JP5388498B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体・静電記録誘電体・磁気記録磁性体等の像担持体に電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセスを適用して被加熱材上に形成されたトナー像を加熱する像加熱装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタに搭載する像加熱装置として、ヒータと、ヒータに接触しつつ移動する可撓性スリーブと、可撓性スリーブを介してヒータと定着ニップを形成する弾性ローラである加圧ローラと、を有するフィルム方式の定着装置が知られている。
このフィルム方式の定着装置は、たとえば、特許文献1、2、3に記載されるように、未定着トナー画像を担持する被加熱材としての記録材を定着ニップで挟持搬送し加熱することで、記録材上の画像を記録材に加熱定着するものである。
この定着装置は、ヒータに通電を開始してから定着可能温度に達するまでの時間が短い。従って、この定着装置を搭載するプリンタは、プリンタ指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:First Print Out Time)が短く、また、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットがある。
図14及び図15は、従来のフィルム方式の定着装置を示すもので、それぞれ、定着ニップを形成するために、ヒータを加圧ローラに対して加圧する加圧部を示した斜視図及び側面図である。図14においては、定着装置の長手方向一端側を図示しており、他端側は略対称同形状の構成のため省略してある。ここで、長手方向とは、記録材面における記録材搬送方向と直交する方向である。
すなわち、この定着装置は、加熱ユニット126と、加熱ユニット126に圧接される圧接部材としての加圧ローラ118と、加熱ユニット126と加圧ローラ118を保持する保持部材としての定着フレーム121とを備えている。また、加熱ユニット126を加圧する加圧部材としての加圧板124及び加圧バネ125が設けられている。
加熱ユニット126は、加熱体としてのヒータ115と、ヒータ115を支持する加熱体支持部材としてのヒータホルダ117と、ヒータ115と接触しつつ移動する可撓性スリーブである定着フィルム116とを備えている。ヒータホルダ117のヒータ取り付け面と反対側には定着ステー119が設けられている。また、定着ステー119の端部には、定着フィルム116の長手方向の位置を規制するフランジ120が設けられ、定着フレーム121に設けられた案内溝122に対して移動可能に緩挿されている。
加圧ローラ118は、定着フレーム121に取り付けられた軸受123に軸支されている。加圧板124はレバーとして作用し、加熱ユニット126を、定着フレーム121の案内溝122に沿って加圧ローラ118に対して加圧するようになっている。すなわち、加圧板124の一端124aは、定着フレーム121の曲げ部121aに設けられた孔121bに通されて支点となり、他端124bが定着フレーム121の曲げ部121cとの間で圧縮された加圧バネ125を配置して力点となっている。そして、加圧板124の中途部がフランジ120に設けられた加圧部位120cを押圧して作用点とするレバーとして作用する。
以上の加圧構成により、定着フィルム116を介して、ヒータ115と加圧ローラ11
8とで定着ニップNを形成している。
特開2006−171630号公報 特開2001−100556号公報 特開2003−122147号公報
加熱ユニット126の姿勢は、定着フレーム121に設けられた加熱ユニット126の加圧ローラ118側に位置するヒータホルダ119と、加圧ローラ128から離れた他方側に位置するフランジ120との2箇所の係止部によって保持される。すなわち、ヒータホルダ117の両端に、加熱ユニット126の下側の位置を規制する下側係止部117a、117bが設けられている。また、フランジ120の両端に、加熱ユニット126の上側の位置を規制する上側係止部120a120bが設けられている。これら下側係止部117a,117bと上側係止部120a、120bを、案内溝122の両側縁に形成される案内溝係止部122a、122bに対して係止させることで、加圧ユニット126の姿勢が保持される。
