JP5437165B2 - 共重合体組成解析方法及びそのプログラム - Google Patents
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Description
例えば、共重合体の一種として、半導体素子の製造過程に用いられるリソグラフィー用の組成物であるレジスト(レジスト用組成物)の特性評価などが考えられる。
半導体素子、液晶素子等の製造工程においては、近年、リソグラフィーによるパターン形成の微細化が急速に進んでいる。この半導体素子等の微細化を実現するため、配線等のパターン形成に用いるレジストに対する照射光の短波長化が必要となり、後述するレジストの光に対する反応及び可溶性等のリソグラフィー特性が重要となる。
このため、照射光の短波長化およびパターンの微細化に好適に対応できるレジスト組成物として、酸の作用により酸脱離性基が脱離してアルカリ可溶性となる重合体と、光酸発生剤とを含有する、いわゆる化学増幅型レジスト組成物が提唱され、その開発および改良が進められている。
例えば、特許文献1には、単量体(モノマー)として、(A)ラクトン環を有する脂環式炭化水素基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、(B)酸の作用により脱離可能な基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステル、および(C)極性の置換基を有する炭化水素基または酸素原子含有複素環基がエステル結合している(メタ)アクリル酸エステルを用いてなるレジスト用の共重合体が記載されている。
一般的に、レジスト用共重合体の連鎖構造は、核磁気共鳴(NMR)法、赤外吸収(IR)法などの分光化学分析法、熱分解ガスクロマトグラフィー(PyGC)法などの分離分析法、あるいは質量分析(MS)法で得られた信号の中で、それぞれの因子に特徴的な信号を探し出し、その信号強度から算出する方法が非特許文献1などに記載されている。
また、非特許文献1に記載された方法においては、測定で得られたデータの解析に時間を要したり、解析結果から得られた定量値の確からしさの点で精度が低く、共重合体の品質管理を行う際などに、得られた結果を有効に使用できない場合がある。
このように、特許文献2及び特許文献3の各々における解析方法は、作成されたレジスト用組成物の性能を評価することができ、簡便であるうえに、レジスト用共重合体以外の成分の影響を排除することができるため、レジスト用共重合体のみのレジスト組成物としての特性(露光における光の感度及び現像における溶媒に対する溶解度などを含むリソグラフィー特性)を評価するために有効である。
すなわち、リソグラフィー用共重合体を含有するリソグラフィー用組成物においても、高精度の微細加工を行うための特性(リソグラフィー特性)を有しているか否かが重要である。
このリソグラフィー用組成物も、レジスト用組成物を評価する場合と同様に、実際にリソグラフィー用共重合体を調整して、リソグラフィー用組成物を生成し、このリソグラフィー用組成物によるリソグラフィー工程を行わなくとも、リソグラフィー用共重合体を用いたリソグラフィー用組成物のリソグラフィー特性を評価できることが必要である。
このため、特許文献2及び特許文献3に記載された解析方法は、評価結果の解析に対して、補正係数や三次元プロット図を用いる必要があるだけでなく、得られた結果の定量あるいは推定において、得られた結果と比較するデータを取得するために膨大なサンプル数を要し、実用面で問題が生じる場合がある。
すなわち、本発明は、NMR測定により得られたNMRスペクトルを用いて、主成分空間において、使用されている全ての単量体の単独重合体の座標点を含む比較空間と、評価対象の共重合体の座標点との距離である比較距離を求め、この比較距離により共重合体の連鎖構造における単量体の配置のランダム性を判定し、このランダム性により共重合体を用いて調整した組成物の特性評価を行うため、従来に比較して簡易に組成物の評価が行える。
また、本発明は、重合体における単量体の定量あるいは連鎖分布の推定の際に、測定試料の調整で高温を与えないため、従来のように、熱処理の温度による試料の熱分解効率の違い、あるいは構成単位を反映する熱分解生成物が定量的に得られないなどの測定誤差がないため、補正処理などのために多大のサンプル数を用意する必要がなく、容易に重合体を調整して得られる組成物の評価が行える。
ここでランダム性とは、隣接する単量体の種類が異なる、すなわち連鎖構造において同一の単量体が複数隣接して結合しているブロックが少ない連鎖状態の特性を示す。
本実施形態による共重合体組成解析装置1は、波形処理部11、主成分分析部12、数値変換部13、特性評価部14、NMRデータ記憶部15及び主成分データ記憶部16を具備している。
波形処理部11は、NMR測定部50から入力される共重合体あるいは重合体のFID(Free Induction Decay)信号のフーリエ変換及びデータ処理を行い、化学シフト量(周波数成分)及び化学シフト量毎のスペクトル強度からなるNMRスペクトルデータを、各サンプル毎にサンプル識別情報を付与し、サンプル識別情報とともにNMRスペクトルデータをNMRデータ記憶部15に書き込み、記憶させる。
また、NMRデータ記憶部15には、評価対象の共重合体あるいは重合体を構成する、各単量体のみからなる単独重合体の化学シフト量及び化学シフト量毎のスペクトル強度からなるNMRスペクトルデータが、あらかじめそれぞれの単量体識別情報とともに記憶されている。また、評価対象の共重合体と同様に、波形処理部11は、NMR測定部50が測定した単独重合体のNMRスペクトルからNMRスペクトルデータを生成し、それぞれの単量体識別情報とともに記憶させても良い。
ここで、主成分分析部12は、主成分分析において、主成分軸の数、すなわち主成分数を、共重合体及び重合体を生成するために用いた単量体の種類の数だけ、得られた主成分のなかから寄与率の高い主成分の順番に選択する。すなわち、主成分分析の結果から得られる主成分から選択する主成分の数は、評価対象の共重合体を構成する単量体の種類の数と同一であり、後述する主成分空間の次元数もこの単量体の種類の数と同一である。
例えば、主成分分析部12は、3種類の単量体から生成される共重合体の組成(連鎖構造)における各単量体の配列の解析を行う場合、主成分分析の結果として3つの主成分を、寄与率の高い方から選択することになる。
単量体が3種用いられ、主成分数が3個の場合、主成分空間は3次元となり、この3次元空間において、3種の単量体の3つの座標点は比較空間として2次元平面(2次元空間)Qを形成する。すなわち、3種の単量体全ての座標点P(A−1)、P(A−2)、P(A−3)が含まれる空間として、この3個の座標点から比較空間として2次元空間Qが形成されることになる。
