JP5366603B2 - ヘッダー - Google Patents

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本発明は、例えば、給水管や給湯管を複数の配管に分岐するヘッダーに関するものである。
従来、住宅における給水や給湯は、給水主管や給湯主管から、継手を介した分岐を順次に行って、住宅内の各種水周り設備に枝管を延ばす、いわゆる先分岐工法にて施工された配管をもって行われていた。この先分岐工法は、分岐を繰り返すことから、管相互の接続箇所が多くなり、その分、水漏れが発生する可能性が高い。また、分岐が多くなるほど、現場での施工が煩雑になっていた。
これに対して、近年、集合住宅を対象として、主給水管や主給湯管からヘッダーを介して多数の枝管を一度に分岐させ、これら枝管を各種水廻り設備の水栓へ個別に接続させる、ヘッダー工法が、普及してきている。このヘッダー工法は、PBやPEXによる樹脂管を用い、上記の先分岐工法に比べて、接続箇所が少ないため施工不良による漏水を抑制することが可能であり、また水廻り設備の一斉使用時にも流量変化は少なく、安定した給水や給湯が可能になる利点がある。ここで、PBとはポリブデン樹脂、PEXとは架橋ポリエチレンのことを言う。
また、特許文献1には、従来のヘッダー工法において、ヘッダーの種類を抑制して品質管理やコスト面の問題を改善することを所期し、枝管接続口の口数が異なる数種類のヘッダーを用いて、これらヘッダーを水廻り設備の水栓数に応じて選択的に連結することが提案されている。
この手法によれば、枝管の増設や枝管の向きの変更は対応可能であるが、一旦施工が終了してから、例えば増築した場合などに、水廻りの増設に合わせてヘッダーを増設することが難しかった。
また、一方では、ヘッダー相互間を結合可能な継手部を有することにより、施工前の水栓数に対応した連結が可能なヘッダーも提案されており、かようなヘッダーは、継手部に保持リングをそなえることによって、挿入されたPBパイプやPB止水栓を把持し、これらの離脱を防止する構造であるものが一般的である。
しかし、従来のヘッダーでは、継手部に挿入したPBパイプやPB止水栓が、配管使用時、流体圧によって保持リングによる噛み込みを受けてしまい、脱着用の冶具を使用しても取り外しが不可能となることがあった。また、例え、取り外すことができたとしても、PBパイプやPB止水栓が噛み込みにより変形してしまっていることがあり、この場合は、再度、継手部に装着しても同様の止水効果を得られない場合がある。従い、この手法によっても、施工完了後の水廻りの増設には、柔軟に対応することが難しいと言える。
特開2001−146771号公報
そこで、本発明は、特に増築した場合などに、ヘッダーの増設を可能とすることによって、水廻り設備の増設にも柔軟に対応することができる、ヘッダーについて提供することを目的とする。
発明者らは、既存のヘッダーに対して新たにヘッダーを連結可能とするための構造について鋭意究明したところ、ヘッダーの末端部に装着すべき止水栓として、ポリブデンや架橋ポリエチレン製のものを用いるのではなく、より硬い材質から成る止水栓を用いることによって、保持リングの噛み込みを防止することができ、冶具による脱着が可能となることを見出し、本発明を完成するに到った。従い、本願発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)内部が流体通路となる筒状のヘッダー本体と、該流体通路から前記ヘッダー本体の径方向に開口する1以上の分岐口とをそなえ、前記ヘッダー本体の端部のいずれか少なくとも一方に、当該端部に挿し込む止水栓を把持する保持リング前記保持リングに隣接して位置し、押し込まれることにより前記保持リングの内径を前記ヘッダー本体の径方向に拡げる解放リングと、前記止水栓と前記ヘッダー本体との間に介在する止水部材と、を内蔵する、前記止水栓の脱着が可能の継手部を有し、前記止水栓は、ロックウェル硬さで110以上であることを特徴とするヘッダー。
(2)前記止水栓は、外周面上に前記保持リングが係合する周溝をそなえることを特徴とする、前記(1)に記載のヘッダー。
(3)前記止水栓が金属であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のヘッダー。ここで、金属としては、容易に錆びない金属が好ましく、砲金、真鍮等の銅合金や、ステンレス鋼等が適合する。