案内溝122の幅は、部品寸法公差や部品の熱膨張を考慮し、加熱ユニット126の上側係止部の下側係止部の幅に対して大きく、加熱ユニット126と定着フレーム121の案内溝122との間に隙間が設けられている。ここで、下流側、上流側とは、記録材搬送方向に対する下流側、上流側である。案内溝122の幅は、記録材搬送方向下流側の案内溝係止部122aと上流側の案内溝係止部122b間のスパンである。加熱ユニット126の上側係止部の幅は、加熱ユニット126の上側に位置するフランジ部120の下流側係止部120aと上流側係止部120b間のスパンである。また、加熱ユニット126の下側係止部の幅は、ヒータホルダ117の下流側係止部117aと上流側係止部117b間のスパンである。
次に、隙間が設けられた案内溝122の中で、加熱ユニット126の姿勢がどうなるかを説明する。図15には、定着フィルム116を除いた加熱ユニット126に働く外力を示してある。ここで、図中の各記号は、それぞれ以下の通りである。
P :加圧板124がフランジ120の加圧部位120cを押圧する力
Nz:加圧ローラ118からの抗力
F :加熱ユニットの下側係止部下流側117aが案内溝係止部下流側122aから受ける抗力(F<0の場合は、下側係止部上流側117bが案内溝係止部上流側122bから受ける抗力)
G :加熱ユニットの上側係止部下流側120aが案内溝係止部下流側122aから受ける抗力(G<0の場合は、下側係止部上流側117bが案内溝係止部上流側122bから受ける抗力)
μ :定着フィルム116とヒータ115の摩擦係数
a :定着ニップ面から加熱ユニット下側係止部117a、117bまでの距離
b :定着ニップ面から加熱ユニット上側係止部120a、120bまでの距離
z方向(案内溝と平行方向)の力、y方向(案内溝と垂直方向)の力、O点(定着ニップ中心)回りの回転モーメントの釣り合い式は以下のようになる。
z方向の力:P=Nz
y方向の力:F+G=μNz
O点回りの回転モーメント:aF+bG=0
以上の3つの式より
F=μbP/(a+b)>0
G=−μaP/(a+b)<0
となる。つまり、加熱ユニット126の下側は案内溝122の下流側、加熱ユニット126の上側は案内溝122の上流側に突き当たっていることになる。
この場合、加熱ユニット126の姿勢は、加熱ユニット係止部の下流側、上流側、案内溝の係止部の下流側、上流側すべての寸法の影響を受ける。
加熱ユニット126の姿勢に影響を与える寸法が多いと、加熱ユニット126の姿勢がそれらの寸法公差の分だけ称呼から変化しやすくなる。加熱ユニット126の姿勢が変化すると、定着ニップNに対するヒータ115の相対位置が変化する。その結果、定着ニップN内の熱分布が変化し、特許文献1に記載されているように、定着不良、コールドオフセット、ホットオフセットといった画像不良が発生する場合がある(詳細は後述する)。
そこで本発明の目的は、加熱ユニットと圧接部材との圧接部に対する加熱体の相対位置を安定させて被加熱材を安定して加熱することができる像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る像加熱装置の代表的な構成は、
可撓性スリーブと、
基板と該基板の長手方向に沿って設けられている発熱抵抗体とを有し、前記可撓性スリーブの内面に接触する加熱体と、
端部が前記可撓性スリーブの筒の中からはみ出るように前記可撓性スリーブの筒の中に配置されており、前記加熱体を支持する加熱体支持部材と、
前記可撓性スリーブの端面に対向する位置に配置されており、前記可撓性スリーブの長手方向の位置を規制するためのフランジと、
前記可撓性スリーブを介して前記加熱体に圧接すると共に前記可撓性スリーブを駆動するローラと、
前記フランジを前記ローラに向って加圧する加圧部材と、
装置フレーム
を有し、前記可撓性スリーブと前記ローラの間で画像を担持する被加熱材を挟持搬送しつつ画像を加熱る像加熱装置において、
前記ローラを保持する前記装置フレームに設けられた溝に対して前記加熱体支持部材と前記フランジを挿入し、且つ前記加圧部材で前記フランジを付勢することにより前記可撓性スリーブと前記加熱体が前記装置フレームに保持されており、
前記ローラが被加熱材を搬送する方向に回転することによって前記加熱体に前記加熱体の姿勢が傾く方向の回転モーメントが働いても、前記加熱体支持部材と前記フランジが前記装置フレームの溝の被加熱材搬送方向下流側の縁に接触する状態を維持するように前記加圧部材が前記フランジを付勢する構成となっていることを特徴とする。
加熱ユニットを被加熱材搬送方向下流側に位置する保持部材側係止部のみに係止させて姿勢を保持する構成としたので、保持部材の寸法公差の影響が少なくなる。したがって、圧接部に対する加熱体の相対位置を安定させることができ、これにより、加熱ユニットと圧接部材との相対位置が変化することで発生する加熱不良を低減することができる。
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
(1)画像形成装置
