JP5380068B2 - アゾ化合物、アゾ顔料および該アゾ化合物又は該アゾ顔料を含む分散物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクタンク、インクジェット記録方法、及び記録物 - Google Patents
アゾ化合物、アゾ顔料および該アゾ化合物又は該アゾ顔料を含む分散物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクタンク、インクジェット記録方法、及び記録物 Download PDFInfo
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Description
<1>
下記一般式(2)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
(式中、R’ 1 、R’ 2 、Y’はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数7〜9のアラルキル基、5〜8員環の飽和もしくは不飽和の炭化水素環基、または5〜8員環の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基を表す。R’ 3 は水素原子または1価の置換基を表す。Z’はハメットのσp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Xは炭素原子隣接位の窒素原子を表し、G 1 は下記一般式(3)−1から(3)−5で表される置換基群のいずれかから選ばれる置換基を表す。R’ 1 、R’ 2 、R’ 3 、Y’のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環を表す。R’ 1 、R’ 2 、R’ 3 、Y’のいずれかが5員環の不飽和のヘテロ環を表す場合、環内に窒素原子を2つ以上有する。)
(式中、R 6 〜R 21 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
<2>
下記一般式(4)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
(式中、nは2〜4の整数を表す。R 1 、R 2 、R 3 、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、または置換基を表す。Xは炭素原子隣接位のヘテロ原子を表す。G 2 は5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を形成する原子団を表し、n=2の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した2量体を表す。n=3の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した3量体を表す。n=4の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した4量体を表す。R 1 、R 2 、R 3 、Y、G 2 のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環である。)
<3>
上記一般式(4)中のXが窒素原子であることを特徴とする<2>に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
<4>
上記一般式(4)中のG 2 が下記一般式(3)−1から(3)−6で表される1〜3価の置換基群から選ばれる、いずれかの基であることを特徴とする<2>または<3>に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
(式中、R 6 〜R 23 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
<5>
下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
(式中、R’ 1 、R’ 2 、Y’はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数7〜9のアラルキル基、5〜8員環の飽和もしくは不飽和の炭化水素環基、または5〜8員環の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基を表す。R’ 3 は水素原子または1価の置換基を表す。Z’はハメットのσp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Xは炭素原子隣接位の窒素原子を表し、G 1 は下記一般式(3)−1から(3)−5で表される置換基群のいずれかから選ばれる置換基を表す。R’ 1 、R’ 2 、R’ 3 、Y’のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環を表す。R’ 1 、R’ 2 、R’ 3 、Y’のいずれかが5員環の不飽和のヘテロ環を表す場合、環内に窒素原子を2つ以上有する。)
(式中、R 6 〜R 21 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
<6>
下記一般式(4)で表されるアゾ化合物。
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、または置換基を表し、nは2〜4の整数を表す。Xは炭素原子隣接位のヘテロ原子を表す。G 2 は5〜8員環の飽
和または不飽和のヘテロ環を形成する原子団を表し、n=2の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した2量体を表す。n=3の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した3量体を表す。n=4の場合は、R 1 、R 2 、R 3 、Y、ZまたはG 2 を介した4量体を表す。R 1 、R 2 、R 3 、Y、G 2 のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環である。)
<7>
上記一般式(4)中のG 2 が下記一般式(3)−1から(3)−6で表される1〜3価の置換基群から選ばれる、いずれかの基であることを特徴とする<6>に記載のアゾ化合物。
(式中、R 6 〜R 23 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
<8>
