以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラー複写機(以下、単に複写機という)の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機は、プリンタ部と、これに積載固定されたスキャナ16とを備えている。スキャナ16は、周知の技術によって原稿の画像を読み取るものである。
プリンタ部は、イエロー,シアン,マゼンタ,黒(以下、Y,C,M,Kと記す)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット12Y,C,M,Kを有している。また、ベルトループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、テンションローラ19,20、3つの1次転写ローラ21Y,C,M,Kによって水平方向に延在する姿勢で張架された中間転写ベルト6も有している。像担持体としての中間転写ベルト6は、駆動ローラ17の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
4つの画像形成ユニット12Y,C,M,Kは、中間転写ベルト6の張架面に沿って並ぶように配設されている。そして、ドラム状の感光体1Y,C,M,Kと、帯電装置2Y,C,M,Kと、現像装置3Y,C,M,Kと、ドラムクリーニング装置4Y,C,M,Kとを1つのユニットとして共通の保持体で保持した状態で、プリンタ部の筐体に対してそれらが一体的に着脱されるようになっている。帯電装置2Y,C,M,Kは、図示しない駆動手段によって回転駆動される感光体1Y,C,M,Kの周面を、暗中にて、トナーの帯電極性とは逆極性に一様帯電せしめるものである。
画像形成ユニット12Y,C,M,Kの下方には、光書込ユニット5が配設されている。スキャナ16や、図示しない外部のパーソナルコンピュータから送られてくるカラー画像情報は、図示しない画像処理部でY,C,M,Kの情報に分解された後、プリンタ部内で処理される。光書込ユニット5は、Y,C,M,Kの色分解画像情報に基づいて、周知の技術によって図示しないY,C,M,K用の光源を駆動して、Y,C,M,K用の書込光を生成する。そして、帯電装置2Y,C,M,Kによって一様帯電せしめられた感光体1Y,C,M,Kの周面を、Y,C,M,K用の書込光で走査する。これにより、感光体1Y,C,M,Kの周面には、Y,C,M,K用の静電潜像が形成される。書込光の光源としては、レーザーダイオードやLEDなどを例示することができる。
感光体1Y,C,M,Kの周面に形成された静電潜像は、周知の2成分現像方式を採用した現像装置3Y,C,M,Kによって現像されてY,C,M,Kトナー像となる。現像装置3Y,C,M,Kには、それぞれ、その内部に収容されるY,C,M,K現像剤のトナー濃度を検知する図示しないY,C,M,Kトナー濃度センサが搭載されている。Y,C,M,Kトナー濃度センサにより、Y,C,M,K現像剤のトナー濃度低下が検知されると、Y,C,M,Kトナー補給装置33Y,C,M,Kが所定時間作動して、Y,C,M,Kトナー収容器内の補給用Y,C,M,Kトナーを、現像装置3Y,C,M,K内に補給する。これにより、現像装置3Y,C,M,K内のY,C,M,K現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に維持される。なお、現像装置3Y,C,M,Kとして、周知の1成分現像装置を採用したものを用いてもよい。
4つの感光体のうち、Y,C,M用の感光体1Y,C,Mは、中間転写ベルト6に当接してY,C,M用の1次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト6のループ内側には、ベルトをY,C,M用の感光体1Y,C,Mに向けて押圧する1次転写ローラ21Y,C,Mが配設されている。1次転写ローラ21Y,C,Mには、それぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、Y,C,M用の1次転写ニップ内に転写電界が形成される。感光体1Y,C,Mの周面に形成されたY,C,Mトナー像は、転写電界やニップ圧の作用によってY,C,M用の1次転写ニップで中間転写ベルト6のおもて面に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト6のおもて面には、3色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ベルト6の図中右側方には、2次転写ユニット26が配設されている。この2次転写ユニット26は、無端状の紙搬送ベルト8と、2次転写クリーニング装置15とを有している。紙搬送ベルト8は、駆動ローラ25、テンションローラ27、2次転写ローラ28、及びK用の1次転写ローラ21Kによって縦長の姿勢で張架されながら、駆動ローラ25の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。そして、自らの2次転写ローラ28に対する掛け回し箇所を、中間転写ベルト6における駆動ローラ17に対する駆け回り箇所に当接させて2次転写ニップを形成している。また、自らのK用の1次転写ローラ21Kに対する掛け回し箇所をK用の感光体1Kに当接させて、K用の1次転写ニップも形成している。