(4)前記ヘッダー本体の端部のいずれか他方に、前記継手部と係合する管状接続部を有する前記(1)〜(3)に記載のヘッダー。
本発明によれば、特に増築した場合などに、ヘッダーの増設を可能とすることによって、水廻り設備の増設にも柔軟に対応することができる。また、ヘッダー相互を連結する際に用いる継手部は止水栓にて確実に止水されるために漏水のおそれがなく、さらに止水栓は継手部を利用する際に容易に取り外せるため、ヘッダー相互の連結を簡便に行うことが可能である。
本発明によるヘッダーの一実施形態を示す半断面図である。 本発明のヘッダーの継手部に装着した止水栓の拡大断面図である。 連結する本発明のヘッダー相互間の様子を示す半断面図である。 本発明によるヘッダーの他の実施例を示す半断面図である。 本発明によるヘッダーの他の実施例を示す半断面図である。 本発明のヘッダーを複数個連結した配管例を示す線図である。
以下、図面を参照して、本発明のヘッダーについて詳しく説明する。
図1は、本発明によるヘッダーの一実施形態を示す半断面図である。図1に示すヘッダー1は、内部に流体通路4が形成される筒状のヘッダー本体2に、該流体通路4からヘッダー本体2の径方向に開口する1以上(図示例では1つ)の分岐口5をそなえ、前記ヘッダー本体2の両端部のいずれか一方に、ヘッダー増設時にヘッダー相互の連結部となる継手部3を有する。該継手部3は、止水栓9の他、ここに挿入される連結側ヘッダーの管状接続部(後述)或いは、ヘッダー相互間に介在させる管(以下、挿入管と総称する)を脱着可能に保持する構造を有する。継手部3は、ここに挿し込む止水栓9を把持する保持リング7および、止水栓9とヘッダー本体2との間に介在する止水部材8を内蔵し、止水栓9の脱着を可能とした継手部3をそなえる。なお、図示例では、ヘッダー本体2の他端部に、前記継手部3と係合する管状接続部11をそなえ、ヘッダー相互の連結が図られる構造となっている。
即ち、継手部3は、ヘッダー増設時に、増設するヘッダー1の前記管状接続部11を挿入して、ヘッダー相互を連結し、また、ヘッダーとの連結に供しない場合は、止水栓9を装着させることにより水密性を確保する役目を持つ。この構造では、特定の冶具を使用することにより、管状接続部11または止水栓9を取り外すことが可能である。本発明によるヘッダー1は、このヘッダー相互の連結を繰り返すことにより、増設自在である。
ここで、図示例の継手部3は、カバー13、キャップ14および解放リング15を有する。カバー13は、ヘッダー本体2を覆うような形状であり、管状接続部11の挿入時、該管状接続部11の外周面に被さる。解放リング15は、継手部3の開口部に面し、前記保持リング7に隣接して位置する。前記管状接続部11の取り外しの際、特定の冶具を使用してこの解放リング15を押し込むことにより、保持リング7がヘッダー本体2の径方向に拡がり、管状接続部11を取り外すことができる。また、キャップ14は、継手部3において、前記カバー13、保持リング7および解放リング15の外側にあり、カバー13とねじ結合して前記保持リング7および解放リング15を固定することもできるし、嵌めあいにて保持リング7および解放リング15を固定することもできる。さらに、継手部3は、ヘッダー本体2に2つの周溝12を有しており、該周溝12に1個ずつ配した止水部材3は、管状接続部11の挿入時、該管状接続部11の内周面に密着することにより、該管状接続部11内部の水密性を確保する。
ここで、ヘッダー1の増設に継手部3を供しない場合には、該継手部3に止水栓9を装着し、確実に止水しておくことが肝要である。図2は、本発明のヘッダー1の継手部3に装着した止水栓9の拡大断面図である。ヘッダーとして機能させるためには、当該ヘッダー本体2の末端となる継手部3を止水しておく必要があり、ここに装着する止水栓9が、確実かつ強固に取り付けられ、しかも、ヘッダー1増設時には容易に引抜きが可能であることが重要になる。そのためには、止水栓9の硬さが、ロックウェル硬さで、110以上である必要がある。尚、図示例における止水栓9は、片側開口の略円筒形状であり、閉口端側付近がくびれて成る取手部17を有する。止水栓9の取り外しの際は、この取手部17をつまんで引っ張ることが可能である。