<1>〜<4>のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物又は<5>〜<7>のいずれかに記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする分散物。
<9>
<8>に記載の分散物を含有することを特徴とする着色組成物。
<10>
<8>に記載の分散物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
<11>
<10>に記載のインクジェット記録用インクを含有することを特徴とするインクジェット記録用インクタンク。
<12>
<10>記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
<13>
<10>に記載のインクジェット記録用インクを用いることで得られる記録物。
本発明は、上記<1>〜<13>に関するものであるが、参考のためその他の事項(例えば、下記〔1〕〜〔17〕に記載した事項等)についても記載した。
〔1〕
下記一般式(1)により表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
〔2〕
下記一般式(2)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
上記一般式(2)中のXが窒素原子であることを特徴とする〔2〕記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
上記一般式(2)中のG1が、下記一般式(3)−1から(3)−6で表される置換基群のいずれかから選ばれることを特徴とする〔2〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
上記一般式(1)で表されるアゾ顔料が、下記一般式(4)で表されるアゾ顔料であることを特徴とする〔1〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
上記一般式(4)中のXが窒素原子であることを特徴とする〔5〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
上記一般式(4)中のG2が下記一般式(3)中の(3)−1から(3)−6で表される1〜3価の置換基群から選ばれる、いずれかの基であることを特徴とする〔5〕または〔6〕に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
上記一般式(2)中のG1が、下記一般式(3)−1から(3)−6で表される置換基群のいずれかから選ばれることを特徴とする〔8〕に記載のアゾ化合物。
下記一般式(4)で表されるアゾ化合物。
上記一般式(4)中のG2が下記一般式(3)中の(3)−1から(3)−6で表される1〜3価の置換基群から選ばれる、いずれかの基であることを特徴とする〔10〕に記載のアゾ化合物。
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物又は〔8〕〜〔11〕のいずれかに記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする分散物。
〔12〕に記載の分散物を含有することを特徴とする着色組成物。
〔12〕に記載の分散物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
〔14〕に記載のインクジェット記録用インクを含有することを特徴とするインクジェット記録用インクタンク。
〔14〕に記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
〔14〕に記載のインクジェット記録用インクを用いることで得られる記録物。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(1)、(2)、(4)、(5)で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
顔料は、色素分子間の強力な相互作用による凝集エネルギーによって、分子同士がお互いに強固に結合しあっている状態にある。この状態を作るには、分子間のファンデルワールス力、分子間水素結合が必要であることが、例えば、日本画像学会誌、43巻、10頁(2004年)等に記載されている。
分子間のファンデルワールス力を強めるには、分子への芳香族基、極性基および/又はヘテロ原子の導入等が考えられる。また、分子間水素結合を形成させるには、分子へのヘテロ原子に結合した水素原子を含有する置換基の導入および/又は電子供与性の置環基の導入等が考えられる。更に分子全体の極性が高い方が好ましいと考えられる。そのためには、例えば、アルキル基等鎖状の基は短い方が好ましく、分子量/アゾ基の値は小さい方が好ましいと考えられる。
これらの観点から、顔料分子は、アミド結合、スルホンアミド結合、エーテル結合、スルホン基、オキシカルボニル基、イミド基、カルバモイルアミノ基、ヘテロ環、ベンゼン環等を含有することが好ましい。
本発明におけるアゾ顔料は前記一般式(1)で表される。一般式(1)で表される化合物は、その特異的な構造により色素分子の分子間相互作用を形成しやすく、水または有機溶媒等に対する溶解性が低く、アゾ顔料とすることができる。
顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いるものである。
一般式(1)中、nは、2〜4の整数を表し、2または3であることが好ましく、2である場合が、より好ましい。
nが2以上の場合、分子量が大きくなり、分子間のπ―πスタッキング等の分子間相互作用がより強くなる。分子間の相互作用が密になると、耐溶剤性が向上する。さらに分子間の相互作用が密になり、結晶性が高まると、格子振動等によるエネルギー緩和が起きやすく、耐光性が向上する。一方、nが4を超える場合、分子量が大きくなるが、立体的な障害により分子が平面性を保つことが困難になる。その結果、分子間の相互作用が弱まり、耐光性や耐溶剤性が低下する傾向となる。
R1、R2、R3、Y、Z、Gは置換基を有していてもよい。
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
R’1、R’2、R’3、Y’、Z’、G1は置換基を有していてもよい。
Z’の基の例は、上記一般式(1)中のZの例と同義であり、好ましい例も同じである。
R6〜R21はそれぞれ互いに結合して環を形成しても良く、その場合、R6〜R21は5〜7員環の炭化水素環、5〜7員環のヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が好ましく、6員環の芳香族炭化水素環、6員環の芳香族ヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が更に好ましい。
