JP5377280B2 - 流体封入式能動型防振装置 - Google Patents

流体封入式能動型防振装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のエンジンマウント等に適用される流体封入式防振装置に係り、特に外部から加振力を及ぼすことによって能動的な防振効果が発揮されるようにした流体封入式能動型防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を防振連結する防振装置が知られており、内部に封入された流体の流動作用を利用する流体封入式防振装置も提案されている。更に、流体封入式防振装置の更なる性能向上を目的として、電磁式アクチュエータを用いて外部から加振力を及ぼすことで受圧室の圧力を制御して、能動的な防振効果が発揮されるようにした流体封入式能動型防振装置も提案されており、自動車のエンジンマウント等への適用が検討されている。
ところで、一般的な流体封入式能動型防振装置では、受圧室と平衡室が軸方向で直列的に設けられており、それら受圧室と平衡室を備えた本体部分を軸方向外側に外れた位置に電磁式アクチュエータが配設されている。このような構造を採用すると、受圧室と平衡室と電磁式アクチュエータが何れも軸方向で直列的に配されることから、軸方向で装置の大型化が問題となる。本出願人は、このような軸方向での大型化を抑える手段の1つとして、特開2006−275273号公報(特許文献1)等において、本体ゴム弾性体の周囲を取り囲むように可撓性膜を配設することで、本体ゴム弾性体の外周側のスペースを利用して平衡室を形成した構造を提案している。
しかしながら、このような本体ゴム弾性体の周囲に可撓性膜を設けた構造では、大荷重入力時における可撓性膜と他部材との干渉が問題となる。即ち、自動車が段差を乗り越える等して、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的な大荷重が入力されると、それら第一の取付部材と第二の取付部材が相対的に大きく接近変位と離隔変位を繰り返すことになる。その結果、第一の取付部材と第二の取付部材の接近時に第一の取付部材に取り付けられたパワーユニット側の部材が可撓性膜に接触して、可撓性膜が損傷するおそれがあった。
そこで、特許文献1にも示されているように、第一の取付部材と第二の取付部材の接近方向での相対変位量を緩衝的に制限するバウンドストッパ機構が、一般的に採用されている。即ち、ストッパ機構は、例えば、第一の取付部材側と第二の取付部材側にそれぞれ当接部が設けられて、相互に対向配置されていると共に、それら当接部の対向間に緩衝ゴムが配設された構造を有している。そして、大荷重入力時には、それら当接部が緩衝ゴムを介して緩衝的に当接することで、第一の取付部材と第二の取付部材の接近変位が制限されるようになっている。
ところが、このようなストッパ機構を設ける場合には、緩衝ゴムの当接部への取付方法が問題となる。即ち、緩衝ゴムは、本体ゴム弾性体や可撓性膜とは異なる特性が要求されることから、一般に、それら本体ゴム弾性体および可撓性膜とは別体で形成されて当接部に後付けされる。この固定方法としては、緩衝ゴムを支持金具に加硫接着すると共に、支持金具を当接部に対して溶接やボルト固定等の手段によって固定する方法が考えられる。しかし、この方法では、支持金具が特別に必要となる上に、支持金具に対して緩衝ゴムを加硫接着するための塗装等の処理が必要となって、部品数や工程数が増加するという問題があった。また、別体の緩衝ゴムを支持金具を介することなく当接部に対して直接に取り付ける方法も考えられるが、ストッパ荷重の作用によって緩衝ゴムが脱落するおそれがあって、ストッパ効果を高い信頼性をもって安定して発揮させることは難しかった。
特開2006−275273号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、緩衝ゴムの当接部に対する取付作業性と取付強度を何れも優れたものと出来る、新規な構造の流体封入式能動型防振装置を、部品点数の少ない簡単な構造で提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されて、該第二の取付部材の一方の開口部が該本体ゴム弾性体によって閉塞されていると共に、該第二の取付部材の他方の開口部が加振部材によって閉塞されており、それら本体ゴム弾性体と加振部材の間に受圧室が形成されていると共に、該本体ゴム弾性体の外側が可撓性膜で覆われて平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている一方、該加振部材に加振力を及ぼす電磁式アクチュエータが設けられた流体封入式能動型防振装置において、前記第一の取付部材と前記第二の取付部材とにそれぞれ設けた当接部を互いに対向位置せしめて少なくとも一方の該当接部に緩衝ゴムを取り付けることにより、該第一の取付部材と該第二の取付部材の接近方向への相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が構成されている一方、該緩衝ゴムにロック用突部及び係止用突部が一体形成されていると共に、該緩衝ゴムが取り付けられる前記当接部において該ロック用突部が挿入されるロック用孔と該係止用突部が挿入される係止用孔が形成されており、該ロック用孔を周方向で内径寸法の異なる異形状とすると共に、該ロック用孔を貫通する該ロック用突部の先端部において外周面から突出する係合突起を形成することにより、該ロック用孔への該ロック用突部の挿入状態で該ロック用突部の中心軸回りに該緩衝ゴムを該当接部への取付位置まで回転させることで該ロック用孔の周縁部に対して該係合突起を係止させて該ロック用孔からの該ロック用突部の抜出しを阻止するロック機構が構成されていると共に、該緩衝ゴムの該当接部への取付位置において該係止用突部が該係止用孔に挿入されることにより、該緩衝ゴムの回転を阻止して該ロック機構において該ロック用孔からの該ロック用突部の抜出しが阻止された状態に保持するロック保持機構が構成されていることを、特徴とする。
第一の態様によれば、本体ゴム弾性体や可撓性膜とは別体の緩衝ゴムを当接部に取り付けることで、それら本体ゴム弾性体や可撓性膜とは異なる優れた耐荷重性等の特性を備えた緩衝ゴムを容易に実現可能である。
