JP5403166B2 - 軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関のクランク軸ジャーナルを軸支持するベアリングキャップに関し、特に、軽合金部材にコアとして鋳込まれるベアリングキャップに関するものである。
JPS61−45108Aに記載されているように、従来から軸受カバー等の軽合金部材にコアとして鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップが提案されている。
これは、夫々固定用ボルト穴を備える一対のボスと、ボス間において軸受面を形成してボス間を連結すると共に両側面に凹所を備える横部材と、によりコアとして鋳込まれるベアリングキャップを形成している。そして、このベアリングキャップをコアとして軸受カバー等の軽合金部材に一体に鋳込むことにより、軸受カバーの材料がコアの凹所内に入り込むことができ、両部材間の良好な結合が形成されるようにしている。
しかしながら、上記従来例では、内燃機関の運転温度では、ベアリングキャップの凹所内に入り込んだ軽合金部材が、鉄系部材からなるベアリングキャップよりも大きく膨張するため、ベアリングキャップの軸受面を変形させるおそれがあった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、軸受面を変形を小さくすると共に軽合金部材との結合性向上に好適な軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、軽合金部材にコアとして鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップが、軸受面を形成する円弧状部と、円弧状部の両端に連ねて配置される左右のフランジ部と、左右のフランジ部の背面側に起立して配置されて取付ボルトを挿通するボス部と、を備え、ボス部に溝又は凸部を形成したことを特徴とする。
本発明の実施形態、本発明の利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
以下、本発明の軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップを図1〜図6に示す一実施形態に基づいて説明する。
図1及び図3において、軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ1は、鉄系金属により形成している。ベアリングキャップ1は、軸受面を形成する円弧状部2と、円弧状部2の両端に連なって両側に延びるフランジ部3と、両フランジ部3の夫々の背面側に起立させて配置され、取付ボルトを挿通するボス部4と、を備える。また、ベアリングキャップ1は、円弧状部2の背面から離間させて配置され両ボス部4の先端側同士を連結する連結ビーム5と、連結ビーム5とボス部4との連結部分の夫々を、円弧状部2の背面に対して連結する一対の補強ビーム6と、を一体に備える。
前記軸受面を形成する円弧状部2とその両端に連なって両側に延びるフランジ部3とは、同一の幅及び厚みの矩形状の断面を備える。前記円弧状部2の円弧面には、図示しない軸受金属を介してクランクジャーナルを支持する軸受面を形成する。また、その両端に連なって両側に延びるフランジ部3の上面は平面に形成され、シリンダブロックのバルクヘッドの下端面に当接される。
両フランジ部3の夫々の背面側に起立させて配置され、取付ボルトを挿通するボス部4は、前記フランジ部3を貫通させて2本のボルト穴11を備え、このボルト穴11を囲む2つのボス10を備える。図2に示すように、2本のボルト穴11は間隔を空けて配置され、このボルト穴11を囲む2つのボス10同士も間隔が空けられることにより、両ボス10間にボス10の肉厚に匹敵する深さの溝12を形成している。前記ボス10同士は、先端側において前記ボス10間の溝12を横断して配置したリブ13により連結されている。即ち、ボス10同士は溝12を形成している薄肉部で連結されると共に基端側のフランジ部3と先端側のリブ13とで互いに連結され、その剛性を高めている。このため、前記ボス10間の溝12は、前記リブ13とフランジ部3背面とで両端が閉じられた盆地状空間(閉空間)に形成される。
前記連結ビーム5は、円弧状部2の背面から離間させて配置されており、両ボス部4の先端側同士を連結している。連結ビーム5は、ボス部4のボス10同士を先端側で連結するリブ13が配置された位置において、ボス部4に連結しており、リブ13と連結ビーム5とは概略同一直線状に配置されている。
