JP5418324B2 - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、培養中の受精卵を撮影した画像を解析対象とする画像処理装置等に関するものである。
現在、家畜などの受精卵をインキュベータ内で培養し、移植可能な状態になるまで発育させることが行われている。品質が低い受精卵は移植しても受胎しにくい為、何らかの仕組みで受精卵の品質を評価する必要がある。牛の体外受精卵の場合、従来は、熟練者が培養7日目に受精卵をインキュベータから取り出し、顕微鏡で観察することで、受精卵の最終品質を評価していた。しかしながら、インキュベータから取り出して観察することは、受精卵にとって大きなストレスとなる。
特許文献1では、インキュベータから受精卵を取り出すことなく撮像された画像のみを用いて、受精卵の品質評価に有益な情報を提示する受精卵品質評価支援システムが開示されている。特許文献1に記載の技術では、受精卵が配置された培養容器を定期的に撮像し、撮像した画像から受精卵を含む最小近似円領域を切り出す。そして、切り出した画像の経時変化を解析することで、受精卵の品質評価に有益な情報を提示している。
特願2010−001013号公報
一般に、解析対象が自律的に動く場合、画像から経時変化を解析する為には、複数の画像間における解析対象の位置合わせが必要不可欠である。
位置合わせを行う従来技術としては、解析対象の輪郭全体の形状を比較する方法、解析対象の模様の変わり目や輪郭線の一部の形状など特徴的な部分同士を比較する方法、テンプレートと呼ばれる見本画像と各画像とを比較し、一致度が最も高いテンプレートに基づいて位置合わせを行う方法などが存在する。
これらの従来技術は、解析対象の輪郭や模様の変わり目など位置合わせ処理の基準に用いられる境界が識別可能な画像に対しては十分な性能を発揮する。しかしながら、受精卵に対しては、いずれの従来技術も十分な性能を発揮することができない。
受精卵は略球体であり、受精卵の輪郭線が現れるべき球の表面部分は、ある程度の厚みを持った半透明、ゼラチン質の殻である透明帯によって構成されている。透明帯部分は、光が内部で複雑に反射や屈折を繰り返すので、背景よりも暗くなる部位、背景よりも明るくなる部位、背景と略同じ明るさになる部位が混在する。これらの部位には、撮像時の光の加減によって、背景と同じ明るさとなる不明りょうな部分が存在し、公知の画像処理技術によって透明帯と背景の境界(=受精卵表面の輪郭)を検出することは困難である。
一方、受精卵の内部には、脂肪小滴と呼ばれる光を通しにくい部分(画像においては黒い点)が無数に含まれている。脂肪小滴の画素値は、他の部位の画素値と明確な差がある為、公知の画像処理技術によって検出し易い。しかし、脂肪小滴の分布は、受精卵の内部で均一ではない。また、各脂肪小滴は、それぞれランダムに移動し続けている。従って、受精卵画像における脂肪小滴は、位置合わせ処理の基準とすることはできない。そればかりか、前述の従来技術によって受精卵表面の輪郭を検出しようとすると、脂肪小滴に由来する受精卵の内部の輪郭が強すぎるために処理の妨げとなる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、受精卵の経時変化を解析する際、複数の画像間における受精卵の位置を正確に合わせることができる画像処理装置等を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、培養中の受精卵を撮影した画像を解析対象とする画像処理装置であって、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像群の中から任意の画像を基準画像とし、前記基準画像における正確な受精卵の輪郭を基準輪郭とし、前記基準輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を基準プロファイルとして保存する基準プロファイル作成手段と、前記入力画像群の中から任意の画像を処理画像とし、前記基準輪郭に基づいて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第1の候補輪郭を算出し、前記第1の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第1の候補プロファイル作成手段と、前記第1の候補輪郭の位置および/または大きさを変化させて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第2の候補輪郭を算出し、前記第2の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第2の候補プロファイル作成手段と、前記基準プロファイルと前記候補プロファイルとの類似性を示す類似度を算出し、前記基準プロファイルと最も類似する候補プロファイルに基づいて、前記処理画像における受精卵の輪郭を決定する輪郭決定手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
第1の発明によって、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像間における受精卵の位置を正確に合わせることができる。
第1の発明における前記基準プロファイル作成手段、前記第1の候補プロファイル作成手段、および前記第2の候補プロファイル作成手段における分割領域は、輪郭の内側と外側のそれぞれに輪郭に沿う方向に複数定義され、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有するものであることが望ましい。
これによって、輪郭に沿う方向に対する輪郭周辺の画素値の変化に基づいて輪郭を決定することができる。
また、第1の発明における前記輪郭決定手段における類似度は、輪郭を介して対向する内側の分割領域内と外側の分割領域内の画素値の統計量の差に基づいて算出することが望ましい。
これによって、輪郭の内側と外側のコントラストの強弱を用いて輪郭を特徴付けることができる。
また、第1の発明における前記一定の幅は、例えば、予め推定された受精卵を覆う透明帯の厚さの略半分とする。
これによって、内側の分割領域が受精卵中心部を含まないので、輪郭決定手段において、受精卵中心部の脂肪小滴が自律的に移動することによる影響をなくすことができる。
