス対を蓄電材料、すなわち、少なくとも正極、負極及び電解液を構成要素とする二次電池の電極活物質に含有することに着眼した研究が活発になっており、例えば、ラジカル化合物を電極活物質に含有した二次電池が開示されている(特許文献1〜7参照)。ラジカルのレドックス対を電極活物質に組み込むので、有機ラジカル電池と呼ばれている(非特許文献1及び2参照)。電極活物質に含有するラジカル化合物は、電極としての成形性や接着性だけでなく、電解液が容易に浸透するという性質(電解液との親和性)、及び電解液中に溶出しないという性質(電解液への耐性)、充放電時に電極と電子の授受を高速に行える酸化還元特性、さらに電池の高容量化を実現するエネルギー密度の高さが求められている。
上記ニトロキシドラジカルを分子構造に有するポリマーを電極活物質に含有する利点は次のようにまとめられる。(1)化学的に極めて安定である。例えばラジカル濃度が室温大気下で半年以上にわたり減少しないポリマーが存在する。(2)スピン密度はN−Oに局在しており、ラジカル当たりの分子量が小さいため、質量当たりの電荷容量が大きい。(3)すべてのモノマー単位で電荷を担えるので、100%近い究極のヘビードーピングが可能となる。(4)純有機物であり、焼却可、無臭、低毒性は従来の電極材料にはない利点である。(5)レドックスの速度が極めて速く、電池として高いレート特性・高出力を発現する。このような、ニトロキシドラジカルを分子構造に有するポリマーとして、ごく最近TEMPO部位がモノマー構造単位に置換したアクリレートポリマー、ビニルポリマー、及びノルボルネンポリマー等が報告されている(特許文献1〜7参照)。
しかし、上記ポリマーは電解質溶媒(エチレンカーボネート類)に難溶性であり、かつ電気的絶縁体であるため、電極活物質層を形成する場合は、カーボングラファイト等の集電体と溶剤を加えて均一に粉砕混合したスラリーを作製した後、電極基材に塗布し、乾燥により溶媒を除去するという方法で作製する。この方法では、ポリマーに対して集電体の混合量を50質量%以下にした場合、電極表面の平滑性が低下する、さらには出力が低下するという問題が生じた。(例えば、非特許文献3参照)また、電解液中のイオンの総量が電池容量を制限してしまうという問題もはらんでいた(例えば、非特許文献4参照)。従って、ラジカルポリマーの理論容量に対して電池実容量は最高でも50%以下であるのが現状であり、理論容量同等の実容量を発現可能な活物質が熱望されていた。
また、上記とは別に、ニトロキシラジカル化合物および該化合物から誘導されるポリマーは第一級アルコールをアルデヒドに酸化する化学反応触媒の働きを有するが、酸化速度をコントロールすることが困難であり、しばしばカルボン酸まで過酸化されてしまうという欠点を有していた。この欠点を改良する目的で近年、TEMPOのp−トルエンスルホン酸塩(以下、TEMPOのオキソアンモニウム塩と称する)をポリ(スチレン−コ−ジビニルベンゼン)のマクロ多孔質基体に担持させた酸化剤が開発された(例えば、非特許文献5参照)。しかし、この触媒によりカルボン酸までの過酸化反応は抑制されたが、不活性なアルコールである脂肪族第一級アルコールを対応するアルデヒドに酸化する反応の収率は満足できるものではなかった。
特開2002−151084号公報 特開2002−110168号公報 特開2002−117853号公報 特開2005−209498号公報 特開2007−070384号公報 特開2007−157496号公報 特開2007−184227号公報
K.Nakahara et al.,Chem.Phys.Lett.,359,351−354(2002) H.Nishide et al.,Electrochim.Acta,50,827−831(2004) NEDO 平成16年度研究事業報告書「バックアップ用高出力有機ラジカル電池の研究開発」日本電気株式会社11頁〜14頁 Takeo Suga et al.,Macromolecules 2007,40,3167−3173 ホームページ:http://www.biotage.co.jp/nl7_tempo テクニカルノート MP−TsO−TEMPO バイオタージ・ジャパン株式会社 2005年
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、(1)エネルギー密度が高く、(2)化学的かつ電気的に安定で、(3)導電性に優れ、電極活物質層を形成する際にカーボングラファイト等の集電体の使用量を極めて少なくすることができ、理論容量と電池実容量との差が極めて小さい活物質、および二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.オキソアンモニウム化合物を含有する活物質において、該オキソアンモニウム化合物のカウンターアニオンがスルホン酸アニオン含有ポリマーであり、前記スルホン酸アニオン含有ポリマーが、ポリスチレンスルホン酸アニオンであることを特徴とする活物質。