プリンタ部の筺体の下部には、第1給紙カセット22と第2給紙カセット23とが鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセットは、内部に収容している記録紙Pを紙搬送路に送り出す。送り出された記録紙Pは、プリンタ部内を鉛直方向に沿って延びる紙搬送路内に配設されたレジストローラ対24に突き当たってスキューが補正された後、レジストローラ対24のローラ間に挟み込まれる。そして、レジストローラ対24により、所定のタイミングで更に上方に向けて送り出される。
レジストローラ対24から送り出された記録紙Pは、紙搬送路内に形成された、上述のK用の1次転写ニップと2次転写ニップとを順次通過する。そして、K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体1Kの周面上のKトナー像が1次転写せしめられる。更に、その後、2次転写ニップを通過する際に、Kトナー像の上に対して、中間転写ベルト6上の3色重ね合わせトナー像が一括2次転写される。これにより、記録紙Pの表面には、フルカラー画像が形成される。
Y,C,M,K用の1次転写ニップを通過した後の感光体1Y,C,M,Kの表面に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置4Y,C,M,Kによって除去される。なお、Y,M,C,K用のドラムクリーニング装置4Y,C,M,Kとして、クリーニングブレードによってトナーを掻き取る方式のものを示したが、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式などのものを用いてもよい。
2次転写ニップの上方には、加熱ローラと加圧ローラとの当接によって定着ニップを形成している定着装置10が配設されている。2次転写ニップを通過した記録紙Pは、定着装置10内の定着ニップに送られて、フルカラー画像の定着処理が施される。この後、図示しない切替爪による経路切替位置にさしかかる。切替爪が経路として排紙路R1を選択している場合には、記録紙Pは排紙ローラ対30を経由して、プリンタ部筺体の上面に設けられた排紙トレイ31にフェイスダウンの状態で排出されてスタックされる。一方、切替爪が経路として反転用経路R2を選択している場合には、記録紙Pは反転再送ユニット35に送られる。この反転再送ユニット35は、切替爪から送られてくる記録紙Pを受け入れると、それをスイッチバックさせた後に、鉛直方向上側から下側に向けて延びる再送路内で搬送して、上下反転させた状態の記録紙Pを再びレジストローラ対24に送り込む。そして、送り込まれた記録紙Pは、K用の1次転写ニップと2次転写ニップとを順次通過する過程で、その裏面にもフルカラー画像が転写された後、定着装置10内でフルカラー画像が裏面に定着せしめられる。その後、切替爪と排紙ローラ対30とを経由して、排紙トレイ31上にスタックされる。
中間転写ベルト6における従動ローラ18に対する掛け回し箇所には、第1除去手段としての第1ベルトクリーニング装置7が当接している。そして、2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト6の表面に付着している転写残トナーを除去する。この第1ベルトクリーニング装置7もブレードクリーニング方式のものに限定されず、様々な方式のものを採用することが可能である。
紙搬送ベルト8における駆動ローラ25に対する掛け回し箇所には、第2除去手段としての第2ベルトクリーニング装置15が当接している。そして、2次転写ニップを通過した後の紙搬送ベルト8の表面に付着している転写残トナーを除去する。この第2ベルトクリーニング装置15もクリーニングブレード9によるクリーニング方式のものに限定されず、様々な方式のものを採用することが可能である。
本複写機において、モノクロ画像を形成するモノクロモードでは、スキャナ16や外部のパーソナルコンピュータから送られてくるモノクロの画像データに基づいて、光書込ユニット5によってK用の感光体1Kが光走査され、これによって形成されたK用の静電潜像がK用の現像装置3KによってKトナー像に現像される。このKトナー像は、K用の1次転写ニップで記録紙P上に直接転写された後、定着装置10で記録紙Pに定着される。
モノクロモードにおいては、図2に示すように、紙搬送ベルト8のループ内の2次転写ローラ28を中間転写ベルト6から遠ざける方向に移動させて、紙搬送ベルト8を中間転写ベルト6から離間させる。そして、Y,C,M用の画像形成ユニット12Y,C,Mと、中間転写ベルト6とを停止させた状態で、モノクロ画像を形成することで、それらの無駄な駆動による消耗を回避している。
また、モノクロモードにおいては、重ね合わせ1次転写の完了を待つことなく、レジストローラ対34からK用の1次転写ニップに迅速に記録紙Pを送り込むことが可能なので、高速プリントを実現することができる。
中間転写ベルト6よりも周長の短い紙搬送ベルト8側が接離し、中間転写ベルト6は据え置き可能(紙搬送ベルト8と連動しない)となるため、中間転写ベルト6の張力変動がない。色合わせ数の多い中間転写ベルト6を紙搬送ベルト8に対して接離する構成とすることもできるが、この場合、色合わせのための位置精度を経時的に低下させるおそれがでてくる。これに対し、中間転写ベルト6をY,C,M用の感光体1Y,C,Mに接触させたままで良いので、中間転写ベルト6のローラ間の位置決め精度を高くして、ベルト寄りに対する余裕度を向上させることができる。更には、ベルト走行が安定化することにより、フルカラー時の色ズレに対しても余裕度を向上させることができる。