さらに、ロック用突部の係合突起とロック用孔の周縁部との係止を利用したロック機構によって、緩衝ゴムが当接部に対して目的とする取付状態に保持されるようになっている。しかも、ロック機構では、ロック用突部をロック用孔に挿入した後、緩衝ゴムをロック用突部の中心軸回りで回転させるという、極めて簡単な作業によって緩衝ゴムを当接部に対して固定保持できるようになっている。
更にまた、係止用突部の係止用孔への挿入係止を利用したロック保持機構によって、緩衝ゴムが当接部に対してロック用突部の中心軸回りで回転するのを防止されていることにより、ロック機構における係合突起の係止の解除が防がれて、緩衝ゴムの当接部に対する取付状態が安定して維持されるようになっている。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された流体封入式能動型防振装置において、前記緩衝ゴムが長手形状とされており、該緩衝ゴムの長手方向一方の端部に前記ロック用突部が形成されていると共に、該緩衝ゴムの長手方向他方の端部に前記係止用突部が形成されているものである。
第二の態様によれば、ロック用突部と係止用突部が緩衝ゴムの略長手方向に大きく離隔して配置されていることから、ロック用突部の中心軸回りで緩衝ゴムが回転するのを、係止用突部の係止用孔に対する係止によって効果的に防止できる。
また、緩衝ゴムの長手方向両端部に対して、それぞれ当接部に設けられた孔に挿入される突部が形成されていることにより、緩衝ゴムの位置ずれや不要な変形が制限されて、目的とする取付状態が維持される。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された流体封入式能動型防振装置において、前記緩衝ゴムが長手形状とされており、該緩衝ゴムの長手方向一方の端部側に前記ロック用突部が形成されて前記当接部の前記ロック用孔へ挿入されている一方、該緩衝ゴムにおいて該ロック用突部から該緩衝ゴムの長手方向他方の端部側へ離れた位置に、前記係止用突部と外周縁部に位置する掛止部が一体形成されており、該係止用突部が該当接部の前記係止用孔へ挿入されていると共に、該掛止部が当接部の縁部に掛止されているものである。
第三の態様によれば、係止用突部の係止用孔からの抜けが、掛止部の当接部への掛止によって防止されている。それ故、ロック保持機構において係合突起の係止状態を保持する機能がより確実に発揮されて、緩衝ゴムの当接部からの脱落が効果的に防止される。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載された流体封入式能動型防振装置において、前記緩衝ゴムの前記当接部からの突出高さが前記ロック用突部の形成部分において他の部分よりも小さくなっているものである。
第四の態様によれば、当接部間で挟み込まれることで緩衝ゴムに作用するストッパ荷重が、緩衝ゴムにおけるロック用突部の形成部分に対して直接的に及ぼされるのを防ぐことが出来て、ロック用突部の耐久性が確保されると共に、ロック用突部のロック用孔からの抜けが防止される。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された流体封入式能動型防振装置において、前記緩衝ゴムにおける前記ロック用突部が、前記ストッパ機構を構成する前記二つの当接部の対向方向で反対側に向かって該緩衝ゴムの裏面側から突設されているものである。
第五の態様によれば、ストッパ荷重が緩衝ゴムに対してロック用突部の中心軸方向に作用することから、ストッパ荷重によるロック用突部の変形が抑えられて耐久性の向上が図られると共に、ストッパ荷重によるロック用突部のロック用孔からの抜けが回避される。
本発明によれば、ロック用突部の係合突起とロック用孔の周縁部との係止によるロック機構によって、独立した緩衝ゴムを当接部に対して容易に固定することが出来る。しかも、係止用突部を係止用孔に挿入して緩衝ゴムのロック用突部中心軸回りでの回転を阻止することにより、係合突起とロック用孔の周縁部とを係止状態に保持して、緩衝ゴムの当接部への装着状態を安定して維持することが出来る。
本発明の一実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図3のIII−III断面に相当する図。 図1に示されたエンジンマウントの正面図。 図1に示されたエンジンマウントの平面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成するゴムストッパの斜視図。 図4に示された緩衝ゴムの斜視図。 図4に示された緩衝ゴムの右側面図。 図4に示された緩衝ゴムの底面図。 図4に示された緩衝ゴムを装着する前のエンジンマウントを示す平面図。 図4に示された緩衝ゴムの装着方法を概略的に示す底面図であって、(a)がロック用突部のロック用孔への挿入状態を、(b)が緩衝ゴムのロック用突部の中心軸回りでの回転状態を、(c)が緩衝ゴムの取付状態を、それぞれ示す。 図1に示されたエンジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図。 本発明の別の一実施形態としてのエンジンマウントに採用される緩衝ゴムの右側面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜図3には、流体封入式能動型防振装置に関する本発明の一実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造を有しており、第一の取付部材12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付部材14が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持するようになっている。また、そのような装着状態下、第一の取付部材12と第二の取付部材14の間には、パワーユニットの分担荷重と、防振すべき主たる振動が、何れも、エンジンマウント10の略軸方向(図1中、上下方向)に入力されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付部材12に可撓性膜インナ金具20が外嵌固定されていると共に、第二の取付部材14が本体ゴムアウタ筒金具22と可撓性膜アウタ筒金具24によって構成されている。そして、第一の取付部材12と本体ゴムアウタ筒金具22が本体ゴム弾性体16に対して加硫接着されることにより、第一の一体加硫成形品28が形成されている一方、可撓性膜インナ金具20と可撓性膜アウタ筒金具24が可撓性膜30に対して加硫接着されることにより、第二の一体加硫成形品32が形成されており、これら第一及び第二の一体加硫成形品28,32が相互に組み合わされている。
