JP5419663B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
このモータ制御装置において、前記逆起電力検知回路の比較基準電位を発生する比較基準電位回路と、前記比較基準電位を前記センサレスブラシレスモータの各相コイルに供給するモータ相コイルバイアス回路と、を設け、
前記制御回路は、モータ起動時、前記各相コイルの全てをオープンにする全相オープンと設定デューティ駆動とを繰り返すクローズドループ制御を行い、全相オープン中における逆起電力と比較基準電位の電圧ゼロクロス検出に基づき、前記センサレスブラシレスモータが正回転・停止・逆回転のうち何れの状態であるかの回転状態検知を実行し、回転状態検知による判定結果に応じ、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による転流制御へ移行するモータ起動制御手段を有する。
これに対し、本発明は、比較基準電位回路とモータ相コイルバイアス回路を有し、全相オープンのときに極低回転数から電圧ゼロクロス検出ができる回路構成を備えると共に、モータ起動時、全相オープンと設定デューティ駆動とを繰り返すクローズドループ制御を行い、全相オープン中、極低回転数からの電圧ゼロクロス検出に基づきモータ回転状態の検知を実行することで、正回転を前提としなくても、正回転となる位相による転流制御へ移行できる制御を備えるものとしている。つまり、モータ起動時からクローズドループ制御を可能にし、位置決め駆動と強制駆動を省略したモータ起動制御を採用している。
このため、従来例のように、モータ起動の開始から電圧ゼロクロス検出ができる高回転状態になるまでの間、非同期制御を継続させる必要が無く、位置決め駆動や強制駆動による非同期制御が継続することによる異音,回転脱調,停止,過電流等を回避あるいは低減することができる。
更に、モータ起動開始から費やされる位置決め駆動のための所要時間や強制駆動のための所要時間が省略され、クローズドループ制御中に転流位相や転流タイミングが確定したら、応答良く位相同期によるモータ回転駆動制御を開始することができる。
この結果、モータ起動時、応答良くモータ回転駆動制御を開始することができると共に、非同期制御が継続することによる異音,回転脱調,停止,過電流等を回避あるいは低減することができる。
図1は、実施例1のモータ制御装置A1を示す全体回路構成図である。以下、図1に基づき装置構成を説明する。
まず、「比較例におけるモータ起動制御の課題」の説明を行い、続いて、実施例1のモータ制御装置における作用を、「ゼロクロス信号によるモータ制御作用」、「BEMFゼロクロス間の時間計測作用」、「実施例1のモータ起動制御の特徴」、「起動出力により正回転した場合のモータ起動制御作用」、「回転起動制御で停止した場合のモータ起動制御作用」、「モータロック判定制御作用」、「起動出力により逆回転した場合のモータ起動制御作用」に分けて説明する。
センサレスブラシレスモータで一般的に知られているBEMFゼロクロス検出による120°等の通電制御によるモータ回転駆動制御において、BEMFゼロクロス検出は、中性点電圧を基準にしてBEMF電圧を電圧比較し、ゼロクロス点を検出し、ゼロクロス点を電気角(ロータ位置)の基準にして、正確な転流を実施するために行っている。しかし、回転起動を含む低回転数時は、BEMF電圧が小さいため、ゼロクロス検出を行うには、BEMF波形の中心電圧(=ゼロクロス電圧)とBEMF検知回路の電圧(比較基準電圧)の一致性が重要となる。
1)各相コイルと駆動TR回路とを結線するライン上からの信号を使用して回路構成的に発生させる方法、
2)モータ駆動電圧の1/2電圧を用いる方法、
がある。これらの方法による擬似中性点電圧(以下、中点電圧という。)は、BEMF波形の中心電圧と比較基準電圧の一致性が良くなく、誤差が大きいため、前述の回転起動を含む低回転数時は、BEMFゼロクロスが検知できないという問題がある。
その後、固定駆動デューティで、モータ回転位相と関係無く、所定の位相と周波数変化で転流を繰り返し所定の回転数まで到達させるオープンループ制御(位相非同期:強制駆動)を実施し、その後、BEMFゼロクロス検出によるモータ回転位置と同期したクローズドループ制御を実施している。
(a)モータ起動に時間がかかる。
(b)モータ起動時のモータロックが早期に検知できないため、モータロック時に過電流が発生し、場合によっては回路素子を破損する。
(c)モータ起動時、オープンループ制御を実施しているため、駆動位相と回転位相が合わず、異音,起動時過電流が大きく、場合によっては脱調する。