なお、従来、モノクロモード実行時に中間転写ベルト6をY,C,M用の感光体1Y,C,Mから離間させる構成も知られている。この方式では中間転写ベルト6を変位させる必要があるため、ベルト張力の変動の問題は避けられない。
中間転写ベルト6を支持する駆動ローラ17を図示しない手段によって変位させ、中間転写ベルト6を紙搬送ベルト8に対して接離させる構成としてもよい。この場合、記録紙Pの搬送姿勢を変化させることがないので、紙搬送ベルト8と定着装置10との間における記録紙Pの挙動を安定化させることができる。このため、定着装置10から排出された後の記録紙Pにシワや画像の乱れが発生するのを抑制することができる。
Y,C,M用の感光体1Y,C,Mに対しては、自らの色とは異なる色のトナーが中間転写ベルト6から逆転移することがある。例えば、C用の感光体1Cには、中間転写ベルト6の表面上に既に1次転写されているYトナー像が接触して、Yトナーが逆転移することがある。また、M用の感光体1Mには、中間転写ベルト6の表面上に既に1次転写されているYトナー像やCトナー像が接触して、YトナーやCトナーが逆転移することがある。また、Y用の感光体1Yには、ベルトクリーニング装置7によってもベルト表面から除去し切れなかったCトナーやMトナーが逆転写することがある。このような逆転写が起こるため、ドラムクリーニング装置4Y,C,M内に回収されたトナーは混色した状態となり、リサイクルが困難である。また、中間転写ベルト6からベルトクリーニング装置7内に回収されたトナーも、混色した状態になっており、リサイクルが困難である。そこで、ドラムクリーニング装置4Y,C,Mによって回収されたトナーや、ベルトクリーニング装置7よって回収されたトナーについては、廃トナー容器に集めるようになっている。
図3は、本複写機におけるトナー回収機構を示す概略構成図である。プリンタ部の筺体内には、水平方向(同図では左右方向)に延在するトナー搬送管102が配設されている。筺体内において、このトナー搬送管102よりも下方には、大容量の廃トナー容器101が配設されており、鉛直方向に延びる廃棄用導管103によってトナー搬送管102に接続されている。
トナー搬送管102よりも鉛直方向の上側では、ベルトクリーニング装置7や、Y,C,M用のドラムクリーニング装置4Y,C,Mが水平方向に並んでいる。ベルトクリーニング装置7は、中間転写ベルト6から掻き取ったトナーを、内部の排出スクリュウにより、ベルトクリーニング装置7の筺体における図紙面に直交する方向の手前側端部に向けて搬送する。その手前側端部には、ベルト廃トナー導管104の上端部が接続されている。そして、このベルト廃トナー導管104の下端は、トナー搬送管102に接続されている。ベルトクリーニング装置7内の回収トナーは、ベルト廃トナー導管104内に落とし込まれて、トナー搬送管102内に重力落下する。
Y,C,M用のドラムクリーニング装置4Y,C,Mは、感光体1Y,C,Mの周面から掻き取ったトナーを、内部の排出スクリュウにより、クリーニング装置の筺体における図紙面に直交する方向の手前側端部に向けて搬送する。その手前側端部には、Y,C,M用のドラム廃トナー導管105Y,C,Mの上端部が接続されている。そして、Y,C,M用のドラム廃トナー導管105Y,C,Mの下端は、トナー搬送管102に接続されている。ドラムクリーニング装置4Y,C,M,K内の回収トナーは、ドラム廃トナー導管105Y,C,M,K内に落とし込まれて、トナー搬送管102内に重力落下する。
トナー搬送管102内では、図4に示すように、内部のスクリュウ部材102aが回転駆動することで、回収トナーを廃棄用導管103に向けて搬送する。この廃棄用導管103は、トナー搬送管102の長手方向の全領域のうち、ベルト廃トナー導管104との接続部よりも図中右側で、且つ、Y,M,C用のドラム廃トナー導管105Y,M,Cとの接続部よりも図中左側の領域に接続されている。このため、トナー搬送管102内において、廃棄用導管103よりも図中左側では、トナーを図中左側から右側に向けて搬送する必要があるのに対し、廃棄用導管103よりも図中右側では、その逆方向にトナーを搬送する必要がある。スクリュウ部材102aのスクリュウ羽根の傾斜を、廃棄用導管103よりも左側の領域と右側の領域とで逆にすることで、そのような逆方向の搬送を可能にしている。
K用の感光体1Kについては、中間転写ベルト6に対して非接触に配設しているので、K用の感光体1Kに対して、中間転写ベルト6を介してY,C,Mトナーを付着させてしまうことはない。よって、K用のドラムクリーニング装置4Kによって回収されるトナーは混色のないKトナーだけとなる。そこで、本複写機においては、K用のドラムクリーニング装置4Kによって回収トナーについては、廃トナー容器101に送らずに、K用の現像装置3Kに送ってリサイクルするようになっている。