第一の一体加硫成形品28を構成する第一の取付部材12は、全体として略円形ブロック状であって、上部が軸方向に延びる略円柱形状とされていると共に、下部が下方に向かって次第に縮径する逆向きの略円錐台形状とされている。また、第一の取付部材12には、上方に突出する取付板部34が一体形成されており、取付板部34の中央部分にはボルト挿通孔36が設けられている。また、取付板部34の一方の面にインナブラケット38が重ね合わされて、ボルト挿通孔36に挿通される固定用ボルト40によって固定されている。インナブラケット38は、第一の取付部材12の上面に重ね合わされて、取付板部34から軸直角方向一方の側に向かって側方に延びている。そして、第一の取付部材12は、かかるインナブラケット38を介して、図示しない自動車のパワーユニットに対して固定的に取り付けられるようになっている。
本体ゴムアウタ筒金具22は、略大径円筒形状を有する筒壁部42を備えており、この筒壁部42の軸方向下端部には径方向外方に向かって広がるフランジ状部44が一体形成されている一方、筒壁部42の軸方向上端部分は、軸方向上方に行くに従って次第に拡開するテーパ筒状部46とされている。これによって、本体ゴムアウタ筒金具22の外周側には、外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる周溝48が形成されている。そして、本体ゴムアウタ筒金具22の上方に離隔して、第一の取付部材12が略同一中心軸上で離隔配置されており、第一の取付部材12における逆テーパ形状の外周面と本体ゴムアウタ筒金具22におけるテーパ筒状部46の内周面が相互に離隔して対向位置せしめられており、これら第一の取付部材12と本体ゴムアウタ筒金具22との対向面間が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
かかる本体ゴム弾性体16は、全体として大径の円錐台形状を有しており、その中央部分には、第一の取付部材12が同軸的に配されて加硫接着されていると共に、その大径側端部外周面に対して本体ゴムアウタ筒金具22のテーパ筒状部46が重ね合わせられて加硫接着されている。これによって、本体ゴム弾性体16が、上述の如き第一の取付部材12および本体ゴムアウタ筒金具22を備えた第一の一体加硫成形品28として形成されている。なお、第一の一体加硫成形品28において、本体ゴムアウタ筒金具22の上側開口部は、本体ゴム弾性体16によって閉塞されている。
また一方、第二の一体加硫成形品32を構成する可撓性膜インナ金具20は、薄肉小径の略円筒形状を有している。また、可撓性膜インナ金具20の筒壁部分の軸方向上下両端には、外周側に突出するフランジが一体形成されており、可撓性膜インナ金具20が外周面に開口する略一定の溝状断面を有している。
また、可撓性膜アウタ筒金具24は、薄肉大径の円筒形状を有しており、その軸方向上側の開口部には、径方向外方に向かって広がる支持フランジ50が一体形成されている。この支持フランジ50は、径方向一方向(図1〜図3中の右方)に延び出す支持板部52を備えていると共に、支持板部52の突出先端から下方に延び出す垂れ壁状の掛止用壁部54を一体的に有している。更にまた、可撓性膜アウタ筒金具24の軸方向下側の開口部には、径方向外方に向かって広がる円環板形状のフランジ状部56が一体形成されており、更に、フランジ状部56の外周縁部には、軸方向下方に向かって突出する円環状のかしめ片58が一体形成されている。
そして、可撓性膜アウタ筒金具24の軸方向上方に離隔して、可撓性膜インナ金具20が、略同一中心軸上に配設されており、それら可撓性膜インナ金具20と可撓性膜アウタ筒金具24が、可撓性膜30によって連結されている。
可撓性膜30は、薄肉のゴム膜によって形成されており、容易に弾性変形が許容されるように大きな弛みを持った湾曲断面形状をもって周方向に延びる略円環形状を有している。また、可撓性膜30には、周上の一部が外周側に凹となる凹み形状とされており、後述するストッパ機構148の構成部位を避けるような形状とされて、インナブラケット38との干渉が回避されている。更に、可撓性膜30における上記凹み部分は、その中央部分が他の部分よりも厚肉とされていると共に、内周側に突出する密着防止突起59を有している。そして、可撓性膜30の内周縁部が、可撓性膜インナ金具20の筒壁部分の外周面に対して加硫接着されていると共に、可撓性膜30の外周縁部が、可撓性膜アウタ筒金具24の軸方向上側の開口部に加硫接着されている。これにより、可撓性膜30は、可撓性膜インナ金具20および可撓性膜アウタ筒金具24を備えた第二の一体加硫成形品32として形成されている。
而して、かかる第二の一体加硫成形品32が、前述の第一の一体加硫成形品28に対して上方から重ね合わせられて組み付けられており、可撓性膜インナ金具20が第一の取付部材12に嵌着されていると共に、可撓性膜アウタ筒金具24が本体ゴムアウタ筒金具22に嵌着されている。更に、可撓性膜30が、本体ゴム弾性体16の外方に離隔して、本体ゴム弾性体16の外周面を略全体に亘って覆うようにして配設されている。
すなわち、可撓性膜インナ金具20が第一の取付部材12に本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴムを介して外嵌されることによって、可撓性膜インナ金具20と第一の取付部材12が同軸的に位置決めされて相互に固定されている。
一方、可撓性膜アウタ筒金具24は本体ゴムアウタ筒金具22に対して軸方向上方から外挿されている。また、本体ゴムアウタ筒金具22は、その下端部において、フランジ状部44の外周縁部が可撓性膜アウタ筒金具24のフランジ状部56に対して軸方向に重ね合わされていると共に、その上端部において、テーパ筒状部46の開口端縁部が可撓性膜アウタ筒金具24の内周面に対して径方向で重ね合わされている。
