JP5376489B2 - 薬液用熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、外面に形成した熱交換面を冷却又は加熱することにより内部に流通する薬液に対して熱交換を行う薬液用熱交換器に関する。
従来、外面に形成した熱交換面を冷却又は加熱することにより内部に流通する薬液に対して熱交換を行う薬液用熱交換器としては、特許文献1で開示される半導体処理液用冷却加熱装置が知られている。同公報で開示される半導体処理液用冷却加熱装置(薬液用熱交換器)は、一対の熱交換基板により側部壁体を挟むことにより冷却加熱室を形成し、この冷却加熱室に半導体処理液を流通させるとともに、各熱交換基板に、流通する半導体処理液を接触せしめて冷却または加熱するものであり、熱交換基板の少なくとも処理液接触面側がアモルファスカーボン層により被覆されるグラファイト基材で構成、又は熱交換基板がアモルファスカーボンで構成される。
しかし、この半導体処理液用冷却加熱装置は、熱交換基板に熱伝導性の低いアモルファスカーボンを使用するため、熱交換基板の厚さを1〜3〔mm〕程度に抑え、また、グラファイト基材や補強板を組合わせた複合板として機械的強度を確保する必要があり、異材質間の接触熱抵抗により熱伝達性能が低下し、熱交換効率を高めるにも限界があるとともに、一対の熱交換基板により側部壁体を挟むことにより冷却加熱室を形成する必要があることに加え、アモルファスカーボンとグラファイト基材等を組合わせた複合板として構成する必要があることから、熱交換器全体の構造が複雑となり、部品点数の増加及び製造工程の煩雑化に伴うコスト上昇を招くとともに、異材質間での熱伸縮に伴う耐久性の低下を招きやすいなどの問題がある。しかも、劣化したシールリング(Oリング)を交換する場合、熱交換基板,サーモモジュール及び放熱ブロックなどを取り外す必要があり、メンテナンスを容易に行えないとともに、メンテナンスコストも無視できない。
一方、この問題を解消するため、既に、本出願人は、外面に形成した熱交換面を冷却又は加熱することにより内部に流通する薬液に対して熱交換を行う薬液用熱交換器であって、内部に薬液を流通させる複数の薬液流通路を形成し、かつ少なくとも外面となる上面及び下面を熱交換面として形成するとともに、所定の焼成素材を焼結することにより全体を一体形成した熱交換ブロックを備えた薬液用熱交換器を特許文献2により提案した。この薬液用熱交換器は、単一素材となる所定の焼成素材を焼結することにより、全体を一体形成した熱交換ブロックを備えるため、複合板として構成する場合のディメリットを解消、即ち、異材質間の接触熱抵抗により熱伝達性能が低下するディメリットを解消し、熱交換器としての熱交換効率を高めることができる。しかも、熱交換器全体の構造単純化、部品点数の大幅削減及び製造工程の簡略化に伴うコストダウンを図れるとともに、異材質間での熱伸縮が生じないことから長期使用における耐久性を高めることができる。
特開平9−229587号公報 特開2008−64382号公報
しかし、上述した特許文献2における従来の薬液用熱交換器は、次のような改善すべき課題も残されていた。
第一に、半導体処理液等に使用する薬品は、近年、処理スピードを速めるため、液温を常温域から中高温域に高めたり、薬液の高純度化(強酸化,強アルカリ化)を図っている。したがって、薬液による侵食性が強くなり、特に、熱交換ブロックと接続用ヘッダ間に介在させるシールリングが劣化しやすい。この場合、シールリングの太さ(幅)を大きくすればよいが、熱交換ブロックにおける端面の厚さ(面積)は、製造技術上、及び熱交換効率の観点からあまり大きくできないため、シールリングの太さ(幅)を大きくするには限界がある。結局、シールリングの早期交換を行う必要があるなど、メンテナンスに伴うコストアップが無視できない。
第二に、アモルファスカーボン等の脆性の大きい素材により熱交換ブロックを製作した場合、熱交換ブロックに固定ボルトを直接螺着できないため、熱交換ブロックと接続ブロックの固定は、熱交換ブロックの両端を挟む一対の接続ブロック間に固定ボルトを架け渡して連結する必要があるなど、このような固定構造に伴う不具合、即ち、熱交換ブロックの両端面間の平行度を高める必要があり、平行度が低い場合は液漏れを生じやすい。固定ボルトの本数が制限されるため、固定強度を高くできない。固定ボルトが長くなるため、熱膨張による伸縮の影響が大きくなる。長手方向の長さが長くなり、熱交換器全体の大型化を招く。などの様々な不具合を生じやすい。