図1は本発明に係る像加熱装置を、加熱定着装置として搭載する画像形成装置の縦断面図である。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。
3は、アルミニウムやニッケル等からなるシリンダ状の基板上に、感光材料であるOPCやアモルファスシリコンを形成した像担持体としての回転ドラム型の感光体であり、時計回りに所定の周速度をもって回転する。回転中の感光ドラム3の外周面(表面)は帯電手段としての帯電ローラ4によって一様に帯電される。帯電された感光ドラム3は、画像露光手段としてのレーザービームスキャナ5から出力されるレーザー光Lにより露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置6により現像剤であるトナーからなる画像として現像される。
被加熱材としての記録材Sは給送カセット7から給送ローラ8によって一枚ずつ分離給送され、搬送ローラ対9を経てレジストローラ対10に送られる。レジストローラ対10は、記録材Sの所定の位置(搬送方向の位置)にトナー画像を配置させるために、感光ドラム3に形成されたトナー画像と同期するように記録材Sを転写ニップTに搬送する。
記録材Sは転写ニップTに挟持され、トナーと逆極性の転写バイアスが印加された転写ローラにより、感光体ドラム3上のトナー画像が転写されながら、本発明の加熱定着装置2へ搬送される。加熱定着装置2によってトナー画像は記録材S上に加熱定着され、排出ローラ対12を経て、排出トレイ13上に排出される。
(2)加熱定着装置
図2は、図1に示される加熱定着装置2を抜き出した図である。
すなわち、この加熱定着装置2は、加熱ユニット26と、加熱ユニット26に圧接される圧接部材としての加圧ローラ18と、加熱ユニット26と加圧ローラ18を保持する保持部材としての定着フレーム21とを有している。加熱ユニット26は、加熱体としてのヒータ15と、このヒータ15を支持する加熱体支持部材としてのヒータホルダ17と、ヒータ15と接触しつつ移動する可撓性スリーブとしての定着フィルム16とを備えている。
そして、加熱ユニット26と加圧ローラ18の間に形成される圧接部としての定着ニップNで画像を担持する被加熱材としての記録材が挟持搬送される。定着ニップNで挟持搬送された記録材Sは、定着フィルム16を介してヒータ15の熱が与えられ、トナー像を溶融させるとともに圧力がかけられ、溶融トナーが定着する。
ここで、各部品にもう少し詳細な説明を加えておく。
1)ヒータ15
ヒータ15は耐熱性、絶縁性、良熱伝導性の基板15a、基板15aの定着フィルム側の表面に形成具備させた発熱抵抗体15b、それらを保護する耐熱性オーバーコート層15cからなる。
本実施例においては、アルミナからなる基板15aに、発熱抵抗体15bとして銀、パラジウム、ガラス粉末(無機結着剤)、有機結着剤を混練したものを印刷し、耐熱性オーバーコート層15cとしてガラスをコーティングしたものである。
2)定着フィルム16
定着フィルム16としては、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、SUS等の基層の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用される。また、定着フィルム16の膜厚は、クイックスタート性に影響を与える熱容量と、亀裂等が生じないための強度とを両立するため、通常、100μm以下、20μm以上に設定されている。
本実施例では、膜厚約50μmのポリイミドフィルムの外周表面にPTFEをコーティングしたものを定着フィルム16として用いている。また、内径を18mmとし、その内周長をヒータホルダ17の外周長より大きくし、ヒータホルダ17に対して隙間をもって周設してある。
3)ヒータホルダ17
ヒータホルダ17の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等が使用される。本実施例では、液晶ポリマーを金型で成型することで、縦断面樋型形状に形成したものを使用している。
4)加圧ローラ18
加圧ローラ18は、芯金18aと、芯金18aの周囲に設けられた弾性体層18bと、弾性体層18bの周囲に設けられた最外層の離形層18cと、を有するものである。本実施例では、芯金18aを快削鋼、弾性体層18bを厚み約3mmのシリコーンゴム、離形層18cを厚み約30μmのPFAチューブとする、外径20mmの加圧ローラを使用している。
図3、図4は、それぞれ、圧接部として定着ニップNを形成するために、ヒータ15を加圧ローラ18に対して加圧する本実施例の定着装置の加圧部を示した斜視図、側面図である。斜視図においては、長手方向一端側を図示しており、他端側は略対称同形状の構成のため、省略してある。ここで、長手方向とは、記録材面における記録材搬送方向と直交する方向である。