また、第1の発明における前記一定の幅は、例えば、前記基準輪郭に基づく受精卵の大きさと、前記基準画像における脂肪小滴を閾値処理によって特定することで推定する受精卵中心部の大きさとに基づいて算出する。
これによって、画像に応じた適切な値を一定の幅として設定することができる。
また、第1の発明における前記第2の候補プロファイル作成手段は、前記処理画像の撮像時刻と培養開始時刻との差が大きくなるにつれて、候補プロファイルのパターン数を増やすことが望ましい。
これによって、培養期間の後半における受精卵の大きさの変化の増大に応じて、候補プロファイルのパターン数を適切な数に設定することができる。
また、第1の発明における前記第1の候補プロファイル作成手段は、例えば、前記第1の候補輪郭の大きさを前記基準輪郭の大きさと同一と仮定し、前記第1の候補輪郭を移動させながら、内部の画素値に基づいて前記基準輪郭との比較処理を行うことで前記第1の候補輪郭の最適な位置を算出する。
これによって、受精卵の輪郭の候補の初期値である第1の候補輪郭を自動的に算出することができる。
また、第1の発明における前記第1の候補プロファイル作成手段は、例えば、前記第1の候補輪郭の大きさを前記基準輪郭の大きさと同一と仮定し、前記第1の候補輪郭を移動させながら、前記第1の候補輪郭の内側と外側を含み、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有する領域の画素値に基づいて前記基準輪郭との比較処理を行うことで前記第1の候補輪郭の最適な位置を算出する。
これによって、受精卵中心部の脂肪小滴が自律的に移動することによる影響を受けずに、受精卵の輪郭の候補の初期値である第1の候補輪郭を自動的に算出することができる。
また、第1の発明における前記基準プロファイル作成手段は、例えば、前記基準画像を表示し、ユーザに対して前記基準画像における受精卵の輪郭を基準輪郭として指定させる。
これによって、基準画像における基準輪郭を正確に指定することができる。
また、第1の発明における前記基準プロファイル作成手段は、予め保持された輪郭検出済のテンプレート画像と前記基準画像とのテンプレートマッチング処理を行うことで推定する受精卵の輪郭を基準輪郭として指定する。
これによって、基準画像における基準輪郭を自動的に指定することができる。
また、第1の発明における前記プロファイル比較手段は、更に、決定した受精卵の輪郭に基づいて出力画像を生成することが望ましい。これによって、解析内容に応じた出力画像(受精卵観測画像)を得ることができる。
第1の発明における前記プロファイル比較手段は、例えば、同一の受精卵に対する全ての時刻の入力画像に対して輪郭を決定した後、全ての時刻の輪郭を囲むことができる矩形を算出し、各入力画像において前記矩形の中心と受精卵の中心を一致させて、前記矩形に沿って入力画像を切り抜くことで出力画像を生成する。
これによって、受精卵周辺の部位の画像情報が損失せず、管理し易い出力画像を得ることができる。
第2の発明は、培養中の受精卵を撮影した画像を解析対象とする画像処理方法であって、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像群の中から任意の画像を基準画像とし、前記基準画像における正確な受精卵の輪郭を基準輪郭とし、前記基準輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を基準プロファイルとして保存する基準プロファイル作成ステップと、前記入力画像群の中から任意の画像を処理画像とし、前記基準輪郭に基づいて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第1の候補輪郭を算出し、前記第1の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第1の候補プロファイル作成ステップと、前記第1の候補輪郭の位置および/または大きさを変化させて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第2の候補輪郭を算出し、前記第2の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第2の候補プロファイル作成ステップと、前記基準プロファイルと前記候補プロファイルとの類似性を示す類似度を算出し、前記基準プロファイルと最も類似する候補プロファイルに基づいて、前記処理画像における受精卵の輪郭を決定する輪郭決定ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法である。
第2の発明によって、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像間における受精卵の位置を正確に合わせることができる。
第3の発明は、コンピュータを第1の発明の画像処理装置として機能させるためのプログラムである。
ネットワークを介して第3の発明を配布し、汎用的なコンピュータにインストールすることで、第1の発明の画像処理装置を提供することができる。
第4の発明は、コンピュータを第1の発明の画像処理装置として機能させるためのプログラムを記憶した記憶媒体である。
汎用的なコンピュータが備える記憶媒体読取装置に第4の発明を装着し、汎用的なコンピュータに第4の発明が記憶するプログラムをインストールすることで、第1の発明の画像処理装置を提供することができる。
本発明により、受精卵の経時変化を解析する際、複数の画像間における受精卵の位置を正確に合わせることができる画像処理装置等を提供することができる。
1細胞卵の受精卵を撮像した画像を示す模式図 2細胞卵の受精卵を撮像した画像を示す模式図 1細胞卵の受精卵を撮像した画像に輪郭が重畳された状態を示す模式図 2細胞卵の受精卵を撮像した画像に輪郭が重畳された状態を示す模式図 画像処理装置1のハードウエア構成図 画像処理装置1のソフトウエア構成図 基準プロファイル作成処理を示すフローチャート 基準輪郭62を指定する処理の第1の例を説明する図 基準輪郭62を指定する処理の第2の例を説明する図 分割領域63を説明する図 一定の幅を決定する処理を説明する図 基準プロファイル6の例を示す図 候補プロファイル作成処理を示すフローチャート 候補輪郭72の初期値を決定する処理の第1の例を説明する図 候補輪郭72の初期値を決定する処理の第2の例を説明する図 候補プロファイル7の第1の例を示す図 候補プロファイル7の第2の例を示す図 候補プロファイル7の第3の例を示す図 輪郭決定処理を示すフローチャート