まず、第1に、各相コイル抵抗(インピーダンス)バラツキによる相コイル間接続点電位の誤差がある。そして、第2に、BEMF検知回路のBEMFゼロクロスタイミング検知の基準電圧を作成する基準電圧生成回路の部品精度による基準電圧の誤差がある。この第1、第2の要因はV(ボルト)のオーダーであり、特に支配的である。
なお、第3の誤差として、BEMF検知回路の部品精度、比較器のオフセット、リーク等による検出誤差が挙げられるがmV(ミリボルト)のオーダーであり支配的ではない。
これに対し、実施例1では、センサレスブラシレスモータ5の回転制御時、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wの全相をオープン(駆動素子OFF)のタイミングと、各相コイル5u,5v,5wを駆動するタイミングと、を所定の関係で繰り返し、BEMF検知回路4の比較基準電位で各相コイル5u,5v,5wをバイアスできる回路(モータ相コイルバイアス回路6)を介挿し、全相コイルがオープンのタイミングで各相コイル5u,5v,5wが比較基準電位にバイアスされるようにしたことで、比較基準電位にBEMFが重畳されることになり、BEMFの電圧波形が微小電圧でもBEMF検知回路4でBEMFの電圧ゼロクロスが検知できる回路構成と制御を備えるものとした。
時間TbFと時間TbBの期間中に図5に太線で示すBEMF電圧波形と、中点電位との交差、即ちBEMFゼロクロスタイミングの検知(図5の位置Z)があり、その時点より時間Tzのタイミング(例えば、電気角で30°)を取って、転流する。立ち上り検知時は、駆動TR回路3のハイサイド側(アッパー側)の駆動制御を、立ち下り検知時は、駆動TR回路3のローサイド側(ロワ側)の駆動制御を実施する。なお、時間TdH,TdLはそれぞれ、転流によるハイサイドとローサイドのTR駆動制御期間を表す。
制御上では、全相コイルが駆動オフの全相オープン(各相コイル5u,5v,5wに発生するBEMFの中点電位がフローティングの状態)のタイミングと、各相コイル5u,5v,5wの駆動タイミングと、を交互に繰り返し、全相オープンのタイミングで回転状態検知を実施するクローズドループ制御を行っている。
モータ回転(起動)制御は、回転起動位相と回転状態検知制御を開始した直後に検知した位相、又は、1つのBEMFゼロクロス検出を挟んだ位相関係と、少なくとも2つの連続するBEMFゼロクロス検出から、ゼロクロス間の時間計測値と、最終ゼロクロス位置(タイミング)より、回転方向,電気角と転流制御位相,転流タイミングの確定を行う制御である。
1)同相の1周期(BEMFの立ち上がり又は立下り間=電気角360°毎)
2)半周期(BEMFの立ち上がりから立下り又はその逆の間=電気角180°毎)
3)相間に渡るBEMFの立ち上がり又は立下り間(=電気角120°毎)
4)相間に渡るBEMFの立ち上がりから立下り又はその逆の間(=電気角60°毎)
等、計測方法がある。
実施例1では、計測に要する時間が短いという理由により、上記4)の相間に渡るBEMFの立下りから立ち上がり間で計測としている。なお、BEMFゼロクロス間の時間計測に関しては、実施例2〜5についても同様に電気角60°毎の計測を採用している。
位相DでU相コイル5uから検知するBEMFゼロクロス(立下り)と、位相EでW相コイル5wから検知するBEMFゼロクロス(立ち上がり)間の時間T1を計測する。この計測で、電気角60°当たりの時間T1のモータ回転状態データが得られたため、制御は、回転状態検知制御の次の制御であるモータ相コイル駆動(転流)を実施することになる。
実施例1のモータ相コイル駆動は、公知の120°通電制御であるため、W相コイル5wのゼロクロス検出タイミングより、電気角30°、即ちT1/2=t1後に、位相Fに転流制御し、次に位相Aに転流制御することになる。
本発明は、比較例の問題点に鑑み、BEMFゼロクロス検出で回転制御するセンサレスブラシレスモータにおいて、少なくとも中性点電圧を比較基準電圧として利用できない場合でも、簡単な回路構成で回転起動を含む極低回転数からのBEM位相とゼロクロス検出を可能とした。すなわち、モータ非通電時の停止を含む位相(ロータ位置)状態に無関係に、極低回転数(例えば、30rpm以下)から、BEMFゼロクロス検出に基づく回転位相に同期した回転起動制御(クローズドループ制御)が可能になり、モータ回転起動応答性が速くかつ静かなモータを、安価な回路と制御方法で可能にしたことを特徴としている。
図9〜図11の最上部には、「モータ位相の位置」を示し、U相のBEMFが上昇するゼロクロス位置を0°とした電気角360°を、60°毎に分割した電気角位置(°)を数値であらわし、各相コイルの駆動制御の位置(位相)をA〜Fによりあらわしている。