加熱ユニット26は、加熱体としてのヒータ15と、ヒータ15を支持する加熱体支持部材としてのヒータホルダ17と、ヒータ15と接触しつつ移動する可撓性スリーブである定着フィルム16とを備えている。ヒータホルダ17のヒータ取り付け面と反対側には定着ステー19が設けられている。定着ステー19の端部には、定着フィルム16の長手方向の位置を規制するフランジ20が設けられている。フランジ20はヒータホルダ17と記録材搬送方向の幅がほぼ同一幅で、定着フレーム21に設けられた案内溝22に対して移動可能に緩挿される。
定着フレーム21の案内溝22の被加熱材搬送方向上流側である記録材搬送方向上流側と下流側の側縁は、加熱ユニット26が係止される保持部材側係止部としての案内溝係止部22a、22bを構成している。この案内溝係止部上流側22aと案内溝係止部下流側22bの間に、ヒータホルダ17とフランジ20が係合される。
加熱ユニット26の姿勢は、定着フレーム21に設けられた案内溝22に係合する加熱ユニット26の圧接部材側である加圧ローラ18側に位置するヒータホルダ17と、加圧ローラ28から離れた他方側に位置するフランジ20との2箇所の係止部によって保持される。すなわち、ヒータホルダ17の両端に、加熱ユニット26の下側の位置を規制する下側係止部下流側17a、下側係止部上流側17bが設けられている。また、フランジ120の両端に、加熱ユニット126の上側の位置を規制する上側係止部下流側20a、上側係止部上流側20bが設けられている。下側係止部下流側17a,下側係止部上流側17bと上側係止部下流側20a、上側係止部上流側20bを、案内溝122の両側縁に形成される案内溝係止部下流側22a、案内溝係止部上流側22bに対して係止させることで、加圧ユニット26の姿勢が保持される。このように、複数の加熱ユニット側係止部としてのヒータホルダ17とフランジ20が設けられ、これらの加熱ユニット側係止部が案内溝係止部22aに係止するように構成されている。
案内溝22の幅は、部品寸法公差や部品の熱膨張を考慮し、加熱ユニット26の上側係止部(フランジ20)の下側係止部(ヒータホルダ17)の幅に対して大きく、加熱ユニット26と定着フレーム21の案内溝22との間に隙間が設けられている。
ここで、下流側、上流側とは、記録材搬送方向に対する下流側、上流側である。案内溝22の幅は、記録材搬送方向下流側の案内溝係止部22aと上流側の案内溝係止部22b間のスパンである。加熱ユニット26の上側係止部(フランジ20)の幅は、フランジ部20の上側係止部下流側20aと下側係止上流側20b間のスパンである。また、加熱ユニット26の下側係止部(ヒータホルダ17)の幅は、ヒータホルダ17の下側係止部下流側17aと上側係止部上流側17b間のスパンである。
したがって、ヒータホルダ17およびフランジ20と案内溝22の間には、記録材搬送
方向に隙間を有し、嵌合しただけでは加熱ユニット26の姿勢は定まらない。
そこで、本発明では、加熱ユニット26を案内溝係止部下流側、上流側22a、22bのうち、記録材搬送方向下流側に位置する案内溝係止部下流側22aのみに当接させることにより、加熱ユニット26の姿勢を保持する構成となっている。
また、加熱ユニット26は、加圧ローラ18に対して加圧する加圧部材としての加圧板24および加圧バネ25を有している。加圧ローラ18は、定着フレーム21に取り付けられた軸受23に軸支されている。
加圧板24はレバーとして作用し、加熱ユニット26を、定着フレーム21の案内溝22に沿って加圧ローラ18に対して加圧するようになっている。すなわち、加圧板24の一端24aは、定着フレーム21の曲げ部21aに設けられた孔21bに通されて支点となり、他端24bが定着フレーム21の曲げ部21cとの間で圧縮された加圧バネ25を配置して力点となっている。そして、加圧板24の中途部がフランジ20に設けられた加圧部位20cを押圧して作用点となる。加圧バネ25としては、本実施例で使用した圧縮バネの代わりとして引っ張りバネを適用することも可能である。
以上の加圧構成により、定着フィルム16を介して、ヒータ15と加圧ローラ18とで定着ニップNを形成している。フランジ加圧部位20cは円弧状に突出した部分で、定着ニップNの中心を通るニップ面に対する共通法線上(本実施例では、法線上に加圧ローラ18の中心を含む)にある。この加圧点における共通法線方向は、また、加圧板24と加圧部位20cの接触点における共通法線は、加熱ユニット26と加圧ローラ18との圧接部である定着ニップNにおける共通法線方向に対して記録材搬送方向下流側に所定角度θだけずらして形成されている。
次に、隙間が設けられた案内溝22の中で、加熱ユニット26の姿勢がどうなるか、その挙動について説明する。