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態において参照する図面では、説明を分かりやすくする為に、解析対象である培養中の受精卵を撮像した画像を模式的に示す。しかしながら、実際の画像に対して本発明を適用できることは言うまでもない。
また、本発明の実施形態において模式的に示す画像は、白から黒までの明暗だけで表現するグレースケール画像であるが、本発明はいわゆるカラー画像に対しても同様に適用可能であることは言うまでもない。
最初に、図1から図4を参照しながら、受精卵を撮像した画像の特徴について説明する。
図1は、1細胞卵の受精卵を撮像した画像を示す模式図である。図1に示すように、受精卵の中心(受精卵中心部)には、主に脂肪小滴に由来する強い輪郭を伴った部分(図1においては黒に近い画素値を持つ領域)が存在する。一方、受精卵は、ある程度の厚みを持った透明帯(図1においては灰色の画素値を持つドーナッツ状の領域)が覆っている。透明帯には、撮像時の光の加減によって、受精卵の輪郭が背景と同じ明るさとなる不明りょうな部分がある。
ここで、本発明の実施形態における用語の定義について説明する。
「受精卵の輪郭」とは、画像(二次元)におけるドーナツ状の透明帯の外縁(二重円のうち外円)を意味するものとする。
「受精卵中心部」とは、画像(二次元)におけるドーナツ状の透明帯の内縁(二重円のうち内円)よりも内側の領域を意味するものとする。
「受精卵の大きさ」とは、透明帯と受精卵中心部の両方を含む大きさであり、画像(二次元)における透明帯の外縁を真円と仮定する場合には、半径、直径、または面積を意味するものとし、楕円と仮定する場合には、長径および短径、または面積を意味するものとする。
「受精卵中心部の大きさ」とは、画像(二次元)における受精卵中心部を真円と仮定する場合には、半径、直径、または面積を意味するものとし、楕円と仮定する場合には、長径および短径、または面積を意味するものとする。
図2は、2細胞卵の受精卵を撮像した画像を示す模式図である。図2に示す画像の撮像時刻は、図1に示す画像の撮像時刻よりも後である。時間が経過したことに伴い、図2の画像における受精卵中心部は、図1の画像と異なっており、受精卵の大きさも変化している。
特に、脂肪小滴に相当する領域は、図1の画像と大きく異なり、受精卵中心部の中で偏在している。従って、従来技術によって算出可能な領域の重心は、受精卵の中心点と一致しない。
一方、透明帯については、光源の方向が変化していない為、概ね図1の画像と同様の特徴(明るさの分布など)を保っている。
本発明の実施の形態では、図1と図2の画像のように、撮像時の光源の方向が変化していない画像同士を対象とするものとする。
図3は、1細胞卵の受精卵を撮像した画像に輪郭が重畳された状態を示す模式図、図4は、2細胞卵の受精卵を撮像した画像に輪郭が重畳された状態を示す模式図である。
図3、図4ともに、図1、図2の画像から検出が期待される受精卵の輪郭を示している。一般に、受精卵は球体をしている為、図3、図4ともに、円形の輪郭を重畳している。図3、図4に示す円の中心位置は、異なる撮像時刻において撮像された画像間において受精卵の位置を示す共通基準として使うことができる。受精卵の位置を正確に同定することができれば、受精卵の大きさの変化、受精卵内部の状態の変化などを精緻に解析することが可能となる。
尚、本発明の実施の形態では、受精卵を楕円体と仮定し、楕円形の輪郭を重畳することも可能である。
次に、図5から図19を参照しながら、本発明の実施形態における画像処理装置について説明する。
以下では、混乱を避けるために、受精卵および受精卵中心部は、球体と仮定して説明する。
最初に、図5、図6を参照しながら、画像処理装置1の構成について説明する。
図5は、画像処理装置1のハードウエア構成図である。尚、図5のハードウエア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
画像処理装置1は、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、表示部16、周辺機器I/F部17等が、バス18を介して接続される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各装置を駆動制御し、画像処理装置1が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部13(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部14は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。ネットワークは、有線、無線を問わない。
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部16は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部17は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部17を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器としては、例えば、受精卵を撮像するための撮像装置等がある。周辺機器I/F部17は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス18は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
図6は、画像処理装置1のソフトウエア構成図である。画像処理装置1は、図6に示す各プログラムを記憶部12に記憶し、各プログラムコードを制御部11により必要に応じて読み出してRAMに移し、CPUに読み出すことで、各種の手段として機能する。
画像処理装置1は、基準プロファイル作成プログラム2、候補プロファイル作成プログラム3、輪郭決定プログラム4等を実行可能なプログラムコードとして記憶部12に記憶する。また、画像処理装置1は、処理の進行に応じて、入力画像5、基準プロファイル6、候補プロファイル7、出力画像8等を記憶部12またはRAMに記憶する。