一対のボス部4は、先端側でリブ13が配置された位置において互いに連結ビーム5により連結されることにより、ボス部4同士は互いを支持するため、剛性を高め且つ軽量化が可能となる。即ち、基端側においてフランジ部3及び円弧状部2で互いに連結され、先端側で連結ビーム5により連結されることにより、強固な枠形状をなしてその剛性を向上させている。即ち、ベアリングキャップ1は、フランジ部3・円弧状部2・ボス部4・連結ビーム5を含む面を曲げる横曲げ方向剛性、これらの面内での縦曲げ剛性、及び、これらの面を捩る捩り剛性を高めることができる。
前記一対の補強ビーム6は、連結ビーム5とボス部4との連結部分の夫々を、円弧状部2の背面に対して斜め方向に連結する。これにより、ボス部4・連結ビーム5・フランジ部3及び円弧状部2を含む面内の剛性を一層向上させることができる。
前記連結ビーム5と円弧状部2との間には、両側を補強ビーム6で囲まれた貫通空間14が形成され、両補強ビーム6とボス部4との間にも一部円弧状部2の背面に接して貫通空間15が形成される。
以上の構成のベアリングキャップ1は、図4及び図5に示す成形型により、鋳造により形成される。図4は、ベアリングキャップ1のボス部4の鋳造型を示す説明図であり、図5は、ベアリングキャップ1の中央部の鋳造型を示す説明図である。前記成形型は、円弧状部2及びフランジ部3の形状に型彫りされたキャビティを備えた上型21と、ボス部4のリブ13及び連結ビーム5の中央からフランジ部3及び円弧状部2までの側面形状を備えた横型22と、ボス部4のリブ13及び連結ビーム5の中央から下側の形状のキャビティを備える下型23と、で形成される。鋳造されたベアリングキャップ1の横型22と下型23及び上型21との合せ面の部分には、バリが発生するが、これらのバリは連結ビーム5の中央部、リブ13の頂部、円弧状部2及びフランジ部3の縁にあり、容易に取除くことができる。
以上のように構成されたベアリングキャップ1は、図6に示すように、軽合金製で形成されるラダーフレーム30に一体に鋳込まれる。即ち、図6はV型6気筒エンジンにおけるラダーフレーム30であり、内部に鋳込まれたベアリングキャップ1を内蔵する4個のベアリングキャップ部31と、これらベアリングキャップ部31の両端面同士を連結してケースを構成する連結部32と、から構成されている。
ベアリングキャップ部31に鋳込まれたベアリングキャップ1は、図7、8に示すように、円弧状部2およびフランジ部3を除く下部領域のボス部4、連結ビーム5および補強ビーム6が軽合金材料によりくるまれている。このため、ベアリングキャップ1の両側を補強ビーム6で囲まれた貫通空間14及び両補強ビーム6とボス部4との間の貫通空間15には軽合金材料が貫通させて充填されている。またボス部4も周囲が軽合金材料でくるまれており、そのボス10の端部のみが軽合金材から露出された状態となっている。このため、ボス10間にあってリブ13とフランジ部3背面とで両端が閉じられて盆地状空間(閉空間)に形成された溝12内にも軽合金材料が充填された状態となっている。
通常、ベアリングキャップ1は、ラダーフレーム30鋳造後の軽合金材料の冷却による収縮力で保持されている。しかしながら、実動時はエンジン運転に伴う温度上昇により、軽合金材の膨張量と鉄系金属からなるベアリングキャップ1の膨張量との違いのために、前記した収縮力が低下し、保持力が低下する。
本実施形態においては、実動時の温度上昇により、ボス10間にあってリブ13とフランジ部3背面とで両端が閉じられて盆地状空間(閉空間)に形成された溝12内に充填された軽合金材料は、リブ13とフランジ部3とにより膨張が規制される。このため、溝12内に充填された軽合金材料の膨張に応じて、リブ13とフランジ部3背面との接触圧を上昇させる。これにより、ベアリングキャップ部31の軽合金材料と鉄系材料で形成されたベアリングキャップ1との保持力低下を抑制できる。
また、溝12内に充填された軽合金材料が膨張しても、溝12が形成されるボス部4は、軸受面が形成される円弧状部2から離れているため、軸受面の変形が少なくなる。さらに、溝12が形成されるボス部4は、取付ボルトによって熱膨張が抑えられるため、軽合金材料との熱膨張差が大きくなり、ベアリングキャップ1と軽合金部材との結合性が高まる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
軽合金部材にコアとして鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ1である。具体的には、軸受面を形成する円弧状部2と、円弧状部2の両端に連ねて配置される左右のフランジ部3と、左右のフランジ部3の背面側に起立して配置され、取付ボルトを挿通する一対のボス部4と、を備える。ボス部4には、溝12が形成される。
したがって、軽合金部材にベアリングキャップ1を鋳込むことにより、ボス部4に形成された溝12内に軽合金材料が充填された状態となる。そして、実動時の温度上昇により、溝12内に充填された軽合金材料が、溝12によって膨張が規制されるため、軽合金材料と鉄系材料で形成されたベアリングキャップ1との保持力低下を抑制できる。結果として、軽合金部材との結合性を向上させることができる。また、溝12が形成されるボス部4は、取付ボルトによって熱膨張が抑えられるため、軽合金部材との熱膨張差が大きくなり、ベアリングキャップ1と軽合金部材との結合性が高まる。