非通電停止からのモータ起動時、図2のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102の回転状態検知へと進み、ステップS102では詳細ステップであるステップS102a→ステップS102bへと進む。ステップS101では、センサレスブラシレスモータ5のモータ慣性質量と負荷に応じた必要最低限の時間と低デューティ駆動により初期回転起動するオープンループ制御が行われる。次のステップS102aでは、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wの全てをオープンにする全相オープン制御を行い、全相オープン中における逆起電力と比較基準電位のゼロクロス信号に基づき、回転位相と転流位相と転流タイミングを監視し、これら回転位相・転流位相・転流タイミングの全てを確定させる。次のステップS102bでは、センサレスブラシレスモータ5のモータ回転状態の判定を行う。
「フェーズIII」以降は、モータ回転状態(モータ電気角と回転速度)を、BEMF電圧ゼロクロス検出により確定し、制御位相を決めて転流制御するクローズドループ制御となる。
このため、「フェーズIII」の最初の制御は、モータの回転状態を検知する、即ち、BEMFゼロクロスを検出する回転状態検知制御を実施する。
このため、BEMF電圧波形の中点電位に近い、スター結線での全てのモータ相コイルを接続した中性点の電位を用いた場合を除き、擬似中点電圧を用いてBEMF検知回路の比較基準電圧とする。実施例1のBEMFゼロクロス検出回路構成による制御では、電圧的に誤差が小さく、起動時を含む低回転時にBEMFゼロクロス検出ができる。
非通電停止からのモータ起動時、図2のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102a→ステップS102bへと進む。ステップS101では、センサレスブラシレスモータ5のモータ慣性質量と負荷に応じた必要最低限の時間と低デューティ駆動により初期回転起動するオープンループ制御が行われる。次のステップS102aでは、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wの全てをオープンにする全相オープン制御を行い、全相オープン中における逆起電力と比較基準電位のゼロクロス信号に基づき、回転位相と転流位相と転流タイミングを監視し、これら回転位相・転流位相・転流タイミングの全てを確定させる。次のステップS102bでは、センサレスブラシレスモータ5のモータ回転状態の判定を行う。
非通電停止からのモータ起動時、図2のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102a→ステップS102bへと進み、ステップS102bでのモータ回転状態が停止状態であると判定されると、ステップS102bからステップS107へ進み、ステップS107では、停止判定回数(位相を進めた回数)<Nであると判断に基づき、ステップS108へ進む。ステップS108では、停止状態のセンサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wに対し、正回転方向に位相を進める転流制御へ移行し、所定時間だけ回転再起動を行い、ステップS102aへ戻る。
非通電停止からのモータ起動時、図2のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102a→ステップS102bへと進み、ステップS102bでのモータ回転状態が逆回転状態であると判定されると、ステップS102bからステップS106へ進み、ステップS106では、逆回転状態のセンサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wに対し、正回転となる位相による回転方向修正の転流制御へ移行し、モータ停止を介することなく、所定時間だけ回転再起動を行い、ステップS102aへ戻る。
回転再起動制御は、実施例1において、最後に検知した位相Aを基点に、電気角30°に相当するt1後に位相Aに対して正回転位相となる、制御位相Bに転流させる。
実施例1のモータ制御装置A1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、モータ起動時、応答良くモータ回転駆動制御を開始することができると共に、非同期制御が継続することによる異音,回転脱調,停止,過電流等を回避あるいは低減できる。