入力画像5は、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた画像群である。
基準プロファイル作成プログラム2は、基準プロファイル作成処理を実現する為のプログラムである。基準プロファイル作成処理では、入力画像5の中から任意の画像を基準画像とし、基準画像における正確な受精卵の輪郭を基準輪郭とし、基準輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を基準プロファイル6として保存する。基準プロファイル作成処理については、図7を参照しながら後述する。
候補プロファイル作成プログラム3は、候補プロファイル作成処理を実現する為のプログラムである。候補プロファイル作成処理では、入力画像5の中から任意の画像を処理画像とし、基準輪郭に基づいて処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである初期候補輪郭(第1の候補輪郭)を算出し、初期候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイル7として保存する。更に、候補プロファイル作成処理では、初期候補輪郭の位置および/または大きさを変化させて処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つであるその他の候補輪郭(第2の候補輪郭)を算出し、その他の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイル7として保存する。候補プロファイル作成処理については、図13を参照しながら後述する。
輪郭決定プログラム4は、輪郭決定処理を実現する為のプログラムである。輪郭決定処理では、基準プロファイル6と候補プロファイル7との類似性を示す類似度を算出し、基準プロファイル6と最も類似する候補プロファイル7に基づいて、処理画像における受精卵の輪郭を決定する。更に、輪郭決定処理では、決定した受精卵の輪郭に基づいて出力画像8(受精卵観測画像)を生成する。輪郭決定処理については、図19を参照しながら後述する。
次に、図7から図12を参照しながら、基準プロファイル作成処理について説明する。
図7は、基準プロファイル作成処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、画像処理装置1の制御部11は、入力画像5の中から基準画像を選択し(S101)、基準輪郭の指定を行う(S102)。
図8は、基準輪郭62を指定する処理の第1の例を説明する図である。図8に示す例では、制御部11は、表示部16に基準画像61を表示し、ユーザに対して基準画像61における受精卵の輪郭を基準輪郭62として選択させる。具体的には、ユーザは、入力部15の一つであるマウスを用いて、マウスポインタ19が指し示す円を拡大、縮小、移動させて、受精卵の輪郭(大きさおよび位置)と、マウスポインタ19が指し示す円の大きさおよび位置とを合わせる。制御部11は、マウスポインタ19が指し示す円の中心点の座標および半径を算出し、基準輪郭62を示す円の中心点の座標(xb、yb)と半径「rb」としてRAM等に記憶する。尚、添え字の「b」は、「base」の頭文字である。
図9は、基準輪郭62を指定する処理の第2の例を説明する図である。図9に示す例では、予め保持された輪郭検出済のテンプレート画像91と基準画像61とのテンプレートマッチング処理を行うことで推定する受精卵の輪郭を基準輪郭62として指定する。
テンプレート画像91は、記憶部12に予め記憶しておいても良いし、必要に応じてメディア入出力部13、通信制御部14、周辺機器I/F部17等を介して入力するようにしても良い。また、処理に使用するテンプレート画像91は、予め決められていても良いし、制御部11が所定の条件(受精卵の種類、培養環境などの情報に基づく条件)に基づいて複数の画像の中から決定しても良いし、ユーザが選択するようにしても良い。
図9に示すように、テンプレート画像91は、正確な輪郭であるテンプレート輪郭92が重畳されている。テンプレート輪郭92を示す円は、中心点が(xt、yt)、半径がrtである。尚、添え字の「t」は、「template」の頭文字である。
テンプレート画像91と基準画像61とのテンプレートマッチング処理は、公知技術の中から適切な手法を用いれば良い。制御部11は、例えば、テンプレート輪郭92の内部の全画素、テンプレート輪郭92の内部の一部の画素、テンプレート輪郭92の周辺の画素などを比較対象とすることができる。
図9に示す処理によって基準輪郭62を指定する場合、基準画像61としては、培養初期に撮像された画像を選択することが望ましい。培養初期であれば、受精卵の大きさ、受精卵中心部の状態などに関する個体差が小さく、受精卵の種類や培養環境が同じテンプレート画像91を選択することで、基準輪郭62を精度良く検出することができる。
図7の説明に戻る。
次に、制御部11は、S102において指定した基準輪郭62の内側と外側に複数の分割領域を定義する(S103)。分割領域は、基準輪郭62の内側と外側のそれぞれに基準輪郭62に沿う方向に複数定義され、かつ基準輪郭62と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有するものである。
図10は、分割領域63を説明する図である。
図10に例示するように、制御部11は、基準輪郭62の内側に、基準輪郭62と垂直の方向に一定の幅(図10では64aにて図示)を有する分割領域63を複数定義する。言い換えると、まず、中心座標が基準輪郭62と同一、半径が基準輪郭62の半径「rb」から一定の値「w」を引いた値を有する円65a(図10では点線にて図示)を定義する。そして、基準輪郭62を外円、円65aを内円とするドーナツ形状の二重円領域を複数に分割し、分割領域63とする。
また、図10に例示するように、制御部11は、基準輪郭62の外側に、基準輪郭62と垂直の方向に一定の幅(図10では64bにて図示)を有する分割領域63を複数定義する。言い換えると、まず、中心座標が基準輪郭62と同一、半径が基準輪郭62の半径「rb」に一定の値「w」を足した値を有する円65b(図10では点線にて図示)を定義する。そして、基準輪郭62を内円、円65bを外円とするドーナツ形状の二重円領域を複数に分割し、分割領域63とする。
尚、一定の値「w」は、内側と外側ともに同じ値としても良いし、異なる値としても良い。