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した薬液用熱交換器の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、外面に形成した熱交換面を冷却又は加熱することにより内部に流通する薬液Lに対して熱交換を行う薬液用熱交換器1を構成するに際して、所定の焼成素材Mを焼結して全体を一体形成することにより、内部に薬液Lを流通させる薬液流通路Rを設け、かつ少なくとも外面となる上面2u及び下面2dに熱交換面Cu,Cdを設けるとともに、上面2u及び下面2dの少なくとも一方に薬液流通路Rに臨む流入口Ri及び流出口Reを設けた熱交換ブロック2と、上面2u及び下面2dの少なくとも一方2u(2d)に面接触させ、かつ流入口Riに連通する流入側接続部Ji及び流出口Reに連通する流出側接続部Jeを設けた接続用ヘッダ3と、熱交換ブロック2及び接続用ヘッダ3を挟む規制板42及び保護板43とを具備し、熱交換ブロック2,接続用ヘッダ3,規制板42及び保護板43に対して、複数の固定ボルト4…を、一方側から貫通させ、かつ他方側に配したナット板44のネジ孔44n…に螺着することにより、接続用ヘッダ3を熱交換ブロック2に固定するとともに、複数の固定ボルト4…は、熱交換ブロック3と接続用ヘッダ2の上下方向に形成したボルト挿通孔11…,22…に対して挿入し、かつ薬液流通路Rが存在しない部位を貫通させてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、焼成素材Mには、アモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材(SiC)が好適である。また、薬液流通路Rは、一方向に形成した複数の直線流通孔Rx…の組合わせ、又は二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成することができるとともに、薬液流通路Rにおける熱交換ブロック2の側面2sに臨む開口部Rh…は、当該熱交換ブロック2と同一の素材又は異なる素材により形成した閉塞部材5…により閉塞することができる。なお、接続用ヘッダ3は、流入側接続部Jiを有する第一ヘッダ部3iと流出側接続部Jeを有する第二ヘッダ部3eの二つのヘッダ部により構成してもよいし、或いは流入側接続部Ji及び流出側接続部Jeを有する単一ヘッダ部3mにより一体に構成してもよい。
このような構成を有する本発明に係る薬液用熱交換器1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3間の対向面積は特に制限されないため、熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3間に介在させるシールリングの太さ(幅)を大きくすることができる。したがって、半導体処理液等に使用する薬品の高温化や高純度化(強酸化,強アルカリ化)が進んだ場合であってもシールリングの劣化による液漏れリスクを低減できるため、シールリングの使用期間を延ばすことができ、メンテナンスコストの削減を図れるとともに、信頼性向上に寄与できる。
(2) 単一素材となる所定の焼成素材Mを焼結することにより、全体を一体形成した熱交換ブロック2を備えるため、複合板として構成する場合のディメリットである異材質間の接触熱抵抗による熱伝達性能の低下や異材質間での熱伸縮による耐久性低下を解消でき、もって、熱交換器としての熱交換効率を高めることができるとともに、熱交換器全体の構造単純化による部品点数の削減及び製造工程の簡略化に伴うコストダウンを図れるなど、熱交換ブロック2を用いたことに基づく基本的な効果を享受できる。
(3) 熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3は、薬液流通路Rが存在しない部位を貫通する複数の固定ボルト4…により固定したため、固定ボルト4…を可及的に短くできるとともに、固定ボルト4…の使用数量に対する選定自由度を高めることができる。したがって、熱交換ブロック2の両端面間の平行度が要求されないため、製作の容易化及びこの部位での液漏れ解消を実現できるとともに、固定ボルト4…を短くできるため、熱膨張による伸縮の影響を小さくできる。また、固定ボルト4…の本数を増やせるため、固定強度を高めることができるとともに、長手方向の全体長を短くできるため、熱交換器全体の小型コンパクト化を図れるなど、従来の固定構造に伴う様々な不具合を解消できる。さらに、熱交換ブロック2及び接続用ヘッダ3を挟む規制板42と保護板43を設け、熱交換ブロック2,接続用ヘッダ3,規制板42及び保護板43に対して、一方側から固定ボルト4…を貫通させ、かつ他方側に配したナット板44に螺着するようにしたため、接続用ヘッダ3の熱変形を防止でき、熱変動に強い組付構造を構成できる。