本発明は、一般式(2)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(2’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Xの例は、それぞれ独立に上記一般式(2)中のX、の例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(4)中、G2で表されるヘテロ環基の例には、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、スルホラニル基などが挙げられる。
R6〜R21はそれぞれ互いに結合を形成しても良く、その場合、R6〜R21は5〜7員環の炭化水素環、5〜7員環のヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が好ましく、6員環の芳香族炭化水素環、6員環の芳香族ヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が更に好ましい。
本発明は、一般式(4)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(4’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
Z’は、上記一般式(1)中のZの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(3)中、R6〜R23はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニル基、炭素数1〜5のアミド基、炭素数7〜10のアラルキル基、5〜8員環の飽和または不飽和の炭化水素環、5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環である。R6〜R23が5〜8員環の飽和または不飽和の炭化水素環あるいはヘテロ環を表す場合、単環または縮合環である。また、R6〜R23は置換基を有していてもよい。更に、水素原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基、炭素数2〜5のアルキルオキシカルボニル基、炭素数1〜5のアミド基である場合が好ましく、その中でも、水素原子、水酸基、アミノ基、メチル基、メチルオキシ基、メチルアミノ基、アセトアミド基である場合が好ましい。
R6〜R21がそれぞれ互いに結合を形成してもよく、その場合、R6〜R21は5〜7員環の炭化水素環、5〜7員環のヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が好ましく、6員環の芳香族炭化水素環、6員環の芳香族ヘテロ原子環を形成するのに必要な非金属原子団である場合が更に好ましい。
本発明は、一般式(5)で表されるアゾ顔料の互変異性体である以下の一般式(5’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
この構造が好ましい要因としては、一般式(6)で示すようにアゾ顔料構造に含有するヘテロ環を構成する窒素原子、水素原子およびヘテロ原子(カルボニル基の酸素原子またはアミノ基の窒素原子)が少なくとも1個以上の分子内の交叉水素結合(分子内水素結合)を容易に形成し易いことが挙げられる。その結果、分子の平面性が上がり、更に分子内・分子間相互作用が向上し、一般式(6)で表されるアゾ顔料の結晶性が高くなり(高次構造を形成し易くなり)、顔料としての要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及びまたは耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
本発明の新規なアゾ化合物は、アゾ顔料として有用である。また、本発明の分散物は一般式(2)又は(4)で表されるアゾ化合物の互変異性体、それらの塩または水和物を少なくとも1種含むことが好ましい。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
一般式(1)及び一般式(4)のnが2以上の場合の合成方法は、一般式(7)または一般式(8)のR1〜R3、Y、Z、G等において、置換可能な2価、3価あるいは4価の置換基を導入した原料を合成し、前記スキームと同様に合成することができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(1)で表されるアゾ顔料を得ることができる。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
本発明の顔料分散物は、前記一般式(1)、(2)、(4)、(5)及び(6)で表されるアゾ顔料、互変異性体、その塩または水和物の少なくとも1種を含むことを特徴とする。これにより、色彩的特性、耐久性および分散安定性に優れた顔料分散物とすることができる。
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明のアゾ顔料またはアゾ化合物を含有する着色組成物を意味する。本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明のアゾ顔料を分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水系インクの場合にはインク液に直接添加する。油系インクの場合には、アゾ顔料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
次に、本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した分散物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調整される。ただし、特に問題が無い場合は、前記本発明の分散物をそのまま用いても良い。
具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
なお、上記表面張力は、前記同様ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インクを用い、記録信号に応じて記録ヘッドから記録媒体表面にインクを吐出して、記録媒体表面に画像を形成する方法である。