また、数値変換部13は、解析対象である共重合体の3次元空間における座標点P(S)と、各単量体の座標点が形成する2次元の比較空間Qとの評価距離L(S)を算出する。数値変換部13が行う評価距離L(S)の算出については後に詳述する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
本発明の共重合体はn個(nは2以上の整数)の構成単位からなる。nの上限は、本発明による効果が得られやすい点で6以下が好ましい。特に共重合体が半導体の製造に用いるレジスト用共重合体またはリソグラフィー用共重合体である場合には、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。
評価対象としての共重合体の構成単位は、特に限定されないが、該共重合体がレジスト用共重合体である場合は、酸脱離性基を有する構成単位を有することが好ましく、この他に、必要に応じてラクトン骨格を有する構成単位、親水性基を有する構成単位等の公知の構成単位を有していてもよい。
単量体としては、得ようとする共重合体の各構成単位にそれぞれ対応する単量体が用いられる。このレジスト用共重合体に用いる単量体は、ビニル基を有する化合物が好ましく、ラジカル重合しやすいものが好ましい。特に(メタ)アクリル酸エステルは波長250nm以下の露光光に対する透明性が高い。
以下、共重合体がレジスト用共重合体である場合に、好適に用いられる構成単位およびそれに対応する単量体について説明する。
レジスト用共重合体は、酸脱離性基を有することが好ましい。「酸脱離性基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が共重合体の主鎖から脱離する基である。
酸脱離性基を有する構成単位を有する共重合体は、レジスト用組成物として用いた場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する構成単位の割合は、感度および解像度の点から、共重合体を構成する全構成単位のうち、20モル%以上が好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
酸脱離性基を有する単量体としては、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用される場合には、レジスト用共重合体は、さらに、ラクトン骨格を有する構成単位を有することが好ましい。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
ラクトン骨格を有する構成単位の割合は、基板等への密着性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が特に好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト用共重合体は、さらに、親水性基を有する構成単位を有していてもよい。「親水性基」とは、−C(CF3)2−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。
親水性基を有する構成単位の割合は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位(100モル%)のうち、5〜40モル%が好ましく、10〜35モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル、単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、環式炭化水素基を有する単量体((メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の共重合体が、反射防止膜用の共重合体である場合は、半導体リソグラフィー工程において照射される放射線を吸収する分子構造を含む必要がある。
放射線を吸収する構造は、使用する放射線の波長により異なるが、例えばKrFエキシマレーザー光に対してはナフタレン骨格やアントラセン骨格が好ましく、ArFエキシマレーザーに対してはベンゼン骨格が好ましい。
これらの分子構造を有する構成単位を与える単量体の例として、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどのスチレン類及びその誘導体、置換又は非置換のフェニル(メタ)アクリレート、置換又は非置換のナフタレン(メタ)アクリレート、置換又は非置換のアントラセンメチル(メタ)アクリレート等のエチレン性二重結合を有する芳香族含有エステル類等などを挙げることができる。
放射線を吸収する分子構造を有する構成単位の割合は、共重合体の全構成単位(100モル%)のうち、10〜100モル%が好ましい。
半導体リソグラフィー用共重合体を製造するための重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が挙げられる。これらのうち、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する工程を容易に行える点、共重合体の分子量を比較的低くできる点から、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法は、例えば、反応器内に溶媒及び全ての単量体を仕込んで反応させる方法(以下、バッチ方式という。)、また重合体を合成するために使用する全ての単量体を滴下により反応器内の溶媒に供給する方法(以下、全滴下方式という。)、さらに下記の一部滴下方式により共重合体の合成を行うことができる。特に、経時的に均一な共重合体が生成され易い点で、以下の一部滴下方式が好ましい。
上述したバッチ方式及び全滴下方式は、公知の方法を用いて行うことができる。
本方式では、予め反応器内に、単量体を第1の組成で含有する第1の溶液を仕込んでおき、反応器内を所定の重合温度まで加熱した後、反応器内に、単量体を含有する、1種以上の滴下溶液を滴下する。
仮に、反応器内に予め単量体を仕込むことなく、滴下溶液と同じ単量体組成の溶液を一定時間かけて均一に滴下すると、共重合反応における単量体消費速度が遅い単量体は、重合後期に所望の組成比よりも多い割合で共重合体中に組み込まれ、単量体組成及び連鎖構造のばらつきを招く。
したがって、本方法では、溶液を2種類以上調製し、予め反応器内に仕込んでおく第1の溶液においては、単量体消費速度が遅い単量体の組成比(含有比率)を、重合反応に使用する全ての溶液の総量における該単量体の組成比よりも大きくすることが好ましい。
したがって、本方法では、溶液を2種類以上調製し、最初に滴下される滴下溶液においては、単量体消費速度が速い単量体の単量体の組成比を、重合反応に使用する全ての溶液の総量における該単量体の組成比よりも小さくすることが好ましい。