(4) 好適な態様により、焼成素材Mとして、アモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材を用いれば、少なくとも薬液に対して化学的及び物理的に強い耐薬品性、更には発生するガスの漏れを阻止するガスに対する非透過性に優れる熱交換ブロック2、即ち、薬液用熱交換器1を構成する最適な熱交換ブロック2を得ることができる。
(5) 好適な態様により、薬液流通路Rを、一方向に形成した複数の直線流通孔Rx…の組合わせ又は二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成すれば、焼成素材Mとしてアモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材等の成形しにくい素材を用いた場合であっても薬液流通路Rを容易かつ確実に設けることができるとともに、熱交換面積,最大流量,圧力損失等を考慮した熱交換器の設計を容易に行うことができる。
(6) 好適な態様により、薬液流通路Rにおける熱交換ブロック2の側面2sに臨む開口部Rh…を、当該熱交換ブロック2と同一の素材又は異なる素材により形成した閉塞部材5…により閉塞すれば、上述した二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成することと併せて、より容易かつ確実に薬液流通路Rを設けることができる。
(7) 好適な態様により、接続用ヘッダ3を、別体となる流入側接続部Jiを有する第一ヘッダ部3iと流出側接続部Jeを有する第二ヘッダ部3eの二つのヘッダ部により構成すれば、第一ヘッダ部3iと第二ヘッダ部3e間の断熱性を高めることができるため、通常、10〔℃〕前後の温度差を有する第一ヘッダ部3iと第二ヘッダ部3e間の無用な熱伝達(熱漏れ)を阻止し、熱交換効率の向上に寄与できる。また、温度差により生じる熱変形を抑制し、流入側接続部Ji及び流出側接続部Jeからの液漏れを阻止することができる。
(8) 好適な態様により、接続用ヘッダ3を、流入側接続部Ji及び流出側接続部Jeを有する単一ヘッダ部3mにより一体に構成すれば、流入側接続部Jiと流出側接続部Je間の温度差が小さい用途などにおいては、部品点数の半減によりコストダウン及び製造容易性に寄与できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る薬液用熱交換器1に用いる熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3について、図1〜図4を参照して説明する。
熱交換ブロック2は、図4に示すように、全体を所定の焼成素材M、望ましくはアモルファスカーボン素材により、偏平な直方体状(プレート状)に一体に形成する。熱交換ブロック2の外面となる上面2u及び下面2dは、平坦な熱交換面Cu,Cdとして形成し、熱交換ブロック2の内部には、薬液Lを流通させる薬液流通路Rを設ける。薬液流通路Rは、二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成する。図4に例示する薬液流通路Rは、長手方向(X方向)に沿って形成した八本の直線流通孔Rx…と、この直線流通孔Rx…に直交する短手方向(Y方向)に形成した四本の直線流通孔Ry…を組合わせて構成する。この場合、各直線流通孔Rx…は、一端側を熱交換ブロック2の側面2sに開口部Rh…として形成するとともに、他端側は熱交換ブロック2の側面2sに臨ませることなく側面2sの近傍で袋小路状に形成する。また、各直線流通孔Ry…は、長手方向の一端側に配し、一端側を熱交換ブロック2の側面2sに臨ませることにより開口部Rh…として形成するとともに、他端側は熱交換ブロック2の側面2sに臨ませることなく側面2sの近傍で袋小路状に形成する。なお、各直線流通孔Rx…,Ry…は断面円形に形成し、各直線流通孔Rx…,Ry…と熱交換面Cu間、及び各直線流通孔Rx…,Ry…と熱交換面Cd間における最も薄くなる部位の厚さは、2〔mm〕以下に選定することが望ましい。このように、薬液流通路Rを、二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成すれば、焼成素材Mとしてアモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材等の成形しにくい素材を用いた場合であっても薬液流通路Rを容易かつ確実に設けることができるとともに、特に、熱交換面積,最大流量,圧力損失等を考慮した熱交換器設計を容易に行うことができる。