このため、上記(1)の効果に加え、モータ起動開始域で逆回転状態であっても、応答性の良いモータ起動を実現することができる。
このため、上記(1),(2)の効果に加え、モータ起動制御中に実行される回転状態検知での停止判定を利用し、モータ起動ロックを確実に判定し、速やかにフェイルセーフ動作へ移行することができる。
このため、上記(1)〜(3)の効果に加え、センサレスブラシレスモータ5が正回転・停止・逆回転の何れの状態であるかのモータ回転状態の判定を精度良く行うことができる。
このため、上記(1)〜(3)の効果に加え、非通電停止からのモータ起動開始時、必要最低限の時間と駆動による初期回転起動とすることで、応答良くモータ起動制御を終了し、正回転転流によるモータ回転駆動制御を開始することができる。
図12は、実施例2の制御回路2にて実行される非通電停止からのモータ起動制御処理の流れを示すフローチャートである(モータ起動制御手段)。以下、図12の各ステップについて説明する。なお、ステップS201、ステップS203〜ステップS209の各ステップは、図2のステップS101、ステップS103〜ステップS109の各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
なお、全体回路構成は、実施例1の図1と同様であるので、図示を省略する。
非通電停止からのモータ起動時、図12のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202aへと進み、ステップS202aにて回転位相と転流位相が確定すると、ステップS202bのモータ回転状態判定ステップへと進む。このステップS202bにおいて、モータ回転状態が逆回転状態であると判定されると、ステップS202bからステップS206へ進み、ステップS206では、逆回転状態のセンサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wに対し、正回転となる位相による回転方向修正の転流制御へ移行し、モータ停止制御を介することなく、所定時間だけ回転再起動を行い、ステップS202aへ戻る。
1)BEMFゼロクロス前の位相信号は、確定しているため、回転起動後、回転状態検知に移行直後に、この位相を判定し、回転起動位相に対して、正転,逆転を判断する。
2)回転起動後、回転状態検知に移行して、最初のBEMFゼロクロスを検知した、その前後の位相変化で正転・逆転を判断する。
1)の方式は、回転起動直後のモータ位相状態のみ検知できるため、停止判定は確実ではないが、検知された位相に対し、正回転となる位相への転流は可能である。
2)の方法は、BEMFゼロクロス検出迄の時間を所定時間として設定すれば、それを超えた時、停止の判定も可能である。
正回転の場合は、正回転となる位相へ転流を実施し、逆回転の場合は、前述回転状態検知制御で検出した位相に対し、正回転となる位相へ転流させる回転再起動を実施する。
実施例2のモータ制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
このため、上記(1)〜(5)の効果に加え、モータ逆回転状態でのモータ起動時、逆回転状態検知のタイミングの早期化が達成され、正回転までの応答遅れを改善することができる。
図14は、実施例3の制御回路2にて実行される非通電回転状態からのモータ起動制御処理の流れを示すフローチャートである(モータ起動制御手段)。以下、図14の各ステップについて説明する。なお、ステップS303〜ステップS309の各ステップは、図2のステップS103〜ステップS109の各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
なお、全体回路構成は、実施例1の図1と同様であるので、図示を省略する。
実施例3では、回転起動前のモータ状態は、基本的に、非通電でモータ回転は停止状態としている。しかし、電源瞬断による制御回路2のリセット、駆動制御停止後に直ぐの起動制御開始、導入外気がファンに外力として作用、等により意図しないモータ回転をし、回転起動前にセンサレスブラシレスモータ5が回転状態となっている場合がある。
非通電回転状態からのモータ起動時であって正回転検知時には、図14のフローチャートにおいて、ステップS302a→ステップS302b→ステップS303→ステップS304→ステップS305へ進み、ステップS305でBEMFゼロクロス検出有りと判断される限り、ステップS303→ステップS304→ステップS305へと進む流れが繰り返される。そして、ステップS303では、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wへの転流制御により、センサレスブラシレスモータ5を正回転させる回転駆動制御が行われる。