そして、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部44の外周縁部に対して、可撓性膜アウタ筒金具24のかしめ片58がかしめ固定されることによって、本体ゴムアウタ筒金具22と可撓性膜アウタ筒金具24が相互に固定されて組み付けられている。なお、これら本体ゴムアウタ筒金具22の上下両端部における可撓性膜アウタ筒金具24との重ね合わせ部位には、それぞれ、本体ゴム弾性体16または可撓性膜30と一体成形されたシールゴムが介在されており、流体密にシールされている。これにより、本体ゴムアウタ筒金具22に形成された周溝48が可撓性膜アウタ筒金具24で流体密に覆蓋されており、もって、本体ゴムアウタ筒金具22の筒壁部42と可撓性膜アウタ筒金具24の径方向対向面間を周方向に所定長さで乃至は全周に亘って連続して延びる環状通路60が形成されている。
さらに、本体ゴムアウタ筒金具22の下側開口部には、仕切板金具62と支持部材64が組み付けられている。支持部材64は、略円環板形状の支持ゴム弾性体66に対して、その中央部分に加振部材68が加硫接着されていると共に、その外周部分に環状保持金具70が加硫接着されており、それら加振部材68と環状保持金具70が支持ゴム弾性体66で弾性的に連結されている。
加振部材68は、円板形状を有しており、その外周縁部には上方に向かって突出する環状連結部72が一体形成されている。また、加振部材68の中央部分には、下方に向かって延びる駆動軸74が一体形成されている。また、駆動軸74の先端部分(図1中、下端側)が雄ねじ部76とされて、ねじ溝が刻設されている。
一方、環状保持金具70は、円筒形状を有する円筒状部78の上下開口部に対してそれぞれフランジ状に広がる取付板部80と位置決め突部82が一体形成されており、取付板部80の外周縁部には、更に下方に突出する円環状の圧入部84が一体形成されている。
そして、環状保持金具70の径方向内方に離隔して略同一中心軸上に加振部材68が配設されており、これら環状保持金具70と加振部材68の径方向対向面間に広がるようにして支持ゴム弾性体66が配設されている。また、かかる支持ゴム弾性体66は、その内外周縁部が加振部材68の環状連結部72と環状保持金具70の円筒状部78の対向面に対してそれぞれ加硫接着されており、加振部材68と環状保持金具70の間が支持ゴム弾性体66で流体密に閉塞されている。
一方、仕切板金具62は、薄肉の円板形状を有しており、その外径寸法が、環状保持金具70における取付板部80の径方向中間部分まで至る大きさとされている。また、仕切板金具62の中央部分は、略台地状に上方に突出していると共に、その中心軸上にオリフィス通孔86が貫設されている。更に、仕切板金具62の外周縁部近くに位置する周上には、複数の係止片88が、上方に向かって突設されている。
そして、仕切板金具62は、係止片88によって軸直方向に位置合わせされて、可撓性膜アウタ筒金具24の下側開口部において、そこに組み付けられた本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部44に対して外周縁部が重ね合わされて組み付けられている。更に、可撓性膜アウタ筒金具24の下側開口部には、仕切板金具62の下方から支持部材64が組み付けられており、支持部材64における環状保持金具70の取付板部80が、本体ゴムアウタ筒金具22と仕切板金具62に重ね合わされて、それぞれの外周縁部が可撓性膜アウタ筒金具24のかしめ片58によってかしめ固定されている。そして、これら第一の一体加硫成形品28、第二の一体加硫成形品32、仕切板金具62、及び支持部材64によって、マウント本体90が構成されている。
これにより、可撓性膜アウタ筒金具24の下側開口部が、支持部材64で流体密に覆蓋されており、もって、本体ゴム弾性体16と支持部材64の対向面間には、非圧縮性流体が封入された受圧室92が形成されている。この受圧室92は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一の取付部材12と第二の取付部材14の間への振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて振動が入力されて圧力変動が惹起されるようになっている。
また、受圧室92には、仕切板金具62が配設されており、受圧室92が、仕切板金具62を挟んで、本体ゴム弾性体16側の振動入力室94と、支持部材64側の加振室96に二分されていると共に、これら振動入力室94と加振室96がオリフィス通孔86で連通されている。
更にまた、本体ゴム弾性体16と可撓性膜30が、それぞれの内周縁部と外周縁部において第一の取付部材12と第二の取付部材14に固着されることにより、本体ゴム弾性体16と可撓性膜30の対向面間には、非圧縮性流体が封入された平衡室98が形成されている。即ち、この平衡室98は、壁部の一部が変形容易な可撓性膜30で構成されており、可撓性膜30の弾性変形に基づいて容易に容積変化が許容されるようになっている。なお、受圧室92や平衡室98に封入される非圧縮性流体としては、後述するオリフィス通路104を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を自動車用のエンジンマウント10に要求される振動周波数域で効率的に得るために、一般に、0.1Pa.s以下の低粘性流体が好適に採用される。
さらに、第二の取付部材14を利用して環状通路60が形成されており、この環状通路60の周方向一方の端部が第一の連通孔100を通じて受圧室92に連通されていると共に、環状通路60の周方向他端部が本体ゴム弾性体16に形成された第二の連通孔102を通じて平衡室98に連通されている。これにより、受圧室92と平衡室98を相互に連通して両室92,98間での流体流動を許容するオリフィス通路104が、受圧室92の周囲に所定長さで形成されている。なお、オリフィス通路104は、振動入力時に受圧室92と平衡室98の間に惹起される圧力差に基づいて内部を流動する流体の共振作用に基づく防振効果が、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数域で有効に発揮されるように、その通路断面積や通路長さが適当に設定されてチューニングされている。また、オリフィス通路104の平衡室98側の開口部は、本体ゴム弾性体16と可撓性膜30との密着が密着防止突起59で防止されることにより、安定して常時連通状態に保持されている。