そして、各開口部Rh…は別途用意した閉塞部材5…により閉塞する。この場合、図4に示すように、各開口部Rh…から内周面にネジ孔部Rhn…を設け、外周面にネジ部5s…を設けた円柱形の閉塞部材5…を螺着して密閉する。この閉塞部材5…は、熱交換ブロック2と同一の素材により形成してもよいし、他の素材により形成してもよい。同一の素材で形成した場合には、熱交換ブロック2の焼結処理を行う前に、各開口部Rh…に閉塞部材5…を螺着し、この後、熱交換ブロック2と一緒に焼結処理することができる。また、他の素材としては、耐薬品性に優れたフッ素系樹脂(PTFE,PFA等)等により形成できる。このように、各開口部Rh…を閉塞部材5…により閉塞すれば、上述した二方向に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…の組合わせにより構成することと併せて、より容易かつ確実に薬液流通路Rを設けることができる。
さらに、熱交換ブロック2の上面2uであって、長手方向における他端側、即ち、各直線流通孔Ry…を設けた側に対して反対側には、薬液流通路Rに臨む流入口Ri及び流出口Reを設ける。この場合、流入口Riは細長く形成し、熱交換ブロック2の短手方向一側に配した四本の直線流通孔Rx…に跨がるように設けるとともに、流出口Reも細長く形成し、熱交換ブロック2の短手方向他側に配した四本の直線流通孔Rx…に跨がるように設ける。また、流入口Riを等間隔で囲む位置であって直線流通孔Rx…が存在しない位置には、上下面に貫通する四つのボルト挿通孔11…を設けるとともに、流出口Reを等間隔で囲む位置であって直線流通孔Rx…が存在しない位置には、上下面に貫通する四つのボルト挿通孔11…を設ける。なお、12…は、熱交換ブロック2の短手方向中央に形成した複数のボルト挿通孔であり長手方向に一定間隔おきに設ける。
一方、熱交換ブロック2の製造においては、アモルファスカーボン素材に係わる公知の製法を利用できる。例えば、フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,フラン樹脂等で代表される熱硬化性樹脂を、射出成形機或いは圧縮成形機などを用いて賦型するとともに、この後、不活性ガス雰囲気中において千数百℃の高温下で焼成することにより炭素化したアモルファスカーボン成形体としての熱交換ブロック2を得ることができる。焼成素材Mとしては、アモルファスカーボン素材以外に、炭化珪素素材(シリコンと炭化物の化合物:SiC)を用いても、当該アモルファスカーボン素材と同様に良好な結果を得ることができる。このように、焼成素材Mとして、アモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材を用いれば、少なくとも薬液に対して化学的及び物理的に強い耐薬品性、更には発生するガスの漏れを阻止するガスに対する非透過性に優れる熱交換ブロック2、即ち、薬液用熱交換器1を構成する最適な熱交換ブロック2を得ることができる。
他方、接続用ヘッダ3は、図1〜図3に示すように、流入側接続部Jiを有する第一ヘッダ部3iと流出側接続部Jeを有する第二ヘッダ部3eの二つのヘッダ部により構成する。第一ヘッダ部3iと第二ヘッダ部3eは同一に構成できるため、二つの第一ヘッダ部3i,3iを用意することにより、一方を第一ヘッダ部3iとし、他方を第二ヘッダ部3eとして用いればよい。このように、接続用ヘッダ3を、別体となる流入側接続部Jiを有する第一ヘッダ部3iと流出側接続部Jeを有する第二ヘッダ部3eの二つのヘッダ部により構成すれば、第一ヘッダ部3iと第二ヘッダ部3e間の断熱性を高めることができるため、通常、10〔℃〕前後の温度差を有する第一ヘッダ部3iと第二ヘッダ部3e間の無用な熱伝達(熱漏れ)を阻止し、熱交換効率の向上に寄与できるとともに、更に、温度差により生じる熱変形を抑制し、流入側接続部Ji及び流出側接続部Jeからの液漏れを阻止できる利点がある。
この場合、第一ヘッダ部3iは、熱交換ブロック2の上面2uに面接触可能となるように、例えば、耐薬品性に優れたフッ素系樹脂(PTFE,PFA等)等により全体を直方体状に一体成形する。第一ヘッダ部3iは、図3に示すように、上面2uにおける流入口Riに接続するため、接続時に、上述した四つのボルト挿通孔11…に位置が一致する四つのボルト挿通孔22…を設ける。また、第一ヘッダ部3iの中央には上下方向に貫通する液通路23を設ける。液通路23は熱交換ブロック2に組付けた際に下端部が流入口Riに接続されるとともに、液通路23の上端部は流入側接続部Jiとなる。この流入側接続部Jiには、フッ素系樹脂等により形成した薬液チューブTiの先端を嵌め込み、接着剤等により固定して接続できる。さらに、第一ヘッダ部3iの下面には、凹溝によるシールリング収容部24を設ける。このシールリング収容部24は、流入口Riの開口縁と各ボルト挿通孔11…間に、当該流入口Riの開口縁に沿って形成する。なお、流入側について説明したが、第二ヘッダ部3eを用いる流出側も流入側と同様に構成できる。