重合開始剤は単量体を含有する滴下溶液に含有させてもよく、単量体とは別に反応器内に滴下してもよい。
滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、単量体消費に合わせて多段階に変化させてもよい。滴下は、連続的に行ってもよく、間欠的に行ってもよい。
重合温度は、50〜150℃が好ましい。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記す)等。)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記す。)、シクロヘキサノン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す。)等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶液重合によって製造された共重合体溶液は、必要に応じて、1,4−ジオキサン、アセトン、THF、MEK、MIBK、γ−ブチロラクトン、PGMEA、PGME、DMF等の良溶媒で適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水、ヘキサン、ヘプタン等の多量の貧溶媒中に滴下して共重合体を析出させる。この工程は一般に再沈殿と呼ばれ、重合溶液中に残存する未反応の単量体や重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ取り除くことが好ましい。再沈殿工程は、場合により不要となることもある。その後、その析出物を濾別し、十分に乾燥して本発明の共重合体を得る。また、濾別した後、乾燥せずに湿粉のまま使用することもできる。
また、製造された共重合体溶液はそのまま、または適当な溶媒で希釈してレジスト組成物として使うこともできる。その際、保存安定剤などの添加剤を適宜添加してもよい。
本実施形態における共重合体組成解析装置を用いた共重合体の評価方法は、下記の各工程を含んでいる。
(1)リソグラフィー用共重合体を溶媒に溶解させ、共重合体のNMR測定を行う測定工程(NMR測定部50において行われる);
(2)測定工程(1)により得られた共重合体のFID信号のフーリエ変換及びデータ処理を行う波形処理工程(波形処理部11において行われる);
(3)波形処理工程(2)から出力されるNMRスペクトルデータの定量使用情報の主成分分析を、各サンプルに対して行い、選択した主成分それぞれのサンプルの主成分得点を算出する主成分分析工程(主成分分析部12において行われる);
(4)単量体の種類の数の主成分軸から構成される、すなわち単量体の種類数を次元数とする主成分空間において、前記工程(3)から出力される各主成分の主成分得点を直行する相異なる座標軸(主成分軸)上の位置を座標値として表し、また各サンプルの主成分空間における位置である座標点を各座標軸(主成分軸)の座標値(主成分得点)により示し、単独重合体の主成分得点が表す座標点全てを通る比較空間と、各サンプルが表す座標点との距離である評価距離を算出する数値変換工程(数値変換部13において行われる);
(5)前記(1)〜(4)工程において算出される、単独重合体の主成分得点が表す座標点全てを通る比較空間と、各サンプルが表す点との評価距離により、前記リソグラフィー用共重合体を含む組成物のリソグラフィー特性を評価する特性評価工程(特性評価部14において行われる)
NMR測定での観測核は、共重合体(P)の種類に応じて適宜選択すればよいが、天然存在比や感度が高い点から、1H、13C、19F、29Siが好ましい。
NMR測定に用いるサンプル管の直径は、共重合体(P)の種類に応じて適宜選択すればよいが、観測核として1H、19Fを選択した場合は、天然存在比が高い点から、3mmφ以上が好ましく、5mmφ以上がより好ましい。また、観測核として13C、29Siを選択した場合は、より高感度な信号強度を得ることができる点から、5mmφ以上が好ましく、10mmφ以上がより好ましい。
また、試料溶液の粘度による緩和時間の影響を抑制する点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
NMR測定時のデータ積算回数は、特に限定されず、測定する観測核の種類に応じて適宜選択すればよいが、観測核として1H、19Fを選択した場合は、天然存在比が高い点から、4回以上が好ましく、16回以上がより好ましい。また、観測核として13C、29Siを選択した場合は、より高感度な信号強度を得ることができる点から、1500回以上が好ましく、3000回以上がより好ましい。ここで、NMR測定時の積算とは、NMR信号を複数回取り、この複数回の信号を重畳(または積算あるいは加算)し、該重畳した信号を最終的な試料の観察結果のFID信号とすることを意味している。
このとき、測定する観測核の種類に対応して、BF(ブロードニングファクター)を設定することにより(予め実験において測定して、それぞれの観測核に対応するブロードニングファクターを設定する)、対応した観測核のスペクトル分解能を向上させることができるので、測定精度を向上させることが可能となる。
また、波形処理部11は、フーリエ変換された化学シフトとその波形からなるNMRスペクトル信号の位相合わせ(各々のNMRスペクトル信号を左右対称とする補正処理)と、ベースライン処理(NMRスペクトル信号のベースラインを周波数軸に平行となるように補正する)、及び基準となる化学シフト値の設定を行い、化学シフトを所定の範囲にて分割した周波数範囲と、この周波数範囲毎に信号強度を積分した値とからなるNMRスペクトルデータの定量使用情報G(行列式)を出力する。ここで、NMRスペクトル信号を生成するために用いる化学シフトの範囲は、評価対象の共重合体を構成するそれぞれの構成単位の観測核が含まれる範囲を用いる。すなわち、波形処理部11は、NMR測定部50から入力されるNMRスペクトルから、評価対象の共重合体を構成する単量体全てにおける観測核の波長が含まれる周波数範囲のみのNMRスペクトルを抽出して、NMRスペクトル信号の生成を行う。
すなわち、波形処理部11は、m種類の共重合体及び単独重合体のサンプルのNMRデータの各々をサンプル識別情報あるいは単量体識別情報により、NMRデータ記憶部15から順次読み出し、共重合体及び単独重合体のサンプルの各々のNMRスペクトルデータとして、化学シフトの周波数範囲毎のスペクトル強度の積分値を有するデータを求める。
例えば、波形処理部11は、m種類の共重合体及び単独重合体のサンプルのうち、k番目のサンプル(kは1〜mの整数)について、化学シフト(周波数範囲)を一定の間隔でp等分(pは整数)の周波数範囲に分割し、分割した周波数範囲のg番目の積分値をfkgとする。このように、波形処理部11は、m種類の共重合体及び単独重合体のサンプルのNMRスペクトルから、共重合体及び単独重合体のサンプルの各々のNMRスペクトルデータを生成する処理を行う。