2.前記オキソアンモニウム化合物のオキソアンモニウムカチオン構造が下記一般式1又は2で表されることを特徴とする前記1に記載の活物質。
(式中、R15〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。X〜Xはそれぞれ独立に、>CH、>N=O、または>NH−OHを表す。R19は水素原子、ハロゲン原子又は6員環の3つの炭素原子に置換可能な置換基を表す。複数のR19は同じでも異なっていてもよく、nは0〜3の整数を表す。)
3.前記オキソアンモニウム化合物のオキソアンモニウムカチオン構造が下記一般式3で表される構造の少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載の活物質。
(式中、R20は炭素数4以上20以下の第三級アルキル基を表し、R21は電子吸引性基を表し、複数のR21は同じであっても異なっていても良く、mは1〜5の整数を表す。)
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の活物質を含有することを特徴とする二次電池。
5.前記2に記載の活物質を正極に含有し、かつ前記3に記載の活物質を負極に含有することを特徴とする二次電池。
本発明によれば、エネルギー密度が高く、化学的かつ電気的に安定で、導電性に優れ、電極活物質層を形成する際にカーボングラファイト等の集電体の使用量を極めて少なくすることができ、理論容量と電池実容量との差が極めて小さい活物質、および二次電池を提供することができた。
本発明の二次電池の断面図である。 本発明の二次電池の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明をさらに詳しく説明する。
〈スルホン酸アニオン含有ポリマー〉
本発明のスルホン酸アニオン含有ポリマーはスルホン酸基含有ポリマー中のスルホン酸基の一部又はすべてがスルホン酸アニオンに変換されたものを云う。前記スルホン酸基含有ポリマーとしては従来公知のものが好ましく用いられる。具体例としては、重合単位として、スルホン酸基含有モノマー及びそれらの塩より選択される1種以上のモノマーを、約50〜約100質量%、好ましくは約80〜約100質量%含む。前記スルホン酸基含有モノマーの適当な例としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸、および2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸等が挙げられる。本発明のスルホン酸アニオン含有ポリマーの好ましい重量平均分子量は一万以上、五百万以下、かつ好ましい重量平均分子量と数平均分子量との比(以下、分子量分布と略す。)は1.5以上4.5以下であり、より好ましくは重量平均分子量で十万以上、三百万以下、かつ分子量分布で1.5以上3.5以下であり、特に好ましくは重量平均分子量で三十万以上、二百万以下、かつ分子量分布で1.5以上2.5以下である。分子量はポリスチレンを標準物質として算出した。
〈オキソアンモニウム化合物〉
本発明のオキソアンモニウム化合物は、下記式(A1)で表されるオキソアンモニウム基を分子内に少なくとも1つ有する化合物である。
式(A1) >N=O
〈ポリスチレンスルホン酸アニオン〉
本発明のポリスチレンスルホン酸アニオンは従来公知のポリスチレンスルホン酸のスルホン酸基の一部又はすべてがスルホン酸アニオンに変換されたものが好ましく用いられる。ポリスチレンスルホン酸の好ましい重量平均分子量は一万以上、五千万以下、かつ好ましい分子量分布は1.5以上4.5以下であり、より好ましくは重量平均分子量で十万以上、一千万以下、かつ分子量分布で1.5以上2.5以下であり、特に好ましくは重量平均分子量で五十万以上、五百万以下、かつ分子量分布で1.5以上2.0以下である。
〈一般式1で表されるオキソアンモニウムカチオン〉
一般式1において、R15〜R18はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。好ましくは、水素原子またはメチル基である。特に好ましくは水素原子である。X〜Xは、>CH>、N=Oまたは>NH−OHを表すが、特にXは>N=Oまたは>NH−OHであることが好ましい。
〈一般式2で表されるオキソアンモニウムカチオン〉
一般式2においてR19は水素原子、ハロゲン原子又は6員環の3つの炭素原子に置換可能な置換基を表す。複数のR19は同じでも異なっていてもよく、nは0〜6の整数を表すが、R19の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子)、炭素数1から6のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、オキソ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基等が挙げられる。好ましくはR19がすべて水素原子の場合である。