すなわち、正回転検知時には、図9に示すタイミングチャートで、最初の回転状態検知後の正回転位相転流から制御する。
非通電回転状態からのモータ起動時であって停止検知時には、図14のフローチャートにおいて、ステップS302a→ステップS302b→ステップS307へ進み、ステップS307では、停止判定回数(位相を進めた回数)<Nにより、ステップS308へ進み、ステップS308では、停止判定が初回の為、所定位相での回転起動(所定時間)が行われ、ステップS308からステップS302aへ戻る。そして、ステップS302bで再度回転方向を判定し、停止判定の場合、ステップS307へ進み、ステップS308で回転再起動が行われる。ステップS302bにて正回転状態と判断されると、ステップS302bからステップS303→ステップS304→ステップS305へ進み、ステップS305でBEMFゼロクロス検出有りと判断される限り、ステップS303→ステップS304→ステップS305へと進む流れが繰り返される。そして、ステップS303では、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wへの転流制御により、センサレスブラシレスモータ5を正回転させる回転駆動制御が行われる。
すなわち、停止検知時には、図10に示すタイミングチャートで、所定位相の回転起動から制御する。
非通電回転状態からのモータ起動時であって極低速の逆回転検知時には、図14のフローチャートにおいて、ステップS302a→ステップS302b→ステップS302c→ステップS306へ進み、ステップS306では、正回転位相に転流回転再起動(所定時間)が行われ、ステップS306からステップS302aへ戻る。そして、ステップS302bにて正回転状態と判断されると、ステップS302bからステップS303→ステップS304→ステップS305へ進み、ステップS305でBEMFゼロクロス検出有りと判断される限り、ステップS303→ステップS304→ステップS305へと進む流れが繰り返される。そして、ステップS303では、センサレスブラシレスモータ5の各相コイル5u,5v,5wへの転流制御により、センサレスブラシレスモータ5を正回転させる回転駆動制御が行われる。
すなわち、極低速の逆回転検知時には、図11に示すタイミングチャートで、正回転に回転方向修正する位相に転流する回転再起動から制御する。
実施例3のモータ制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
このため、上記(1)〜(4)の効果に加え、モータ回転起動制御前にセンサレスブラシレスモータ5が既に回転している場合は、実施例1,2のような初期回転起動を不要とすることができ、センサレスブラシレスモータ5の起動応答性をより早めることができる。
このため、上記(7)の効果に加え、モータ回転起動制御前にセンサレスブラシレスモータ5が既に逆回転している場合、極低速回転数域であるときは直ちに、また、低速〜高速回転域であるときも減速処理により極低速回転数域まで回転数を低下させることで、モータ停止を介することなく、応答良く正回転への転流制御へ移行することができる。
図15は、実施例4の制御回路2にて実行される回転制御中断条件の成立により開始されるモータ回転復帰制御処理の流れを示すフローチャートである(モータ回転復帰制御手段)。以下、図15の各ステップについて説明する。
ここで、「回転制御中断条件」とは、電源瞬停,脱調による場合の他、過電圧,過電流等のセンサレスブラシレスモータ5とモータ制御回路を保護する必要がある場合、等の条件を含める。
なお、全体回路構成は、実施例1の図1と同様であるので、図示を省略する。
まず、「比較例における回転復帰制御の課題」の説明を行い、続いて、実施例4のモータ制御装置における作用を、「実施例4の回転復帰制御の特徴」、「中断条件解除時にモータ停止のときの回転復帰制御作用」、「回路保護条件解除時にモータ正回転のときの回転復帰制御作用」、「脱調条件解除時にモータ正回転のときの回転復帰制御作用」に分けて説明する。
モータの運転中断からの回転制御復帰技術は、特開平5−344787号公報、特開平11−103590号公報に開示されている。瞬時の停電による運転中断からの回転制御復帰技術が記載された特開平5−344787号公報には、電源瞬停時のインバータによるモータの回転制御停止でのフリーラン(空転,空走)状態から、BEMFの位相を検知し、インバータの駆動周波数と位相が整合時に回転制御を再開する技術が開示されている。BEMFゼロクロス検出ができない脱調状態からの回転制御復帰技術が記載された特開平11−103590号公報には、高回転数時に転流による逆起電圧波形のマスクにより、BEMFゼロクロス検出不能の脱調時、インバータによるモータの回転制御停止でのフリーラン状態から、回転数が低下しBEMFゼロクロス検出が可能になると位相を合わせ駆動再開する技術が開示されている。