ここで、単独重合体は、評価対象の共重合体を構成する単量体において、同一種類の単量体にて構成された重合体である。このため、評価対象の共重合体がn種類の単量体から構成されている場合、単独重合体でn種類となるため、m>nの関係となる。
また、波形処理部11は、共重合体及び単独重合体のサンプル毎に、化学シフトを分割した周波数範囲におけるスペクトル強度(信号強度)の積分値を、分割された周波数範囲全てで加算し、この加算値の合計を100として、以下の式に示すように各周波数範囲における積分値の規格化を行う。
fk1+fk2+・・・fkg+・・・+fkp=100
fg−ave=(f1g+f2g+・・・fkg+・・・+fmg)/m
同様にして、波形処理部11は、p等分した周波数範囲(分割スペクトル)全てについて、m種類全てにおいて上述した平均値を求めた後、i番目のサンプルの積分値について、NMRスペクトルの周波数範囲毎に、規格化したスペクトル強度の積分値から、対応する化学シフトの分割範囲である周波数範囲の平均値fg−aveを差し引き、差し引いた結果を基準化した積分値bkgとして以下に示す式により求める。
bkg=fkg−fg−ave
xk=(bk1,bk2,・・・,bkg,・・・,bkp)
そして、波形処理部11は、 m種類のサンプル全てについてのスペクトル強度をまとめて、以下の(1)式の行列Gにて表す。この(1)式に示す行列G(m行p列)が説明変数を生成する基となる、化学シフト及び信号強度(積分後)となる。後述するように、行列Gを主成分分析し、説明変数の行列Tが作成される。
そして、主成分分析部12は、行列Gに対し、求めた転置行列GTを左から乗算し、積和行列GTGを求める。
次に、主成分分析部12は、求めた積和行列GTGの固有ベクトルVを以下の関係式により求める。
GTGV=Δ2V
ここで、求められた固有ベクトルVは以下の(2)式で示し、固有値Δ2(すなわちλ)は以下の(3)で示す。
{(a11)2+(a21)2+・・・+(ap1)2}1/2={(a12)2+(a22)2+・・・+(ap2)2}1/2=・・・={(a1p)2+(a2p)2+・・・+(app)2}1/2=1である。
また、(3)式のΔ2において、λ1,λ2,・・・,λpは積和行列GTGの固有値であり、 λ1>λ2>・・・>λpである。
そして、GTGV=Δ2Vの関係式から、例えば固有値λ1を求めるには、次式の固有値を求める定理を用いて、λについて解くと最大p個の解が得られる。その解の中で最も大きいλがλ1となる。
det(GTG−λI)=0
なお、det(GTG−λI)は(GTG−λI)の行列式であり、Iはp行p列の単位行列である。
そして、主成分分析部12は、それぞれの固有値λ1,λ2,・・・,λpを、GTGV=λVの関係式のλに代入し、式を解き、固有ベクトルVを求める。
次に、主成分分析部12は、求めた固有ベクトルVを、行列G(n種類のサンプル全てについてのスペクトル強度をまとめた行列)に対し、以下に示すように右から乗ずることで、主成分得点(スコア)を表す行列Tを求めることができる。
GV=T
なお、行列Tはm行で最大p列の行列となり、以下の(4)式で表される。
tk1=bk1a11+bk2a12+・・・+bkpa1p
また、主成分分析部12は、求めた各サンプルの主成分得点を、サンプル識別情報あるいは単量体識別情報とともに、主成分データ記憶部16に書き込んで、記憶させる。
図3は、横軸が第1主成分軸(PC1)であり、縦軸が第2主成分軸(PC2)である、2次元空間の主成分空間を示す図である。すなわち、主成分軸PC1と主成分軸PC2とが直交して構成する主成分空間である二次元空間が示されている。
単量体A−1と単量体A−2とからなる単独重合体の座標値は、互いの座標値が含まれる空間である比較空間Qとして、主成分空間に対して1つ少ない1次元空間(線分)を形成している。
P(A−1)=(PC1(A−1)、PC2(A−1))
P(A−2)=(PC1(A−2)、PC2(A−2))
P(S)=(PC1(S)、PC2(S))
a=PC2(A−2)−PC2(A−1)
b=PC1(A−1)−PC1(A−2)
c=−PC1(A−1)×(PC2(A−2)−PC2(A−1))−PC2(A−1)×(PC1(A−1)−PC1(A−2))
ここで、数値aは、第2主成分軸PC2上におけるサンプルA−2と、サンプルA−2との間の第2主成分得点の差分を示している。数値bは、第1主成分軸PC1上におけるサンプルA−2と、サンプルA−2との間の第1主成分得点の差分を示している。数値cは、数値aに対してサンプルA−1の第1主成分得点を乗じた結果の負の数値と、数値bに対してサンプルA−1の第2主成分得点を乗じた結果の負の数値とを加算した値である。
L=|a×SPC1+b×SPC2+c|/(a2+b2)1/2
数値変換部13は、以上のように評価距離L(S)を算出する。ここで、評価対象の重合体のサンプルSを現す点と、単独重合体のサンプルA−1及びA−2の座標点P(A−1)及びP(A−2)の2点全てを通る直線との評価距離L(S)が大きいほど共重合連鎖のランダム性が高い。
すなわち、本実施形態における各主成分は、共重合体における単量体の配列におけるランダム性を示す成分となっている。この結果、評価距離L(S)により、共重合体の連鎖構造における同一の単量体の連続的な配置の長さ(同一種類の単量体が連続して配置される数)を定性的に評価することができる。
したがって、特性評価部14は、評価対象の共重合体のサンプルと、単独重合体からなる空間との評価距離L(S)が大きい程、共重合体連鎖における異なる単量体が隣接して配置されている配列のランダム性が高いと判定する。
また、特性評価部14は、内部に過去の実験から評価距離L(S)を複数の長さ範囲毎に、溶解性及び光に対する感度からなるリソグラフィー特性の数値を示しておき、得られた評価距離L(S)からこのレジスト用重合体を用いてレジスト用組成物を調整した場合のリソグラフィー特性の数値を出力するように構成しても良い。
かかる溶解性及び光に対する感度の向上の効果が得られる理由としては、以下のことが考えられる。
一般に、共重合体の合成における各単量体の使用量は、得ようとする単量体組成の目標値に応じて決められ、合成後の共重合体における平均単量体組成が、該目標の単量体組成に近くなるように重合条件等が設定される。
しかしながら、多くの場合、共重合させる単量体の共重合反応性比が互いに異なるため、ランダムに共重合せずに、得られる共重合体の単量体組成に差が生じるとともに、その共重合連鎖における単量体の配置において、同一種類の単量体のブロックが形成されて偏りが生じる。
一方、半導体に用いるリソグラフィー用組成物に用いられる溶剤は、単独重合体に対する溶解性に乏しい為、同一の構成単位が連なった重合連鎖が、溶剤への溶解性を悪化させると推察される。