〈一般式3で表されるオキソアンモニウムカチオン〉
一般式3においてR20は炭素数4以上20以下の第三級アルキル基を表すが、好ましくは第三級ブチル基である。R21は電子吸引性基を表し、複数のR21は同じであっても異なっていても良く、mは1〜5の整数を表すが、電子吸引性基としては、ハメット則の置換基定数σpの値が0.20以上の基が好ましい。具体的にはアリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、シアノ基、アリール基、アシル基、トリフルオロメチル基が挙げられる。好ましくはトリフルオロメチル基であり、m=1であることが好ましい。トリフルオロメチル基の置換位置としては、オキソアンモニウム基のオルト位、またはパラ位が好ましい。
以下に本発明のオキソアンモニウム化合物の例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、ニトロキシドラジカルはスルホン酸存在下でオキソアンモニウムカチオンとアミノキシアニオン(アミノキシアニオンはスルホン酸の2個のHを受け取ってアミニウムカチオンになる)に不均化する。したがって、上記例示化合物としては、エネルギーミニマムな状態(即ち、オキソニウムカチオンとアミニウムカチオンが1:1の状態)として記載した場合もある。
尚、本発明の活物質は、スルホン酸アニオン含有ポリマーのスルホン酸を対塩としているので、ニトロキシドラジカルは不均化を起こしてオキソアンモニウムカチオン型とアミノキシアニオン型の1:1混合物になる。オキソアンモニウムカチオン型の場合は勿論カチオン型であり、アミノキシアニオン型の場合でもスルホン酸の2個のHを受け取ってやはりカチオン型になるので、本発明の活物質は、充放電過程において、あらゆる酸化還元状態でも常に電極層中のスルホン酸アニオン(−)含有ポリマーを対塩として、好適に電極層中に固定されることができる。
以下に本発明のオキソアンモニウム化合物の合成例を示す。
(合成例1:化合物p1−1の合成)
ポリスチレンスルホン酸(Mw=150万、Mw/Mn=2.0)10g(47mmol)を純水30mlに溶解し、アザアダマンタンオキシラジカル7.9g(52mmol)を15mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル100mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p1−1を16g得た。(収率89%、Mw=153万、Mw/Mn=2.0)
(合成例2:化合物p1−14の合成)
ポリアクリルアミドt−ブチルスルホン酸(Mw=130万、Mw/Mn=3.0)10g(43mmol)を純水30mlに溶解し、ビスアザアダマンタンジオキシラジカル7.9g(47mmol)を15mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル100mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p1−14を15g得た。(収率84%、Mw=133万、Mw/Mn=2.8)
(合成例3:化合物p2−1の合成)
ポリスチレンスルホン酸(Mw=80万、Mw/Mn=2.0)10g(47mmol)を純水30mlに溶解し、テトラメチルピペリジンオキシラジカル8.1g(52mmol)を15mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル80mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p2−14を17g得た。(収率94%、Mw=77.9万、Mw/Mn=1.8)
(合成例4:化合物p2−9の合成)
メタリルオキシベンゼンスルホン酸(Mw=250万、Mw/Mn=2.5)10g(39mmol)を純水25mlに溶解し、テトラメチルピペリジンオキシラジカル6.7g(43mmol)を10mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル90mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p2−9を14g得た。(収率84%、Mw=235.9万、Mw/Mn=2.6)
(合成例5:化合物p3−1の合成)
ポリスチレンスルホン酸(Mw=80万、Mw/Mn=2.0)10g(47mmol)を純水30mlに溶解し、N−tブチル−p−トリフルオロメチルアニリンN−オキシラジカル12g(52mmol)を30mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル120mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p3−1を20g得た。(収率91%、Mw=76.8万、Mw/Mn=2.8)
(合成例6:化合物p3−26の合成)