また一方、支持部材64を挟んで受圧室92と反対側には、電磁式アクチュエータ108が配設されている。この電磁式アクチュエータ108は、略カップ形状のハウジング110にコイル112が収容状態で固定的に組み付けられていると共に、コイル112の周りには、それぞれ環状の強磁性材からなる上下のヨーク114,116が固定的に組み付けられて磁路が形成されている。また、磁路を形成する上側ヨーク114の筒状内周面には、ガイドスリーブ118が弾性的に位置決めされて装着されており、強磁性材からなる滑動子120が、かかるガイドスリーブ118内を滑動可能に組み付けられている。
滑動子120は、磁路を形成する上下のヨーク114,116間に形成された磁気ギャップの領域に配設されており、コイル112に通電することにより磁力が及ぼされて、ガイドスリーブ118で案内されつつ軸方向に駆動されるようになっている。また、滑動子120は、軸方向に貫通する貫通孔122を有する全体として略円筒形状を有しており、ガイドスリーブ118に対して摺動可能とされている一方、貫通孔122の軸方向上部には、当接突部124が内方に向かって突出形成されている。
そして、電磁式アクチュエータ108は、ハウジング110の開口周縁部に形成されたフランジ部126が、支持部材64における環状保持金具70の取付板部80に重ね合わされて、環状保持金具70等と共に、かしめ片58で第二の取付部材14にかしめ固定されている。これにより、電磁式アクチュエータ108は、その滑動子120の滑動中心軸が、第一及び第二の取付部材12,14の中心軸に略一致するように組み付けられている。
また、このように組み付けられた電磁式アクチュエータ108には、その中心軸上で上方から加振部材68の駆動軸74が差し入れられており、この駆動軸74が、滑動子120の貫通孔122に挿通されている。そして、駆動軸74の当接突部124に挿通された先端部分には、筒形ナット状の締結部材128が螺着されて、かかる締結部材128によって滑動子120が駆動軸74から抜出し不能に支持されている。
また、駆動軸74にはコイルスプリング130が外挿されて、加振部材68と滑動子120の当接突部124の対向面間に跨って配設されている。即ち、締結部材128を駆動軸74に対してねじ込み、滑動子120の当接突部124を介して、加振部材68との間でコイルスプリング130を圧縮せしめることにより、滑動子120はコイルスプリング130によって駆動軸74から抜出し方向に付勢されると共に、締結部材128によって抜出し不能に支持されている。これにより、滑動子120は駆動軸74に対して軸方向に位置決めされている。而して、滑動子120と駆動軸74は軸方向において実質的に固着状態で連結されて、コイル112への通電で滑動子120に作用せしめられる駆動力が駆動軸74を介して加振部材68に及ぼされるようになっている。
また、電磁式アクチュエータ108のハウジング110の底壁部中央には、透孔134が貫設されており、この透孔134を通じて、滑動子120に対向位置せしめられて磁力を及ぼす下側ヨーク116が外部に露呈されている。下側ヨーク116の中央部分は、山形に厚肉とされて中央突部136とされており、この中央突部136が、ガイドスリーブ118に対して下方から入り込んでいる。
さらに、透孔134を通じて外部に開口する下側ヨーク116の中心孔には、蓋部材138が嵌め込まれており、蓋部材138によって閉塞されている。蓋部材138は、略円板形状を有しており、金属板の上面を略全面に亘ってゴム層で被覆した構造とされている。
なお、下側ヨーク116は、ハウジング110と上側ヨーク114に対して磁気的に接続されており、それらハウジング110と上側ヨーク114と協働して、コイル112の周りに延びる環状の磁路を形成している。また、この磁路には、コイル112の中心孔内において、上側ヨーク114と下側ヨーク116の間に磁気ギャップが形成されており、この磁気ギャップに相当する位置にアーマチャである滑動子120が配設されている。かかる滑動子120は、上側ヨーク114に対してガイドスリーブ118を挟んだ内周側において、下側ヨーク116から上方に所定距離だけ離隔して位置せしめられている。
これにより、周方向に巻回されたコイル112に通電すると、磁気ギャップを形成する上下のヨーク114,116の対向面間に対峙する磁極が生ぜしめられるようになっている。そして、かかる磁気ギャップに配設された滑動子120に対して、磁気抵抗を最も小さくする方向への駆動力、即ち下側ヨーク116に向かう軸方向の駆動力が及ぼされるようになっている。
そして、滑動子120に及ぼされた軸方向の駆動力は、滑動子120に対して軸方向で位置決めされた駆動軸74を介して加振部材68に伝達される。その結果、加振部材68が軸方向に往復変位されて、加振部材68で壁部の一部を構成された加振室96に加振力が及ぼされるようになっている。
また、上述の如き構造とされたエンジンマウント10には、電磁式アクチュエータ108に対して、更に筒形のアウタブラケット140が外挿されている。アウタブラケット140は、フランジ状とされた上端開口部分が、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部44や環状保持金具70の取付板部80,ハウジング110のフランジ部126と共に、可撓性膜アウタ筒金具24のかしめ片58でかしめ固定されている。また、アウタブラケット140の下端開口部には取付板部144が形成されており、この取付板部144に対して複数の取付用孔146が形成されている。
而して、エンジンマウント10は、図示されていないが、第一の取付部材12が、取付板部34に固定されたインナブラケット38を介してパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付部材14が、アウタブラケット140を介して取付用ボルトで自動車ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットとボデーの間に装着されることとなる。