図10に示す例では、制御部11は、基準輪郭62の中心座標(xb、yb)を通る8本の分割線を定義し、内側と外側ともに、8等分に分割している。図10に示す「Ri0」〜「Ri7」が、内側の分割領域63aである。また、図10に示す「Ro0」〜「Ro7」が、内側の分割領域63bである。尚、添え字の「i」は、「in」の頭文字、「o」は「out」である。
尚、8等分だけでなく、n等分(nは2以上の自然数)に一般化できることは言うまでもない。
また、均等に分割するだけでなく、何らかの基準に基づいて、不均等に分割するようにしても良い。図1、図2を参照すると分かるように、透明帯の領域は、円周方向に沿って一定の範囲で同程度の明るさが続き、ある境界で異なる明るさとなる。このことに着目し、制御部11は、円周方向に画素を走査していき、一定の大きさのトーンジャンプが発生した箇所を分割領域63の境界とするようにしても良い。
一定の値「w」は、例えば、受精卵中心部を覆う透明帯の厚さの半分程度の値とすることが望ましい。透明帯の厚さの半分程度とする、すなわち、内側の分割領域63aが受精卵中心部を含まないようにすることで、後述する輪郭決定処理において、受精卵中心部の脂肪小滴が自律的に移動することによる影響をなくすことができる。透明帯の厚さは、例えば、受精卵の種類ごとに予め実測しておき、ユーザが入力部15を介して入力しても良い。
また、一定の値「w」(分割領域63の一定の幅)は、制御部11が、基準画像61に基づいて自動的に決定しても良い。
図11は、一定の幅を決定する処理を説明する図である。
基準画像61に対しては、S102において基準輪郭62が決定されている。図11に示す「rb」が、基準輪郭62の半径である。
制御部11は、閾値処理(2値化処理)によって脂肪小滴の画素を特定する。更に、制御部11は、例えば、脂肪小滴の画素を全て含む円の中で最も小さい半径を有する円を算出し、算出した円の内部(図11では縦線のハッチングによって図示)を推定受精卵中心部67とする。図11に示す「rp」が、推定受精卵中心部67の半径である。尚、添え字の「p」は、「presumption」の頭文字である。
そして、制御部11は、基準輪郭62の半径「rb」(基準輪郭62に基づく受精卵の大きさ)から、推定受精卵中心部67の半径「rp」(推定した受精卵中心部の大きさ)を引いた値を「t」とする。
「t」は、透明帯の厚さ(thickness)と推定できる為、制御部11は、「t/2」を一定の値「w」として決定する。
図7の説明に戻る。
次に、制御部11は、分割領域63内の画素値の統計量を算出し(S104)、算出結果を基準プロファイル6として記憶部12またはRAMに記憶する(S105)。
分割領域63内の画素値の統計量は、例えば、平均値とすることができる。図10に示す例では、分割領域Ri0〜Ri7、Ro0〜Ro7内の画素値に対して、それぞれ平均値Ai0〜Ai7、Ao0〜Ao7を算出し、ベクトルV=(Ai0、・・・、Ai7、Ao0、・・・、Ao7)とする。基準プロファイル6には、ベクトルV、基準輪郭62の中心座標(xb、yb)、半径「rb」などが含まれる。
分割領域63内の画素値の統計量として、平均値の他に有用な例について説明する。
図10に示す例であれば、分割領域Ri0〜Ri7、Ro0〜Ro7内の画素値に対して、それぞれ平均値Ai0〜Ai7、Ao0〜Ao7を算出する。次に、Aall=(Ai0+・・・+Ai7+Ao0+・・・+Ao7)/16(平均値の平均)を算出する。そして、Bi0=Ai0−Aall、・・・、Bi7=Ai7−Aall、Bo0=Ao0−Aall、・・・、Bo7=Ao7−Aallを算出し、ベクトルV=(Bi0、・・・、Bi7、Bo0、・・・、Bo7)とする。これによって、撮像環境の変動によって基準画像61とその他の入力画像5との間で画像全体の明るさが変動している場合にも、図19にて詳述する輪郭決定処理において、適切にプロファイルの比較をすることができる。
また、ベクトルVbの要素は、1つの統計量だけでなく、複数の統計量を含めても良い。
図10に示す例であれば、分割領域Ri0〜Ri7、Ro0〜Ro7内の画素値に対して、それぞれ平均値Ai0〜Ai7、Ao0〜Ao7、および分散Vi0〜Vi7、Vo0〜Vo7を算出し、ベクトルV=(Ai0、・・・、Ai7、Ao0、・・・、Ao7、Vi0、・・・、Vi7、Vo0、・・・、Vo7)とする。これによって、図19にて詳述する輪郭決定処理において、より詳細にプロファイルの比較をすることができる。
図12は、基準プロファイル6の例を示す図である。図12には、視覚的に判別し易いように、図1に示す画像に対して基準輪郭62が重畳された画像、および各分割領域Ri0〜Ri7、Ro0〜Ro7内の画素値の平均値に対応する明るさを有する矩形を示している。
次に、図13から図18を参照しながら、候補プロファイル作成処理について説明する。
図13は、候補プロファイル作成処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、画像処理装置1の制御部11は、入力画像5の中から任意の画像(受精卵の輪郭が不明な画像)を処理画像とし、基準輪郭62に基づいて処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである初期候補輪郭(第1の候補輪郭)を算出する(S201)。
図14は、初期候補輪郭72を決定する処理の第1の例を説明する図である。図14に示す例では、初期候補輪郭72の大きさを基準輪郭62の大きさと同一と仮定し、初期候補輪郭72を移動させながら、輪郭の内部の画素値に基づいて基準輪郭62との比較処理を行うことで初期候補輪郭72の最適な位置を算出する。
基準画像61に対しては、基準輪郭62の中心座標(xb、yb)および半径「rb」が決定されている。制御部11は、基準輪郭62の内部を比較領域68aとする。また、制御部11は、初期候補輪郭72の半径「r0」を基準輪郭62の半径「rb」とし、仮の中心座標(x0、y0)を定義する。制御部11は、初期候補輪郭72の内部を比較領域78aとする。
そして、制御部11は、初期候補輪郭72の中心座標(x0、y0)をずらしながら、比較領域68aと比較領域78aとの画素ごとの二乗誤差の総和を算出していき、二乗誤差の総和が最小となる中心座標(x0、y0)を決定する。
