JP5407221B2 - 同期モータ駆動制御装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、永久磁石式同期モータ(PMモータ)をインバータで駆動する同期モータ駆動制御装置に関する。
一般に、同期モータを制御する装置には、同期モータの巻線に供給する電流を制御するためにインバータが用いられる。そして、同期モータの巻線の各相に供給されるモータ電流を電流検出回路により検出して、この検出電流に基づいてインバータを制御することにより、同期モータのトルク、速度、位置等を制御している(特許文献1および2等)。
また、この種の制御装置にあっては、同期モータを指定速度(回転数)で駆動させるために、同期モータの回転数を検出して指令速度(回転数)との偏差を求めるための偏差算出手段と、比例積分器を備えた電圧制御系を構成する。
特開2001−275381号公報 特開2000−324883号公報
ここで、電圧制御系に用いられる比例積分器のゲイン(比例定数と積分時定数)は、モータ定数が運転条件によって変化しないことを前提とし、固定値として設定されているため、比例積分器の定数は固定値となっている。
ところが、PMモータのように、連続定格トルクと短時間定格トルクの比が大きい場合等、固定子側の巻線に大電流を流すと、この巻線部分で磁気飽和が発生し易くなり、モータ定数も大きく変化することになる。そこで、比例積分器の定数を固定値で制御すると、PMモータの回転数が上昇して誘起電圧が高くなると、それまでの定数による補正では感度良く補正されるため、比例積分器においてハンチングを引き起こすおそれがあった。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、同期モータの回転数が上昇した段階であっても、比例積分器におけるハンチングを防止して、電圧制御を可能にした同期モータ駆動制御装置を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するため、本発明が採用する同期モータ駆動制御装置の構成は、入力される制御信号に対応した駆動電流を生成して同期モータに供給するインバータと、前記同期モータの回転速度を指示する指令速度信号に比例積分演算を行って前記制御信号を生成する比例積分演算手段と、前記同期モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記比例積分演算手段の比例定数および積分時定数を、前記回転数検出手段が検出した回転数が所定の基底回転数を超えていないときは所定の値に設定し、前記回転数が前記基底回転数を超えていときは前記所定の値よりも小さい値であって当該回転数が大きくなるほど小さくなる値に設定する定数可変手段と、を具備することを特徴とする。
上記構成により、定数可変手段が、比例積分演算手段の比例定数および積分時定数を、同期モータの回転数が所定の基底回転数を超えているときは、基底回転数を超えていないときよりも小さい値に設定する。
これにより、同期モータ駆動制御装置は、同期モータの回転に変動に対して補正感度を緩慢にすることができ、比例積分演算手段におけるハンチングを防止することができる。
上記構成において、前記定数可変手段は、前記比例積分演算手段の比例定数および積分時定数を、前記回転数検出手段が検出した前記回転数が前記基底回転数を超えているときは前記所定の値よりも小さく、かつ個々に異なる値であって、当該回転数が大きくなるほど小さくなる値にそれぞれ設定することが好ましい。
本発明による同期モータ駆動制御装置は、同期モータの回転数が予め決められた基底回転数を超えたら、定数可変手段により比例積分手段の定数を基底回転数を超えないときよりも減少させることにより、同期モータの回転数が上昇した段階であっても、比例積分演算手段による補正感度を落としてハンチングを防止することができる。
<実施形態>
図1は、本実施形態のよる同期モータ駆動制御装置を示すブロック図である。
同期モータ駆動制御装置(以下、制御装置という)30は、PWM制御されるインバータ10を備える。インバータ10は、図示しない直流電源に接続され、制御信号により動作制御されて、PMモータ101に3相の駆動電流を供給する。
この制御装置は、指令トルク信号を受けてq軸指令電流信号を生成するq軸指令電流生成部11qと、指令速度信号を受けてd軸指令電流信号を生成するd軸指令電流生成部11dとを備える。