実施例4の場合、脱調等による駆動停止中でも、極低回転数迄、BEMF電圧ゼロクロス検出を検知し、回転状態検知を可能にし、停止以前であれば回転継続復帰することができる回路構成と制御とした。
回転制御中断条件成立の期間が長いと、図15のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402a→ステップS402bへと進み、ステップS402a→ステップS402bへと進む流れが繰り返される。
そして、ステップS402bにて回転制御中断条件が解除したと判断された時にモータ回転状態が停止状態であると、図15のフローチャートにおいて、ステップS402bからステップS402c→ステップS405へと進み、図2または図12に示すような、非通電停止状態からのモータ回転起動制御が開始される。
すなわち、中断条件解除時にモータ停止のときには、再度、モータ回転起動制御を開始することで早期の回転復帰を目指すものの、センサレスブラシレスモータ5の停止期間を経過する不連続な回転復帰制御となる。
モータ回転中に過電圧,過電流等によりモータと回路保護のため回転制御を停止させた場合、図15のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402a→ステップS402bへと進み、ステップS402a→ステップS402bへと進む流れが繰り返される。
そして、ステップS402bにて保護に必要な時間条件が解除したと判断された時にモータ回転状態が正回転状態であると、図15のフローチャートにおいて、ステップS402bからステップS402c→ステップS403→ステップS404へと進み、モータ回転状態を継続したままで位相同期による回転制御を復帰(継続)させる回転復帰制御が行われる。
「フェーズIV(120°通電制御)」のモータ高速回転中、位相Eの終わりのタイミングAで、回転制御中断条件が成立し、例えば、次に転流する位相Fでは、保護機能により回転制御を停止し(全相駆動TRをオフにし)、回転制御中断条件が解除となる位相Bの終わりのタイミングBまでの短期間継続して全相駆動TRをオフ制御し、センサレスブラシレスモータ5と回路を保護している。
モータ回転中に不測の脱調のため回転制御を停止させた場合、図15のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402a→ステップS402bへと進み、ステップS402a→ステップS402bへと進む流れが繰り返される。
そして、ステップS402bにて脱調条件が解除したと判断された時にモータ回転状態が正回転状態であると、図15のフローチャートにおいて、ステップS402bからステップS402c→ステップS403→ステップS404へと進み、モータ回転状態を継続したままで位相同期による回転制御を復帰(継続)させる回転復帰制御が行われる。
本制御においては、回転制御中断条件発生と脱調判断したタイミングA以降の全相TRオフ期間は、センサレスブラシレスモータ5が極低回転時でもBEMFを検知可能な回転状態検知制御を実施し、転流タイミングと位相を確定し、転流を実施し、センサレスブラシレスモータ5の回転を継続できるようにしたものである。
実施例4のモータ制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
このため、上記(1)〜(8)の効果に加え、回転制御中断条件の成立により回転駆動が一時停止した場合、回転制御中断条件の解除時に、例え極低回転数であってもモータ回転状態である限り、モータ回転状態を継続したままの連続性を保ちながら、位相同期による回転制御に復帰させることができる。
図18は、実施例5のモータ制御装置A2を示す全体回路構成図である。以下、図18に基づき装置構成を説明する。
なお、他の構成は、実施例1の図1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
実施例5のモータ制御装置における作用を、「実施例5の故障診断の特徴」、「故障診断作用」に分けて説明する。
実施例5では、脱調等による駆動停止中でも、極低回転数迄、BEMF電圧ゼロクロス検出を検知し、回転状態検知を可能にし、停止以前であれば回転継続復帰し、回転制御中の駆動停止については故障診断できる、回路構成(図18)と制御とした。
