JP5371087B2 - 風力発電機用ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、垂直軸型風車による風力発電機の揚力型の風力発電機用ブレードに関する。
風力発電には、一般的に、水平軸型風車と垂直軸型風車が知られている。このうち、垂直軸型風車には、ブレードに発生する揚力により風車を回転させる揚力型と、ブレードに発生する抗力により風車を回転させる抗力型とが知られている。
このうち揚力型風車は、風速比(ブレードの翼端速度/風速)が1以上でも、風車を効率よく回転させることを可能としているため、風速に応じて発電効率が上がるという利点を有しているものの、風速比が1以下では、風車を回転させるモーメントが小さく、停止状態からの起動が困難な場合があるという問題点を有していた。
このため、特許文献1には、1枚の金属板を加工することにより、飛行機に使用される流線形の翼型にブレードを形成し、下面後縁部に切欠き部を形成することで、風によって空気抵抗と揚力を発生させて、発電に必要な回転モーメントを発生させる風力発電機用ブレードが開示されている。
また、高効率な風車のブレードとして、流線形の翼型を呈し、翼厚比が15〜20%程度のものが知られている。
ここで、翼厚比とは、翼弦と垂直に交わる直線の長さ(翼厚)の最大値を翼弦長で割った数値をいう。
特開2004−108330号公報([0014]−[0027]、図1)
ところが、特許文献1に記載のブレードは、低風速で回転し、高風速では失速して過剰回転を防ぐというメリットを有しているものの、パワー係数が低く、効率的ではなかった。
また、翼厚比が15〜20%程度のブレードは、パワー係数が0.3以上となり効率的であるものの、回転数が前記特許文献1のブレードの3倍程度で大きいため、ブレードに回転数の2乗に比例する10倍近い遠心力が生じる。そのため、風車の支持構造は、この遠心力に対して十分な耐力を有したものとする必要があった。
故に、支持構造の強度を高めることにより、費用が嵩み、風力発電機の費用低減化の妨げとなっていた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、効率的、かつ、安価な風力発電機を提供することを可能とした風力発電機用ブレードを提案することを課題とする。
このような課題を解決するために、請求項1に係る風力発電機用ブレードは、垂直軸を中心として回転し、支持具を介して前記垂直軸から所定の間隔を有して複数枚配設されるものであって、流線形の翼型を呈し、翼厚比が30%以上40%以下の範囲内であり、最大キャンバー量が4%かつ最大キャンバー位置が翼弦長(風力発電機用ブレードの長さ)に対して前縁から40%の位置になるように形成されていることを特徴としている。
かかる風力発電機用ブレード(以下、単に「ブレード」という場合がある)によれば、風車の回転速度を低下させることが可能となる。そのため、風車の回転数を抑え、支持構造への負担を軽減することが可能となる。故に、従来の風力発電機と比較して、簡易な支持構造により構成することが可能となり、安価な風力発電機を提供することが可能となる。
また、ブレードは、飛行機等に使用される流線形の翼型に形成されているため、高い揚力を得ることができ、大きなパワー係数が得られる。
本発明の風力発電機用ブレードによれば、効率的、かつ、安価な風力発電機を提供することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、本実施形態に係る風力発電機用ブレードを備えた風車を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す風車を示す側面図である。さらに、図3は、図1に示す風力発電機用ブレードを示す断面図である。本実施形態では、3枚翼の場合について説明するが、翼(ブレード)の数は2〜5枚であれば限定されるものではない。
図1に示すように、風車1は、垂直軸2と、支持具3を介して垂直軸2から所定の間隔を有して複数枚(本実施形態では2枚)配設された翼型のブレード(風力発電機用ブレード)4とからなり、風力により揚力が発生し、この揚力によってブレード4が垂直軸2を中心として水平に回転して、発電するいわゆる垂直軸型風車である。
垂直軸2は、図1および図2に示すように、垂直に立設された円筒状の管材から構成されており、上下2箇所において、ブレード4,4を固定するための、支持具3が固定されている。
なお、垂直軸2は、風車1を支持するために必要な強度を有し、ブレード4,4の配置が可能なものであれば、円筒状の管材に限定されるものではなく、適宜公知の部材を使用可能なことはいうまでもない。
また、垂直軸2には、発電機5が設置されており、ブレード4,4に回転に伴い垂直軸2が回転することにより発生する回転エネルギーを発電機5に伝達して、発電することを可能としている。
支持具3は、図2に示すように、固定部材3aと棒状部材3bを組み合わせてなる部材である。固定部材3aは垂直軸2の所定の位置に固定されており、棒状部材3bはこの固定部材3aを挟んで対向する方向に延設されている。
棒状部材3bの先端部(ブレード4側端部)は、図3に示すように、ブレード4に固定するための取付治具3cが一体に固定されている。
棒状部材3bの先端にはネジ加工が施されている。この棒状部材3bの先端をブレード4に貫通させた状態でナット3dを螺着することで、棒状部材3bとブレード4とを固定している。また、取付治具3cは、ブレード4から突設された取付板4aにボルトb,b,bを介して固定されている。
なお、支持具3は、複数のブレード4を垂直軸2から所定の間隔を有した位置に配置することが可能であれば、その構成は限定されるものではなく、ブレード4の枚数や材料の強度および重量等を考慮した上で、適宜設定すればよい。また、支持具3とブレード4との固定方法も限定されるものではなく、適宜公知の手段により行えばよい。