次に、本実施形態に係る薬液用熱交換器1の組立方法について、図1〜図6を参照して説明する。
最初に、熱交換ブロック2に対して接続用ヘッダ3(第一ヘッダ部3i,第二ヘッダ部3e)を組付ける。まず、フッ素系樹脂等により一体形成した二つのシールリング41…を用意し、各ヘッダ部3i,3eのシールリング収容部24…に収容するとともに、各ヘッダ部3i,3eは、熱交換ブロック2の上面2u上に、シールリング41…側を対面させて載置する。この際、第一ヘッダ部3iは流入口Riを覆うように配するとともに、第二ヘッダ部3eは流出口Reを覆うように配する。そして、図1及び図2に示すように、第一ヘッダ部3iの上面に、金属素材により形成した規制板42を載せるとともに、熱交換ブロック2の下面2dに樹脂素材等により形成した保護板43を当て、さらに、保護板43の下面にナット板44を当てる。この場合、規制板42と保護板43には、四つのボルト挿通孔11…に位置を一致させた四つの挿通孔を有するとともに、ナット板44には、四つのボルト挿通孔11…に位置を一致させた四つのネジ孔44n…を有する。また、規制板42の中央には薬液チューブTiを通すための開口を設ける。一方、四本の固定ボルト4…を用意し、各固定ボルト4…にスプリング45…を装填するとともに、各固定ボルト4…は先端側から、規制板42,第一ヘッダ部3i(ボルト挿通孔22…),熱交換ブロック2(ボルト挿通孔11…),保護板43の順に挿入し、先端をナット板44のネジ孔44n…に螺着する。なお、固定ボルト4…は、ステンレス等の金属製が望ましいが、特に素材は限定されない。このような規制板42及びナット板44により第一ヘッダ部3iを挟むことにより第一ヘッダ部3iの熱変形を防止でき、熱変動に強い組付構造を構成できる。第一ヘッダ部3i側について説明したが、第二ヘッダ部3e側も同様に組付けることができる。これにより、熱交換ブロック2に接続用ヘッダ3(第一ヘッダ部3i,第二ヘッダ部3e)を組付けて一体化した熱交換ユニットUを得ることができる。
また、図5及び図6に示すように、熱交換ブロック2の一方の熱交換面Cuに、ペルチェ素子を用いたサーモモジュール51u…を付設するとともに、このサーモモジュール51u…の放熱面(吸熱面)に冷却部52uを付設する。同様に、熱交換ブロック2の他方の熱交換面Cdに、ペルチェ素子を用いたサーモモジュール51d…を付設するとともに、このサーモモジュール51d…の放熱面(吸熱面)に冷却部52dを付設する。この場合、熱交換ブロック2内には二方向(X方向及びY方向)に形成した複数の直線流通孔Rx…,Ry…を設けたため、矩形状となる複数のサーモモジュール51u…,51d…を熱交換面Cu,Cdのほぼ全面に効率的に配することができるとともに、各サーモモジュール51u…,51d…に対して同寸法(同形状)の冷却部52u,52dを配することにより効率的な冷却を行うことができる。図中、53u,53dは、冷却部52u,52dに冷却水を循環させる配水管を示す。なお、冷却部52u,52dは、冷却水を循環させる水冷式であるが、温水を循環させることにより加熱部として機能させることができる。
そして、固定ボルト61…により冷却部52uと52d間を結合する。例示の場合、十五本の固定ボルト61…を用意し、短手方向中央の五個所、この両側の各五個所を固定する。各固定ボルト61…にはスプリング62…を装填するとともに、各固定ボルト61…は先端側から、冷却部52uに設けた挿通孔を通した後、冷却部52dに設けたネジ孔に螺着する。この際、短手方向中央の五個所における固定ボルト61…は、熱交換ブロック2に設けた五つのボルト挿通孔12…に挿通させるとともに、両側の各五個所における固定ボルト61…は、図6に示すように、熱交換ブロック2の外方を通すことができる。これにより、図5及び図6に示す薬液用熱交換器1を得ることができる。