ロックウェル硬さで110以上の止水栓9を使用することにより、止水栓9を装着したヘッダーに流体を供給した際、流体圧による、保持リング7の止水栓9外周面への噛み込みを、少なくすることができる。従って、継手部3の使用に先立ち、止水栓9を引き抜くときに、保持リング7の噛み込みが少ないため、その取り外しを確実かつ容易に行うことができる。さらに、保持リング7が外周面に噛み込んだ状態での長期使用によって止水栓9に恒久的な変形を生じてしまい、取り外した後の再利用が不可能となる可能性が少ないため、容易に脱着することができ、経済的である。
尚、上記において「ロックウェル硬さ」とは、押針を被測体に押し付け、できた窪みの深さより算出する硬さの指標である。ロックウェル硬さで110以上の条件を満たす止水栓9の材質としては、耐衝撃性硬質塩化ビニル樹脂、耐熱性硬質塩化ビニル樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂、或いは金属等が適合し、とりわけ金属であることが好ましい。即ち、止水栓9を、金属とすることにより、該止水栓9が、熱等によって変質することがないため、長期の安定使用を確保することができる。また、使用する金属としては、容易に錆びないものが好ましく、砲金または真鍮等の銅合金やステンレス鋼等が好適である。
また、本発明による前記止水部材8は、前記保持リング7が係合する周溝10をそなえることが好ましい。図2に示すように、前記止水部材の外周面上の軸方向中間部に周溝10を配することにより、ヘッダー1の保持リング7が該周溝10に係合し、止水栓9の離脱防止効果を向上し、また、該止水栓9の着脱を容易化することができる。
即ち、前記止水栓9が、PPS等の樹脂製である場合、保持リング7との接触部が予め窪んでいるために、流体圧による保持リング7の噛み込みが少なくなる。このため、解放リング15が保持リング7の内径を大きくさせる際に、摩擦による余分な力が掛からないので、止水栓9の着脱が、さらに容易である。また、前記止水栓9が真鍮等の金属製である場合、その材質が極めて硬いため、保持リング7は、より強固に周溝10に係合し、滑脱することがないため、止水栓9の位置を安定させることが可能である。
また、分岐口5には、流体通路4からの流体、例えば水を、各水廻りに導く配管が接続される。尚、本発明のヘッダー1は、分岐口5についても、前記継手部3と同一の脱着可能構造であることが好ましい。分岐口5を脱着可能構造とすることによって、各種配管の脱着が可能になり、施工不具合に対するやり直しが可能となる。
さらに、本発明によるヘッダー1は、前記ヘッダー本体2の端部のいずれか他方に、前記継手部3と係合する管状接続部11を有することが好ましい。本発明によるヘッダー1が管状接続部11を有することにより、図3に示すように、該管状接続部11を他のヘッダー1の継手部3に挿入して、複数個のヘッダー1を連続して接続させることが可能である。
図3は、図1に示したヘッダー1の複数を相互に連結した状態を示す半断面図である。図3に示すように、ヘッダー1は、隣接する他のヘッダー1の継手部3に、管状接続部11を挿入して、他のヘッダー1と接続している。このとき、他のヘッダー1の止水部材8が、ヘッダー1の管状接続部11の内周面に密着することにより、漏水を防止している。また、他のヘッダー1の保持リング7が、ヘッダー1の管状接続部11の周溝16に係合しており、水圧によるヘッダー1相互間の離脱を防いでいる。また、ヘッダー1に挿入された枝管となる挿入管6は、保持リング7により把持され、固定されている。
以上は、ヘッダー本体2の一方の端部にのみ継手部3を有するヘッダー1について説明したが、ヘッダー本体2の両端部に継手部3を設けることも可能である。例えば、図4に示すヘッダー1Aは、上述した本発明によるヘッダー1の、管状挿入部11を設けた他端に、継手部3を設けて成るヘッダーの実施形態である。即ち、ヘッダー1Aは、ヘッダー本体2の両端に継手部3を有することになる。また、両継手部3には、止水栓9が夫々装着されており、共に脱着可能である。かようにヘッダー本体2の両端を継手部とすることにより、例えば、他方の継手部3に給水本管となるパイプ等を取り付け、また、一方の継手部3に本発明による他のヘッダーを取り付けることによって、連結する複数のヘッダーの最上流に、前記ヘッダー1Aを配置することが可能である。