ブレード4は、図3に示すように、流線形の翼型を呈し、翼厚比が25%以上40%以下の範囲内となるように形成されている。また、ブレード4は、最大キャンバー量が4%程度、最大キャンバー位置がブレード4の長さに対して前縁F(ブレード4回転方向先端)から40%程度の位置となるように、形成されている。なお最大キャンバー量および最大キャンバー位置はこれに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
本実施形態では、ブレード4を、金属板を加工することにより形成されており、必要に応じて、内部の中空部に中詰材を充填するものとする。なお、ブレード4を構成する材料は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して採用すればよい。
ブレード4は、図3に示すように、閉鎖断面の筒状に構成されている。本実施形態では、上面(回転軸と反対側の面)Tが、回転方向外側に突出する流線形を呈している。
ブレード4には、支持具3の棒状部材3bを挿通するための貫通孔が、ブレード4の先端(前縁F)から中央に近い位置に形成されている。なお、支持具3の固定位置(貫通孔の位置)は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
また、ブレード4の下面Bの後縁R側には、支持具3の取付治具3cを固定するための取付板4aが突設されている。取付板4aには、複数のボルト孔が形成されており、ボルトbによる取付治具3cの固定が可能に形成されている。
なお、取付板4aは支持具3の固定方式に応じて形成するものであって、省略してもよい。
本実施形態に係るブレード4は、翼厚比が25%以上40%以下の範囲内であって、従来の風力発電機用ブレードと比較して厚みが厚く形成されているため、風車1の回転数が少なくなる。そのため、風車1の支持構造(垂直軸2や支持具3)への負担が従来の風車に比べて少なく、簡易な支持構造による支持が可能となる。故に、経済的に優れている。また、支持構造の簡素化により、風車1全体の軽量化が可能となるため、設置箇所の自由度が増す。
また、ブレード4は、その形状により、揚力が大きくかつ風車の回転数は少ないため、発電効率に優れている。風車の回転数が少ないことで、トルクが大きくなるため、高価なコアレス構造の発電機を使用する必要がなく、永久磁石使用同期発電機等を使用することが可能なため、安価である。
ブレード4は、流線形の翼型に形成されているため、比較的弱い風力で風車1が初動良く回転し、かつ、風速比(ブレードの翼端速度/風速)が1以上でも、風車1を効率よく回転させることを可能としている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本発明に係る風力発電機用ブレードを採用した風車の設置箇所は限定されるものではなく、例えば、建物の屋上や建物の近傍等に配置することが可能である。
以下、本発明に係る風力発電機用ブレードの実証実験結果について記載する。
ここで、図4は、本発明に係る風力発電機用ブレードを採用した風車による風速と回転数との関係を示したグラフである。また、図5は、従来の風力発電機用ブレードを採用した風車による風速と回転数との関係を示したグラフであって、(a)は翼厚比が15%であって下面の後縁が切り欠かれた風力発電機用ブレード、(b)は翼厚比が21%の風力発電機用ブレードを採用した風車である。
本実証実験では、本発明の風力発電機用ブレードとして、翼厚比が30%のものを使用する。
図4に示すように、本発明の翼厚比が30%の風力発電機用ブレードによれば、風速2m/sに対して回転数が20rpm程度である。また、風速が風速3m/sであっても、回転数は30rpm程度である。
一方、従来の切欠を有した風力発電機用ブレードは、図5(a)に示すように、風速2m/sで回転数は30rpm程度、風速3m/sでは回転数は45rpm程度である。
また、翼厚比が21%の風力発電機用ブレードによれば、図5(b)に示すように、風速1m/sで回転数が40rpm近く、風速2m/sでは回転数が70rpm程度である。
したがって、本発明に係る風力発電機用ブレードが、従来の切欠を有した風力発電機用ブレードと比較して回転数を2/3程度に低下させることが可能であり、翼厚比が21%の風力発電機用ブレードと比較した場合は、回転数を2/7程度に低下させることが可能であることが実験にて確認された。
したがって、本発明に係る風力発電機用ブレードが、従来の風力発電機用ブレードよりも、支持構造に与える負担が小さく、簡易な支持構造により風車を構成することが可能であることが証明された。
また、図4に示すように、本発明の風力発電機用ブレードによれば、風速が1m/sに満たない弱風であっても、風車は回転し、発電することが可能である。
本発明の好適な実施の形態に係る風力発電機用ブレードを備えた風車を示す斜視図である。 図1に示す風車を示す側面図である。 図1に示す風力発電機用ブレードを示す断面図である。 本発明に係る風量躯発電機用ブレードの実証実験結果を示すグラフであって、風車の風速と回転数との関係を示している。 従来の風力発電機用ブレードの実証実験結果を示すグラフであって、(a)は翼厚比が15%であって下面の後縁が切り欠かれた風力発電機用ブレード、(b)は翼厚比が21%の風力発電機用ブレード、を採用した風車による風速と回転数との関係を示している。
符号の説明
1 風車
2 垂直軸
3 支持具
4 ブレード
F 前縁
R 後縁
B 下面
T 上面

Claims (1)

  1. 垂直軸を中心として回転し、支持具を介して前記垂直軸から所定の間隔を有して複数枚配設される風力発電機用ブレードであって、
    流線形の翼型を呈し、翼厚比が30%以上40%以下の範囲内であり、最大キャンバー量が4%かつ最大キャンバー位置が翼弦長に対して前縁から40%の位置になるように形成されていることを特徴とする、風力発電機用ブレード。
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