よって、このような本実施形態に係る薬液用熱交換器1によれば、熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3間の対向面積は特に制限されないため、熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3間に介在させるシールリング41…の太さ(幅)を大きくすることができる。したがって、処理スピードを速めるために、半導体処理液等に使用する薬品の高温化や高純度化(強酸化,強アルカリ化)が進んだ場合であっても、シールリング41…の劣化による液漏れリスクを低減できるため、シールリング41…の使用期間を延ばすことができ、メンテナンスコストの削減を図れるとともに、信頼性向上に寄与できる。また、シールリング41…を交換する場合であっても、サーモモジュール51…及び冷却部52…を取り外すことなく作業を行うことができるため、この観点からもメンテナンスコストの削減に寄与できる。しかも、単一素材となる所定の焼成素材Mを焼結することにより、全体を一体形成した熱交換ブロック2を備えるため、複合板として構成する場合のディメリットである異材質間の接触熱抵抗による熱伝達性能の低下や異材質間での熱伸縮による耐久性低下を解消でき、もって、熱交換器としての熱交換効率を高めることができるとともに、熱交換器全体の構造単純化による部品点数の削減及び製造工程の簡略化に伴うコストダウンを図れるなど、熱交換ブロック2を用いたことに基づく基本的な効果を享受できる。
さらに、本実施形態に係る薬液用熱交換器1は、熱交換ブロック2と接続用ヘッダ3を、薬液流通路Rが存在しない部位を貫通する複数の固定ボルト4…により固定するようにしたため、固定ボルト4…を可及的に短くできるとともに、固定ボルト4…の使用数量に対する選定自由度を高めることができる。したがって、熱交換ブロック2の両端面間の平行度が要求されないため、製作の容易化及びこの部位での液漏れ解消を実現できるとともに、固定ボルト4…を短くできるため、熱膨張による伸縮の影響を小さくできる。また、固定ボルト4…の本数を増やせるため、固定強度を高めることができるとともに、長手方向の全体長を短くできるため、熱交換器全体の小型コンパクト化を図れるなど、従来の固定構造に伴う様々な不具合を解消できる。
次に、本実施形態に係る薬液用熱交換器1の機能について、図1〜図6を参照して説明する。
薬液用熱交換器1により薬液Lを冷却する場合には、図5及び図6に示すサーモモジュール51u…,51d…に通電して熱交換ブロック2の熱交換面Cu,Cdを冷却する。この際、サーモモジュール51u…,51d…の放熱面からの放熱は、冷却部52u,52dにより吸収される。
一方、薬液Lは、不図示の被冷却機器等から薬液チューブTiを通して流入側接続部4iに流入し、流入口Riを介して熱交換ブロック2の短手方向一側に配した四本の直線流通孔Rx…に流入する。そして、この直線流通孔Rx…を流れた薬液Lは、直交方向の直線流通孔Ry…を通って熱交換ブロック2の短手方向他側に配した四本の直線流通孔Rx…に流入する。また、この直線流通孔Rx…を流れた薬液Lは、流出口Reを介して流出側接続部4eに至り、薬液チューブTeを通して不図示の被冷却機器等に供給される。なお、各図において、薬液Lの流通経路を点線矢印で示す。よって、このような流通経路により薬液流通路Rを流れる薬液Lは、熱交換面Cu,Cdを介して冷却部52u,52d側と熱交換され、薬液Lに対する冷却が行われる。
他方、薬液Lを加熱する場合には、サーモモジュール51u…,51d…に対して逆方向に通電して熱交換ブロック2の熱交換面Cu,Cdを加熱すればよい。この際、冷却部52u,52dには温水を循環させることにより、サーモモジュール51u…,51d…の放熱面を加熱(放冷)する。
次に、本発明の変更実施形態に係る薬液用熱交換器1について、図7〜図13を参照して説明する。
図7(a)〜(c)は、熱交換ブロック2の変更例を示す。図1〜図6に示した熱交換ブロック2は、薬液流通路RがU形経路により構成した場合を示したが、図7(a)は、薬液流通路Rが二つのI形経路により構成する場合を示す。したがって、図7(a)の場合は、熱交換ブロック2の長手方向一端側に二つの流入口Ri,Riを並設するとともに、熱交換ブロック2の長手方向他端側に二つの流出口Re,Reを並設する。図7(a)の場合には、短手方向の直線流通孔Ry…を設けない形態となり、一方向に形成した複数の直線流通孔Rx…の組合わせによる薬液流通路Rを構成する。また、図7(b)は、薬液流通路Rが一つのI形経路により構成する場合を示す。したがって、図7(b)の場合は、熱交換ブロック2の長手方向一端側に一つの流入口Riを設けるとともに、熱交換ブロック2の長手方向他端側に一つの流出口Reを設ける。図7(b)の場合には、熱交換ブロック2の長手方向一端側と他端側にそれぞれ短手方向の直線流通孔Ry…を設け、この直線流通孔Ry…により流入口Riと全直線流通孔Rx…の一端側を連通させるとともに、流出口Reと全直線流通孔Rx…の他端側を連通させる。さらに、図7(c)は、薬液流通路Rが図1〜図6に示した熱交換ブロック2と同じU形経路により構成する場合を示すが、流入口Riと流出口Reの形状を円形に形成したものである。したがって、図7(b)の場合と同様に、短手方向の直線流通孔Ry…を設け、流入口Riと対応する直線流通孔Rx…の一端側を連通させるとともに、流出口Reと対応する直線流通孔Rx…の一端側を連通させる。このように、熱交換ブロック2に設ける薬液流通路Rの経路パターンは様々な形態により実施することができる。