また、本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録用インクを用い、インク(必要により処理液)を記録媒体表面に吐出する記録ヘッドを備え、記録媒体表面に前記インクを記録ヘッドから吐出することにより、画像を形成する装置である。なお、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッドに、インクを供給することができ、かつ、インクジェット記録装置本体に対して脱着可能なインクジェット記録用インクタンク(以下、「インクタンク」と称す場合がある)を備えていてもよい。この場合、このインクジェット記録用インクタンクには、本発明のインクが収納される。
また、本発明のインクジェット記録用インクタンクは、記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に対して脱着可能であり、インクジェット記録装置に装着した状態で、記録ヘッドにインクを供給できる構成を有するものであれば、従来公知のインクタンクが利用できる。
熱インクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなる。このため、滲み及び色間滲みに改善効果がある。一方、ピエゾインクジェット方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果がある。
〔実施例1〕
室温にて3−アミノクロトンニトリル(11)58.6部をエタノール310部(あるいはml)に溶解し、含水ヒドラジン35.7部を加え室温にて攪拌した。内温65℃に加温して攪拌を12時間行った。室温に冷却した後、減圧下溶媒を留去し、褐色油状化合物(12)を69.0部得た。
1H NMR(400MHz in CDCl3; δppm; J Hz) 2.20 (3H, s), 5.42 (1H, s)MALDI-TOF-MS: 98.1 [M+H+]
室温にて化合物(12)50部をメタノール400部に溶解した。別に、室温にて化合物(13)60.3部をメタノール300部に溶解し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、上述の化合物(12)のメタノール溶液を、内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。滴加が完了した後、室温にて3時間攪拌した。別に、室温にて塩化ヒドロキシルアンモニウム43部をメタノール120部に懸濁させ、氷冷して内温を5℃以下にした。内温を10℃以下に保ちながら28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液120部を40分かけて滴加した。滴加が完了し、10℃以下で30分攪拌した後、室温に昇温して30分攪拌し、析出した固体をろ別してヒドロキシルアミンのメタノール溶液を得た。上述の化合物(12)と化合物(13)の反応溶液を氷冷して内温を5℃以下にした後、内温を15℃以下に保ちながら上述のヒドロキシルアミンのメタノール溶液を1時間かけて滴加し、滴加が完了した後、室温に昇温してさらに2時間攪拌した。析出した固体をろ過し、水100部、酢酸エチル100部を用いてかけ洗いし、室温にて12時間乾燥し、白色固体として化合物(14)を47部得た。
1H NMR(400MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 1.90 (3H, s), 2.15 (3H, s), 5.68 (1H,s), 7.57 (1H, s), 9.50 (1H, s)MALDI-TOF-MS: 155.1 [M+H+]
室温にて化合物(14)47部をアセトニトリル700部に懸濁させ、氷冷して内温を5℃以下にした。内温を10℃以下に保ち、塩化p-トルエンスルホニル64部を少しずつ加えた。発熱が収まった後、内温を10℃以下に保ちながらトリエチルアミン46.5mlを30分かけて滴加し、さらに20分間同温度にて攪拌した後、室温に昇温してさらに2時間攪拌した。別に、飽和食塩水1500部を内温が10℃以下になるように氷冷して用意し、そこに上述の反応溶液を注ぎ込んだ。同温度にて1時間静置した後、析出した結晶をろ過して、10℃以下の冷水200部、酢酸エチル150部を用いてかけ洗いし、白色固体を得た。
得られた固体を室温にてメタノール1000部に懸濁させ、内温を65℃に加温して1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下溶媒を留去し、油状物を得た後、氷冷した。別に、飽和炭酸水素ナトリウム30部を水300部に溶解し、氷冷下、上述の油状物に少しずつ加えた。析出した結晶を水100部、酢酸エチル100部でかけ洗いし、室温にて12時間乾燥し、黄色固体として化合物(15)を18.3部得た。
1H NMR(400MHz in DMSO-d6; δppm; J Hz) 2.20 (3H, s), 2.35 (3H, s), 5.48 (1H,s)MALDI-TOF-MS: 137.1 [M+H+]
具体的化合物例(2)−1
具体的化合物例(2)−1の合成は、以下のルートで合成した。
1.7部の化合物(16)を21部のリン酸に室温にて加え、加温して内温を60℃にして溶解させた。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃を保ち亜硝酸ナトリウム0.8部を加えて、同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(15)1部をメタノール50部に懸濁させ、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温を60℃以上に加温して攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し内温を室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−1を2.3部を得た。収率93.2%。顔料(2)−1の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図1に示す。
具体的化合物例(2)−2
具体的化合物例(2)−2の合成は、以下のルートで合成した。
1.7部の化合物(17)を室温にて20部のリン酸に加えて、加温して内温を60℃にして溶かした。この溶液を氷冷して内温−5〜0℃を保ち亜硝酸ナトリウム0.8部を分割して加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(15)1部をメタノール50部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部でかけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し内温を室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−2を1.9部を得た。収率77.5%。顔料(2)−2の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図2に示す。