特に、故障診断については、駆動停止中に、モータ相コイルバイアス回路6の閾値を可変し、BEMF検知波形のデューティ診断を行うことにより、センサレスブラシレスモータ5及び回路破損による過電流等のモードの診断を可能とした。
又、脱調,極低速回転時も、位相同期による駆動制御の再開を可能とし、脱調等による駆動停止時に故障診断ができるようにしたため、回転停止の回避と、故障時過電流等の異常モードの回避ができる。
更に、回転状態検知において、故障診断するようにしたため、回転制御中断条件(過電圧,過電流,脱調等)による損傷、もしくは、要因が診断可能となり、回転状態検知後に、再度回転復帰させていいのかどうか判断し、必要に応じて、モータ通電停止とし、予期せぬ破損を防止できるとともに、通信機能を備えていれば、車両診断装置等を通じて、診断結果を報告し、迅速なパーツ交換を実現できる。
回転制御中断条件が成立すると、図19のフローチャートにおいて、ステップS501→ステップS506a→ステップS506b→ステップS506cへと進む。すなわち、ステップS506aにて1周期目の診断が行われ、ステップS506bにて2周期目の診断が行われ、ステップS506cにて正常か故障かの判断がなされる。そして、故障診断にて故障と判断されると、ステップS507へ進み、モータ通電停止の措置がとられるが、故障診断にて正常と判断されると、ステップS502a以降へ進み、回転制御中断条件が解除された時点で正回転を維持している限り、モータ回転状態を継続したままで、回転制御中断条件の成立前のモータ回転制御へ復帰する途が開かれる。
そして、TR駆動回路3の駆動TRがリーク劣化している素子故障手前の状態であれば、リーク電流によりモータ相コイルバイアス回路6でバイアスされる比較基準電位よりのズレが発生し、2周期目で、図21(b)に示すように、デューティが50%に戻らず、リーク電流が大きくなると50%からのズレが大ききなることを利用し、駆動TRにリークが発生している故障相があることを診断する。
一方、モータ相コイル5u,5v,5wの中間ショート等により、インダクタンス(巻線数)が減少し、BEMFの発生電圧レベルが低下している状態であれば、2周期目で、図21(c)に示すように、デューティが50%に戻ることを利用し、コイルショートが発生している故障相であることを診断する。
なお、他の作用は、実施例1〜実施例4と同様であるので、説明を省略する。
実施例5のモータ制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
このため、上記(9)の効果に加え、モータ回転復帰制御での回転制御中断条件の成立に基づいて全相オープンの状態に移行することを利用し、駆動TRの故障やモータ相コイルの故障等、回転制御中断条件が成立した要因となった故障診断を実施することができる。
2 制御回路
3 駆動TR回路(駆動トランジスタ回路)
4 BEMF検知回路(逆起電力検知回路)
5 センサレスブラシレスモータ
5u,5v,5w 相コイル
6 モータ相コイルバイアス回路
7 比較基準電位回路
8 回転数指示入力
9 D/Aコンバータ
10 比較基準電位選択回路
Qu1,Qu2 スイッチ素子
Qv1,Qv2 スイッチ素子
Qw1,Qw2 スイッチ素子
R1〜R14 抵抗
OP1〜OP5 電圧比較器
Vbat 電源電圧
Claims (10)
- センサレスブラシレスモータと、制御回路と、駆動トランジスタ回路と、逆起電力検知回路と、を備え、前記センサレスブラシレスモータの各相コイルにて発生する逆起電力の電圧ゼロクロス検出に基づいてモータ回転位置情報を取得し、前記モータ回転位置情報を用いた各相コイルへの転流制御により回転駆動制御を行うモータ制御装置において、
前記逆起電力検知回路の比較基準電位を発生する比較基準電位回路と、
前記比較基準電位を前記センサレスブラシレスモータの各相コイルに供給するモータ相コイルバイアス回路と、を設け、