図8は、接続用ヘッダ3を、流入側接続部Ji及び流出側接続部Jeを有する単一ヘッダ部3mにより一体に構成したものである。したがって、流入側接続部Jiと流出側接続部Je間の温度差が小さい用途などにおいては、部品点数の半減によりコストダウン及び製造容易性に寄与できる。図9は、接続用ヘッダ3の第一ヘッダ部3i(3e側も同じ)における流入側接続部Jiの向きを異ならせた変更例を示す。図1〜図6に示した第一ヘッダ部3iは、内部に上下方向に貫通する直線状の液通路23を設け、流入側接続部Jiの向きを鉛直方向上方に向けた場合を示したが、図9に示す第一ヘッダ部3iは、内部にL形の液通路23mを設け、流入側接続部Jiを水平方向に向けたものである。このように、流入側接続部Jiの向きは、第一ヘッダ部3iに設ける液通路23の形態により任意に設定できる。
図10及び図11は、接続用ヘッダ3と熱交換ブロック2の接続形態の変更例を示す。図1〜図6に示した流入口Ri(Re側も同じ)は、複数の直線流通孔Rx…に対して跨がるように細長く形成したが、図10及び図11は、流入口Ri…を各直線流通孔Rx…毎に設けるとともに、第一ヘッダ部3i側に各流入口Ri…に連通する液通路(23w,23f…)を設けたものである。この場合、図10は、第一ヘッダ部3iの下面に各流入口Ri…に跨がる細長い液通路23wを設け、この液通路23wを第一ヘッダ部3iの内部に設けた上下に貫通する液通路23に連通させたものであり、図10(b)に第一ヘッダ部3iの断面を示すとともに、図10(a)に熱交換ブロック2の上面2uを示す。また、図11は、第一ヘッダ部3iの内部に設けた液通路23を、各流入口Ri…に対応させて分岐させ、分岐させた複数の液通路23f,23fを各流入口Ri…に接続するようにしたものであり、図11(b)に第一ヘッダ部3iの断面を示すとともに、図11(a)に熱交換ブロック2の上面2uを示す。
図12(a),(b)は、接続用ヘッダ3における第一ヘッダ部3i(3e側も同じ)の基本形態が異なる変更例を示す。図12(a)は、ドーナツ形(リング盤形)の取付部3ifにパイプ形の流入側接続部Jiを結合し又は一体形成したものである。したがって、図12(a)の第一ヘッダ部3iは、図7(c)の熱交換ブロック2に組付けることができる。図12(a)の第一ヘッダ部3iは、特に、素材として熱交換ブロック2と同一の素材(焼成素材)を用いることができる。この場合、同一素材となるため、熱膨張率の相違による熱変形の悪影響を防止できる。なお、この流入側接続部Jiは、直接薬液チューブに差し込んで、又は継手等を介して薬液チューブに接続することができる。また、取付部3ifは一定の厚さにより形成し、下面にはシールリング収容部24を設ける。図12(b)は、図12(a)に対して厚さを薄くした取付部3ifsを用いたものである。図12(b)の場合、シールリング収容部24を設けることができないため、シールリング収容部24は熱交換ブロック2の上面2uに設ければよい。このように、接続用ヘッダ3の形態(形状)は任意に実施することができる。
図13(a),(b)は、接続用ヘッダ3の組付形態の変更例を示す。図13(a)は、図7(a),(b)の形態において、第二ヘッダ部3eを熱交換ブロック2の下面2dに組付けたものである。したがって、この場合、流出口Reを熱交換ブロック2の下面2dに設ければよい。また、図13(b)は、図13(a)の形態において、熱交換ブロック2の上面2uに組付けた第一ヘッダ部3iに対して、更に、もう一つの第一ヘッダ部3idを下面2dに追加したものである。したがって、この場合には、熱交換ブロック2の上下面を貫通する流入口Ricを設ければよい。なお、Tidは第一ヘッダ部3idに接続した薬液チューブを示す。