基本的には、加熱ユニット26と加圧ローラ18が駆動する状態で、加熱ユニット26に作用する外力の力関係によって、加熱ユニット26が、記録材搬送方向下流側に位置する案内溝係止部22aのみに係止し、加熱ユニット26の姿勢を保持する構成となっている。この外力について、以下に詳細に説明する。
図4には、定着フィルム16を除いた加熱ユニット26に働く外力を示してある。ここで、図中の各記号は、それぞれ以下の通りである。
P :加圧板24がフランジ20の加圧部位20cを押圧する力(加圧点法線方向)
Nz:加圧ローラ18からの抗力
F :加熱ユニット26の下側係止部下流側17aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(F<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
G :加熱ユニットの上側係止部下流側20aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(G<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
μ :定着フィルム16とヒータ15の摩擦係数
a :定着ニップNから加熱ユニット下側係止部17a、17bまでの距離
b :定着ニップNから加熱ユニット上側係止部20a、20bまでの距離
d :定着ニップNから加圧部位20cまでの距離
θ :加圧板24と加圧部位20cとの接触点における共通法線と案内溝22のなす角度
z方向(案内溝と平行方向)の力、y方向(案内溝と垂直方向)の力、O点(定着ニップN中心)回りの回転モーメントの釣り合い式は以下のようになる。
z方向の力;Pcosθ=Nz
y方向の力;F+G=μNz+Psinθ
O周りの回転モーメント;aF+bG=dPsinθ
以上の3つの式より
F=P{b(sinθ+μcosθ)−dsinθ}/(b−a)
G=P{dsinθ−a(sinθ+μcosθ)}/(b−a)
となる。
ここで、本実施例においては、μを実測から求め、a、b、d、θを
b(sinθ+μcosθ)>dsinθ>a(sinθ+μcosθ)
という関係を満足するように設定し、F>0、G>0としている。つまり、加熱ユニット26の下側係止部下流側17a、上側係止部下流側20a共に案内溝係止部下流側22aに突き当たっていることになる。
したがって、加熱ユニット26の姿勢は、加熱ユニットの下側係止部下流側17a、上側係止部下流側20aと、案内溝係止部下流側22aの寸法だけからしか影響を受けないため、従来と比較し安定した姿勢が維持できる。
(3)加熱ユニット26の姿勢の定着性への影響
図5は、本実施例における定着ニップNとヒータ15との相対位置を示す図であり、図6は、本実施例の定着ニップN内の圧力と温度分布を示す図である。図7は、本実施例と比較して加熱ユニット26の姿勢が傾いた場合の定着ニップN1とヒータ15との相対位置を示す図であり、図8は、その場合の定着ニップN1内の圧力と温度の分布を示す図である。説明の便宜上、図8は、定着ニップ面が水平になるように回転させてある。
図6、図8の温度分布が示すように、定着ニップN、N1内の温度分布は、ヒータ中心Hから紙搬送方向下流に移動した位置にピークをもった分布となる。これは、ヒータ15の熱が定着フィルム16の内面から定着フィルム16の外面に伝わる間に、定着フィルム16が記録材搬送方向に移動するためである。また、定着ニップN、N1内の圧力分布は定着ニップN、N1中心Oにピークをもった分布となる。
本実施例においては、図5に示すように、ヒータ中心Hをニップ中心Oに対して被加熱材搬送方向上流側である記録材搬送方向上流側へシフトさせることで、定着ニップN内での温度分布のピークと、圧力分布のピークを近づけている。
図7のように、加熱ユニット2の姿勢が傾いた場合は、その影響により、ヒータ中心Hと定着ニップ中心Oの相対位置が図5と異なり、ヒータ中心Hはニップ中心Oに対して記録材搬送方向下流側へシフトしている。そのため、図8に示すように、定着ニップN内での温度分布のピークと、圧力分布のピークがずれる。
次に、図9の定着メカニズムを用いながら、本実施例と本実施例と比較し加熱ユニットが傾いた場合の定着性について説明する。
図9において、長丸で表した未定着トナーtは溶解し粘性が低いものであり、丸で表した溶解していない未定着トナーtが、定着ニップNのヒータ15からの熱により徐々に溶解していく様子を示したものである。
図6のように、温度分布のピークと圧力分布のピークが近づいた場合には、トナーtが溶解して粘性が低い状態で定着されるため定着性は良好である。図8のように、温度の分