前記制御回路は、モータ起動時、前記各相コイルの全てをオープンにする全相オープンと設定デューティ駆動とを繰り返すクローズドループ制御を行い、全相オープン中における逆起電力と比較基準電位の電圧ゼロクロス検出に基づき、前記センサレスブラシレスモータが正回転・停止・逆回転のうち何れの状態であるかの回転状態検知を実行し、回転状態検知による判定結果に応じ、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による転流制御へ移行するモータ起動制御手段を有することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、回転状態検知による判定結果が逆回転判定であるとき、モータ停止制御を介することなく、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による回転方向修正の転流制御へ移行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、回転状態検知による判定結果が停止判定であるとき、前記センサレスブラシレスモータの回転を促すように位相を進める転流制御へ移行し、モータ再起動を促す転流制御を実行したにもかかわらず判定結果が停止判定である経験を継続するとモータロックフェイルであると判断し、フェイルセーフ動作へ移行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、回転状態検知の際、回転位相・転流位相・転流タイミングが確定した後、前記センサレスブラシレスモータが正回転・停止・逆回転の何れの状態であるかのモータ回転状態の判定を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、非通電停止からのモータ起動時、前記センサレスブラシレスモータのモータ慣性質量と負荷に応じた必要最低限の時間と駆動により初期回転起動するオープンループ制御を行い、前記初期回転起動に続き全相オープンと設定デューティ駆動とを繰り返すクローズドループ制御を開始し、クローズドループ制御での全相オープン中に回転状態検知を実行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、回転状態検知の際、回転位相・転流位相が確定した後、前記センサレスブラシレスモータが正回転・停止・逆回転の何れの状態であるかのモータ回転状態の判定を行い、正回転判定後、転流タイミングが確定した後、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による転流制御へ移行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、非通電回転状態からのモータ起動時、初期回転起動を行うことなく直ちに全相オープンと設定デューティ駆動を繰り返すクローズドループ制御を開始し、クローズドループ制御での全相オープン中に回転状態検知を実行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項7に記載されたモータ制御装置において、
前記モータ起動制御手段は、回転状態検知による判定結果が逆回転判定であるとき、逆回転の回転数の高低を判断し、停止状態を介することなく逆回転から正回転への移行が可能な極低速回転数域であると判断されると、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による回転方向修正の転流制御へ移行し、低速〜高速回転域であると判断されると、極低速回転数域と判断されるまで減速し、減速した後、前記センサレスブラシレスモータが正回転となる位相による回転方向修正の転流制御へ移行することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1から請求項8までの何れか1項に記載されたモータ制御装置において、
前記制御回路は、モータ回転制御中に回転制御中断条件が成立すると、各相コイルの全てをオープンにする全相オープンとし、逆起電力と比較基準電位の電圧ゼロクロス検出に基づき、前記センサレスブラシレスモータの回転状態検知を実行し、回転制御中断条件が解除されたときに正回転状態であれば、正回転転流制御により回転制御中断条件が成立する前のモータ回転制御に復帰するモータ回転復帰制御手段を有することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項9に記載されたモータ制御装置において、
前記比較基準電位に対し所定の電位差を有するオフセット電位を発生する比較基準電位回路と、前記比較基準電位と前記オフセット電位を選択可能な比較基準電位選択回路と、を有し、
前記モータ回転復帰制御手段は、モータ回転制御中に回転制御中断条件が成立すると、各相コイルの全てをオープンにする全相オープンとし、前記モータ相コイルバイアス回路の閾値である比較基準電位を変え、逆起電力の検知波形のデューティ観察により、前記センサレスブラシレスモータの各相コイルを含むモータ駆動回路構成の故障要因の診断を行う故障診断部を有することを特徴とするモータ制御装置。
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