メタリルスルホン酸(Mw=100万、Mw/Mn=2.4)10g(61mmol)を純水30mlに溶解し、N−tブチル−p−シアノアニリンN−オキシラジカル13g(67mmol)を35mlのメタノールに溶解した溶液を室温でゆっくりと添加した。そのまま1時間攪拌後、攪拌しながら反応液にアセトニトリル150mlをゆっくりと滴下し、生成したポリマーをろ別し、アセトニトリルで十分に洗浄した。40℃で溶媒を乾燥し目的物p3−26を22g得た。(収率96%、Mw=97万、Mw/Mn=2.2)
〈活物質〉
本発明において、活物質とは電極及び/または電解質との化学反応によって、電子を放出したり、取り込んだりする化合物を含有する組成物である。活物質にはさらに集電体、バインダー、触媒、電解質、及び溶剤等が含まれる。
(集電体)
本発明ではオキソアンモニウム化合物を含む電極層を形成する際に、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材やイオン伝導補助材等の集電体を混合させてもよい。これらの材料としては、導電補助材として、カーボングラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、もしくはPEDOT−PSS、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が、また、イオン伝導補助材として、ゲル電解質もしくは固体電解質が挙げられる。
(バインダー)
本発明では、各構成材料間の結びつきを強めるために、バインダーを用いてもよい。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂バインダーが挙げられる。
(触媒)
本発明では、電極反応をより円滑に行うために触媒を用いてもよい。触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。
〈活物質に含有されるオキソアンモニウム化合物〉
本発明では、オキソアンモニウム化合物を、正極及び負極またはいずれか一方の電極の活物質に含有せしめて使用することができる。
なお、これらの材料を正極及び負極のどちらか一方に用いる場合には、以下に挙げる材料を他の電極に用いることができる。すなわち、負極層にオキソアンモニウム化合物を用いる場合には、正極層に金属酸化物粒子、ジスルフィド化合物及び導電性高分子等が用いられる。ここで、金属酸化物としては、例えば、LiMnO、LiMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウムもしくはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO、LiCoO、LiNiO、またはLi(0<x<2)等が、ジスルフィド化合物としては、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が、また、導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等がそれぞれ挙げられる。本発明では、これらの正極層材料を1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができ、さらに、従来公知の活物質とこれらの材料とを混合して用いることも好ましい。
一方、正極層にオキソアンモニウム化合物を用いる場合には、負極層には、カーボングラファイト、非晶質カーボン、リチウム金属、リチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、及び導電性高分子等の1種単独または2種以上の組み合わせが用いられる。これらの形状としては特に限定されず、例えば、リチウム金属では薄膜状のもの以外に、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等を使用することができる。
しかしながら本発明では、本発明の請求項3に記載の活物質を正極に、同請求項4に記載の活物質を負極に使用することが好ましい。
〈二次電池〉
二次電池は蓄電池や充電池ともいい、充電を行うことにより電気を蓄えて電池として使用できるようになり、繰り返し使用することができる化学電池のことである。
本発明では正極、負極の少なくとも一方が本発明の活物質を含有することを特徴としているが、その含有量は特に限定されない。ただし、含まれるオキソアンモニウム化合物の量に応じて二次電池としての容量が決まるため、発明の効果の点から10質量%以上の含有量が望ましい。
(二次電池の構造)
本発明の二次電池は、例えば図1に示すような構成を有している。図1には積層型二次電池の断面図を示す。図に示される二次電池は負極層1と正極層2とを、電解質を含んだセパレーター5を介して重ね合わせた構成を有している。本発明では、負極層1または正極層2に本発明の活物質が用いられる。組み上げられた上記構成は封止材6で封止する。