このようなエンジンマウント10の車両装着状態において、第一の取付部材12と第二の取付部材14の間に、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が入力されると、受圧室92と平衡室98の相対的な圧力差に基づいて、それら両室92,98間でオリフィス通路104を通じての流体流動が惹起される。その結果、流体の共振作用等の流動作用に基づいた防振効果(振動減衰効果)が発揮されるようになっている。
さらに、エンジンマウント10では、電磁式アクチュエータ108の発生力が加振部材68の往復変位によって加振室96に及ぼされるようになっていると共に、加振室96に及ぼされた加振力がオリフィス通孔86を通じて振動入力室94に伝達されるようになっている。これにより、振動入力室94の圧力を制御可能とされており、入力振動に対する能動的乃至は相殺的な防振効果が発揮されて、防振性能の更なる向上が図られている。なお、加振室96に及ぼされた加振力がオリフィス通孔86でフィルタリングされて振動入力室94に伝達されるようになっていることにより、入力振動に対応する周波数や位相の加振力が高精度に及ぼされるようになっている。
一方、エンジンマウント10では、自動車の悪路走行や段差乗越え等によって第一の取付部材12と第二の取付部材14の間に衝撃的な大荷重が入力された場合に、第一の取付部材12と第二の取付部材14の相対的な接近変位が、ストッパ機構148によって制限されるようになっている。このストッパ機構148は、可撓性膜アウタ筒金具24の支持板部52に取り付けられた緩衝ゴム150が、軸方向上下に対向配置された第一の取付部材12側の当接部であるインナブラケット38と、第二の取付部材14側の当接部である支持板部52との対向間に配された構成を有している。
緩衝ゴム150は、その全体がゴム弾性体で形成されており、図4〜図7に示されているように、僅かに湾曲しながら延びる長手板形状のストッパ部152と、ストッパ部152の短手方向一方の端部から下方に突出する外周当接部153とを、一体的に備えている。なお、外周当接部153は、ストッパ部152の長手方向で中間部分から端部に至る部分に形成されており、ストッパ部152の長手方向一方の端部が外周当接部153を外れた位置に突出している。また、外周当接部153は、下方への突出寸法が長手方向中間で変化しており、図6に示された右側面視において段差状とされて、長手方向一方の側が他方の側よりも小さな突出寸法で形成されている。
また、緩衝ゴム150の外周縁部には、掛止部154が設けられている。掛止部154は、外周当接部153において大きな突出寸法で形成された部分の下端に一体形成されており、略一定の鉤状断面でストッパ部152の長手方向に延びている。また、掛止部154は、外周当接部153の下端から軸直角方向に延び出して、ストッパ部152に対して対向配置された横壁部155と、横壁部155の延出先端部から上方に向かって突出して、外周当接部153に対して対向配置された縦壁部156とを有している。
また、緩衝ゴム150のストッパ部152には、下方に向かって突出するロック用突部158と係止用突部160が一体形成されている。ロック用突部158は、全体として小径の略円柱形状を有しており、緩衝ゴム150の長手方向一方の端部においてストッパ部152の厚さ方向で突出している。なお、ロック用突部158は、緩衝ゴム150のストッパ部152において、外周当接部153の形成部位を外れて更に長手方向外側に突出した部位に形成されている。また、掛止部154が、ロック用突部158の形成部位に対してストッパ部152の長手方向で離隔した反対側に形成されている。
また、ロック用突部158の突出先端部分には、外周面上に突出する係合突起162が一体形成されている。係合突起162は、ゴム弾性体で形成された略矩形ブロック形状の突起であって、ロック用突部158の中心軸:lに対して略直交する方向で、ロック用突部158を挟んだ両側に向かって突出する一対が設けられている。更に、一対の係合突起162,162とストッパ部152の間には隙間が形成されており、該隙間が支持板部52の厚さ寸法と同じかそれよりも大きく設定されている。
一方、係止用突部160は、小径の略円筒形状を有しており、ストッパ部152の厚さ方向でロック用突部158と同じ側に向かって突出するように形成されている。また、係止用突部160は、緩衝ゴム150の長手方向でロック用突部158が形成された側と反対の端部と、長手方向略中央部分とに、それぞれ1つが形成されており、ストッパ部152から突出する3つの突部158,160,160が緩衝ゴム150の長手方向で相互に離隔している。
さらに、係止用突部160の突出方向中間部分には、抜止部164が一体形成されている。抜止部164は、基端側に向かって次第に大径となる逆向き略円錐台形状を有しており、その大径側端部が係止用突部160の基端部よりも大径とされていると共に、小径側端部が係止用突部160の先端部と略同一の直径とされている。なお、係止用突部160は、抜止部164を挟んで基端部が先端部よりも大径とされている。
かくの如き構造とされた緩衝ゴム150は、図1〜図3に示されているように、ストッパ部152が支持板部52の上面に重ね合わされると共に、外周当接部153が支持板部52の外周面に重ね合わされた態様で、可撓性膜アウタ筒金具24の支持板部52に取り付けられている。
また、緩衝ゴム150の可撓性膜アウタ筒金具24への取付状態において、緩衝ゴム150のロック用突部158が、支持板部52に形成されたロック用孔166に挿入されていると共に、緩衝ゴム150の係止用突部160が、支持板部52に形成された係止用孔168に挿入されている。
ロック用孔166は、図8に示されているように、一対の係合突起162,162を備えたロック用突部158の突出先端部分の外形と略同一或いはそれよりも僅かに大きい形状を有する孔であって、支持板部52を厚さ方向に貫通して形成されている。また、ロック用孔166は、周方向で直径が変化する異形状とされており、一対の係合突起162,162に対応する部分が大径とされている。なお、後述するように、ロック用突部158のロック用孔166への挿入時における係合突起162の突出方向に対応するロック用孔166の長手方向は、緩衝ゴム150の支持板部52への取付状態における係合突起162の突出方向とは異なる方向に設定されている。