このq軸指令電流生成部11qの後段には、偏差算出部12qを介して比例積分器13qが接続され、d軸指令電流生成部11dの後段には、偏差算出部12dを介して比例積分器13dが接続され、比例積分器13q,13dは分離した制御信号を生成する。さらに、比例積分器13q,13dの後段には、制御信号を2相−3相変換する座標変換部14Aと、この座標変換部14Aからの3相制御信号を基準波によってPWM波形に変換するPWM波形生成部15と、が接続される。
比例積分器13q,13dは、q軸電流,d軸電流の偏差分をそれぞれ比例積分(PI)演算する。
偏差算出部12q,12dは、q軸,d軸指令電流信号からq軸,d軸検出電流信号を減算する。このq軸,d軸検出電流信号は、インバータ10からPMモータ101に供給する駆動電流の電流値を電流検出部16で検出し、この検出信号を3相−2相変換する座標変換部14Bで2相に変換することにより得られる。そして、q軸,d軸検出電流信号は、偏差算出部12q,12dに入力され、q軸,d軸指令電流信号のフィードバック信号となる。
一方、指令回転数となる指令速度信号の入力端には、偏差算出部17が接続され、この偏差算出部17は、指令速度信号からフィードバック信号となる検出電圧信号を減算し、この信号を比例積分器21に出力する。この検出電圧信号は、インバータ10からPMモータ101に供給する駆動電流の電圧値を電圧検出部18で検出し、この検出信号を3相−2相変換する座標変換部14Cで2相に変換した上で、演算部19における演算式(√(Vd2+Vq2))によってスカラー量として得られる。
なお、演算部19に入力される検出電圧信号Vq,Vdは、電圧検出部18で実際にインバータ10からPMモータ101に供給される電圧から算出されるもとしたが、点線で示すように、比例積分器13q,13dからの出力電圧を、検出電圧信号Vq,Vdとして検出するようにしてもよい。
座標変換部14A〜14Cにおける座標変換のための基準位相信号は、PMモータ101のロータ位置を検出するロータリエンコーダ、慣性センサ、表面弾性波センサ、ジャイロセンサ、レゾルバ等からなる角度検出部20により得られる。
さらに、偏差算出部17の後段に接続された比例積分器21は、指令速度信号と検出電圧信号との偏差分をゲイン(比例定数および積分時定数)により比例積分(PI)演算して目標速度信号を生成する。この目標速度信号は、d軸指令電流生成部11dに出力される。
この制御装置30においては、指令トルク信号および指令速度信号(速度)に応じてPMモータ101の駆動制御を実現している。
次に、本実施形態の特徴について説明する。本実施形態の特徴は、比例積分器21を含む定数可変比例積分部31を具備した点にある。比例積分器21は、比例定数および積分時定数(以下、定数という)によって比例積分される。以下、本実施形態においては、比例定数をPゲイン、積分時定数をIゲインと呼ぶ。
この定数可変比例積分部31の入力側には、角度検出部20の出力側に接続された微分器32が接続され、角度検出部20によって検出された角度を微分して得られたPMモータ101の速度(つまり、回転数B)が入力される。
定数可変比例積分部31は、比例積分器21と、この比例積分器21の定数を可変するための、除算器33、リミッタテーブル34および乗算器35P,35Iを具備し、除算器33、リミッタテーブル34および乗算器35P,35Iにより本発明による定数可変手段を構成する。
除算器33、リミッタテーブル34および乗算器35P,35Iは、便宜上ブロック図で示しているが、CPU、ROM、RAMからなるマイクロコンピュータによるプログラム処理で行われる。
除算器33は、予め記憶された基底回転数Aを分子、入力される回転数Bを分母として倍率αを算出する。基底回転数Aは、例えばPMモータ101の定格回転数の約20%〜70%に設定される。
リミッタテーブル34は、横軸に回転数B、縦軸に倍率αをプロットしたグラフであり、回転数Bが基底回転数Aに達するまで倍率αを1に保つためのものである。
乗算器35Pは、予め記憶部(図示せず)に記憶されたP(比例)ゲインに対して倍率αを乗算する回路であり、乗算器35Iは、予め記憶されたI(積分)ゲイン(積分時定数)に対して倍率αを乗算する回路である。
本実施形態における定数可変比例積分部31にあっては、微分器32から出力されるPMモータ101の回転数Bを監視し、回転数Bが基底回転数Aに達するまでは、倍率αはリミッタテーブル34によって規制されているため「1」となる。そして、比例積分器21は、予め記憶されたPゲインおよびIゲインを用いて演算を行う。即ち、比例積分器21は、指令速度信号にフィードバック信号となる検出電圧信号を減算した電圧信号に対して比例積分(PI)演算を行う。