図2には積層型二次電池の断面図を示す。その構造は、正極集電体4、正極層2、電解質を含むセパレーター5、負極層1、負極集電体3を順に重ね合わせた構造である。本発明では正極層、及び負極層の積層方法は任意のものを用いることができ、多層積層体、集電体の両面に積層したものを組み合わせたものや巻回したもの等が利用できる。
負極集電体3、正極集電体4として、ニッケルやアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔や金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等を用いることができる。また、集電体に触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。一方、上記の正極及び負極が接触しないように多孔質フィルムからなるセパレーターや不織布を用いることもできる。
セパレーター5に含まれる電解質は、負極層1と正極層2の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10−5〜10−1S/cmの電解質イオン伝導性を有している。本発明では、電解質として、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質としては、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。このような溶剤としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒が挙げられる。本発明ではこれらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。また、電解質塩としては、例えばLiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiNCFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiC(CSO等が挙げられる。
また、電解質としては固体電解質を用いてもよい。これら固体電解質に用いられる高分子物質としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体等が挙げられる。これらの高分子物質に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いることができ、また高分子物質のみをそのまま用いてもよい。
本発明における二次電池の形状は従来公知の方法を用いることができる。二次電池形状としては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケースあるいはアルミニウム箔等の金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止したものが挙げられる。また外観としては、円筒型、角型、コイン型及びシート型等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における二次電池の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、セパレーターを介して対極と積層したもの、あるいはこれを巻回したものを外装体で包み、電解液を注入して封止するといった方法である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
実施例1
《電池の作製1》
ガス精製装置を備えたドライボックス中で、アルゴンガス雰囲気下、ガラス製容器に比較化合物(1)50mgと、補助導電材としてグラファイト粉末50mgとを混合し、これに、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体20mgとテトラヒドロフラン1gとをさらに加えて、全体が均一になるまでさらに数分間混合したところ、黒色のスラリーが得られた。
続いて、得られたスラリー200mgを、リード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開し、室温で60分間放置したところ、溶剤のテトラヒドロフランが蒸発し、アルミニウム箔上に正極電極層が形成された。
次に、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体600mgと、1mol/lのLiPFを電解質塩として含んだアクセプタ−数18.9の炭酸プロピレン溶液からなる電解液1,400mgとを混合し、これにテトラヒドロフラン11.3gをさらに加えて室温で攪拌した。フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が溶解した後、段差をつけたガラス板上にこの溶液を塗布し、室温で一時間放置してテトラヒドロフランを自然乾燥させ、厚さが1mmのゲル電解質膜のキャストフィルムを得た。