係止用孔168は、略円形の孔であって、緩衝ゴム150の取付状態で係止用突部160と対応する位置で支持板部52を厚さ方向に貫通して形成されている。また、係止用孔168は、係止用突部160の基端部と同じ或いはそれよりも大きい直径で形成されていると共に、係止用突部160に形成された抜止部164の最大径よりも小径とされている。
そして、緩衝ゴム150の支持板部52への装着に際して、図9に示されているように、ロック用突部158をロック用孔166に挿入すると共に、係止用突部160を係止用孔168に挿入することで、緩衝ゴム150が支持板部52に対して固定されている。なお、このことからも明らかなように、ロック用突部158と係止用突部160は、ストッパ部152から、インナブラケット38と支持板部52との対向方向でインナブラケット38と反対側に向かって突出するように形成されている。
このような緩衝ゴム150の支持板部52への取付けをより詳細に説明すると、先ず、図9の(a)に示されているように、ロック用突部158の突出先端に設けられた一対の係合突起162,162の突出方向が、支持板部52のロック用孔166の長手方向と一致するように、緩衝ゴム150と支持板部52を相対的に位置決めする。その後、ロック用突部158をロック用孔166に挿入して、一対の係合突起162,162を支持板部52よりも下方に位置せしめる。
次に、図9の(b)に示されているように、緩衝ゴム150を支持板部52に対して、ロック用突部158の中心軸:l回りで相対的に揺動変位させる。これにより、係合突起162がロック用孔166の周縁部に係止されて、ロック用突部158のロック用孔166からの抜けが防止されており、緩衝ゴム150が支持板部52の上面に重ね合わされた状態に保持されるようになっている。なお、係合突起162とロック用孔166の周縁部との係止によって、本実施形態におけるロック機構170が構成されている。
そして、緩衝ゴム150の外周当接部153が支持フランジ50の掛止用壁部54に当接する位置まで緩衝ゴム150を支持板部52に対して揺動変位させると、図9(c)に示されているように、2つの係止用突部160がそれぞれ係止用孔168上に移動する。その後、ストッパ部152を支持板部52に密着させる方向の外力を緩衝ゴム150に対して及ぼして、係止用突部160を係止用孔168に押入することにより、緩衝ゴム150の揺動変位が制限されて、緩衝ゴム150が目的とする取付状態に保持されるようになっている。なお、係止用突部160が係止用孔168に挿入されて、それら係止用突部160の外周面と係止用孔168の内周面の間で係止作用が発揮されることにより、本実施形態におけるロック保持機構172が構成されている。更に、係止用突部160が係止用孔168に挿入された取付状態において、一対の係合突起162,162の突出方向がロック用孔166の長手方向に対して略直交している。
さらに、図9の(c)に示された緩衝ゴム150の支持板部52への取付状態では、図10にも示されているように、緩衝ゴム150の掛止部154が支持板部52の外周側の縁部に掛止されている。これにより、緩衝ゴム150の支持板部52からの離隔変位が防止されていると共に、係止用突部160の係止用孔168からの抜けが防がれている。なお、掛止部154は、支持板部52の縁部から下方に突出する掛止用壁部54に対して、下方から掛止されている。
このようにして緩衝ゴム150が支持板部52に取り付けられたエンジンマウント10では、ロック用突部158のロック用孔166からの抜けが、係合突起162とロック用孔166の周縁部との係止を利用したロック機構170によって、効果的に防止されている。それ故、緩衝ゴム150が支持板部52の上面に重ね合わされた取付状態に保持されて、ストッパ機構148において目的とする緩衝的なストッパ作用が安定して発揮される。
また、緩衝ゴム150の取付状態において係止用突部160が係止用孔168に挿入されていることにより、ロック用突部158の中心軸:l回りで緩衝ゴム150が揺動変位するのを阻止するロック保持機構172が構成されている。これにより、係合突起162とロック用孔166の周縁部との係止が解除されることなく維持されて、ロック機構170による緩衝ゴム150の脱落防止作用が有効に発揮される。
しかも、係止用突部160に抜止部164が設けられており、抜止部164の大径側端面が係止用孔168の周縁部に係止されることで、係止用突部160の係止用孔168からの抜けが防止されている。それ故、ロック保持機構172による緩衝ゴム150の揺動変位防止作用が安定して発揮されて、緩衝ゴム150が所定の取付位置に保持される。更に、抜止部164の小径側端部が係止用孔168よりも小径とされていることにより、テーパ形状とされた抜止部164の周壁面による案内作用で係止用突部160が係止用孔168に対して基端部まで容易に挿入可能とされている。
加えて、2組の係止用突部160と係止用孔168が設けられていることから、ロック保持機構172がより安定して効果を発揮し得る構成とされており、緩衝ゴム150の脱落が効果的に防止されている。
さらに、掛止部154が掛止用壁部54に掛止されることで、緩衝ゴム150の上方への変位が一層強固に阻止されている。しかも、掛止部154が、緩衝ゴム150において長手方向でロック用突部158と反対側に形成されており、ロック用突部158に比べて抜け易い係止用突部160が、掛止部154によって係止用孔168への挿入状態に保持されるようになっている。
なお、ストッパ機構を構成する緩衝ゴムとしては、緩衝ゴム150に代えて図11に示された緩衝ゴム180を採用することも出来る。即ち、緩衝ゴム180では、ストッパ部152の長手方向中間部分に段差部182が設けられており、段差部182よりも長手方向でロック用突部158側の端部において、ストッパ部152の厚さ寸法が小さくなっている。