具体的化合物例(2)−3
具体的化合物例(2)−3の合成は、以下のルートで合成した。
1.0部の化合物(16)を室温にて12部のリン酸に加えて、加温して内温を60℃にして溶かした。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃を保ち亜硝酸ナトリウム0.5部を加えて同温度にて1時間攪拌させ、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(18)0.8部をメタノール40部に懸濁させ、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し内温を室温に冷却した後、析出している結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−3を1.2部を得た。収率79.2%。顔料(2)−3の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図3に示す。
具体的化合物例(2)−5
具体的化合物例(2)−5の合成は、以下のルートで合成した。
1.3部の化合物(16)を室温にて16部のリン酸に加えて、加温して内温を60℃にして溶かした。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃に保ち亜硝酸ナトリウム0.6部を分割して加え、同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(19)1.2部をメタノール60部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出している結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−5を1.6部を得た。収率69.1%。顔料(2)−5の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図4に示す。
具体的化合物例(2)−6
具体的化合物例(2)−6の合成は、以下のルートで合成した。
1.1部の化合物(16)を室温にて14部のリン酸に加えて、加温して内温を60℃にして溶かした。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃に保ち亜硝酸ナトリウム0.6部を分割して加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(20)1.4部をメタノール70部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出している結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温で結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−6を0.7部を得た。収率50.4%。顔料(2)−6の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図5に示す。
具体的化合物例(2)−7
具体的化合物例(2)−7の合成は、以下のルートで合成した。
1.1部の化合物(16)を室温にて14部のリン酸に加えて、加温して内温60℃で溶かした。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃に保ち亜硝酸ナトリウム0.6部を分割して加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(21)1.5部をメタノール60部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−7を1.5部を得た。収率60.0%。顔料(2)−7の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図6に示す。
具体的化合物例(2)−8
具体的化合物例(2)−8の合成は、以下のルートで合成した。
1.1部の(16)を室温にて14部のリン酸に加えて、加温して内温60℃で溶かした。この溶液を氷冷して内温を−5〜0℃に保ち亜硝酸ナトリウム0.6部を分割して加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(22)1.4部をメタノール60部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−8を1.8部を得た。収率75.2%。
顔料(2)−8の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図7に示す。
具体的化合物(2)−14
具体的化合物(2)−14の合成は、以下のルートで合成した。
1.6部の化合物(23)を室温にてリン酸19.5部に加え、加温して内温60℃にて溶かした。この溶液を氷冷して内温−5〜0℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.6部を分割して加え、同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(15)を1部メタノール40部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温を5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温が5℃以下となるように徐々に加え同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール30部、水15部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−14を2.1部を得た。収率81.2%。顔料(2)−14の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図8に示す。
具体的化合物(2)−21
具体的化合物(2)−21の合成は、以下のルートで合成した。