次に、正極電極層を形成したアルミニウム箔に、2.0cm×2.0cmに切り出したゲル電解質膜を積層し、さらに、リード線を備えたリチウム張り合わせ負極銅箔(面積:1.5cm×1.5cm、リチウム膜厚30μm、銅箔の厚さ:20μm)を重ね合わせた後、全体を厚さ5mmのポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池101を作製した。
比較化合物(1)に代えて、比較化合物(2)及び(3)を使用し、その添加量を変えたもの、また、本発明のオキソアンモニウム化合物を使用し、その添加量を変えたもの、補助導電材のカーボングラファイトの量をそれぞれ表1に記載の量に変えたこと以外は上記と同様にして電池102〜145を作製した。結果を表1に示す。
《電池の作製2》
ガス精製装置を備えたドライボックス中で、アルゴンガス雰囲気下、ガラス製容器に比較化合物(4)50mgと、補助導電材としてグラファイト粉末50mgとを混合し、これに、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体20mgとテトラヒドロフラン1gとをさらに加えて、全体が均一になるまでさらに数分間混合したところ、黒色のスラリーが得られた。
続いて、得られたスラリー200mgを、リード線を備えた銅箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:20μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開し、室温で60分間放置したところ、溶剤のテトラヒドロフランが蒸発し、銅箔上に負極電極層が形成された。
次に、負極銅箔に、2.0cm×2.0cmに切り出したゲル電解質膜(電池の作製1で作製したものと同一)を積層し、さらに、リード線を備えたコバルト酸リチウム張り合わせ正極アルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、コバルト酸リチウム膜厚50μm、アルミニウム箔の厚さ:100μm)を重ね合わせた後、全体を厚さ5mmのポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池201を作製した。
比較化合物(4)に代えて本発明のオキソアンモニウム化合物を使用し、その添加量を変えたもの、補助導電材のカーボングラファイトの量をそれぞれ表2に記載の量に変えたこと以外は上記と同様にして電池202〜236を作製した。結果を表2に示す。
《電池の作製3》
ガス精製装置を備えたドライボックス中で、アルゴンガス雰囲気下、ガラス製容器に比較化合物(1)50mgと、補助導電材としてグラファイト粉末50mgとを混合し、これに、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体20mgとテトラヒドロフラン1gとをさらに加えて、全体が均一になるまでさらに数分間混合したところ、黒色のスラリーが得られた。
続いて、得られたスラリー200mgを、リード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開し、室温で60分間放置したところ、溶剤のテトラヒドロフランが蒸発し、アルミニウム箔上に正極電極層が形成された。
同様にドライボックス中でアルゴンガス雰囲気下、ガラス製容器に比較化合物(4)50mgと、補助導電材としてグラファイト粉末50mgとを混合し、これに、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体20mgとテトラヒドロフラン1gとをさらに加えて、全体が均一になるまでさらに数分間混合したところ、黒色のスラリーが得られた。
続いて、得られたスラリー200mgを、リード線を備えた銅箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:20μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開し、室温で60分間放置したところ、溶剤のテトラヒドロフランが蒸発し、銅箔上に負極電極層が形成された。
次に、正極電極層を形成したアルミニウム箔に、2.0cm×2.0cmに切り出したゲル電解質膜(電池の作製1で作製したものと同一)を積層し、さらに、負極電極層を形成した銅箔を重ね合わせた後、全体を厚さ5mmのポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池301を作製した。結果を表3に示す。
比較化合物(1)、及び(4)に代えて本発明のオキソアンモニウム化合物を使用し、その添加量を変えたもの、補助導電材のカーボングラファイトの量をそれぞれ表3に記載の量に変えたこと以外は上記と同様にして電池302〜342を作製した。結果を表3に示す。
《電池の評価》
作製した電池について下記方法で、定常動作、放電持続時間及び保存性の評価を行った。
(定常動作の評価)