さらに、本発明によるヘッダーは、複数の分岐口5を設けることが可能である。図5に示すヘッダー1Bは、ヘッダー本体2端部の一方を継手部3とし、また、他方を管状接続部11とし、2つの分岐口5aおよび5bを有する。ヘッダー1Bは、分岐口5aおよび5bに夫々一本の挿入管6を挿入することが可能である。従って、ヘッダー1Bのように、複数の分岐口5を有するヘッダー1を使用することにより、ヘッダー1相互間の連結部を減らして多くの枝管を得ることができ、漏水の可能性を軽減させることが可能である。
尚、上記ヘッダー1Bは、分岐口5を2つ有するヘッダー1の一例に過ぎず、本発明によるヘッダー1は、3つ以上の分岐口5を有していてもよい。分岐口5の数を増やせば、それだけヘッダー1相互間の連結部を減らして多くの枝管を得ることができるので、漏水可能性を低減できる。
上記に列挙したヘッダー1、1Aおよび1Bは、いずれも相互に連結可能である。図6は、本発明のヘッダー1を複数個連結した配管の一例を示す線図である。図示例では、給水本管となるパイプ6aの先端から、パイプ6aの軸方向に、順番に、本発明のヘッダー1A、ヘッダー1Bおよびヘッダー1が接続されており、ヘッダー1Aおよびヘッダー1B間、並びに、ヘッダー1Bおよびヘッダー1間は相互に結合している。また、最も下流側にあるヘッダー1の継手部3には、止水栓9が装着され、流体の漏出を防止している。各ヘッダー1の分岐口5には、それぞれ、枝管となるパイプ6bが挿入されており、給水本管6aからの流体は、ヘッダー1の内部で分岐して各パイプ6bに流れる。図示例では、既に4本の枝管6bをそなえたヘッダーを構成しており、さらに枝管6bを増設する場合は、連結したヘッダーの最下流にあるヘッダー1に装着された止水栓9を取り外して、新たに本発明のヘッダー1を連結させることが可能である。
本発明によるヘッダー1は、止水栓9を取り外して、新たに本発明による他のヘッダー1を取り付けることにより、複数個の連結したヘッダー1とすることができ、また、既に複数個の連結したヘッダー1であっても、連結端部のヘッダー1の止水栓9を取り外して、新たに本発明によるヘッダー1を取り付けることにより、枝管を得ることができる。
本発明により、一旦施工が終了してからでも、ヘッダーを容易に増設することが可能である。これにより、例えば、住宅や工場において、水廻りの増築に伴い、配管の増設が必要となる場合等に、配管内流体の供給を長時間中止することなく対応することができるため、増築の柔軟性が大幅に向上する。また、大掛かりな作業を必要としないため、経済的である他、作業に伴う漏水被害の可能性を軽減することができ、安全にヘッダーの増設をすることができる。
1 ヘッダー
1A ヘッダー本体の両端を継手部としたヘッダー
1B 2つの分岐口を有するヘッダー
2 ヘッダー本体
3 継手部
4 流体通路
5 分岐口
5a 第一分岐口
5b 第二分岐口
6 挿入管
6a 本管
6b 枝管
7 保持リング
8 止水部材
9 止水栓
10 止水栓の周溝
11 管状接続部
12 止水部材の周溝
13 カバー
14 キャップ
15 解放リング
16 管状接続部の周溝
17 取手部

Claims (4)

  1. 内部が流体通路となる筒状のヘッダー本体と、該流体通路から前記ヘッダー本体の径方向に開口する1以上の分岐口とをそなえ、前記ヘッダー本体の端部のいずれか少なくとも一方に、当該端部に挿し込む止水栓を把持する保持リング前記保持リングに隣接して位置し、押し込まれることにより前記保持リングの内径を前記ヘッダー本体の径方向に拡げる解放リングと、前記止水栓と前記ヘッダー本体との間に介在する止水部材と、を内蔵する、前記止水栓の脱着が可能の継手部を有し、前記止水栓は、ロックウェル硬さで110以上であることを特徴とするヘッダー。
  2. 前記止水栓は、外周面上に前記保持リングが係合する周溝をそなえることを特徴とする請求項1に記載のヘッダー。
  3. 前記止水栓が金属であることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッダー。
  4. 前記ヘッダー本体の端部のいずれか他方に、前記継手部と係合する管状接続部を有する請求項1〜3のいずれかに記載のヘッダー。
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