24部の濃硫酸、49部の酢酸を氷冷し、内温が10℃以下となるように8.2部の化合物(24)を分割して加え、溶かした。この溶液を内温を0〜5℃に保ち15.4部の43質量%ニトロシル硫酸を加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(15)5部をメタノール200部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温5℃以下を保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を内温5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した固体を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた固体を乾燥せずにメタノール50部、水25部に加え、65℃過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−21を6.5部を得た。収率53.1%。顔料(2)−21の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図9に示す。
ヒドラジン1水和物387mL(7.98モル)にメタノール298mLを加えて10℃(内温)に冷却し、この混合液に4,6−ジクロロピリミジン149g(1.00モル)を徐々に添加(内温20℃以下)した後、氷浴をはずし、室温まで昇温し、同温度にて30分攪拌した。その後さらに加熱して内温60℃まで昇温し、同温度にて5時間攪拌した。反応終了後、水750mLを加えた後、氷冷して内温が8℃になるまで冷却し、析出した結晶をろ取、水でかけ洗いし、イソプロパノールでかけ洗いした。室温にて36時間乾燥を行い前記中間体(28)を119g(白色粉末、収率84.5%)で得た。得られた中間体(28)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d-DMSO)7.80(s,1H), 7.52(s,2H), 5.98(s,1H), 4.13(s,4H)
中間体(28)10g(71.3ミリモル)に、エタノール50mLを加えて室温で攪拌した。この懸濁液にエトキシメチレンマロノニトリル21.8g(178ミリモル)を加え、同温度にて12M塩酸水をpH3になるように滴加した後、内温が80℃になるまで加熱し、同温度にて1.5時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、析出した結晶を濾別し、水30ml、イソプロパノール30mlでかけ洗いした。得られた結晶を減圧下60℃にて乾燥し、前記中間体(29)を18.8g(灰色粉末、収率90.3%)得られた中間体(29)のNMR測定結果は以下の通りである。
1H-NMR(300MHz、d-DMSO)8.94(s,1H), 8.35(s,4H), 8.03(s,2H), 8.01(s,1H)
中間体(29)2部にリン酸40部、硫酸10部を加え、内温60℃に加温して30分間攪拌した。この懸濁液を冷却して内温3〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウムを1.2部加え、同温度にて2時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。この中に化合物(15)を粉体で、内温が5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1.5時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で30分攪拌した。この中にメタノール60mlを加え、30分攪拌した後、この反応液を水200mlに注ぎ込み、室温にて30分攪拌した。析出した結晶をろ取、水100ml、メタノール50mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール20ml、水20mlを加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、本発明の顔料(2)−41を3.1部を得た。収率77.3%。顔料(2)−41の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図10に示す。
比較化合物(25)
比較化合物(25)の合成は、以下のルートで合成した。
室温にて2.7部の40質量%ニトロシル硫酸を3.9部の濃硫酸、17.2部の酢酸に溶かした。この溶液を氷冷して内温を0〜5℃に保ち、内温が5℃以下となるように1.4部の化合物(26)を分割して加えて同温度にて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(15)1部をメタノール40部に加えて懸濁液を用意し、氷冷して内温5℃以下に保ち、この中に上述のジアゾニウム塩溶液を5℃以下となるように徐々に加えた。同温度にて1時間攪拌した後、氷浴をはずし室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、メタノール50部かけ洗いし、更に水で充分にかけ洗いした。得られた結晶を乾燥せずにメタノール50部、水25部に加え、内温65℃にて過熱攪拌を3時間行った。その後、空冷下1時間攪拌し室温に冷却した後、析出した結晶を濾別し、メタノール30部で洗浄した。12時間室温にて結晶を乾燥し、比較化合物(25)を1.8部を得た。収率75.3%。比較化合物(25)の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図11に示す。
実施例2で合成した顔料(2)−1を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物1を得た。
実施例3で合成した顔料(2)−2を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物2を得た。
実施例4で合成した顔料(2)−3を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物3を得た。
実施例5で合成した顔料(2)−5を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物4を得た。
実施例6で合成した顔料(2)−6を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物5を得た。
実施例7で合成した顔料(2)−7を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物6を得た
実施例8で合成した顔料(2)−8を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物7を得た。
実施例11で合成した顔料(2)−41を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、黄色の顔料分散物8を得た。