本複写機は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などからなる制御部により、全体の機器の制御を行っている。この制御部は、光書込ユニット5や各色の画像形成ユニット(12Y,M,C,K)などの作像条件を調整するための作像条件調整処理を、所定時間経過毎などの所定のタイミングで実施するようになっている。そして、この作像条件調整処理において、後述するプロセスコントロール処理と、位置ずれ補正処理とを行う。これらの処理では、画像濃度検知用の階調パターン像や、色ずれ検知用の複数のトナー像からなるパッチパターン像をニップ形成部材としての紙搬送ベルト8の表面に形成する。
より詳しくは、作像条件調整処理におけるプロセスコントロール処理では、中間転写ベルト6に画像濃度検知用の階調パターン像として、Y,C,M用のものを互いに重ねないように形成して、紙搬送ベルト8に転写する。また、K用の画像形成ユニットにより、K用の感光体1K上に形成した画像濃度検知用の階調パターン像(K)を、紙搬送ベルト8に直接転写する。これら階調パターン像は、予め定められた画素パターンからなる複数のY,M,C,K基準トナー像からなっている。そして、それぞれ複数のY,M,C,K基準トナー像は、互いに異なるトナー付着量(画像濃度)になるように形成される。
例えば、K階調パターン像SKを例にすると、これは、段階的にトナー付着量が徐々に増えていくY基準トナー像SK1、SK2、SK3・・・という複数個のK基準トナー像から構成されている。これらK基準トナー像は、紙搬送ベルト8の進行方向に所定の間隔をおいて並ぶように形成される。そして、これらK基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量が、紙搬送ベルト8に対して所定の距離をおいて対向する図示しない像検知手段としての反射型フォトセンサによって検知される。この検知結果は、制御部に送られる。同様にして、紙搬送ベルト8上に形成されたY,C,M階調パターン像における個々のY,C,M基準トナー像に対するトナー付着量が検知される。
制御部は、RAMに記憶した反射型フォトセンサからの出力値と、ROM202内に格納しているデータテーブルとに基づいて、それぞれの出力値を単位面積当りのトナー付着量に換算し、トナー付着量データとしてRAM203に格納する。そして、RAM内に記憶しているセンサ出力値とトナー付着量データとの組合せのうち、各色毎に、電位データとトナー付着量データとの関係(現像特性)が直線となる領域のものを選択し、これらのデータの平滑化処理を行う。そして、その平滑化処理後の電位データ及びトナー付着量データに対して最小自乗法を適用することによって現像特性の直線近似を各色毎に行う。更に、各現像装置の現像特性の直線方程式y=ax+bを各色毎に求めた後、この直線方程式における傾きaに基づいて各色の作像条件を調整する。作像条件を調整する方法としては、特開平9−211911号公報に記載されているように、感光体一様帯電電位や現像バイアスを調整する方法が挙げられる。また、2成分現像方式を採用した場合には、2成分現像剤のトナー濃度の制御目標値を調整してもよい。
また、作像条件調整処理における位置ずれ補正処理では、紙搬送ベルト8における幅方向の両端付近に、それぞれ位置ずれ検知用のパッチパターンを形成する。両端付近にそれぞれ形成されるパッチパターンは、それぞれベルト進行方向に所定の間隔で並ぶ4つのY,M,C,K基準トナー像Sy、Sm、Sc、Skからなり、同色の基準トナー像がそれぞれベルト幅方向に並ぶように形成される。制御部は、これらY,M,C,K基準トナー像Sy、Sm、Sc、Skを反射型フォトセンサで検知するタイミングに基づいて、各感光体に対する光書込開始タイミングや光学系を調整して、各色トナー像の相対的な位置ずれを抑える。
以上のような作像条件調整処理により、複数のトナー像を紙搬送ベルト8上に形成することになるが、これらについては、反射型フォトセンサで検知した後に、2次転写クリーニング装置15によってベルト表面から除去するようになっている。
図5は、2次転写ユニット26の揺動や、反転再送ユニット35の揺動を説明するための説明図である。筺体内の紙搬送路で記録紙のジャムが発生した場合、図示のように、揺動軸201を中心にして反転再送ユニット35を図中反時計回り方向に少しだけ回転させる。すると、筺体内の2次転写ユニット26が露出する。この状態で、揺動軸を中心にして2次転写ユニット26を図中図中反時計回り方向に少しだけ回転させると、紙搬送ベルト8が中間転写ベルト6やK用の感光体1Kから離間して、紙搬送路が大きく露出する。このように紙搬送路を大きく露出させることで、ジャム紙を容易に除去することができる。
2次転写ユニット26は、揺動軸を中心にして揺動する揺動支持体に、紙搬送ベルト8や2次転写クリーニング装置15を支持しており、それらを一体的に揺動させる。上述したように、作像条件調整処理では、紙搬送ベルト8の表面に多くのトナー像を形成するので、2次転写クリーニング装置15内には多量のトナーが回収される。それらを十分に受け入れられるように、2次転写クリーニング装置15のトナー収容部を大容量のものにすると、反転再送装置35を図示の配設位置よりももっと右側に移動させてトナー収容器の受入スペースを確保する必要があるため、装置を大型化してしまう。