作製した電池を定電流で(0.1mA)、カットオフ電圧(充電4.2V、放電2.5V)で充放電を行った。下記基準で評価した。
○:2.9V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作しており、10サイクル以上にわたって充放電が可能である
△:2.9V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作しており、5サイクル以上充放電を繰り返すと電圧が明らかに低下した
×:電圧平坦部が認められず、電池として動作しなかった。
(放電持続時間の評価)
上記定常動作の評価で、評価が○の電池について、0.1mAの定電流で放電を行い、電圧が1V以下になるまでの時間を測定した。
(保存性の評価)
上記定常動作の評価で、評価が○の電池を多数個作製し、初期充放電を10サイクル行った。続いて前記と同一条件による充電後、60℃に設定した防爆構造の恒温槽内にそれぞれの電池を保存した。7日後、電池を取り出し、前記と同一条件による放電を行い、保存後放電容量を測定した。各電池について、以下の算出式に従い、保存性の指標として自己放電率を算出した。
尚、放電容量は、満充電状態から0.1mAの定電流で放電させ、電池電圧が2.5Vの放電終止電圧となるまでの放電持続時間を測定し、「放電電流値×放電持続時間」として算出した。
自己放電率=(保存前放電容量+保存後放電容量)/保存前放電容量×100(%)
評価の結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3から、本発明の活物質、および二次電池は導電性に優れるため、電極活物質層を形成する際にカーボングラファイト等の集電体の使用量を極めて少なくすることができ、理論容量と電池実容量との差が極めて小さいことが分かる。
また、本発明の活物質、および二次電池は、エネルギー密度が高いことが分かる。
さらに、本発明の活物質、および二次電池は、化学的かつ電気的に安定であることが分かる。
実施例2
《フェネチルアルコールのフェニルアセトアルデヒドへの酸化反応の反応率の評価》
既知(非特許文献5に記載)の方法により活性化した、表2に記載の比較化合物及び本発明のオキソアンモニウム化合物、各1gについて、アセトニトリル15mlに分散し、フェネチルアルコール0.12g(0.1mmol)を加えて、マグネチックスターラーを用いて8時間室温で各々攪拌した。ポリマーをろ別し、フェネチルアルコールのフェニルアセトアルデヒドへの酸化反応の反応率をガスクロマトグラフィーにより各々定量した。反応率は下記式により算出した。
反応率(%)=フェニルアセトアルデヒド生成量(mol/ml)/(フェネチルアルコール残存量(mol/ml)+フェニルアセトアルデヒド生成量(mol/ml))×100
結果を表4に示す。
比較化合物の4:非特許文献5に記載の酸化剤、即ち、TEMPOのp−トルエンスルホン酸塩をポリ(スチレン−コ−ジビニルベンゼン)のマクロ多孔質基体に担持させた酸化剤。
表4から、本発明のオキソアンモニウム化合物は活性の低い脂肪族第一級アルコールをアルデヒドに選択的に高収率で酸化することが可能であることがわかる。
1 負極層
2 正極層
3 負極集電体
4 正極集電体
5 セパレーター
6 封止材

Claims (5)

  1. オキソアンモニウム化合物を含有する活物質において、該オキソアンモニウム化合物のカウンターアニオンがスルホン酸アニオン含有ポリマーであり、前記スルホン酸アニオン含有ポリマーが、ポリスチレンスルホン酸アニオンであることを特徴とする活物質。
  2. 前記オキソアンモニウム化合物のオキソアンモニウムカチオン構造が下記一般式1又は2で表されることを特徴とする請求項1に記載の活物質。
    (式中、R15〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。X〜Xはそれぞれ独立に、>CH、>N=O、または>NH−OHを表す。R19は水素原子、ハロゲン原子又は6員環の3つの炭素原子に置換可能な置換基を表す。複数のR19は同じでも異なっていてもよく、nは0〜3の整数を表す。)
  3. 前記オキソアンモニウム化合物のオキソアンモニウムカチオン構造が下記一般式3で表される構造の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の活物質。

    (式中、R20は炭素数4以上20以下の第三級アルキル基を表し、R21は電子吸引性基を表し、複数のR21は同じであっても異なっていても良く、mは1〜5の整数を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の活物質を含有することを特徴とする二次電池。
  5. 前記請求項2に記載の活物質を正極に含有し、かつ前記請求項3に記載の活物質を負極に含有することを特徴とする二次電池。
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