図15は、初期候補輪郭72を決定する処理の第2の例を説明する図である。図15に示す例では、初期候補輪郭72の大きさを基準輪郭62の大きさと同一と仮定し、初期候補輪郭72を移動させながら、輪郭の内側と外側を含み、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有する領域の画素値に基づいて基準輪郭62との比較処理を行うことで初期候補輪郭72の最適な位置を算出する。
基準画像61は、基準輪郭62の中心座標(xb、yb)および半径「rb」を決定済である。制御部11は、基準輪郭62の内側と外側を含み、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有する領域を比較領域68bとする。また、制御部11は、初期候補輪郭72の半径「r0」を基準輪郭62の半径「rb」とし、仮の中心座標(x0、y0)を定義する。制御部11は、初期候補輪郭72の内側と外側を含み、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有する領域を比較領域78bとする。
そして、制御部11は、初期候補輪郭72の中心座標(x0、y0)をずらしながら、比較領域68bと比較領域78bとの画素ごとの二乗誤差の総和を算出していき、二乗誤差の総和が最小となる中心座標(x0、y0)を決定する。
一定の幅は、比較領域68b、78bが、受精卵中心部の領域を含まない程度(例えば、図7のS103にて前述した一定の値「w」)とする。これによって、受精卵中心部の脂肪小滴が自律的に移動することによる影響をなくすことができる。
図13の説明に戻る。
次に、制御部11は、初期候補輪郭72の内側と外側に複数の分割領域を定義する(S202)。分割領域は、初期候補輪郭72の内側と外側のそれぞれに初期候補輪郭72に沿う方向に複数定義され、かつ初期候補輪郭72と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有するものである。
処理画像における分割領域の定義(S202)は、前述した基準画像61における分割領域の定義(図7のS103)と同様に行う。
次に、制御部11は、分割領域内の画素値の統計量を算出し(S203)、算出結果を候補プロファイル7として記憶部12またはRAMに記憶する(S204)。処理画像における分割領域内の画素値の統計量の算出(S203)は、前述した基準画像61における分割領域内の画素値の統計量の算出(図7のS104)と同様に行う。
次に、制御部11は、候補プロファイルの全パターンを算出済かどうか確認する(S205)。候補プロファイルのパターンについては、S206にて後述する。
全パターンを算出済でなければ(S205のNo)、制御部11はS206に進む。
全パターンを算出済であれば(S205のYes)、制御部11は処理を終了する。
S206において、制御部11は、候補輪郭の変更を行う。候補輪郭の変更とは、201にて算出した初期候補輪郭72の位置および/または大きさを変化させて初期候補輪郭72とは異なる候補輪郭を算出することである。
具体的には、制御部11は、初期候補輪郭72の中心座標のx座標「x0」、y座標「y0」、半径「r0」の3つについて、例えば、±1だけ変化させ、全ての組み合わせを候補プロファイルのパターンとして算出する。±1だけ変化させる場合には、3×3×3=27通りの候補プロファイルのパターンが算出される。尚、「27通り」は、初期候補領域72を含むパターン数である。
図16〜図18は、それぞれ候補プロファイル7の第1の例、第2の例、第3の例を示す図である。
図16と図17に示す画像に重畳された候補輪郭を比較すると、中心座標および半径が異なる。また、図16と図18に示す画像に重畳された候補輪郭を比較すると、少なくとも中心座標が異なる。
そして、中心座標や半径が異なることから、図16〜図18に示す各分割領域Ri0〜Ri7、Ro0〜Ro内の画素値の平均値も、それぞれ異なる明るさを示していることが分かる。
前述した例では、初期候補領域72の中心座標のx座標「x0」、y座標「y0」、半径「r0」の3つについて、±1だけ変化させるとしたが、変化させる幅を広げて、例えば、±2などとしても良い。但し、変化させる幅を広げ過ぎると候補プロファイルのパターンが膨大になってしまい、処理時間が遅くなる。
そこで、適切な基準に基づいて、候補プロファイルのパターン数を増やすことが望ましい。例えば、培養期間の後半になると、受精卵の大きさの変化が激しくなる為、処理画像の撮像時刻と培養開始時刻との差が大きくなるにつれて、候補プロファイルのパターン数を増やすことが望ましい。
図13の説明に戻る。
S206の後は、S202から処理を繰り返す。制御部11は、変更した候補輪郭の内側と外側に複数の分割領域を定義する(S202)。分割領域は、変更した候補輪郭の内側と外側のそれぞれに変更した候補輪郭に沿う方向に複数定義され、かつ変更した候補輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有するものである。次に、制御部11は、分割領域内の画素値の統計量を算出し(S203)、算出結果を候補プロファイル7として記憶部12またはRAMに記憶する(S204)。
以下、S205において候補プロファイルの全パターンを算出済と判定するまで、S206、S202〜S204を繰り返す。
次に、図19を参照しながら、輪郭決定処理について説明する。
図19は、輪郭決定処理を示すフローチャートである。
図19に示すように、画像処理装置1の制御部11は、候補プロファイル7を1つ選択し(S301)、基準プロファイル6と候補プロファイル7との類似度を算出する(S302)。
類似度は、例えば、基準プロファイル6と候補プロファイル7の両方に含まれるベクトルの各要素(分割領域63ごとの統計量)同士の二乗誤差の総和Σ1に基づいて定義する。二乗誤差を求めるペアは、同じ位置の分割領域63同士とする。
この場合、例えば、基準プロファイル6のベクトルがVb=(Bi0、・・・Bin、Bo0、・・・Bon)、候補プロファイル7のベクトルがVc=(Ci0、・・・、Cin、Co0、・・・、Con)(nは2以上の自然数)とすると、Σ1=(Bi0−Ci0)^2+・・・+(Bin−Cin)^2+(Bo0−Co0)^2+・・・+(Bon−Con)^2である。
また、その他に有用な類似度としては、輪郭を介して対向する内側の分割領域63aの統計量と外側の分割領域63bの統計量の差に関する二乗誤差の総和Σ2に基づいて定義するものがある。