布のピークが圧力の分布のピークより記録材搬送方向下流側にずれている場合は、トナーtが溶解しきっていない状態で定着しようとするため、定着性は悪化する。定着性が悪い場合には、未定着のトナーが定着フィルム16に付着し、定着フィルム16周期で画像がオフセットしてしまう現象(コールドオフセット)が発生する。また、逆にヒータ15温度を上げすぎても、溶解したトナーの粘性が低くなりすぎ、溶融したトナーが記録材に保持されず定着フィルム15に付着し、定着フィルム15周期で画像がオフセットしてしまう現象(ホットオフセット)が発生することがある。
以上のように、加熱ユニット26の姿勢は、定着性に影響を与え、ひいては、定着不良、コールドオフセット、ホットオフセットといった画像不良にも影響を与える。つまり、本実施例においては、加熱ユニット26の姿勢が安定するため、そのような画像不良を低減することが可能となる。
本実施例ではヒータ15中心と定着ニップN中心をずらした系を例として説明しているが、もちろん、ヒータ中心と定着ニップ中心Oを一致させた場合にも、本実施例の加圧方法を用いることで加熱ユニット26の姿勢を安定させることができる。
以上、本実施例によれば、加熱ユニット26の姿勢に対する、加熱ユニット26と加熱ユニット支持部材である定着フレーム21の寸法公差の影響を低減し、加熱ユニット26の姿勢を安定させることができる。それにより、加熱ユニット26のヒータ15と定着ニップNとの相対位置のばらつきを抑え、それが原因で発生する定着不良、コールドオフセット、ホットオフセットといった画像不良を低減することができる。
次に本発明の実施例2について説明する。
本実施例においては、加熱定着装置の加圧部分のみが、先述の実施例1と異なるため、主としてその異なる部分のみについて説明を行い、それ以外の構成に関しては、実施例1と同一であり、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
図10、図11は、それぞれ、定着ニップを形成するために、ヒータ15を加圧ローラ18に対して加圧する本実施例2の加熱定着装置の加圧部を示した斜視図、側面図である。
本実施例2においては、フランジ20の加圧部位20cは、定着ニップNの中心点を通る共通法線の仮想線上に対して(本実施例では、法線上に加圧ローラ18の中心を含む)、記録材の搬送方向下流側に所定量ずれた位置、すなわち、cだけずらした位置にある。また、加圧板24と加圧部位20cの接触点における共通法線は定着フレーム21の案内溝22と平行である。
図11には、定着フィルム16を除いた加熱ユニット26に働く外力を示してある。中の各記号は、それぞれ以下の通りである。
P :加圧板24がフランジ20の加圧部位20cを押圧する力
Nz:加圧ローラ18からの抗力
F :加熱ユニットの下側係止部下流側17aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(F<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
G :加熱ユニットの上側係止部下流側20aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(G<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
μ :定着フィルム16とヒータ15の摩擦係数
a :定着ニップ面Nから加熱ユニット下側係止部17a、17bまでの距離
b :定着ニップ面Nから加熱ユニット上側係止部20a、20bまでの距離
c :定着ニップO中心を通り案内溝22に平行な直線と、加圧板24と加圧部位20cとの接触点の距離
ここで、加熱ユニット26の下側とは案内溝22方向の加圧ローラ18側であり、上側とはその他方側であり、上流側、下流側とは記録材搬送方向に対する上流側、下流側である。
z方向(案内溝22と平行方向)の力、y方向(案内溝22と垂直方向)の力、O点(定着ニップ中心)回りの回転モーメントの釣り合い式は以下のようになる。
z方向の力;P=Nz
y方向の力;F+G=μNz
O周りの回転モーメント;aF+bG=cP
以上の3式から
F=P(μb−c)/(b−a)
G=P(c−μa)/(b−a)
となる。
ここで、本実施例においては、μを実測から求め、a、b、cを
μb>c>μa
という関係を満足するように設定し、F>0、G>0としている。つまり、加熱ユニット26の下側係止部であるヒータホルダ17の下側係止部下流側17a、上側係止部であるフランジ20の上側係止部下流側20aは、ともに、案内溝係止部下流側22aに突き当たっていることになる。