また、連鎖構造のランダム性が高いとき、各共重合体鎖中に構成単位がより均一に分布していると推測される。このため、レジスト用共重合体を調整してレジスト用組成物としたときに高いリソグラフィー特性が得られると考えられる。
すなわち、本実施形態においては、レジスト用共重合体あるいはリソグラフィー用共重合体の組成を評価する場合、これら共重合体の連鎖構造のランダム性を簡便に推定することで、該共重合体をレジスト用組成物としたときのリソグラフィー特性を、実際にこのレジスト用組成物を生成することなく、さらに実際にリソグラフィー工程を経ずに評価でき、かつ、レジストとしての露光における光の解像性や、現像時の溶媒に対する溶解性能の均一性を厳格に評価できる方法を提供することである。
したがって、本実施形態は、共重合体の連鎖構造における単量体の配置のランダム性を容易に評価することができ、このランダム性と共重合体を用いた組成物の特性との相関を取得しておくことにより、従来のように、共重合体により組成物を調整し、調整した組成物の特性を評価することなく、調整される組成物の評価を行うことができる。
また、本実施形態は、NMR測定により得られたNMRスペクトルを用いて評価を行っているため、従来のように、重合体における単量体の定量あるいは連鎖分布の推定の際に、熱処理の温度による試料の熱分解効率の違い、あるいは構成単位を反映する熱分解生成物が定量的に得られないなどの測定誤差がないため、補正処理などのために多大のサンプル数を用意する必要がなく、容易に組成物の評価が行える。
共重合体の質量平均分子量(Mw)は、下記の条件(GPC(Gel Permeation Chromatography、ゲル浸透クロマトグラフ)条件)でGPCにより、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:THF、
試料:共重合体の約20mgを5mL(ミリリットル)のTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
共重合体の約5質量部を重ジメチルスルホキシドの約95質量部に溶解して試料溶液を調製した。この試料溶液をNMRチューブに入れ、1H−NMR(JEOL社製、共鳴周波数:270MHz)を用いて分析した。各構成単位に由来するシグナルの積分強度比から、共重合体の平均単量体組成を算出した。
共重合体の20部とPGMEA(Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate)の80部とを混合し、25℃に保ちながら撹拌を行い、目視で完全溶解を判断し、完全溶解するまでの時間を計測した。
レジスト組成物を6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間のプリベーク(PAB)を行い、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。
そして、ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン社製、製品名:VUVES−4500)を用い、露光量を変えながら10mm×10mmの面積の18ショットを露光した。
次に、110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン社製、製品名:RDA−806)を用い、23.5℃にて2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で65秒間現像した。各露光量のレジスト膜それぞれについて、現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
本合成例においては、下記単量体(m−1)を単独で重合した。
本合成例においては、使用する単量体を上述した(m−1)から、下記(m−2)、(m−3)へそれぞれ変更した以外は、合成例1と同様の操作で、単独重合体A−2(2.4g)、A−3(1.8g)を得た。
本合成例においては、使用する単量体を上述した(m−1)から、下記(m−4)、(m−5)へそれぞれ変更し、溶剤を乳酸エチル13.6gから乳酸エチルとPGMEAの混合物(乳酸エチル/PGMEA=50/50質量比)に変更した以外は、合成例1と同様の操作で、単独重合体A−4(2.7g)、A−5(1.4g)を得た。
本合成例においては、使用する単量体を(m−1)から下記(m−6)へ変更し、溶剤を乳酸エチル13.6gからジメチルホルムアミドに変更した以外は、合成例1と同様の操作で、単独重合体A−6(2.7g)を得た。
[共重合体の製造]
本合成例においては、単量体(m−1)、(m−2)、(m−3)を一部滴下方式により重合した。使用した各単量体の合計量のモル比は(m−1):(m−2):(m−3)=39.0:41.3:19.7である。
その後、乳酸エチル3.6部とジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))1.196部が入った滴下装置から一定速度で15分間フラスコ内に滴下するとともに、単量体(m−1)が23.80部、単量体(m−2)が27.44部、単量体(m−3)が16.52部、乳酸エチルが98.06部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(上記、V601(商品名))が0.643部入った滴下装置から一定速度で4時間かけてフラスコ内に滴下した。さらに80℃の温度を3時間保持した。
上記で得られた共重合体B−1の100部に、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートを2部、および溶剤としてPGMEA700部を混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、レジスト組成物溶液を調製した。得られたレジスト組成物について上記の方法で感度を評価した。その結果を図4のテーブルに示す。
合成例7において、予めフラスコ内に単量体を入れずに、共重合体を全滴下方式により合成した。本合成例で用いた単量体のモル比は(m−1):(m−2):(m−3)=40.0:40.0:20.0である。
すなわち、合成例7と同様のフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチルを64.5部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、単量体(m−1)が27.20部、単量体(m−2)が31.36部、単量体(m−3)が18.88部、乳酸エチルが112.6部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(上記、V601(商品名))が2.576部入った滴下装置から一定速度で4時間かけてフラスコ内に滴下した。さらに80℃の温度を3時間保持した。