このような緩衝ゴム180を採用すれば、緩衝ゴム180の支持板部52上面からの突出高さが、ロック用突部158の形成部位において部分的に小さくなる。その結果、インナブラケット38が緩衝ゴム180におけるロック用突部158の形成部位を外れた部分に対して先に当接することから、ストッパ荷重の入力初期においてロック用突部158にストッパ荷重が直接及ぼされるのを防ぐことが出来る。それ故、ロック用突部158の変形が防止されて、耐久性の向上が図られると共に、ロック用突部158の変形に起因する抜けも回避される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、係合突起の構造は、前記実施形態で具体的に説明した矩形状の突起に限定されるものではない。即ち、外周面上に突出形成されていれば、半楕円形や台形,異形等の平面形状を有する係合突起も採用可能である。加えて、係合突起は、必ずしも一対が形成されていなくても良いのであって、周上の1箇所にのみ設けられていても良いし、周上に3つ以上が形成されていても良い。
また、係止用突部は、1つだけが形成されていても良いし、3つ以上が形成されていても良い。更に、複数の係止用突部を形成する場合には、それら複数の係止用突部の突出方向が互いに異なっていても良い。
さらに、係止用突部160に形成されている抜止部164は必須ではなく、省略されていても良い。その場合には、例えば、係止用突部の基端部が係止用孔よりも大径とされて、緩衝ゴムの取付状態において係止用突部の基端部が係止用孔に押し込まれるようになっていることで、係止用孔からの抜けが防止されていることが望ましい。
また、ロック用突部と係止用突部は、必ずしも同一方向に突出していなくても良い。例えば、ロック用突部がストッパ荷重の主たる作用方向で突出形成されていると共に、係止用突部がロック用突部とは略直交する方向に突出形成されており、支持板部52にロック用孔が形成されていると共に、掛止用壁部54に係止用孔が形成された構造も採用可能である。
また、緩衝ゴム150は、インナブラケット38に取り付けられていても良く、インナブラケット38と支持板部52の両方に取り付けられていても良い。
また、本発明を適用可能な範囲としては、自動車用の流体封入式能動型防振装置に限定されるものではなく、鉄道用車両や産業用車両等に採用される流体封入式能動型防振装置にも好適に適用され得る。更に、エンジンマウント以外にも、ボデーマウントやサブフレームマウント,デフマウント等への適用が可能である。
10:エンジンマウント(流体封入式能動型防振装置)、12:第一の取付部材、14:第二の取付部材、16:本体ゴム弾性体、30:可撓性膜、38:インナブラケット(当接部)、52:支持板部(当接部)、68:加振部材、92:受圧室、98:平衡室、104:オリフィス通路、108:電磁式アクチュエータ、148:ストッパ機構、150,180:緩衝ゴム、154:掛止部、158:ロック用突部、160:係止用突部、162:係合突起、166:ロック用孔、168:係止用孔、170:ロック機構、172:ロック保持機構

Claims (5)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されて、該第二の取付部材の一方の開口部が該本体ゴム弾性体によって閉塞されていると共に、該第二の取付部材の他方の開口部が加振部材によって閉塞されており、それら本体ゴム弾性体と加振部材の間に受圧室が形成されていると共に、該本体ゴム弾性体の外側が可撓性膜で覆われて平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている一方、該加振部材に加振力を及ぼす電磁式アクチュエータが設けられた流体封入式能動型防振装置において、
    前記第一の取付部材と前記第二の取付部材とにそれぞれ設けた当接部を互いに対向位置せしめて少なくとも一方の該当接部に緩衝ゴムを取り付けることにより、該第一の取付部材と該第二の取付部材の接近方向への相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が構成されている一方、
    該緩衝ゴムにロック用突部及び係止用突部が一体形成されていると共に、該緩衝ゴムが取り付けられる前記当接部において該ロック用突部が挿入されるロック用孔と該係止用突部が挿入される係止用孔が形成されており、
    該ロック用孔を周方向で内径寸法の異なる異形状とすると共に、該ロック用孔を貫通する該ロック用突部の先端部において外周面から突出する係合突起を形成することにより、該ロック用孔への該ロック用突部の挿入状態で該ロック用突部の中心軸回りに該緩衝ゴムを該当接部への取付位置まで回転させることで該ロック用孔の周縁部に対して該係合突起を係止させて該ロック用孔からの該ロック用突部の抜出しを阻止するロック機構が構成されていると共に、
    該緩衝ゴムの該当接部への取付位置において該係止用突部が該係止用孔に挿入されることにより、該緩衝ゴムの回転を阻止して該ロック機構において該ロック用孔からの該ロック用突部の抜出しが阻止された状態に保持するロック保持機構が構成されていることを特徴とする流体封入式能動型防振装置。
  2. 前記緩衝ゴムが長手形状とされており、該緩衝ゴムの長手方向一方の端部に前記ロック用突部が形成されていると共に、該緩衝ゴムの長手方向他方の端部に前記係止用突部が形成されている請求項1に記載の流体封入式能動型防振装置。
  3. 前記緩衝ゴムが長手形状とされており、該緩衝ゴムの長手方向一方の端部側に前記ロック用突部が形成されて前記当接部の前記ロック用孔へ挿入されている一方、
    緩衝ゴムにおいて該ロック用突部から該緩衝ゴムの長手方向他方の端部側へ離れた位置に、前記係止用突部と外周縁部に位置する掛止部が一体形成されており、該係止用突部が該当接部の前記係止用孔へ挿入されていると共に、該掛止部が当接部の縁部に掛止されている請求項1又は2に記載の流体封入式能動型防振装置。
  4. 前記緩衝ゴムの前記当接部からの突出高さが前記ロック用突部の形成部分において他の部分よりも小さくなっている請求項1〜3の何れか1項に記載の流体封入式能動型防振装置。
  5. 前記緩衝ゴムにおける前記ロック用突部が、前記ストッパ機構を構成する前記二つの当接部の対向方向で反対側に向かって該緩衝ゴムの裏面側から突設されている請求項1〜4の何れか1項に記載の流体封入式能動型防振装置。
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