この場合、例えば、基準プロファイル6のベクトルがVb=(Bi0、・・・Bin、Bo0、・・・Bon)、候補プロファイル7のベクトルがVc=(Ci0、・・・、Cin、Co0、・・・、Con)(nは2以上の自然数)とすると、Σ2=(|Bi0−Bo0|−|Ci0−Co0|))^2+・・・+(|Bin−Bon|−|Cin−Con|))^2である(絶対値の記号は外しても良い)。
類似度としてΣ2を用いることは、輪郭の内側と外側のコントラストの強弱を用いて輪郭を特徴付けることを意味する。
次に、制御部11は、全ての候補プロファイル7を処理済かどうか確認する(S303)。
全ての候補プロファイル7を処理済ではない場合(S303のNo)、制御部11は、S301から処理を繰り返す。
全ての候補プロファイル7を処理済の場合(S303のYes)、制御部11は、S304に進む。
次に、制御部11は、S302の算出結果から、基準プロファイル6と最も類似する候補プロファイル7、すなわち最も類似度が高い(前述のΣ1またはΣ2の値が最も小さい)候補プロファイル7に基づいて、図13のS201にて選択した処理画像の輪郭を決定する(S304)。処理画像は、入力画像5の中から選択した受精卵の輪郭が不明な画像である。
そして、制御部11は、決定した輪郭に基づいて出力画像8を生成する(S305)。
例えば、制御部11は、同一の受精卵に対する全ての撮影時刻の入力画像5に対して輪郭を決定した後、どの撮影時刻の輪郭(すなわち、受精卵を覆うドーナツ状の透明帯の外縁)についても多少の余裕を持って囲むことができる全撮影時刻共通の大きさの矩形を算出する。そして、制御部11は、各撮影時刻の入力画像5において矩形の中心と受精卵の中心を一致させて、矩形に沿って入力画像5を切り抜くことで出力画像8を生成し、記憶部12に記憶する。また、制御部11は、決定した輪郭の情報(半径、中心座標などの情報)については、出力画像8と組にして記憶部12に記憶する。これによって、受精卵周辺の部位の画像情報が損失せず、管理し易い出力画像8(受精卵観測画像)を得ることができる。
また、例えば、制御部11は、処理画像に決定した輪郭を重畳し、出力画像8を生成しても良い。
また、例えば、制御部11は、処理画像から決定した受精卵の輪郭の内部を切り抜くことで出力画像8を生成しても良い。
その他、制御部11は、解析内容に応じて、決定した輪郭に基づいて様々な方法で出力画像8を生成することができる。
画像処理装置1は、受精卵の輪郭が不明な全ての画像(基準画像6を除く入力画像5)を処理画像とし、以上の処理を行うことで、同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像5の全ての画像に対して、受精卵の位置を正確に合わせた出力画像8を生成することができる。
尚、基準画像6は、固定する必要はなく、培養開始時刻からの時間の経過につれて、新たな画像を基準画像6として指定するようにしても良い。この場合、図19に示す処理によって決定済の輪郭を有する出力画像8を基準画像6とすることもできる。
前述の図5から図19の説明では、受精卵および受精卵中心部は、球体と仮定して説明したが、楕円体と仮定して、本発明を適用することも可能である。
受精卵の回転を無視する場合には、前述した円における半径のパラメータを、楕円の長径と短径の2つのパラメータに置き換えることで、円に対する処理とほぼ同様に、前述した処理を行うことができる。
受精卵を楕円体と仮定する場合、候補プロファイル8のパターンを生成するパラメータは、中心座標のx座標、y座標、長径、短径の4つとなる。
また、受精卵の回転を考慮する場合についても、本発明の技術的思想を拡張することが可能である。受精卵が回転角度θだけ回転している場合、分割領域63を定義する際の角度の計測開始点(図10の例であれば、分割領域「Ri0」、「Ro0」の円周方向の端部)を回転角度θに従って変更する。
受精卵を楕円体と仮定し、かつ受精卵の回転を考慮する場合、候補プロファイル8のパターンを生成するパラメータは、中心座標のx座標、y座標、長径、短径、回転角度の5つとなる。
尚、回転に起因して輪郭周辺の統計量に変化がある場合には、回転による統計量の変化をモデル化する必要がある。すなわち、基準プロファイル6に対して回転角度θを適用して、候補プロファイル8と比較する必要がある。
モデル化の方法の一例としては、回転角度θ=0、x、2x、3x、・・・(xは、例えば360の約数)のように所定の間隔を設けて、回転角度ごとに楕円の中心座標、長径、短径、分割領域63の統計量を算出し、複数の基準プロファイル6を生成し、それらを線形補間する方法が挙げられる。
これによって、回転に起因する輪郭周辺の統計量の変化の影響を抑えることができる。
更に、円や楕円における中心座標に代えて輪郭内部の領域の重心座標とし、円や楕円における半径、長径、短径に代えて輪郭内部の領域の面積とすることで、一般形状に対して本発明の技術的思想を拡張することも可能である。回転を考慮する場合については、前述の楕円の場合と同様である。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………画像処理装置
2………基準プロファイル作成プログラム
3………候補プロファイル作成プログラム
4………輪郭決定プログラム
5………入力画像
6………基準プロファイル
7………候補プロファイル
8………出力画像
61………基準画像
62………基準輪郭
63………分割領域
71………処理画像
72………初期候補輪郭
91………テンプレート画像
92………テンプレート輪郭

Claims (15)

  1. 培養中の受精卵を撮影した画像を解析対象とする画像処理装置であって、
    同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像群の中から任意の画像を基準画像とし、前記基準画像における正確な受精卵の輪郭を基準輪郭とし、前記基準輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を基準プロファイルとして保存する基準プロファイル作成手段と、
    前記入力画像群の中から任意の画像を処理画像とし、前記基準輪郭に基づいて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第1の候補輪郭を算出し、前記第1の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第1の候補プロファイル作成手段と、