この後、合成例7と同様にして白色の析出物(共重合体B−2)の沈殿を得、濾別、洗浄、洗浄後の濾別、乾燥を行って白色粉体(64.0g)を得た。
得られた共重合体B−2について、合成例7と同様の測定および評価を行った。その結果を図4のテーブルに示す。
合成例7において、予めフラスコ内に全ての単量体及び溶剤を仕込、共重合体をバッチ方式により合成した。本例で用いた単量体のモル比は(m−1):(m−2):(m−3)=40.0:40.0:20.0である。
すなわち、25mLのシュレンクフラスコ中に、乳酸エチルを15.5部、単量体(m−1)を1.36部、単量体(m−2)を1.57部、単量体(m−3)を0.94部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))を1.15部入れた後、溶液内に200mL/分で1分間窒素を吹き込んだ。次にこのフラスコを80℃の湯浴上に置き、攪拌しながら3時間撹拌した。
得られた共重合体B−3について、合成例7と同様の測定および評価を行った。その結果を図4のテーブルに示す。
本合成例においては、単量体(m−4)、(m−5)、(m−3)を一部滴下方式により重合した。使用した各単量体の合計量のモル比は(m−4):(m−5):(m−3)=35.5:34.3:30.2である。
その後、乳酸エチル6.5部とジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(上記、V601(商品名))2.152部が入った滴下装置から一定速度で20分間フラスコ内に滴下するとともに、単量体(m−4)が18.09部、単量体(m−5)が20.83部、単量体(m−3)が21.15部、乳酸エチルが38.6部、PGMEAが45.1部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(上記、V601(商品名))が1.435部入った滴下装置から一定速度で4時間かけてフラスコ内に滴下した。さらに80℃の温度を3時間保持した。
得られた共重合体B−4について、合成例7と同様の測定および評価を行った。その結果を図5のテーブルに示す。図5は、共重合体B−4、B−5及びB−6の各々の組成における単量体m−4、m−5及びm−3のモル比、分子量、評価値としての評価距離L(S)、溶解性を示す時間(分)、感度としての露光量とが示されたテーブルの図である。
合成例10において、予めフラスコ内に単量体を入れずに、共重合体を全滴下方式により合成した。本合成例で用いた単量体のモル比は(m−4):(m−5):(m−3)=35.0:35.0:30.0である。
すなわち、合成例7と同様のフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチルを54.5部とPGMEA23.3部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
そして、合成例10と同様にして白色の析出物(共重合体B−5)の沈殿を得、濾別、洗浄、洗浄後の濾別、乾燥を行って白色粉体(51.0g)を得た。
得られた共重合体B−5について、合成例7と同様の測定および評価を行った。その結果を図5のテーブルに示す。
合成例10において、予めフラスコ内に全ての単量体及び溶剤を仕込み、共重合体をバッチ方式により合成した。本合成例で用いた単量体のモル比は(m−4):(m−5):(m−3)=36.0:32.0:32.0である。
すなわち、25mLのシュレンクフラスコ中に、乳酸エチルを4.9部、PGMEAを4.9部、単量体(m−4)を1.84部、単量体(m−5)を2.38部、単量体(m−3)を2.27部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))を1.725部入れた後、溶液内に200mL/分で1分間窒素を吹き込んだ。次にこのフラスコを80℃の湯浴上に置き、攪拌しながら3時間撹拌した。
得られた共重合体B−6について、合成例7と同様の測定および評価を行った。その結果を図5のテーブルに示す。
本合成例では、単量体(m−1)、(m−6)、(m−3)を、予めフラスコ内に単量体を入れずに重合させる方法(全滴下方式)で合成した。使用した各単量体の合計量のモル比は(m−1):(m−6):(m−3)=40.0:40.0:20.0である。
すなわち、実施例7と同様のフラスコに、窒素雰囲気下で、DMFを43.1部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、単量体(m−1)が10.21部、単量体(m−6)が8.53部、単量体(m−3)が7.09部、DMFが60.3部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(上記、V601(商品名))が0.449部入った滴下装置から一定速度で3時間かけてフラスコ内に滴下した。さらに80℃の温度を3時間保持した。
得られた共重合体B−7について、合成例71と同様の測定および評価を行った。その結果を図6のテーブルに示す。図6は、重合体B−7及びB−8の各々の組成における単量体m−1、m−6及びm−3のモル比、分子量、評価値としての評価距離L(S)、溶解性を示す時間(分)、感度としての露光量とが示されたテーブルである。
合成例13において、予めフラスコ内に全ての単量体及び溶剤を仕込み、共重合体をバッチ方式により合成した。本合成例で用いた単量体のモル比は(m−1):(m−6):(m−3)=40.0:40.0:20.0である。
すなわち、25mLのシュレンクフラスコ中に、DMFを8.3部、単量体(m−1)を0.82部、単量体(m−6)を0.68部、単量体(m−3)を0.57部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))を0.332部入れた後、溶液内に200mL/分で1分間窒素を吹き込んだ。次にこのフラスコを80℃の湯浴上に置き、攪拌しながら6時間撹拌した。
得られた共重合体B−8について、合成例71と同様の測定および評価を行った。その結果を図6のテーブルに示す。
合成例1〜3で得られた単独重合体A−1〜A−3、合成例7〜9で得られた共重合体B−1〜B−3の合計6種類の13C−NMR測定を、それぞれNMR測定部50において行った。
そして、NMR測定部50において、各サンプルのNMRスペクトルを得る。なお、NMR測定部50は、測定時の積算回数を5000回、FID処理時のブロードニングファクターを4.0Hz、基準ピークをジメチルスルホキシド(39.5ppm)とし、測定したNMRスペクトルのベースライン補正を行い、得られた各サンプルのFIDデータを波形処理部11へ出力する。