そこで、本複写機においては、2次転写クリーニング装置15のトナー収容部内のトナーをトナー搬送管102に導いて、廃トナー容器101へ搬送するようになっている。これにより、2次転写クリーニング15のトナー収容部や、複写機筺体を大型化させることなく、紙搬送ベルト8の表面から多量のトナーを回収しても、ユーザーに対してトナー廃棄作業を頻繁に強いることがなくなる。
次に、本複写機の特徴的な構成について説明する。
図5において、2次転写ユニット26は揺動軸を中心にして、その揺動軸よりも鉛直方向の上方の位置にて揺動するようになっている。つまり、2次転写ユニット26は、その揺動位置にかかわらず、揺動軸よりも鉛直方向の上側に位置する。
2次転写ユニット26を揺動可能に支持している揺動軸の図紙面に直交する方向における手前側の端面には、トナー中継器106が固定されている。筺体内のトナー搬送管102における図中右側の端部は、このトナー中継器106における図中左側面に接続されている。また、2次転写クリーニング装置15のトナー収容部には、トナーを落とし込むための導管107の上端部が接続されており、この導管107の下端部はトナー中継器106のスライド係合部に接続されている。
図6は、トナー中継器106及び導管107を示す斜視図である。導管107は、図示しない2次転写ユニット(26)が揺動すると、その下端部を常にトナー中継器106の側に向けた姿勢で、トナー中継器106を中心にして揺動する。トナー中継器106においては、図示しない2次転写ユニットの揺動軸線を中心にした揺動軌道上でスライド移動するスライド部106bが貯留器本体106aに係合している。そして、導管107の下端部は、そのスライド部106bに接続されている。導管107が2次転写ユニットの揺動に追従して揺動すると、それに追従してスライド部106bがスライド移動することで、導管107の揺動を許容することができる。
かかる構成においては、トナー中継器106が位置している揺動軸線を中心にして、紙搬送ベルト8と2次転写クリーニング装置15とを揺動させるので、2次転写クリーニング装置15とトナー中継器106との距離が、揺動位置にかかわらず一定となる。このため、2次転写クリーニング装置15とトナー中継器106とを繋ぐ導管107として、図示のように伸縮しない直線形状のものを用いることが可能になる。このような導管107は、蛇腹ホースのように螺旋状の凹部にトナーを堆積させたり、フレキシブルホースのように撓み箇所にトナーを堆積させてりすることがないため、それらに比べて、管内でのトナー塊の発生を抑えることができる。
次に、実施形態に係る複写機に用いられるトナーについて述べる。
トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤によって構成され、摩擦を低減する潤滑剤がトナー表面に外添されるが、その他に、トナーの帯電性を制御する荷電制御剤、定着装置に対する離型性を向上させる離型剤等を含有し、流動性を付与する外添剤を有してもよい。
結着樹脂としては、エステル樹脂、ビニル系樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、特にビニル系樹脂が好ましく、具体的にはポリスチレン、ポリP−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等を用いることができる。
着色剤としては、染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15%、好ましくは3〜10%である。
荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸化合物、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩化合物、アルキルピリジニウム化合物等を用いることができる。含有量はトナーに対して通常0.1〜5%、好ましくは1〜3%である。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィンワックス、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸高級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル等のエステル系ワックス、アミド系ワックス等を用いることができる。含有量はトナーに対して通常0.5〜10%、好ましくは1〜5%である。
トナーとしては、円形度が0.92以上であるものを用いている。円形度は、「(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%」という式で求められる。トナーが真球に近いほど、円形度が100[%]に近い値となる。この円形度については、乾式粉砕で製造されるトナーでは、熱的又は機械的に球形化処理することでより高めることができる。熱的には、例えば、アトマイザーなどに熱気流とともにトナー母体粒子を噴霧することで球形化処理を行うことができる。また、機械的にはボールミル等の混合機に比重の軽いガラス等の混合媒体とともに投入して攪拌することで、球形化処理することができる。但し、熱的球形化処理では凝集し粒径の大きいトナー母体粒子又は機械的球形化処理では微粉が発生するために再度の分級工程が必要になる。また、水系溶媒中で製造されるトナーでは、溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、形状を制御することができる。