一方、回転数Bが基底回転数Aを越えた場合には、倍率αはリミッタテーブル34による規制から外れ、除算器33による演算式(α=A/B)によって演算される。つまり、回転数Bが基底回転数A超えた段階で、倍率は回転数Bに増加に伴って減少することになる。そして、乗算器35PはPゲインに倍率αを乗算した値をPゲインとし、乗算器35IはIゲインに倍率αを乗算した値をIゲインとすることで、比例積分器21の定数を、回転数Bが基底回転数Aを超えない場合よりも減少させる。比例積分器21は、乗算器35P,35Iで乗算されたPゲインおよびIゲインを用いて比例積分(PI)演算を行う。
本実施形態による定数可変比例積分部31では、回転数Bが基底回転数Aを越えるまでは、倍率を「1」に設定して予め記憶されたPゲイン,Iゲインを用いて比例積分器21の演算動作を行うため、PMモータ101の回転に変動に対して精度の良い信号補正ができる。
一方、回転数Bが基底回転数Aを越えた段階で、比例積分器21のゲインを回転数Bの増加に伴って減少させるようにしたから、PMモータ101の回転に変動に対して補正感度を緩慢にして、比例積分器21におけるハンチングを防止することができる。
この結果、制御装置30は、PMモータ101が基底回転数A以上で回転する場合であっても、比例積分器21による速度(回転数)制御を可能にする。
なお、前記実施形態では、定数可変比例積分部31においては、除算器33およびリミッタテーブル34によって、回転数Bが基底回転数Aを越えた場合に、倍率αを「1」より小さい値に設定するようにしたが、本発明はこれに限らず、予め回転数Bに対して倍率αを定めたマップを備えて制御したり、除算器33の代わりに傾きが「−」となる値を定めた一次関数の演算器を用いて制御したりしてもよい。また、Pゲイン,Iゲインに乗算される倍率αを個々に異なるようにしてもよい。要は、定数可変手段は、回転数Bが基底回転数Aを越えた段階で、回転数Bの上昇に伴って係数kが減少する手段を構成すればよい。
一方、比例積分器21は、比例積分器に限るものではなく、微分と組み合わせたアンプであってもよい。
さらに、前記実施形態では、同期モータにPMモータを用いた場合を例示したが、本発明はこれに限らず、永久磁石をロータ内に埋め込む埋込磁石同期モータ(IPMモータ)であってもよい。この場合、d軸指令電流生成部11dからq軸指令電流生成部11qにd軸指令信号が供給される。
本発明の実施形態による同期モータ駆動制御装置を示すブロック図である。
符号の説明
10…インバータ、11q…q軸指令電流生成部、11d…d軸指令電流生成部、12q,12d,17…偏差算出部、13q,13d…比例積分器、14,14A,14B,14C…座標変換部、15…PWM波形生成部、16…電流検出部、18…電圧検出部、20…角度検出部、21…比例積分器(比例積分演算手段)、30…同期モータ駆動制御装置(制御装置)、31…定数可変比例積分部、32…微分器、33…除算器(定数可変手段)、34…リミッタテーブル(定数可変手段)、35P,35I…乗算器(定数可変手段)、101…PMモータ。

Claims (2)

  1. 入力される制御信号に対応した駆動電流を生成して同期モータに供給するインバータと、
    前記同期モータの回転速度を指示する指令速度信号に比例積分演算を行って前記制御信号を生成する比例積分演算手段と、
    前記同期モータの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記比例積分演算手段の比例定数および積分時定数を、前記回転数検出手段が検出した回転数が所定の基底回転数を超えていないときは所定の値に設定し、前記回転数が前記基底回転数を超えていときは前記所定の値よりも小さい値であって当該回転数が大きくなるほど小さくなる値に設定する定数可変手段と、を具備する
    ことを特徴とする同期モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1記載の同期モータ駆動制御装置において、前記定数可変手段は、前記比例積分演算手段の比例定数および積分時定数を、前記回転数検出手段が検出した前記回転数が前記基底回転数を超えているときは前記所定の値よりも小さく、かつ個々に異なる値であって、当該回転数が大きくなるほど小さくなる値にそれぞれ設定する
    ことを特徴とする同期モータ駆動制御装置。
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