そして、波形処理部11は、単独重合体A−1〜A−3の各々に単量体識別情報(例えば、A−1〜A−3)を付与し、この単量体識別情報に対応させて、各単独重合体のNMRスペクトルデータをNMRデータ記憶部15へ書き込み、記憶させる。
また、波形処理部11は、共重合体B−1〜B−3の各々にサンプル識別情報(例えば、B−1〜B−3)を付与し、このサンプル識別情報に対応させて、各サンプルの共重合体のNMRスペクトルデータをNMRデータ記憶部15へ書き込み、記憶させる。
また、単独重合体A−1〜A−3及び共重合体B−1〜B−3の各々の第1の主成分(以下、PC1)、第2の主成分(以下、PC2)、および第3の主成分(以下、PC3)の主成分得点(スコア)は、図7のテーブルに示すようになった。図7は、主成分分析部12が算出した単独重合体A−1〜A−3及び共重合体B−1〜B−3の各々の第1の主成分、第2の主成分および第3の主成分それぞれの主成分得点を示す図である。
ここで、数値変換部13は、3次元空間である主成分空間における単独重合体A−1、A−2、A−3、及び共重合体B−1、B−2、B−3の各々の座標点を、それぞれの第1の主成分軸PC1の座標値PC1(X)、第2の主成分軸PC2の座標値PC2(X)及び第3の主成分軸PC3の座標値PC3(X)を用いて下記のように示す。また、座標値における( )内のXは、評価対象の共重合体のサンプルを示すサンプル識別情報である。
P(A−1)=(PC1(A−1)、PC2(A−1)、PC3(A−1))
単独重合体A−2の座標値:
P(A−2)=(PC1(A−2)、PC2(A−2)、PC3(A−2))
単独重合体A−3の座標値:
P(A−3)=(PC1(A−3)、PC2(A−3)、PC3(A−3))
共重合体B−1の座標値:
P(B−1)=(PC1(B−1)、PC2(B−1)、PC3(B−1))
共重合体C−1の座標値:
P(C−1)=(PC1(C−1)、PC2(C−1)、PC3(C−1))
共重合体D−1の座標値:
P(D−1)=(PC1(D−1)、PC2(D−1)、PC3(D−1))
a=(PC2(A−2)−PC2(A−1))×(PC3(A−3)−PC3(A−1))−(PC2(A−3)−PC2(A−1))×(PC3(A−2)−PC3(A−1))
b=(PC3(A−2)−PC3(A−1))×(PC1(A−3)−PC1(A−1))−(PC3(A−3)−PC3(A−1))×(PC1(A−2)−PC1(A−1))
c=(PC1(A−2)−PC1(A−1))×(PC2(A−3)−PC2(A−1))−(PC1(A−3)−PC1(A−1))×(PC2(A−2)−PC2(A−1))
d=−(PC2(A−2)−PC2(A−1))×(PC3(A−3)−PC3(A−1))−(PC2(A−3)−PC2(A−1))×(PC3(A−2)−PC3(A−1))×PC1(A−1)−(PC3(A−2)−PC3(A−1))×(PC1(A−3)−PC1(A−1))−(PC3(A−3)−PC3(A−1))×(PC1(A−2)−PC1(A−1))×PC1(A−2)−(PC1(A−2)−PC1(A−1))×(PC2(A−3)−PC2(A−1))−(PC1(A−3)−PC1(A−1))×(PC2(A−2)−PC2(A−1))×PC1(A−3)
L=|a×SPC1+b×SPC2+c×SPC3+d|/(a2+b2+c2)1/2
この式において、SPC1は評価対象の共重合体の第1主成分軸における座標値(第1主成分の主成分得点)であり、SPC2は評価対象の共重合体の第2主成分軸における座標値(第2主成分の主成分得点)であり、SPC3は評価対象の共重合体の第3主成分軸における座標値(第3主成分の主成分得点)である。
すでに述べたように、評価対象の共重合体の特性の主成分空間における位置を示を座標点と、共重合体を形成する3つの単量体それぞれからなる単独重合体の座標点P(A−1)、P(A−2)、P(A−3)全てを通る2次元平面との評価距離L(S)を図4のテーブルに示す。図4のテーブルから判るように、評価距離L(S)が大きいほど共重合連鎖のランダム性が高く、溶解性及び光に対する感度のリソグラフィー特性が良好である。
図4から分かるように、評価距離L(S)が共重合体B−3、B−2、B−1の順に長くなり、この共重合体を調整して生成したレジスト用組成物の溶解性及び光に対する感度のリソグラフィー特性は、共重合体B−3、B−2、B−1の順に評価距離L(S)が長くなるに従い向上していることが分かる。したがって、レジストとして使用するレジスト用組成物を調整して、リソグラフィーを実際に行わずとも、レジスト用組成物の調整に用いる共重合体の評価距離L(S)を求めることにより、この共重合体から調整されるレジスト用組成物のリソグラフィー特性を推定することができる。ここで、共重合体B3は、光に対する感度が測定を行えないほど低く、かつ溶解性も測定可能時間内に完全に溶解していない。
合成例3〜5で得られた単独重合体A−3〜A−5、合成例10〜12で得られた共重合体B−4〜B−6の合計6種類の13C−NMR測定をそれぞれ行い、スペクトルを得た。なお、測定時の積算回数を5000回、FID処理時のブロードニングファクターを4.0Hz、基準ピークをジメチルスルホキシド(39.5ppm)とし、ベースライン補正を行った。
応用例1と同様に主成分得点、全ての単独重合体についての主成分得点からなる点を通る平面からの評価距離L(S)を求めた。
第1主成分軸PC1、第2主成分軸PC2、および第3主成分軸PC3の各々の座標値を示す各主成分の主成分得点(スコア)を図8のテーブルに示し、評価距離L(S)の結果を図5のテーブルに示す。図8は、主成分分析部12が算出した単独重合体A−3〜A−5及び共重合体B−4〜B−6の各々の第1の主成分、第2の主成分および第3の主成分それぞれの主成分得点を示す図である。
図5から分かるように、評価距離L(S)が共重合体B−6、B−5、B−4の順に長くなり、この共重合体を調整して生成したレジスト用組成物の溶解性及び光に対する感度のリソグラフィー特性は、共重合体B−6、B−5、B−4の順に評価距離L(S)が長くなるに従い向上していることが分かる。したがって、レジストとして使用するレジスト用組成物を調整して、リソグラフィーを実際に行わずとも、レジスト用組成物の調整に用いる共重合体の評価距離L(S)を求めることにより、この共重合体から調整されるレジスト用組成物のリソグラフィー特性を推定することができる。ここで、共重合体B6は、光に対する感度が測定を行えないほど低く、かつ溶解性も測定可能時間内に完全に溶解していない。
合成例1、3、6で得られた単独重合体A−1、A−3、A−6、合成例13〜14で得られた共重合体B−7及びB−8の合計5種類の13C−NMR測定をそれぞれ行い、スペクトルを得た。なお、測定時の積算回数を5000回、FID処理時のブロードニングファクターを3.0Hz、基準ピークをジメチルスルホキシド(39.5ppm)とし、ベースライン補正を行った。