図7〜図13において、他の構成及び機能等は、図1〜図6に示した実施形態に準じて実施することができる。このため、図7〜図13の実施形態において、図1〜図6に示した実施形態と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、各種実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値,素材等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、薬液流通路Rは、数量を変更することにより、層流にしたり乱流にすることができるとともに、薬液流通路Rの内面を粗すことにより、乱流効果を更に高めることができる。なお、薬液Lには、半導体処理液をはじめ、各種薬液を適用できるとともに、必要により水等の薬液以外の溶液にもそのまま利用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る薬液用熱交換器の熱交換ユニットの一部断面側面図、 同熱交換ユニットの一部断面正面図、 同熱交換ユニットの平面図、 同熱交換ユニットの熱交換ブロックの一部断面平面図、 同薬液用熱交換器の平面図、 同薬液用熱交換器の側面図、 本発明の変更実施形態に係る薬液用熱交換器の熱交換ブロックの変更例(a),(b)及び(c)を示す平面図、 同薬液用熱交換器の接続用ヘッダの変更例を示す平面図、 同薬液用熱交換器の接続用ヘッダの他の変更例を示す一部断面側面図、 同薬液用熱交換器の熱交換ブロックと接続用ヘッダの接続形態の変更例を示す(a)熱交換ブロックの平面図及び(b)接続用ヘッダの断面正面図、 同薬液用熱交換器の熱交換ブロックと接続用ヘッダの接続形態の他の変更例を示す(a)熱交換ブロックの平面図及び(b)接続用ヘッダの断面正面図、 同薬液用熱交換器の接続用ヘッダの他の変更例(a)及び(b)を示す斜視図、 同薬液用熱交換器の接続用ヘッダの組付形態の変更例(a)及び(b)を示す側面図、
符号の説明
1:薬液用熱交換器,2:熱交換ブロック,2u:上面,2d:下面,2s:側面,3:接続用ヘッダ,3i:第一ヘッダ部,3e:第二ヘッダ部,3m:単一ヘッダ部,4…:固定ボルト,5:閉塞部材,11…,22…:ボルト挿通孔,42:規制板,43:保護板,44:ナット板,44n…:ネジ孔,L:薬液,M:焼成素材,R:薬液流通路,Ri:流入口,Re:流出口,Rx…:直線流通孔,Ry…:直線流通孔,Rh…:開口部,Cu:熱交換面,Cd:熱交換面,Ji:流入側接続部,Je:流出側接続部

Claims (6)

  1. 外面に形成した熱交換面を冷却又は加熱することにより内部に流通する薬液に対して熱交換を行う薬液用熱交換器において、所定の焼成素材を焼結して全体を一体形成することにより、内部に薬液を流通させる薬液流通路を設け、かつ少なくとも前記外面となる上面及び下面に前記熱交換面を設けるとともに、前記上面及び前記下面の少なくとも一方に前記薬液流通路に臨む流入口及び流出口を設けた熱交換ブロックと、前記上面及び前記下面の少なくとも一方に面接触させ、かつ前記流入口に連通する流入側接続部及び前記流出口に連通する流出側接続部を設けた接続用ヘッダと、前記熱交換ブロック及び前記接続用ヘッダを挟む規制板及び保護板とを具備し、前記熱交換ブロック,前記接続用ヘッダ,前記規制板及び前記保護板に対して、複数の固定ボルトを、一方側から貫通させ、かつ他方側に配したナット板のネジ孔に螺着することにより、前記接続用ヘッダを前記熱交換ブロックに固定するとともに、前記複数の固定ボルトは、前記熱交換ブロックと前記接続用ヘッダの上下方向に形成したボルト挿通孔に対して挿入し、かつ前記薬液流通路が存在しない部位を貫通させてなることを特徴とする薬液用熱交換器。
  2. 前記焼成素材は、アモルファスカーボン素材又は炭化珪素素材を用いることを特徴とする請求項1記載の薬液用熱交換器。
  3. 前記薬液流通路は、一方向に形成した複数の直線流通孔の組合わせ又は二方向に形成した複数の直線流通孔の組合わせにより構成することを特徴とする請求項1又は2記載の薬液用熱交換器。
  4. 前記薬液流通路における前記熱交換ブロックの側面に臨む開口部は、当該熱交換ブロックと同一の素材又は異なる素材により形成した閉塞部材により閉塞することを特徴とする請求項1,2又は3記載の薬液用熱交換器。
  5. 前記接続用ヘッダは、前記流入側接続部を有する第一ヘッダ部と前記流出側接続部を有する第二ヘッダ部の二つのヘッダ部により構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬液用熱交換器。
  6. 前記接続用ヘッダは、前記流入側接続部及び流出側接続部を有する単一ヘッダ部により一体に構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬液用熱交換器。
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