実施例12で用いた顔料(2)−1に変えて比較化合物(25)を用いた以外は実施例10と同様に操作を行った。6時間の分散操作後、顔料分散物は得られず、ゲル化していた。
実施例12で用いた顔料(2)−1に変えてC.I.ピグメント・イエロー128(チバスペシャリティ社製CROMOPHTAL YELLOW 8GN)を用いた以外は実施例12と同様にして黄色の比較顔料分散物1を得た。
実施例12で用いた顔料(2)−1に変えてC.I.ピグメント・イエロー74(チバスペシャリティ社製Iralite YELLOW GO)を用いた以外は実施例11と同様にして黄色の比較顔料分散物2を得た。
実施例12で用いた顔料(2)−1に変えてC.I.ピグメント・イエロー155(クラリアント社製INKJET YELLOW 4G VP2532)を用いた以外は実施例11と同様にして黄色の比較顔料分散物3を得た。
得られた顔料分散物をNo.3のバーコーターを用いてエプソン社製フォトマット紙に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、画像濃度1.0の塗布物をフェードメーターを用いてキセノン光(170000Lux.;325nm以下カットフィルター存在下)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計を用いて測定し、色素残存率[(照射後濃度/照射前濃度)×100%]として顔料分散物1、3、4、6、8及び比較顔料分散物1〜3を評価した。残存率が90%以上を○、70%以上90%未満を△、70%未満を×として、結果を表1に示す。
顔料2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った結果、ゲル化せずに十分に粒径が小さく分散できたものを○、できなかったものを×として顔料分散物1、3、4、6、8及び比較顔料分散物1〜3を評価した。結果を表1に示す。
Claims (13)
- 下記一般式(2)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
(式中、R’1、R’2、Y’はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数7〜9のアラルキル基、5〜8員環の飽和もしくは不飽和の炭化水素環基、または5〜8員環の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基を表す。R’3は水素原子または1価の置換基を表す。Z’はハメットのσp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Xは炭素原子隣接位の窒素原子を表し、G1は下記一般式(3)−1から(3)−5で表される置換基群のいずれかから選ばれる置換基を表す。R’1、R’2、R’3、Y’のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環を表す。R’1、R’2、R’3、Y’のいずれかが5員環の不飽和のヘテロ環を表す場合、環内に窒素原子を2つ以上有する。)
(式中、R 6 〜R 21 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。) - 下記一般式(4)で表されるアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
(式中、nは2〜4の整数を表す。R1、R2、R3、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、または置換基を表す。Xは炭素原子隣接位のヘテロ原子を表す。G2は5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を形成する原子団を表し、n=2の場合は、R1、R2、R3、Y、ZまたはG2を介した2量体を表す。n=3の場合は、R1、R2、R3、Y、ZまたはG2を介した3量体を表す。n=4の場合は、R1、R2、R3、Y、ZまたはG2を介した4量体を表す。R1、R2、R3、Y、G2のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環である。) - 上記一般式(4)中のXが窒素原子であることを特徴とする請求項2に記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物。
- 下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
(式中、R’1、R’2、Y’はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数7〜9のアラルキル基、5〜8員環の飽和もしくは不飽和の炭化水素環基、または5〜8員環の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基を表す。R’3は水素原子または1価の置換基を表す。Z’はハメットのσp値が0.2以上の電子求引性基を表す。Xは炭素原子隣接位の窒素原子を表し、G1は下記一般式(3)−1から(3)−5で表される置換基群のいずれかから選ばれる置換基を表す。R’1、R’2、R’3、Y’のいずれかが5〜8員環の飽和または不飽和のヘテロ環を表す場合、単環または縮合環を表す。R’1、R’2、R’3、Y’のいずれかが5員環の不飽和のヘテロ環を表す場合、環内に窒素原子を2つ以上有する。)
(式中、R 6 〜R 21 はそれぞれ独立に、水素原子、または置換基を表す。また、R 6 〜R 21 がそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。) - 請求項1〜4のいずれかに記載のアゾ顔料、その互変異性体、それらの塩または水和物又は請求項5〜7のいずれかに記載のアゾ化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする分散物。
- 請求項8に記載の分散物を含有することを特徴とする着色組成物。
- 請求項8に記載の分散物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
- 請求項10に記載のインクジェット記録用インクを含有することを特徴とするインクジェット記録用インクタンク。
- 請求項10記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項10に記載のインクジェット記録用インクを用いることで得られる記録物。
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