実施例1と同様に、NMRスペクトル信号から求められたNMRスペクトルデータの主成分分析を行い、主成分得点、全ての単独重合体についての主成分得点からなる点を通る平面からの評価距離L(S)を求めた。
第1主成分軸PC1、第2主成分軸PC2、および第3主成分軸PC3の各々の座標値を示す各主成分の主成分得点(スコア)を図9のテーブルに示し、評価距離L(S)の結果を図6のテーブルに示す。図9は、主成分分析部12が算出した単独重合体A−1、A−3及びA−6及び共重合体B−7及びB−8の各々の第1の主成分、第2の主成分および第3の主成分それぞれの主成分得点を示す図である。
図6から分かるように、評価距離L(S)が共重合体B−8、B−7の順に長くなり、この共重合体を調整して生成したレジスト用組成物の溶解性及び光に対する感度のリソグラフィー特性は、共重合体B−8、B−7の順に評価距離L(S)が長くなるに従い向上していることが分かる。したがって、レジストとして使用するレジスト用組成物を調整して、リソグラフィーを実際に行わずとも、レジスト用組成物の調整に用いる共重合体の評価距離L(S)を求めることにより、この共重合体から調整されるレジスト用組成物のリソグラフィー特性を推定することができる。
このn次元空間における任意の座標点からn−1次元空間までの評価距離L(S)は、任意の座標点をn−1次元空間に射影し、このn−1次元空間に射影されたn−1次元空間における位置を示す座標点と、任意の座標点とを結ぶ最短の測地線の長さを求めることになる。
ここで、数値変換部13は、単一の構成単位からなる重合体A−1からA−nに対し、各々の第1主成分軸PC1における座標値(主成分得点)と、…、第n主成分軸PCnにおける座標値(主成分得点)からなる座標点により、座標点P(A−1)〜P(A−n)と定める。
L(S)
=|a1×SPC1+a2×SPC2+…+an×SPCn+an+1|/(a1 2+a2 2+…+an 2)1/2
この式において、SPC1は評価対象の共重合体の第1主成分軸における座標値(第1主成分の主成分得点)であり、SPC2は評価対象の共重合体の第2主成分軸における座標値(第2主成分の主成分得点)であり、…、SPCnは評価対象の共重合体の第n主成分軸における座標値(第n主成分の主成分得点)である。
a1×SPC1+a2×SPC2+…+an×SPCn+an+1=0
の関係によって表されるn−1次元の比較空間(主成分空間より1次元少ない)は、座標点P(A−1)〜P(A−n)のn個の座標点の全てを通る。
ここで、数値変換部13は、上記式における数値(係数)a1からan+1は、比較空間であるn−1次元空間の式に対し、座標点P(A−1)の各座標を代入したn元連立方程式を解くことにより算出する。
また、数値変換部13は、評価対象のレジスト用共重合体Sについての主成分得点Pi(S)からなる点を座標点P(S)とし、単独重合体A−jについての主成分得点Pi(A−j)からなる座標点をP(A−j)とし、 座標点P(A−j)全てを通る(n−1)次元空間と座標点P(S)との距離を評価距離L(S)として算出する。
そして、特性評価部14は、数値変換部13の算出した評価距離L(S)により、評価対象のレジスト用共重合体のリソグラフィー特性の評価の処理を行う(すでに述べた閾値を用い、この共重合体を調合して得られるレジスト用組成物のリソグラフィー特性の評価を行う)。
そして、共重合体の組成における単量体の配列の状態と、共重合体の物性を含めた特性との相関を取ることにより、実際に共重合体を用いた実験を行わなくとも、レジスト用共重合体と同様に、評価距離L(S)から共重合体の特性を推定することができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
11…波形処理部
12…主成分分析部
13…数値変換部
14…特性評価部
15…NMRデータ記憶部
16…主成分データ記憶部
50…NMR測定部
Claims (5)
- 共重合体における単量体単位の配列状態の共重合体組成解析方法であり、
測定データ抽出部が、前記共重合体のNMRスペクトルから、前記共重合体を構成する前記単量体各々の波長が含まれる範囲のNMRスペクトルを共重合体測定データとして抽出する測定データ抽出過程と、
主成分分析部が、前記共重合体測定データと、前記単量体の各々のNMRスペクトルの単量体測定データとの化学シフト及びスペクトル強度に対する主成分分析を、前記単量体の数n(nは2以上の整数)に対応する第n主成分まで行う主成分分析過程と、
数値変換部が、前記第1主成分から第n主成分の主成分軸が構成するn次元の主成分空間において、前記主成分軸における前記単量体の主成分得点が表す座標点が全て含まれるn−1次元の比較空間から、前記共重合体の主成分得点が表す対象座標点までの評価距離を求める距離算出過程と、
特性評価部が、前記評価距離により、前記共重合体の組成を評価する特性評価過程と
を有する共重合体組成解析方法。 - 前記特性評価部が、前記評価距離により、前記共重合体の組成において、同一種類の前記単量体が連続して配置される長さを評価する請求項1に記載の共重合体組成解析方法。
- 前記特性評価部が、前記評価距離を判定するための閾値を有し、前記評価距離と前記閾値との比較により、前記共重合体を用いて調整される組成物の特性を評価する請求項1または請求項2に記載の共重合体組成解析方法。
- 前記共重合体がレジスト用共重合体であり、
前記特性評価部が、
溶媒に対する溶解性及び露光における感度を含むリソグラフィー特性を、前記評価距離と、前記閾値とを比較することにより評価する請求項3に記載の共重合体組成解析方法。 - 共重合体における単量体単位の配列状態の共重合体組成解析方法において使用されるコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
測定データ抽出部が、前記共重合体のNMRスペクトルから、前記共重合体を構成する前記単量体各々の波長が含まれる範囲のNMRスペクトルを共重合体測定データとして抽出する測定データ抽出の処理と、
主成分分析部が、前記共重合体測定データと、前記単量体の各々のNMRスペクトルの単量体測定データとの化学シフト及びスペクトル強度に対する主成分分析を、前記単量体の数n(nは2以上の整数)に対応する第n主成分まで行う主成分分析の処理と、
数値変換部が、前記第1主成分から第n主成分の主成分軸が構成するn次元の主成分空間において、前記主成分軸における前記単量体の主成分得点が表す座標点が全て含まれるn−1次元の比較空間から、前記共重合体の主成分得点が表す対象座標点までの評価距離を求める距離算出の処理と、
特性評価部が、前記評価距離により、前記共重合体の組成を評価する特性評価の処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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