ボス部4は、フランジ部3を貫通させて2本のボルト穴11を備えると共にこのボルト穴11を囲む2つのボス10を備え、溝12は両ボス間に形成される。また、ボス同士は、先端側においてボス間の溝を横断して配置したリブ13により連結される。
したがって、軽合金部材にベアリングキャップ1を鋳込むことにより、ボス10間にあってリブ13とフランジ部3背面とで両端が閉じられて盆地状空間(閉空間)に形成された溝12内にも軽合金材料が充填された状態となる。そして、実動時の温度上昇により、ボス10間にあってリブ13とフランジ部3背面とで両端が閉じられて盆地状空間(閉空間)に形成された溝12内に充填された軽合金材料は、リブ13とフランジ部3とにより膨張が規制される。このため、溝12内に充填された軽合金材料の膨張に応じて、リブ13とフランジ部3背面との接触圧を上昇させ、軽合金材料と鉄系材料で形成されたベアリングキャップ1との保持力低下を抑制できる。結果として、ベアリングキャップ1の剛性を低下させることなく、軽合金部材との結合性を向上できる。
前記一対のボス部4は、リブ13が配置された位置において互いに連結ビーム5により連結されているため、ボス部4同士は互いを支持して剛性を高め且つ軽量化が可能となる。
前記一対のボス部4は、連結ビーム5が連結された部位の夫々を円弧状部2の背面に対して斜め方向に連結する一対の補強ビーム6を備えるため、ボス部4と円弧状部2との結合剛性をより一層向上させる。
前記ベアリングキャップ1は、前記リブ13及び連結ビーム5がある部位で型合せされる鋳造型により鋳造成形されるため、型合わせ面に形成されるバリを連結ビーム5の中央部及びリブ13の頂部に位置させることができ、バリを容易に取り除くことができる。
以上、この発明を特定の実施形態を通じて説明してきたが、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。当業者にとっては、本発明の技術的範囲で上記実施形態にさまざまな修正あるいは変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ベアリングキャップのボス部に溝を形成し、溝内に軽合金材料を充填させて、ベアリングキャップと軽合金部材との結合性を向上させたが、ボス部に凸部100(図3の破線部)を形成し、軽合金材料との間で凹凸を形成することによって、同様の効果を得ても構わない。
以上の説明に関して2010年9月6日を出願日とする日本国における特願2010−199119号の内容をここに引用により組み込む。
Claims (4)
- 軽合金部材にコアとして鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップであって、
軸受面を形成する円弧状部と、
円弧状部の両端に連ねて配置される左右のフランジ部と、
左右のフランジ部の背面側に起立して配置され、取付ボルトを挿通するボス部と、
を備え、
前記ボス部には溝が形成され、
前記ボス部は、前記フランジ部を貫通させて2本のボルト穴を備えると共にこのボルト穴を囲む2つのボスを備え、
前記溝は、両ボス間に形成され、
前記ボス同士は、先端側において前記ボス間の溝を横断して配置したリブにより連結されている軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ。 - 請求項1に記載の軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップであって、
前記ボス部は、リブが配置された位置において互いに連結ビームにより連結されている軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ。 - 請求項2に記載の軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップであって、
前記ボス部は、連結ビームが連結された部位の夫々を円弧状部(2)の背面に対して斜め方向に連結する一対の補強ビームを備える軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ。 - 請求項2又は請求項3に記載の軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップであって、
前記ベアリングキャップは、前記リブ及び連結ビームがある部位で型合せされる鋳造型により鋳造成形される軽合金部材に鋳込まれる鉄系金属製のベアリングキャップ。
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