    前記第1の候補輪郭の位置および/または大きさを変化させて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第2の候補輪郭を算出し、前記第2の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第2の候補プロファイル作成手段と、
    前記基準プロファイルと前記候補プロファイルとの類似性を示す類似度を算出し、前記基準プロファイルと最も類似する候補プロファイルに基づいて、前記処理画像における受精卵の輪郭を決定する輪郭決定手段と、
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記基準プロファイル作成手段、前記第1の候補プロファイル作成手段、および前記第2の候補プロファイル作成手段における分割領域は、輪郭の内側と外側のそれぞれに輪郭に沿う方向に複数定義され、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記輪郭決定手段における類似度は、輪郭を介して対向する内側の分割領域内と外側の分割領域内の画素値の統計量の差に基づいて算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記一定の幅は、予め推定された受精卵を覆う透明帯の厚さの略半分とすることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記一定の幅は、前記基準輪郭に基づく受精卵の大きさと、前記基準画像における脂肪小滴を閾値処理によって特定することで推定する受精卵中心部の大きさとに基づいて算出することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第2の候補プロファイル作成手段は、前記処理画像の撮像時刻と培養開始時刻との差が大きくなるにつれて、候補プロファイルのパターン数を増やすことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の候補プロファイル作成手段は、前記第1の候補輪郭の大きさを前記基準輪郭の大きさと同一と仮定し、前記第1の候補輪郭を移動させながら、内部の画素値に基づいて前記基準輪郭との比較処理を行うことで前記第1の候補輪郭の最適な位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の候補プロファイル作成手段は、前記第1の候補輪郭の大きさを前記基準輪郭の大きさと同一と仮定し、前記第1の候補輪郭を移動させながら、前記第1の候補輪郭の内側と外側を含み、かつ輪郭と垂直の方向にそれぞれ一定の幅を有する領域の画素値に基づいて前記基準輪郭との比較処理を行うことで前記第1の候補輪郭の最適な位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記基準プロファイル作成手段は、前記基準画像を表示し、ユーザに対して前記基準画像における受精卵の輪郭を基準輪郭として指定させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記基準プロファイル作成手段は、予め保持された輪郭検出済のテンプレート画像と前記基準画像とのテンプレートマッチング処理を行うことで推定する受精卵の輪郭を基準輪郭として指定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 前記プロファイル比較手段は、更に、決定した受精卵の輪郭に基づいて出力画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  12. 前記プロファイル比較手段は、同一の受精卵に対する全ての時刻の入力画像に対して輪郭を決定した後、全ての時刻の輪郭を囲むことができる矩形を算出し、各入力画像において前記矩形の中心と受精卵の中心を一致させて、前記矩形に沿って入力画像を切り抜くことで出力画像を生成することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 培養中の受精卵を撮影した画像を解析対象とする画像処理方法であって、
    同一の受精卵を異なる時刻で光源方向を一定にして撮像することによって得られた入力画像群の中から任意の画像を基準画像とし、前記基準画像における正確な受精卵の輪郭を基準輪郭とし、前記基準輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を基準プロファイルとして保存する基準プロファイル作成ステップと、
    前記入力画像群の中から任意の画像を処理画像とし、前記基準輪郭に基づいて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第1の候補輪郭を算出し、前記第1の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第1の候補プロファイル作成ステップと、
    前記第1の候補輪郭の位置および/または大きさを変化させて前記処理画像における受精卵の輪郭の候補の一つである第2の候補輪郭を算出し、前記第2の候補輪郭に沿って複数の分割領域を定義し、分割領域内の画素値の統計量を算出し、算出結果を候補プロファイルとして保存する第2の候補プロファイル作成ステップと、
    前記基準プロファイルと前記候補プロファイルとの類似性を示す類似度を算出し、前記基準プロファイルと最も類似する候補プロファイルに基づいて、前記処理画像における受精卵の輪郭を決定する輪郭決定ステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  14. コンピュータを請求項1に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
  15. コンピュータを請求項1に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラムを記憶した記憶媒体。
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