円形度が0.92以上であるトナーを使用すると、クリーニングブレード等のクリーニング部材の当接によるトナーの掻き取り除去が困難になる。トナーが除去処理対象となる感光体やベルトの表面上で良好に転がることに起因する。クリーニングブレードをかなりの圧力で除去処理対象に当接させれば、除去性をある程度向上させることはできるが、感光体やベルトのスムーズな表面移動を妨げてバンディング画像を発生させ易くなる。
そこで、感光体やベルトなどの除去処理対象に対し、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤を塗布する塗布手段を設けるとよい。このようにすると、トナーと除去処理対象表面との摩擦抵抗を潤滑剤によって低減して、クリーニング部材によるクリーニング性を向上させ、且つ、転写性も良好にして転写残トナーを低減することが可能になる。更には、ある程度強い圧力でクリーニング部材を除去処理対象に当接させても、バンディング画像を発生させ難くすることもできる。
トナーには、流動性付与剤を添加してもよい。流動性付与剤としては、シリカ、チタニア、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、フェライト、マグネタイト等の金属酸化物の微粒子及びそれら微粒子をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコアルミネートで処理した金属酸化物微粒子である。カップリング剤で疎水化処理されたシリカ、チタニアが好ましい。シリカの1次粒子径が小さいことで、流動性を付与する効果が大きい。また、チタニアはトナー帯電量を制御することができる。これらを組み合わせて添加することがさらに好ましい。
トナーに外添する潤滑剤の添加量については、0.1〜2.0[%]の範囲に調整することが好ましい。潤滑剤の添加量が0.1[%]未満になると、感光体に対する潤滑剤の供給量が不足して感光体の摩擦係数を低下させるのが困難になる。また、添加量が2.0[%]を越えると、感光体から帯電ローラなどの帯電部材に対する潤滑剤の転移量が過剰になって異常画像を引き起こし易くなる。
トナーの体積平均粒径Dvが小さくなるほど、細線再現性が向上する。このため、トナーとしては、8[μm]以下のものを用いるようになっている(取り扱い説明書などで指定)。しかし、粒径が小さくなると現像性、クリーニング性が低下するために、3[μm]以上のものを用いるようになっている。なお、体積平均粒径Dvが3μm[未満]になると、逆帯電性トナーが多くなり地かぶり等の異常画像を形成するため好ましくない。本複写機では、上記トレードオフを考慮して3〜5μmの体積平均粒経のトナーを用いるようになっている。
体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.05〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一にすることができる。Dv/Dnが1.40を超えると、トナーの帯電量分布も広く、逆帯電トナーT1が多くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。Dv/Dnが1.05未満では、製造が困難であり、実用的ではない。そこで、本複写機では、粒径分布が1.05〜1.40の範囲であるトナーを用いるようになっている。トナーの粒径については、次のようにして測定する。即ち、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)に、測定対象となるトナーの粒径に対応した測定用穴のアパーチャーをセットし、50000個のトナー粒子の粒径の平均を測定する。
また、トナーとしては、形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあるものを用いることが好ましい。図7は、トナー粒子の2次元平面に対する投影像の最大径MXLNGと平面積AREAとを説明する模式図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、「SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π)/4」という式で求められる。トナー粒子の2次元平面に対する投影像の最大径MXLNGの二乗を平面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
図8は、トナー粒子の2次元平面に対する投影像の周長PERIと平面積AREAとを説明する模式図である。形状係数SF−2は、トナー粒子の形状の凹凸の割合を示すものであり、「SF−2={(PERI)2/AREA}×100/(4π)」という式で求められる。トナー粒子を2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、トナーの中から100個のトナー粒子を無作為に選出してその写真を走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)で撮影し、その撮影像を画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入し、個々のトナー粒子の形状係数を解析した後、それらの平均値を最終的な形状係数とした。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱く なって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
トナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。即ち、図9(a)、(b)、(c)に示すように、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定する。そして、トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図9(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図9(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーにすることができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成してトナーを製造する方法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多い。また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円にすることができる。
また、略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるものを用いることが好ましい。
以下に、トナーの構成材料及び好適な製造方法について説明する。
構成材料の1つであるポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。また、重量平均分子量の好ましい範囲は、1万〜40万、望ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上述した重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40[wt%]、好ましくは1〜30[wt%]、さらに好ましくは2〜20[wt%]である。0.5[wt%]未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10[%]未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65[℃]、好ましくは45〜60[℃]である。45[℃]未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65[℃]を超えると低温定着性が不十分となる。
ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。なお、着色剤、帯電制御剤、離型剤、外添剤等は、既述の物質を用いることができる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)トナー材料液の精製
着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を乳化
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5[μm]及び2[μm]、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1[μm]、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上述した樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン、ラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150[℃](加圧下)、好ましくは40〜98[℃]である。
3)ポリマーとの反応
乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)トナー母体粒子を得る
反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)最終調整
得られたトナー母体粒子に、帯電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。外添剤、潤滑剤を添加して現像剤を調製する際には、これらを同時に又は別々に添加して混合してもよい。外添剤等の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。混合条件である回転数、転動速度、時間、温度などを変化させて、外添剤の埋め込み、潤滑剤のトナー表面の薄膜形成を防止することが好ましい。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
以上の方法によって製造したトナーについては、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーとのトナー濃度は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。