したがって、加熱ユニット26の姿勢は、加熱ユニット26の下側及び上側係止部下流側17a,20aと、案内溝係止部下流側22aの寸法だけからしか影響を受けないため、従来と比較し安定する。また、加熱ユニット26の姿勢の定着性への影響については、実施例1で説明した通りである。
なお、本実施例は、加圧板24と加圧部位20cの接触点における共通法線は定着フレーム21の案内溝22と平行の構成としたが、実施例1のように、角度を持って形成しても同様な効果が得られる。
以上、本実施例によれば、加熱ユニット26の姿勢に対する、加熱ユニット26と加熱ユニット26と加圧ローラ18の保持部材である定着フレーム21の寸法公差の影響を低減し、加熱ユニット26の姿勢を安定させることができる。それにより、加熱ユニット26のヒータ15と定着ニップNとの相対位置のばらつきを抑え、それが原因で発生する、定着不良、コールドオフセット、ホットオフセットといった画像不良を低減することができる。
次に本発明の実施例3について説明する。
本実施例3についても、加熱定着装置の加圧部分のみが、先述の実施例1と異なるため、主としてその異なる部分のみについて説明を行い、それ以外の構成に関しては、実施例1と同一であり、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
図12、図13は、それぞれ、定着ニップを形成するために、ヒータを加圧ローラに対して加圧する本実施例の定着装置の加圧部を示した斜視図、側面図である。
本実施例においては、加熱ユニット26の下側係止部下流側17a、上流側17bが、定着ニップNより加圧ローラ18側の位置にある。すなわち、加熱ユニット26は、加熱ユニット26と加圧ローラ18との定着ニップNにおける共通接線で分けられる領域のうち、少なくとも圧接部材としての加圧ローラ18側に、ヒータホルダ17の下側係止部下流側17aを備えている。この下側係止部下流側17aが案内溝係止部下流側22aに係合する。
フランジ20の加圧部位20cは、定着ニップの中心を通るニップ面における法線上(本実施例では、法線上に加圧ローラ18の中心を含む)にある。また、加圧板24と加圧部位20cの接触点における共通法線は、定着フレーム21の案内溝22と平行である。
図13には、定着フィルム16を除いた加熱ユニット26に働く外力を示してある。図中の各記号は、それぞれ以下の通りである。
P :加圧板24がフランジ20の加圧部位20cを押圧する力
Nz:加圧ローラ18からの抗力
F :加熱ユニット26の下側係止部下流側17aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(F<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
G :加熱ユニットの上側係止部下流側20aが案内溝係止部下流側22aから受ける抗力(G<0の場合は、下側係止部上流側17bが案内溝係止部上流側22bから受ける抗力)
μ :定着フィルム16とヒータ15の摩擦係数
a :定着ニップ面Nから加熱ユニット下側係止部17a、17bまでの距離
b :定着ニップ面Nから加熱ユニット上側係止部20a、20bまでの距離
ここで、加熱ユニットの下側とは案内溝方向の加圧ローラ側であり、上側とはその他方側であり、上流側、下流側とは記録材搬送方向に対する上流側、下流側である。
z方向(案内溝と平行方向)の力、y方向(案内溝と垂直方向)の力、O点(定着ニップ中心)回りの回転モーメントの釣り合い式は以下のようになる。
z方向の力;P=Nz
y方向の力;F+G=μNz
O周りの回転モーメント;−aF+bG=0
以上の3つの式から
F=μbP/(a+b)>0
G=μaP/(a+b)>0
となる。つまり、加熱ユニット26の下側係止部下流側17a、上側係止部下流側20a共に案内溝係止部下流側22aに突き当たっていることになる。
したがって、加熱ユニット26の姿勢は、加熱ユニットの下側係止部下流側17a、上側係止部下流側20aと、案内溝係止部下流側22aの寸法だけからしか影響を受けないため、従来と比較し安定した姿勢が維持できる。また、加熱ユニット26の姿勢の定着性への影響については、実施例1で説明した通りである。
なお、加圧板24と加圧部位20cの接触点における共通法線は定着フレーム21の案内溝22と平行の構成としたが、実施例1のように、角度を持って形成しても同様な効果が得られる。
また、定着ニップの中心を通るニップ面法線(本実施例では、加圧ローラ18の中心)上にある構成としたが、実施例2のように、ずらした構成でも同様な効果が得られる。
以上、本実施例3によれば、加熱ユニット26の姿勢に対する、加熱ユニット26と加熱ユニット支持部材である定着フレーム21の寸法公差の影響を低減し、加熱ユニット26の姿勢を安定させることができる。それにより、加熱ユニット26のヒータ15と定着ニップNとの相対位置のばらつきを抑え、それが原因で発生する、定着不良、コールドオフセット、ホットオフセットといった画像不良を低減することができる。
なお、上記各実施例では、本発明の像加熱装置をトナー画像を加熱定着する加熱定着装置を例にとって説明したが、本発明は加熱定着装置に限定されるものではなく、画像を定着した記録材に光沢を付与するような光沢付与装置などについても広く適用可能である。
本発明における像加熱装置の実施例である加熱定着装置を搭載した画像形成装置の縦断面図である。 図1の加熱定着装置の縦断面図である。 図2の加熱定着装置の斜視図である。 本発明の実施例1における定着装置の側面図である。 本発明の実施例1における定着ニップの状態を示す図である。 本発明の実施例1における定着ニップ内の温度と圧力の分布図である。 本発明と比較して、加熱ユニットの姿勢が傾いた場合の定着ニップの状態を示す図である。 本発明と比較して、加熱ユニットの姿勢が傾いた場合の定着ニップ内の温度と圧力分布図である。 定着ニップ部におけるトナーの溶解状態を示す図である。 本発明の実施例2における加熱定着装置の斜視図である。 本発明の実施例2における加熱定着装置の側面図である。 本発明の実施例3における加熱定着装置の斜視図である。 本発明の実施例3における加熱定着装置の側面図である。 従来の加熱定着装置の斜視図である。 従来の加熱定着装置の側面図である。
符号の説明
1‥‥画像形成装置
2‥‥定着装置
15・・・・ヒータ(加熱体)
16・・・・定着フィルム(可撓性スリーブ)
17・・・・ヒータホルダ(加熱体支持部材)
17a、17b・・・・加熱ユニット下側係止部
18・・・・加圧ローラ(圧接部材)
19・・・・定着ステー
20・・・・フランジ(係止部)
20a、20b・・・・加熱ユニット上側係止部
20c・・・・加圧部位
21・・・・定着フレーム(支持部材)
22・・・・案内溝
22a、22b・・・・案内溝係止部
24・・・・加圧板(加圧部材)
25・・・・加圧バネ(加圧部材)
26・・・・加熱ユニット

Claims (4)

  1. 可撓性スリーブと、
    基板と該基板の長手方向に沿って設けられている発熱抵抗体とを有し、前記可撓性スリーブの内面に接触する加熱体と、
    端部が前記可撓性スリーブの筒の中からはみ出るように前記可撓性スリーブの筒の中に配置されており、前記加熱体を支持する加熱体支持部材と、
    前記可撓性スリーブの端面に対向する位置に配置されており、前記可撓性スリーブの長手方向の位置を規制するためのフランジと、
    前記可撓性スリーブを介して前記加熱体に圧接すると共に前記可撓性スリーブを駆動するローラと、
    前記フランジを前記ローラに向って加圧する加圧部材と、
    装置フレーム
    を有し、前記可撓性スリーブと前記ローラの間で画像を担持する被加熱材を挟持搬送しつつ画像を加熱る像加熱装置において、
    前記ローラを保持する前記装置フレームに設けられた溝に対して前記加熱体支持部材と前記フランジを挿入し、且つ前記加圧部材で前記フランジを付勢することにより前記可撓性スリーブと前記加熱体が前記装置フレームに保持されており、
    前記ローラが被加熱材を搬送する方向に回転することによって前記加熱体に前記加熱体の姿勢が傾く方向の回転モーメントが働いても、前記加熱体支持部材と前記フランジが前記装置フレームの溝の被加熱材搬送方向下流側の縁に接触する状態を維持するように前記加圧部材が前記フランジを付勢する構成となっていることを特徴とする像加熱装置。
  2. フランジと前記加圧部材との加圧点における共通法線方向が、前記可撓性スリーブを介した前記加熱体と前記ローラとの圧接部における共通法線方向に対して被加熱材搬送方向下流側に所定角度だけずらして形成されていることを特徴とする請求項に記載の像加熱装置。
  3. 前記フランジと前記加圧部材との加圧点が、前記可撓性スリーブを介した前記加熱体と前記ローラとの圧接部の被加熱材搬送方向に対する中心点を通る共通法線の仮想線上に対して、被加熱材搬送方向下流側に所定量ずらして設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の像加熱装置。
  4. 前記加熱体支持部材は、前記可撓性スリーブを介した前記加熱体と前記ローラとの圧接部における共通接線で分けられる領域のうち少なくとも前記ローラ側に、前記装置フレームの溝の縁接触する部分を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかの項に記載の像加熱装置。
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